Contract
平成22年7月26日中央建設業審議会決定
改正 平成29年 7月25日令和 元年12月13日令和 4年 6月21日
[注]この約款(甲)は、民間の比較的大きな工事を発注する者(常時工事を発注する者は、「公共工事標準請負契約約款」(昭和二十五年二月二十一日中央建設業審議会決定)による)と建設業者との請負契約についての標準約款である。
民 間 建 設 工 事 請 負 契 約 書
発注者 と
受注者 とは
この契約書、民間建設工事標準請負契約約款(甲)(平成二十二年七月二十六日中央建設業審議会決定)と、設計図書(設計図 枚、仕様書 冊、現場説明書 枚、質問回答書 枚)とによって、工事請負契約を締結する。
一、工 事 名二、工事場所
三、工 | 期 | 着手 | 令和 | 年 | 月 | 日 |
完成 | 令和 | 年 | 月 | 日 | ||
引渡 | 令和 | 年 | 月 | 日 |
四、工事を施工しない日
工事を施工しない時間帯
注 工事を施工しない日又は時間帯を定めない場合は削除。
五、請負代金額
(うち取引に係る消費税及び地方消費税額 )
注 ( )の部分は、受注者が課税業者である場合に使用する。
六、支 払 方 法 発注者は請負代金を次のように受注者に支払う。この契約成立のとき
部分払(○月ごとに出来高に相当する額(ただし、既支払額を控除する。))
支払請求締切日完成引渡のとき
注 ○の部分には、たとえば、二、三等と記入する。
七、調停人
注 発注者及び受注者が調停人を定めない場合には、削除する。
八、その他
注 特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律(平成十九年法律第六十六号)第二条第五項に規定する特定住宅瑕疵担保責任の履行を確保するため、同条第六項に規定する住宅建設瑕疵担保責任保険契約を締結する場合には、(1)保険法人の名称、(2)保険金額、(3)保険期間をそれぞれ記入する。なお、住宅建設瑕疵担保保証金の供託を行う場合は、受注者は、供託所の所在地及び名称、共同請負の場合のそれぞれの建設瑕疵負担割合を記載した書面を発注者に交付し、説明しなければならない。その他建設業法(昭和二十四年法律第百号)第十九条第一項第十三号に掲げる事項があるときは、その内容を記入する。
この工事に伴い工事現場から建設発生土を搬出する予定である場合は、「建設発生土の搬出先については仕様書に定めるとおり」と記入し、仕様書に建設発生土の搬出先の名称及び所在地を定めることが望ましい。建設発生土の搬出先の名称及び所在地を定めることが困難な場合にも、発注者は、受注者により建設発生土の適正処理が行われることを確認することが求められる。
この工事が、建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律(平成十二年法律第百四号)第九条第一項に規定する対象建設工事の場合は、(1)解体工事に要する費用、(2)再資源化等に要する費用、(3)分別解体等の方法、(4)再資源化等をする施設の名称及び所在地についてそれぞれ記入する。
部分使用の有無、部分引渡しの有無、仲裁合意の有無について、必要に応じて記入する。
この契約の証として本書二通を作り、発注者及び受注者並びに保証人が記名押印して発注者及び受注者が各一通を保有する。
令和 年 月 日
住所
発注者 印
住所
同保証人 印
保証の極度額
(保証人を立てる場合に記載する)
住所
受注者 印
住所
同保証人 印
保証の極度額
(保証人を立てる場合に記載する)
注 保証人の付する保証が民法第四百六十五条の二第一項に規定する根保証である場合は保証の極度額を記載しない場合は無効となる。根保証でない場合は、保証の極度額の欄は削除する。
注 保証人(法人を除く。以下この文において同じ。)を立てる場合は保証人に対して民法第四百六十五条の十第一項に規定する情報提供義務が発生することに留意すること。
…………………………………………………………………
上記工事に関し、発注者との間の契約に基づいて発注者から監理業務(建築士法(昭和二十五年法律第二百二号)第二条第八項で定める工事監理並びに同法第十八条第三項及び第二十条第三項で定める工事監理者の業務を含む。)を委託されていることを証するためここに記名押印する。
監 理 者 印
(総則)
第一条 発注者及び受注者は、各々が対等な立場において、日本国の法令を遵守して、互いに協力し、信義を守り、この約款(契約書を含む。以下同じ。)に基づき、設計図書
(添付の設計図、仕様書、現場説明書及びその質問回答書をいう。以下同じ。)に従い、誠実にこの契約(この約款及び設計図書を内容とする請負契約をいい、その内容を変更した場合を含む。以下同じ。)を履行する。
2 受注者は、この契約に基づいて、工事を完成し、この契約の目的物を発注者に引き渡すものとし、発注者は、その請負代金の支払いを完了する。
3 この約款の各条項に基づく協議、承諾、通知、指示、催告、請求等は、この約款に別に定めるもののほか、原則として、書面により行う。
4 発注者は、この契約とは別に発注者と監理者との間で締結されたこの工事に係る監理業務(建築士法第二条第八項で定める工事監理並びに同法第十八条第三項及び第二十条第三項で定める工事監理者の業務を含む。以下同じ。)の委託契約(以下「監理契約」という。)に基づいて、この契約が円滑に遂行されるように監理者へ協力を求める。
5 発注者は、第九条第一項各号に掲げる事項その他この契約に定めのある事項と異なることを監理者に委託したとき又はこの契約の定めに基づいて発注者が行うことを監理者に委託したときは、速やかに当該委託の内容を書面をもって受注者に通知する。
6 発注者は、受注者の求め又は設計図書の作成者の求めにより、設計図書の作成者が行う設計意図を正確に伝えるための質疑応答又は説明の内容を受注者及び監理者に通知する。
(工事用地の確保等)
第二条 発注者は、工事用地その他設計図書において発注者が提供するものと定められた施工上必要な用地等を、施工上必要と認められる日(設計図書に別段の定めがあるときは、その定められた日)までに確保し、受注者の使用に供する。
(関連工事の調整)
第三条 発注者は、その発注に係る第三者の施工する他の工事で受注者の施工する工事と密接に関連するもの(以下「関連工事」という。)について、必要があるときは、それらの施工につき、調整を行うものとする。この場合において、受注者は、発注者の調整に従い、第三者の施工が円滑に進捗し、完成するよう協力しなければならない。
2 前項において、発注者が関連工事の調整を監理者又は第三者に委託した場合には、発注者は、速やかに書面をもって受注者に通知する。
(請負代金内訳書及び工程表)
第四条 受注者は、この契約を締結した後、速やかに請負代金内訳書及び工程表を発注者に、それぞれの写しを監理者に提出し、請負代金内訳書については、監理者の確認を受ける。
2 請負代金内訳書には、健康保険、厚生年金保険及び雇用保険に係る法定福利費を明示するものとする。
(一括委任又は一括下請負の禁止)
