Ripple Partners Takeo, NISHIWAKI
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3.契約不適合責任(瑕疵担保責任)
この民法の改正は、当事者間で別途合意をすれば
そちらが優先するものですのでV、o例l.1え1ば、買主は商品
受領後1週間以内に当該商品
2020. 5
1、債権法改正
ご存知の方の多いと思いますが、民法の「債権法」に関わる部分が大きく改正され、2020年4月1日から施行されました。「債権法」は、民法の中で、いわゆる取引に関連 する法律です。すなわち、ビジネスに最も大きく関連しま す。皆様も、法律に直接携わる部署でなくても、仕事をしていて「債権」「債務」という言葉に接したことのある方も多いのではないのでしょうか。今回の民法改正が、ビジネスに直接関わってくる部分も多いため、会社の取引に対する影響も大きく、法律の改正にあわせて対処しておかなければならないことも多くあります。
2、売買契約への影響
あまり意識されたことはないかもしれませんが、契約書 を作成するためには、法律を知っておく必要があります。法律違反になることは、契約書にいくら書いてもできないので、それは避けなければならないですし、逆に、契約書になにも書いていなければ法律に従って判断されてしまうところを、契約書に書くことによって、法律とは違う取扱いをすることが可能になることもあります。紛争が裁判なった時に、契約書はどちらの主張が正しいか判断するための重要な証拠の一つになるので、契約書は細心の注意をはらって、作成する必要があるのです。
今回は、その中でも主に、売買契約について、民法債権法の改正に際して、どのような対応をしなければならないのか、検討していきたいと思います。
なお、施行日前に締結された契約や、施行日前に生じ た債権債務については、原則として、改正前の民法が適用されます。
しかしながら、施行日前に売買取引基本契約が締結され、当該基本契約に基づいて施行日以後に個別契約が締結された場合は、売買目的物や売買代金金額が個別契約 によって確定される取引では、個別契約締結時点で契約が成立したと考えられるので、改正民法が適用されると考えられます。
リップル法律事務所 弁護士xxxx 1
しかしながら、施行日前に売買取引基本契約が締結され、当該基本契約に基づいて施行日以後に個別契約が締結された場合は、売買目的物や売買代金金額が個別契約に
よって確定される取引では、個別契約締結時点で契約が成 立したと考えられるので、改正民法が適用されると考えられます。
また、2020年4月1日前に締結された契約を、同日以降に 更新した場合、それが、自動更新であったとしても、改正後の民法が適用されると考えられます。従って、ずっと自動更新されている契約についても、2020年4月1日以降の更新時期がxxx確認をして、そのままでよいかどうか検討する必要があります。
今回の民法改正の中で、主に売買契約に関わるのは、
契約不適合責任(瑕疵担保責任)、解除、危険負担、保証、 譲渡制限特約、契約成立時期、請負や委任の中途解約時の割合的報酬などがあります。このうち、契約不適合責任と保証について、今号で取り上げさせていただきます。上記のうち、保証以外は、契約に規定されていれば原則として法律よりも契約の条項が優先されるため、すでに契約に明記されていることについては、今回の民法改正により、必ず契約の条項を見直さなければならないということはありません。
しかし、改正前の民法が適用されることを前提にしたため に、条項がなかったり、あいまいな文言だったりする場合は契約を修正する必要があります。今回の改正を機会に、特に基本契約等について内容を再確認し、改正民法が施行された後も、契約上、理解しているのと同じ効果があるか、確認することをお勧めします。
3.契約不適合責任(瑕疵担保責任)
売買の対象物に欠陥があった場合について、改正前の民法では、売買の目的物に「隠れた瑕疵」が存在する場合には、買主は売買契約の解除及び損害賠償の請求をすることができることになっていました。「瑕疵」というのは目的
物になんらかの欠陥があることですが、改正前の民法では、それが「隠れた」ものであることが必要になっていました。
「隠れた」というのは、取引上要求される一般的な注意では発見できないことを意味します。改正前の民法では、売買契約を解除したり損害賠償を請求したりするためには、買主が、当該欠陥があることを知らず、また取引上要求される一般的な注意義務を果たしていたのに当該欠陥が見つけられなかったことが必要とされていました。すぐ気が付くような瑕疵は売買契約に織り込まれているはずだから、売買契約の解除や損害賠償の理由にはならないとされていたのです。
これに対して、改正民法は、引渡された売買目的物が、
「種類、品質又は数量に関して契約の内容に適合しない」
(契約不適合)場合、買主に①解除、②損害賠償請求、③ 追完請求(修補請求、代物請求、不足分引渡請求)、④代金減額請求をする権利を認めるということになっています。すなわち、引渡されたものに欠陥があったり、足りなかったりした場合は、①契約がなかったことにして、もし支払い済みのお金は返金してもらう、②それによって被った損害を賠償してもらう、③修理か、代わりのものをもらうか、足りない分をもらう、④値引きしてもらう、のいずれかができることになりました。
買主が当該契約不適合について、一般的な注意義務を 果たしていることは必要とされていません。
なお、手続きとして、④代金減額請求権は、原則として、 まず追完催告後相当期間の経過を要するとされています。すなわち、買主は、最初から代金の減額を請求するのではなく、まずは③の修理、代替物、不足分をするよう求めた後で、それがなされない場合に限り、減額を請求できることになっています。また、売主は、買主に不相当な負担を課するのでない限り、買主の請求と異なる方法で追完することができる、つまり、修理するか、代替物を提供するか、不足分を提供するかは売主が選択できるということですのです。
なお、この民法の改正は、当事者間で別途合意をすれ
