Contract
印刷製本請負契約約款
(総則)
第1条 発注者及び請負者は、この約款(契約書を含む。以下同じ。)に基づき、仕様書に従い、日本国の法令を遵守し、この契約(この約款及び仕様書を内容とする契約をいう。以下同じ。)を履行しなければならない。
2 請負者は、この契約の履行を契約書記載の履行期限内に完了し、契約の目的物(以下「成果物」という。)を発注者に引き渡すものとし、発注者は、その契約代金を支払うものとする。
3 この契約の履行を完了するために必要な一切の手段(「履行方法」という。以下同じ。)については、この約款及び仕様書に特別の定めがある場合を除き、請負者がその責任において定める。
4 この約款に定める催告、請求、通知、報告、申出、承諾及び解除は、書面により行わなければならない。
5 この契約の履行に関して発注者請負者間で用いる言語は、日本語とする。
6 この約款に定める金銭の支払に用いる通貨は、日本円とする。
7 この契約の履行に関して発注者請負者間で用いる計量単位は、仕様書に特別の定めがある場合を除き、計量法
(平成4年法律第51 号)に定めるものとする。
8 この約款及び仕様書における期間の定めについては、民法(明治29 年法律第89 号)及び商法(明治32 年法律第48 号)の定めるところによるものとする。
9 この契約は、日本国の法令に準拠するものとする。
10 この契約に係る訴訟については、発注者の事務所の所在地を管轄する日本国の裁判所をもって合意による専属的管轄裁判所とする。
11 この契約の履行に係る経費は、仕様書に特別の定めがある場合を除き、すべて請負者の負担とする。
(秘密の保持等)
第2条 請負者は、この契約の履行に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。この契約の終了後も同様とする。
2 請負者は、発注者の承諾なく、この契約の履行を行う上で得られた成果物及び仕様書等(業務を行う上で得られた記録(個人情報に関するものを含む。)等を含む。)を複写し、複製し、又は譲渡してはならない。
(個人情報の保護に関する措置)
第2条の2 請負者は、個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号)その他の個人情報の保護に関する規程を遵守しなければならない。
2 請負者は、業務上個人情報の取扱いを伴う場合、当該業務の履行に当たり、前項の規程及び仕様書等の規定により、個人情報の保護のために必要な措置を講じなければならない。
3 請負者は、個人情報の漏えい、滅失及び毀損等の事故が生じたときは、発注者に対して直ちに連絡するとともに、遅滞なくその事故の状況等を詳細に記載した書面をもって発注者に報告し、発注者の指示に従い、必要な措置を講じなければならない。
4 発注者は、個人情報の管理状況について、随時立入検査又は調査をし、請負者に対して必要な報告を求め、又は業務の処理について指示を与えることができる。
5 請負者は、業務完了時又は発注者が請求したときは、発注者の定めるところにより、その保有する個人情報を速やかに発注者に返却し、又は消去しなければならない。
6 請負者は、故意に、又は前各項の規定に違反して、個人情報の紛失、漏えい、改ざんその他の不適切な取扱いをし、発注者に損害を与えたときは、発注者に対し、その損害を賠償しなければならない。
(契約の保証)
第3条 発注者が求めたときは、請負者は、この契約の締結と同時に、次の各号の一に掲げる保証を付さなければならない。
(1) 契約保証金の納付
(2) 契約保証金に代わる担保となる有価証券等の提供
(3) この契約による債務の不履行により生ずる損害金の支払を保証する銀行又は発注者が確実と認める金融機関若しくは保証事業会社等の保証
(4) この契約による債務の不履行により生ずる損害をてん補する履行保証保険契約の締結
2 前項の保証に係る契約保証金の額、保証金額又は保険金額(第5項において「保証の額」という。)は、契約金額の10 分の1以上としなければならない。
3 請負者が第1項第3号又は第4号に掲げる保証を付す場合は、当該保証は第42条第3項各号に規定する者による契約の解除の場合についても保証するものでなければならない。
4 第1項の規定により、請負者が同項第2号又は第3号に掲げる保証を付したときは、当該保証は契約保証金に代わる担保の提供として行われたものとし、同項第4号に掲げる保証を付したときは、契約保証金の納付を免除する。
5 契約金額の変更があった場合には、保証の額が変更後の契約金額の10 分の1に達するまで、発注者は、保証の額の増額を請求することができ、請負者は、保証の額の減額を請求することができる。
(権利義務の譲渡等)
第4条 請負者は、この契約により生ずる権利又は義務を第三者に譲渡し、又は承継させてはならない。ただし、あらかじめ、発注者の承諾を得た場合は、この限りでない。