第五条 受注者は、工事の全部若しくはその主たる部分又は他の部分から独立して機能を発揮する工作物の工事を一括して第三者に委任し、又は請け負わせることはできない。ただし、共同住宅の新築工事以外の工事で、かつ、あらかじめ発注者の書面による承諾を得た場合は、この限りではない。
(権利義務の譲渡等)
第六条(A) 発注者及び受注者は、相手方の書面による承諾を得なければ、この契約により生ずる権利又は義務を第三者に譲渡し、又は承継させることはできない。
注 承諾を行う場合としては、たとえば、受注者が第二十三条第一項又は第二項の検査に合格した後に請負代金債権を譲渡する場合や工事に係る請負代金債権を担保として資金を借り入れようとする場合(受注者が、「下請セーフティネット債務保証事業」(平成十一年一月二十八日建設省経振発第八号)により資金を借り入れようとする等の場合)が該当する。
2 発注者及び受注者は、相手方の書面による承諾を得なければ、この契約の目的物並び
に検査済の工事材料及び建築設備の機器(いずれも製造工場等にある製品を含む。以下同じ。)を第三者に譲渡し、若しくは貸与し、又は抵当権その他の担保の目的に供することはできない。
第六条(B) 発注者及び受注者は、この契約により生ずる権利又は義務を第三者に譲渡し、又は承継させることはできない。ただし、あらかじめ相手方の承諾を得た場合
又はこの契約の目的物に係る工事を実施するための資金調達を目的に請負代金債権を譲渡するとき(前払や部分払等を設定したものであるときは、前払や部分払等によってもなおこの契約の目的物に係る工事の施工に必要な資金が不足することを疎明したときに限る。)は、この限りでない。
注 承諾を行う場合としては、たとえば、受注者が第二十三条第一項又は第二項の検査に合格した後に請負代金債権を譲渡する場合が該当する。
2 発注者及び受注者は、相手方の書面による承諾を得なければ、この契約の目的物並
びに検査済の工事材料及び建築設備の機器(いずれも製造工場等にある製品を含む。以下同じ。)を第三者に譲渡し、若しくは貸与し、又は抵当権その他の担保の目的に供することはできない。
3 受注者は、第一項ただし書の規定により、この契約の目的物に係る工事を実施するための資金調達を目的に請負代金債権を譲渡したときは、当該譲渡により得た資金を当該工事の施工以外に使用してはならない。
4 発注者は、必要があると認めるときは、受注者に対し、前項に違反していないことを疎明する書類の提出などの報告を求めることができる。
(特許権等の使用)
第七条 受注者は、特許権、実用新案権、意匠権、商標権その他日本国の法令に基づき保護される第三者の権利(以下「特許権等」という。)の対象となっている工事材料、建築設備の機器、施工方法等を使用するときは、その使用に関する一切の責任を負わなければならない。ただし、発注者がその工事材料、建築設備の機器、施工方法等を指定した場合において、設計図書に特許権等の対象である旨の明示がなく、かつ、受注者がその存在を知らなかったときは、発注者は、受注者がその使用に関して要した費用を負担しなければならない。
(保証人)
第八条 保証人は、保証人を立てた発注者又は受注者(以下この項において「主たる債務者」という。)に債務不履行があったときは、この契約から生ずる金銭債務について、主たる債務者と連帯して保証の責めを負う。
2 保証人がその義務を果たせないことが明らかになったときは、発注者又は受注者は、相手方に対してその変更を求めることができる。
3 この契約に前払金の定めをする場合においては、発注者は、受注者が債務の不履行によって生ずる損害金の支払いを保証する保証人を立てることを求めることができる。
4 前払をする前に、受注者が前項の保証人を立てないときは、発注者はその支払いを拒むことができる。
注 保証人を立てない場合は、削除する。
(監理者)
第九条 監理者は、監理契約に基づいて発注者の委託を受け、この契約に別段の定めのあるほか、次のことを行う。
一 設計図書等の内容を把握し、設計図書等に明らかな矛盾、誤謬、脱漏、不適切な納まり等を発見した場合は、受注者に通知すること。
二 設計内容を伝えるため受注者と打ち合わせ、適宜、この工事を円滑に遂行するため、必要な時期に説明用図書を受注者に交付すること。
三 受注者からこの工事に関する質疑書が提出された場合、設計図書等に定められた品質確保の観点から技術的に検討し、当該結果を受注者に回答すること。
四 施工図、製作見本、見本施工等が設計図書等の内容に適合しているか、並びに設計図書等の定めるところにより受注者が提出又は提案する工事材料、建築設備の機器等及びそれらの見本が設計図書等の内容に適合しているかについて検討し、結果を発注者に報告のうえ、受注者に対して適合していると認められる場合は承認し、適合していないと認められる場合には理由を示して修正を求めること。この場合において、受注者がこれに従わないときは、その旨を発注者に報告すること。
五 この工事が設計図書等の内容に適合しているかについて、設計図書等との照合、設計図書等に定めのある方法による確認のほか、目視による確認、品質管理記録による確認(受注者から提出された場合に限る。)、あるいはこれらを抽出によって確認するなど、確認対象工事に応じた合理的方法による確認を行うこと。
六 この工事と設計図書等との照合及び確認の結果、この工事が設計図書等のとおりに実施されていないと認めるときは、直ちに受注者に対してその旨を指摘し、この 工事を設計図書等のとおりに実施するよう求めるとともに発注者に報告すること。 七 第四条第一項に基づいて受注者から提出される請負代金内訳書の適否を合理的な
方法により確認し、当該結果を発注者に報告すること。
八 設計図書等の定めにより受注者が作成、提出する施工計画について、設計図書等に定められた工期及び品質が確保できないおそれがあると明らかに認められる場合には、受注者に対して助言し、その旨を発注者に報告すること。
九 この工事がこの契約の内容(第五号に関する内容を除く。)に適合しているかについて、この契約の内容との照合、設計図書等に定めのある方法による確認のほか、目視による確認、品質管理記録による確認(受注者から提出された場合に限る。)、あるいはこれらを抽出によって確認するなど、確認対象工事に応じた合理的方法による確認を行うこと。この結果、この工事がこの契約の内容のとおりに実施されていないと認めるときは、直ちに受注者に対してその旨を指摘し、当該工事をこの契約の内容のとおりに実施するよう求めるとともに発注者に報告すること。
十 受注者がこの契約に定められた指示、検査、試験、立会い、確認、審査、承認、助言、協議等を求めたときは、速やかにこれに応じること。
十一 受注者の提出する出来高払又は完成払の請求書を技術的に審査すること。
十二 この工事の内容、工期又は請負代金額の変更に関する書類を技術的に審査すること。
十三 受注者から発注者へのこの契約の目的物の引渡しに立ち会うこと。
2 発注者又は受注者は、この工事について発注者、受注者間で通知、協議を行う場合は、この契約に別段の定めのあるときを除き、原則として、通知は監理者を通じて、協議は監理者を参加させて行う。
3 発注者は、監理業務の担当者の氏名及び担当業務を受注者に通知する。
