Contract
令和2年4月以降 令和4年8月改定
受託者 国立大学法人長崎大学(以下「甲」という。)と委託者 ○○○○(以下「乙」という。)は、次の各条によって受託研究契約(以下「本契約」という。)を締結するものとする。
(定義)
第1条 本契約書において、次に掲げる用語は次の定義によるものとする。
一 「研究成果」とは、本契約に基づき実施された受託研究(以下「本受託研究」という。)から得られたもので、第3条に規定する報告書において成果として確定された本受託研究の目的に関係する発明、考案、意匠、著作物、ノウハウ、成果有体物等を含む一切の技術的成果をいう。
二 「知的財産権」とは、次に掲げるものをいう。
イ 特許法(昭和34年法律第121号)に規定する特許権、実用新案法(昭和34年法律第123号)に規定する実用新案権、意匠法(昭和34年法律第125号)に規定する意匠権、商標法(昭和34年法律第127号)に規定する商標権、半導体集積回路の回路配置に関する法律(昭和60年法律第43号)に規定する回路配置利用権、種苗法(平成10年法律第83号)に規定する育成者権及び外国における上記各権利に相当する権利
ロ 特許法に規定する特許を受ける権利、実用新案法に規定する実用新案登録を受ける権利、意匠法に規定する意匠登録を受ける権利、商標法に規定する商標登録出願により生じた権利、半導体集積回路の回路配置に関する法律第3条第1項に規定する回路配置利用権の設定の登録を受ける権利、種苗法第3条に規定する品種登録を受ける権利及び外国における上記各権利に相当する権利
ハ 著作権法(昭和45年法律第48号)に規定するプログラムの著作物及びデータベースの著作物(以下「プログラム等」という。)に係る著作権並びに外国における上記各権利に相当する権利
ニ 秘匿することが可能な技術情報であって、かつ、財産的価値のあるものの中から、甲乙協議の上、特に指定するもの(以下「ノウハウ」という。)を使用する権利
ホ 研究成果としての有体物である試薬、材料、試料(遺伝子、細胞、微生物、材料、土壌、岩石、植物等を含む)、実験動物、試作品、モデル品、実験装置、各種研究成果情報を記録した電子記録媒体及び紙記録媒体等(以下「成果有体物」という。)を使用する権利
三 「発明等」とは、特許権の対象となるものについては発明、実用新案権の対象となるものについては考案、意匠権、商標権、回路配置利用権及びプログラム等の著作物の対象となるものについては創作、育成者権の対象となるものについては育成、ノウハウを使用する権利の対象となるものについては案出並びに成果有体物の対象となるものについては創作をいう。
四 知的財産権の「実施」とは、特許法第2条第3項に定める行為、実用新案法第2条第3項に定める行為、意匠法第2条第2項に定める行為、商標法第2条第3項に定める行為、半導体集積回路の回路配置に関する法律第2条第3項に定める行為、種苗法第2条第5項に定める行為、著作権法第2条第1項第15号及び同項第19号に定める行為、ノウハウの使用及び成果有体物の使用行為を業として行うことをいう。
五 「通常実施権等」とは、特許法に規定する通常実施権及び仮通常実施権、実用新案法に規定する通常実施権及び仮通常実施権、意匠法に規定する通常実施権及び仮通常実施権、商標法に規定する通常使用権、半導体集積回路の回路配置に関する法律に規定する通常利用権、種苗法に規定する通常利用権、第1項第2号ロに規定する権利の対象となるものについて実施する権利、プログラム等に係る著作権について許諾された非独占的な権利、ノウハウの実施及び利用について許諾された非独占的な権利、成果有体物の使用について許諾された非独占的な権利並びに外国における上記各権利に相当する権利をいう。
六 「独占的実施権等」とは、通常実施権等のうち、当該権利を許諾する者は自己実施及び第三者に実施許諾できず、当該権利を許諾された者において独占的に実施できる権利をいう。なお、必要があると認めるときは、甲乙協議の上、再実施許諾権付の権利とすることができる。
