第25条 院長は、治験の実施に関する事務及び支援を行う部署を治験管理室として、治験管理室内に治験事務局を設置し、臨床研究コーディネーター(CRC)を配置するも のとする。なお、治験事務局は治験審査委員会事務局を兼ねるものとする。
独立行政法人国立病院機構北海道がんセンターにおける企業主導治験に係る標準業務手順書
第1章 目的と適用範囲
(目的と適用範囲)
第1条 本手順書は、独立行政法人国立病院機構北海道がんセンター受託研究取扱規程、「医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令」(平成9年厚生省令第28号。以下「医薬品GCP省令」という。)、「医療機器の臨床試験の実施の基準に関する省令」(平成17年厚生労働省令第36号。以下「医療機器GCP省令」という。)及びその関連通知、並びに「治験の依頼等に係る統一書式」に関する通知に基づいて、治験の実施に必要な手続きと運営に関する手順を定めるものである。
2 本手順書は、医薬品又は医療機器の製造販売承認申請又は承認事項一部変更承認申請の際に提出すべき資料の収集のために行う治験に対して適用する。
3 製造販売後臨床試験に対しては、医薬品GCP省令第56条及び医療機器GCP省令第76条に準じ、「治験」等とあるのを「製造販売後臨床試験」等と読み替えることにより、本手順書を適用する。
4 医療機器の治験に対しては、本手順書第8条及び第22条を除き「医薬品」、「治験薬」、「被験薬」、「副作用」及び「同一成分」とあるのを「医療機器」、「治験機器」、「被験機器」、「不具合又は不具合による影響」及び「同一構造および原理」と読み替えることにより、本手順書を適用する。
第2章 院長の業務
(治験依頼の申請等)
第2条 院長は、治験責任医師より提出された治験分担医師・治験協力者リスト(書式2)に基づき、治験関連の重要な業務の一部を分担させる者を了承する。院長は、了承した治験分担医師・治験協力者リスト(書式2)を治験責任医師に提出する。
2 院長は、治験に関する治験責任医師と治験依頼者との文書による合意が成立した後、治験依頼者及び治験責任医師に治験依頼書(書式3)とともに治験責任医師が医薬品GCP省令第42条又は医療機器GCP省令第62条に規定する要件を満たすことを証明した治験責任医師の履歴書
(書式1)、調査審議に必要な場合、治験分担医師の履歴書(書式1)及び治験実施計画書等の審査に必要な資料を提出させるものとする。
(治験実施の了承等)
第3条 院長は、治験責任医師に対して治験の実施を了承する前に、治験審査依頼書(書式4)、治験責任医師が医薬品GCP省令第42条又は医療機器GCP省令第62条に規定する要件を満たすことを証明した治験責任医師の履歴書(書式1)、調査審議に必要な場合、治験分担医師の履歴書(書式1)及び治験実施計画書等の審査の対象となる文書を治験審査委員会に提出し、治験の実施について治験審査委員会の意見を求めるものとする。
2 院長は、依頼があった治験に対し、医薬品GCP省令第27条第1項及び医療機器GCP省令第46条第1項の規定により適切な治験審査委員会を選択した上で調査審議を依頼することができる。
3 院長は、治験審査委員会が治験の実施を承認する決定を下し、又は治験実施計画書、説明文書、同意文書並びにその他の手順について何らかの修正を条件に治験の実施を承認する決定を下し、治験審査結果通知書及び治験審査委員会出席者リスト(書式5)により通知してきた場合、治験審査委員会の決定と院長の指示・決定が同じである場合には、治験審査結果通知書(書式5)を用いて、治験依頼者及び治験責任医師に通知するものとする。異なる場合には治験に関する指示・決定通知書(参考書式1)を作成し、(書式5)を添付し治験依頼者及び治験責任医師に通知するものとする。
4 院長は、治験審査委員会が修正を条件に治験の実施を承認し、その点につき治験依頼者及び治験責任医師が治験実施計画書等を修正した場合には、治験依頼者に、治験責任医師と必要に応じて合意のもと治験実施計画書等修正報告書(書式6)及び該当する資料を提出させるものとする。説明文書、同意文書の修正のみの場合は、治験責任医師に治験実施計画書等修正報告書(書式6)及び該当する資料を提出させるものとする。また、院長は治験実施計画書等修正報告書(書式6)と該当する資料について修正事項の確認を行う。
5 院長は、治験審査委員会が治験の実施を却下する決定を下し、その旨を通知してきた場合は、治験の実施を了承することはできない。院長は、治験の実施を了承できない旨の院長の決定を、治験審査結果通知書及び治験審査委員会出席者リスト(書式5)を用いて、治験依頼者及び治験責任医師に通知するものとする。6 院長は、治験依頼者から治験審査委員会の審査結果を確認するために審査に用いられた治験実施計画書等の文書の入手を求める旨の申し出があった場合には、これに応じなければならない。
(治験実施の契約等)
第4条 院長は、治験審査委員会の意見に基づいて治験の実施を了承した後、治験依頼者と治験の受託に関する契約書により契約を締結し、双方
が記名又は署名し、押印と日付を付すものとする。
2 治験責任医師は、契約内容を確認する。
3 院長は、治験審査委員会が修正を条件に治験の実施を承認した場合には、第3条第4項の治験実施計画書等修正報告書(書式6)により条件に従い修正されたことを確認した後に、受託に関する契約書により契約を締結するとともに、治験責任医師は本条前項に従うものとする。