2 請負者は、成果物(未完成の成果物及びこの契約の履行を行う上で得られた記録等を含む。)を第三者に譲渡し、貸与し、又は質権その他の担保の目的に供してはならない。ただし、あらかじめ、発注者の承諾を得た場合は、この限りでない。
(著作権の譲渡等)
第4条の2 請負者は、成果物(第29 条に規定する指定部分に係る成果物を含む。以下本条において同じ。)が著作権法(昭和45 年法律第48 号)第2条第1項第1号に規定する著作物(以下「著作物」という。)に該当する場合には、当該著作物に係る請負者の著作権(著作権法第21 条から第28 条までに規定する権利をいう。)を当該著作物の引渡し時に発注者に無償で譲渡するものとする。
2 発注者は、成果物が著作物に該当するとしないとにかかわらず、当該成果物の内容を請負者の承諾なく自由に公表することができる。
3 発注者は、成果物が著作物に該当する場合には、請負者が承諾したときに限り、既に請負者が当該著作物に表示した氏名を変更することができる。
4 請負者は、成果物が著作物に該当する場合において、発注者が当該著作物の利用目的の実現のためにその内容を改変するときは、その改変に同意する。また、発注者は、成果物が著作物に該当しない場合には、当該成果物の内容を請負者の承諾なく自由に改変することができる。
5 請負者は、成果物(この契約の履行を行う上で得られた記録等を含む。)が著作物に該当するとしないとにかかわらず、発注者が承諾した場合には、当該成果物を使用又は複製し、また、第2条第2項の規定にかかわらず当該成果物の内容を公表することができる。
6 発注者は、請負者が成果物の作成に当たって開発したプログラム(著作権法第10 条第1項第9号に規定するプログラムの著作物をいう。)及びデータベース(著作権法第12 条の2に規定するデータベースの著作物をい う。)について、請負者が承諾した場合には、別に定めるところにより、当該プログラム及びデータベースを利用することができる。
(一括委任又は一括下請負の禁止)
第5条 請負者は、この契約の履行の全部又は主要な部分を一括して第三者に委任し、又は請け負わせてはならない。ただし、あらかじめ発注者の承諾を得た場合は、この限りでない。
(特許権等の使用)
第6条 請負者は、特許権、実用新案権、意匠権、商標権その他日本国の法令に基づき保護される第三者の権利
(以下「特許権等」という。)の対象となっている履行方法を使用するときは、その使用に関する一切の責任を負わなければならない。ただし、発注者がその履行方法を指定した場合において、仕様書に特許権等の対象である旨の明示がなく、かつ、請負者がその存在を知らなかったときは、発注者は、請負者がその使用に関して要した費用を負担しなければならない。
(監督員)
第7条 発注者は、監督員を置いたときは、その氏名を請負者に通知しなければならない。監督員を変更したときも、同様とする。
2 監督員は、この約款の他の条項に定めるもの及びこの約款に基づく発注者の権限とされる事項のうち発注者が必要と認めて監督員に委任したもののほか、次に掲げる権限を有する。
(1) 発注者の意図する成果物を完成させるための請負者又は第8条に定める請負者の業務責任者に対するこの契約の履行に関する指示
(2) この約款及び仕様書の記載内容に関する請負者の確認の申出又は質問に対する承諾又は回答
(3) この契約の履行に関する請負者又は請負者の業務責任者との協議
(4) この契約の履行の進捗の確認、仕様書の記載内容と履行内容との照合その他契約の履行状況の調査
3 発注者は、2名以上の監督員を置き、前項の権限を分担させたときにあってはそれぞれの監督員の有する権限の内容を、監督員にこの約款に基づく発注者の権限の一部を委任したときにあっては当該委任した権限の内容を、請負者に通知しなければならない。
4 第2項の規定に基づく監督員の指示又は承諾は、原則として、書面により行わなければならない。
5 この約款に定める書面の提出は、契約代金に係る請求書、請求代金代理受領承諾書、遅延利息請求書、監督員に関する措置請求に係る書類及び別に仕様書に定めるものを除き、監督員を経由して行うものとする。この場合においては、監督員に到達した日をもって発注者に到達したものとみなす。
(業務責任者)
第8条 請負者は、この契約の履行上の管理を行う業務責任者を定め、その氏名その他必要な事項を発注者に通知しなければならない。業務責任者を変更したときも、同様とする。
2 業務責任者は、この契約の履行に関し、この契約の履行の管理及び統轄を行うほか、契約金額の変更、履行期限の変更、契約金額の請求及び受領、第10 条第1項の請求の受理、同条第2項の決定及び通知、同条第3項の請求、同条第4項の通知の受理並びにこの契約の解除に係る権限を除き、この契約に基づく請負者の一切の権限を行使することができる。