七 「専用実施権等」とは、特許法に規定する専用実施権及び仮専用実施権、実用新案法に規定する専用実施権、意匠法に規定する専用実施権、商標法に規定する専用使用権、半導体集積回路の回路配置に関する法律に規定する専用利用権、種苗法に規定する専用利用権並びに外国における上記各権利に相当する権利をいう。
八 「出願等」とは、特許権、実用新案権、商標権及び意匠権については出願、回路配置利用権については設定登録の申請、育成者権については品種登録の出願、著作権については著作物及び著作権の登録並びに外国における上記各権利に相当する権利の出願(仮出願を含む。)、申請及び登録をいう。
九 「研究担当者」とは本受託研究に従事する甲に属する次条に掲げる者及び第5条第2項に該当する者を、「研究協力者」とは次条及び第5条第2項記載以外の者であって第27条の規定に従い本受託研究に協力する者をいう。
十 「乙の指定する者」とは、乙と会社法(平成17年法律第86号)上の親会社若しくは子会社の関係にある会社又は乙が自らの事業のために製造を委託する者等を指し、乙から甲に書面により通知された者をいう。
十一 「技術移転機関」とは、甲が指定する機関であって、本受託研究の成果のうち甲及び乙が共有する知的財産権又は本受託研究の成果のうち甲が単独で所有する知的財産権について、次により実施の許諾又は譲渡等を行うが、自らは実施しない機関をいう。
イ 甲から委託を受けて甲以外の者に実施の許諾又は譲渡の手続きを行う。
ロ 甲が所有する知的財産権の持分の一部又は全部の譲渡を受けたときは、本契約に定める知的財産権に係る権利者としての権利・義務を甲から承継し、甲以外の者に実施の許諾又は知的財産権の譲渡を行う。
十二 「特定類型該当者」とは、「外国為替及び外国貿易法第25条第1項及び外国為替令第17条第2項の規定に基づき許可を有する技術を提供する取引又は行為について」(平成4年12月21日付け4貿局第492号)1(3)サ①から③までに掲げる者(自然人である居住者に限る。)をいう。
(受託研究の題目等)
第2条 甲は、次の本受託研究を乙の委託により実施するものとする。
(1) 研究題目
(2) 研究目的
(3) 研究内容
(4) 研究担当者
(5) 研究に要する経費 円 (消費税額及び地方消費税額を含む)
(うち直接経費 円)
(うち間接経費 円)
(6) 研究期間 ○○年○○月○○日から○○年○○月○○日までとする
(7) 提供物品 [物 品 名] [数 量]
(8) 研究場所
(9) その他
(研究成果の報告)
第3条 甲は、本受託研究が完了した日の翌日から起算して30日以内に、本受託研究の実施期間中に得られた研究成果についてとりまとめた報告書(以下「研究成果報告書」という。)を乙に提出するものとする。
(ノウハウの指定)
第4条 甲及び乙は、協議の上、研究成果報告書に記載された研究成果のうち、ノウハウに該当するものについて、速やかに指定するものとする。
2 ノウハウの指定に当たっては、秘匿すべき期間を明示するものとする。
3 前項の秘匿すべき期間は、甲乙協議の上、決定するものとし、原則として、本受託研究完了の日の翌日から起算して3年間とする。ただし、甲乙協議の上、秘匿すべき期間は延長し、又は短縮することができる。
(研究の遂行)
第5条 甲は、本受託研究を自己の責任において行うこととし、その実施に当たり被った損害については乙に対して賠償を請求しない。ただし、乙の提供物品に、瑕疵があったことに起因して甲が損害を被ったときは、乙は甲の損害を賠償するものとする。
2 甲は、甲に属する者を新たに本受託研究の研究担当者として参加させようとするときは、あらかじめ相手方に書面により通知するものとする。
(再委託)
第6条 甲は書面による事前の乙の承諾なしに、受託研究の再委託等この契約に基づく権利及び義務を、第三者に承継させてはならない。
(研究経費の納付)
第7条 乙は、第2条(5)の研究に要する経費(以下「研究経費」という。)を甲の発行する請求書により、当該請求書に定める納付期限までに甲の指定する銀行口座に振り込まなければならない。なお、甲の指定する銀行口座への入金等に係る手数料は、乙の負担とする。