4 発注者の承諾を得て監理者が監理業務の一部を第三者に委託するときは、発注者は、当該第三者の氏名又は名称及び住所並びに担当業務を受注者に通知する。
(現場代理人及び監理技術者等)
第十条 受注者は、工事現場における施工の技術上の管理をつかさどる監理技術者又は主任技術者を定め、書面をもってその氏名を発注者に通知する。また、監理技術者補佐(建設業法(昭和二十四年法律第百号)第二十六条第三項ただし書に規定する者をいう。以下同じ。)又は専門技術者(建設業法第二十六条の二に規定する技術者をいう。以下同じ。)を定める場合、書面をもってその氏名を発注者に通知する。
第十条 受注者は、工事現場における施工の技術上の管理をつかさどる監理技術者又は主任技術者を定め、書面をもってその氏名を発注者に通知する。また、専門技術者(建設業法(昭和二十四年法律第百号)第二十六条の二に規定する技術者をいう。以下同じ。)を定める場合、書面をもってその氏名を発注者に通知する。
2 受注者は、現場代理人を定めたときは、書面をもってその氏名を発注者に通知する。
3 現場代理人は、この契約の履行に関し、工事現場の運営、取締りを行うほか、次の各号に定める権限を除き、この契約に基づく受注者の一切の権限を行使することができる。一 請負代金額の変更
二 工期の変更
三 請負代金の請求又は受領
四 第十二条第一項の請求の受理
五 工事の中止、この契約の解除及び損害賠償の請求
4 受注者は、前項の規定にかかわらず、自己の有する権限のうち現場代理人に委任せず自ら行使しようとするものがあるときは、あらかじめ、当該権限の内容を発注者に通知しなければならない。
5 現場代理人、監理技術者又は主任技術者及び専門技術者は、これを兼ねることができる。
5 現場代理人、監理技術者等(監理技術者、監理技術者補佐又は主任技術者をいう。第十二条において同じ。)及び専門技術者は、これを兼ねることができる。
(履行報告)
第十一条 受注者は、この契約の履行報告につき、設計図書に定めがあるときは、その定めるところにより発注者に報告しなければならない。
(工事関係者についての異議)
第十二条 発注者は、監理者の意見に基づいて、受注者の現場代理人、監理技術者又は主任技術者、専門技術者及び従業員並びに下請負者及びその作業員のうちに、工事の施工又は管理について著しく適当でないと認めた者があるときは、受注者に対して、その理由を明示した書面をもって、必要な措置をとることを求めることができる。
第十二条 発注者は、監理者の意見に基づいて、受注者の現場代理人、監理技術者等、専
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門技術者及び従業員並びに下請負者及びその作業員のうちに、工事の施工又は管理について著しく適当でないと認めた者があるときは、受注者に対して、その理由を明示した書面をもって、必要な措置をとることを求めることができる。
2 受注者は、第九条第三項で定められた担当者又は同条第四項で委託された第三者の処置が著しく適当でないと認めたときは、発注者に対して、その理由を明示した書面をもって、必要な措置をとることを求めることができる。
3 受注者は、監理者の処置が著しく適当でないと認められるときは、発注者に対して異議を申し立てることができる。
(工事材料及び建築設備の機器等)
第十三条 受注者は、設計図書において監理者の検査を受けて使用すべきものと指定された工事材料又は建築設備の機器については、当該検査に合格したものを用いるものとし、設計図書において試験を受けて使用すべきものと指定された工事材料又は建築設備の機器については、当該試験に合格したものを使用する。
2 前項の検査又は試験に直接必要な費用は、受注者の負担とする。ただし、設計図書に別段の定めのない検査又は試験が必要と認められる場合に、これらを行うときは、当該検査又は試験に要する費用及び特別に要する費用は、発注者の負担とする。
3 検査又は試験に合格しなかった工事材料又は建築設備の機器は、受注者の責任においてこれを引き取る。
4 工事材料又は建築設備の機器の品質については、設計図書に定めるところによる。設計図書にその品質が明示されていないものがあるときは、中等の品質のものとする。
5 受注者は、工事現場に搬入した工事材料又は建築設備の機器を工事現場外に持ち出すときは、発注者(発注者がこの項の業務を監理者に委託した場合は、監理者)の承認を受ける。
6 発注者(発注者がこの項の業務を監理者に委託した場合は、監理者)は、施工用機器について明らかに適当でないと認められるものがあるときは、受注者に対してその交換を求めることができる。
(支給材料及び貸与品)
第十四条 発注者が支給する工事材料若しくは建築設備の機器(以下これらを「支給材料」という。)又は貸与品は、発注者の負担と責任であらかじめ行う検査又は試験に合格したものとする。
2 受注者は、前項の検査又は試験の結果について疑義があるときは、発注者に対して、その理由を付してその再検査又は再試験を求めることができる。
3 受注者は、支給材料又は貸与品の引渡しを受けた後、種類、品質又は数量に関してこの契約の内容に適合しないこと(前二項の検査又は試験により発見することが困難であったものに限る。)等が明らかになるなど、これを使用することが適当でないと認められる理由があるときは、直ちにその旨を発注者(発注者が前二項の検査又は試験を監理者に委託した場合は、監理者)に通知し、その指示を求める。
4 支給材料又は貸与品の受渡期日は工程表によるものとし、その受渡場所は、設計図書
に別段の定めのないときは工事現場とする。
5 受注者は、支給材料又は貸与品について、善良な管理者としての注意をもって保管し、使用する。
6 支給材料の使用方法について、設計図書に別段の定めのないときは、発注者(発注者がこの項の業務を監理者に委託した場合は、監理者)の指示による。
7 不用となった支給材料(残材を含み、有償支給材料を除く。)又は使用済の貸与品の返還場所は、設計図書に別段の定めのないときは工事現場とする。
(発注者の立会い及び工事記録の整備)
第十五条 受注者は、設計図書に発注者又は監理者(以下「発注者等」という。)の立会いの上施工することが定められた工事を施工するときは、発注者等に通知する。
2 受注者は、発注者等の指示があったときは、前項の規定にかかわらず、発注者等の立会いなく施工することができる。この場合、受注者は、工事写真等の記録を整備して発注者等に提出する。
(設計、施工条件の疑義、相違等)
第十六条 受注者は、次の各号のいずれかに該当することを発見したときは、直ちに書面をもって発注者等に通知する。
一 図面若しくは仕様書の表示が明確でないこと又は図面と仕様書に矛盾、誤謬又は脱漏があること。
二 工事現場の状態、地質、湧水、施工上の制約等について、設計図書に示された施工条件が実際と相違すること。
三 工事現場において、土壌汚染、地中障害物の発見、埋蔵文化財の発掘その他施工の支障となる予期することのできない事態が発生したこと。
