京都銀行グループでは、従来から「地域社会の繁栄に奉仕する」という経営理念に基づいた企業活動を行ってまいりました。今後も経営理念のより一層高いレベルでの実践であるSDGs 達成に向け、地域の社会課題の解決に貢献してまいります。なお、関連するプレスリリースにSDGs の目標のアイコンを明示しております。

2021 年 7 月 19 日

取引先のＳＤＧｓ・ＥＳＧ経営をサポート！

「京銀サステナビリティ・xxx・xxx」の取り組みについて

～株式会社ジーエス・ユアサコーポレーションと契約を締結～

京都銀行（xx xx xx）は、本日（２０２１年７月１９日（月））、株式会社ジーエス・ユアサコーポレーション（社長 xx x、本社京都市南区）に対して、「京銀サステナビリティ・リンク・ローン」を実行しましたのでお知らせいたします。

サステナビリティ・xxx・xxxは、お客さまのＥＳＧ戦略と整合した取組目標「サステナビリティ・パフォーマンス・ターゲット（ＳＰＴｓ）」を定め、その達成度合いに応じて金利引き下げ等のインセンティブを設定する仕組みの商品です。当行では、取引先のＳＤＧｓ・ＥＳＧ経営をサポートするため、本年５月から本ローンの取り扱いを開始しており、本件は、その第一号案件です。

株式会社ジーエス・ユアサコーポレーションは、２０３０年度までの温室効果ガス削減目標として、「ＧＹ環境長期目標２０３０」を設定しています。同社は今回、この環境長期目標に基づくＣＯ２排出量の削減目標をＳＰＴｓとして設定し、持続可能な環境・社会の実現を目指します。なお、サステナビリティ・リンク・ローンとしての適合性およびＳＰＴｓの合理性については、株式会社日本格付研究所からセカンドオピニオン※を取得しております。

当行では、今後も、地域企業のＳＤＧｓ・ＥＳＧ経営サポートを通じ、お客さまのさらなる発展と持続性のある地域社会の実現を目指してまいります。

※本リリースに添付の通り。

記

契約締結日	２０２１年７月１９日
x 資額	１，８００百万円
融資期間	５年
資金使途	事業資金
ＳＰＴｓ	２０３０年度までに、ＣＯ２排出量（総量ベース、スコープ１、２）を、２０１８年度実績比３０％以上削減するためのマイルストーンとして、２０２５年度までに２０１８年度比１５％削減
その他	サステナビリティ・リンク・ローンとしての適合性およびＳＰＴｓの合理性について日本格付研究所からセカンドオピニオンを取得しております。

１．本ローンの概要

２．同社概要

会社名	株式会社ジーエス・ユアサコーポレーション
本社所在地	xxxxxxxxxxxxxxxx 0 xx
代表者	代表取締役取締役社長 xx x
設立年月	２００４年６月１日
事業内容	自動車用・産業用各種電池、電源システム、受変電設備、照明機器、紫外線応用機器、その他電気機器の製造・販売

以上

京都銀行グループでは、従来から「地域社会の繁栄に奉仕する」という経営理念に基づいた企業活動を行ってまいりました。今後も経営理念のより一層高いレベルでの実践であるSDGs 達成に向け、地域の社会課題の解決に貢献してまいります。なお、関連するプレスリリースにSDGs の目標のアイコンを明示しております。

【SDGs】2015 年 9 月に国連で採択された、経済・社会・環境のあり方についての 2030 年までの世界共通目標。17 のゴールと 169 のターゲットで構成されている。

21-D-0403

【当初公表】2021 年 7 月 19 日

【訂正】 2022 年 3 月 2 日

株式会社京都銀行が実施する

株式会社ジーエス・ユアサコーポレーションに対するサステナビリティ・リンク・ローンに係る第三者意見

株式会社日本格付研究所（ JCR）は、株式会社京都銀行が株式会社ジーエス・ユアサコーポレーションに実施するサステナビリティ・xxx・xxxに対し、第三者意見書を提出しました。本第三者意見書は 7 月 19 日に当初公表したものにつき、3 月 2 日付で CO2 排出量実績の修正を行ったものです。

＜要約＞

本第三者意見書は、株式会社京都銀行が株式会社ジーエス・ユアサコーポレーション（GS ユアサ）に実施するサステナビリティ・リンク・ローン（SLL）（本ローン）に対して、サステナビリティ・リンク・ローン原則（SLLP）1及び環境省によるグリーンローン及びサステナビリティ・リンク・ローンガイドライン（環境省ガイドライン）（SLLP 及び環境省ガイドラインを総称して「SLLP 等」）への適合性を確認したものである。株式会社日本格付研究所（JCR）は、SLLP 等で推奨されている評価の透明性及び客観性確保のため、独立した第三者機関として、(1)GS ユアサのサステナビリティ戦略とキー・パフォーマンス・インディケーター（KPI）およびサステナビリティ・パフォーマンス・ターゲット（SPT）の設定、(2)融資条件と期中のモニタリング体制について第三者評価を行った。