2 乙は前項に規定する納付期限までに前項の研究経費を支払わないときは、納付期限の日の翌日から納付日までの日数に応じ、その未納額に民法(明治29年法律第89号)に規定する法定利率の割合で計算した延滞金を納付しなければならない。
(経理)
第8条 前条の研究経費の管理、執行及び経理処理は甲が行う。
2 甲は、乙から、前項の研究経費の経理に係る書類の閲覧の申し出があった場合には、閲覧の日程及び対象となる書類の範囲について乙と協議の上、これに応じるものとする。
(研究経費により取得した設備等の帰属)
第9条 第7条第1項の研究経費により甲が取得した設備等の所有権は、甲に帰属するものとする。
(提供物品の搬入等)
第10条 第2条(7)の提供物品の搬入及び据付に要する経費は、乙の負担とする。
(研究の中止又は期間の延長)
第11条 天災その他の不可抗力又は研究遂行上止むを得ない事由があるときは、甲乙協議の上、本受託研究を中止し、又は研究期間を延長することができる。この場合において、甲又は乙は本受託研究の中止又は延長に伴い相手方に生ずる一切の損害、損失、責任等について、何ら責任を負わないものとする。
2 前項に基づく場合を除き、乙からの本受託研究中止又は延長の申し入れがあった場合は、甲乙協議の上、双方の書面による合意のあるときに限り、本受託研究を中止又は延長できるものとする。
3 本受託研究に係る研究期間、研究経費及び研究内容に関して大幅な変更がある場合は、甲乙協議の上、受託研究変更契約書を締結するものとする。
(研究の完了又は中止等に伴う研究経費等の取扱い)
第12条 本受託研究を完了し、又は前条の規定により本受託研究を中止した場合において、第7条第1項の規定により納付された研究経費(間接経費を除く。)の額に不用が生じ、かつ、乙から甲に対して不用となった額の返還請求があったときは、甲は乙に不用となった額を返還する。なお、乙の指定する銀行口座への入金等に係る手数料は、返還額から差し引くものとする。
2 前項の規定にかかわらず、乙からの申し出により本受託研究を中止する場合には、原則として研究経費は返還しないものとする。
3 甲は、前条の規定による研究期間の延長により納付された研究経費(間接経費を含む。以下この項において同じ。)に不足を生じる恐れが発生した場合には、直ちに乙に書面により通知するものとする。この場合において、乙は甲と協議の上、不足する研究経費を負担するかどうかを決定するものとする。乙が研究経費を負担できないときには、本契約の継続について、甲乙協議の上、決定するものとする。
(提供物品の返還)
第13条 甲は、本受託研究を完了し、又は第11条の規定により本受託研究を中止したときは、第2条(7)の提供物品のうち甲に所有権が移転していない提供物品を、研究完了又は中止の時点の状態で乙に返還するものとする。この場合において、撤去及び搬出に要する経費は、乙の負担とする。
(研究成果の取扱いにおける基本的な考え方)
第14条 甲及び乙は、研究成果に係る取扱いについて、次の各号に留意し、協議・交渉を行うものとする。
本研究において甲に属する研究担当者又は研究協力者によって創造された知的財産権は、甲あるいは甲に属する研究担当者又は研究協力者の所有となること
甲の責務として、甲の研究成果を社会に還元する必要があること
第一号の知的財産権が、第2条に定める研究経費に加えて、甲に属する研究担当者等の人件費を負担し、又、甲の施設・設備等を利用して得られた研究成果であること
甲は、知的財産権により収益があった場合、当該知的財産権に関する発明等を得た甲の研究担当者等に、特許法第35条における「相当の利益」を、甲の規則等に基づき支払う義務があること
(知的財産権を受ける権利・出願等)
第15条 甲は、本受託研究の実施に伴い発明等が生じた場合には、速やかに乙に通知するものとする。
2 本受託研究の実施に伴い生じた発明等に係る知的財産権は甲に帰属(以下「甲単独所有の知的財産権」という。)するものとし、単独で出願等の手続きを行うものとする。
