Contract
公共工事に係る工事請負代金債権の譲渡を活用した融資制度に関する事務取扱要領
(平成20年11月4日建管-1954)
(目的)
第1条 この要領は、xx県(以下「県」という。)が発注する建設工事を請け負う建設業者(以下「元請負人」という。)が、公共工事に係る工事請負代金債権の譲渡を活用した融資制度(地域建設業経営強化融資制度及び下請セーフティネット債務保証事業)を利用するために、中小企業等協同組合法(昭和24年法律第181号)第3条に規定する事業協同組合(事業協同組合連合会を含む。)又は一般財団法人建設業振興基金が認める一定の民間事業者(以下「組合等」という。)に対して行う債権譲渡に係る承諾の基準等について必要な事項を定めるものである。
(債権譲渡の対象工事)
第2条 債権譲渡の対象となる工事は、県が発注する工事であって、請負代金額が500万円以上のものとする。ただし、次の工事を除く。
(1) 附帯工事、受託工事等の特定の歳入財源を前提とした工事
(2) 債務負担行為及び歳出予算の繰越し等工期が複数年度にわたる工事。ただし、次の工事を除く。
ア 債務負担行為の最終年度の工事であって、かつ、年度内に終了が見込まれる工事
イ 前年度から繰り越された工事であって、かつ、年度内に終了が見込まれる工事
ウ 債務負担行為又は繰越しに係る工事であって、債権譲渡の承諾時点において、次年度に工期末を迎え、かつ残工期が1年未満であるもの
(3) 県が役務的保証を必要とする工事
(4) 低入札価格調査を経て契約を締結した工事
(5) 元請負人の施工する能力に疑義が生じている等県が債権譲渡の承諾を不適当と認める特別な事由がある工事
(譲渡債権の範囲)
第3条 譲渡される工事請負代金債権の額は、当該工事が完成した場合における契約約款(工事請負契約書に添付する契約事項をいう。以下同じ。)第31条第
2項の検査に合格し、引渡しを受けた出来形部分に相応する請負代金額から既に支払った前払金、中間前払金、部分払金及び当該工事請負契約により発生する県の請求権に基づく金額を控除した額とする。ただし、当該工事請負契約が解除された場合においては、契約約款第51条第1項の出来形部分の検査に合格し引渡しを受けた出来形部分に相応する請負代金額から既に支払った前払金、中間前払金、部分払金及び当該工事請負契約により発生する違約金等の県の請求権に基づく金額を控除した額とする。なお、控除する部分は、債権譲渡承諾書(様式第1号、様式第1号の2又は様式第1号の3)において明らかにするものとする。
2 譲渡される工事請負代金債権の額は、契約変更により請負代金額に増減が生じた場合にはその金額による。この場合において、債権譲渡契約証書(様式第2号、様式第2号の2又は様式第2号の3)に記載する請負代金額及び債権譲渡額は、変更後のものとする。
3 債権譲渡の対象工事が前条第2号ウに定める工事に該当する場合においては、債権譲渡は一括して行うこととし、年度毎の分割譲渡は認めないものとする。
(債権譲渡を承諾する時点)
第3条の2 債権譲渡の承諾は、当該工事の出来高(第2条第2号アに定める工事にあっては、最終年度の工事に係る出来高)が、全体の2分の1以上に到達したと認められる日以降に行うものとする。
2 前項の規定による承諾に当たっての当該工事の出来高の確認については、月別の工事進捗率を記した工事履行報告書(様式第3号)の受領をもって足りるものとする。
(債権譲渡の申請書類)
第4条 債権譲渡の承諾申請に当たっては、当該工事ごとに次の書類を元請負人及び組合等から共同で提出させるものとする。
(1) 債権譲渡承諾依頼書(様式第1号、様式1号の2又は様式第1号の
3) 3通
(2) 元請負人と組合等間で押印済の債権譲渡契約証書(様式第2号、様式第
2号の2又は様式2号の3)の写し 1通
(3) 工事履行報告書(様式第3号) 1通
(4) 発行日から3ヶ月以内の元請負人及び組合等の印鑑証明書 各1通
(5) 契約保証金相当額を保険又は保証によって担保されている工事で、保険又は保証契約約款等により保険会社等の承諾が義務付けられている場合にあっては、必要な承諾を受けている旨を証する書面 1通
(債権譲渡の承諾基準)
第5条 債権譲渡の承諾は、次のすべてが確認された場合に行うものとする。
(1) 債権譲渡承諾依頼書(様式第1号、様式1号の2又は様式第1号の
3)が提出されていること。
ア 定められた必要事項のすべてが記載されていること。
イ 元請負人及び組合等の住所、氏名及び印影が、工事請負契約書及び印鑑証明書と一致していること。
ウ 契約締結日、工事番号、工事名、工事場所及び工期に誤りがなく、かつ、第2条に規定する対象工事であること。
エ 請負代金額、既払金額、支払済の前払金額、中間前払金額及び部分払金額に誤りがなく、債権譲渡額(申請時時点)が、当該工事請負契約に基づき元請負人が請求できる債権金額と一致していること。