(1) GS ユアサのサステナビリティ戦略と KPI・SPT の設定について

GSユアサは、本ローンにおいて、以下のKPI・SPTを設定することで京都銀行と合意した。

KPI：CO2 排出量（総量ベース、スコープ 1, 2）の削減

SPT：2030 年度までに、CO2 排出量（総量ベース、スコープ 1, 2）を、2018 年度実績比

30％以上削減するためのマイルストーンとして、2025 年度までに 2018 年度比 15%削減。

GS ユアサグループは、「革新と成長」を企業理念として掲げ、社員と企業の「革新と成長」を通じ、人と社会と地球環境に貢献することを目指している。2019 年 4 月から 2023 年 3 月までの 4 ヶ年を対象にした、第五次中期経営計画においては、長期に目指す姿を「新たな価値を創造し続けるエネルギー・デバイス・カンパニーへ」とし、第五次中期経営計画の期間は、鉛蓄電池事業において主要地域の収益力強化と重要地域・拠点に対する販売拡大策展開を行うとしている。リチウムイオン電池事業においては同社の強 xx活かした施策を展開し収益力の維持を図るとともに、設備投資・開発費用を戦略的に先行投入し、第六次中期経営計画以降の更なる成長に備える予定としている。また、第五次中期経営計画を展開する際に、

1 Loan Market Association（ LMA）、 Asia Pacific Loan Market Association（ APLMA）及び

Loan Syndication and Trading Association（ LSTA）制定。 2021 年 5 月改訂版。

持続可能な成長に対する CSR 課題を組み込んだ新たなマテリアリティ対応計画を策定し、各マテリアリティにおける活動を定め、国内・海外の適用範囲と KPI の設定をしている。

GS ユアサは、第五次中期経営計画において策定した ESG 各領域の目標に加え、環境長期目標として、

「GY 環境長期目標 2030」を策定した。同目標において、気候変動対策を全社目標に掲げ、CO2 排出量削減に取り組んでいる。2030 年における CO2 排出量を 2018 年度比 30％以上削減する本目標では、第五期中期経営計画の期間である 2022 年度までに合計 6％、2023 年度以降は 8 年間で 24％以上の削減を目指すとしている。

GS ユアサは、本ローンにおいて、KPI として CO2 排出量の削減、SPT として 2025 年度までに CO2 排出量を 2018 年度比で 15％削減する目標を設定し、その達成状況に貸出条件を連動させる仕組みとすることで京都銀行と合意した。

本ローンで KPI に設定された CO2 排出量の削減は、GS ユアサの中期経営計画が目指す戦略及び「GY 環境長期目標 2030」で掲げる CO2 排出量削減目標と整合的である他、今後環境規制が厳しく進められる自動車業界からの要請を考慮すると、CO2 排出量削減の取り組みを行うことは重要であると考えられ、同社の企業価値向上において有意義な KPI であると JCR は評価している。

本ローンで GS ユアサの設定した SPT は、同社の過去の実績および他社と比較して野心的な設定であり、 CSR 戦略とも整合的である。CO2 排出量に関する同社の過去のトラックレコードを考慮するとこれまでの CO2 排出量が増加傾向であったこと、また 2022 年度までは単年度で 2%、2023 年度以降は同 3％の削減計画は従来の削減率を上回る取り組みであることから、野心的であると言える。また、同業界における鉛蓄電池、HEV 向け蓄電池メーカーの CO2 削減目標は、原単位ベースでの管理が多い一方で、GS ユアサは総量ベースで 2030 年までの中長期間において CO2 排出量の削減目標を設定しており、インパクト評価基準のx x性、有効性、効率性、倍率性および追加性の観点からも野心的であると言える。

(2) 融資条件と期中のモニタリング体制について

JCRは、融資条件におけるインセンティブ内容について、GSユアサと京都銀行の双方が納得のいく形で設定されていること、返済期限到来まで金利見直しのタイミングを複数回設け、当該タイミング時のSPTの進捗状況と貸出条件等が連動されていること、返済期限到来時に最終的なサステナビリティ達成度について確認を行うことを確認した。また、GSユアサは、KPIのパフォーマンスについて、毎会計年度終了後、当該年度のCO2排出量および2018年度を基準年としたCO2排出量の削減率について貸付人に開示の予定であり、 SPTの進捗状況を確認するためのCO2排出量に係る開示事項については、外部認証機関より第三者検証を取得の予定である。仮に期中においてSPTにかかる重大な変更が発生した場合には、JCRがレビューを行い、

引き続きSLLP等への準拠状況と当初想定していた野心度や有意義性が維持されるか否かを確認する。なお、返済期限到来年にGSユアサ、京都銀行およびJCRの3社で本ローンに係る振り返りを行い、SPTの達成状況に加え、GSユアサおよび社会に対するインパクトの発現状況を評価することとしている。

以上の考察から、JCR は、今回の第三者意見提供対象である GS ユアサに対する本ローンが、SLLP 等に適合していることを確認した。

＊詳細な意見書の内容は次ページ以降をご参照ください。

第三者意見

評価対象：サステナビリティ・xxx・xxx

借入人：株式会社ジーエス・ユアサコーポレーション貸付人：株式会社京都銀行

2021 年 10 月 1 日

株式会社日本格付研究所

ii. バリューチェーン及び他社比較からの有意義性と野心度について.......................................... - 12 - iii. GS ユアサのCO2 削減に係るロードマップについて................................................................ - 12 - 3-3. JCR によるインパクト評価..................................................................................................... - 13 -

4. ローンの特性............................................................................................................................... - 16 -

4-1. 評価の視点.............................................................................................................................. - 16 -

4-2. 評価対象の現状と JCR の評価............................................................................................... - 16 -

5. レポーティングと検証................................................................................................................ - 17 -

5-1. 評価の視点.............................................................................................................................. - 17 -

i. 開示予定項目............................................................................................................................... - 17 -

ii. 検証............................................................................................................................................. - 17 -

5-2. 評価対象の現状と JCR の評価............................................................................................... - 17 -

6. SLLP 等との適合性に係る結論................................................................................................... - 18 -

