Contract
革新的情報通信技術研究開発委託研究(令和6年度開始)委託契約約款
この委託契約約款は、国立研究開発法人情報通信研究機構(以下「甲」という。)と契約相手方(以下「乙」という。)の委託契約に適用する。
第1章 委託業務の実施
(委託業務の実施)
第1条 乙は、委託業務を実施計画書に定めるところに従い、信義誠実の原則に則り、善良なる管理者の注意をもって実施しなければならない。
2 委託業務の実施中、事故その他委託業務の実施を妨げる重大な事由が発生した場合、乙は、直ちにその旨を甲に通知し、必要な措置を講じるとともに、発生した日から7日以内に事故原因、委託業務への影響等を報告しなければならない。
(再委託の禁止)
第2条 乙は、委託業務をさらに第三者に委託してはならない。
(権利義務の承継)
第3条 乙は、第三者に対して、委託契約により生じる権利を譲渡し、又は義務を承継させようとするときは、甲が別に定める様式による権利義務承継承認申請書を変更後の実施計画書と併せて甲に提出し、あらかじめ甲の承認を得なければならない。
(委託業務の管理)
第4条 甲は、委託業務の実施状況を把握するために必要があると認めるときは、次の各号に掲げる措置を講じることができるものとする。
⑴ 委託業務の進捗状況、実施方法等について、期限を定めて調査し、報告させること。
⑵ 甲の職員を委託業務の実施場所へ派遣し、委託業務の実施に立ち合わせること。
2 甲は、前項の措置を講じた結果、特に必要があると認めるときは、乙と協議し、委託業務の実施に必要な指示を乙に行うことができるものとする。
3 前2項の規定は、委託業務の完了若しくは中止、又は委託契約が解除された後5年間は、なおその効力を有するものとする。
(年度別実施計画書)
第5条 乙は、実施計画書に則り、甲が別に定める様式により、当該事業年度に実施する委託業務の目標、内容、実施体制、実施場所及び実施に要する経費の内訳等を定めた年度別実施計画書を甲に提出しなければならない。
2 乙は、年度別実施計画書を変更したときは、変更後の年度別実施計画書を提出しなければならない。ただし、甲が提出を不要と認めた場合は、この限りではない。
(委託業務の実施に要する経費の支出)
第6条 乙は、委託業務の実施に要する経費を直接的な経費及び間接的な経費に分けて、実施計画書に記載された経費の内訳に従って支出しなければならない。ただし、実施計画書に記載された事業年度毎の経費の内訳について、次に揚げるIからⅣまでの項目の相互間において流用することができる。この場合、流用額がⅠからⅣまでの項目の合計金額の50%以内に限り、流用することができる。
直接的な経費
Ⅰ 物品費
Ⅱ 人件費・謝金
Ⅲ 旅費
Ⅳ その他間接的な経費
Ⅴ 間接経費
(原価報告書の整備)
第7条 乙は、委託業務の実施に要する経費に関し専用の帳簿を備え、支出額を明確に記載しておかなければならない。
2 乙は、委託業務の実施に要する経費を、甲が別に定める原価報告書作成要領に定める経費項目に従って、前項の帳簿に記載し、かつ、その支出内容を証明及び説明する書類を整備しなければならない。
3 前項の帳簿及び書類(以下「原価報告書」という。)の保存期間は、作成した事業年度の終了日の翌日から起算して7年間経過した日までとする。ただし、第19条に規定する取得資産に係る見積書、完成図書(建築工事、土木工事、電気工事及び機器の配置図を含む。)に関しては、当該資産の処分が完了する日までとする。
4 乙は、乙の責に帰すべき事由により前項に掲げる保存期間内に原価報告書を消失した場合であって甲が提示を求めたときは、これに代わる書類を提示し、当該書類に記載された支出内容について、正当な根拠を示して委託業務の実施に要する経費である旨を甲に証明しなければならない。
(評価等の実施)
第8条 甲は、研究開発の実施方法・研究開発計画の妥当性、研究開発成果・目標の達成状況等について、委託期間中に中間評価を行うことができる。
2 甲は、前項の評価結果に基づき、委託期間内においても、甲の判断により、本契約の解除又は変更等を行うことができる。
3 前項の契約変更の手続きについては、次条第3項から第5項までの規定を準用する。
4 甲は、委託期間終了後に、同期間内に実施した委託業務の内容、実用化等の計画・状況等について、終了評価、成果展開等状況調査及び追跡評価を行うことができる。ただし、甲が必要あると認めるときは終了評価を終了事業年度に行うことができるものとする。
5 第1項及び第4項の評価等の結果は、甲が公表することができる。
第2章 変更手続
(契約変更)
第9条 甲又は乙は、次の各号のいずれかに該当するときは、協議の上委託契約の内容を変更することができるものとする。
⑴ 委託期間の中途において、契約金額(年度別契約金額を除く。)、委託期間又は実施計画書に定める委託業務の目標の変更を行う必要が生じたとき。
⑵ 著しい経済情勢の変動、天災地変等により、委託契約に定める条件で契約の一部の履行が困難となったとき。
2 前項の規定にかかわらず、国の予算又は方針の変更等により委託契約の変更を行う必要が生じたときは、甲は、乙に通知後、委託契約の内容を変更することができるものとする。
3 第1項の規定に基づき委託契約の内容を変更する場合は、乙は甲が別に定める様式による委託契約変更申請書を変更後の実施計画書と併せて速やかに甲に提出し、甲と変更契約を締結する。
4 乙は、第1項の各号のいずれにも該当しない場合において、実施計画書の内容について変更を行う必要が生じたとき(年度別契約金額の変更を伴うときを含む。)は、甲が別に定める実施計画変更申請書を変更後の実施計画書と併せて甲に提出し、あらかじめ承認を得なければならない。ただし、乙の申し出により委託業務の実施に支障を及ぼさない軽微な変更であるとあらかじめ甲が認めた場合において、甲が別に定める様式による実施計画変更届出書に従い、乙により実施計画書の変更の届出がなされたときは、この限りではない。
5 前項の規定による承認又は届出があったときは、当該承認又は届出に対し甲が承諾した日に変更契約が締結されたものとみなす。
(代表者等の変更の通知)
第10条 甲又は乙は、その代表者又は住所を変更したときは、速やかに相手方に通知しなければならない。