4 院長は、治験依頼者から契約書の内容の変更を伴う治験に関する変更申請書(書式10)が提出された場合、治験審査委員会の意見を聴いた後、変更契約書を締結するとともに、治験責任医師は本条第2項に従うものとする。
5 契約書に定める通知及び報告の内容は下記のものとする。
(1)治験依頼者は、次の情報を治験責任医師と院長に通知する。ア 他施設で発生した重篤で予測できない副作用
イ 重篤な副作用又は治験薬及び市販医薬品の使用による感染症の発生数、発生頻度、発生条件等の発生傾向が治験薬概要書から予測できないもの
ウ 死亡又は死亡につながるおそれのある症例のうち、副作用によるもの又は治験薬及び市販医薬品の使用による感染症によるもの
エ 副作用又は治験薬及び市販医薬品の使用による感染症の発生数、発生頻度、発生条件等の発生傾向が著しく変化したことを示す研究報告オ 治験の対象となる疾患に対し効能又は効果を有しないことを示す研究報告
カ 副作用又は感染症によりがんその他の重大な疾病、障害又は死亡が発生するおそれがあることを示す研究報告
キ 当該被験薬と同一成分を含む市販医薬品に係る製造又は販売の中止、回収、廃棄その他の保健衛生上の危害の発生又は拡大を防止するための措置の実施
(2)治験依頼者は、次のことを院長に通知する。ア 治験を中止又は中断する際、その旨及び理由
イ 治験の成績を製造販売承認申請に用いないことを決定した際、その旨及び理由
(3)院長は、次の治験審査委員会の意見を治験責任医師及び治験依頼者に通知する。ア 治験実施の妥当性への意見
イ 治験が長期(1年を超える)の場合の治験の継続の妥当性への意見ウ 本項(1)に規定する事項に関する治験の継続の妥当性への意見
エ 被験者の意思に影響を与える可能性が認められたために、治験責任医師が説明文書を改訂したことに対する意見オ その他院長が必要と認めたことへの意見
(4)院長は、治験責任医師から報告された次の情報を治験審査委員会及び治験依頼者に通知する。ア 治験を中止又は中断する際、その旨及び理由
イ 治験を終了する際、その旨及び結果の概要
(5)治験責任医師は、重篤な有害事象を院長及び治験依頼者に通知する。
(治験の継続)
第5条 院長は、実施中の治験において少なくとも年1回、治験責任医師に治験実施状況報告書(書式11)を提出させ、治験の継続について治験審査委員会の意見を求めるものとする(書式4)。なお、第15条第 1 項の規定により特定の専門的事項を聞いた専門治験審査委員会がある場合には、当該専門治験審査委員会の意見を聞かなければならない。
2 院長は、医薬品GCP省令第20条第2項及び第3項並びに医療機器GCP省令第28条第2項、医薬品GCP省令第48条第2項及び医療機器GCP省令第68条第2項の規定により通知を受けたとき、医薬品GCP省令第54条第3項及び医療機器GCP省令第74条第3項の規定により報告を受けたとき、その他院長が必要があると認めたときは、治験の継続について治験審査委員会の意見を求めるものとする(書式4)。なお、第15条第 1 項の規定により特定の専門的事項を聞いた専門治験審査委員会がある場合には、当該専門治験審査委員会の意見を聞かなければならない。
3 院長は、治験審査委員会の審査結果に基づく院長の指示・決定が同じである場合には、治験審査結果通知書及び治験審査委員会出席者リスト
(書式5)を用いて、治験依頼者及び治験責任医師に通知するものとする。但し、あらかじめ、治験依頼者及び治験審査委員会等と合意が得られている場合においては、医薬品GCP省令第20条第2項及び第3項又は医療機器GCP省令第28条第2項及び第3項に関する通知に限り、治験審査委員会等の治験責任医師及び治験依頼者への直接の通知をもって、院長が治験責任医師及び治験依頼者に文書により通知したものとみなす
(様式5)。異なる場合には治験に関する指示・決定通知書(参考書式1)を作成し、(書式5)を添付し治験依頼者及び治験責任医師に通知するものとする。修正を条件に承認する場合には、第3条第4項に準じるものとする。
4 院長は、実施中の治験の継続審査等において、治験審査委員会が既に承認した事項の取消し(治験の中止又は中断を含む)の決定を下し、その旨を通知してきた場合は、これに基づく院長の指示・決定を、治験審査結果通知書及び治験審査委員会出席者リスト(書式5)を用いて、治験
依頼者及び治験責任医師に通知するものとする。
5 院長は、治験依頼者から治験審査委員会の継続審査等の結果を確認するために審査に用いられた治験実施計画書等の文書の入手を求める旨の申し出があった場合には、これに応じなければならない。
(治験実施計画書等の変更)
第6条 院長は、治験期間中、治験審査委員会の審査対象となる文書が追加、更新又は改訂された場合は、治験責任医師又は治験依頼者から、それらの当該文書のすべてを速やかに提出させるものとする。
2 院長は、治験責任医師及び治験依頼者より、治験に関する変更申請書(書式10)の提出があった場合には、治験の継続の可否について治験審査委員会の意見を求める(書式4)。これに基づく院長の指示・決定が同じである場合には、治験審査結果通知書及び治験審査委員会出席者リスト(書式5)を用いて、治験依頼者及び治験責任医師に通知するものとする。異なる場合には治験に関する指示・決定通知書(参考書式1)を作成し、(書式5)を添付し治験依頼者及び治験責任医師に通知するものとする。
(治験実施計画書からの逸脱)