＜要約＞

(1) GS ユアサのサステナビリティ戦略と KPI・SPT の設定について

GSユアサは、本ローンにおいて、以下のKPI・SPTを設定することで京都銀行と合意した。

KPI：CO2 排出量（総量ベース、スコープ 1, 2）の削減

SPT：2030 年度までに、CO2 排出量（総量ベース、スコープ 1, 2）を、2018 年度実績比

30％以上削減するためのマイルストーンとして、2025 年度までに 2018 年度比 15%削減。

GS ユアサグループは、「革新と成長」を企業理念として掲げ、社員と企業の「革新と成長」を通じ、人と社会と地球環境に貢献することを目指している。2019 年 4 月から 2023 年 3 月までの 4 ヶ年を対象にした、第五次中期経営計画においては、長期に目指す姿を「新たな価値を創造し続けるエネルギー・デバイス・カンパニーへ」とし、第五次中期経営計画の期間は、鉛蓄電池事業において主要地域の収益力強化と重要地域・拠点に対する販売拡大策展開を行うとしている。リチウムイオン電池事業においては同社の強みを活かした施策を展開し収益力の維持を図るとともに、設備投資・開発費用を戦略的に先行投入し、第六次中期経営計画以降の更なる成長に備える予定としている。また、第五次中期経営計画を展開する際に、持続可能な成長に対するCSR 課題を組み込んだ新たなマテリアリティ対応計画を策定し、各マテリアリティにおける活動を定め、国内・海外の適用範囲と KPI の設定をしている。

GS ユアサは、第五次中期経営計画において策定した ESG 各領域の目標に加え、環境長期目標として、

「GY 環境長期目標 2030」を策定した。同目標において、気候変動対策を全社目標に掲げ、CO2 排出量削減に取り組んでいる。2030 年におけるCO2 排出量を 2018 年度比 30％以上削減する本目標では、第五期中期経営計画の期間である 2022 年度までに合計 6％、2023 年度以降は 8 年間で 24％以上の削減を目指すとしている。

1 Loan Market Association（LMA）、Asia Pacific Loan Market Association（APLMA）及び Loan Syndication and Trading Association（LSTA）制定。2021 年 5 月改訂版。

GS ユアサは、本ローンにおいて、KPI として CO2 排出量の削減、SPT として 2025 年度までに CO2排出量を 2018 年度比で 15％削減する目標を設定し、その達成状況に貸出条件を連動させる仕組みとすることで京都銀行と合意した。

本ローンで KPI に設定されたCO2 排出量の削減は、GS ユアサの中期経営計画が目指す戦略及び「GY環境長期目標 2030」で掲げる CO2 排出量削減目標と整合的である他、今後環境規制が厳しく進められる自動車業界からの要請を考慮すると、CO2 排出量削減の取り組みを行うことは重要であると考えられ、同社の企業価値向上において有意義な KPI であると JCR は評価している。

本ローンで GS ユアサの設定した SPT は、同社の過去の実績および他社と比較して野心的な設定であり、CSR 戦略とも整合的である。CO2 排出量に関する同社の過去のトラックレコードを考慮するとこれまでの CO2 排出量が増加傾向であったこと、また 2022 年度までは単年度で 2%、2023 年度以降は同 3％の削減計画は従来の削減率を上回る取り組みであることから、野心的であると言える。また、同業界における鉛蓄電池、HEV 向け蓄電池メーカーの CO2 削減目標は、原単位ベースでの管理が多い一方で、GSユアサは総量ベースで 2030 年までの中長期間において CO2 排出量の削減目標を設定しており、インパクト評価基準の多様性、有効性、効率性、倍率性および追加性の観点からも野心的であると言える。

(2) 融資条件と期中のモニタリング体制について

JCRは、融資条件におけるインセンティブ内容について、GSユアサと京都銀行の双方が納得のいく形で設定されていること、返済期限到来まで金利見直しのタイミングを複数回設け、当該タイミング時の SPTの進捗状況と貸出条件等が連動されていること、返済期限到来時に最終的なサステナビリティ達成度について確認を行うことを確認した。また、GSユアサは、KPIのパフォーマンスについて、毎会計年度終了後、当該年度のCO2排出量および2018年度を基準年としたCO2排出量の削減率について貸付人に開示の予定であり、SPTの進捗状況を確認するためのCO2排出量に係る開示事項については、外部認証機関より第三者検証を取得の予定である。仮に期中においてSPTにかかる重大な変更が発生した場合には、JCRがレビューを行い、引き続きSLLP等への準拠状況と当初想定していた野心度や有意義性が維持されるか否かを確認する。なお、返済期限到来年にGSユアサ、京都銀行およびJCRの3社で本ローンに係る振り返りを行い、SPTの達成状況に加え、GSユアサおよび社会に対するインパクトの発現状況を評価することとしている。

以上の考察から、JCR は、今回の第三者意見提供対象である GS ユアサに対する本ローンが、SLLP等に適合していることを確認した。

I. 第三者意見の位置づけと目的

JCR は、本ローンに対して SLLP 等に即した第三者評価を行った。SLL とは、借入人が予め設定した意欲的な SPT の達成にインセンティブ付けを行うことで、借入人および貸付人が持続可能な社会の実現に貢献することを狙いとした、ローン商品およびコミットメントライン等融資枠のことを言う。

SLLP は、5 つの原則からなる。第 1 原則は KPI の選定、第 2 原則は SPTs の測定、第 3 原則はローンの特性、第 4 原則はレポーティング、第 5 原則は検証である。

本第三者意見の目的は、SLLP で推奨されている評価の透明性および客観性確保のため、JCR が独立した第三者機関として、本ローンの SLLP 第 1 原則～第 5 原則および環境省ガイドラインへの適合性に関するレビューを行うことである。

