清水銀行(頭取 岩山 靖宏)は、お客様の SDG s の達成をご支援するため、各種サステナブルファイナンスの提供に努めており、その一環としてこのたび、ダイエー工業株式会社(代表取締役 飯田 昌昇)と「しみずポジティブ・インパクト・ファイナンス」契約を締結いたしました。
ダイエー工業株式会社 との
「しみずポジティブ・インパクト・ファイナンス」契約締結について
清水銀行(頭取 xx xx)は、お客様の SDG s の達成をご支援するため、各種サステナブルファイナンスの提供に努めており、その一環としてこのたび、ダイエー工業株式会社(代表取締役 xx xx)と「しみずポジティブ・インパクト・ファイナンス」契約を締結いたしました。
本件の取組みにあたっては、関連会社の株式会社xx地域経済研究センター(代表取締役 xx xx)がインパクト分析・特定のうえ評価書を作成し、株式会社日本格付研究所(代表取締役社長 xx xx)がポジティブ・インパクト金融原則との適合性を確認しました。
xx銀行では、2021 年 12 月に「環境方針」「責任ある投融資方針」からなる「xx銀行サステナビリティ方針」を策定し、持続可能な社会の実現や社会的課題の解決に向けた取り組みを加速させてまいりました。今後も社会・環境問題の解決に資する取り組みを一層推進し、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
1.契約概要 2.借入人概要
x 約 日 : 令和 4 年 12 月 29 日(木) 企 業 名 : ダイエー工業株式会社 融資金額 : 100 百万円 所 在 地 : xxxxxxxx 000-0
資金使途 : 運転資金 事業内容 : 土木工事業
3.借入人の主な取組み(詳細は「ポジティブ・インパクト・ファイナンス評価書」をご参照ください)
(1)特定されたインパクト
ポジティブなインパクトの成果が期待できる事項 | ・従業員への資格取得促進による有資格者の増加 ・30 歳以下の若年層の採用増加と女性の現場監督を増加 ・高齢者の雇用数増加 ・海岸、河川工事を通じた地域の協力業者とのノウハウの共有・拡大 |
ネガティブなインパクトの低減が必要となる事項 | ・全従業員の健康管理の継続と安全教育の徹底 ・有給休暇取得促進 ・環境対策対応重機の導入促進 ・省エネルギー車両の継続導入による省エネルギー化 ・工事の際の廃棄物削減、再利用、分別、リサイクルの徹底 |
(2)測定する KPI
環境面 | ・重機 14 台のうち現状 2 台である環境対策対応車両を 2029 年までに 5 台とする ・営業車両 10 台のうち現状 3 台である省エネルギー車両を 2029 年ま でに 7 台とする ・産業廃棄物の排出量を 2021 年度の 744.9 トンから 2024 年に 564.4トンに削減し、その後も維持する |
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経済面 | ・2029 年までに女性の現場監督を現在の 1 名から 2 名にする ・2029 年までに高齢者の雇用者数を現在の 2 名から6名にする ・20 歳代 3 名の採用と合わせ、従業員数を現在の 20 名から 26 名にする ・海岸、河川工事の年間施工件数を 2021 年度の 24 件から、2029 年 度に 30 件とする |
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社会面 | ・2029 年までに 1 級土木施工管理技士資格取得者を現在の 8 名から 10 名とし、重機オペレーターを現在の 10 名から 12 名にする ・2029 年までに女性の現場監督を現在の 1 名から 2 名にする ・2029 年までに高齢者の雇用者数を現在の 2 名から6名にする ・20 歳代 3 名の採用と合わせ、従業員数を現在の 20 名から 26 名にする ・2017 年から現在までの労働災害事故 0 件を維持する ・ストレスチェックを導入し 2029 年度には実施率 100%とする ・有給休暇の取得率を現状の 25.5%から 50.0%に引き上げる |
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以 上
<ニュースリリースに関するお問い合せ> xx銀行 支店営業部 xx 054-366-9990
株式会社xx地域経済研究センター
The Shimizu Regional Economy Research Center,INC
ポジティブ・インパクト・ファイナンス評価書
2022 年 12 月 28 日
株式会社xx地域経済研究センター
株式会社xx地域経済研究センター
The Shimizu Regional Economy Research Center,INC
目次 | |
1.評価の概要••••••••••••••••••••••••••• | 1 |
2.PIF の概要••••••••••••••••••••••••••• | 2 |
3.企業概要•••••••••••••••••••••••••••• | 2 |
4.包括的分析••••••••••••••••••••••••••• | 4 |
5.サステナビリティ経営体制•••••••••••••••••••• | 9 |
6.インパクトの特定•••••••••••••••••••••••• | 14 |
7.KPI の決定••••••••••••••••••••••••••• | 17 |
8.モニタリング•••••••••••••••••••••••••• | 22 |
xx地域経済研究センターは、株式会社日本格付研究所の協力を得て、国連環境計画金融イニシアティブ(UNEP FI)が公表している「ポジティブ•インパクト•ファイナンス金融原則」に則り、ダイエー工業株式会社(以下、ダイエー工業という)の包括的なインパクト分析を行いました。
xx銀行は、本評価書で特定されたポジティブ•インパクトの拡大とネガティブ•インパクトの低減に向けた取り組みを支援するため、ダイエー工業に対してポジティブ•インパクト•ファイナンス(以下、PIF という)を実行します。
1.評価の概要
(企業概要)
ダイエー工業は静岡県富士市にある 1967 年設立の土木工事業者である。海岸、河川の護岸工事や富士市にある田子の浦港の浚渫工事を主な事業として行っている。
(インパクトの特定)
土木工事業におけるポジティブ•インパクトとして特定した項目は「教育」「雇用」
「包括的で健全な経済」「経済収束」、ネガティブ•インパクトとして特定した項目
「健康•衛生」「雇用」「水(質)」「大気」「土壌」「生物多様性と生態系サービス」「資源効率•安全性」「気候」「廃棄物」とした。
(KPI の決定)
ポジティブなインパクトの成果が期待できる事項として、社会面において、「教育」ではテーマを「従業員の資格取得促進」とし KPI は「2029 年までに1級土木施工管理技士資格取得者を現在の8名から 10 名とし、重機オペレーターを現在の 10 名から
12 名にする」とした。社会面•経済面において、「雇用」「包括的で健全な経済」ではテーマを「若年層の増加と女性活躍、高齢者雇用の増加」とし KPI は「2029 年までに女性の現場監督を現在の 1 名から 2 名にする」「2029 年までに高齢者の雇用者
