Contract
専門工事下請契約約款
第1条(総則)発注者(以下「甲」という)と受注者(以下「乙」という)とは、甲と元発注者との契約に係る工事(以下「元請契約」という)を完成するため、元請工事の一部について注文書及び注文請書に定めるもののほか、この専門工事請負契約約款(以下「約款」という)に基づき、図面、仕様書その他の図書(以下これらを「設計図書」という)及び甲の定める見積要綱に従いおのおの対等の立場に立って誠実に契約を履行する。
2注文書、注文請書、設計図書及び見積要綱に特別の定めのない事項は、すべてこの約款に定めるところによる。
第2条(請負代金内訳書及び工程表)乙は、甲の請求があったときは、設計図書に基づく請負代金内訳書、工事計画書及び工程表を作成し、契約締結後すみやかに甲に提出する。
第3条(関連工事との調整)甲は、元請工事を円滑に完成するため、この工事と施工上関連ある工事(以下「関連工事」という)との調整を図り、乙はその指示に従う。
第4条(法令等遵守の義務)甲及び乙は、施工にあたり建設業法、その他工事の施工、労働者の使用等に関する法令及びこれらの法令に基づく監督官公庁の行政指導を遵守する。
2甲は、乙に対し前項に規定する法令及びこれらの法令に基づく監督官公庁の行政指導に基づき必要な指示、指導を行い、乙はこれに従う。
3乙は工事を施工するにあたって、再下請負者(2次以下の再下請負がなされたときは、その再下請負者を含む)に法令及び行政指導並びに甲の指示、指導を遵守させなければならない。
4甲が、再下請負者に法令等違反の事実があることを認め、これを是正させるよう求めたときは、乙は直ちに再下請負者にこれを是正させなければならない。
5再下請負者が工事の施工上第三者に対して損害を与えるか、又は第三者との間に紛争が生じたときは、乙の責によりこれを解決するものとし、それに要した費用は原則として乙及び再下請負者の負担とする。
第5条(秘密の保持)甲及び乙は、本契約の履行によって知り得た元発注者及び相手方の有する企業秘密及び施工上の工法、技術、これらに関する情報、知識、又は営業上の秘密の一切を、本契約の継続中はもちろん、終了後であっても他に漏してはならない。
第6条(特許xx)乙は、第三者の特許権、その他の権利の対象となっている施工方法、工事材料、機械器具(作業船を含む、以下同じ)などを施工上使用するときは、その使用に関する一切の責を負う。ただし、甲の指図によって使用するものについてはこの限りでない。
2乙は、契約の履行に際して知り得た施工方法など、又は甲と共同で開発した施工方法などについて、甲の書面による同意を得ないで使用し、又は特許xxの工業所有権を申請しあるいは第三者をして申請させない。
第7条(安全、衛生の確保など)乙は、施工にあたり事業者として工事従事者の災害の防止に万全を期する。
2乙は、災害防止のため、甲の安全衛生管理の方針並びに安全衛生管理計画を遵守するともに自ら作業基準を確立し、かつ責任体制を明確にする。
3乙は、その被用者又は乙の下請負人の被用者の業務上の災害補償について、労働基準法第
87条第2項に定める使用者として補償引受の責を負う。
なお、労働者災害補償保険(以下「労災保険」という)の取扱については、注文書、注文請書において定めるものとする。
ただし、甲が加入する労災保険による場合、乙若しくはその被用者又は乙の下請負人若しくはその被用者の責による労災保険に定める不正受給、故意又は重大な過失による事故などに係る徴収金の事業主負担分については、乙がこれを負担する。
第8条(事業内容の報告)甲又は乙は、必要があるときは、相手方にその事業経営の内容などについて報告を求めることができる。
第9条(意見の聴取)甲は、施工上の工程の細部、作業方法などを定めるにあたって、あらかじめ乙の意見を聴取する。
第10条(保証人)乙は、甲の要求があったときは、金銭保証人若しくは工事完成保証人をたてなければならない。