II. 第三者意見対象の概要

今回の評価対象は、京都銀行が GS ユアサとの間で 2021 年 7 月 19 日付にて契約を締結予定の SLL である。以下は、本第三者意見に含まれる評価項目である。

1. 本xxxのサステナビリティとの関係性

2. KPI 選定の妥当性

3. SPTs の測定（野心度）

4. ローンの特性

5. レポーティングと検証

6. SLLP 等との適合性に係る結論

III. 本ローンの SLL 原則等との適合性確認

1. 本xxxのサステナビリティとの関係性

GS ユアサは、本ローンの組成に際し、同社が定義した CO2 排出量の削減を KPI として選定し、SPTを以下の通り設定した。同社は、2019 年に策定した 2023 年 3 月期までの第五次中期経営計画に基づいた事業活動を展開しているが、今般設定した SPT では「GY 環境長期目標 2030」にて設定した、2018 年度を基準とする 2030 年までの中長期の目標値である。

KPI：CO2 排出量（総量ベース、スコープ 1, 2）の削減

SPT：2030 年度までに、CO2 排出量（総量ベース、スコープ 1, 2）を、2018 年度実績比

30％以上削減するためのマイルストーンとして、2025 年度までに 2018 年度比 15%削減。

2. KPI 選定の妥当性

2-1. 評価の視点

本項では、借入人の選定した KPI について、SLLP 等で例示されている以下の要素を含んでいるかを中心として、その有意義性を評価する。

1) 借入人のビジネス全体に関連性があり、中核的で重要であり、かつ、借入人の現在および/または将来的なビジネスにおいて戦略的に大きな意義のあるものか。

2) 一貫した方法に基づき測定可能、または定量的なもので、外部からの検証が可能なものか。

3) ベンチマーク化（例えば、SPTs の野心度合を評価するために、外部指標・定義を活用する等）が可能か。

2-2. 評価対象の現状と JCR の評価

（評価結果）

本ローンで定めた KPI は、SLLP 等で求められている要素を全て含んでおり、GS ユアサの持続可能な成長および SDGs の目標に資する有意義な KPI が選定されている。

i. GS ユアサのサステナビリティ戦略

＜事業概要＞

株式会社ジーエス・ユアサコーポレーションは、旧日本電池と旧ユアサコーポレーションの経営統合に伴い、2004 年に両社の株式移転によって設立された持株会社である。2016 年 10 月にパナソニックの鉛蓄電池事業譲受に関する株式譲渡契約に基づき、パナソニックストレージバッテリーの株式を取得するとともに連結子会社化し、同社商号を GS ユアサエナジーへ変更した。また、2020年 8 月には産業電池電源事業の競争力向上を図るため、サンケン電気の社会システム事業の譲受に関する株式譲渡契約を締結。2021 年 5 月にサンケン電設株式会社の全株式を取得完了し、連結子会社にするとともに、同社商号を GS ユアサインフラシステムズに変更した。現在は、自動車・オートバイ用の蓄電池をはじめ、多岐にわたる産業用蓄電池も手掛ける。自動車用鉛蓄電池市場では世界第

2 位で、国内およびアジアで首位、オートバイ用では世界首位である。今後は、鉛蓄電池はグローバルで安定的に推移する一方、同社はリチウムイオン電池事業について、自動車用途、産業用途等の需要は、先進国を中心として大幅に増加していくと見込んでいる。また、グローバルにおける自動車の需要予測において、ガソリン車の需要が減少傾向であることとは対照的に、EV、PHEV、HEV の需要が増加していくと見込んでおり、同時に HEV 向けリチウムイオン電池の市場拡大を見込んでいる。このことから、HEV 用 LiB、欧州メーカーへの 12V LiB、産業用 LiB に注力する計画である。

＜中期経営計画第五次中期経営計画＞

GS ユアサグループは、2019 年 4 月から 2023 年 3 月までの 4 ヶ年を対象にした、第五次中期経営計画を策定している。長期に目指す姿を「新たな価値を創造し続けるエネルギー・デバイス・カンパニーへ」とし、第五次中期経営計画の期間は、鉛蓄電池事業において主要地域の収益力強化と重要地域・拠点に対する販売拡大策展開を行うとしている。また、リチウムイオン電池事業においては、同社の強みを活かした施策を展開し収益力の維持を図るとともに、設備投資・開発費用を戦略的に先行投入し、第六次中期経営計画以降の更なる成長に備える予定である。

また、第五次中期経営計画を展開する際に、持続可能な成長に対する CSR 課題を組み込んだ新たなマテリアリティ対応計画を策定している。各マテリアリティにおける活動を定め、国内・海外の適用範囲と KPI の設定をしている。

（出所：GS ユアサウェブサイト第五次中期経営計画重要戦略課題）

＜基本理念と CSR 方針＞

GS ユアサグループは、「革新と成長」を企業理念として掲げ、社員と企業の「革新と成長」を通じ、人と社会と地球環境に貢献することを目指している。また、経営方針の一部の CSR 方針として、社会的責任に関わる国際的行動規範を尊重し、蓄エネルギー技術等により事業活動の持続的発展に取り組むと共に、人と社会と地球環境に貢献すると掲げており、同方針は以下の項目から構成されている。