第7条 院長は、治験責任医師より被験者の緊急の危険を回避するためその他医療上やむを得ない理由により治験実施計画書からの逸脱に関する報告(書式8)があった場合は、治験審査委員会の意見を求める(書式4)。これに基づく院長の指示・決定が同じである場合には、治験審査結果通知書及び治験審査委員会出席者リスト(書式5)を用いて、治験依頼者及び治験責任医師に通知するものとする。異なる場合には治験に関する指示・決定通知書(参考書式1)を作成し、(書式5)を添付し治験依頼者及び治験責任医師に通知するものとする。
2 院長は、治験依頼者等より被験者の緊急の危険を回避するためその他医療上やむを得ない理由による治験実施計画書からの逸脱に関する通知
(書式9)を用いて依頼者の検討結果を責任医師に通知する。
(医薬品の重篤な有害事象の発生)
第8条 院長は、治験責任医師より重篤な有害事象発生の報告(書式12-1、12-2(製造販売後臨床試験の場合は、書式13-1、13-
2))があった場合は、治験責任医師が判定した治験薬との因果関係及び予測性を確認し、治験の継続の可否について、治験審査委員会の意見を求める(書式4)。これに基づく院長の指示・決定が同じである場合には、治験審査結果通知書及び治験審査委員会出席者リスト(書式5)を用いて、治験依頼者及び治験責任医師に通知するものとする。異なる場合には治験に関する指示・決定通知書(参考書式1)を作成し、(書式5)を添付し治験依頼者及び治験責任医師に通知するものとする。
(医療機器の重篤な有害事象及び不具合の発生)
第8条の2 院長は、治験責任医師より重篤な有害事象及び不具合発生の報告(書式14(製造販売後臨床試験の場合は、書式15))があった場合は、治験責任医師が判定した治験機器との因果関係及び予測性を確認し、治験の継続の可否について、治験審査委員会の意見を求める(書式4)。これに基づく院長の指示・決定が同じである場合には、治験審査結果通知書及び治験審査委員会出席者リスト(書式5)を用いて、治験依頼者及び治験責任医師に通知するものとする。異なる場合には治験に関する指示・決定通知書(参考書式1)を作成し、(書式5)を添付し治験依頼者及び治験責任医師に通知するものとする。
(重大な安全性に関する情報の入手)
第9条 院長は、治験依頼者より安全性情報等に関する報告書(書式16)を入手した場合は、治験の継続の可否について治験審査委員会の意見を求める(書式4)。これに基づく院長の指示・決定が同じである場合には、治験審査結果通知書及び治験審査委員会出席者リスト(書式5)を用いて、治験依頼者及び治験責任医師に通知するものとする。異なる場合には治験に関する指示・決定通知書(参考書式1)を作成し、(書式5)を添付し治験依頼者及び治験責任医師に通知するものとする。但し、あらかじめ、治験依頼者及び治験審査委員会等と合意が得られている場合においては、医薬品GCP省令第20条第2項及び第3項又は医療機器GCP省令第28条第2項及び第3項に関する通知に限り、治験依頼者が治験責任医師及び院長に加えて治験審査委員会等にも同時に通知することができる(書式16)。また、その場合、治験審査委員会等は、院長に加えて治験責任医師及び治験依頼者にも同時に文書により意見を述べることができ、医薬品GCP省令第32条第6項又は医療機器GCP省令第51条第6項の規定に基づき、治験審査委員会等の意見を院長が治験依頼者及び治験責任医師に文書により通知したものとみなす(書式5)。なお、被験者の安全又は当該治験の実施に影響を及ぼす可能性のある重大な情報には、以下のものが含まれる。
(1)他施設で発生した重篤で予測できない副作用
(2)重篤な副作用又は治験薬及び市販医薬品の使用による感染症の発生数、発生頻度、発生条件等の発生傾向が治験薬概要書から予測できないもの
(3)死亡又は死亡につながるおそれのある症例のうち、副作用によるもの又は治験薬及び市販医薬品の使用による感染症によるもの
(4)副作用又は治験薬及び市販医薬品の使用による感染症の発生数、発生頻度、発生条件等の発生傾向が著しく変化したことを示す研究報告
(5)治験の対象となる疾患に対し効能又は効果を有しないことを示す研究報告
(6)副作用又は感染症によりがんその他の重大な疾病、障害又は死亡が発生するおそれがあることを示す研究報告
(7)当該被験薬と同一成分を含む市販医薬品に係わる製造又は販売の中止、回収、廃棄その他の保健衛生上の危害の発生又は拡大を防止するための措置の実施
(治験の中止、中断及び終了)
第10条 院長は、治験依頼者が被験薬の開発中止等を決定し、その旨を開発の中止等に関する報告書(書式18)で通知してきた場合は、治験責任医師及び治験審査委員会に対し、速やかにその旨を通知するものとする。なお、通知の文書には、中止又は中断についての詳細が説明されていなければならない。
2 院長は、治験責任医師が治験を中止又は中断し、その旨を報告(書式17)してきた場合は、治験依頼者及び治験審査委員会に対し、速やかにその旨を通知するものとする。
3 院長は、治験責任医師が治験の終了を報告(書式17)してきた場合には、治験依頼者及び治験審査委員会に対し、速やかにその旨を通知するものとする。
(直接閲覧)
第11条 院長は、治験依頼者によるモニタリング及び監査並びに治験審査委員会及び国内外の規制当局による調査を受け入れるものとする。これらの場合には、モニター、監査担当者、治験審査委員会又は国内外の規制当局の求めに応じ、原資料等のすべての治験関連記録を直接閲覧に供するものとする。
(情報の公開)
第12条 院長は、計画中又は実施中の遺伝子治療臨床研究に関する情報の適切かつ正確な公開に努めるものとする。
(個人情報の保護)