3 前項の規定にかかわらず、甲は、乙の秘密情報を用いて発明等が生じた場合には、甲乙協議の上、乙との共有(以下「甲乙共有の知的財産権」という。)とし、甲及び乙の持分を協議して定め、共同で出願等の手続きを行うことができる。
4 前二項の規定にかかわらず、甲が自己に属する研究担当者から当該発明等を受ける権利を承継しないときは、乙に通知するものとし、乙は当該発明等に係る権利の持分及び出願等について当該研究担当者と協議の上、別途定めるものとする。
(外国出願)
第16条 前条の規定は、外国における発明等に関する知的財産権(著作権及びノウハウを除く。)の設定登録出願及び権利維持(以下「外国出願」という。)についても適用する。
2 甲及び乙は、前条第3項の甲乙共有の知的財産権に係る外国出願を行うにあたっては、双方協議の上行うものとする。
(甲単独所有の知的財産権の取扱い・出願等費用)
第17条 甲は、第15条第2項の規定により甲単独所有の知的財産権に係る出願等を、出願手続き及び権利維持等に要する費用(以下「出願等費用」という。)を負担して単独で行うことができ、出願したときには出願後に甲自ら又は技術移転機関を通して第三者への実施許諾又は譲渡の活動を行うものとする。
2 甲及び乙は、前項の甲による出願に先立ち、原則として、協議の上で次の各号のいずれかを選択するものとする。
一 乙又は乙の指定する者が独占的に実施することを表明する。この場合、乙又は乙の指定する者は、出願等費用を負担するものとする。
二 乙又は乙の指定する者が非独占的に実施することを表明する。この場合、乙又は乙の指定する者は、出願後の甲による第三者への通常実施権等の許諾に同意する。
三 乙又は乙の指定する者が独占的実施等の判断を検討すること(以下「優先交渉権」という。)を表明するとともに、その期間(以下「優先交渉期間」という。)を設定する。優先交渉期間は出願日から18か月を上限とし、当該期間中は、甲は乙又は乙の指定する者以外の者(以下「第三者」といい、甲の発明者の関与によって起業化された法人等も含む。)に実施許諾しない。この場合、乙又は乙の指定する者は、出願等費用に相当する優先交渉権行使の費用を支払う。
四 甲は、自己の持分の全てを乙又は乙の指定する者に有償で譲渡し、乙又は乙の指定する者が自己の費用負担で単独で出願する。この場合、譲渡対価については第20条第2項の規定に従う。
五 甲は、自己の持分の一部を乙又は乙の指定する者に有償で譲渡し、甲と乙又は乙の指定する者との共同出願とする。この場合、出願手続きについては第18条、譲渡対価については第20条第2項の規定に従う。
六 乙又は乙の指定する者が実施しないことを表明する。この場合、当該知的財産権の出願については前項の規定に従う。
3 甲は、前項第一号の規定に従い、甲単独所有の知的財産権について、乙又は乙の指定する者から独占的実施権等又は専用実施権等の申し入れがあった場合には、甲乙協議の上、当該知的財産権に係る出願等をした時(知的財産権がノウハウに該当するときは、起算点を別途協議する。)から10年間を限度として、乙又は乙の指定する者に対して独占的実施権等の許諾又は専用実施権等の設定を行うことができる。
4 甲は、乙又は乙の指定する者から前項に規定する独占的実施権等又は専用実施権等の期間(以下「実施期間」という。)を更新したい旨の申し出があった場合には、当該知的財産権の存続期間の範囲内で実施期間を更新するための変更契約を締結することができるものとする。
5 第3項の規定にかかわらず、乙又は乙の指定する者が出願後3年以内に甲単独所有の知的財産権に係る発明等を実施せず又は具体的な実施計画を提示しないとき、又は独占的実施権等の許諾又は専用実施権等の設定をしたことが公共の利益を著しく損なうと認められるときは、甲は乙に対し書面で通知し、乙と協議を行うものとする。この場合において、協議によって事態が改善されないときは、甲は独占的実施権等の許諾又は専用実施権等の設定を取り消し、第三者に許諾できる。
(甲乙共有の知的財産権の取扱い・出願等費用)