2 受注者は、図面若しくは仕様書又は監理者の指示によって施工することが適当でないと認めたときは、直ちに書面をもって発注者等に通知する。
3 発注者(発注者がこの項の業務を監理者に委託した場合は、監理者)は、前二項の通知を受けたとき又は自ら第一項各号のいずれかに該当することを発見したときは、直ちに書面をもって受注者に対して指示する。
4 前項の場合、発注者及び受注者は、相手方に対し、必要と認められる工期の変更又は請負代金額の変更を求めることができる。
(図面及び仕様書に適合しない施工)
第十七条 施工について、図面及び仕様書のとおりに実施されていない部分があると認められたときは、監理者の指示によって、受注者は、その費用を負担して速やかにこれを修補し、又は改造する。このために受注者は、工期の延長を求めることはできない。
2 発注者等は、図面及び仕様書のとおりに実施されていない疑いのある施工について、必要と認められる相当の理由があるときは、その理由を受注者に通知の上、必要な範囲で破壊してその部分を検査することができる。
3 前項の破壊検査の結果、図面及び仕様書のとおりに実施されていないと認められる場
合は、破壊検査に要する費用は受注者の負担とする。また、図面及び仕様書のとおりに実施されていると認められる場合は、破壊検査及びその復旧に要する費用は発注者の負担とし、受注者は、発注者に対して、その理由を明示して、必要と認められる工期の延長を請求することができる。
4 次の各号のいずれかの場合に生じた図面及び仕様書のとおりに実施されていないと認められる施工については、受注者は、その責任を負わない。
一 発注者等の指示によるとき。
二 支給材料、貸与品、図面及び仕様書に指定された工事材料若しくは建築設備の機器の性質又は図面及び仕様書に指定された施工方法によるとき。
三 第十三条第一項又は第十四条第一項の検査又は試験に合格した工事材料又は建築設備の機器によるとき。
四 その他施工について発注者等の責めに帰すべき事由によるとき。
5 前項の規定にかかわらず、施工について受注者の故意又は重大な過失によるとき又は受注者がその適当でないことを知りながらあらかじめ発注者又は監理者に通知しなかったときは、受注者は、その責任を免れない。ただし、受注者がその適当でないことを通知したにもかかわらず、発注者等が適切な指示をしなかったときは、この限りでない。
6 受注者は、監理者から工事を設計図書のとおりに実施するよう求められた場合において、これに従わない理由があるときは、直ちにその理由を書面で発注者に報告しなければならない。
(損害の防止)
第十八条 受注者は、工事の完成引渡しまで、自己の費用で、この契約の目的物、工事材料、建築設備の機器又は近接する工作物若しくは第三者に対する損害の防止のため、設計図書及び関係法令に基づき、工事と環境に相応した必要な処置をする。
2 この契約の目的物に近接する工作物の保護又はこれに関連する処置で、発注者及び受注者が協議して、前項の処置の範囲を超え、請負代金額に含むことが適当でないと認めたものの費用は発注者の負担とする。
3 受注者は、災害防止などのため特に必要と認めたときは、あらかじめ監理者の意見を求めて臨機の処置を取る。ただし、急を要するときは、処置をした後、発注者等に通知する。
4 発注者等が必要と認めて臨機の処置を求めたときは、受注者は、直ちにこれに応ずる。
5 前二項の処置に要した費用のうち、請負代金額に含むことが適当でないと認められるものの費用は発注者の負担とする。
(第三者に及ぼした損害)
第十九条 施工のため第三者に損害を及ぼしたときは、受注者がその損害を賠償する。ただし、その損害のうち発注者の責めに帰すべき事由により生じたものについては、発注者の負担とする。
2 前項の規定にかかわらず、施工について受注者が善良な管理者としての注意を払っても避けることができない騒音、振動、地盤沈下、地下水の断絶等の事由により第三者に
与えた損害を補償するときは、発注者がこれを負担する。
3 前二項の場合その他施工について第三者との間に紛争が生じた場合は、受注者がその処理解決に当たる。ただし、受注者だけで解決し難いときは、発注者は、受注者に協力する。
4 この契約の目的物に基づく日照阻害、風害、電波障害その他発注者の責めに帰すべき事由により、第三者との間に紛争が生じたとき又は損害を第三者に与えたときは、発注者がその処理解決に当たり、必要があるときは、受注者は、発注者に協力する。この場合において、第三者に与えた損害を補償するときは、発注者がこれを負担する。
5 第一項ただし書又は前三項の場合において、受注者は、発注者に対してその理由を明示して必要と認められる工期の延長を請求することができる。
(施工一般の損害)
第二十条 工事の完成引渡しまでに、この契約の目的物、工事材料、建築設備の機器、支給材料、貸与品その他施工一般について生じた損害は、受注者の負担とし、工期は延長しない。
2 前項の損害のうち、次の各号のいずれかの場合に生じたものは、発注者の負担とし、受注者は、発注者に対してその理由を明示して必要と認められる工期の延長を求めることができる。
一 発注者の都合によって、受注者が着手期日までに工事に着手できなかったとき又は発注者が工事を繰延べ若しくは中止したとき。
二 支給材料又は貸与品の受渡しが遅れたため、受注者が工事の手待又は中止をしたとき。
三 前払又は部分払が遅れたため、受注者が工事に着手せず、又は工事を中止したとき。四 その他発注者等の責めに帰すべき事由によるとき。
(不可抗力による損害)
第二十一条 天災その他自然的又は人為的な事象であって、発注者又は受注者のいずれにもその責めを帰することのできない事由(以下「不可抗力」という。)によって、工事の出来形部分、工事仮設物、工事現場に搬入した工事材料、建築設備の機器(有償支給材料を含む。)又は施工用機器について損害が生じたときは、受注者は、事実発生後速やかにその状況を発注者に通知する。
2 前項の損害について、発注者及び受注者が協議して重大なものと認め、かつ、受注者が善良な管理者としての注意をしたと認められるものは、発注者がこれを負担する。
3 火災保険、建設工事保険その他損害をてん補するものがあるときは、それらの額を前項の発注者の負担額から控除する。
(損害保険)
第二十二条 受注者は、工事中、工事の出来形部分及び工事現場に搬入した工事材料、建築設備の機器等に火災保険又は建設工事保険を付し、それらの証券の写しを発注者に提出する。設計図書に定められたその他の損害保険についても、同様とする。
2 受注者は、この契約の目的物又は工事材料、建築設備の機器等に前項の規定による保険以外の保険を付したときは、速やかにその旨を発注者に通知する。
(完成及び検査)
第二十三条 受注者は、工事を完了したときは、設計図書のとおりに実施されていることを確認して、発注者に対し、検査(発注者が立会いを監理者に委託した場合は、監理者立会いのもとに行う検査)を求める。
2 検査に合格しないときは、受注者は、工期内又は発注者(発注者がこの項の業務を監理者に委託した場合は、監理者)の指定する期間内に、修補し、又は改造して発注者に対し、検査(発注者が立会いを監理者に委託した場合は、監理者立会いのもとに行う検査)を求める。