2前項の場合、保証人がその義務を果たせないことが明らかになったときは、甲は乙にその変更を求めることができる。
第11条(書面主義)この約款の各条項に基づく承諾、通知、指示、請求などは、原則として書面により行う。
第12条(xxxxの譲渡)x又は乙は、この契約により生ずる権利又は義務を第三者に譲渡し、又は継承させない。ただし、相手方の書面による承諾を得た場合はこの限りでない。
2甲又は乙は、工事目的物、工事現場に搬入した工事材料(工場製品を含む、以下同じ)又は機械器具を第三者に譲渡し貸与し、又は抵当権その他の担保の目的に供しない。ただし、相手方に書面による承諾を得た場合はこの限りでない。
第13条(一括委任又は一括下請負の禁止)乙は、一括して工事の全部又は大部分を第三者に委任し、又は請け負わせてはならない。ただし、あらかじめ発注者及び甲の書面による承諾を得た場合はこの限りでない。
第14条(関係事項の通知)乙は、甲に対して工事に関し次の各号に掲げる事項を契約締結後遅滞なく書面をもって通知する。
一 建設業の許可業種及び番号
二 現場代理人をおくときは、その氏名及びxx技術者の氏名
三 その他施工上法律でおくことを義務づけられた有資格者などの氏名四 工事現場において使用する一日当り平均作業員
五 工事現場において使用する作業員に対する賃金支払の方法六 甲の指定書式による「協力業者安全関係提出書類」一式
七 その他、甲が工事の適正な施工を確保するため必要と認めて指示する事項
2乙は、甲に対して、前項各号に掲げる事項について変更があったときは、遅滞なく書面をもってその旨を通知する。
第15条(再下請負人の関係事項の通知)乙が工事の全部又は一部を第三者に委任し、又は請け負わせた場合は、乙は甲に対してその契約(その契約に係る工事が数次の契約によって行なわれるときは、数次のすべての契約を含む)に関し、次の各号に掲げる事項を遅滞なく書面をもって通知する。
一 受任者、又は請負人の氏名及び住所(法人であるときは名称及び工事を担当する営業所の所在地)
二 建設業の許可業種及び番号
三 現場代理人をおくときは、その氏名及びxx技術者の氏名
四 雇用管理責任者、安全管理者及び衛生管理者をおくときはそれらの氏名五 その他施工上法律でおくことを義務づけられた有資格者などの氏名 六 工事の種類及び内容
七 工期
八 受任者、又は請負人が工事現場において使用する一日当たりの平均作業員数 九 受任者、又は請負人が工事現場において使用する作業員に対する賃金支払の方法十 その他、甲が適正な施工を確保するため、必要と認めて指示する事項
2乙は、甲に対して、前項各号に掲げる事項について変更があったときは、遅滞なく書面をもってその旨を通知する。
第16条(監督員)xは、監督員を定めたときは、書面をもってその氏名を乙に通知する。
2監督員は、この約款の他の条項に定めるもの及びこの約款に基づく甲の権限とされる事項のうち、甲が必要と認めて監督員に委任したもののほか、設計図書で定めるところにより、次に掲げる権限を有する。
一 契約の履行についての乙又は乙の現場代理人に対する指示、承諾または協議
二 設計図書に基づく工事の施工のための詳細図等の作成及び交付又は乙が作成したこれらの図書の承諾
三 設計図書に基づく工程の管理、立会、工事の施工の状況の検査又は工事材料の試験若しくは検査
3甲は、監督員にこの約款に基づく甲の権限の一部を委任したときはその委任した権限の内容を、二名以上の監督員を置き前項の権限を分担させたときは、それぞれの監督員の有する権限の内容を、書面をもって乙に通知する。
4甲が第1項の監督員を定めないときは、この約款に定められた監督員の権限は、甲が行う。第17条(現場代理人及びxx技術者)現場代理人は、この契約の履行に関し、工事現場に常
駐し、その運営取締りを行うほか、この約款に基づく乙の一切の権限(請負代金額の変更、請負代金の請求及び受領工事関係者に関する措置請求並びにこの契約の解除に係るものを除く)を行使する。ただし、現場代理人の権限については、乙が特別に委任し又は制限したときは、甲の承諾を要する。