3 請負者は、前項の規定にかかわらず、自己の有する権限のうち業務責任者に委任せず自ら行使しようとするものがあるときは、あらかじめ、当該権限の内容を発注者に通知しなければならない。
(履行報告)
第9条 請負者は、仕様書に定めるところにより、契約の履行について発注者に報告しなければならない。
(業務責任者等に対する措置請求)
第10条 発注者は、業務責任者又は請負者の使用人若しくは第5条の規定により請負者からこの契約の履行を委 任され、若しくは請け負った者がその契約の履行の実施につき著しく不適当と認められるときは、請負者に対して、その理由を明示して、必要な措置をとるべきことを請求することができる。
2 請負者は、前項の規定による請求があったときは、速やかに当該請求に係る事項について決定し、その結果を発注者に通知しなければならない。
3 請負者は、監督員がその職務の執行につき著しく不適当と認められるときは、発注者に対して、その理由を明
示して、必要な措置をとるべきことを請求することができる。
4 発注者は、前項の規定による請求があったときは、速やかに当該請求に係る事項について決定し、その結果を請負者に通知しなければならない。
(貸与品等)
第11条 発注者が請負者に貸与し、又は支給するこの契約の履行に必要な物品等(以下「貸与品等」という。)の品名、数量、品質、規格又は性能、引渡場所及び引渡時期は、仕様書に定めるところによる。
2 請負者は、貸与品等の引渡しを受けたときは、遅滞なく発注者に受領書又は借用書を提出しなければならない。
3 請負者は貸与品等を善良な管理者の注意をもって管理しなければならない。
4 請負者は、仕様書に定めるところにより、この契約の履行の完了、仕様書の変更等によって不用となった貸与品等を発注者に返還しなければならない。
5 請負者は、故意又は過失により貸与品等が滅失若しくはき損し、又はその返還が不可能となったときは、発注者の指定した期間内に代品を納め、若しくは原状に復して返還し、又は返還に代えて損害を賠償しなければならない。
(仕様書と契約の履行内容が一致しない場合の修補義務)
第12条 請負者は、この契約の履行内容が仕様書又は発注者の指示若しくは発注者請負者協議の内容に適合しな い場合において、監督員がその修補を請求したときは、当該請求に従わなければならない。この場合において、当該不適合が発注者の指示によるときその他発注者の責に帰すべき事由によるときは、発注者は、必要があると認められるときは履行期限若しくは契約金額を変更し、又は請負者に損害を及ぼしたときは必要な費用を負担しなければならない。
(条件変更等)
第13条 請負者は、この契約の履行に当たり、次の各号の一に該当する事実を発見したときは、その旨を直ちに監督員に通知し、その確認を請求しなければならない。
(1) 仕様書に誤謬又は脱漏があること
(2) 仕様書の表示が明確でないこと
(3) 履行上の制約等仕様書に示された自然的又は人為的な履行条件が実際と相違すること
(4) 仕様書に明示されていない履行条件について予期することのできない特別の状態が生じたこと
2 監督員は、前項の規定による確認を請求されたとき又は自ら前項各号に掲げる事実を発見したときは、請負者の立会いの上、直ちに調査を行わなければならない。ただし、請負者が立会いに応じない場合には、請負者の立会いを得ずに行うことができる。
3 発注者は、調査の結果(これに対してとるべき措置を指示する必要があるときは、当該指示を含む。)をとりまとめ、調査の終了後速やかに、その結果を請負者に通知しなければならない。
4 前項の調査の結果において第1項の事実が確認された場合において、必要があると認められるときは、発注者は、仕様書の訂正又は変更を行わなければならない。
5 前項の規定により仕様書の訂正又は変更が行われた場合において、発注者は、必要があると認められるときは履行期限若しくは契約金額を変更し、又は請負者に損害を及ぼしたときは必要な費用を負担しなければならない。
(仕様書の変更)
第14条 発注者は、必要があると認めるときは、仕様書の変更内容を請負者に通知して、仕様書を変更すること ができる。この場合において、発注者は、必要があると認められるときは履行期限若しくは契約金額を変更し、又は請負者に損害を及ぼしたときは必要な費用を負担しなければならない。
(契約の履行の中止)
第15条 発注者は、必要があると認めるときは、この契約の履行の中止内容を請負者に通知して、この契約の履行の全部又は一部の履行を一時中止させることができる。
2 発注者は、前項の規定によりこの契約の履行を一時中止させた場合において、必要があると認められるときは履行期限若しくは契約金額を変更し、又は請負者がこの契約の履行の続行に備えこの契約の履行の一時中止に伴う増加費用を必要とし若しくは請負者に損害を及ぼしたときは必要な費用を負担しなければならない。