3 受注者は、工期内又は設計図書の指定する期間内に、仮設物の取払い、後片付け等の処置を行う。ただし、処置の方法について発注者(発注者がこの項の業務を監理者に委託した場合は、監理者)の指示があるときは、当該指示に従って処置する。
4 前項の処置が遅れている場合において、催告しても正当な理由がなくなお行われないときは、発注者(発注者がこの項の業務を監理者に委託した場合は、監理者)は、代わってこれを行い、その費用を受注者に請求することができる。
(法定検査)
第二十四条 前条の規定にかかわらず、受注者は、法定検査(建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第七条から第七条の四までに規定する検査その他設計図書に定める法令上必要とされる関係機関による検査のうち、発注者が申請者となっているものをいう。以下同じ。)に先立つ適切な時期に、工事の内容が設計図書のとおりに実施されていることを確認して、発注者に対し、検査(発注者が立会いを監理者に委託した場合は、監理者立会いのもとに行う検査)を求める。
2 前項の検査に合格しないときは、受注者は、工期内又は発注者(発注者がこの項の業務を監理者に委託した場合は、監理者)の指定する期間内に、修補し、又は改造して発注者に対し、検査(発注者が立会いを監理者に委託した場合は、監理者立会いのもとに行う検査)を求める。
3 発注者は、受注者及び監理者立会いのもと、法定検査を受ける。この場合において、受注者は、必要な協力をする。
4 法定検査に合格しないときは、受注者は、修補、改造その他必要な処置を行い、その後については、前三項の規定を準用する。
5 第二項及び前項の規定にかかわらず、所定の検査に合格しなかった原因が受注者の責めに帰すことのできない事由によるときは、必要な処置内容につき、発注者及び受注者が協議して定める。
6 受注者は、発注者に対し、前項の協議で定められた処置の内容に応じて、その理由を明示して必要と認められる工期の延長又は請負代金額の変更を求めることができる。
(その他の検査)
第二十五条 受注者は、前二条に定めるほか、設計図書に発注者又は監理者の検査を受けることが定められているときは、当該検査に先立って、工事の内容が設計図書のとおりに実施されていることを確認して、発注者又は監理者に通知し、発注者等は、速やかに受注者の立会いのもとに検査を行う。
2 前項の検査に合格しないときは、受注者は、速やかに修補し、又は改造し、発注者等の検査を受ける。
(部分使用)
第二十六条 工事中におけるこの契約の目的物の一部の発注者による使用(以下「部分使用」という。)については、契約書及び設計図書の定めるところによる。契約書及び設計図書に別段の定めのない場合、発注者は、部分使用に関する監理者の技術的審査を受けた後、工期の変更及び請負代金額の変更に関する受注者との事前協議を経た上、受注者の書面による同意を得なければならない。
2 発注者は、部分使用をする場合は、受注者の指示に従って使用しなければならない。
3 発注者は、前項の指示に違反し、受注者に損害を及ぼしたときは、その損害を賠償しなければならない。
4 部分使用につき、法令に基づいて必要となる手続き(以下この項において「手続き」という。)は、発注者(発注者が手続きを監理者に委託した場合は、監理者)が行い、受注者は、これに協力する。また、手続きに要する費用は、発注者の負担とする。
(部分引渡し)
第二十七条 工事の完成に先立つこの契約の目的物の一部の発注者への引渡し(以下「部分引渡し」という。)については、契約書及び設計図書の定めるところによる。契約書及び設計図書に別段の定めのない場合、発注者は、部分引渡しに関して監理者に技術的審査を行わせ、部分引渡しを受ける部分(以下「引渡し部分」という。)に相当する請負代金額(以下「引渡し部分相当額」という。)の確定に関する受注者との事前協議を経た上、受注者の書面による同意を得なければならない。
2 受注者は、引渡し部分の工事が完了したときは、設計図書のとおりに実施していることを確認し、発注者に対し、検査(発注者が立会いを監理者に委託した場合は、監理者立会いのもとに行う検査)を求める。
3 前項の検査に合格しないときは、受注者は、速やかに修補し、又は改造して発注者に対し、検査(発注者が立会いを監理者に委託した場合は、監理者立会いのもとに行う検査)を求める。
4 引渡し部分の工事が前二項の検査に合格したときは、発注者は、引渡し部分相当額全額の支払いを完了すると同時に、その引渡しを受けることができる。
5 部分引渡しにつき、法令に基づいて必要となる手続(以下この項において「手続」という。)は、発注者(発注者が手続を監理者に委託した場合は、監理者)が行い、受注者は、これに協力する。また、手続に要する費用は、発注者の負担とする。
(請求及び支払い)
第二十八条 第二十三条第一項又は第二項の検査に合格したときは、契約書に別段の定めのある場合を除き、受注者は、発注者にこの契約の目的物を引き渡し、同時に、発注者は、受注者に請負代金の支払いを完了する。
2 受注者は、契約書に定めるところにより、工事の完成前に部分払を請求することができる。この場合、出来高払によるときは、受注者の請求額は契約書に別段の定めのある場合を除き、発注者等の検査に合格した工事の出来形部分並びに検査済の工事材料及び建築設備の機器に対する請負代金相当額の十分の九に相当する額とする。
3 受注者が前項の出来高払の支払いを求めるときは、その額について監理者の審査を経た上、支払請求締切日までに発注者に請求する。
4 前払を受けているときは、第二項の出来高払の請求額は、次の式によって算出する。請求額≒第二項による金額×[(請負代金額-前払金額)/請負代金額]
5 発注者が第一項の引渡しを受けることを拒み、又は引渡しを受けることができない場合において、受注者は、引渡しを申し出たときからその引渡しをするまで、自己の財産に対するのと同一の注意をもって、その物を保存すれば足りる。
6 前項の場合において、受注者が自己の財産に対するのと同一の注意をもって管理したにもかかわらずこの契約の目的物に生じた損害及び受注者が管理のために特に要した費用は、発注者の負担とする。
(著しく短い工期の禁止)
第二十九条 発注者は、工期の変更をするときは、変更後の工期を建設工事を施工するために通常必要と認められる期間に比して著しく短い期間としてはならない。
(工事又は工期の変更等)
第三十条 発注者は、必要があると認めるときは、工事を追加し、又は変更することができる。
2 発注者は、必要があると認めるときは、受注者に工期の変更を求めることができる。
3 受注者は、発注者に対して、工事内容の変更及び当該変更に伴う請負代金の増減額を提案することができる。この場合、受注者は、発注者と協議の上、発注者の書面による承諾を得た場合には、工事の内容を変更することができる。
4 第一項又は第二項により、発注者が受注者に損害を及ぼしたときは、受注者は、発注者に対してその補償を求めることができる。