第13条 院長は、治験の実施においてヒトゲノム・遺伝子研究を含むものについては、個人情報の保護を図るため、個人情報管理者をおかなければならない。
2 院長は、個人情報を管理するため治験管理室長を個人情報管理者とし、必要に応じ治験管理室内における個人情報を管理させるものとする。
第3章 治験審査委員会
(治験審査委員会及び治験審査委員会事務局の設置)
第14条 院長は、治験を行うことの適否その他の治験に関する調査審議を行わせるため、治験審査委員会を院内に設置することができる。
2 院長は、前項の治験審査委員会の委員を指名し、当該治験審査委員会と協議の上、治験審査委員会の運営の手続き及び記録の保存に関する業務手順を定めるものとする。なお、治験依頼者から、当該治験審査委員会の標準業務手順書及び委員名簿の提示を求められた場合には、これに応ずるものとする。
3 院長は、自らが設置した治験審査委員会委員となることはできない。
4 院長は、治験審査委員会の業務の円滑化を図るため、本条第 1 項により設置した治験審査委員会の運営に関する事務及び支援を行う者を指名し、治験審査委員会事務局を設置するものとする。
(治験審査委員会の選定)
第15条 院長は、第3条第2項の規定により調査審議を依頼する治験審査委員会を選択する際、前条第1項に規定する院内に設置した治験審査委員会以外の委員会(以下、「外部治験審査委員会」という。)に調査審議を依頼する場合には、次の各号により適切に調査審議することが可能か確認するものとする。
(1)調査審議を行うために十分な人員が確保されていること。
(2)倫理的、科学的及び医学的・薬学的観点から審議及び評価することができること。
(3)治験の開始から終了に至るまで一貫性のある調査審議が行えること。
(4)その他、医薬品及び医療機器GCP省令を遵守する上で必要な事項。
2 院長は、前項の規定により外部治験審査委員会の医薬品及び医療機器GCP省令等に関する適格性を判断するにあたり、以下の最新の資料を
確認することとする。なお、外部治験審査委員会に調査審議を依頼することを決定した場合には、治験審査委員会の選定について(参考書式3)を作成し、治験依頼者及び治験責任医師に通知する。
(1)治験審査委員会標準業務手順書
(2)委員名簿
(3)その他必要な事項
3 院長は、外部治験審査委員会に調査審議を依頼するにあたり、医薬品GCP省令第27条第1項第2号から第4号及び医療機器GCP省令第
46条第1項第2号から第4号の治験審査委員会を選択する場合には当該治験審査委員会に関する以下の事項について確認する。
(1)定款その他これらに準ずるものにおいて、治験審査委員会を設置する旨の定めがあること。
(2)その役員(いかなる名称によるかを問わず、これと同等以上の職権又は支配力を有する者を含む。次号において同じ。)のうちに医師、歯科医師、薬剤師、看護師その他の医療関係者が含まれていること。
(3)その役員に占める次に掲げる者の割合が、それぞれ3分の1以下であること。ア 特定の医療機関の職員その他の当該医療機関と密接な関係を有する者
イ 特定の法人の役員又は職員その他の当該法人と密接な関係を有する者
(4)治験審査委員会の設置及び運営に関する業務を適確に遂行するに足りる財産的基礎を有していること。
(5)財産目録、賃借対照表、損益計算書、事業報告書その他の財務に関する書類をその事務所に備えて置き、一般の閲覧に供していること。
(6)その他治験審査委員会の業務の公正かつ適正な遂行を損なうおそれがないこと。
(外部治験審査委員会との契約)
第16条 院長は、独立行政法人国立病院機構本部中央治験審査委員会(以下「中央治験審査委員会」という。)以外の外部治験審査委員会に治験の調査審議を依頼する場合には当該治験審査委員会の設置者と事前に契約を締結する。なお契約にあたっては、以下の内容を含むものとする。
(1)当該契約を締結した年月日
(2)当院及び当該治験審査委員会の設置者の名称及び所在地
(3)当該契約に係る業務の手順に関する事項
(4)当該治験審査委員会が意見を述べるべき期限
(5)被験者の秘密の保全に関する事項
(6)その他必要な事項
(治験の専門的事項に関する調査審議)
第17条 院長は、第3条第1項の規定により治験審査委員会の意見を聴くにあたり、治験を行うことの適否の判断の前提となる特定の専門的事項を調査審議させるため必要があると認めるときは、当該治験審査委員会委員長と協議の上、承諾を得て、(書式4)により当該専門的事項について当該治験審査委員会以外の治験審査委員会(以下、専門治験審査委員会という。)の意見を聴くことができる。
2 院長は、前項の規定により専門的事項について他の治験審査委員会に意見を聴くにあたっては、少なくとも当該治験について第3条第2項の規定により調査審議を依頼することとなった治験審査委員会について以下の事項について考慮する。
(1)調査審議の対象となる治験の実施又は継続の適否について調査審議を十分に行うに足りる専門性を有しているか否か。
(2)前号において専門性が不足している場合、不足している専門性は外部から科学的な意見を聴くことのみにより補完されるものであるか否か、外部から倫理的妥当性についての意見も含めて聴くことにより補完されるものであるか否か。
(3)第 1 号において不足している専門性について、例えば、調査審議することとなった治験審査委員会の委員に新たに専門家を加える等の方法により補完することはできないか。
(4)第 1 号において不足している専門性を補完する方法として前号において考慮したものは、治験の開始から終了に至るまで継続的に治験に関する調査審議を行うことができるものであるか否か。