(請負者の請求による履行期限の延長)
第16条 請負者は、その責に帰すことができない事由により、履行期限までにこの契約の履行を完了することが できないことが明らかになったときは、その事由を明示して、発注者に履行期限の延長変更を請求することができる。
(発注者の請求による履行期限の短縮等)
第17条 発注者は、特別の理由により履行期限を短縮する必要があるときは、履行期限の短縮変更を請負者に請求することができる。
2 発注者は、前項の場合において、必要があると認められるときは契約金額を変更し、又は請負者に損害を及ぼしたときは必要な費用を負担しなければならない。
(履行期限の変更方法)
第18条 履行期限の変更については、発注者請負者協議して定める。ただし、協議が整わない場合には、発注者が定め、請負者に通知する。
(契約金額の変更方法等)
第19条 契約金額の変更については、発注者請負者協議して定める。ただし、協議が整わない場合には、発注者が定め、請負者に通知する。
2 この約款の規定により、請負者が増加費用を必要とした場合又は損害を受けた場合に発注者が負担する必要な費用の額については、発注者請負者協議して定める。
(経済変動に基づく契約内容の変更)
第20条 履行期限内に、日本国内での経済情勢の激変により契約内容が著しく不適当と認められるに至ったときは、その実情に応じ、発注者請負者協議の上、契約金額又はこの契約の履行内容を変更することができる。
(臨機の措置)
第21条 請負者は、災害防止又は盗難防止等(以下「災害防止」という。)のため特に必要があると認めるとき は、臨機の措置をとらなければならない。この場合において、請負者は、あらかじめ発注者又は監督員の意見を聴かなければならない。ただし、緊急やむを得ない事情があるときは、この限りでない。
2 前項の場合においては、請負者は、そのとった措置の内容を発注者又は監督員に直ちに通知しなければならない。ただし、緊急やむを得ない事情があるときは、請負者は、ただちに口頭にて報告し、後日通知することができる。
3 発注者又は監督員は、災害防止その他この契約の履行上、特に必要があると認めるときは、請負者に対して臨機の措置をとることを請求することができる。
4 請負者が第1項又は前項の規定により臨機の措置をとった場合において、当該措置に要した費用のうち、請負者が契約金額の範囲内において負担することが適当でないと認められる部分については、発注者が負担する。
(一般的損害)
第22条 成果物の引渡し前に、成果物に生じた損害その他この契約の履行を行うにつき生じた損害(次条第1項若しくは第2項に規定する損害を除く。)については、請負者がその費用を負担する。ただし、その損害(仕様書に定めるところにより付された保険によりてん補された部分を除く。)のうち発注者の責に帰すべき事由により生じたものについては、発注者が負担する。
(第三者に及ぼした損害)
第23条 この契約の履行を行うにつき第三者に及ぼした損害について、当該第三者に対して損害の賠償を行わなければならないときは、請負者がその賠償額を負担する。
2 前項の規定にかかわらず、同項の規定する賠償額(仕様書に定めるところにより付された保険によりてん補された部分を除く。)のうち、発注者の指示、貸与品等の性状その他発注者の責に帰すべき事由により生じたものについては、発注者がその賠償額を負担する。ただし、請負者が、発注者の指示又は貸与品等が不適当であること等発注者の責に帰すべき事由があることを知りながらこれを通知しなかったときは、この限りでない。
3 前2項の場合その他この契約の履行を行うにつき第三者との間に紛争を生じた場合においては、発注者請負者協力してその処理解決に当たるものとする。
(契約金額の変更に代える仕様書の変更)
第24条 発注者は、第6条、第12 条から第15 条まで、第17 条、第20 条から第22 条まで又は第27 条の規定に より契約金額を増額すべき場合又は費用を負担すべき場合において、特別の理由があるときは、契約金額の増額又は負担額の全部又は一部に代えて仕様書を変更することができる。この場合において、仕様書の変更内容は、発注者請負者協議して定める。ただし、協議が整わない場合には、発注者が定め、請負者に通知する。
(検査及び引渡し)
第25条 請負者は、この契約の履行が完了したときは、直ちに発注者に対して、検査の請求をしなければならない。
2 発注者は、前項の検査を請求されたときは、請求を受けた日から10 日以内に、検査を完了しなければならない。
3 検査に要する費用は、すべて請負者の負担とする。
4 第2項の完了検査に合格したときをもって、成果物の引渡しを完了したものとする。この場合において、成果物が請負者の所有に属するときは、その所有権は、引渡しにより発注者に移転する。