(2) 下請セーフティネット債務保証事業による場合にあっては、債権譲渡契約証書(様式第2号又は様式第2号の2)において、原則として、次の各号のいずれかの下請負人保護方策が講じられていること。
ア 元請負人が倒産により下請負人等への支払ができなくなった場合には、組合等が県から受け取る当該工事請負代金額の一定割合を限度として、組合等が元請負人に代わって下請負人等に代金を支払う旨の特約
イ 元請負人が倒産により下請負人等への支払ができなくなった場合には、組合等が県から受け取る当該工事請負代金額から元請負人への貸付金を精算の上、組合等が残余の部分を元請負人に代わって下請負人等に支払う旨の特約
ただし、組合等の事務体制にかんがみ、当分の間は、融資時に下請負
人等への支払計画等の提出を行い、かつ、組合等と元請負人との間の債権譲渡契約において、組合等が県から受け取る当該工事請負代金額から元請負人への貸付金を精算の上、元請負人の倒産による任意整理において、残余の部分を組合等が元請負人に代わって下請負人等に支払うことにつき債権者間の合意が整ったときは、当該合意に従って支払を行うこととする旨を定める方式も認めるものとする。
(3) 発行日から3ヶ月以内の印鑑証明書の原本が提出されていること。
(4) 契約保証金相当額を保険又は保証によって担保されている工事で、保 険又は保証契約約款等により承諾が義務付けられている場合にあっては、必要な承諾を受けている旨を証する書面が提出されていること。
(5) 当該請負契約が解除されていないこと又は契約約款第44条各号又は第 45条各号に該当するおそれがないこと。
(6) 工事履行報告書(様式第3号)により、当該工事の出来高が2分の1以上であることを確認できること。
(債権譲渡の承諾)
第6条 債権譲渡の承諾は、第4条に基づく債権譲渡承諾依頼書等の提出を受けた後、前条に規定する事項を確認したうえで、債権譲渡承諾書(様式第1号、様式第1号の2又は様式第1号の3)を元請負人及び組合等にそれぞれ1通を交付することにより行うものとする。
2 前項の交付は、債権譲渡承諾依頼書等の提出を受けた後、1週間以内に行うものとする。
ただし、やむを得ない事情により交付期限までに債権譲渡承諾書を交付できない場合には、その旨を速やかに元請負人及び組合等に通知するものとする。
(債権譲渡の不承諾)
第7条 債権譲渡の承諾は、第4条に規定する申請書類の提出がない場合又は第
5条に規定する事項の確認ができない場合には、行わないものとする。
2 前項の場合には、速やかに、元請負人及び組合等に承諾しない理由を付した債権譲渡不承諾通知書(様式第4号)を交付しなければならない。
(出来高確認)
第8条 債権譲渡契約の締結又は融資審査の手続において出来高確認が必要な場合は、組合等が当該出来高確認を行う。
2 前項による出来高確認を行うに当たり現地確認の必要がある場合は、組合等は県に対して工事出来高査定協力依頼書(様式第5号)を提出しなければならない。この場合において、県は工程に支障のない範囲内で工事現場への立入りを承認しなければならない。
(融資実行の報告等)
第9条 元請負人及び組合等は、県の債権譲渡の承諾を受けた後、金銭消費貸借契約を締結し当該契約に基づく融資が実行された場合には、速やかに連署にて融資実行報告書(様式第6号)を提出しなければならない。
2 地域建設業経営強化融資制度による場合において、元請負人が、当該工事に関する資金の貸付を受けるため、保証事業会社による金融保証を受けた場合には、速やかに公共工事金融保証証書の写しを提出しなければならない。
(債権譲渡先の債権金額の請求)
第9条の2 組合等は、請負人が県による検査に合格し、引渡しを行った後、確 定した債権金額の請求に当たっては、次の書類を県に提出しなければならない。
(1) 工事請負代金請求書(様式第7号) 1通
(2) 県の押印がなされた債権譲渡承諾書(様式第1号、様式第1号の2又は様式第1号の3)の写し 1通
(3) 発行日から3ヶ月以内の元請負人及び組合等の印鑑証明書 1通
(4) 債権譲渡契約証書(様式第2号、様式第2号の2又は様式第2号の
3)の写し 1通
2 本債権譲渡が行われた場合には、それ以降は元請負人及び組合等は契約約款第35条に基づく前払金及び中間前払金並びに同第37条に基づく部分払(第2条第2号ウで定める工事に係る各会計年度末における部分払を除く。)を請求することはできないものとする。なお、第2条第2号ウで定める工事のうち債務負担行為に係るものについては、契約約款第35条に基づく前払金(最終年度の前払金)についても請求することができないものとする。
附 則
この要領は、平成20年11月4日から施行する。
附 則
この要領は、平成22年12月27日から施行する。
附 則
この要領は、平成27年4月1日から施行する。
附 則
この要領は、令和2年4月1日から施行する。