2xx技術者は工事現場における工事施工の技術上の管理をつかさどる。
3現場代理人とxx技術者とはこれを兼ねることができる。
第18条(工事関係者に関する措置請求)甲は、現場代理人、xx技術者、その他乙が施工のために使用している下請負人、作業員等で施工、又は管理につき著しく不適当と認められるものがあるときは、乙に対して、その理由を明示した書面をもって、必要な措置をとるべきことを求めることができる。
2乙は、監督員がその職務の執行につき著しく不適当と認められるときは、甲に対して、その理由を明示した書面をもって必要な措置をとるべきことを求めることができる。
3甲又は乙は、前2項の規定による請求があったときは、その請求に係る事項について決定し、その結果を相手方に通知する。
第19条(工事材料の品質及び検査)工事材料につき設計図書にその品質が明示されていないものは、中等の品質を有するものとする。
2乙は、工事材料については、使用前に監督員の検査に合格したものを使用する。
3監督員は、乙から前項の検査を求められたときは、遅滞なくこれに応ずる。
4乙は、工事現場内に搬入した工事材料を監督員の承諾を受けないで工事現場外に搬出しない。
5乙は、前項の規定にかかわらず、検査の結果不合格と決定された工事材料については遅滞なく工事現場外に搬出する。
6第2項から第5項の規定は、機械器具についても準用する。
第20条(監督員の立会及び工事記録の整備)乙は、調合を要する工事材料については、監督員の立会を受けて調合し、又は見本検査に合格したものを使用する。
2乙は、水中の工事又は地下に埋設する工事その他施工後外面から明視することのできない工事については、監督員の立会を受けて施工する。
3 監督員は乙から前ニ項の立会又は見本検査を求められたときは、遅滞なくこれに応ずる。
4乙は、設計図書において見本又は工事写真等の記録を整備すべきものと指定された工事材料の調合又は工事の施工をするときは、設計図書で定めるところによりその記録を整備し、監督員の要求があったときは遅滞なくこれを提出する。
第21条(支給材料及び貸与品)甲の支給材料又は貸与品は、あらかじめ検査又は試験に合格したものとする。
2支給材料又は貸与品の受渡時期は、工程表によるものとし、その受渡場所は、原則として工事現場とする。
3乙は、支給材料及び貸与品を善良な管理者の注意をもって、使用及び保管し、乙の故意又は過失によって支給材料又は貸与品が滅失若しくはき損し、又はその返還が不可能となったときは、甲の指定した期間内に原状に復し若しくは代品を納め、又はその損害を賠償する。
4乙は、支給材料(有償支給材料を除く)が不用になったとき、又は貸与品が使用済みとなったときは、すみやかにこれを甲に返却する。
第22条(設計図書不適合の場合の改造義務)乙は、施工が設計図書に適合しない場合において、監督員がその改造を請求したときはこれに従う。ただし、その不適合が監督員の指示によるなど甲の責に帰すべき理由によるときは、改造に要する費用は甲の負担とし、必要があると認められるときは、甲乙協議して工期を変更する。
第23条(条件変更等)乙は、施工にあたり、次の各号の一に該当する事実を発見したときは、直ちに書面をもってその旨を監督員に通知し、その確認を求める。
一 設計図書と工事現場の状態とが一致しないこと
二 設計図書の表示が明確でないこと(図面と仕様書が交互符合しないこと及び設計図書に誤謬又は脱漏があることを含む)
三 工事現場の地質、湧水等の状態、施工上の制約等設計図書に示された自然的又は人為的な施工条件が実際と相違すること
四 設計図書で明示されていない施工条件について予期することのできない特別の状態が生じたこと
2監督員は、前項の確認を求められたとき、又は自ら前項各号に掲げる事実を発見したときは、直ちに調査を行い、乙に対してとるべき措置を指示する。