5 受注者は、この契約に別段の定めのあるほか、工事の追加又は変更、不可抗力、関連工事の調整、近隣住民との紛争その他正当な理由があるときは、発注者に対して、その理由を明示して、必要と認められる工期の延長を請求することができる。
(請負代金額の変更)
第三十一条 発注者又は受注者は、次の各号のいずれかに該当するときは、相手方に対して、その理由を明示して必要と認められる請負代金額の変更を求めることができる。 一 工事の追加又は変更があったとき。
二 工期の変更があったとき。
三 第三条の規定に基づき関連工事の調整に従ったために増加費用が生じたとき。
四 支給材料又は貸与品について、品目、数量、受渡時期、受渡場所又は返還場所の変更があったとき。
五 契約期間内に予期することのできない法令の制定若しくは改廃又は経済事情の激変等によって、請負代金額が明らかに適当でないと認められるとき。
六 長期にわたる契約で、法令の制定若しくは改廃又は物価、賃金等の変動によって、この契約を締結した時から一年を経過した後の工事部分に対する請負代金相当額が適当でないと認められるとき。
七 中止した工事又は災害を受けた工事を続行する場合において、請負代金額が明らかに適当でないと認められるとき。
2 請負代金額を変更するときは、原則として、工事の減少部分については監理者の確認を受けた請負代金内訳書の単価により、増加部分については時価による。
(契約不適合責任)
第三十二条 発注者は、引き渡された工事目的物が種類又は品質に関して契約の内容に適合しないもの(以下「契約不適合」という。)であるときは、受注者に対し、書面をもって、目的物の修補又は代替物の引渡しによる履行の追完を請求することができる。ただし、その履行の追完に過分の費用を要するときは、発注者は履行の追完を請求することができない。
2 前項の場合において、受注者は、発注者に不相当な負担を課するものでないときは、発注者が請求した方法と異なる方法による履行の追完をすることができる。
3 第一項の場合において、発注者が相当の期間を定めて、書面をもって、履行の追完の催告をし、その期間内に履行の追完がないときは、発注者は、その不適合の程度に応じて、書面をもって、代金の減額を請求することができる。ただし、次の各号のいずれかに該当する場合は、催告をすることなく、直ちに代金の減額を請求することができる。
一 履行の追完が不能であるとき。
二 受注者が履行の追完を拒絶する意思を明確に表示したとき。
三 工事目的物の性質又は当事者の意思表示により、特定の日時又は一定の期間内に履行しなければ契約をした目的を達することができない場合において、受注者が履行の追完をしないでその時期を経過したとき。
四 前三号に掲げる場合のほか、発注者がこの項の規定による催告をしても履行の追完を受ける見込みがないことが明らかであるとき。
(発注者の中止権及び任意解除権)
第三十三条 発注者は、工事が完成するまでの間は、必要があると認めるときは、書面をもって受注者に通知して工事を中止し、又はこの契約を解除することができる。この場合において、発注者は、これによって生じる受注者の損害を賠償する。
2 発注者は、書面をもって受注者に通知して、前項で中止された工事を再開させるこ
とができる。
3 第一項により中止された工事が再開された場合、受注者は、発注者に対して、その理由を明示して、必要と認められる工期の延長を請求することができる。
4 第一項又は第二項に規定する手続がとられた場合、発注者は書面をもって監理者に通知し、前項の請求が行われた場合、受注者は書面をもって監理者に通知する。
(発注者の中止権及び催告による解除権)
第三十四条 発注者は、次の各号のいずれかに該当するときは、書面をもって受注者に通知して工事を中止し、又は相当の期間を定めてその履行の催告を書面をもって受注者に通知しその期間内に履行がないときはこの契約を解除することができる。ただし、その期間を経過した時における債務の不履行がこの契約及び取引上の社会通念に照らして軽微であるときは、この限りでない。
一 受注者が第六条第四項の報告を拒否したとき又は虚偽の報告をしたとき。
注 第一号は第六条(B)を選択した場合に使用する。(A)を選択した場合は削除する。
二 受注者が正当な理由なく、着手期日を過ぎても工事に着手しないとき。
三 工事が正当な理由なく工程表より著しく遅れ、工期内又は期限後相当期間内に、受注者が工事を完成する見込みがないと認められるとき。
四 受注者が第十七条第一項の規定に違反したとき。
五 受注者が正当な理由なく、第三十二条第一項の履行の追完を行わないとき。六 前各号に掲げる場合のほか、受注者がこの契約に違反したとき。
2 発注者は、書面をもって受注者に通知して、前項で中止された工事を再開させることができる。
3 前二項に規定する手続がとられた場合、発注者は書面をもって監理者に通知する。
(発注者の催告によらない解除権)
第三十五条 発注者は、次の各号のいずれかに該当するときは、書面をもって受注者に通知し、直ちにこの契約の解除をすることができる。
一 受注者が第六条第一項の規定に違反して、請負代金債権を譲渡したとき。
二 受注者が第六条第三項の規定に違反して、譲渡により得た資金を当該工事の施工以外に使用したとき。
注 第二号は第六条(B)を選択した場合に使用する。(A)を選択した場合は削除する。
三 受注者がこの契約の目的物を完成させることができないことが明らかであるとき。
四 受注者が第五条の規定に違反したとき。
五 受注者が建設業の許可を取り消されたとき又はその許可が効力を失ったとき。 六 資金不足による手形又は小切手の不渡りを出す等受注者が支払いを停止する等に
より、受注者が工事を続行できないおそれがあると認められるとき。
七 引き渡された工事目的物に契約不適合がある場合において、その不適合が目的物を除却した上で再び建設しなければ、契約の目的を達成することができないものであるとき。
八 受注者がこの契約の目的物の完成の債務の履行を拒絶する意思を明確に表示したとき。
九 受注者の債務の一部の履行が不能である場合又は受注者がその債務の一部の履行を拒絶する意思を明確に表示した場合において、残存する部分のみでは契約をした目的を達することができないとき。
十 契約の目的物の性質や当事者の意思表示により、特定の日時又は一定の期間内に履行しなければ契約をした目的を達することができない場合において、受注者が履行をしないでその時期を経過したとき。
十一 前各号に掲げる場合のほか、受注者がその債務の履行をせず、発注者が前条の催告をしても契約をした目的を達するのに足りる履行がされる見込みがないことが明らかであるとき。
十二 受注者が第三十八条第一項又は第三十九条第一項各号のいずれかに規定する理由がないにもかかわらず、この契約の解除を申し出たとき。
2 前項に規定する手続がとられた場合、発注者は書面をもって監理者に通知する。
(発注者の責めに帰すべき事由による場合の解除の制限)
第三十六条 第三十四条第一項各号又は前条第一項各号に定める場合が発注者の責めに帰すべき事由によるものであるときは、発注者は、第三十四条第一項又は前条第一項の規定による契約の解除をすることができない。
(受注者の中止権)