数を現在の 2 名から6名にする」「20 歳代 3 名の採用と合わせ、従業員数を現在の
20 名から 26 名にする」とした。経済面において、「経済収束」ではテーマを「事業を通じてサプライチェーンの強化を図り、持続的な地域経済の発展を図る」とし KPI は
「海岸、河川工事の年間施工件数を 2021 年度の 24 件から、2029 年度に 30 件とする」とした。
ネガティブなインパクトの低減が必要となる事項として、社会面において、「健康•衛生」ではテーマを「無事故の継続と従業員健康維持による健全な職場環境の維持を図 る」とし KPI は「2017 年から現在までの労働災害事故 0 件を維持する」「ストレスチェックを導入し 2029 年度には実施率 100%とする」とした。「雇用」ではテーマを「充実した職場環境を作る」とし KPI は「有給休暇の取得率を現状の 25.5%から 50.0%に引き上げる」とした。環境面において、「大気」ではテーマを「環境対策対
応重機の導入促進を図る」とし KPI は「重機 14 台のうち現状 2 台である環境対策対 応車両を 2029 年までに 5 台とする」とした。「気候」ではテーマを「省エネルギー車両導入の促進を図る」とし KPI は「営業車両 10 台のうち現状 3 台である省エネル ギー車両を 2029 年までに 7 台とする」とした。「廃棄物」ではテーマを「産業廃棄物の排出量の削減を図る」とし KPI は「産業廃棄物の排出量を 2021 年度の 744.9 トンから 2024 年に 564.4 トンに削減し、その後も維持する」とした。
(モニタリング)
モニタリング体制として、統括責任者をxx社長、プロジェクトリーダーをxx専務と
し、プロジェクトチームとして管理部内に SDGs 推進チームを組成した。今後少なくとも年 1 回はモニタリングする体制を構築し、進捗状況を確認する。
2.PIF の概要
今回実施予定の融資概要
契約日及び返済期限 | 2022 年 12 月 29 日~2029 年 12 月 10 日 |
金額 | 100,000,000 円 |
資金使途 | 運転資金 |
モニタリング期間 | 7年 |
3.企業概要
企業名 | ダイエー工業株式会社 |
海外拠点 | 無 |
従業員 | 20 名 |
資本金 | 21 百万円 |
業種 | 土木工事業 |
事業の内容 | 土木工事事業 100% |
主要取引先 | <主要仕入先> 丸エ砂利販売㈱、㈱富士宇部 <主要販売先> 若築建設㈱、冨士土木事務所、㈱xx組、㈱xx組 他 |
沿革 | 1967 年 富士市に砂利採取業として大栄興業㈱を設立 2007 年 福島㈱より土木部門を譲受し建設業に業態転換 建設業許可 静岡県知事(特定)第 034234 号取得 (土木•とび土工•舗装工事、建設•浚渫工事)産業廃棄物収集運搬許可取得(第 02201135262 号) 2010 年 エコアクション 21 認証取得 認証•登録番号 0005355 2011 年 ダイエー工業㈱に社名変更 2013 年 建設業許可 静岡県知事(特定)第 034234 号取得(石工事) 2019 年 建設業許可 静岡県知事(特定)第 034234 号取得(解体工事) |
企業理念 | •お客様の満足 •企業と社員の満足 •地域社会の満足 |
組織図 |
4.包括的分析
(1)業種別インパクトの状況
その他の土木工事業におけるインパクトレーダーの標準値において、ポジティブなインパクトとして発現した項目は「雇用」「包括的で健全な経済」「経済収束」、ネガティブなインパクトとして発現した項目は「健康•衛生」「雇用」「文化•伝統」
429 4290 その他の土木工事業 | 標準値 | |
ポジティブ | ネガティブ | |
水(入手可能性) | ||
食糧 | ||
住居 | ||
健康•衛生 | ||
教育 | ||
雇用 | ||
エネルギー | ||
移動手段 | ||
情報 | ||
文化•伝統 | ||
人格と人の安全保障 | ||
xx | ||
強固な制度•平和•安定 | ||
水(質) | ||
大気 | ||
土壌 | ||
生物多様性と■生態系サービス | ||
資源効率•■安全性 | ||
気候 | ||
廃棄物 | ||
包括的で健全な経済 | ||
経済収束 |
「水(質)」「大気」「土壌」「生物多様性と生態系サービス」「資源効率•安全性」「気候」「廃棄物」となった。
(2)サプライチェーン全体におけるインパクトの状況
ⅰ建設工事業界動向
建設投資は、1992 年度の 84 兆円をピークとして 2010 年度には 42 兆円まで半減したが、2013 年以降は東日本大震災からの復旧•復興工事やアベノミクスの財政政策によって投資額は増加し、2021 年には東京オリンピック•パラリンピックが開催されたこともあって、建設投資は好調であった。また、業界を取り巻く環境としては、気候変動や大規模地震等への対策として、国土強靭化の取り組みを強化するため、2018 年に「防災•減災、国土強靭化のための 3 か年緊急対策」、2022 年に「防災•減災、国土強靭化のための 5 か年加速化対策」が策定されており災害対策の公共工事は堅調に推移する見通しで
ある。加えて民間工事においても 2020 年度に落ち込んだ反動から、多くの主要上場建設会社で受注が増加する等、官民ともにそれまでの閉塞感に変化が生じている。2022 年度の建設投資は 66 兆 9,900 億円(前年度比 0.6%増)となる見通しである。
ⅱ静岡県における公共工事動向
静岡県においては、2019 年度から 2021 年度までの発注者別請負金額の状況は下表の通りで、直近 3 年間では市町村発注が減少している。
出典:東日本建設業保証株式会社 HP
ⅲ事業概要
ダイエー工業は 1967 年富士市で砂利採取業として創業し、2007 年、福島㈱より土木事業を譲受し建設業に参入した。土木工事、特に海岸や河川の護岸工事及び田子の浦港の浚渫工事とそれに関連する工事を得意としており、過去 5 年間の主な受注工事のうち、海岸や河川に関連する工事が 88.3%、通常の土木工事が 11.7%となっている。また海岸や河川工事が主体のため、公共工事の割合が非常に高いことも特徴である。
【認証】
エコアクション 21(認証•登録番号 0005355)
機種 | メーカー | 形式 | 性能 | 燃料 |
クローラクレーン | コベルコ | 7200 | 200t吊 | 軽油 |
クローラクレーン | 石川島 | CCH1800 | 180t吊 | 軽油 |
クローラクレーン | 石川島 | CCH650 | 65t吊 | 軽油 |
クローラクレーン | 石川島 | CCH650 | 65t吊 | 軽油 |
油圧ショベル | CAT | 330D | 1.2m3 | 軽油 |
油圧ショベル | CAT | 330D | 1.2m3 | 軽油 |
油圧ショベル | CAT | 320D | 0.7m3 | 軽油 |
油圧ショベル | 日立 | ZX200-3 | 0.7m3 | 軽油 |
油圧ショベル | 日立 | ZX200-3 | 0.7m3 | 軽油 |
油圧ショベル | 日立 | ZX200-5B | 0.7m3 | 軽油 |
