Contract

［事案 29-244］契約変更取消等請求

・平成 30 年 7 月 24 日 裁定終了

＜事案の概要＞

終身保険が自動延長定期保険に変更されたことを不服として、自動延長保険の取消しおよび未払保険料の分割支払の容認を求めて申立てのあったもの。

＜申立人の主張＞

平成 23 年 2 月に契約した米ドル建終身保険および別契約について、平成 28 年 12 月に、保険会社のコールセンターに対し、保険料支払用のクレジットカードを変更したい旨の要望をし、送付された手続書類に記入し提出したところ、別契約についてのみ手続きが行われたが、本契約については手続きが行われなかった。平成 29 年 4 月に気付き、保険会社に申し出た際、同年 5 月分以降の保険料引き落としを一旦停止してはどうかと猶予の提案をしたところ、提

案どおり保険料引き落としが停止されたが、同年 7 月に本契約が自動延長定期保険に変更された。

以下の理由から、自動延長定期保険への変更を取り消して、未払分保険料を毎年 4 月、8 月、 12 月に各 2 か月分の保険料を支払う方法により、分割して支払う取扱いとしてほしい。 (1)そもそも本件は保険会社の落ち度を発端としている。

(2)保険料の引き落とし停止を進言した際、支払再開時に未払分保険料の一括支払いが必要とは説明されていない。

(3)自動延長定期保険への変更取消期限までに、保険会社から、変更制度に関する説明および確認がなかった。

＜保険会社の主張＞

自動延長定期保険への変更は約款の規定に従った対応であり、以下の理由から、申立人の請求に応じることはできない。

(1)申立人から保険料引き落としの停止要請を受けて対応したが、保険料の支払期限を猶予したものではない。

(2)自動延長定期保険の変更取消しを提案したが、申立人は保険料の分割払いではないとして応じなかった。

(3)クレジットカードの変更手続きがなされなかったことについては、謝罪のうえ、申立人と別に合意しており解決している。

＜裁定の概要＞

1.裁定手続

裁定審査会は、当事者から提出された書面にもとづく審理の他、保険料支払用クレジットカードの変更手続き時の状況等を把握するため、申立人に対して事情聴取を行った。

2.裁定結果

上記手続の結果、本件における保険料引き落としの停止が約款による自動延長定期保険への変更を否定するものとは認められず、、未払分保険料の分割支払についても認められず、その他保険会社に指摘すべき特段の個別事情も見出せないことから、和解による解決の見込みがないと判断して、手続を終了した。

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