Contract
令和2年9月24日条例第54号
(目的)
第1条 この条例は、公契約について基本的な事項を定めることにより、市及び受注者等の責務を明らかにするとともに、労働者の適正な労働環境等の確保を図り、もって公共サービスの品質の確保及び地域経済の活性化に寄与することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
(1) 公契約 次に掲げるものをいう。
ア 市が発注する工事又は製造の請負、業務委託その他の契約
イ 市と指定管理者(地方自治法(昭和22年法律第67号)第244条の2第3項に規定する指定管理者をいう。以下同じ。)が締結する公の施設の管理に関する協定
(2) 下請契約等 次に掲げる契約をいう。
ア 下請、再委託その他いかなる名称によるかを問わず、受注者(市と公契約を締結する者をいう。次号において同じ。)その他の市以外の者から公契約に係る業務の一部を請け負う契約
イ 公契約に係る業務に従事させるため、受注者等に対して労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(昭和60年法律第88号)第2条第1号に規定する労働者派遣をすることを約する契約
(3) 受注者等 受注者及び当該受注者が締結する公契約に係る下請契約等を締結する者をいう。 (4) 特定公契約 公契約のうち、その種類及び規模が規則で定める要件に該当するものをいう。 (5) 特定受注者 市と特定公契約を締結する者をいう。
(6) 特定受注者等 特定公契約に係る受注者等をいう。
(7) 労働者 次に掲げる者をいう。
ア 受注者等に雇用されて、公契約に係る業務に従事する労働者(労働基準法(昭和22年法律第 49号)第9条に規定する労働者(同居の親族のみを使用する事業又は事務所に使用される者及び家事使用人を除く。)をいう。)
イ 第2号イに掲げる契約により受注者等に派遣される者
ウ 自らが提供する労務の対価を得るため、受注者等との請負契約により公契約に係る業務に従事する者
(8) 労働環境等 労働者の賃金、労働時間その他の労働条件、安全衛生その他の労働環境をいう。
(基本方針)
第3条 公契約における基本方針は、次に掲げるとおりとする。
(1) xx性、透明性及び競争性を確保すること。 (2) 契約内容の適正な履行及び品質を確保すること。 (3) 労働者の適正な労働環境等を確保すること。 (4) 市内事業者の育成及び活用に資すること。
(市の責務)
第4条 市は、前条の基本方針にのっとり、公契約の適正化を図るための施策を総合的に推進するものとする。
2 市は、第2条第1号アに掲げる契約を締結するに当たっては、次に掲げる事項に留意しなければならない。
(1) xxな競争を促進させるとともに、契約の性質及び目的を踏まえた適正な入札及び契約の方法を選択すること。
(2) 社会経済情勢の変化、市場における取引価格等を考慮した積算に基づいた予定価格を定めるとともに、契約の規模、履行の難易、適正な労働環境等の確保等を踏まえ、適正な履行期間を設
定すること。
(3) 契約の締結後、やむを得ない事由により設計図書(仕様書、設計書及び図面をいう。)を変更する必要が生じた場合であって、これに伴い契約金額又は履行期間に変動が生じるときは、契約の相手方と契約金額又は履行期間を変更する契約を締結すること。
(4) 地域経済の健全な発展に配慮し、市内事業者の受注機会の確保に努めること。
3 市は、第2条第1号イに掲げる協定を締結するに当たっては、次に掲げる事項に留意しなければならない。
(1) 社会経済情勢の変化、市場における取引価格等を考慮した積算に基づいた指定管理料(市が支払うべき当該公の施設の管理の業務に要する費用をいう。次号において同じ。)を定めること。 (2) 協定の締結後、やむを得ない事由により当該公の施設の管理に関する事項を変更する必要が生じた場合であって、これに伴い指定管理料に変動が生じるときは、指定管理者と指定管理料を
変更する協定を締結すること。
(3) 地域経済の健全な発展に配慮し、市内事業者の参入機会の確保に努めること。