3第1項各号に掲げる事実が甲乙間において確認された場合において、必要があると認められるときは、工事内容、工期若しくは請負代金額を変更する。この場合において、工期又は請負代金額の変更については、甲乙協議して定める。
第24条(工期の変更、中止等)甲は、必要があると認めるときは、書面をもって乙に通知し、工事内容を変更し、又は工事の全部若しくは一部の施工を一時中止させることができる。この場合において、必要があると認められるときは、甲乙協議して工期、又は請負代金額を変更する。
第25条(乙の請求による工期の延長)乙は、天候の不良などその責に帰することができない理由、その他の正当な理由により工期内に工事を完成することができないときは、甲に対して遅滞なくその理由を明らかにした書面をもって工期の延長を求めることができる。この場合における延長日数は、甲乙協議して定める。
2前項の規定により工期を延長する場合において、必要があると認められるときは、甲乙協議して請負代金額を変更する。
第26条(甲の請求による工期の変更等)甲は、工期を変更する必要があるときは、乙に対して書面をもって工期の変更を求めることができる。この場合における変更日数は、甲乙協議して定める。
2この約款の他の条項の規定により、工期を延長すべき場合において、特別の理由があるときは、甲乙協議のうえ通常必要とされる工期の延長を行わないことができる。
3前2項の場合において、必要があると認められるときは、甲乙協議して請負代金額を変更する。
第27条(賃金又は物価の変動に基づく請負代金額の変更)工期内に賃金又は物価の変動により請負代金額が不適当となり、これを変更する必要があると認められるときは、甲乙協議して請負代金額を変更する。
第28条(臨機の措置)乙は、災害防止などのため必要があると認められるときは、甲に協力して臨機の措置をとる。
2乙が前項の規定により臨機の措置をとった場合において、その措置に要した費用のうち、
請負代金額の範囲内において負担することが適当でないと認められる部分については、xがこれを負担する。この場合における甲の負担額は、甲乙協議して定める。
第29条(一般的損害)第32条(完成検査)による完成検査前に工事目的物、又は工事材料について生じた損害、その他施工に関して生じた損害(この契約において別に定める損害を除く)は、乙の負担とする。ただし、その損害のうち、甲の責に帰すべき理由により生じたものについては、xがこれを負担する。
第30条(第三者に及ぼした損害)施工について、第三者(関連工事の請負人等を含む、以下本条において同じ)に損害を及ぼしたときは、乙がその損害を負担する。ただし、その損害のうち、甲の責に帰すべき理由により生じたもの及び施工に伴い通常避けることができない事象により生じたものについてはこの限りでない。
2前項の場合、その他施工について第三者との間に紛争を生じた場合においては、甲乙協力してその処理解決にあたる。
第31条(天災その他不可抗力による損害)天災その他不可抗力によって、監督員の確認した工事の出来形部分、現場の工事仮設物、現場搬入済の工事材料又は機械器具に損害を生じたときは、乙が善良な管理者の注意を怠ったことに基づく部分を除き、甲がこれを負担する。
2損害額は、次の各号に掲げる損害につき、それぞれ当該各号に定めるところにより、甲乙協議して定める。
一 工事の出来形部分に関する損害
損害を受けた出来形部分に相応する請負代金額とし、残存価値がある場合にはその評価額を差し引いた額とする。
二 工事材料に関する損害
損害を受けた工事材料に相応する請負代金額とし、残存価値がある場合にはその評価額を差し引いた額とする。
三 工事仮設物又は機械器具に関する損害
損害を受けた工事仮設物又は機械器具について、この工事で償却することとしている償却費の額から損害を受けた時点における出来形部分に相応する償却費の額を差し引いた額とする。ただし、修繕によりその機能を回復することができ、かつ、修繕費の額が上記の額より少額であるものについては、その修繕費の額とする。