ばそちらが優先するものですので、例えば、「買主は商品受領後1週間以内に当該商品に欠陥がないかを検収するものするが、隠れた瑕疵が見つかった場合は1年以内なら修正、交換する」旨の条項が契約書に入っていれば、そのままでも有効です。
ただ、何が「瑕疵」なのか明確でならず、そこで紛争になることも少なくありません。売主は、契約通りのものを供給したのに、買主は契約を満たしていないと紛争になるのです。
リップル法律事務所 弁護士xxxx 2
この紛争を防ぐためには、契約の目的や商品の仕様について、できるだけ明記しておくことです。
この問題は、改正前の現行法の下でも同じなので、すでに、今までも可能であれば商品の仕様を明記したり、どういう場合に解除等が可能なのか、契約書にできるだけ明記されている方もいらっしゃると思います。
また、売買の対象の商品が契約不適合であった場合、どのような補償をするかについても、契約に明記しておいた方が良い場合が多いです。
解除、損害賠償請求、追完請求のどの手段をとるの かの選択権を買主に与えるのか、売主に与えるのか、又は手段や順番を契約で限定してしまうのか、契約締結段階で交渉して決めておくのです。
これも今回の民法改正がなくてもできることですし、しておいた方がよい場合が多いので、規定してある契約書も多いと思います。
4、保証
保証に関する規程は、改正民法に違反していれば、 無効になってしまう可能性がありますので、特に注意をする必要があります。
売買契約の売買代金の支払いについて、保証人をつける場合、注意をしなければならないのは、以下の点です。
(1) 保証の上限の金額を決める必要性
一定の範囲に属する不特定の債務を主たる債務と する保証(根保証)について、保証人が個人である場合は、極度額、すなわち上限の金額を書面で定める必要があることになりました。
何をいくらで買うか明記された個々の売買契約の売買代金支払いの保証であれば、特定の債務なので、この要件は問題になりません。被担保債権の金額は決まっているのが通常です。これに対して、個々の売 買については個別契約で決める売買基本契約で、その代金の支払いについて個人的に保証する場合は、極度額を定める必要がある個人の根保証に該当します。 したがって、その場合には、当該保証人がいくらまで保証するのか、規定する必要があります。
(2) 債務者の保証人に対する情報提供義務
改正民法では、事業のために負担する債務(事業性債務)の 保証・根保証を個人に委任する主債務者に、保証人に対して、
①財産及び収支の状況、
②主たる債務者以外に負担している債務の有無並びにその額 及び履行状況、
③主たる債務の担保として他に提供し、又は提供しようとする ものがあるときはその旨及び内容
の情報提供義務を負わせています。
主債務者がこの義務を履行せず、債権者が当該情報提供義務違反を知り又は知ることができたときは、保証人は保証契約を取り消すことができます。
したがって、債権者が保証人から保証契約を取り消されないためには、主債務者が保証人にこれらの情報提供をしたことを確認するのはもちろんですが、契約書に、保証人が、これらの 情報の提供を受けたことを主債務者に表明・保証等させることが考えられます。
なお、債権者は、保証人の請求に応じて主たる債務の履行状況に関する情報提供を行う義務を負い、また、個人保証人 に対しては、主債務者が期限の利益を喪失した場合、それを知った時から2ヶ月以内に通知をする義務を負います。
(3)連帯保証に関する改正
改正民法では、連帯債務に関し、履行の請求、免除、及び消滅時効の完成について、原則として連帯債務者の一人について生じた事由は他の連帯債務者に対して効力を生じないという相対効とする改正がなされました。
連帯保証についても同様の改正がなされましたので、以下のような変更が生じることになります。なお、主債務者について生じた事由は、連帯保証人に対して効力を有しますが、この点は、改正前の民法と同様です。
連帯保証についても同様の改正がなされましたので、以下の
ような変更が生じることになります。なお、主債務者について生 じた事由は、連帯保証人に対して効力を有しますが、この点は、改正前の民法と同様です。
①履行の請求(債務者に有利な変更)
履行の請求は、期限の定めのない債務を遅滞に付するための効力や、時効の中断効(完成猶予)など、債権者の権利保 全にとって必要な効力がありますが、絶対効が失われることにより、連帯保証人に対して履行の請求 をしても、主たる債務者 との関係では、当然には履行の請求の効力を生じないことになります。
リップル法律事務所 弁護士xxxx 3
但し、当事者間で は、履行の請求に絶対効をもたせるため、別途の合意をすることが可能です。
債権者としては、連帯保証人に履行の請求をすれば、そ の効果は主債務者にも効力を生ずる旨の条項をいれることが考えられます。
②免除、消滅時効の完成(債権者に有利な変更)
他方、債務免除については、連帯保証人について免除を しても、債権者はなお主たる債権者に保証債務全額の請求をすることができることとなりました。消滅時効の完成についても同様であり、連帯保証人について消滅時効が完成しても、主たる債務者は、主たる債務について消滅時効が完成しないかぎり、ただちに時効を援用することはできません。
5、最後に
法律の条項には、当事者間の合意で別に定めれば当事者間の合意が優先される条項と、当事者間で別のことを定めることできず、もし別のことを定めても、法律が優先する条項があります。契約を作成する時には、違法にならないように、法律によって当事者が理解しているのと違う結果にならないように、第三者がみたときに他の解釈をされないように、特に依頼者の希望にあっているように、また、自分の経験から後で紛争が起こらないように、いろいろな工夫をして文言を考えます。かなり創造力が試されるところもあって、弁護士をやっていて楽しい作業でもあります。
債権法改正が売買契約に与える影響について、今回はまだ途中ですので、まだ次回に続きます。ご期待ください。
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