(受注者等の責務)
第5条 受注者等は、労働基準法その他の労働に関する法令(以下「労働関係法令」という。)を遵守し、労働者の適正な労働環境等を確保しなければならない。
2 受注者等は、公契約及び下請契約等を締結するに当たっては、次に掲げる事項に留意しなければならない。
(1) 適正な価格による契約を締結すること。
(2) 公契約及び下請契約等の履行において、市内事業者の積極的な活用を図ること。
(3) 下請契約等に当たっては、契約の相手方との対等な立場における合意に基づいたxxな契約を締結すること。
3 受注者等は、前条第1項の規定により市が実施する公契約の適正化を図るための施策に協力するよう努めるものとする。
(労働環境等の報告)
第6条 特定受注者等(特定受注者及び当該特定受注者と下請契約等を締結した者に限る。)は、労働者の適正な労働環境等を確保するための取組について、規則で定めるところにより、市長に報告しなければならない。
(労働者への周知)
第7条 特定受注者等は、次に掲げる事項について、業務が実施される作業所等の見やすい場所に掲示し、又は書面を交付することにより、当該特定受注者等が雇用し、又は請負契約を締結する労働者に周知しなければならない。
(1) 当該特定公契約の名称
(2) 次条の規定による申出をする場合の申出先
(3) 労働者は、次条の規定による申出を理由として、不利益な取扱いを受けないこと。
(4) その他市長が必要と認める事項
(労働者の申出)
第8条 労働者は、受注者等がこの条例又は労働関係法令に違反している疑いがあるときは、市長にその旨を申し出ることができる。
(不利益取扱いの禁止)
第9条 受注者等は、前条の規定による申出をした労働者に対し、当該申出を理由に解雇その他不利益な取扱いをしてはならない。
(報告の要求及び立入調査)
第10条 市長は、第8条の規定による申出があったとき、又は受注者等がこの条例若しくは労働関係法令に違反している疑いがあると認めるときは、当該受注者等に対し、必要な報告若しくは資料の提出を求め、又は市の職員に当該受注者等の作業所等に立ち入り、書類の閲覧その他の必要な調査をさせることができる。
(是正措置)
第11条 市長は、前条の規定による報告若しくは資料の提出又は立入調査の結果、受注者等がこの条例又は労働関係法令に違反していると認めるときは、当該受注者等に対して、当該違反を是正する
ために必要な措置を講ずることを求めるものとする。この場合において、市長は、当該受注者等について、必要に応じて関係機関に通報するものとする。
2 受注者等は、前項の規定により措置を講ずるよう求められた場合は、速やかに当該措置を講ずるとともに、市長が指定する期日までに当該措置の内容を市長に報告しなければならない。
(公契約の解除等)
第12条 市長は、受注者等が次の各号のいずれかに該当するときは、指名停止、当該公契約の解除(第
2条第1号イに掲げる協定にあっては、指定管理者の指定の取消し。次条において同じ。)その他必要な措置を行うことができる。
(1) 第10条の規定による報告若しくは資料の提出がないとき、又は同条の規定による立入調査を拒み、妨げ、若しくは忌避したとき。
(2) 前条第1項の規定による是正措置を講じないとき、又は同条第2項の規定により報告された是正措置の内容が適当でないと認められるとき。
2 前項の規定に基づいて市長が行った措置により市に損害が生じたときは、市長はその損害の賠償を当該受注者等に請求することができる。
3 前項の規定による請求があった場合は、当該受注者等は、その損害を賠償しなければならない。
(公表)
第13条 市長は、前条第1項の規定に基づく指名停止若しくは当該公契約の解除又はその他の措置のうち公表が必要と認めるものを行った場合は、規則で定めるところにより、その旨を公表するものとする。
(委任)
第14条 この条例の施行に関し必要な事項は、市長が別に定める。附 則
1 この条例は、令和3年4月1日から施行する。
2 この条例の規定は、この条例の施行の日以後に締結する公契約について適用する。