(TEL.03-6383-3746)
2020年11月10日
各 位
会 社 名 株式会社カイオム・バイオサイエンス代表者名 代 表 取 締 役 社 長 xx x
(コード:4583 東証マザーズ)問合せ先 取締役経営企画xx xxx 在彦
(TEL.00-0000-0000)
ADC Therapeutics 社とのライセンス契約に関する変更契約締結のお知らせ
当社と ADC Therapeutics 社(本社、イパリンジェス、スイス、以下、ADCT 社)は、抗 DLK-1 抗体に関するライセンス契約(2017 年 9 月 27 日付公表の「がん治療用抗体 LIV-1205 に関するライセンス契約締結のお知らせ」、以下、原契約)について、当社が ADCT 社に許諾する権利の範囲を変更することに合意し、変更契約を締結しましたのでお知らせします。
ADCT 社は原契約に基づき、当社が開発した DLK-1 を治療標的とした LIV-1205 に低分子薬剤ピロロベンゾジアゼピン(Pyrrolobenzodiazepine、以下、PBD)を結合させた抗体薬物複合体(Antibody-Drug-
Conjugate、以下 ADC)を ADCT-701 として、現在、米国での臨床試験に向けた開発を進めています。原契約において、当社は ADCT 社に、LIV-1205 を含む抗 DLK-1 抗体の ADC 開発用途に限定した全世界
での独占的なサブライセンス権付の開発、製造および販売権を許諾しましたが、今回の変更契約においては ADCT 社の権利を PBD による ADC 開発用途のみに限定しました。これは、PBD 以外の ADC 開発の権利を当社が保有することによって、DLK-1 を標的とする医薬品開発を当社が多角的かつ戦略的に進められるようにすることを目的としています。
今回の変更契約でADCT 社の権利範囲を原契約よりも限定することに伴い経済条件の見直しを行いました。想定される対価の総額は従前よりも減少しますが、既に臨床第Ⅰ相試験が始まり開発が先行している当社のCBA-1205 の権利範囲を拡大することによって早期の導出可能性や収益力の向上を図ることができるものと考えております。また、自社または導出先での CBA-1205 の ADC 開発の可能性が開けることから、新たな経済価値の創造が期待できるものと考えています。
本件による 2020 年 12 月期の通期業績への影響はありません。
以 上
<ADC について>
ADC は抗体と低分子薬剤(ペイロード)がリンカーを介して結合した構造を有する抗体薬物複合体です。悪性腫瘍や炎症性疾患等の標的となるタンパク質(抗原)に特異的に結合する抗体に抗がん剤等の薬物(ペイロード)を結合させることにより、薬剤を病変部位に選択的に到達させ、細胞内に放出させることで、がん細胞等を死滅させることができます。標的選択性と薬効の高さから、抗体医薬と低分子医薬の良いところを併せ持つ次世代医薬として注目を集めています。ペイロードとなる薬剤や薬剤と抗体をつなぐリンカーは様々な種類と組み合わせがあります。
<ADC Therapeutics 社について>
ADCT 社はスイスのローザンヌ地方に本社を置く ADC 開発のリーダーで、ピロロベンゾジアゼピン (PBD)二量体とモノクローナル抗体を結合させる ADC 技術を用いて、固形がんおよび血液がんの両方を対象とした独自のがん治療薬を開発しています。現在は、欧米において複数の臨床試験を実施しています。当社の抗体を用いて開発されたパイプライン ADCT-701 は、アンメットメディカルニーズの高い神経芽細胞腫、肝細胞がん、小細胞肺がん等の進行固形がんの治療薬として臨床試験に向けた開発が進められています。
ADC Therapeutics 社に関する詳細情報は、ウェブサイトをご覧下さい。
xxxxx://xxxxxxxxxxxxxxx.xxx/
<LIV-1205 について>
LIV-1205 は当社が開発している CBA-1205 の元抗体であり、肝臓がんを中心とする固形がんの細胞表面に発現している抗原(標的分子)「DLK-1(Deltalike 1 homolog)」に結合し、がんの増殖活性を阻害するヒト化モノクローナル抗体です。DLK-1 は、幹細胞や前駆細胞といった未熟な細胞の増殖、分化を制御すると考えられており、肝臓がんの細胞表面に発現し、その増殖に関与していることが発見された、新しいがん治療の標的になりうる可能性がある分子です。
<CBA-1205 について>
CBA-1205 は、糖鎖改変技術によって LIV-1205 の抗体依存性細胞傷害活性を増強させた抗体で、 DLK-1 を発現するがん細胞に対して強力な抗腫瘍活性を示します。現在、CBA-1205 の臨床第Ⅰ相試験が国立研究開発法人国立がん研究センター中央病院および東病院の2施設で実施されています。これまでに DLK-1 を標的とする治療薬および臨床開発に進んでいる治療薬候補は他になく、当社が実施している試験は、DLK-1 を標的とした世界で初めての治験です。