3第1項の規定により、甲が損害を負担する場合において、保険その他をてん補するものがあるときは、その額を損害額から控除する。
第32条(完成検査)乙は、工事を完成したときは、その旨を書面をもって甲に通知するものとし、甲は、乙の立会のもとに遅滞なく完成確認の検査を行う。
2前項の検査に合格しないときは、乙は遅滞なくこれを修補して甲の検査を受ける。
第33条(完成前使用)甲は、工事の完成前においても乙の工事目的物の全部、又は一部を使用することができる。ただし、乙は必要があるときは甲の同意を得て、その使用中止を求めることができる。
2前項の場合において、甲は善良な管理者の注意をもってこれを使用するものとし、その使用によって乙に損害を及ぼしたときはこれを補償する。
第34条(請負代金の支払方法及び時期)請負代金の支払方法及び時期は注文書、注文請書に定めるところによる。
2甲又は乙は、やむを得ない場合には、注文書、注文請書の定めにかかわらず、相手方の同意を得て請負代金の支払の時期又は支払方法の変更を求めることができる。
3前項の場合において、甲又は乙は、相手方の被った損害の負担について協議して定める。第35条(前払金)乙は、注文書、注文請書に定めるところにより、甲に対して前払金を請求
することができる。
第36条(部分払)乙は、監督員の検査に合格した出来形部分並びに工事現場に搬入した工事材料及び製造工場等にある工場製品に相応する請負代金相当額について、注文書、注文請書に定めるところにより部分払を請求することができる。
2甲は、前項の規定による請求を受けたときは、注文書、注文請書に定めるところにより部分払を行う。
3前払金の支払を受けている場合において、第1項の請求額は原則として次の式によって算出する。
請求額 = 第1項による金額 × 請負代金額 − 受領済前払金額
請 負 代 金 額
4第2項の規定により部分払金の支払があった後、再度部分払の請求をする場合においては、第1項又は前項による請求額はすでに部分払の対象となった額を控除した額とする。 第37条(完成時の支払)乙は、工事が第32条(完成検査)の検査に合格したときは、請負代金全額の支払を請求することができる。ただし、引渡しを要する工事にあっては引渡し
の時とする。
2甲は、前項の定めによる請求を受けたときは、注文書、注文請書に定めるところにより請負代金の支払を完了する。
第38条(賃金などの立替払)乙又は乙の下請負人が賃金、材料代金などの支払を遅滞し、乙に対しその支払を勧告してもなお支払わないときは、甲は、乙の作業員、材料商などから書面による申出により、これを立替え支払うことができる。ただし、原則として事前に乙から事情を聴取する。
2甲は、前項の規定によって、乙の下請負人の不払によるものを立替え支払ったときは、これを乙に対する立替金として処理することができる。
第39条(乙の中止権)次の各号の一にあたるときは、乙は工事を中止することができる。 一 甲が、前払金、部分払を遅滞し、乙が相当の期間を定めて催告してもなお支払わないとき。二 天災その他不可抗力により、工事目的物に損害を生じ、あるいは工事現場の状態が変動
したため施工できないと認められるとき。
2甲は、前項の場合において、乙がその工事の続行に備え、工事現場を維持し又は作業員、機械器具等を保持するための費用その他施工の中止に伴う損害を補償する。この場合において補償額は、甲乙協議して定める。
第40条(瑕疵担保)工事目的物に瑕疵があるときは、甲は、乙に対して相当の期間を定めてその瑕疵の修補(工事目的物の範囲に限る)を請求し、又は修補に代え若しくは修補とともに損害の賠償(工事目的物の範囲に限る)を請求することができる。ただし、瑕疵が重要でなく、かつその修補に過分の費用を要するときは、甲は修補を請求することができない。