5 請負者は、第2項の検査に合格しない場合において、発注者が期限を指定して修補を請求したときは、直ちにこれを完了しなければならない。この場合において、修補が完了したときは、第2項及び前項の規定を準用する。
(契約代金の支払)
第26条 請負者は、前条第2項の検査に合格したときは、契約代金の支払を請求することができる。
2 発注者は、前項の規定による請求があったときは、請求を受けた日から30 日以内に契約代金を支払わなければならない。
3 発注者がその責に帰すべき事由により前条第2項の期間内に検査をしないときは、その期限を経過した日から検査をした日までの期間の日数は、前項の期間(以下「約定期間」という。)の日数から差し引くものとする。この場合において、その遅延日数が約定期間の日数を超えるときは、約定期間は、遅延日数が約定期間の日数を超えた日において満了したものとみなす。
(引渡し前における成果物の使用)
第27条 発注者は、第25 条第4項の規定による引渡し前においても、成果物の全部又は一部を請負者の承諾を得て使用することができる。
2 前項の場合において、発注者は、その使用部分を善良な管理者の注意をもって使用しなければならない。
3 発注者は、第1項の規定により成果物の全部又は一部を使用したことによって請負者に損害を及ぼしたときは、必要な費用を負担しなければならない。
(部分払)
第28条 請負者は、この契約の履行の完了前に、仕様書で部分払の支払いを約した場合においては、履行部分に
相応する契約金額相当額の10 分の9以内の額について、次項以下に定めるところにより部分払を請求することができる。ただし、当該履行部分を他の部分から切り離して引き渡しを受けることができる場合にあっては、仕様書に別に定める額を請求することができる。
2 請負者は、部分払を請求しようとするときは、あらかじめ、当該請求に係る履行部分の検査を発注者に請求しなければならない。
3 発注者は、前項の場合において、当該請求を受けた日から10 日以内に、前項の検査を完了しなければならない。
4 前項の場合において、検査に直接要する費用は、請負者の負担とする。
5 請負者は、第3項の検査に合格したときは、部分払を請求することができる。この場合においては、発注者は、当該請求を受けた日から30 日以内に部分払金を支払わなければならない。
6 部分払金の額は、仕様書に別に定めた場合を除き、次の式により算定する。この場合において第1項の契約金額相当額は、発注者が定める。部分払金の額≦第1項の契約金額相当額×(9/10-前払金額/契約金額)
7 第5項の規定により部分払金の支払があった後、再度部分払の請求をする場合においては、第1項及び第6項中の「契約金額相当額」とあるのは「契約金額相当額から既に部分払の対象となった契約金額相当額を控除した額」とするものとする。
8 第1項の規定により支払の対象となった履行部分が請負者の所有に属するときは、その所有権は、支払により請負者から発注者に移転する。ただし、成果物全部の引渡しが完了するまでの保管は、請負者の責任とし成果物全部の引渡しまでに生じた損害については、第22 条及び第23 条の規定を準用する。
(部分引渡し)
第29条 成果物について、発注者が仕様書において、この契約の履行の完了に先だって引渡しを受けるべきことを指定した部分(以下「指定部分」という。)がある場合において、当該指定部分のこの契約の履行が完了したときは、第25 条中「この契約の履行」とあるのは、「指定部分に係るこの契約の履行」と、「成果物」とあるのは「指定部分に係る成果物」と読み替えて、この規定を準用する。
(第三者による代理受領)
第30条 請負者は、発注者の承諾を得て契約代金の全部又は一部の受領につき、第三者を代理人とすることができる。
2 発注者は、前項の規定により請負者が第三者を代理人とした場合において、請負者の提出する支払請求書に当該第三者が請負者の代理人である旨の明記がなされているときは、当該第三者に対して第26 条又は第28 条の規定に基づく支払をしなければならない。
(部分払の不払に対する契約の履行の中止)
第31条 請負者は、発注者が第28 条の規定に基づく支払を遅延し、相当の期間を定めてその支払を請求したにもかかわらず支払をしないときは、この契約の履行の全部又は一部の履行を一時中止することができる。この場合においては、請負者は、その理由を明示して、直ちにその旨を発注者に通知しなければならない。
2 発注者は、前項の規定により請負者がこの契約の履行を一時中止した場合において、必要があると認められるときは履行期限若しくは契約金額を変更し、又は請負者が増加費用を必要とし若しくは請負者に損害を及ぼしたときは必要な費用を負担しなければならない。
(契約不適合責任)
第32条 発注者は、引き渡された成果物が種類、品質又は数量に関して契約の内容に適合しないもの(以下「契約不適合」という。)であるときは、請負者に対し、その修補、代替物の引渡し又は不足分の引渡しによる履行を請求することができる。