油圧ショベル | xxx機 | SH200-7 | 0.7m4 | 軽油 |
ブルドーザー | CAT | D6K2 | 14t | 軽油 |
土質改良機 | コマツ | BZ210-1 | 40~150m3/h | 軽油 |
タイヤショベル | TCM | L35 | 3.5m3 | 軽油 |
【保有建設機械】
ⅳサプライチェーンの概要
【商流】
同社のサプライチェーンは、海岸や河川の工事を中心とし、静岡県富士土木事務所からの
発注又は元請事業者からの発注を受け、自社で施工が可能な重機を使用した工事は自社施工を行い、必要に応じて協力企業へ外注を行う形態となっている。同社の事業の中で中心となるのは、富士市に所在する田子の浦港の浚渫と近隣の海岸保全工事である。田子の浦港は富士山のxx崩れを源流とする 1 級河川潤xxと 1 級河川沼川のxxに静岡県により
1961 年に開設された掘割式の港である。富士山から潤xxを通じて大量の砂利や砂が流入するため恒常的に浚渫が必要な港となっている。このため静岡県では「田子の浦港の効率的な浚渫による航路泊地の保全対策ほか」として 2020 年度予算では 5 億 3 千 6 百万
円を計上し、2021 年度予算では5億8千6百万円を計上している。
【浚渫工事】
田子の浦港の浚渫工事は、陸からの作業ができない航路や船舶の停泊場所についてはクレーンを積載した起重機船
(浚渫船)を用いて行われ(写真①)、潤xxのxxに人工的に設けられた沈砂池(写真②)に堆積する土砂は陸上からクレーン車を用いて行われる。同社では、起重機船
(浚渫船)で浚渫された土砂の処理と、沈砂池に堆積した土砂の陸上からの浚渫を行っている。陸揚げされた土砂は流木等を分別した後に、静岡県が設置したプラント(写真
③)を用いて砂利、砂、及び脱水された泥と粘土(「脱水ケーキ」と呼ばれる)に分別される。砂利と砂は近隣の海岸の養浜工事(波や潮流により縮小した砂浜の回復工事)に充当されている。脱水ケーキは静岡県が保管して使途を決定しており、セメント等の土質改良材と混合して海岸周辺の造成工事の際に盛土資材として使用されている。
【海岸保全工事•河川護岸工事】
海岸保全工事(写真④)と河川の護岸工事では、消波ブロック及び護岸ブロックの設置や更新が主な業務となる。消波ブロックは海岸や防波堤に設置される。河川では消波ブロックとは形状の異なる護岸ブロックが堤防、橋梁の橋脚の周辺等に設置される。他にも田子の浦港に流れ込む潤xxの上流部では、富士山のxx崩れから流れ落ちる土砂を堆積させるための砂防工事が行われ、これに伴う護岸ブロックの設置が行われている。消波ブロックならびに護岸ブロックは、新たに設置されるものの他、既存のものについても波浪や大雨による洪水により破損する場合があり、交換することがある。同社では、新たな設置と交換の双方に対応している。破損した消波ブロックについては、回収後に海岸で解体し、コンクリート片と鉄筋に分別して地域の専門業者に依頼してリサイクルされている。消波ブロックは標準的なもので 20 トン程度の重量があるため、設置する現地の周辺で製作することがほとんどであり、地域の協力会社と共に製作を行う。護岸整備の工事などにおいて発生した残土は、自社が保有する残土処分場で最終処分している。同社の事業では、浚渫や護岸工事の際に土砂とともに回収した流木や残土処分場を整備をした際に木材が発生するが、木材を粉砕する機械(ウッドチッパー)を導入し
①起重機船を用いた浚渫
出典:国土交通省中部地方整備局ホームページ
②潤xxxx沈砂池
③分別脱水プラント(静岡県設置)
④海岸保全工事
※注記なしの写真は同社及び作成者撮影
て、発生した木材を粉末にして残土処分場の法面(斜面)緑化の際に袋詰めしたものを植生保護に使用している。
同社は海岸、河川の土木工事についてのノウハウを蓄積しており、起重機船の手配や潜水士の手配等についても行えることから、発注者や協力業者の信頼も厚く、そのノウハウを建設業組合を通じて地元業者と共有する活動も行っている。静岡県においては、田子の浦港の浚渫工事と富士山の砂防工事は永続的なものであるが、特殊性もあることから他地区
からの新規参入は限定的であると考えられる。
5.サステナビリティ経営体制
(1)サステナビリティ経営方針
同社の企業理念は、「お客様の満足」「企業と社員の満足」「地域社会の満足」としており、「責任ある施工と安全な管理」に取り組んでいる。
また同社ではエコアクション 21 を取得しており、その中で環境経営方針以下の通り定めて取り組んでいる。
【環境経営方針】(同社エコアクション 21「環境経営レポート」より抜粋)
(1)環境経営に対して、次の環境方針に定めて取り組みを継続します
① 電力、燃料の消費に伴う二酸化炭素排出量の削減
② 建設資材の省資源、廃棄物の3R(減量、再利用、再生利用)の推進
③ 水資源の有効活用と節水
④ 工事現場での騒音等、現場周辺環境への配慮
⑤ 地域貢献活動の推進(環境活動への参加、普及)
(2)環境関連法規制や当社が約束したことを遵守します
(3)グリーン購入を推進します
(2)社会面における対応
〈「健康•衛生」に関して取り組んでいる項目、課題等〉
2017 年から現在まで 6 年間に渡り労働災害ゼロを維持している。
また、海岸保全工事等で溶接作業があることから、特定化学物質及び四アルキル鉛等が体内に蓄積されていないか、作業xx者と溶接担当者は6か月に1回の特定検診を受診してお
り、従業員については年1回の定期健康診断を 100%受診している。これに加えて、ストレスチェックの導入を検討している。従業員の健康•衛生と安全確保を重視していることを確認した。
〈「教育」に関して取り組んでいる項目、課題等〉
インパクトレーダーにおいて、「教育」は標準値として発現していないが、同社では 1 級土木施工管理技士をはじめ、重機オペレーターに必要な資格については勤務時間中の受験が認められており、休日の受験•受講についても出勤扱いとするなどの支援体制を構築してい る。また、土木施工管理技士等の有資格者には資格手当を支給する等のインセンティブを付与しており、従業員のモチベーションの維持と、育成を重視していることを確認した。
資格名 | 保有者数 |
1級土木施工管理技士1 | 8 |
2級土木施工管理技士 | 7 |
1級建設機械施工技士2 | 1 |
2級建設機械施工技士 | 5 |
1級舗装施工管理技術者3 | 4 |
1級建築施工管理技士 | 1 |
登録機械土工基幹技能者4 | 6 |
移動式クレーン免許 | 6 |
車両系技能講習 | 10 |
種類 | 男性 | 女性 | 合計 |
役員 | 4 | 0 | 4 |
管理者 | 3 | 0 | 3 |
一般 | 10 | 3 | 13 |
合計 | 17 | 3 | 20 |
男女比率 | 85% | 15% | 100% |
資格取得状況一覧表(重複取得者あり)
(単位:名)
〈「文化•伝統」に関して取り組んでいる項目、課題〉
同社の事業では、文化財などの工事は行っておらず、道路拡幅工事などで神社仏閣等を移転せざるを得ないような場合も地域住民と話し合って移転を行う等の対応を実施している。文化•伝統に関する事項について、大きな影響を与えていないことを確認した。
(3)社会面•経済面における対応