第18条 甲及び乙は、第15条第3項の規定及び第17条第2項第五号の規定による甲乙共有の知的財産権の出願に先立ち、原則として、協議の上で次の各号のいずれかを選択するものとする。乙が次の第一号から第三号のいずれかを選択したときは、乙又は乙の指定する者が出願等費用を負担するものとし、共同出願等契約を締結する。
一 乙又は乙の指定する者が独占的に実施することを表明する。
二 乙又は乙の指定する者が非独占的に実施することを表明する。この場合、乙又は乙の指定する者は、出願後の甲による第三者への甲の持分の譲渡又は通常実施権等の許諾に同意する。
三 乙又は乙の指定する者が優先交渉期間を設定する。優先交渉期間は出願後18か月を上限とし、この期間中は、甲は第三者に実施許諾しない。
四 甲は、甲の持分の全てを乙又は乙の指定する者に有償で譲渡し、乙又は乙の指定する者が自己の費用負担で単独で出願する。この場合、譲渡対価については第20条第3項の規定に従う。
五 乙又は乙の指定する者が実施しないことを表明する。この場合、当該知的財産権について、出願をしないか、又は乙が自己の持分を放棄して甲が自己の費用負担で単独で出願するかを、甲乙協議の上、定める。
2 甲は、前項第一号の規定に従い、乙又は乙の指定する者から甲乙共有の知的財産権について独占的実施の申し入れがあった場合には、当該知的財産権に係る出願等をした時(知的財産権がノウハウに該当するときは、起算点を別途協議する。)から10年間を限度としてこれを認めるものとする。
3 甲は、乙又は乙の指定する者から前項の実施期間を更新したい旨の申し出があった場合には、当該知的財産権の存続期間の範囲内で実施期間を更新するための変更契約を締結することができるものとする。
4 第2項の規定にかかわらず、乙又は乙の指定する者が出願後3年以内に甲乙共有の知的財産権に係る発明等を実施せず又は具体的な実施計画を提示しないとき、又は独占的実施権等の許諾をしたことが公共の利益を著しく損なうと認められるときは、甲は乙に対し書面で通知し、乙と協議を行うものとする。この場合において、協議によって事態が改善されないときは、甲は独占的実施権等の許諾を取り消し、第三者に許諾できる。
(甲における研究成果の使用)
第19条 甲及び甲の研究担当者は、第4条のノウハウの秘匿義務及び第24条の秘密保持義務を遵守の上、一切の研究成果を教育及び研究活動のために無償にて使用することができるものとする。
2 甲の研究担当者は、甲の所属を離れた場合であっても、研究成果を、第4条のノウハウの秘匿義務及び第24条の秘密保持義務を遵守の上、教育及び研究の目的に限り、将来において所属する研究室(非営利研究機関に限る。)で使用することができるものとする。
(実施料等の対価)
第20条 甲単独所有の知的財産権を乙又は乙の指定する者が実施しようとするときは、別に実施契約で定める対価を甲に支払わなければならない。
2 甲単独所有の知的財産権を乙又は乙の指定する者が甲から譲受けようとする場合には、譲渡契約書において、譲渡一時金の他に、当該知的財産権が乙又は乙の指定する者の事業に貢献したときに甲への対価の支払いを前提に当事者間で協議することを定める。
3 甲乙共有の知的財産権の甲の持分を乙又は乙の指定する者が譲受けようとする場合には、譲渡契約書において、譲渡一時金の他に、当該知的財産権が乙又は乙の指定する者の事業に貢献したときに甲への対価の支払いを前提に当事者間で協議することを定める。
4 甲乙共有の知的財産権に係る発明等を乙又は乙の指定する者が実施しようとする場合には、甲乙協議の上、共同出願等契約において次のいずれかが適用されるかを定めるものとする。
一 第18条第1項第一号に従って、乙又は乙の指定する者が独占的に実施しようとするときは、乙は、別に実施契約で定める対価を甲に支払わなければならない。ただし、乙の指定する者が対価を負担するときは、甲は乙の指定する者に対して直接、対価を請求することができる。