１．xx、透明かつ健全な事業活動の推進と腐敗の防止

２．人権の尊重

３．適正な労働環境の維持、向上

４．安全、安心な製品、サービスを提供する責任の遂行

５．地球環境の保全

６．地域社会との共生

７．サプライチェーンにおける社会的責任活動の推進

＜マテリアリティ（重要課題）＞

GSユアサは、中期経営計画の達成に向けた活動として、CSRのリスクおよび機会を抽出し、社会への影響度および自社事業への影響度をもとに各項目をスコアリングし、外部有識者などの意見を取り入れてCSRマテリアリティを決定している。各分野のマテリアリティにおいて、KPIと目標値を設定し、取り組みを推進している。

（出所：GS ユアサウェブサイト第 5 次中期経営計画における持続可能な成長に対する CSR 課題の概要）

＜環境に関して設定された目標と実績＞

GSユアサは、第五次中期経営計画において策定したESG各領域の目標に加え、環境長期目標として、「GY環境長期目標2030」を策定した。同目標において、気候変動対策を全社目標に掲げ、 CO2排出量削減に取り組んでいる。2030年におけるCO2排出量を2018年度比30％以上削減する本目標では、第五次中期経営計画の期間である2022年度末までに合計6％、2023年度以降は8年間で 24％以上の削減を目指すとしている。

（出所：GSユアサ 2021年3月期決算説明会資料）

＜CSR 推進体制＞

GS ユアサグループは、特定したマテリアリティにかかる取り組みを推進するため、CSR 最高責任者である社長が任命した CSR 担当役員が委員長を務めるCSR 委員会を設置している。CSR 委員会は、コーポレートコミュニケーション部が事務局を担当し、二か月に一度開催され、経営戦略、総務、人事や環境といった本社の部門および各事業部が参加し、全社的な課題に加え、CSR 方針やマテリアリティ対応計画について全社横断的な議論を実施している。CSR 委員会での重要な決定事項は、取締役会での議論を経て受領される。

（出所：GS ユアサウェブサイト CSR 推進プロセスの概要）

ii. KPI の有意義性

本ローンで KPI に設定されたCO2 排出量の削減は、GS ユアサの中期経営計画が目指す戦略と整合しており、同社の企業価値向上において有意義なKPI であると JCR は評価している。

GS ユアサはCSR 方針の中で「地球環境の保全」を掲げ、気候変動他への対応に取り組むとしている。上記方針を基本とし、同社のマテリアリティでは「事業活動で生じる環境負荷の低減」を第五次中期経営計画の CSR 課題として特定し、事業戦略への組み込みのひとつとして CO2 排出量に関する目標を設定している。また、2023 年度以降の第六次中期経営計画においても継続的に取り組む長期目標である「GY 環境長期目標 2030」を策定した。本長期目標で掲げる CO2 排出量削減を本ローンの KPI として選定していることから、GS ユアサのサステナビリティ戦略に係る目標と整合的であり、本取り組みは同社にとって有意義であると言える。

3. SPTs の測定

3-1. 評価の視点

本項では、借入人の設定した SPTs について、SLLP 等で例示されている以下の要素を含んでいるかを中心として、その野心度および有意義性を評価する。

1) 各 KPI 値の大幅な改善に結びつけられており、「従来通りの事業（Business as Usual）」シナリオを超えているか。

2) （可能であれば）ベンチマークまたは参照可能な外部指標と比較できるか。

3) 事前に設定された借入人の全体的なサステナビリティ/ESG 戦略と整合しているか。

4) 融資実行前（または融資開始と同時）に設定された時間軸に基づき決定されているか。

次に、借入人の SPTs 設定時に考慮されたベンチマーク等を確認する。SLLP では以下の要素が例示されている。

借入人自身の直近のパフォーマンスの水準（可能な限り、最低過去 3 年分のトラックレコードを有する KPI を選定）に基づき、定量的なものを設定し、また KPI の将来の予測情報も可能な限り開示する。

同業他社と比較した場合における、設定した SPTs の相対的な位置付けについて（例：平均的なパフォーマンス水準なのか、業界トップクラスの水準なのか等）

科学的根拠に基づくシナリオ分析や絶対値（炭素予算等）、国・地域単位または国際的な目標

（パリ協定、CO2 の排出ゼロ目標、SDGs 等）、認定された BAT（利用可能な最良の技術）およびESG のテーマ全体で関連する目標を決定するその他の指標

3-2. 評価対象の現状と JCR の評価

（評価結果）

GS ユアサの設定した SPT は、同社の過去の実績および他社と比較して野心的な設定である。また、同社の全体的な CSR 戦略と整合的である。

GS ユアサが設定した SPT は、2021 年度から 2025 年度の 5 年間で、同社の CO2 排出量を 2018

年度比 15％以上削減することである。

i. 自社の過去のトラックレコードとの比較

以下の図は同社のこれまでの CO2 排出量の推移である。目標設定を行い、取り組みを進めた成果により、2019 年度の CO2 排出量の実績は基準年度から 2％削減と単年度の目標を達成している。一方、過去のトラックレコードを考慮するとこれまでの CO2 排出量が増加傾向であったこと、また今後の計画は 2022 年度までは単年度で前年度比 2%、2023 年度以降は同 3％の削減と従来の削減率を上回った取り組みであることから、野心的であると言える。また同社は、2020 年度売上高実績の 3,865 億円から、2021 年度はビジネスが伸長し、売上高が 4,300 億円と増収を予想している中で、目標設定は CO2 排出原単位の削減ではなく、 CO2 排出量の総量ベースでの削減を目指している点においても野心的であると言える。更に、現在の第五次中期経営計画から第六次中期経営計画の期間まで、目標設定期間を引き延ばし、長期的な視点から目標設定していることも意欲的である。