2 前項の場合において、請負者は、発注者に不相当な負担を課するものでないときは、発注者が請求した方法と異なる方法による履行の追完をすることができる。
3 第1項の場合において、発注者が相当の期間を定めて履行の追完の催告をし、その期間内に履行の追完がないときは、発注者は、その不適合の程度に応じて代金の減額を請求することができる。ただし、次の各号のいずれかに該当する場合は、催告をすることなく、直ちに代金の減額を請求することができる。
(1) 履行の追完が不能であるとき。
(2) 請負者が履行の追完を拒絶する意思を明確に表示したとき。
(3) この契約の業務の性質や当事者の意思表示により、特定の日時又は一定の期間内に履行しなければ契約をした目的を達することができない場合において、請負者が履行の追完をしないでその時期を経過したとき。
(4) 前3号に掲げる場合のほか、発注者がこの項の規定による催告をしても履行の追完を受ける見込みがないことが明らかであるとき。
(発注者の催告による解除権)
第33条 発注者は、請負者が次の各号のいずれかに該当するときは相当の期間を定めてその履行の催告をし、その期間内に履行がないときはこの契約を解除することができる。ただし、その期間を経過した時における債務の不履行がこの契約及び取引上の社会通念に照らして軽微であるときは、この限りでない。
(1) 履行期限内に業務が完了しないとき又は履行期限経過後相当の期間内に業務を完了する見込みがないと認められるとき。
(2) 正当な理由なく、発注者の監督又は検査の実施に当たり指示に従わないとき又はその職務の執行を妨害したとき。
(3) 正当な理由なく、第32条第1項の履行の追完がなされないとき。
(4) 前各号に掲げる場合のほか、この契約に違反したとき。
(発注者の催告によらない解除権)
第34条 発注者は、請負者が次の各号のいずれかに該当するときは、直ちにこの契約を解除することができる。
(1) 第4条の規定に違反して契約代金債権を譲渡したとき。
(2) 業務を完了することができないことが明らかであるとき。
(3) 請負者がこの契約の業務の履行を拒絶する意思を明確に表示したとき。
(4) 請負者の債務の一部の履行が不能である場合又は請負者がその債務の一部の履行を拒絶する意思を明確に表示した場合において、残存する部分のみでは契約をした目的を達することができないとき。
(5) この契約の業務の性質や当事者の意思表示により、特定の日時又は一定の期間内に履行しなければ契約をした目的を達することができない場合において、請負者が履行をしないでその時期を経過したとき。
(6) 前各号に掲げる場合のほか、請負者がその債務の履行をせず、発注者が前条の催告をしても契約をした目的を達するのに足りる履行がされる見込みがないことが明らかであるとき。
(7) 暴力団(暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成3年法律第77号)第2条第2号に規定する暴力団をいう。以下本条において同じ。)又は暴力団員(同法第2条第6号に規定する暴力団員をいう。以下本条において同じ。)が経営に実質的に関与していると認められる者に契約代金債権を譲渡したとき。
(8) 第38条又は第39条の規定によらないで、この契約の解除を申し出たとき。
(9) 地方自治法施行令(昭和22年政令第16号)第167条の4第1項の規定に該当すると判明したとき。
(10) 請負者(請負者が共同企業体であるときは、その構成員のいずれかの者。以下この号において同じ。)が次のいずれかに該当するとき。
イ 役員等(請負者が個人である場合にはその者を、請負者が法人である場合にはその役員又はその支店若しくは常時売買契約を締結する事務所の代表者をいう。以下この号において同じ。)が暴力団員であると認められるとき。
ロ 暴力団又は暴力団員が経営に実質的に関与していると認められるとき。
ハ 役員等が、自己、自社若しくは第三者の不正な利益を図る目的又は第三者に損害を加える目的をもって、暴力団又は暴力団員を利用するなどしたと認められるとき。
ニ 役員等が、暴力団又は暴力団員に対して資金等を供給し、又は便宜を供与するなど直接的あるいは積極的に暴力団の維持、運営に協力し、若しくは関与していると認められるとき。
ホ 役員等が、暴力団又は暴力団員と社会的に非難されるべき関係を有していると認められるとき。
ヘ 再委託契約その他の契約にあたり、その相手方がイからホまでのいずれかに該当することを知りながら、当該者と契約を締結したと認められるとき。
ト 請負者が、イからホまでのいずれかに該当する者を再委託契約その他の契約の相手方としていた場合(ヘに該当する場合を除く。)に、発注者が請負者に対して当該契約の解除を求め、請負者がこれに従わなかったとき。