(5)第 1 号において不足している専門性を補完する方法として第3号において考慮したものが、他の治験審査委員会に特定の専門的事項についての調査審議を行わせることである場合には、当該他の治験審査委員会と当該治験について調査審議することとなった治験審査委員会の間で無用な審議の重複を避ける一方で、必要な情報は共有するといった適切な役割分担と連携が可能であるか否か。
3 院長は、本条第1項の規定により専門的事項に関して外部治験審査委員会に意見を聴く場合には第15条の各項の規定を準用し、独立行政法人国立病院機構本部以外に設置されるものについては、事前に当該専門治験審査委員会の設置者と契約を締結する。契約にあたっては、以下の内容を含むものとする。
(1)当該契約を締結した年月日
(2)当院及び当該治験審査委員会の設置者の名称及び所在地
(3)当該契約に係る業務の手順に関する事項
(4)当該専門治験審査委員会が調査審議を行う特定の専門的事項の範囲及び当該専門治験審査委員会が意見を述べるべき期限
(5)被験者の秘密の保全に関する事項
(6)その他必要な事項
4 院長は、専門治験審査委員会が意見を述べたときは速やかに当該意見を第3条第1項の規定により意見を聴いた治験審査委員会に報告しなければならない。
(外部治験審査委員会への依頼等)
第18条 院長は、外部治験審査委員会に審査を依頼する場合、外部治験審査委員会の求めに応じて関連する資料の提出等を行う。
2 院長は、第14条第4項に規定される治験審査委員会事務局に当該外部治験審査委員会の審査依頼等、当院の手続きに関わる事務業務を行わせる。
3 院長は、審査依頼を行った治験について外部治験審査委員会より治験概要等の説明を依頼された場合は、当該治験の責任医師もしくは分担医師にこれを行わせる。
第4章 治験責任医師の業務
(治験責任医師の要件)
第19条 治験責任医師は、以下の要件を満たさなくてはならない。
(1)治験責任医師は、医薬品GCP省令第42条又は医療機器GCP省令第62条に規定する要件を満たすことを証明した履歴書(書式1)及び治験分担医師を置く場合には求めに応じて当該治験分担医師の履歴書(書式1)を、治験依頼者に提出するものとする。
(2)治験責任医師は、治験依頼者と合意した治験実施計画書、最新の治験薬概要書、製品情報及び治験依頼者が提供するその他の文書に記載されている治験薬の適切な使用法に十分精通していなければならない。
(3)治験責任医師は、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第14条第3項及び第80条の2に規定する基準並びに医薬品及び医療機器GCP省令を熟知し、これを遵守しなければならない。
(4)治験責任医師は、治験依頼者によるモニタリング及び監査並びに治験審査委員会及び国内外の規制当局による調査を受け入れなければならない。治験責任医師は、モニター、監査担当者、治験審査委員会又は国内外の規制当局の求めに応じて、原資料等のすべての治験関連記録を直接閲覧に供しなければならない。
(5)治験責任医師は、合意された募集期間内に必要数の適格な被験者を集めることが可能であることを過去の実績等により示すことができなければならない。
(6)治験責任医師は、合意された期間内に治験を適正に実施し、終了するに足る時間を有していなければならない。
(7)治験責任医師は、治験を適正かつ安全に実施するため、治験の予定期間中に十分な数の治験分担医師及び治験協力者等の適格なスタッフを確保でき、また適切な設備を利用できなければならない。
(8)治験責任医師は、治験関連の重要な業務の一部を治験分担医師又は治験協力者に分担させる場合には、分担させる業務と分担させる者のリスト(書式2)を作成し、院長に提出し、その了承(書式2)を受けなければならない。なお、院長の了承を受けた時点から業務を分担して差し支えないが、治験分担医師については治験審査委員会による審査が必要となる。
(9)治験責任医師は、治験分担医師、治験協力者等に、治験実施計画書、治験薬及び各人の業務について十分な情報を与え、指導及び監督しなければならない。
(治験責任医師の責務)
第20条 治験責任医師は、次の事項を行う。
(1)治験実施計画書の被験者の選択・除外基準の設定及び治験を実施する際の個々の被験者の選定に当たっては、人権保護の観点から及び治験の目的に応じ、健康状態、症状、年齢、性別、同意能力、治験責任医師等との依存関係、他の治験への参加の有無等を考慮し、治験に参加を求めることの適否を慎重に検討すること。
(2)同意能力を欠く者については、当該治験の目的上、被験者とすることがやむを得ない場合を除き、原則として被験者としないこと。
(3)社会的に弱い立場にある者(参加に伴う利益又は参加拒否による上位者の報復を予想することにより、治験への自発的な参加の意思が不当に影響を受ける可能性のある個人(例えば、階層構造を有するグループの構成員としての医・歯学生、薬学生、看護学生、病院及び検査機関の下位の職員、製薬企業従業員並びに被拘禁者等がある。その他の例として、不治の病に罹患している患者、養護施設収容者、失業者又は貧困者、緊急状態にある患者、少数民族集団、ホームレス、放浪者、難民、未成年者及び治験参加の同意を表明する能力のないものがあげられる。)を被験者
とする場合には、特に慎重な配慮を払わなくてはならないこと。