（出所：GS ユアサウェブサイト CSR への取り組み 2021 WEB 版2）

ii. バリューチェーンおよび他社比較からの有意義性と野心度について

蓄電池製品を提供している GS ユアサでは、製品出荷時に充電する必要があるため、自社の CO2 排出において電力消費の占める割合が最も大きく、今後環境規制が厳しく進められる自動車業界のバリューチェーンを支えていくことを考慮すると、CO2 排出量削減の取り組みを行うことは同社が長期的な企業価値を高める取り組みとして重要である。また、同業界における鉛蓄電池、HEV 向け蓄電池メーカーの CO2 削減目標は、基準年度の設定が異なっているため一概に比較はできないものの、同業他社は原単位ベースでの管理が多い一方で、GSユアサは総量ベースで 2030 年までの中長期間において CO2 排出量の削減目標を設定しており、野心的な取り組みであると言える。

iii. GS ユアサのCO2 削減に係るロードマップについて

GS ユアサでは、2030 年までに CO2 排出量を 2018 年度比 30％以上削減するために、以下の施策を講じる予定である。

①省エネ

設備更新

効率的な充電処方の展開、新規開発ピークカット、ピークシフトの実施

②再生可能エネルギー調達再生可能エネルギーの購入排出権取引

③xxx発電自家消費敷地内発電量の試算

2 本第三者意見書は 7 月 19 日に当初公表したものにつき、3 月 2 日付で CO2 排出量実績を修正。

初期投資と PPA（電力販売契約）の検討

自社製品の導入や実証実験の実施による経営資源の有効活用

上記に加え、CO2 排出量削減の全社的な取り組みとして、各事業所に目標を設定して CO2排出量削減に向けて取り組みを進めている。また、現在同社内にて、担当役員を任命した上でワーキンググループを設置し、エネルギー削減に向けた省エネ、発電、調達における具体的な取り組みと投資計画を検討中である。JCR は、上記の主要な施策の進捗状況についてヒアリングを行い、具体的な投資計画を伴って施策が講じられていることを確認した。

以上より、GS ユアサの設定した SPT は、従来通りのシナリオを超えた削減率の目標を目指すものであり、また同業界の他社と比しても野心的な目標であると JCR は評価している。

また、本ローンの KPI は、GS ユアサが既に定めた中期経営計画の中で重要項目として特定されていることから、同社の CSR 戦略と整合的であることは前述の通りであり、SPT も GS ユアサが中期経営計画で目指している方向性と合致している。加えて、本ローンの SPT は、融資実行前に予め中期的な目標として機関決定されており、借入人自身の直近のパフォーマンス水準に基づく定量的なものが設定されている。

3-3. JCR によるインパクト評価

①多様性：多様なポジティブ・インパクトがもたらされているか

（バリューチェーン全体におけるインパクト、事業セグメント別インパクト、地域別インパクト等）

GSユアサのCO2削減目標は、インパクト領域については気候変動への緩和に限られるものの、以下の多様な側面において広い対象範囲を有している。

SPT設定対象はScope1および2

事業セグメント全体が対象

国内および海外の事業所が対象

②有効性：大きなインパクトがもたらされているか

（SPTが対象とする売上高、事業活動、対象となる地域、SPT測定を行う事業活動の国内外におけるマーケットシェア等）

本ファイナンスは、以下の観点から蓄電池市場に対する波及効果が期待される。

GSユアサは、2020年度の全事業活動における売上高は3,865億円であり、全事業活動、全世界を SPTの対象としているため、影響度は大きいと考えられる。また、同社は自動車用鉛蓄電池市場においては世界第2位で、国内およびアジアで首位、オートバイ用では世界首位である。従っ

JCR は、本ローンで定められた SPT が野心的かつ有意義なものであり、GS ユアサの持続可能な成長および社会価値の向上に資すること、並びにポジティブなインパクトの最大化およびネガティブなインパクトの回避・管理・低減の度合いを確認するため、国連環境計画が策定したポジティブ・インパクト・ファイナンス（PIF）原則の第 4 原則で例示されているインパクト評価基準の 5 要素（多様性、有効性、効率性、倍率性、追加性）に沿って、SPT の影響度（インパクトの度合い）を検討した。

て、GSユアサの気候変動への取り組みの推進は、蓄電池業界において大きなインパクトをもた

らすものと考えられる。

③効率性：投下資本に対し相対的に規模の大きいインパクトが得られているか

本ファイナンスは以下の観点から効率性の高い投資計画を後押ししている。

GSユアサは2030年までのCO2排出量を30％以上削減するために、省エネ、再生可能エネルギー調達、xxx発電自家消費の3本柱で構成された戦略を策定している。省エネの取り組みについては、設備更新に加え、全事業所に対して目標設定を行い削減するように取り組んでいる。再生可能エネルギーの調達については、再生可能エネルギーの購入および排出権の取引を想定し、xxx発電自家消費については、xxx発電への投資の上、PPA（電力販売契約）活用を検討している。GSユアサの取引先である自動車大手は、取引先のCO2削減の取り組みを今後一層求めてくることが予想されることから、長期的な国際競争力強化、持続可能なバリューチェーンにおける立ち位置を確保する観点からも、CO2削減計画を長期に実行していくことが重要である。以上か

ら、投下資本に対して大きなインパクトが期待される。

④倍率性：公的資金または寄付に対する民間資金活用の度合い

本件では公的資金の活用はないため、本項目は評価の対象外とする。

⑤追加性：追加的なインパクトがもたらされているか

SDGs が未達或いは対応不足の領域への対処を促しているか

SDGs 実現のための大きな前進となっているか

各指標はSDGsの17目標および169ターゲットのうち、以下のとおり複数の目標およびターゲットに追加的インパクトをもたらすものと考えられる。

目標 7：エネルギーをみんなにそしてクリーンに

ターゲット 7.3 2030 年までに、世界全体のエネルギー効率の改善率を倍増させる。

目標 9：産業と技術革新の基盤をつくろう

ターゲット 9.4 2030 年までに、資源利用効率の向上とクリーン技術及び環境に配慮した技術・産業プロセスの導入拡大を通じたインフラ改良や産業改善により、持続可能性を向上させる。全ての国々は各国の能力に応じた取組を行う。