第三十七条 次の各号のいずれかに該当する場合において、受注者は、発注者に対し、書面をもって、相当の期間を定めて催告してもなお当該事由が解消されないときは、工事を中止することができる。
一 発注者が前払又は部分払を遅滞したとき。
二 発注者が第二条の工事用地等を受注者の使用に供することができないため又は不可抗力等のため、受注者が施工できないとき。
三 前二号のほか、発注者の責めに帰すべき事由により工事が著しく遅延したとき。
2 前項各号に掲げる中止事由が解消したときは、受注者は、工事を再開する。
3 前項により工事が再開された場合、受注者は、発注者に対して、その理由を明示して、必要と認められる工期の延長を請求することができる。
4 資金不足による手形又は小切手の不渡りを出す等発注者が支払いを停止する等により、発注者が請負代金の支払い能力を欠くと認められるとき(以下この項において「本件事由」という。)は、受注者は、書面をもって発注者に通知して工事を中止することができる。この場合において、本件事由が解消したときは、前二項を適用する。
5 前各項に規定するいずれかの手続がとられた場合、受注者は、監理者に書面をもって通知する。
(受注者の催告による解除権)
第三十八条 受注者は、発注者がこの契約に違反したときは、相当の期間を定めてその
履行の催告をし、その期間内に履行がないときは、この契約を解除することができる。ただし、その期間を経過した時における債務の不履行がこの契約及び取引上の社会通念に照らして軽微であるときは、この限りでない。
2 前項に規定する手続がとられた場合、受注者は、監理者に書面をもって通知する。
(受注者の催告によらない解除権)
第三十九条 受注者は、次の各号のいずれかに該当するときは、書面をもって発注者に通知して直ちにこの契約を解除することができる。
一 第三十七条第一項による工事の遅延又は中止期間が、工期の四分の一以上になったとき又は二カ月以上になったとき。
二 発注者が工事を著しく減少させたため、請負代金額が三分の二以上減少したとき。三 資金不足による手形又は小切手の不渡りを出す等発注者が支払いを停止する等に
より、発注者が請負代金の支払い能力を欠くと認められるとき。
2 前項に規定する手続がとられた場合、受注者は、監理者に書面をもって通知する。
(受注者の責めに帰すべき事由による場合の解除の制限)
第四十条 第三十八条第一項又は前条第一項各号に定める場合が受注者の責めに帰すべき事由によるものであるときは、受注者は、第三十八条第一項又は前条第一項の規定による契約の解除をすることができない。
(解除に伴う措置)
第四十一条 工事の完成前にこの契約を解除したときは、発注者が工事の出来形部分並びに検査済の工事材料及び建築設備の機器(有償支給材料を含む。)を引き受けるものとし、受ける利益の割合に応じて受注者に請負代金を支払わなければならない。
2 発注者が第三十四条第一項又は第三十五条第一項の規定によりこの契約を解除し、清算の結果過払いがあるときは、受注者は、過払額について、その支払いを受けた日から法定利率による利息を付けて発注者に返還する。
3 この契約を解除したときは、発注者及び受注者が協議して発注者又は受注者に属する物件について、期間を定めてその引取り、後片付け等の処置を行う。
4 前項の処置が遅れている場合において、催告しても正当な理由なくなお行われないときは、相手方は、代わってこれを行い、その費用を請求することができる。
5 第一項に規定する場合において、前各項の規定のほか解除に伴い生じる事項の処理については発注者及び受注者が民法の規定に従って協議して決める。
6 工事の完成後にこの契約が解除された場合は、解除に伴い生じる事項の処理については発注者及び受注者が民法の規定に従って協議して決める。
(発注者の損害賠償請求等)
第四十二条 発注者は、次の各号のいずれかに該当する場合は、これによって生じた損害の賠償を請求することができる。ただし、当該各号に定める場合がこの契約及び取引上の社会通念に照らして受注者の責めに帰することができない事由によるものであ
るときは、この限りでない。
一 受注者が契約期間内にこの契約の目的物を引き渡すことができないとき。二 この工事目的物に契約不適合があるとき。
三 第三十四条第一項又は第三十五条第一項(第六号を除く。)の規定により、この契約が解除されたとき。
四 前三号に掲げる場合のほか、受注者が債務の本旨に従った履行をしないとき又は債務の履行が不能であるとき。
2 前項第一号に該当し、発注者が受注者に対し損害の賠償を請求する場合の違約金は、契約書に別段の定めのない限り、延滞日数に応じて、請負代金額に対し年十パーセントの割合で計算した額とする。ただし、工期内に、部分引渡しのあったときは、請負代金額から部分引渡しを受けた部分に相応する請負代金額を控除した額について違約金を算出する。
(受注者の損害賠償請求等)
第四十三条 受注者は、次の各号のいずれかに該当する場合は、これによって生じた損害の賠償を請求することができる。ただし、当該各号に定める場合がこの契約及び取引上の社会通念に照らして発注者の責めに帰することができない事由によるものであるときは、この限りでない。
一 第三十七条第一項の規定により工事が中止されたとき。
二 第三十八条第一項又は第三十九条第一項の規定によりこの契約が解除されたとき。三 前二号に掲げる場合のほか、発注者が債務の本旨に従った履行をしないとき又は債
務の履行が不能であるとき。
2 発注者が第二十七条第四項又は第二十八条の請負代金の支払いを完了しないときは、受注者は、発注者に対し、延滞日数に応じて、支払遅滞額に対し年十パーセントの割合で計算した額の違約金を請求することができる。
3 発注者が前払又は部分払を遅滞しているときは、前項の規定を準用する。
4 発注者が第二項の遅滞にあるときは、受注者は、この契約の目的物の引渡しを拒むことができる。
5 第二十八条第五項及び第六項の規定は、前項の規定による引渡しの拒否について準用する。
(契約不適合責任期間等)
第四十四条 発注者は、引き渡された工事目的物に関し、第二十七条又は第二十八条に規定する引渡し(以下この条において単に「引渡し」という。)を受けた日から二年以内でなければ、契約不適合を理由とした履行の追完の請求、損害賠償の請求、代金の減額の請求又は契約の解除(以下この条において「請求等」という。)をすることができない。
2 前項の規定にかかわらず、建築設備の機器本体、室内の仕上げ・装飾、家具、植栽等の契約不適合については、引渡しの時、発注者が検査して直ちにその履行の追完を請求しなければ、受注者は、その責任を負わない。ただし、当該検査において一般的な注意
の下で発見できなかった契約不適合については、引渡しを受けた日から一年が経過する日まで請求等をすることができる。
3 前二項の請求等は、具体的な契約不適合の内容、請求する損害額の算定の根拠等当該請求等の根拠を示して、受注者の契約不適合責任を問う意思を明確に告げることで行う。