(発注者の責めに帰すべき事由による場合の解除の制限)
第35条 第33条各号又は前条各号に定める場合が発注者の責めに帰すべき事由によるものであるときは、発注者は、前2条の規定による契約の解除をすることができない。
(談合その他の不正行為に係る発注者の解除権)
第36条 発注者は、請負者がこの契約に関して、次の各号のいずれかに該当したときは、催告をすることなく、契約を解除することができる。
(1) 公正取引委員会が、請負者に違反行為があったとして私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和22年法律第54号。以下「独占禁止法」という。)第49条の規定により、排除措置命令を行い、当該排除措置命令が確定したとき(同法第77条に規定する抗告訴訟が提起されたときを除く。)。
(2) 公正取引委員会が、請負者に違反行為があったとして独占禁止法第62条第1項の規定により、課徴金の納付命令を行い、当該納付命令が確定したとき(同法77条に規定する抗告訴訟が提起されたときを除く。)。
(3) 請負者が、独占禁止法第77条に規定する抗告訴訟を提起し、その訴訟について請求棄却又は訴え却下の判決が確定したとき。
(4) 請負者(法人の場合にあっては、その役員又は使用人を含む。)に対する刑法(明治40年法律第45号)第96条の6若しくは第198条又は独占禁止法第89条第1項若しくは第95条第1項第1号の規定による刑が確定したとき。
(発注者の任意解除)
第37条 発注者は、この契約の履行が完了するまでの間は、第33条、第34条又は第36条の規定によるほか、必要があるときは、この契約を解除することができる。
2 発注者は、前項の規定により契約を解除したことにより請負者に損害を及ぼしたときは、その損害を賠償しなければならない。
(請負者の催告による解除権)
第38条 請負者は、発注者がこの契約に違反したときは、相当の期間を定めてその履行の催告をし、その期間内に履行がないときは、この契約を解除することができる。ただし、その期間を経過した時における債務の不履行がこの契約及び取引上の社会通念に照らして軽微であるときは、この限りでない。
(請負者の催告によらない解除権)
第39条 請負者は、次の各号のいずれかに該当するときは、直ちにこの契約を解除することができる。
(1) 第14条の規定により、発注者が契約内容を変更したため、契約金額が3分の2以上減少したとき。
(2) 第15条の規定によるこの契約の履行の中止期間が契約期間の10分の5(契約期間の10分の5が6月を超えるときは、6月)を超えたとき。ただし、中止がこの契約の履行の一部のみの場合は、その一部を除いた他の部分のこの契約の履行が完了した後3月を経過しても、なおその中止が解除されないとき。
(請負者の責めに帰すべき事由による場合の解除の制限)
第40条 第38条又は前条各号に定める場合が請負者の責めに帰すべき事由によるものであるときは、請負者は、前
2条の規定による契約の解除をすることができない。
(解除に伴う措置)
第41条 発注者は、契約が解除された場合においては、検査に合格した履行部分があるときは、発注者は当該履行部分に相応する契約代金を請負者に支払わなければならない。
2 請負者は、契約が解除された場合において、貸与品等があるときは、当該貸与品等を発注者に返還しなければならない。この場合において、当該貸与品等が請負者の故意又は過失により滅失又はき損したときは、代品を納め、若しくは原状に復して返還し、又は返還に代えてその損害を賠償しなければならない。
3 前項前段に規定する請負者のとるべき措置の期限、方法等については、契約の解除が第33条、第34条、第36条又は次条第3項の規定によるときは発注者が定め、第37条、第38条又は第39条の規定によるときは、請負者が発注者の意見を聴いて定めるものとし、前項後段に規定する請負者のとるべき措置の期限、方法等については、発注者が請負者の意見を聴いて定めるものとする。
(発注者の損害賠償請求等)
第42条 発注者は、請負者が次の各号のいずれかに該当するときは、これによって生じた損害の賠償を請求することができる。
(1) 履行期限内に業務を完了することができないとき。 (2) 契約の履行の目的物に契約不適合があるとき。
(3) 第33条、第34条又は第36条の規定により、業務の完了後にこの契約が解除されたとき。
(4) 前3号に掲げる場合のほか、債務の本旨に従った履行をしないとき又は債務の履行が不能であるとき。
2 次の各号のいずれかに該当するときは、前項の損害賠償に代えて、請負者は、契約金額の10分の1に相当する額を違約金として発注者の指定する期間内に支払わなければならない。
(1) 第33条、第34条又は第36条の規定により業務の完了前にこの契約が解除されたとき。