2前項の規定による瑕疵の修補又は損害賠償を請求することができる期間は、引渡を受けた日から2年とし、その瑕疵が乙の故意又は重大な過失によって生じた場合は、当該請求をすることのできる期間は10年とする。ただし、xが元発注者に対してこれと異なる瑕疵担保期間を定めたときは、その期間とする。
3この契約が、住宅の品質確保の促進等に関する法律(平成11年法律第81号)第87条第1項に定める住宅を新築する建設工事の請負契約である場合には、工事目的物のうち住宅の品質確保の促進等に関する法律施工令(平成12年政令第64号)第6条第1項及び第2項に定める部分の瑕疵(構造耐力又は雨水の浸入に影響のないものを除く)について修補又は損害賠償の請求を行うことのできる期間は、10年とする。
4工事目的物が第1項の瑕疵により滅失又はき損したときは、甲は第2項又は第3項に定める期間内で、かつ、その滅失又はき損の日から6月以内に限り第1項の権利を行使することができる。
第41条(履行遅滞の場合における損害金)乙の責に帰すべき理由により工期内に工事を完成することができない場合において、工期経過後相当の期間内に完成する見込みのあるときは、甲は乙から損害金を徴収して工期を延長することができる。
2前項の損害金の額は、請負代金額から出来形部分に相応じる請負代金相当額を控除した額につき、遅滞日数に応じ、年12パーセントの割合で計算した額とする。
3甲の責に帰すべき理由により、第35条(前払金)、第36条(部分払)、第37条(完成時の支払)の規定による請負代金の支払が遅れた場合においては、乙は未受領金額につき、遅延日数に応じ年14. 6パーセントの割合で計算した額の遅延利息の支払を甲に請求することができる。
第42条(甲の解除権1)甲は、乙が次の各号の一に該当するときは、何らの通知催告を要することなく契約を解除することができる。
一 施工技術、労務管理(賃金、下請負代金その他の支払い遅延を含む)、安全衛生管理などが不良なため、甲に対して迷惑を及ぼしたとき又はそのおそれがあるとき。
二 差押、仮差押、若しくは仮処分を受け、又は競売の申立若しくは破産、民事再生手続開始、会社更生手続開始などの申立があったとき、又は清算に入ったとき。
三 手形交換所の不渡報告に掲載され、又は取引停止処分があったとき。四 支払いを停止したとき。
五 住所変更の届出を怠るなどその責に帰すべき事由により、乙又は乙の代表者の所在が不明になったとき。
六 本件工事の施工を継続することが困難と認められるとき。
七 正当な理由がないのに、工事に着手すべき時期を過ぎても工事に着手しないとき。 八 その責に帰すべき理由により工期内又は工期経過後相当期間内に工事を完成する見込
がないと明らかに認められるとき。
九 前記各号に掲げる場合のほか、この契約に違反し、その違反により契約の目的を達することができないと認められるとき。
十 第46条(乙の解除権)第1項の規定によらないで契約の解除を申し出たとき。
2甲は、前項の規定により契約を解除したときは、工事の出来形部分及び部分払の対象となった工事材料の引渡しを受ける。ただし、その出来形部分が設計図書に適合しない場合は、その引渡しを受けないことができる。
3甲は、前項の引渡しを受けたときは、その引渡しを受けた出来形部分及び工事材料に相応する請負代金相当額を乙に支払う。
4前項の場合において、前払金があったときは、その前払金の額(第36条(部分払)の規定による部分払をしているときは、その部分払において償却した前払金の額を控除した額)を前項の出来形部分及び工事材料に相応する請負代金相当額から控除する。この場合において、受領済みの前払金額になお余剰があるときは、乙は、その余剰額に前払金の支払の日から返還の日までの日数に応じ、年12パーセントの割合で計算した額の利息を付して甲に返還する。
5甲は、第1項の規定により契約を解除した場合において乙に対して、その解除により生じた損害の賠償を求めることができる。この場合における賠償額は、甲乙協議して定める。 第43条(甲の解除権2)甲は、工事が完成しない間は、前条第1項に規定する場合のほか必