4 発注者が第一項又は第二項に規定する契約不適合に係る請求等が可能な期間(以下この項及び第七項において「契約不適合責任期間」という。)の内に契約不適合を知り、その旨を受注者に通知した場合において、発注者が通知から一年が経過する日までに前項に規定する方法による請求等をしたときは、契約不適合責任期間の内に請求等をしたものとみなす。
5 発注者は、第一項又は第二項の請求等を行ったときは、当該請求等の根拠となる契約不適合に関し、民法の消滅時効の範囲で、当該請求等以外に必要と認められる請求等をすることができる。
6 前各項の規定は、契約不適合が受注者の故意又は重過失により生じたものであるときには適用せず、契約不適合に関する受注者の責任については、民法の定めるところによる。
7 民法第六百三十七条第一項の規定は、契約不適合責任期間については適用しない。
8 発注者は、この契約の目的物の引渡しの際に、契約不適合があることを知ったときは、第一項の規定にかかわらず、書面をもってその旨を直ちに受注者に通知しなければ、当該契約不適合に関する請求等をすることができない。ただし、受注者がこの契約不適合があることを知っていたときは、この限りでない。
9 この契約が、住宅の品質確保の促進等に関する法律(平成十一年法律第八十一号)第九十四条第一項に規定する住宅新築請負契約である場合には、工事目的物のうち住宅の品質確保の促進等に関する法律施行令(平成十二年政令第六十四号)第五条に定める部分の瑕疵(構造耐力又は雨水の浸入に影響のないものを除く。)について請求等を行うことのできる期間は、十年とする。この場合において、前各項の規定は適用しない。
注 第九項は住宅の品質確保の促進等に関する法律(平成十一年法律第八十一号)第九十四条第一項に規
定する住宅新築請負契約の場合に使用することとする。
10 引き渡された工事目的物の契約不適合が第十七条第四項各号のいずれかの事由により生じたものであるときは、発注者は当該契約不適合を理由として、請求等をすることができない。ただし、同条第五項に該当するときは、この限りでない。
(紛争の解決)
第四十五条(A) この契約について発注者と受注者との間に紛争が生じたときは、契約書記載の調停人にその解決を依頼するか、又は建設業法による建設工事紛争審査会(以下この条において「審査会」という。)のあっせん又は調停によってその解決を図る。この場合において、審査会の管轄について発注者と受注者との間で特別の合意がないときは、同法第二十五条の九第一項又は第二項に定める審査会を管轄審査会とする。
2 発注者又は受注者が前項により紛争を解決する見込みがないと認めたとき、又は審査会があっせん若しくは調停をしないものとしたとき、又は打ち切ったときは、発注者又
は受注者は、仲裁合意書に基づいて審査会の仲裁に付することができる。
3 発注者又は受注者は、申し出により、この約款の各条項の規定により行う発注者と受注者との間の協議に第一項の調停人を立ち会わせ、当該協議が円滑に整うよう必要な助言又は意見を求めることができる。
4 前項の規定により調停人の立会いのもとで行われた協議が整わなかったときに発注者が定めたものに受注者が不服がある場合で、発注者又は受注者の一方又は双方が第一項の調停人のあっせん又は調停により紛争を解決する見込みがないと認めたときは、同項の規定にかかわらず、発注者及び受注者は、審査会のあっせん又は調停によりその解決を図る。
注 第三項及び第四項は、調停人を協議に参加させない場合には、削除する。
第四十五条(B) この契約について発注者と受注者との間に紛争が生じたときは、建設業法による建設工事紛争審査会(以下この条において「審査会」という。)のあっせん又は調停によってその解決を図る。この場合において、審査会の管轄について発注者と受注者との間で特別の合意がないときは、同法第二十五条の九第一項又は第二項に定める審査会を管轄審査会とする。
2 発注者又は受注者が前項により紛争を解決する見込みがないと認めたとき、又は審査会があっせん若しくは調停をしないものとしたとき、又は打ち切ったときは、発注者又は受注者は、仲裁合意書に基づいて審査会の仲裁に付することができる。
注 (B)は、あらかじめ調停人を選任せず、建設業法による建設工事紛争審査会により紛争の解決を図る場合に使用する。
(情報通信の技術を利用する方法)
第四十六条 この約款において書面により行わなければならないこととされている催告、請求、通知、承諾、報告、解除等は、建設業法その他の法令に違反しない限りにおいて、電子情報処理組織を利用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法を用いて行うことができる。ただし、当該方法は書面の交付に準ずるものでなければならない。
(補則)
第四十七条 この契約に定めのない事項については、必要に応じて発注者及び受注者が協議して定める。
〔別添〕
[裏面参照の上建設工事紛争審査会の仲裁に付することに合意する場合に使用する。]
仲 裁 合 意 書
工 事 名工事場所
令和 年 月 日に締結した上記建設工事の請負契約に関する紛争については、発注者及び受注者は、建設業法に規定する下記の建設工事紛争審査会の仲裁に付し、その仲裁判断に服する。
管轄審査会名 建設工事紛争審査会
〔管轄審査会名が記入されていない場合は建設業法第二十五条の九第一項又は第二項に定める建設工事紛争審査会を管轄審査会とする。〕
令和 年 月 日
発注者 印
受注者 印
〔裏面〕
仲裁合意書について
(一) 仲裁合意について
仲裁合意とは、裁判所への訴訟に代えて、紛争の解決を仲裁人に委ねることを約する当事者間の契約である。
仲裁手続によってなされる仲裁判断は、裁判上の確定判決と同一の効力を有し、た とえその仲裁判断の内容に不服があっても、その内容を裁判所で争うことはできない。ただし、消費者である発注者は、受注者との間に成立した仲裁合意を解除すること
ができる。また、事業者の申立てによる仲裁手続の第一回口頭審理期日において、消費者(発注者)である当時者が出頭せず、又は解除権を放棄する旨の意思を明示しないときは、仲裁合意を解除したものとみなされる。
(二) 建設工事紛争審査会について
建設工事紛争審査会(以下「審査会」という。)は、建設工事の請負契約に関する紛争の解決を図るため建設業法に基づいて設置されており、同法の規定により、あっせん、調停及び仲裁を行う権限を有している。また、中央建設工事紛争審査会(以下
「中央審査会」という。)は、国土交通省に、都道府県建設工事紛争審査会(以下「都道府県審査会」という。)は各都道府県にそれぞれ設置されている。審査会の管轄は、原則として、受注者が国土交通大臣の許可を受けた建設業者であるときは中央審査会、都道府県知事の許可を受けた建設業者であるときは当該都道府県審査会であるが、当事者の合意によって管轄審査会を定めることもできる。
審査会による仲裁は、三人の仲裁委員が行い、仲裁委員は、審査会の委員又は特別委員のうちから当事者が合意によって選定した者につき、審査会の会長が指名する。また、仲裁委員のうち少なくとも一人は、弁護士法の規定により弁護士となる資格を有する者である。
なお、審査会における仲裁手続は、建設業法に特別の定めがある場合を除き、仲裁法の規定が適用される。