二 第18条第1項第二号に従って、乙又は乙の指定する者が出願等費用を負担する場合には、乙又は乙の指定する者は対価を支払うことなく発明等を非独占的に実施することができる。この場合において、甲は出願後に第三者に対して甲の持分を譲渡すること及び通常実施権等を許諾することができ、乙はこれに対し同意しなければならない。また、甲及び乙が第三者から得た実施許諾の対価は甲乙の持分に応じて分配する。なお、甲及び乙は当該実施許諾の交渉・手続に要した外部費用(甲の指定する技術移転機関に支払う報酬も含む。)を控除できる。
5 甲又は乙が本契約発効日時点で所有する知的財産権又は出願等手続きを行っている知的財産権に係る発明等の実施、及び本契約発効後に本契約に関係なくなされた知的財産権に係る発明等の実施に関しては、本契約によって相手方に明示的又は黙示的に許諾されるものではなく、甲及び乙はかかる許諾を受けるときは、その可否、条件等について別途協議するものとする。
(プログラム著作権)
第21条 甲に属する研究担当者が単独で創作した著作物に関するプログラム著作権は、甲単独で創作したことについて乙の同意を得た上で、当該著作物を創作した甲に単独に帰属するものとする。
2 甲に属する研究担当者が乙に属する研究者等の協力を得て創作した著作物に関するプログラム著作権は、甲乙共有とし(以下「共有著作権」という。)、甲乙協議の上、当該著作物の創作に対する貢献度に応じて甲乙の持分比を書面で定めるものとする。
3 甲及び乙は、自己の研究担当者及び研究者等からプログラム著作権を承継するときは、自己の研究担当者及び研究者等に著作者人格権を行使しないことを約させるものとする。
4 甲は、専ら教育・研究を目的とするときは、共有著作権を一切の条件を付されることなく無償で利用することができる。
5 甲及び乙は、第2項及び第4項以外の共有著作権の取扱いについては、別途協議の上、決定するものとする。
(情報の開示)
第22条 乙は、本受託研究に関して乙の有する情報・知識等を甲の本受託研究遂行に必要な範囲において甲に開示するものとする。ただし、甲以外の者との契約により秘密保持義務を負っているものについては、この限りではない。
2 甲は、あらかじめ返還を条件に提供された資料等を、本受託研究完了後又は本受託研究中止後速やかに乙に返還するものとする。
(個人情報の取扱い)
第23条 甲及び乙は、相手方に開示する情報に個人情報が含まれる場合は、個人情報を削除あるいは個人を特定できない処理等を行ってから開示するものとする。
2 前項の規定にかかわらず、個人を特定できる個人情報の開示が必要な研究を遂行する場合には、当該研究の遂行において遵守すべき規則等に従って当該個人情報を取り扱うものとする。
(秘密の保持)
第24条 甲及び乙は、本受託研究の実施に当たり、相手方より開示又は提供を受けた技術上及び営業上の情報であって、開示又は提供の際に相手方より秘密である旨の表示がなされた情報(以下「秘密情報」という。)について、研究担当者、研究協力者並びに甲及び乙の役員及び知る必要のある最低限の従業員・教員・職員(以下「研究担当者等」という。)以外に開示・漏洩してはならない。秘密情報が、口頭又は視覚により開示されるときは、開示時点で秘密である旨を明確にし、開示後30日以内に、開示当事者が書面で相手方に対し通知するものとする。また、甲及び乙は、相手方より開示又は提供を受けた情報に関する秘密について、当該研究担当者等がその所属を離れた後も含め保持する義務を、当該研究担当者等に対し負わせるものとする。ただし、次のいずれかに該当する情報については、この限りではない。
一 開示を受け又は知得した際、既に自己が保有していたことを文書で証明できる情報
二 開示を受け又は知得した際、既に公知となっている情報
三 開示を受け又は知得した後、自己の責めによらずに公知となった情報
四 正当な権限を有する第三者から適法に取得したことを証明できる情報
五 相手方から開示された情報によることなく独自に開発・取得していたことを証明できる情報
六 書面により事前に相手方の同意を得たもの
