Contract
平成21年12月15日号
第575号
xxのミニかわら版
(この資料は全部お読みいただいても60秒です)
契約書は作るべきだが、なくても効果はある
契約書がなくてトラブル発生という話をよく聞きます。弁護士さんに聞けばいいのですが、要約してみました。
①契約書を交わしていないのに契約が成立?
取引で、契約書は非常に重要です。しかし、日本の法律では、一部の契約を除いて、契約の成立に書面は必要とされていません。口頭でも有効です。
また、表題が「合意書」「覚書」となっていても、原則として契約書と同様の法的拘束力があります。
②契約を締結していないのに損害賠償?
交渉の過程で、両者の条件がおおむね合致して契約締結のための準備に入ったような段階で、どちらかが一方的に契約締結を拒んだような場合、相手に対して損害賠償責任を負うこともあります。
③契約書はなぜ必要?
契約書の最大のメリットは、訴訟やトラブルになった場合に証拠としての価値が高いことです。裁判でもきちんと契約書に書かれていれば有利です。
④一方的に契約の解除をできる場合
逆に、クーリング・オフといって、訪問販売等の場合、消費者が契約をしてしまったとしても、一定の期間内であれば書面によって契約の解除をすることができます。消費者は損害賠償金を払う必要はありません。(注 1)
(注 1)事業者にとって大変厳しい規定なので、できる期間は限られています。
①訪問販売、電話勧誘販売 : 法定書面を受領した日を含めて8日間
②特定継続的役務提供 : 法定書面を受領した日を含めて8日間
③連鎖販売取引(マルチ) : 法定書面を受領した日(商品の再販売がある場合で最初
の商品の引き渡しを受けた日が書面より後の場合はその日)を含めて 20 日間
④業務提携誘引販売取引 : 法定書面を受領した日を含めて 20 日間
⑤通信販売 : 法律上のクーリング・オフはない。