目標 12：つくる責任つかう責任

ターゲット 12.4 2020 年までに、合意された国際的な枠組みに従い、製品ライフサイクルを通じ、環境上適正な化学物質や全ての廃棄物の管理を実現し、人の健康や環境への悪影響を最小化するため、化学物質や廃棄物の大気、水、土壌への放出を大幅に削減する。

ターゲット 12.6 特に大企業や多国籍企業などの企業に対し、持続可能な取り組みを導入し、持続可能性に関する情報を定期報告に盛り込むよう奨励する。

目標 13：気候変動に具体的な対策をターゲット 13.1 全ての国々において、気候関連災害や自然災害に対する強靱性

（レジリエンス）及び適応の能力を強化する。

ターゲット 13.3 気候変動の緩和、適応、影響軽減及び早期警戒に関する教育、啓発、人的能力及び制度機能を改善する。

4. ローンの特性

4-1. 評価の視点

本項では、以下の内容を確認する。

(1) 選定された KPI が事前に設定された SPTs を達成するか否かに応じて、ローンの財務的・構造的特性が変化する取り決めとなっているか。

(2) KPI の定義と SPTs、サステナビリティ・xxx・xxxの財務的・構造的特性の変動可能性は、ローンの契約書類に含まれているか。

(3) KPI の測定方法、SPTs の設定、前提条件や KPI の対象範囲に重大な影響を与える可能性のある想定外の事象が発生した場合の対応（重要な M&A 活動、規制等の制度面の大幅な変更、または異常事象の発生等）について、ローンの契約書類の中で言及の予定はあるか。

4-2. 評価対象の現状と JCR の評価

（評価結果）

本ローンは、選定された KPI に関し事前に設定された SPT を達成するか否かに応じて、財務的特性が変化する取り決めとなっている。当該変動可能性は、ローンの契約書類に含まれている。KPIの測定方法、SPT の設定、前提条件について、ローンの契約書類の中で言及されている。

JCR は、本ローンの契約書類において、SPT を達成した場合、財務的特性を変化させる取り決めとなっていることを確認した。また、KPI の定義、SPT の設定、前提条件についても、同契約書類に記載される。なお、本ローンの実行時点で予見し得ない状況により、KPI の定義や SPT の設定、前提条件が変更となった場合には、変更報告書を通じて、変更内容の説明について借入人から貸付人に報告する予定としている。

以上より、ローンの契約条件等との連動について必要な取り決めがなされ、契約書類における記載事項も適切であることを JCR は確認した。なお、GS ユアサでは、SPT 達成の場合に、得られた金利優遇分について、同社の本社が所在する京都市において、地球温暖化対策等の環境課題解決に向けた事業を推進する京都市環境共生市民協働事業基金（京都市民環境ファンド）に寄付することを予定している。

5. レポーティングと検証

5-1. 評価の視点

本項では、融資実行後に予定しているレポーティング内容として以下の項目が含まれる予定か、開示方法および第三者検証の予定の有無について確認する。

i. 開示予定項目

年に 1 回以上、以下の事項が開示される予定となっているか。

選定 KPI のパフォーマンスに関する最新情報（ベースラインの前提条件を含む）

貸付人が SPTs の野心度合いを測るために有用な情報（借入人の最新のサステナビリティ戦略や関連するKPI/ESG ガバナンスに関する情報、また KPI とSPTs の分析に関する情報等）

可能な範囲で以下の情報について開示：

パフォーマンス/KPI の改善に寄与した主な要因（M&A 活動等も含む）についての定性的・定量的な説明

パフォーマンスの改善が借入人のサステナビリティにどのような影響を与えるかについての説明

KPI の再評価有無、設定した SPTs の修正有無、ベースラインの前提条件や KPI の対象範囲の変更有無

ii. 検証

検証内容（SPTs の達成状況、財務的・構造的特性の変更に対する影響、そのタイミング等）について情報を開示予定か。

5-2. 評価対象の現状と JCR の評価

（評価結果）

GS ユアサは、融資実行後のレポーティングにおける開示内容、頻度、方法について適切に計画しており、SPT の進捗状況等、原則で必要とされる内容について、第三者検証を受ける予定である。

GSユアサは、KPIのパフォーマンスについて、毎会計年度終了後、当該年度のCO2排出量および 2018年度を基準年としたCO2排出量の削減率を貸付人に開示の予定である。また、SPTの進捗状況を確認するためのCO2排出量に係る開示事項については、外部認証機関より第三者検証を取得の予定であるほか、予期せぬ事情により進捗に遅れがみられている場合等に関しては、その原因分析と今後の対応策等についても貸付人に開示を検討する予定である。仮に期中においてSPTにかかる重大な変更が発生した場合には、JCRがレビューを行い、引き続きSLLP等への準拠状況と当初想定していた野心度や有意義性が維持されるか否かを確認する。なお、返済期限到来年にGSユアサ、京都銀行およびJCRの3社で本ローンに係る振り返りを行い、SPTの達成状況に加え、GSユアサおよび社会に対するインパクトの発現状況を評価することとしている。