〈「雇用」「包括的で健全な経済」に関して取り組んでいる項目、課題等〉従業員の状況は以下の通りである。
男女別従業員構成
(単位:名)
1 土木施工管理技士:土木工事において、xx技術者又は監理技術者として施工計画を作成し、現場における工程管理、安全管理等工事施工に必要な技術上の管理等を行う。1 級と 2級に分かれ、担当できる業務範囲が異なる。
2 建設機械施工技士:1 級と 2 級に分かれ、各種建設機械を用いた施工における指導•監督及び運転•施工の業務に携わり、xx技術者として施工管理を行う。
3 舗装施工管理技術者:舗装工事の技術水準及び能力を評価した民間資格。公共工事においては現場選任を求められる。
4 登録機械土工基幹技能者:重機を操作する作業で施工管理能力、調整能力、専門知識、優れた指導力を持つ者を認定し登録する制度。
年齢と性別、職種別の状況は下表のとおりである。31 歳~50 歳が中心の構成となってい る。同社の定年は 60 歳となっており、60 歳以降の継続雇用制度を設けている。現在、61歳以上の従業員は 2 名のみであり、他に体調の問題から退職した 65 歳のクレーンオペレーター1 名が必要に応じて勤務している。今後、高齢者については本人の希望に応じて継続雇用をしていく方針である。女性については現場監督が 1 名在籍している。外国人は在籍していない。また、現状の有給休暇の平均取得率は 2021 年度において 25.53%となってい
る。30 歳以下の若年層、女性、高齢者の採用ならびに有給休暇の取得促進については検討事項であることを確認した。
年齢•職種別従業員数 (単位:名)
年齢層 | 男性 | 女性 | 合計 | |||
現場監督 | オペレーター | 営業 | 現場監督 | 事務員 | ||
~30 歳 | 0 | 1 | 0 | 1 | 0 | 2 |
31 歳~40 歳 | 0 | 3 | 0 | 0 | 0 | 3 |
41 歳~50 歳 | 3 | 4 | 0 | 0 | 1 | 8 |
51~60 歳 | 1 | 2 | 1 | 0 | 1 | 5 |
61 歳~ | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 |
合計 | 6 | 10 | 1 | 1 | 2 | 20 |
(4)環境面における対応
〈「水(質)」「生物多様性と生態系サービス」に関して取り組んでいる項目、課題等〉
浚渫作業は、県の定める手順に基づいて汚濁防止枠により周囲を囲った状態で実施することで、海洋汚染の抑制をしている。また、油類の流出による環境への事故対策として「環境事故緊急対応手順書」を定め、油流出対策訓練を実施しており、「水(質)」「生物多様性と生態系サービス」への影響を抑制していることを確認した。
環境事故対応訓練
〈「大気」に関して取り組んでいる項目、課題等〉
エコアクション 21 を認証取得しており、売上高に対する CO2排出量目標値を定めている。業務遂行上排出される CO2は軽油の使用量による割合が 90%を占めており、建設機械の
「アイドリングストップなどによる軽油使用量削減、環境対策に対応した機種の厳選、効率的な工法の選択」を目標としている。
また、使用する建設機械については、尿素水を利用して排気に含まれる窒素酸化物の発生を抑制する装置を搭載した機械を保有しており、今後も更新に合わせて搭載車両を増加する方針であり、「大気」に対する影響の抑制に取り組んでいることを確認した。
〈「土壌」に関して取り組んでいる項目、課題等〉
同社の事業では、浚渫により発生した土砂の処理が課題となるが、国と静岡県の取り扱いに従って対応されている。砂礫については、近隣海岸の養浜工事に充当されている。静岡県が管理する泥と粘土分である「脱水ケーキ」については、県が発注する埋立工事等にセメントと土壌改良剤を加えて埋立用土砂として使用している。同社では県の基準に則してセメントと土壌改良剤を加えることが可能な土壌改良機を導入して対応している。土壌への影響が抑制されていることを確認した。
土壌改良機
脱水ケーキを用いた埋立て
出典:国土交通省中部地方整備局
ホームページ
〈「資源効率•安全性」「廃棄物」に関して取り組んでいる項目、課題等〉
海岸、河川工事を行う中で主な廃棄物として流木、コンクリート片、鉄材等が発生する。 同社では、流木については自社の残土処理場の管理で発生する木材と合わせて粉末化し、工事の際に植生保護に活用している。また、鉄筋やコンクリート片については、分別の上で専門業者を通じて 100%リサイクルをしている。また、エコアクション 21 の活動の中で、上記の活動を通じて廃棄物の発生量を減少させる目標を設定しており、「資源効率•安全
性」と「廃棄物」のネガティブ•インパクト抑制に取り組んでいることを確認した。
〈「気候」に関して取り組んでいる項目、課題等〉
同社はエコアクション 21 の取り組みの中で CO2 の削減を目標として設定しており、現在保有する営業車両 10 台のうち、3 台はハイブリッド車などの省エネルギー車両である。今後も、省エネルギー車両を導入していく方針である。また、本社事務所の照明は 100% LED 化されており、CO2の削減を通じて気候に対するネガティブ•インパクト抑制に取り
組んでいること確認した。
(5)経済面における対応
〈「経済収束」に関して取り組んでいる項目、課題等〉
富士市では、1 年に 1 回官民共同で職業体験イベントを開催している。建設業は慢性的な就職希望者不足が続いており、業界全体で就職希望者を増加させる取り組みが行われている。同社では、富士市建設業組合の一員として参加し、子供たちが職業体験をすることに協力している。また、同社では地域の協力企業と浚渫作業についてのノウハウを共有することで、田子の浦港の整備が継続して行われ、田子の浦港の利用に支障が生じない体制づくりを行っている。同社が地域全体の経済的な発展に取り組んでいることを確認した。
富士市職業体験イベント
6.インパクトの特定
(1)インパクトの特定分析
UNEP FI のインパクトレーダーにおける標準値を基に、前記の分析を踏まえ、下記のプレ審査シートにて個社別の状況を考慮して、インパクトと KPI 設定対象を特定した。
インパクトの特定分析
インパクト領域 | UNEP FI 標準値 | 個社分析修正値 | インパクトの詳細具体的取組内容 | KPI設定対象 | 関連する SDGsターゲット |
入手可能性、アクセス可能性、手ごろさ、品質(一連の固有の特徴がニーズを満たす程度)
水(入手可能性) | ポジティブ | |||||
ネガティブ | ||||||
食糧 | ポジティブ | |||||
ネガティブ | ||||||
住居 | ポジティブ | |||||
ネガティブ | ||||||
健康•衛生 | ポジティブ | |||||
ネガティブ | ○ | ○ | 全従業員の健康管理の継続と安全教育の徹底 | ○ | 3.d | |
教育 | ポジティブ | ○ | 従業員への資格取得促進による有資格者の増加 | 〇 | 4.3 4.4 | |
ネガティブ | ||||||
雇用 | ポジティブ | ○ | ○ | 30歳以下の若年層の採用増加と女性の現場監督を増加高齢者の雇用数増加 | ○ | 8.5 |
ネガティブ | ○ | ○ | 有給休暇取得促進 | ○ | 8.5 | |