(4)治験依頼者から提供される治験実施計画書及び最新の治験薬概要書その他必要な資料・情報に基づき治験依頼者と協議し、当該治験を実施することの倫理的及び科学的妥当性について十分検討した後、治験依頼者と合意すること。治験実施計画書が改訂される場合も同様である。
(5)治験実施の申請をする前に、治験依頼者の協力を得て、被験者から治験の参加に関する同意を得るために用いる説明文書を作成すること。
(6)治験実施前及び治験期間を通じて、治験審査委員会の審査の対象となる文書のうち、治験責任医師が提出すべき文書を最新のものにすること。当該文書が追加、更新又は改訂された場合は、その全てを速やかに院長に提出すること。
(7)治験審査委員会が治験の実施又は継続を承認し、又は何らかの修正を条件に治験の実施又は継続を承認し、これに基づく院長の指示・決定が文書((書式5)又は(参考書式1))で通知された後に、その指示・決定に従って治験を開始又は継続すること。又は、治験審査委員会が実施中の治験に関して承認した事項を取消し(治験の中止又は中断を含む)、これに基づく院長の指示・決定が文書((書式5)又は(参考書式1))で通知された場合には、その指示・決定に従うこと。
(8)治験責任医師は、治験審査委員会が当該治験の実施を承認し、これに基づく院長の指示・決定が文書((書式5)又は(参考書式1))で通知され、契約が締結されるまで被験者を治験に参加させてはならない。
(9)第7条で規定する場合を除いて、治験実施計画書を遵守して治験を実施すること。
(10)治験薬を承認された治験実施計画書を遵守した方法のみで使用すること。
(11)治験薬の正しい使用法を各被験者に説明又は指示し、当該治験薬にとって適切な間隔で、各被験者が説明された指示を正しく守っているか否かを確認すること。
(12)実施中の治験において、少なくとも年1回、院長に治験実施状況報告書(書式11)を提出すること。
(13)治験の実施に重大な影響を与え、又は被験者の危険を増大させるような治験のあらゆる変更について、院長に速やかに治験に関する変更申請書(書式10)を提出するとともに、変更の可否について院長の指示・決定((書式5)又は(参考書式1))を受けること。
(14)治験実施中に重篤な有害事象が発生した場合は、重篤で予測できない副作用を特定した上で速やかに院長及び治験依頼者に文書(医薬品の治験は書式12-1、12-2及び製造販売後臨床試験は書式13-1、13-2、並びに医療機器の治験は書式14、及び製造販売後臨床試験は書式15)で報告するとともに、治験の継続の可否について院長の指示・決定((書式5)又は(参考書式1))を受けること。
(15)治験実施計画書の規定に従って正確な症例報告書を作成し、その内容を点検し問題がないことを確認したときに記名押印又は署名するものとする。分担医師が作成した症例報告書についても、その内容を点検し問題がないことを確認したときに記名押印又は署名するものとする。
(16)治験終了後、速やかに院長に治験終了(中止・中断)報告書(書式17)を提出すること。なお、治験が中止又は中断された場合においても同様の手続きを行うこと。
(17)治験が何らかの理由で中止又は中断された場合には、被験者に速やかにその旨を通知し、被験者に対する適切な治療、事後処理、その他必要な措置を講じること。
(被験者の同意の取得)
第21条 治験責任医師又は治験分担医師は、被験者が治験に参加する前に、被験者に対して説明文書を用いて十分に説明し、治験への参加について自由意思による同意を文書により得るものとする。
2 同意文書には、説明を行った治験責任医師又は治験分担医師並びに被験者が記名押印又は署名し、各自日付を記入するものとする。なお、治験協力者が補足的な説明を行った場合には、当該治験協力者も記名押印又は署名し、日付を記入するものとする。
3 治験責任医師又は治験分担医師は、被験者が治験に参加する前に、前項の規定に従って記名押印又は署名と日付が記入された同意文書の写を被験者に渡さなければならない。また、被験者が治験に参加している間に、説明文書が改訂された場合は,その都度新たに本条第1項及び第2項に従って同意を取得し,記名押印又は署名と日付を記入した同意文書の写及び説明文書を被験者に渡さなければならない。
4 治験責任医師、治験分担医師及び治験協力者は、治験への参加又は治験への参加の継続に関し、被験者に強制したり又は不当な影響を及ぼしてはならない。
5 説明文書及び説明に関して口頭で提供される情報には、被験者に権利を放棄させるかそれを疑わせる語句、又は治験責任医師、治験分担医師、治験協力者、当院若しくは治験依頼者の法的責任を免除するかそれを疑わせる語句が含まれていてはならない。
6 口頭及び文書による説明には、被験者が理解可能で、可能な限り非専門的な言葉が用いられていなければならない。
7 治験責任医師又は治験分担医師は、同意を得る前に、被験者が質問をする機会と、治験に参加するか否かを判断するのに十分な時間を与えなければならない。その際、当該治験責任医師、治験分担医師又は補足的説明者としての治験協力者は、すべての質問に対して被験者が満足するよう答えなければならない。
8 被験者の同意に関連し得る新たな重要な情報が得られた場合には、治験責任医師は、速やかに当該情報に基づき説明文書を改訂し、予め治験審査委員会の承認を得なければならない。また、治験責任医師又は治験分担医師は、すでに治験に参加している被験者に対しても当該情報を速やかに伝え、治験に継続して参加するか否かについて、被験者の意思を確認するとともに、改訂された説明文書を用いて改めて説明し、治験への参