2 甲及び乙は、前項で定める秘密情報並びに本受託研究によって得られた研究成果を、本受託研究並びに本契約に基づく知的財産権に係る発明等の出願及び実施以外の目的に使用してはならない。ただし、書面により事前に相手方の同意を得た場合はこの限りではない。
3 乙は、本受託研究の成果を実施するために、乙の指定する者に対して秘密情報・研究成果等の開示又は提供を行う場合は、本契約において自己が負うものと同等の秘密保持義務及び目的外使用禁止の義務を乙の指定する者に課すものとする。
4 前三項の有効期間は、本受託研究開始の日から研究完了の日又は研究中止の日の翌日から3年間とする。ただし、甲乙協議の上、この期間を延長し、又は短縮することができるものとする。
(技術移転機関の利用及び秘密情報の提供)
第25条 甲単独所有の知的財産権を第17条第1項により甲の費用負担で出願した場合、及び当該甲単独所有の知的財産権につき第17条第2項第二号により甲が第三者へ許諾することを乙が同意する場合、又は甲乙共有の知的財産権につき、第18条第1項第二号により甲がその持分を第三者へ許諾又は譲渡することに乙が同意する場合は、甲は技術移転機関に当該許諾又は譲渡の業務を委託することができる。
2 甲が前項の業務を技術移転機関に委託した場合は、甲は当該技術移転機関に対し、甲が当該知的財産権に係る権利者として負う本契約に定める権利・義務を、甲に代わり履行するよう、義務づけるものとする。
3 甲は、当該技術移転機関に対して秘密情報・研究成果等の開示又は提供を行う場合は、当該技術移転機関に対し、本契約において自己が負うものと同等の秘密保持義務を課すものとする。
(研究成果の公表)
第26条 甲及び乙は、本受託研究完了の日(研究期間が複数年度にわたる場合は各年度末)若しくは本受託研究中止の日の翌日から起算し3か月以降又は出願等の後、本受託研究によって得られた研究成果(研究期間が複数年度にわたる場合は当該年度に得られた研究成果)について、第24条で規定する秘密保持の義務を遵守した上で開示、発表又は公開すること(以下「研究成果の公表等」という。)ができるものとする。ただし、研究成果の公表という大学の社会的使命を踏まえ、相手方の同意を得た場合は、公表の時期を早めることができる。なお、甲及び乙は、いかなる場合であっても、相手方の同意なく、ノウハウを開示してはならない。
2 前項の場合、甲又は乙(以下「公表希望当事者」という。)は、研究成果の公表等を行おうとする日の30日前までにその内容を書面にて相手方に通知しなければならない。また、公表希望当事者は、事前の書面による了解を得た上で、その内容が本受託研究の結果得られたものであることを明示することができる。
3 通知を受けた相手方は、前項の通知の内容に、研究成果の公表等が将来期待される利益を侵害する恐れがあると判断したときは、当該通知受理後15日以内に開示、発表又は公開される技術情報の修正を書面にて公表希望当事者に通知するものとし、公表希望当事者は、相手方と十分な協議をしなくてはならない。公表希望当事者は、研究成果の公表等により将来期待される利益を侵害する恐れがあると判断される部分については、相手方の同意なく、公表してはならない。ただし、相手方は、正当な理由なく、かかる同意を拒んではならない。
4 第2項に定める相手方に通知しなければならない期間は、第24条第4項に規定する秘密保持期間とする。ただし、甲乙協議の上、この期間を延長し、又は短縮することができる。
5 甲の場合における第2項及び第3項に規定する通知は、甲の研究担当者の通知をもって足りるものとする。
(研究協力者の参加及び協力)
第27条 甲乙のいずれかが、本受託研究遂行上、研究担当者以外の者の参加又は協力を得ることが必要と認めた場合には、相手方の同意を得た上で、当該研究担当者以外の者を研究協力者として本受託研究に参加させることができる。
2 研究担当者以外の者が研究協力者となるに当たっては、当該研究担当者以外の者を研究協力者に加えるよう相手方に同意を求めた甲又は乙(以下「当該当事者」という。)は、研究協力者となる者に本契約内容を遵守させなければならない。