エネルギー | ポジティブ | |||||
ネガティブ | ||||||
移動手段 (モビリティ) | ポジティブ | |||||
ネガティブ | ||||||
情報 | ポジティブ | |||||
ネガティブ | ||||||
文化•伝統 | ポジティブ | |||||
ネガティブ | ○ | |||||
人格と人の安全保障 | ポジティブ | |||||
ネガティブ | ||||||
xx | ポジティブ | |||||
ネガティブ | ||||||
強固な制度•平和•安定 | ポジティブ | |||||
ネガティブ |
質(物理的•化学的構成•性質)と有効利用
水(質) | ポジティブ | |||||
ネガティブ | ○ | ○ | 工事に使用する薬剤等は基準に適合したものを使用し、適切な工法を用いる油の流出等の発生防止を図ると共に、万一の事故に備えた訓練の継続 | |||
大気 | ポジティブ | |||||
ネガティブ | ○ | ○ | 環境対策対応重機の導入促進 | 〇 | 11.6 12.4 13.3 | |
土壌 | ポジティブ | |||||
ネガティブ | ○ | ○ | 工事で使用する薬剤等は基準に適合したものを使用し、適切な工法を用いる | |||
生物多様性と生態系サービス | ポジティブ | |||||
ネガティブ | ○ | 〇 | 工事に使用する薬剤等は基準に適合したものを使用し、適切な工法を用いる | |||
資源効率•安全性 | ポジティブ | |||||
ネガティブ | ○ | ○ | 工事の際の廃棄物削減、再利用、分別、リサイクル | |||
気候 | ポジティブ | |||||
ネガティブ | ○ | ○ | 省エネルギー車両の継続導入による省エネルギー化 | ○ | 13.3 | |
廃棄物 | ポジティブ | |||||
ネガティブ | ○ | ○ | 工事の際の廃棄物削減、再利用、分別、リサイクルの徹底 | 〇 | 12.5 |
環境の制約内で人間のニーズを満たす手段としての人と社会の経済的価値創造
包括的で健全な経済 | ポジティブ | ○ | ○ | 30歳以下の若年層の採用増加と女性の現場監督を増加高齢者の雇用数増加 | ○ | 8.5 |
ネガティブ | ||||||
経済収束 | ポジティブ | ○ | ○ | 海岸、河川工事を通じて、地域の協力業者とノウハウを共有し、地域経済の拡大を図る | ○ | 4.4 8.2 8.3 |
ネガティブ |
(2)インパクト特定
インパクトレーダーの標準値として発現した項目に、包括的分析を行い、サステナビリティ経営体制について分析した結果、ポジティブでは「教育」を追加し、ネガティブでは文化財等に悪影響を及ぼす工事等は行っていないことから、「文化•伝統」を削除してインパクトを特定した。特定したインパクト
ポジティブ:「教育」「雇用」「包括的で健全な経済」「経済収束」
429 4290 その他の土木工事業 | 修正値 | |
ポジティブ | ネガティブ | |
水(入手可能性) | ||
食糧 | ||
住居 | ||
健康•衛生 | ||
教育 | ||
雇用 | ||
エネルギー | ||
移動手段 | ||
情報 | ||
文化•伝統 | ||
人格と人の安全保障 | ||
xx | ||
強固な制度•平和•安定 | ||
水(質) | ||
大気 | ||
土壌 | ||
生物多様性と■生態系サービス | ||
資源効率•■安全性 | ||
気候 | ||
廃棄物 | ||
包括的で健全な経済 | ||
経済収束 |
ネガティブ:「健康•衛生」「雇用」「水(質)」「大気」「土壌」「生物多様性と生態系サービス」「資源効率•安全性」「気候」「廃棄物」
(3)ダイエー工業として KPI は設定しないがインパクトを特定する項目
特定するネガティブ•インパクトは「水(質)」である。具体的取組内容は「工事に使用する薬剤等は基準に適合したものを使用し、適切な工法を用いる」「油の流出等の発生防止を図ると共に、万一の事故に備えた訓練の継続」である。水質汚濁防止枠を用いた工事などで水質に対する影響を最大限抑制していることから、インパクトは特定するものの、KPI の設定は行わないこととした。特定するインパクトは「土壌」である。具体的取組内容は、「工事に使用する薬剤等は基準に適合したものを使用し、適切な工法を用いる」である。現場にあわせた適切な工法を用いることで、土壌に与える影響を最大限抑制していることから、インパクトは特定するものの、 KPI の設定は行わないこととした。特定するネガティブ•インパクトは「生物多様性と生態系サービス」である。具体的取組内容は「工事に使用する薬剤等は基準に適合したものを使用し、適切な工法を用いる」である。水質、土壌と同様に、適切な工法を用いて生物多様性と生態系に与える影響を最大限抑制していることから、インパクトは特定するものの、KPI の設定は行わないこととした。特定するネガティブ•インパクトは「資源効率•安全性」である。具体的取組内容は「工事の際の廃棄物削減、再利用、分別、リサイクルに取り組む」である。同社の事業で発生するコンクリート片や鉄材については専門業者を通じてリサイクルされていることを確認した が、受注工事によって発生数量が大きく異なり、定量的な目標設定が困難なことから、KPI の設定は行わないこととした。
(4)インパクトレーダーにおけるマッピング
特定したインパクトをもとにインパクトレーダーで発現したインパクト•マップは以下の通りとなる。
7.KPI の決定
(1)ポジティブなインパクトの成果が期待できる事項
ⅰ社会面
テーマ | 従業員の資格取得促進 |
インパクトレーダー | 教育 |
取組内容 | 従業員への資格取得促進による有資格者の増加 |
SDGs との関連性 | 4.3:2030 年までに、全ての人々が男女の区別なく、手の届く質の高い技術教育•職業教育及び大学を含む高等教育への平等なアクセスを得られるようにする。 4.4:2030 年までに、技術的•職業的スキルなど、雇用、働きがいのある人間らしい仕事及び企業に必要な技能を備 えた若者と成人の割合を大幅に増加させる |
KPI | •2029 年までに 1 級土木施工管理技士資格取得者を現在の 8 名から 10 名とし、重機オペレーターを現在の 10 名か ら 12 名にする |
ⅱ社会面•経済面
テーマ | 若年層の増加と女性活躍、高齢者雇用の増加 |
インパクトレーダー | 雇用 包括的で健全な経済 |
取組内容 | 30 歳以下の若年層の採用増加と女性の現場監督を増加 高齢者の雇用数増加 |
SDGs との関連性 | 8.5:2030 年までに、若者や障害者を含むすべての男性及び女性の、完全かつ生産的な雇用及び働きがいのある人間らしい仕事、ならびに同一価値の労働についての同一賃金を達成する |
KPI | •2029 年までに女性の現場監督を現在の 1 名から 2 名にする •2029 年までに高齢者の雇用者数を現在の 2 名から6名にする •20 歳代 3 名の採用と合わせ、従業員数を現在の 20 名か ら 26 名にする |
ⅲ経済面
テーマ | 事業を通じてサプライチェーンの強化を図り、持続的な地域 経済の発展を図る |
インパクトレーダー | 経済収束 |