第3章 概算払・確定
(概算払)
第11条 甲は、必要があると認めるときは、委託業務の実施に要する経費の一部(上限を90%とする。)を乙に支払うこと(以下「概算払」という。)ができる。
2 乙は、前項の規定により概算払を請求するときは、支払請求書に甲の指示する書類を添付するものとする。
(実績報告書等の提出)
第12条 乙は、委託業務が完了したときは完了の日(第8条第2項、第36条、第37条又は第38条の規定により委託契約が解除されたときは、その解除された日)の翌日
から起算して30日以内、又は終了事業年度の終了日の翌日から起算して5日以内のいずれか早い日までに、甲が別に定める様式による委託業務実績報告書(以下「実績報告書」という。)を電子ファイル化したものを甲に提出しなければならない。
2 乙は、委託期間が事業年度を超える契約を締結した場合は、事業年度の終了日の翌日から起算して5日以内に、甲が別に定める様式により、当該事業年度に実施した委託業務に関する中間実績報告書を電子ファイル化したものを甲に提出しなければならない。
(検査及び報告の徴収)
第13条 甲は、前条に規定する実績報告書を受理したときは、その内容が委託契約に適合するものであるか否かについて速やかに検査を行うものとする。
2 甲は、前項の検査のほか、次の各号に掲げる検査を行うことができるものとする。
⑴ 委託業務の実施に要した経費の支出状況についての委託期間中の検査
⑵ その他甲が必要と認めた検査
3 甲は、前2項の検査を行うにあたって、次の各号に掲げる事項について調査し、必要に応じ乙に対して参考とする報告及び資料の原本又はその写しの提出を求めることができる。
⑴ 委託業務の内容と支出した経費との整合性
⑵ 実施計画書と実績報告書の内容の整合性
⑶ 機械装置等の建設状況又は製作状況等及びこれらの利用又は操作状況
⑷ 原価報告書の内容
⑸ その他甲が委託業務に関して必要と認める事項
4 甲は、第1項及び第2項の検査を乙の工場、研究施設その他の事業所において行うことができる。
5 甲は、第1項及び第2項の検査を実施しようとするときは、あらかじめ乙に検査場所、検査日時、検査職員その他検査を実施するために必要な事項を通知するものとする。
6 乙は、前項の通知を受けたときは、甲が指定する検査確認書、月別費目発生額明細表、原価報告書の内容その他甲があらかじめ指定する書類を準備し、委託業務の内容及び経理内容を説明できる者を甲の指定する検査場所に乙の負担で派遣するものとする。
7 甲は、必要があると認めるときは、甲の主務官庁である総務省の職員を立ち合わせることができるものとし、乙はこれを受け入れるものとする。
8 甲が検査できる期間は、検査対象になった時から終了事業年度の終了日の翌日から起算して5年間経過した日までとする。
(甲が支払うべき額の確定)
第14条 甲は、前条第1項の検査の結果、委託業務の実施に要した経費が委託契約の内容に適合すると認めたときは、委託業務の実施に要した経費の額(実施計画書に定める年度別の経費に限る。)と、契約金額のいずれか低い額を甲が支払う金額として確定し、乙に通知する(以下確定した甲が支払う金額を「確定額」という。)。
2 第7条第4項の規定に従い、乙が正当な根拠を示して委託業務の実施に要する経費である旨を甲に証明できない経費並びに前条の規定による検査及び報告の要求に乙が応
じず、検査の実施が不可能又は著しく困難な経費は、乙が委託業務の実施に要した経費に含まれない。
(確定額の請求及び支払)
第15条 乙は、前条第1項の通知を受けた場合、甲が別に定める様式による請求書及び請求内訳書を提出し確定額を請求するものとする。ただし、既に第11条に規定する概算払を受けているときは、確定額から当該概算払の額を控除した額を請求するものとする。
2 甲は、前項の規定により請求書を受理したときは、受理した日から起算して30日(以下「約定期間」という。)以内に、請求書に記載された金額を乙に支払うものとする。
3 前項の規定にかかわらず、甲は、乙の請求書を受理した後、その内容の全部又は一部を不当と認めたときは、その理由を明示して当該請求書を乙に返付することができるものとする。この場合において、当該請求書を返付した日から是正された請求書を甲が受理した日までの期間は、約定期間に算入しない。
(相殺)
第16条 乙が甲に支払うべき金銭債務があるときは、甲は、委託契約に基づき乙に支払うべき金額と当該債務の対当額について相殺することができる。
(支払遅延利息)
第17条 甲が、約定期間内に確定額を乙に支払わないときは、未払金額に対して約定期間満了の日の翌日から甲の取引銀行において支払手続をとった日までの日数に応じ、契約締結時において適用されている政府契約の支払遅延に対する遅延利息の年率を乗じて算出した金額を遅延利息として、乙に支払うものとする。ただし、約定期間内に支払わないことが、天災地変等甲の責に帰すことができない事由によるときは、当該事由の継続する期間は、遅延利息の算定日数に算入しない。
2 前項の定めにより計算した金額が100円未満であるときは、遅延利息を支払うことを要せず、その額に100円未満の端数があるときは、その端数を切り捨てるものとする。
(過払金等の返還)
第18条 乙は、次の各号のいずれかに該当するときは、甲の請求により、既に概算払を受けた委託業務の実施に要する経費のうち過払部分(以下「過払金」という。)を甲に返還しなければならない。
⑴ 概算払の額が、第14条第1項に規定する確定額を超えるとき。
⑵ 概算払の額が、第39条第1項の規定により甲が負担すべき額を超えるとき。
⑶ 概算払の額が、第39条第2項の規定により甲の支払い義務の全部又は一部を免除した後の甲が負担すべき額を超えるとき。
⑷ その他過払金のあるとき。
2 第13条第1項又は第2項の規定による検査の結果において、既に支払いを受けた委
託業務の実施に要した経費のうち過払部分(以下「確定後過払金」という。)が明らかになった場合には、乙は、甲の請求により、確定後過払金を甲に返還しなければならない。なお、甲は、第7条第4項の規定に従い、乙が正当な根拠を示して委託業務の実施に要する経費である旨を甲に証明できない経費並びに第13条の規定による検査及び報告の要求に乙が応じず、検査の実施が不可能又は著しく困難な経費を、確定後過払金として請求することができる。