要があるときは、契約を解除することができる。
2前条第2項から第4項までの規定は、前項の規定により契約を解除した場合に準用する。ただし、前条第4項のうち利息に関する部分は準用しない。
3甲は、第1項の規定により契約を解除した場合においてこれにより乙に損害を及ぼしたときは、その損害を賠償する。この場合における賠償額は、甲乙協議して定める。
第44条(解除に伴う損害賠償)第42条により契約が解除されたとき、甲は、乙に対し損害賠償を求めることができる。この場合、甲は、乙又は乙の下請人に代って乙の下請人、孫請、作業員等に支払い、又は支払う可能性のある金員を損害に含めることができる。
第45条(乙らの支払い遅延に伴う措置)乙又は乙の下請人が賃金、下請工事代金その他の支払いを遅延したとき、あるいは、そのおそれがあるときは、甲は、乙に対する請負代金等の支払を留保することができる。
2甲は、乙の作業員、下請人および取引先などからその負担する債務につき甲に支払請求があったときは、第38条第1項の手続によらずに、乙又は乙の下請人に代わって、乙に支払うべき請負代金等の中から当該支払いを行うことができる。この場合、甲の支払いと同時に甲の乙に対する同額の請負代金等の債務が消滅し、乙は甲に対し異議申立は一切しない。
第46条(乙の解除権)乙は、次の各号の一に該当する理由があるときは、契約を解除することができる。
一 第24条(工事の変更、中止権)の規定により工事内容を変更したため請負代金額が6
/ 10以上減少したとき。
二 第39条(乙の中止権)第1項の規定による工事の施工の中止期間が工期の1/ 2(工期の1/ 2が6月を超えるときは6月)を中止が工事の一部の場合は、その一部を除いた他の部分の工事が完了した後工期の1/ 4(工期の1/ 4が3月を超えるときは3月)を経過しても、なおその中止が解除されないとき。
三 甲がこの契約に違反し、その違反によって工事を完成することが困難となったとき。四 甲が請負代金を支払う能力を欠くことが明らかとなったとき。
2第42条(甲の解除権1)第2項から第4項までの規定は、前項の規定により契約が解除された場合に準用する。ただし、第42条第4項の規定のうち、利息に関する部分はこれを準用しない。
3乙は、第1項の規定により、契約を解除した場合において、これにより損害を受けたときは、その損害の賠償を甲に対して請求することができる。この場合における賠償額は、甲乙協議して定める。
第47条(解除に伴う措置)契約を解除したときは、甲乙が協議して、当事者に属する物件について期間を定めてその引取り、あと片付けなどの処置を行う。
2前項の処置が遅れているとき、催告しても正当な理由なくなお行われないときは、相手方は代ってこれを行い、その費用を請求することができる。
第48条(紛争の解決)この約款の各条項において、甲乙協議して定めるものにつき協議が整わない場合、その他契約に関して甲乙間に紛争を生じた場合には、甲又は乙は、当事者の双方の合意により選定した第三者又は建設業法による建設工事紛争審査会(以下「審査会」という)のあっせん又は調停により解決を図る。
第49条(紛争の仲裁)甲及び乙は、その一方又は双方が前条のあっせん又は調停により紛争を解決する見込みがないと認めたときは、前条の規定にかかわらず、審査会の仲裁に付し、その仲裁判断に服する。
第50条(情報通信の技術を利用する方法)この約款において書面により行わなければならないこととされている協議、承諾、通知、指示、請求、要求及び申出は、建設業法その他の法令に違反していない限りにおいて、電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法を用いて行うことができる。ただし、当該方法は書面の交付に準ずるものでなければならない。
第51条(補則)契約書及びこの約款の疑義、並びにこれらに定めのない事項については、必要に応じ甲乙協議して定める。