加の継続について被験者から自由意思による同意を文書で得なければならない。注)重大な安全性に関する情報の入手 第9条参照
9 治験に継続して参加するか否かについての被験者の意思に影響を与える可能性のある情報が得られた場合には、治験責任医師又は治験分担医師は、当該情報を速やかに被験者に伝え、治験に継続して参加するか否かについて被験者の意思を確認しなければならない。この場合、当該情報が被験者に伝えられたことを文書に記録しなければならない。
10 被験者の同意取得が困難な場合、非治療的治験を実施する場合、緊急状況下における救命的治験の場合及び被験者が同意文書等を読めない場合については、医薬品GCP省令第50条第2項及び第3項、第52条第3項及び第4項、第55条、並びに医療機器GCP省令第70条第2項及び第3項、第72条第3項及び第4項、第75条を遵守する。
(被験者に対する医療)
第22条 治験責任医師は、治験に関する医療上のすべての判断に責任を負うものとする。
2 院長及び治験責任医師は、被験者の治験参加期間中及びその後を通じ、治験に関した臨床上問題となるすべての有害事象に対して、十分な医療が被験者に提供されることを保証するものとする。また、治験責任医師又は治験分担医師は、有害事象に対する医療が必要となったことを知った場合には、被験者にその旨を伝えなければならない。
3 治験責任医師又は治験分担医師は、被験者に他の主治医がいるか否かを確認し、被験者の同意のもとに、主治医に被験者の治験への参加について知らせなければならない。
4 被験者が治験の途中で参加を取り止めようとする場合、又は取り止めた場合には、被験者はその理由を明らかにする必要はないが、治験責任医師又は治験分担医師は、被験者の権利を十分に尊重した上で、その理由を確認するための適切な努力を払わなければならない。
(治験実施計画書からの逸脱等)
第23条 治験責任医師又は治験分担医師は、治験依頼者との事前の文書による合意及び治験審査委員会の事前の審査に基づく文書による承認を得ることなく、治験実施計画書からの逸脱又は変更を行ってはならない。ただし、被験者の緊急の危険を回避するためのものであるなど医療上やむを得ないものである場合又は治験の事務的事項(例えば、治験依頼者の組織・体制変更、実施医療機関の名称・診療科名の変更、実施医療機関及び治験依頼者の所在地又は電話番号の変更、治験責任医師の氏名表記、所属及び職名の変更、モニターの変更)のみに関する変更である場合には、この限りではない。
2 治験責任医師又は治験分担医師は、治験実施計画書から逸脱した行為を理由のいかんによらずすべて記録しなければならない。
3 治験責任医師又は治験分担医師は、被験者の緊急の危険を回避するためのものである等、医療上やむを得ない事情のために、治験依頼者との事前の文書による合意及び治験審査委員会の事前の承認なしに治験実施計画書からの逸脱又は変更を行うことができる。その際には、治験責任医師は、緊急の危険を回避するための治験実施計画書からの逸脱に関する報告書(書式8)により逸脱又は変更の内容及び理由、並びに治験実施計画書の改訂が適切な場合には、その案を可能な限り早急に、治験依頼者、院長及び院長を経由して治験審査委員会に提出してその承認を得るとともに、院長の了承及び院長を経由して治験依頼者からの通知(書式9)を入手する。また、治験責任医師は、この書式8の写を保存するものとする。
第5章 治験薬等の管理
(治験薬の管理)
第24条 治験薬の管理責任は、院長が負うものとする。
2 院長は、治験薬を保管、管理させるため薬剤部長を治験薬管理者とし、病院で実施されるすべての治験の治験薬を管理させるものとする。なお、薬剤部長は、治験管理係長、治験主任及び治験管理室の薬剤師を治験薬管理補助者として、麻薬等を除く治験薬の保管・管理の実務を行わせることができる。
3 治験薬管理者は、治験依頼者が作成した治験薬の取扱い及び保管・管理並びにそれらの記録に際して従うべき指示を記載した手順書に従って、また、医薬品GCP省令を遵守して適正に治験薬を保管、管理する。
4 治験薬管理者は次の業務を行う。
(1)治験薬を受領し、治験薬受領書を発行する。
(2)治験薬の保管・管理及び払い出しを行う。
(3)治験薬管理表及び治験薬出納表を作成し、治験薬の使用状況及び進捗状況を把握する。
(4)被験者からの未使用治験薬の返却記録を作成する。
(5)未使用治験薬(被験者からの未使用返却治験薬、使用期限切れ治験薬及び欠陥品を含む。)を治験依頼者に返却し、未使用治験薬返却書を発
行する。
(6)その他、第3項の治験依頼者が作成した手順書に従う。
5 治験薬管理者は、治験実施計画書に規定された量の治験薬が被験者に投与されていることを確認する。
6 治験薬管理者は、原則として救命治療の治験等の場合、病棟等で治験責任医師の下に管理させることができる。
(治験機器の管理)
第24条の2 治験機器の管理責任は、院長が負うものとする。
2 院長は、治験機器を保管、管理、保守点検させるため薬剤部長を治験機器管理者とし、病院で実施される全ての治験の治験機器等を管理させるものとする。
なお、治験機器管理者は必要に応じて治験機器管理補助者を指名し、治験機器の保管、管理、保守点検を行わせることができる。
3 治験機器管理者は、治験依頼者が作成した治験機器の取扱い及び保管、管理、保守点検並びにそれらの記録に際して従うべき指示を記載した手順書に従って、また、医療機器GCP省令を遵守して適正に治験機器を保管、管理、保守点検する。
4 治験機器管理者は次の業務を行う。