3 乙は、前2項の過払金又は確定後過払金を甲の指定する期日までに返還しないときは、未返還金額に対して指定期日の翌日から返還する日までの日数に応じ、契約締結時において適用されている政府契約の支払遅延に対する遅延利息の年率を乗じて計算した延滞金を付して返還しなければならない。
第4章 取得資産の管理等
(取得資産の管理)
第19条 乙が委託業務を実施するために購入又は製造した資産の所有権は、乙が検収又は竣工の検査を完了した時をもって甲に帰属するものとし、同時に甲は、甲に帰属した資産(以下「取得資産」という。)を乙が使用することを認めるものとする。
2 乙は、取得資産を善良な管理者の注意をもって、乙が当該取得資産の検収又は竣工の検査をした日から甲の指示に基づき、甲又は甲が指定する相手先に引き渡す日まで管理する。
3 乙は、取得資産について他の資産と区別するために、甲が支給する表示票を貼付して管理しなければならない。
4 乙は、取得資産を委託業務以外の目的に使用してはならない。ただし、甲の承認を得た場合には、この限りではない。
5 取得資産の管理に要する乙の経費のうち、委託業務の実施に要した経費と甲が認めた費用以外の費用及び委託期間終了後又は委託契約が解除された日以降の費用は、乙の負担とする。
6 乙は、取得資産について、甲が別に定める様式による取得資産管理台帳を作成し、その写しを別途、甲が指定する日までに甲に提出しなければならない。
7 乙は、甲の取得資産に係る公租公課の支払手続及び損害に対する保険の付保に必要な手続に関し、甲に協力するものとする。
8 第2項から第5項までの規定及び前項の規定は、乙が委託業務の実施のため、その実施場所に設置して使用する資産であって甲が所有し、又は甲が第三者から借用しているものの管理について準用する。
9 乙は、本条に規定する取得資産に対し、抵当権、質権、譲渡担保権その他の担保物権を設定してはならない。
(取得資産等の弁償)
第20条 乙は、取得資産又は甲から貸与された資産を滅失又は毀損した場合は、当該取得資産又は甲から貸与された資産について、補修、部品の取替、製造等を行うことによ
り、甲に弁償するものとする。ただし、甲から特段の指示があった場合は、その指示に従うものとする。
(著しく異なる部分の修正)
第21条 甲は、委託期間の中途又は終了後のいずれの場合においても、委託契約に関する報告の内容が甲の承認した実施計画書と著しく異なると認めたときは、当該著しく異なる部分について、乙の負担による修正を乙に対して請求することができる。
2 甲は、委託契約に関する報告の内容が実施計画書と著しく異なる旨の通知を、委託契約に関する報告の内容が実施計画書と著しく異なることを認めたときから1年以内に行わなければ、前項の請求をすることができない。ただし、乙が委託契約に関する報告時に、委託契約に関する報告の内容が実施計画書と著しく異なることを知り、又は重大な過失によって知らなかったときは、この限りでない。
(研究施設等の無償利用)
第22条 甲は、乙が委託業務を実施するために必要な場合は、実施計画書に定める研究施設、研究設備及び研究機器(以下、「施設等」という。)を無償で利用させることができる。なお、利用する際は、利用の条件及び方法等について甲の指示に従うものとする。
2 乙は、善良な管理者の注意義務をもって、第1項で利用する施設等の維持保全を行うものとする。
3 乙は、利用が認められた施設等を滅失又は毀損したときは、補修、部品の取替、製造等を行うことにより、甲に弁償するものとする。ただし、甲から特段の指示があった場合は、その指示に従うものとする。
4 甲は、必要があるときは施設等の利用の取消又は中止をすることができる。第5章 成果の取扱い・知的財産権
第1節 定義
(用語の定義)
第23条 本章において、次の各号に掲げる用語の定義は、当該各号に定めるところによる。
⑴ 発明 特許法(昭和34年法律第121号)第2条に規定する発明をいう。
⑵ 考案 実用新案法(昭和34年法律第123号)第2条に規定する考案をいう。
⑶ 意匠 意匠法(昭和34年法律第125号)第2条に規定する意匠をいう。
⑷ 回路配置 半導体集積回路の回路配置に関する法律(昭和60年法律第43号)第
2条に規定する回路配置をいう。
⑸ プログラム 著作権法(昭和45年法律第48号)第2条第1項第10号の2に規定するプログラムをいう。
⑹ 研究開発データ 委託業務の実施により取得又は収集した電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録
であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。)をいう。
⑺ 著作物 著作権法第2条第1項第1号に規定する著作物をいう。
⑻ 著作権 著作権法第17条第1項に規定する著作権(外国の法令に基づくこれに相当する権利を含む。)をいう。
⑼ 著作者人格権 著作権法第17条第1項に規定する著作者人格権(外国の法令に基づくこれに相当する権利を含む。)をいう。
⑽ 産業財産権 特許法に基づく特許権、実用新案法に基づく実用新案権、意匠法に基づく意匠権、半導体集積回路の回路配置に関する法律に基づく回路配置利用権及び種苗法(平成10年法律第83号)に基づく育成者権(外国の法令に基づくこれらに相当する各権利を含む。)をいう。
⑾ 産業財産権を受ける権利 特許法に基づく特許を受ける権利、実用新案法に基づく実用新案登録を受ける権利、意匠法に基づく意匠登録を受ける権利及び半導体集積回路の回路配置に関する法律に基づく回路配置利用権の設定の登録を受ける権利(外国の法令に基づくこれらに相当する各権利を含む。)をいう。
⑿ 知的財産権 産業財産権、産業財産権を受ける権利及び著作権をいう。
⒀ ノウハウ 知的財産権の対象とならない技術情報のうち、秘匿することが可能なものをいう。
⒁ 発明等 産業財産権及び著作権の対象となる発明、考案、意匠の創作、回路配置及びその創作、植物体の品種及びその育成並びに著作物及びその創作をいう。
第2節 成果の取扱い
(成果報告書)