3 当該当事者は、当該当事者が本受託研究に参加させた研究協力者が相手方に損害を与えた場合には、当該研究協力者にその損害の賠償を請求することができるよう、その取扱いを別に定めておくものとする。
4 研究協力者が本受託研究の結果、知的財産権に係る発明等を行った場合の取扱いについては、本契約の知的財産権に係る規定を準用するものとする。
(安全保障輸出管理)
第28条 甲及び乙は、本契約に従い相手方から提供される貨物又は技術を輸出又は非居住者若しくは特定類型該当者への提供を行う場合には、外国為替及び外国貿易法等に従い輸出許可取得等必要な手続きを行う。
2 甲及び乙は、本契約又は個別契約に従い相手方から提出・支給・貸与されるいかなる貨物又は技術も大量破壊兵器等の設計・製造・使用・保管等の目的に自ら使用せず、また、かかる目的に使用されることが判明している若しくは疑いがある場合は直接・間接を問わず輸出又は非居住者若しくは特定類型該当者への提供を行わない。
(契約の解約)
第29条 甲は、乙が第7条に規定する研究経費を所定の納付期限までに支払わないときは、本契約を解約することができる。
2 甲及び乙は、次の各号のいずれかに該当し、当該事項に係る相手方への書面による催告後30日以内に是正されないときは、本契約を解約することができるものとする。
一 相手方が本契約の履行に関し、不正又は不当の行為をしたとき
二 相手方が本契約に違反したとき
3 甲は、乙が次の各号のいずれかに該当した場合は、何らの催告を要せずに本契約を 解約することができる。
一 破産手続、民事再生手続、会社更生手続、特定調停手続、特別清算を申立又は申立を受けたとき
二 銀行取引停止処分を受け又は支払停止に陥ったとき
三 仮差押命令を受け、又は公租公課の滞納処分を受けたとき
四 解散の決議をしたとき
(反社会的勢力の排除)
第30条 甲又は乙(法人の場合にあっては、その役員又は使用人を含む。)は、相手方に対し、次の各号の事項を表明し、保証する。
一 自らが、暴力団、暴力団員、暴力団準構成員、暴力団員でなくなったときから5年を経過しない者、暴力団関係企業、総会屋、政治活動・宗教活動・社会運動標榜ゴロ、特殊知能暴力集団その他これらに準ずる者(以下、総称して「反社会的勢力」という。)に該当しないこと
二 反社会的勢力に自己の名義を利用させ、本契約を締結する者でないこと
三 自ら又は第三者を利用して、次の行為をしないこと
イ 相手方に対する脅迫的な言動又は暴力を用いる行為
ロ 偽計又は威力を用いて相手方の業務を妨害し、又は相手方の信用を毀損する行為
2 甲又は乙が、次の各号のいずれかに該当した場合は、相手方は、何らの催告なしに本契約を解約することができる。
一 前項第一号の確約に反する申告をしたことが判明した場合
二 前項第二号の確約に反し契約をしたことが判明した場合
三 前項第三号の確約に反する行為をした場合
3 甲又は乙は、前項により本契約を解約したことにより相手方に損害が生じたとしても、一切の損害賠償義務を負わないものとする。
(損害賠償)
第31条 甲又は乙は、第29条及び第30条に掲げる事由及び甲、乙、研究担当者又は研究協力者が故意又は重大な過失によって相手方に損害を与えたときには、その損害を賠償しなければならない。
(契約の有効期間)
第32条 本契約の有効期間は、第2条(6)に定める期間とする。
2 本契約の失効後も、第3条、第4条、第12条から第28条、第31条及び第34条の規定は、当該条項に定める期間又は対象事項が全て消滅するまで有効に存続する。
(協議)
第33条 本契約に定めのない事項について、これを定める必要があるときは、甲乙協議の上、定めるものとする。
(管轄裁判所)
第34条 本契約に関する訴えの管轄は、甲の所在地を管轄区域とする長崎地方裁判所とする。
この契約の締結を証するため、本契約書2通を作成し、甲、乙それぞれ1通を保管するものとする。
年 月 日
(甲)〒852-8521
長崎県長崎市文教町1番14号
国立大学法人長崎大学
学長 〔氏 名〕印
(乙)〒
〔住 所〕
〔機関名称〕
〔代表者職氏名〕 印