6. SLLP 等との適合性に係る結論

以上の考察から、JCR は本第三者意見の提供対象である本ローンが、SLLP 等に適合していることを確認した。

（担当）xx xx・xx xx

本第三者意見に関する重要な説明

1. JCR 第三者意見の前提・意義・限界

日本格付研究所（JCR）が付与し提供する第三者意見は、評価対象の、Loan Market Association（LMA）、Asia Pacific Loan Market Association（APLMA）及び Loan Syndication and Trading Association（LSTA）が策定したサステナビリティ・リンク・ローン原則（SLLP）及び環境省が 2020 年 3 月に策定したグリーンローン及びサステナビリティ・リンク・ローンガイドラインへの適合性に関する、JCR の現時点での総合的な意見の表明であり、当該評価対象がもたらすポジティブなインパクトの程度を完全に表示しているものではありません。

本第三者意見は、依頼者から供与された情報及び JCR が独自に収集した情報に基づく現時点での計画又は状況を評価するものであり、将来における状況への評価を保証するものではありません。また、本第三者意見は、サステナビリティ・xxx・xxxによるポジティブな効果を定量的に証明するものではなく、その効果について責任を負うものではありません。本事業により調達される資金が同社の設定するインパクト指標の達成度について、JCR は借入人又は借入人の依頼する第三者によって定量的・定性的に測定されていることを確認しますが、原則としてこれを直接測定することはありません。

2. 本評価を実施するうえで参照した国際的なイニシアティブ、原則等

本評価を実施するうえで JCR は、LMA、APLMA、LSTA 及び UNEP FI が策定した以下の原則及びガイドを参照しています。

・サステナビリティ・xxx・xxx原則

・環境省グリーンローン及びサステナビリティ・リンク・ローンガイドライン

・ポジティブ・インパクト金融原則

・資金使途を限定しないポジティブ・インパクト・ファイナンスモデルフレームワーク

3. 信用格付業に係る行為との関係

本第三者意見書を提供する行為は、JCR が関連業務として行うものであり、信用格付業に係る行為とは異なります。

4. 信用格付との関係

本件評価は信用格付とは異なり、また、あらかじめ定められた信用格付を提供し、又は閲覧に供することを約束するものではありません。

5. JCR の第三者性

本評価対象者と JCR との間に、利益相反を生じる可能性のある資本関係、人的関係等はありません。

■留意事項

本文書に記載された情報は、JCR が、発行体及び正確で信頼すべき情報源から入手したものです。ただし、当該情報には、人為的、機械的、又はその他の事由による誤りが存在する可能性があります。したがって、JCR は、明示的であると黙示的であるとを問わず、当該情報の正確性、結果、的確性、適時性、完全性、市場性、特定の目的への適合性について、一切表明保証するものではなく、また、JCR は、当該情報の誤り、遺漏、又は当該情報を使用した結果について、一切責任を負いません。JCR は、いかなる状況においても、当該情報のあらゆる使用から生じうる、機会損失、金銭的損失を含むあらゆる種類の、特別損害、間接損害、付随的損害、派生的損害について、契約責任、不法行為責任、無過失責任その他責任原因のいかんを問わず、また、当該損害が予見可能であると予見不可能であるとを問わず、一切責任を負いません。本第三者意見は、評価の対象であるサステナビリティ・リンク・ローンに係る各種のリスク（信用リスク、価格変動リスク、市場流動性リスク、価格変動リスク等）について、何ら意見を表明するものではありません。また、本第三者意見書は JCR の現時点での総合的な意見の表明であって、事実の表明ではなく、リスクの判断や個別の債券、コマーシャルペーパー等の購入、売却、保有の意思決定に関して何らの推奨をするものでもありません。本第三者意見は、情報の変更、情報の不足その他の事由により変更、中断、又は撤回されることがあります。本文書に係る一切の権利は、JCR が保有しています。本文書の一部又は全部を問わず、JCR に無断で複製、翻案、改変等をすることは禁じられています。

■用語解説

第三者意見：本レポートは、依頼人の求めに応じ、独立・中立・xxな立場から、貸付人が借入人に対して実施するサステナビリティ・xxx・xxxについて、LMA、XXXXX、LSTA の作成したサステナビリティ・xxx・xxx原則への適合性に対する第三者意見を述べたものです。

■サステナブル・ファイナンスの外部評価者としての登録状況等

・国連環境計画金融イニシアティブポジティブインパクト作業部会メンバー

・環境省グリーンボンド外部レビュー者登録

・Climate Bonds Initiative Approved Verifier (気候変動イニシアティブ認定検証機関)

・ICMA (国際資本市場協会に外部評価者としてオブザーバー登録) ソーシャルボンド原則、Climate Transition Finance 作業部会メンバー

■その他、信用格付業者としての登録状況等

・信用格付業者金融庁長官（格付）第 1 号

・EU Certified Credit Rating Agency

・NRSRO：JCR は、米国証券取引委員会の定める NRSRO（Nationally Recognized Statistical Rating Organization）の 5 つの信用格付クラスのうち、以下の 4クラスに登録しています。(1)金融機関、ブローカー・ディーラー、(2)保険会社、(3)一般事業法人、(4)政府・地方自治体。米国証券取引委員会規則 17g- 7(a)項に基づく開示の対象となる場合、当該開示は JCR のホームページ（xxxxx://xxx.xxx.xx.xx/xx/）に掲載されるニュースリリースに添付しています。

■本件に関するお問い合わせ先

情報サービス部 TEL：00-0000-0000 FAX：00-0000-0000

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「京銀サステナビリティ・xxx・xxx」の取り組みについて

～株式会社 ジーエス・ユアサ コーポレーションと契約を締結～

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