第24条 乙は、次の各号に掲げる成果に関する文書(甲が別に定める様式によるもので、電子ファイル化したものとする。)を、委託業務の完了した日(第8条第2項、第36条、第37条又は第38条の規定により委託契約が解除されたときは、その解除の日)の翌日又は各事業年度の終了日(ただし、終了事業年度においては、委託業務の完了した日)の翌日のいずれか早い日を起点として、当該各号に定める期間以内に甲に提出しなければならない。
⑴ 研究開発成果概要書 5日
⑵ 研究開発成果報告書(以下「成果報告書」という。) 2か月
2 成果報告書には、乙が委託業務を実施することにより得られた成果の詳細並びに成果の公表に係る情報、発明等及びその他の技術情報を漏れなく記載するものとする。
3 甲は、成果報告書に関して必要があると認めるときは、更に詳細な説明資料の提出を乙に求めることができるものとする。
(成果の発表又は公開)
第25条 乙は、委託業務の結果得られた成果を適切に発表又は公開することとする。ただし、未出願又は未公開の産業財産権等、未公開論文及びノウハウに係るものについてはこの限りでない。
2 乙が委託業務の成果を発表又は公開するときは、特段の理由がある場合を除き、その内容が甲の委託業務の結果得られたものであることを明示しなければならない。
3 乙は、第1項の発表又は公開したことを、別に定める様式による外部発表一覧表にて、
6か月以内ごとに甲に報告しなければならない。
4 前3項の適用期間は、委託期間の開始日から、終了事業年度の終了日の翌日から起算して5年間経過した日までとする。ただし、甲乙協議によりこの期間を延長又は短縮することができるものとする。
第3節 知的財産権
(内部規則の整備)
第26条 乙は、乙の役員又は臨時雇用者を含む従業員(以下これらを総称して「役職員」という。)が委託業務を実施した結果得た成果に係る産業財産権を受ける権利及び著作権を役職員から乙に帰属させる旨の契約を、委託契約の締結後速やかにその役職員と締結し、又はその旨を規定する内部規則を定めなければならない。ただし、乙が産業財産権を受ける権利及び著作権を役職員等から乙に帰属させる旨の契約を乙の役職員等と既に締結し、又はその旨を規定する内部規則を定めており、これらを委託業務に適用できる場合は、この限りでない。
(守秘義務)
第27条 乙は、甲が乙に開示する又は乙が委託業務を履行するに際し知得する一切の情報(以下、本項において「守秘情報」という。)については、適切に管理し、また、委託業務による作業の一切(守秘情報を含む。)について、委託期間中はもとより、委託業務の完了若しくは中止、又は委託契約が解除された後においても、秘密の保持に留意し、漏えい防止の責任を負うものとする。ただし、次の各号のいずれかに該当する情報については、守秘情報に含まれないものとする。
⑴ 開示を受け又は知得した際、既に自己が保有していたことを証明できる情報
⑵ 開示を受け又は知得した際、既に公知となっている情報
⑶ 開示を受け又は知得した後、自己の責めによらずに公知となった情報
⑷ 正当な権限を有する第三者から適法に取得したことを証明できる情報
⑸ 開示又は知得した後、甲が秘密でないと判断した情報
⑹ 相手方から開示された情報によることなく独自に開発・取得していたことを証明できる情報
⑺ 第三者に開示することにつき、書面により事前に甲の同意を得た情報(ただし、甲が同意した特定の第三者に対して情報を開示する場合には、当該第三者に対する情報の開示についてのみ本条に規定する守秘義務が免除されるものとする。)
2 乙は、委託業務のために甲から提供される情報については、委託業務の目的以外に利用してはならない。なお、前項及び本項の有効期間は、委託業務の完了若しくは中止、又は委託契約が解除された日の翌日から起算して5年間とする。ただし、甲は、乙と協議の上、この期間を延長し、又は短縮することができるものとする。
3 乙は、情報セキュリティを確保するための体制の詳細を第1条で定める実施計画書に記載するものとする。
4 乙は、委託業務の完了時若しくは中止時、又は委託契約の解除時、第1項により乙に開示された又は乙が知得した情報を甲に返却、再生不可能な状態に消去又は廃棄の上、その旨を証する書面を甲に報告するものとする。ただし、やむを得ず、返却、消去又は廃棄できない場合、当該情報のセキュリティを確保した管理について、甲の承認を得ること。その場合であっても、委託業務の完了若しくは中止、又は委託契約が解除された日の翌日から起算して5年以内に当該情報を返却、消去又は廃棄することとする。
5 乙は、第1項により守秘義務を負う情報の漏えい、滅失及び毀損等の事故若しくはその疑い、又は事故の将来的な懸念(本項において「事故等」と総称する。)があったとき(乙の内部又は外部から事故等の指摘があった場合を含む。)には、直ちに甲に対して通知し、必要な措置等を講じるとともに、その事故等の発生から7日以内に、発生場所及び発生状況等を詳細に記載した書面をもって甲に報告し、甲の指示に従わなければならない。また、甲から情報の管理状況等の確認を求められた場合は、速やかに報告するとともに、甲は、必要があると認めるときは(委託業務完了後を含む。)、乙における情報の管理体制、管理状況等について、調査することができ、乙はこれに協力する。
6 乙は、「IT調達に係る国の物品等又は役務の調達方針及び調達手続に関する申合せ」
(平成 30 年 12 月 10 日関係省庁申合せ)等に留意し、サプライチェーンリスク対応を含む十分なサイバーセキュリティ対策を講じるものとする。特に、クラウドサービスの利用など、外部のネットワークへの接続やデータ伝送を伴う場合、個人情報の管理等を含め、サイバーセキュリティ対策を講じるものとする。
7 乙が委託業務の一部を第三者に請け負わせる場合(子会社(会社法(平成17年法律第86号)第2条第3号に規定する子会社をいう。)たる第三者に請け負わせる場合を含む。第50条第6項及び第51条第5項において同じ。)は、乙は当該第三者に対し第1項から前項に定める措置を遵守させるものとし、また、請負させることにより生ずる脅威に対して本条に基づく情報セキュリティ対策が十分に確保される措置を講じなければならない。
(ノウハウの指定等)