取組内容 | 海岸、河川工事を通じて、地域の協力業者とノウハウを共有 し、拡大を図る |
SDGs との関連性 | 4.4:2030 年までに、技術的•職業的スキルなど、雇用、働きがいのある人間らしい仕事及び起業に必要な技能を備えた若者と成人の割合を大幅に増加させる 8.2:高付加価値セクターや労働集約型セクターに重点を置くことなどにより、多様化、技術向上及びイノベーションを通じた高いレベルの経済生産性を達成する 8.3:生産活動や適切な雇用創出、起業、創造性及びイノベーションを支援する開発重視型の政策を促進するとともに、金融サービスへのアクセス改善などを通じて中小零細企 業の設立や成長を奨励する |
KPI | •海岸、河川工事の年間施工件数を 2021 年度の 24 件から、 2029 年度に 30 件とする |
(2)ネガティブなインパクトの低減が必要となる事項
ⅰ社会面
テーマ | 無事故の継続と従業員健康維持による健全な職場環境の維持 を図る |
インパクトレーダー | 健康•衛生 |
取組内容 | 全従業員の健康管理の継続と安全教育の徹底 |
SDGs との関連性 | 3.d:全ての国々、特に開発途上国の国家•世界規模な健康危険因子の早期警告、危険因子緩和及び危険因子管理のための能力を強化する |
KPI | •2017 年から現在までの労働災害事故 0 件を維持する •ストレスチェックを導入し 2029 年度には実施率 100%とする |
テーマ | 充実した職場環境を作る |
インパクトレーダー | 雇用 |
取組内容 | 有給休暇取得促進 |
SDGs との関連性 | 8.5:2030 年までに、若者や障害者を含むすべての男性及び女性の、完全かつ生産的な雇用及び働きがいのある人間らしい仕事、ならびに同一価値の労働についての同一賃金を達成する |
KPI | •有給休暇の取得率を現状の 25.5%から 50.0%に引き上げ る |
ⅱ環境面
テーマ | 環境対策対応重機の導入促進を図る |
インパクトレーダー | 大気 |
取組内容 | 環境対策対応重機の導入促進 |
SDGs との関連性 | 11.6:2030 年までに、大気の質及び一般並びにその他の廃棄物の管理に特別な注意を払うことによるものを含め、都市の一人当たりの環境上の悪影響を軽減する 12.4:2020 年までに、合意された国際的な枠組みに従い、製品ライフサイクルを通じ、環境上適正な化学物資質や全ての廃棄物の管理を実現し、人の健康や環境への悪影響を最小化するため、化学物質や廃棄物の大気、水、土壌への放出を大幅に削減する 13.3:気候変動の緩和、適応、影響軽減及び早期警戒に関する教育、啓発、人的能力及び制度機能を改善する。 |
KPI | •重機 14 台のうち現状 2 台である環境対策対応車両を 2029 年までに 5 台とする |
テーマ | 省エネルギー車両導入の促進を図る |
インパクトレーダー | 気候 |
取組内容 | 省エネルギー車両の継続導入による省エネルギー化 |
13.3:気候変動の緩和、適応、影響軽減及び早期警戒に関する教育、啓発、人的能力及び制度機能を改善する。 | |
KPI | •営業車両 10 台のうち現状 3 台である省エネルギー車両を 2029 年までに 7 台とする |
テーマ | 産業廃棄物の排出量の削減を図る |
インパクトレーダー | 「廃棄物」 |
取組内容 | 工事の際の廃棄物削減、再利用、分別、リサイクルの徹底 |
SDGs との関連性 | 12.5:2030 年までに、廃棄物の発生防止、削減、再生利用及び再利用により、廃棄物の発生を大幅に削減する |
KPI | •産業廃棄物の排出量を 2021 年度の 744.9 トンから 2024 年に 564.4 トンに削減し、その後も維持する |
(3)地域において認識される社会的課題•環境問題への貢献
•工業が主産業である富士地区において、田子の浦港は原料の入手、製品の出荷に重要な港湾であり、その維持の一環としての浚渫作業は重要である。一方で、過去の環境汚染もあることから浚渫工事を行う事業者には専門的なノウハウが求められ、地域の建設業者がそのノウハウを共有していくことは重要である。
•近年の気象災害の大きさから、海岸、河川の護岸工事は地域の安全を守るためにも重要性を増し
ており、同社の事業は地域の持続的な成長のためにも重要である。
8.モニタリング
(1)モニタリング体制
同社では、本 PIF の組成にあたり横断的なプロジェクトチームを組成した。統括責任者をxx社長、プロジェクトリーダーをxx専務とし、プロジェクトチームとして管理部内に SDGs 推進チームを組成した。同社の企業理念、経営方針を基に、事業実績、企業活動等の棚卸しを行い、本 PIF のインパクトの特定及び目標と KPI の策定を行った。
本 PIF 実行後においては、決定したインパクトの内容や KPI を営業会議•朝礼等で社員へ周知し、関連するサプライチェーンへも通達し、達成に向けた連携を図り、プロジェクトチームを中心に同社全体で KPI の達成に向けた推進体制を構築していく。
統括責任者
代表取締役社長 xx xxxプロジェクトリーダー
専務取締役 xx xxxプロジェクトチーム
管理部 SDGs 推進チーム
(2)モニタリングの頻度と方法
本 PIF で設定した KPI 及び進捗状況については、同社と清水銀行及び当社の担当者が定期的な場を設け、共有する。会合は少なくとも年に 1 回は実施するほか、日頃の情報交換や営業活動の場等を通じて実施する。
本評価に関する説明
1.本評価書は、xx地域経済研究センターが、xx銀行から委託を受けて実施したもので、xx地域経済研究センターがxx銀行に対して提出するものです。
2.xx地域経済研究センターは、依頼者であるxx銀行及びxx銀行がポジティブ•インパクト•ファイナンスを実行するダイエー工業から供与された情報やダイエー工業へのインタビュー等で収集した情報に基づいて、現時点での状況を評価したものであり、将来における実現可能性、ポジティブな成果•見通し等を保証するものではありません。
3.xx地域経済研究センターが本評価に用いた情報は、信頼できるものと判断したものではあるものの、その正確性等について独自に検証しているわけではありません。xx地域経済研究センターはこれらの情報の正確性、適時性、完全性、適合性その他一切の事項について、何ら表明または保証するものではありません。
4.本評価は、国連環境計画金融イニシアティブ(UNEP FI)が提唱した PIF 原則及び PIF 実施ガイ ド、ESG 金融ハイレベル•パネルにおいてポジティブインパクトファイナンスタスクフォースが
まとめた「インパクトファイナンスの基本的考え方」に則って行っております。
〈評価書作成者〉
〒424-0941
静岡市xx区富士見町 2 番 1 号
株式会社xx地域経済研究センター常務取締役 xx xx
Tel 000-000-0000、Fax 000-000-0000
第三者意見書
2022 年 12 月 28 日
株式会社 日本格付研究所
評価対象: ダイエー工業株式会社に対するポジティブ・インパクト・ファイナンス |
貸付人:株式会社xx銀行 |
評価者:株式会社xx地域経済研究センター |
第三者意見提供者:株式会社日本格付研究所(JCR) |
結論:
本ファイナンスは、国連環境計画金融イニシアティブの策定したポジティブ・インパクト・ファイナンス原則に適合している。
また、環境省のESG 金融ハイレベル・パネル設置要綱第 2 項(4)に基づき設置さ
れたポジティブインパクトファイナンスタスクフォースがまとめた「インパクトファイナンスの基本的考え方」と整合的である。
I. JCR の確認事項と留意点
JCR は、xx銀行がダイエー工業株式会社(「ダイエー工業」)に対して実施する中小企業向けのポジティブ・インパクト・ファイナンス(PIF)について、株式会社xx地域経済研究センターによる分析・評価を参照し、国連環境計画金融イニシアティブ(UNEP FI)の策定した PIF 原則に適合していること、および、環境省の ESG 金融ハイレベル・パネル設置要綱第 2 項(4)に基づき設置されたポジティブインパクトファイナンスタスクフォースがまとめた「インパクトファイナンスの基本的考え方」と整合的であることを確認した。 PIF とは、SDGs の目標達成に向けた企業活動を、金融機関が審査・評価することを通じ て促進し、以て持続可能な社会の実現に貢献することを狙いとして、当該企業活動が与えるポジティブなインパクトを特定・評価の上、融資等を実行し、モニタリングする運営のこと
をいう。
PIF 原則は、4 つの原則からなる。すなわち、第 1 原則は、SDGs に資する三つの柱(環境・社会・経済)に対してポジティブな成果を確認できるかまたはネガティブな影響を特定し対処していること、第 2 原則は、PIF 実施に際し、十分なプロセス、手法、評価ツールを含む評価フレームワークを作成すること、第 3 原則は、ポジティブ・インパクトを測るプロジェクト等の詳細、評価・モニタリングプロセス、ポジティブ・インパクトについての透明性を確保すること、第 4 原則は、PIF 商品が内部組織または第三者によって評価されていることである。
UNEP FI は、ポジティブ・インパクト・ファイナンス・イニシアティブ(PIF イニシアティブ)を組成し、PIF 推進のためのモデル・フレームワーク、インパクト・レーダー、インパクト分析ツールを開発した。xx銀行は、中小企業向けの PIF の実施体制整備に際し、xx地域経済研究センターと共同でこれらのツールを参照した分析・評価方法とツールを開発している。ただし、PIF イニシアティブが作成したインパクト分析ツールのいくつかのステップは、国内外で大きなマーケットシェアを有し、インパクトが相対的に大きい大企業を想定した分析・評価項目として設定されている。JCR は、PIF イニシアティブ事務局と協議しながら、中小企業の包括分析・評価においては省略すべき事項を特定し、xx銀行及びxx地域経済研究センターにそれを提示している。なお、xx銀行は、本ファイナンス実施に際し、中小企業の定義を、PIF 原則等で参照している IFC(国際金融公社)の定義に加え、中小企業基本法の定義する中小企業、会社法の定義する大会社以外の企業としている。 JCR は、中小企業のインパクト評価に際しては、以下の特性を考慮したうえでPIF 原則
との適合性を確認した。
① SDGs の三要素のうちの経済、PIF 原則で参照するインパクト領域における「包括的で健全な経済」、「経済収れん」の観点からポジティブな成果が期待できる事業主体である。ソーシャルボンドのプロジェクト分類では、雇用創出や雇用の維持を目的とし
た中小企業向けファイナンスそのものが社会的便益を有すると定義されている。
② 日本における企業数では全体の 99.7%を占めるにもかかわらず、付加価値額では 52.9%にとどまることからもわかるとおり、個別の中小企業のインパクトの発現の仕方や影響度は、その事業規模に従い、大企業ほど大きくはない。1
③ サステナビリティ実施体制や開示の度合いも、上場企業ほどの開示義務を有していないことなどから、大企業に比して未整備である。
II. PIF 原則への適合に係る意見
PIF 原則 1
SDGs に資する三つの柱(環境・社会・経済)に対してポジティブな成果を確認できるかまたはネガティブな影響を特定し対処していること。
SDGs に係る包括的な審査によって、PIF は SDGs に対するファイナンスが抱えている諸問題に直接対応している。
xx銀行及びxx地域経済研究センターは、本ファイナンスを通じ、ダイエー工業の持ちうるインパクトを、UNEP FI の定めるインパクト領域および SDGs の 169 ターゲットについて包括的な分析を行った。
この結果、ダイエー工業がポジティブな成果を発現するインパクト領域を有し、ネガティブな影響を特定しその低減に努めていることを確認している。
SDGs に対する貢献内容も明らかとなっている。
PIF 原則 2
PIF を実行するため、事業主体(銀行・投資家等)には、投融資先の事業活動・プロジェクト・プログラム・事業主体のポジティブ・インパクトを特定しモニターするための、十分なプロセス・方法・ツールが必要である。
JCR は、xx銀行がPIF を実施するために適切な実施体制とプロセス、評価方法及び評価ツールを確立したことを確認した。
(1) xx銀行は、本ファイナンス実施に際し、以下の実施体制を確立した。
1 経済センサス活動調査(2016 年)。中小企業の定義は、中小企業基本法上の定義。業種によって異なり、製造業は資本金 3 億円以下または従業員 300 人以下、サービス業は資本金 5 千万円以下または従業員 100 人以下などだ。小規模事業者は製造業の場合、従業員 20 人以下の企業をさす。
(出所:xx銀行提供資料)
(2) 実施プロセスについて、xx銀行では社内規程を整備している。
(3) インパクト分析・評価の方法とツール開発について、xx銀行からの委託を受けて、xx地域経済研究センターが分析方法及び分析ツールを、UNEP FI が定めた PIF モデル・フレームワーク、インパクト分析ツールを参考に確立している。
PIF 原則 3 透明性
PIF を提供する事業主体は、以下について透明性の確保と情報開示をすべきである。
・本PIF を通じて借入人が意図するポジティブ・インパクト
・インパクトの適格性の決定、モニター、検証するためのプロセス
・借入人による資金調達後のインパクトレポーティング
PIF 原則 3 で求められる情報は、全てxx地域経済研究センターが作成した評価書を通して銀行及び一般に開示される予定であることを確認した。
PIF 原則 4 評価
事業主体(銀行・投資家等)の提供する PIF は、実現するインパクトに基づいて内部の専門性を有した機関または外部の評価機関によって評価されていること。
本ファイナンスでは、xx地域経済研究センターが、JCR の協力を得て、インパクトの包括分析、特定、評価を行った。JCR は、本ファイナンスにおけるポジティブ・ネガティブ両側面のインパクトが適切に特定され、評価されていることを第三者として確認した。
III. 「インパクトファイナンスの基本的考え方」との整合に係る意見