(2) 業務の完了前に、請負者がその債務の履行を拒否し、又は請負者の責めに帰すべき事由によって請負者の債務について履行不能となったとき。
3 次の各号に掲げる者がこの契約を解除した場合は、前項第2号に該当する場合とみなす。
(1) 請負者について破産手続開始の決定があった場合において、破産法(平成16年法律第75号)の規定により選任された破産管財人
(2) 請負者について更生手続開始の決定があった場合において、会社更生法(平成14年法律第154号)の規定により選任された管財人
(3) 請負者について再生手続開始の決定があった場合において、民事再生法(平成11年法律第225号)の規定により選任された再生債務者等
4 第1項各号又は第2項各号に定める場合(前項の規定により第2項第2号に該当する場合とみなされる場合を除く。)がこの契約及び取引上の社会通念に照らして請負者の責めに帰することができない事由によるものであるときは、第1項及び第2項の規定は適用しない。
5 第1項第1号に該当し、発注者が損害の賠償を請求する場合の請求額は、契約金額から、検査に合格した履行部分があるときは、これに相応する契約金額を控除した額につき、遅延日数に応じ、政府契約の支払遅延防止等に関する法律(昭和24年法律第256号)第8条第1項の規定により財務大臣が決定する率(年当りの割合は、閏
(じゅん)年の日を含む期間についても、365日の割合とする。)で計算した額(100円未満の端数があるとき又は100円未満であるときは、その端数額又はその全額を切り捨てる。)とする。
6 第2項の場合(第34条第7号及び第10号の規定により、この契約が解除された場合を除く。)において、第3条の規定により契約保証金の納付又はこれに代わる担保の提供が行われているときは、発注者は、当該契約保証金又は担保をもって第2項の違約金に充当することができる。
(請負者の損害賠償請求等)
第43条 請負者は、発注者が次の各号のいずれかに該当する場合はこれによって生じた損害の賠償を請求することができる。ただし、当該各号に定める場合がこの契約及び取引上の社会通念に照らして発注者の責めに帰することができない事由によるものであるときは、この限りでない。
(1) 第38条又は第39条の規定によりこの契約が解除されたとき。
(2) 前号に掲げる場合のほか、債務の本旨に従った履行をしないとき又は債務の履行が不能であるとき。
2 第26条又は第28条の規定による支払いが遅れた場合においては、請負者は、未受領金額につき、遅延日数に応じ、政府契約の支払遅延防止等に関する法律(昭和24年法律第256号)第8条第1項の規定により財務大臣が決定する率(年当りの割合は、閏(じゅん)年の日を含む期間についても、365日の割合とする。)で計算した額
(100円未満の端数があるとき又は100円未満であるときは、その端数額又はその全額を切り捨てる。)の遅延利息の支払いを発注者に請求することができる。
(契約不適合責任期間)
第44条 請負者が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない物品を発注者に引き渡した場合において、発注者がその不適合を知った時から1年以内にその旨を請負者に通知しないときは、発注者は、その不適合を理由として、履行の追完の請求、代金の減額の請求、損害賠償の請求又は契約の解除をすることができない。ただし、請負者が引渡しの時にその不適合を知り、又は重大な過失によって知らなかったときは、この限りでない。
2 前項の規定にかかわらず、発注者の権利の行使ができる期間について仕様書等で別段の定めをした場合は、その仕様書等の定めるところによる。
(賠償の予定)
第45条 請負者は、この契約に関して、第36条各号のいずれかに該当するときは、発注者が契約を解除するか否かを問わず、賠償金として、契約金額の10 分の1に相当する額を支払わなければならない。この契約の履行が完了した後も同様とする。ただし、次に掲げる場合は、この限りでない。
(1) 第36条第1号から第3号までのうち、違反行為が、独占禁止法第2条第9項に基づく不公正な取引方法(昭和57年6月18 日公正取引委員会告示第15 号)第6項で規定する不当廉売であるとき。
(2) 第36条第4号のうち、請負者が刑法第198 条の規定による刑が確定したとき。
(3) その他発注者が特に認めるとき。
2 前項の規定は、発注者に生じた実際の損害額が前項に規定する賠償金の額を超える場合においては、超過分につき賠償を請求することを妨げるものではない。
(相殺)
第46条 発注者は、この契約に関して、請負者に対して有する金銭債権があるときは、請負者が発注者に対して有する保証金返還請求権、契約代金請求権及びその他の債権と相殺し、不足があるときは、これを追徴する。
(補則)
第47条 この約款に定めのない事項については、必要に応じて発注者請負者協議して定める。