第28条 甲は、成果報告書に記載すべき委託業務の成果に係るノウハウについて、乙からの申し出に基づき甲乙協議のうえ指定し、速やかに乙に通知するものとする。
2 甲及び乙は、次の各号に掲げる場合を除き、前項の規定により甲が指定したノウハウを当該指定の日から5年間秘匿し、自己の役職員に対しても、当該ノウハウについて知る必要のある者の範囲を超えてアクセスを認めてはならない。ただし、甲乙協議の上、秘匿期間を延長又は短縮することができる。
⑴ 国に対し、輸出許可の取得のために守秘義務を付して開示する場合
⑵ 委託業務を実施するため、又は自己の研究開発を行う目的のために、必要な第三者に対し、守秘義務を付して開示する場合
⑶ 甲が国に対する責務を遂行するために、守秘義務を付して開示する場合
(知的財産権の帰属)
第29条 乙が委託業務を実施することによって得た発明等の成果に係る知的財産権(第
9項に規定する著作権を除く。)は、乙に帰属するものとする。
2 乙は、前項により乙に帰属するとした知的財産権(以下本条において「本知的財産権」という。)に関し、次の各号について遵守しなければならない。
⑴ 委託業務に係る研究開発成果が得られた場合には、遅滞なく、甲にその旨を報告するものとする。
⑵ 総務大臣の要請に応じて、甲が公共の利益のために特に必要があるとしてその理由を明らかにして求める場合には、無償で本知的財産権を利用する権利を甲又は国に許諾しなければならない。
⑶ 本知的財産権を相当期間活用していないと認められ、かつ、本知的財産権を相当期間活用していないことについて正当な理由が認められない場合において、総務大臣の要請に応じて、甲が本知的財産権の活用を促進するために特に必要があるとしてその理由を明らかにして求めるときは、本知的財産権を利用する権利を第三者に許諾しなければならない。
⑷ 本知的財産権の移転、又は特許権、実用新案権若しくは意匠権についての専用実施権又は回路配置利用権若しくは育成者権についての専用利用権(以下「専用実施権等」という。)の設定若しくは移転の承諾をしようとするときは、あらかじめ甲の承認を受けるものとする。ただし、合併又は分割により移転する場合、及び次のいずれかに該当する場合(以下「本知的財産権の活用に支障を及ぼすおそれがない場合」という。)は、この限りではない。
イ 乙が株式会社であって、その子会社又は親会社に本知的財産権の移転又は専用実施権等を設定若しくは移転の承諾をする場合
ロ 乙が大学等における技術に関する研究成果の民間事業者への移転の促進に関する法律に規定する承認事業者若しくは認定事業者に本知的財産権の移転又は専用実施権等を設定若しくは移転の承諾をする場合
ハ 乙が技術研究組合であって、組合員に本知的財産権の移転又は専用実施権等を設定若しくは移転の承諾をする場合
3 甲は、乙が前項各号のいずれかに違反した場合であって、違反したことについて正当な理由がないと甲が認める場合、乙から本知的財産権を無償で譲り受けるものとする。
4 乙は、本知的財産権を第三者に移転又は実施許諾する場合は、前2項、第30条から第34条まで及び第53条の規定の適用に支障を与えないよう当該第三者に約させなければならない。
5 乙は、本知的財産権を第三者に移転又は専用実施権等を許諾する場合には、合併若しくは分割により移転する場合及び本知的財産の活用に支障を及ぼすおそれがない場合を除き、甲が別に定める様式による知的財産権移転等承認申請書を甲に提出し、その承認を受けなければならない。
6 甲は本知的財産権(著作権を除く。)について、自らの研究の目的で実施することができる。
7 第1項に定める知的財産権を甲が乙から譲り受けない場合において、乙は、次の各号
の事由が生じるときは、あらかじめ、当該事由を甲に通知しなければならない。
⑴ 乙が第三者と合併し、又は分割することにより本知的財産権が当該第三者に移転するとき
⑵ 乙が第三者の子会社となるとき、又は乙の親会社が変更となるとき
⑶ 前2号のほか、乙の支配権に重大な変化が生じるとき
8 前項の規定による通知があった場合において、甲は、その旨を総務大臣に通知することとし、総務大臣の要請に応じて、甲が将来の我が国の経済発展の観点から本知的財産権の自由な利用を認めるべきでないと認めるときは、乙は、甲の選択により、甲が指定する者に本知的財産権の利用を許諾し、又は譲り渡さなければならない。
9 委託業務によって乙が作成し甲に提出された成果報告書その他これに類する著作物に係る著作権は、甲に帰属するものとし、乙は、当該著作物について著作者人格権を行使しないものとする。
10 第1項の規定により乙に帰属する著作権について、乙は、甲に対し、第三者の著作権その他の権利を侵害していないことを保証するものとし、第三者から著作権その他の権利の侵害等の主張があったときは、その責任においてこれに対処するものとし、損害賠償等の義務が生じたときは、乙がその全責任を負う。ただし、乙が甲の指示に従った結果、第三者から著作権の侵害の主張があったときは、この限りではない。
(成果の利用行為)
第30条 乙は、前条第1項の規定にかかわらず、委託業務によって得られた著作物(成果報告書その他これに類する著作物を除く。)に係る著作権について、甲による当該著作物の利用に必要な範囲において、甲が利用する権利及び甲が第三者に利用を許諾する権利を、許諾したものとする。
2 乙は、前項に規定する甲及び第三者による著作物の利用について、著作者人格権を行使しないものとする。また、当該著作物の著作者が乙以外の者であるときは、乙は、当該著作者が著作者人格権を行使しないように必要な措置をとらなければならない。
3 乙は、研究開発データについて、甲が必要な範囲において、甲が利用する権利及び甲が第三者に利用を許諾する権利を、甲に許諾したものとする。なお、研究開発データのうち、乙が非公開とするものについては、甲と協議の上、その取扱いを定めるものとする。
4 前項の研究開発データが著作物に該当する場合、乙は、前項に規定する甲及び第三者による利用について、著作者人格権を行使しないものとする。また、当該著作物の著作者が乙以外の者であるときは、乙は、当該著作者が著作者人格権を行使しないように必要な措置をとらなければならない。
(出願)
第31条 乙は、乙が委託業務を実施することによって得た発明等について、速やかに産業財産権の出願をしなければならない。