インパクトファイナンスの基本的考え方は、インパクトファイナンスを ESG 金融の発展形として環境・社会・経済へのインパクトを追求するものと位置づけ、大規模な民間資金を巻き込みインパクトファイナンスを主流化することを目的としている。当該目的のため、国内外で発展している様々な投融資におけるインパクトファイナンスの考え方を参照しながら、基本的な考え方をとりまとめているものであり、インパクトファイナンスに係る原則・ガイドライン・規制等ではないため、JCR は本基本的考え方に対する適合性の確認は行わない。ただし、国内でインパクトファイナンスを主流化するための環境省及びESG 金融ハイレベル・パネルの重要なメッセージとして、本ファイナンス実施に際しては本基本的考え方に整合的であるか否かを確認することとした。
本基本的考え方におけるインパクトファイナンスは、以下の 4 要素を満たすものとして
定義されている。本ファイナンスは、以下の 4 要素と基本的には整合している。ただし、要 素③について、モニタリング結果は基本的には借入人であるダイエー工業から貸付人であ るxx銀行及び評価者であるxx地域経済研究センターに対して開示がなされることとし、可能な範囲で対外公表も検討していくこととしている。
要素① 投融資時に、環境、社会、経済のいずれの側面においても重大なネガティブインパクトを適切に緩和・管理することを前提に、少なくとも一つの側面においてポジティブなインパクトを生み出す意図を持つもの
要素② インパクトの評価及びモニタリングを行うもの
要素③ インパクトの評価結果及びモニタリング結果の情報開示を行うもの
要素④ 中長期的な視点に基づき、個々の金融機関/投資家にとって適切なリスク・リターンを確保しようとするもの
また、本ファイナンスの評価・モニタリングのプロセスは、本基本的考え方で示された評価・モニタリングフローと同等のものを想定しており、特に、企業の多様なインパクトを包括的に把握するものと整合的である。
IV. 結論
以上の確認より、本ファイナンスは、国連環境計画金融イニシアティブの策定したポジティブ・インパクト・ファイナンス原則に適合している。
また、環境省の ESG 金融ハイレベル・パネル設置要綱第 2 項(4)に基づき設置されたポジティブインパクトファイナンスタスクフォースがまとめた「インパクトファイナンスの基本的考え方」と整合的である。
(第三者意見責任者) 株式会社日本格付研究所
サステナブル・ファイナンス評価部長
xx xx
担当xxアナリスト 担当アナリスト
xx xx xx xxx
本第三者意見に関する重要な説明
1. JCR 第三者意見の前提・意義・限界
日本格付研究所(JCR)が提供する第三者意見は、事業主体及び調達主体の、国連環境計画金融イニシアティブの策定したポジティブ・インパクト金融(PIF)原則への適合性及び環境省 ESG 金融ハイレベル・パネル内に設置されたポジティブインパクトファイナンスタスクフォースがまとめた「インパクトファイナンスの基本的考え方」への整合性に関する、JCR の現時点での総合的な意見の表明であり、当該ポジティブ・インパクト金融がもたらすポジティブなインパクトの程度を完全に表示しているものではありません。
本第三者意見は、依頼者である調達主体及び事業主体から供与された情報及び JCR が独自に収集した情報に基づく現時点での計画又は状況に対する意見の表明であり、将来におけるポジティブな成果を保証するものではありません。また、本第三者意見は、PIF によるポジティブな効果を定量的に証明するものではなく、その効果について責任を負うものではありません。本事業により調達される資金が同社の設定するインパクト指標の達成度について、JCR は調達主体または調達主体の依頼する第三者によって定量的・定性的に測定されていることを確認しますが、原則としてこれを直接測定することはありません。
2. 本第三者意見を作成するうえで参照した国際的なイニシアティブ、原則等
本意見作成にあたり、JCR は、以下の原則等を参照しています。
国連環境計画 金融イニシアティブ ポジティブ・インパクト金融原則
環境省 ESG 金融ハイレベル・パネル内ポジティブインパクトファイナンスタスクフォース
「インパクトファイナンスの基本的考え方」
3. 信用格付業にかかる行為との関係
本第三者意見を提供する行為は、JCR が関連業務として行うものであり、信用格付業にかかる行為とは異なります。
4. 信用格付との関係
本件評価は信用格付とは異なり、また、あらかじめ定められた信用格付を提供し、または閲覧に供することを約束するものではありません。
5. JCR の第三者性
本 PIF の事業主体または調達主体と JCR との間に、利益相反を生じる可能性のある資本関係、人的関係等はありません。
■留意事項
本文書に記載された情報は、JCR が、事業主体または調達主体及び正確で信頼すべき情報源から入手したものです。ただし、当該情報には、人為的、機械的、またはその他の事由による誤りが存在する可能性があります。したがって、JCR は、明示的であると黙示的であるとを問わず、当該情報の正確性、結果、的確性、適時性、完全性、市場性、特定の目的への適合性について、一切表明保証するものではなく、また、JCR は、当該情報の誤り、遺漏、または当該情報を使用した結果について、一切責任を負いません。JCRは、いかなる状況においても、当該情報のあらゆる使用から生じうる、機会損失、金銭的損失を含むあらゆる種類の、特別損害、間接損害、付随的損害、派生的損害について、契約責任、不法行為責任、無過失責任その他責任原因のいかんを問わず、また、当該損害が予見可能であると予見不可能であるとを問わず、一切責任を負いません。本第三者意見は、評価の対象であるポジティブ・インパクト・ファイナンスにかかる各種のリスク(信用リスク、価格変動リスク、市場流動性リスク、価格変動リスク等)について、何ら意見を表明するものではありません。また、本第三者意見は JCR の現時点での総合的な意見の表明であって、事実の表明ではなく、リスクの判断や個別の債券、コマーシャルペーパー等の購入、売却、保有の意思決定に関して何らの推奨をするものでもありません。本第三者意見は、情報の変更、情報の不足その他の事由により変更、中断、または撤回されることがあります。本文書に係る一切の権利は、JCR が保有しています。本文書の一部または全部を問わず、JCR に無断で複製、翻案、改変等をすることは禁じられています。
■用語解説
第三者意見:本レポートは、依頼人の求めに応じ、独立・中立・xxな立場から、銀行等が作成したポジティブ・インパクト・ファイナンス評価書の国連環境計画金融イニシアティブのポジティブ・インパクト金融原則への適合性について第三者意見を述べたものです。
事業主体:ポジティブ・インパクト・ファイナンスを実施する金融機関をいいます。
調達主体:ポジティブ・インパクト・ビジネスのためにポジティブ・インパクト・ファイナンスによって借入を行う事業会社等をいいます。
■サステナブル・ファイナンスの外部評価者としての登録状況等
・国連環境計画 金融イニシアティブ ポジティブインパクト作業部会メンバー
・環境省 グリーンボンド外部レビュー者登録
・ICMA (国際資本市場協会に外部評価者としてオブザーバー登録) ソーシャルボンド原則作業部会メンバー
・Climate Bonds Initiative Approved Verifier (気候変動イニシアティブ認定検証機関)
■本件に関するお問い合わせ先
情報サービス部 TEL:00-0000-0000 FAX:00-0000-0000