(1)治験機器を受領し、治験機器の受領書を発行する。
(2)治験機器の保管、管理、保守点検及び払い出しを行う。
(3)治験機器の管理表及び出納表を作成し、治験機器の使用状況及び進捗状況を把握する。
(4)被験者からの未使用治験機器の返却記録を作成する。
(5)未使用治験機器(被験者からの未使用返却治験機器、使用期限切れ治験機器及び不具合品を含む。)を治験依頼者に返却し、未使用治験機器の返却書を発行する。
(6)その他、第3項の治験依頼者が作成した手順書に従う。
5 治験機器管理者は、治験実施計画書に従って治験機器が被験者に使用されていることを確認する。
6 治験機器管理者は、原則として救命治療の治験等の場合、病棟等で治験責任医師の下に治験機器を管理させることができる。
第6章 治験管理室
(治験管理室の設置及び業務)
第25条 院長は、治験の実施に関する事務及び支援を行う部署を治験管理室として、治験管理室内に治験事務局を設置し、臨床研究コーディネーター(CRC)を配置するものとする。なお、治験事務局は治験審査委員会事務局を兼ねるものとする。
2 治験管理室は、次の者で構成する。
(1)治験管理室長:院長が指名するもの
(2)治験事務局長:薬剤部長
(3)治験管理係長:副薬剤部長
(4)治験事務局員:業務班長および事務員、治験主任
(5)臨床研究コーディネーター(CRC):薬剤師、看護師、データマネージャー等
3 治験事務局は、院長の指示により、次の業務を行うものとする。
(1)第14条第1項の規定により設置される治験審査委員会の委員の指名に関する業務(委員名簿及び会議の記録並びにその概要の作成を含む。)
(2)治験依頼者に対する必要書類の交付と治験依頼手続きの説明
(3)治験依頼書及び治験審査委員会が審査の対象とする審査資料の受付
(4)院長から治験審査委員会への審査依頼書(書式4)作成
(5)治験審査結果通知書(書式5)、それに基づく院長の治験に関する指示・決定通知書(書式5又は参考書式1)の作成と治験依頼者及び治験責任医師への通知書の交付(治験審査委員会の審査結果を確認するために必要とする文書の治験依頼者への交付を含む。)
(6)治験契約に係わる手続き等の業務
(7)治験終了(中止・中断)報告書(書式17)の受領及び治験依頼者・治験審査委員会への通知書(書式17)の作成と交付
(8)開発の中止等に関する報告書(書式18)の受領及び治験責任医師・治験審査委員会への通知書(書式18)の作成と交付
(9)第3条第2項の規定により選択した外部治験審査委員会に関する事務手続き
(10)記録の保存
(11)治験の実施に必要な手続きの作成
(12)その他治験に関する業務の円滑化を図るために必要な事務及び支援
(中央治験事務局の利用)
第26条 院長は第3条第2項の規定により中央治験審査委員会に調査審議を依頼する場合には、独立行政法人国立病院機構本部中央治験事務局
(以下「中央治験事務局」という。)に前条第3項の各号に規定する業務の一部を行わせることができる。
2 院長は、中央治験事務局標準業務手順書を入手し、当該手順書に基づき中央治験事務局に業務を行わせるものとする。
第7章 記録の保存
(記録の保存責任者)
第27条 院長は、当院において保存すべき必須文書の保存責任者を指名するものとする。
2 文書、記録ごとに定める保存責任者は次のとおりとする。
(1)診療録、検査データ、同意文書等:治験責任医師又は治験分担医師
(2)治験受託に関する文書、外部治験審査委員会に関する文書等 :治験事務局長
(3)治験薬に関する記録(治験薬管理表、治験薬出納表、被験者からの未使用治験薬返却記録、治験薬納品書、未使用治験薬受領書等):薬剤部長
(4)遺伝子治療臨床研究に関する記録:治験事務局長
(5)中央治験事務局で保存すべき文書:中央治験事務局長
3 院長又は治験の記録の保存責任者は、当院において保存すべき必須文書が第27条第1項並びに第28条に定める期間中に紛失又は廃棄されることがないように、また、求めに応じて提示できるよう措置を講じるものとする。
(記録の保存期間)
第28条 院長は、当院において保存すべき文書を、(1)又は(2)の日のうちいずれか遅い日までの間保存するものとする。ただし、治験依頼者がこれよりも長期間の保存を必要とする場合には、保存期間及び保存方法について治験依頼者と協議するものとする。また、製造販売後臨床試験における記録の保存については、再審査又は再評価が終了する日までとする。
(1)当該被験薬に係る製造販売承認日(開発の中止又は臨床試験の試験成績が承認申請書に添付されない旨の通知を受けた場合には、その通知を受けた日から3年が経過した日)
(2)治験の中止又は終了後3年が経過した日
2 院長は、治験依頼者より前項にいう承認取得あるいは開発の中止等に関する報告(書式18)を受けるものとする。
第29条 院長は、当該受託研究が遺伝子治療臨床研究の場合、当該研究に関する記録は研究終了後5年間保存するものとする。
(附則)
1.この手順書は、平成10年 7月 1日より施行する。
2.平成16年 4月 1日改正する。
3.平成16年10月 1日改正する。
4.平成17年 6月 1日改正する。
5.平成17年 8月 1日改正する。
6.平成18年12月 1日改正する。
7.平成18年12月20日改正する。
8.平成20年 4月 1日改正する。
9.平成21年 4月 1日改正する。
10.平成23年10月 1日改正する。
11.平成25年 6月 1日改正する。
12.平成26年11月25日改正する。
13.平成27年 4月 1日改正する。