2 乙は、委託業務の完了後に成果について発明等のあることが判明したときは、速やかに産業財産権の出願しなければならない。
(出願の通知)
第32条 乙は、前条第1項及び第2項の出願を行ったときは、甲が別に定める様式による産業財産権出願通知書を、出願の日から90日以内に甲に提出するものとする。ただし、回路配置利用権の設定の登録は、次条の産業財産権出願後状況通知書によるものとする。
2 乙は、前項に係る国内の産業財産権の出願を行う場合は、記載例を参考にして出願書類に国等の委託研究の成果に係る出願である旨を記載しなければならない。
特許出願の記載例(願書面「国等の委託研究の成果に係る記載事項」欄に記入)
「令和○○年度、国立研究開発法人情報通信研究機構「革新的情報通信技術研究開発委託研究/(研究開発プロジェクト名)(副題)」、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願」
3 乙は、前項に定める記載を怠ったことが判明し、かつ、甲の指導に従わないときは、当該産業財産権を無償で甲に譲り渡さなければならない。
4 乙は、外国に出願を行ったときは、第1項に規定する産業財産権出願通知書を、出願の日から120日以内に甲に提出するものとする。
(出願後の維持管理)
第33条 乙は、出願後の状況に変化があったときは、甲が別に定める様式による産業財産権出願後状況通知書を、甲に提出するものとする。
(知的財産権の実施)
第34条 乙は、委託業務により生じた知的財産権を自ら実施したとき、又は第三者に知的財産権を実施許諾したときは、甲が別に定める様式による知的財産権実施届出書を遅滞なく甲に提出するものとする。ただし、著作権(プログラムの著作物に係るものを除く。)については、甲が求めた場合に限り、自己による実施及び第三者への実施許諾の状況を報告するものとする。
第6章 雑則
(通知の発効)
第35条 甲から乙、又は乙から甲に対する文書の通知は、通知が相手方に到達した時から効力を発するものとする。
(甲の解除権)
第36条 甲は、次の各号のいずれかに該当するときは、委託契約の全部又は一部を解除することができる。
⑴ 乙の責に帰すべき事由により、乙が委託契約又は委託契約に基づく甲の指示に違反したとき。
⑵ 乙の責に帰すべき事由により、委託業務の実施が不可能又は著しく困難になったとき。
⑶ 委託契約に係る委託業務の一部又は全部に関し、乙が他の公的資金を重複して受けていることが判明したとき。
⑷ 乙が委託契約に関して不正又は虚偽の報告等をしたとき。
2 乙が委託契約締結時において、かつ、将来にわたって、自ら(法人の場合にあっては、その役員又は使用人を含む。)が、次の各号のいずれかに該当した場合は、乙は期限の利益を喪失し、甲は何らの催告なしに直ちに委託契約の全部を解除することができる。この場合、解除通知が乙に到達した日に本契約は終了する。
⑴ 役員等(乙が個人である場合はその者、法人である場合はその役員(業務を執行する社員、取締役、執行役及びこれらに準じる者)又はその支店若しくは営業所(常時契約を締結する事務所をいう。)の代表者、団体である場合は代表者、理事等、その他経営に実質的に関与している者をいう。)が、暴力団(暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成3年法律第77号)第2条第2号に規定する暴力団をいう。以下同じ。)、暴力団関係企業、暴力団員(同法第2条第6号に規定する暴力団員をいう。以下同じ。)若しくはそれに準じる者であるとき。
⑵ 役員等が、自己、自社若しくは第三者の不正の利益を図る目的、又は第三者に損害を加える目的をもって、暴力団、暴力団関係企業、暴力団員若しくはそれに準じる者を利用するなどしているとき。
⑶ 役員等が、暴力団、暴力団関係企業、暴力団員若しくはそれに準じる者に対して、資金等を供給し、又は便宜を供与するなど直接的あるいは積極的に暴力団の維持、運営に協力し、若しくは関与しているとき。
⑷ 役員等が、暴力団、暴力団関係企業、暴力団員若しくはそれに準じる者であることを知りながらこれを不当に利用するなどしているとき。
⑸ 役員等が、暴力団、暴力団関係企業、暴力団員若しくはそれに準じる者と社会的に非難されるべき関係を有しているとき。
⑹ 乙が請負契約その他の契約に当たり、その相手方が前各号のいずれかに該当すると知りながら、当該者と契約を締結したとき。
(乙の解除権)
第37条 乙は、次の各号のいずれかに該当するときは、委託契約の全部又は一部を解除することができる。
⑴ 甲の責に帰すべき事由により甲が委託契約に違反し、その結果、委託業務の実施が不可能又は著しく困難となったとき。
⑵ 委託業務の実施が不可能又は著しく困難になった正当な理由を乙が示して申請を行い、甲が承認したとき。
(不測の事態により委託業務の実施が不可能な場合の措置)
第38条 国の予算又は方針の重大な変更、その他委託契約締結の際予測することのできない事由であって、甲乙いずれの責にも帰すことのできないものにより委託業務の実施が不可能又は著しく困難になったときは、甲乙協議して委託契約の全部又は一部を解除することができる。
(危険負担等)
第39条 第36条の規定によって委託契約が解除されたことにより、乙が委託業務の全部又は一部を完了できないときは、甲はその解除により完了できない委託業務(以下「解除部分」という。)に係る経費の支払義務を免れるものとする。
2 第37条及び前条の規定によって委託契約が解除されたことにより、乙が委託業務の全部又は一部を完了することができないときは、乙は当該部分についての履行義務を免れるものとし、甲は負担すべき額を乙と協議して定め、乙に支払う。
(不正行為の発生防止)
第40条 乙は、情報通信分野における研究上の不正行為への対応指針(第3版)(平成2
7年4月21日 総務省)、研究機関における公的研究費の管理・監査のガイドライン
(実施基準)(平成26年4月11日 総務省情報通信国際戦略局技術政策課)、国立研究開発法人情報通信研究機構における研究活動に係る不正行為への対応に関する規程
(06規程第13号。以下「不正行為対応規程」という。)、国立研究開発法人情報通信研究機構における研究費不正防止計画(平成21年10月30日 国立研究開発法人情報通信研究機構)を踏まえ、委託業務の実施に当たり研究活動に係る不正行為(以下「不正行為」という。)の十分な抑止機能を備えた体制整備等をはじめとする不正行為の発生の防止のために必要な措置を事前に講じなければならない。
2 甲は、前項に掲げる乙の不正行為の発生の防止のために必要な措置の状況について、 乙に対し報告させるとともに、発生の防止のために特に必要があると認めるときは現地 調査を行うことができる。また、甲は、乙の不正行為の発生の防止のために必要な措置 の状況について問題があると認める場合には、乙に対し必要な措置を講じるものとする。
(不正行為への対応)
第41条 乙は、不正行為が発生した場合は、不正行為対応規程に則り、適切に対応しなければならない。
2 乙は、委託業務の実施に当たり、不正行為を発見したとき、又は不正行為があると思料するに至ったときは、甲に速やかに報告するものとする。
3 甲は、乙が委託業務の実施に当たり不正行為を行った疑いがあると認められる場合は、乙に対して内部監査を指示し、その結果を期限を定めて文書で甲に報告させることができる。
4 甲は、前項の報告を受けたときは、その内容を詳細に審査し、不正行為の有無及びその内容を確認するものとする。この場合において、甲が審査のために必要であると認めたときは、乙の研究施設及びその他の事業所に立ち入ることができる。
5 甲は、不正行為の事実が確認できたときは、第13条第2項第2号に規定する検査を行うものとする。
6 甲が、前項の検査の結果、不正行為を認定し、当該不正行為に係る研究資金の確定後過払金の返還を乙に求めるときは、当該確定過払に係る第11条の概算払の額又は第1
4条の確定額を乙が受領した日から確定後過払金の納付日までの日数に応じ、確定後過払金に年5%の利息を付すことができる。
7 甲は、不正行為の事実が確認できたときは、氏名及び不正行為の内容を公表することができるものとする。
8 甲は、前各項のほか必要な措置を講じることができるものとする。
(研究資料等の保存等)
第42条 乙は、不正行為対応規程に則り、研究資料等を一定期間適切に保存し、及び管理して、開示の必要性及び相当性が認められる場合には、甲の求めに応じ、これを開示しなければならない。
2 研究資料の保存期間は、当該研究に係る論文等を発表してから原則として10年間とする。ただし、乙が当該研究資料を保存し、管理するためのスペースの制約その他やむを得ない事情により当該期間の満了の日まで保存し、管理することが困難な場合は合理的な範囲内において、甲の了解を得てこれを廃棄することができるものとする。
3 前項の規定は、試料等の保存期間に準用する。この場合において、規定中「研究資料の保存期間」とあるのは「試料等の保存期間」と、「10年間」とあるのは、「5年間」と、「当該研究資料」とあるのは「当該試料等」と読み替えるものとする。
4 研究資料等の保存に費用が発生する場合は、乙の負担とする。
(履行遅延金)
第43条 乙の責に帰すべき事由により実績報告書及び成果報告書をそれぞれの提出期日に遅延して提出したときは、乙は、それぞれの提出期日の翌日から履行の日までの日数に、対象となる事業年度の契約金額の1000分の1を乗じた金額を、甲に支払わなければならない。
(違約金)
第44条 甲が第36条第1項の規定により委託契約の全部又は一部を解除したときは、乙は違約金として、解除部分に対する契約金額の100分の10に相当する金額を甲に支払わなければならない。
2 甲が第36条第2項の規定により委託契約の全部を解除したときは、乙は違約金(違約罰)として、契約金額の100分の10に相当する金額を甲の指定する期間内に支払わなければならない。
3 前2項の規定にかかわらず甲に損害が生じている場合は、甲が損害賠償請求をすることを妨げない。
4 乙が第37条第1号の規定により委託契約の全部又は一部を解除したときは、甲は違約金として解除部分に対する契約金額の100分の10に相当する金額を乙に支払わなければならない。
5 甲又は乙は、第1項、第2項及び第4項の違約金を相手方の指定する支払期日までに 支払わないときは、未払金額に対して支払期日の翌日から支払いの日までの日数に応じ、契約締結時において適用されている政府契約の支払遅延に対する遅延利息の年率を乗 じて算出した延滞金を支払わなければならない。
第45条 乙が次号に掲げる場合のいずれかに該当したときは、乙は、甲の請求に基づき、契約金額の100分の10に相当する額を違約金(損害賠償額の予定)として甲の指定する期間内に支払わなければならない。
⑴ この契約に関し、乙が私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和22年法律第54号。次号において「独占禁止法」という。)第3条の規定に違反したことにより、公正取引委員会が乙に対し、同法第7条の2第1項の規定に基づく課徴金の納付命令を行い、当該納付命令が確定したとき。
⑵ この契約に関し、乙(法人にあっては、その役職員を含む。)の刑法(明治40年法律第45号)第96条の3又は独占禁止法第89条第1項若しくは第95条第1項第1号に規定する刑が確定したとき。
2 乙が前項の違約金を甲の指定する期間内に支払わないときは、乙は当該期間を経過した日から支払をする日までの日数に応じ、契約締結時において適用されている政府契約の支払遅延に対する遅延利息の年率を乗じて算出した額の遅延利息を甲に支払わなければならない。
(賠償責任)
第46条 甲は、乙の委託業務の実施に起因して生じた乙の物的及び人的損害並びに第三者に与えた損害に対し、一切の損害賠償の責を負わない。ただし、乙が甲の指示に従った結果、損害が発生した場合は、この限りでない。
2 前項の規定は、第36条第2項の規定に基づく委託契約の解除に起因して生じた損害に対して準用する。
(変更契約地)
第47条 甲及び乙が第9条に基づき委託契約を変更する契約を締結するときは、甲の所在地で行う。
(裁判管轄)
第48条 委託契約に関する訴訟は、東京地方裁判所を第一審の専属的合意管轄とする。
(諸手続の委任)
第49条 乙は委託契約に規定する届出、報告及び承認申請を、年度別実施計画書に定める実施責任者又はその上長に委任することができる。
2 前項に定めるほか、乙は、委託契約に規定する届出、報告を、乙の内部規程等に定められた知的財産部門の長に委任することができる。
(パーソナルデータの取扱い)
第50条 乙は、委託業務の実施に当たり、自ら収集、作成、又は第三者から取得したパーソナルデータについて、善良な管理者の注意をもって取り扱わなければならない。
2 乙は、委託業務の実施に当たり、パーソナルデータを収集するときは適法かつ公正な手段により収集するものとし、パーソナルデータを第三者から取得するときはそのデー
タが適法かつ公正な手段により収集されていることを確認した上で取得することとする。
3 乙は、甲の求めに応じ、パーソナルデータの取扱計画の決定、取扱時のプライバシー保護対策の実施、研究成果の公表等に先立ち必要な事項を甲に遅滞なく報告するものとし、甲は、プライバシー等の個人の権利利益の保護又は甲におけるリスクの顕在化の防止等のために必要と判断した場合は、その内容の変更や中止等の対策の実施を乙に求めることができ、乙はこの指示に従うものとする。
4 甲は、必要があると認めるときは、乙の事業の運営に支障が生ずるその他正当な理由がある場合を除き、甲の職員を乙の工場、研究施設その他の事業所において、パーソナルデータの管理が適切に行われているか等について調査をさせ、乙に対して必要な指示をさせることができる。
5 乙は、パーソナルデータの漏えい、滅失、き損、その他本条に係る違反等の事実を認識した場合には、直ちに被害の拡大防止等のために必要な措置、本人(パーソナルデータによって識別される特定の個人)への連絡等を実施するとともに、甲に対して、当該事実が発生した旨、被害状況、被害の拡大防止等のために講じた措置等について直ちに報告しなければならない。また、甲から更なる指示を受けた場合には、その指示に従わなければならない。
6 乙が委託業務の一部を第三者に請け負わせる場合は、乙は当該第三者に対し第1項から前項に定める措置を遵守させ、あわせて自らがすべての責任を負うものとする。
(甲が保有し、乙に開示される個人情報の取扱い)
第51条 甲は乙に対し、甲の保有する個人データ(個人情報の保護に関する法律(平成
15年法律第57号)第16条第3項に規定する個人データをいう。)を開示する場合、当該個人データに係る個人情報を特定し、個人情報である旨、乙における利用目的、利用する業務の根拠法令、利用する記録範囲及び記録項目並びに利用形態等について書面により明示するとともに、必要に応じ、氏名を番号に置き換える等の匿名化措置を講じる。
2 乙は、前項に基づき個人データの開示を受けた場合、当該個人データに係る個人情報を第三者に開示若しくは漏えいし又は前項に基づき甲が示した利用目的以外のいかなる目的にも利用してはならない。
3 乙は、第1項に基づき個人データの開示を受けた場合、次に定める当該個人データに係る個人情報の管理に必要な措置を講じなければならない。
⑴ 個人情報を入力・閲覧・出力できる作業担当者及びコンピュータ端末を限定するものとする。
⑵ 委託業務の作業場所は、入退管理を適切に実施している、物理的に保護された室内とする。
⑶ 紙媒体・電子データを問わず、開示を受けた個人情報については厳重な保管管理を実施するものとする。
⑷ 個人情報の原本の返却にあたっては、書面をもって甲の確認を受けるものとする。
⑸ 不要となった個人情報は、再生不可能な状態に消去するものとする。
⑹ 委託業務の遂行上、個人情報の加工又は複製を行う必要がある場合は、事前に甲の承認を受けるものとする。
4 開示を受けた個人データに関して、情報の改ざん、漏えい等のセキュリティ上の問題が発生した場合、乙は直ちに甲に報告するとともに、甲の指示に従い、問題解決にむけて確実に対策を講じなければならない。
5 乙が委託業務の一部を第三者に請け負わせる場合は、乙は当該第三者に対し前3項に定める措置を遵守させるものとする。当該第三者が更に再請負させる場合以降も同様とする。
6 甲は、甲の保有する個人データを乙に対し開示したときは、乙における個人情報の管理体制及び実施体制並びに個人情報の管理の状況について、少なくとも年1回以上、原則として実地検査により確認するものとする。
(協力事項)
第52条 乙は、委託業務の円滑な実施のため、次の各号に掲げる事項について甲に協力するものとする。
⑴ 技術上の成果に関する資料(成果報告書を除く。)の作成
⑵ 甲が主催する委員会等への出席及び資料の作成
⑶ 委託業務に係る国の予算に関係する資料の作成及びヒアリングへの対応
⑷ 委託業務の評価等に係る資料の作成、成果展開等状況調査への回答
⑸ 甲が開催又は参加する成果報告会等における報告及びそれに伴う資料の作成
⑹ 委託業務の完了又は委託契約の解除時点において第19条第2項に基づき乙が管理している甲の取得資産に係る甲が別途定める様式による保管状況報告書の提出及び甲の当該取得資産の処分
(存続条項)
第53条 甲及び乙は、委託期間が終了した場合又は第8条、第36条、第37条若しくは第38条の規定に基づき委託契約が解除された場合であっても、次の各号に掲げる条項については、引き続き効力を有するものとする。
⑴ 各条項において期間を定める場合には、その期間効力を有するもの
第4条第3項、第7条第3項、第13条第8項、第21条第2項、第25条第4項、第27条第2項、第28条第2項並びに第42条第2項及び第3項
⑵ 各条項の対象事由が消滅するまで効力を有するもの
第3条、第12条、第14条から第20条まで、第22条、第24条、第27条第
1項及び第4項から第7項まで、第29条から第34条まで、第39条から第41条まで、第43条から第46条まで、第48条並びに第50条
⑶ 委託期間の終了日の翌日から10年間(ただし、甲が必要と認めた場合5年を上限に延長することができる。)効力を有するもの第8条第4項及び第52条(第6号を除く。)
(その他定めのない事項等の取扱い)
第54条 委託契約に定める事項について生じた疑義又は委託契約について定めのない事項については、甲乙協議して解決するものとする。
附 則
この委託契約約款は、令和6年4月1日から施行する。