Contract
(案)
公立大学法人xx県立大学工事請負契約約款
(設計施工一括発注方式)
(総則)
第1条 発注者および受注者は、この約款(契約書を含む。以下同じ。)に基づき、設計図書に従い、日本国の法令を遵守し、この契約
(この約款および設計図書を内容とする設計、施工および工事監理の請負契約をいう。以下
同じ。)を履行しなければならない。
2 この約款における用語の定義は、この約款に特別の定めがある場合を除き、次の各号のとおりとする。
(1) 「設計図書」とは、別冊の図面、要求水準書、数量総括表、現場説明書、現場説明に対する質問回答書および設計成果物をいう。
(2) 「設計図書(設計成果物を除く。)」とは、別冊の図面、要求水準書、数量総括表、現場説明書および現場説明に対する質問回答書をいう。
(3) 「設計」とは、工事目的物の設計、仮設の設計 および設計に必要な調査またはそれらの一部をいう。
(4) 「施工」とは、工事目的物の施工および仮設の施工またはそれらの一部をいう。
(5) 「工事監理」とは、施工と設計成果物の照合、確認またはそれらに付随する業務をいう。
(6)「工事」とは、設計、施工および工事監理をいう。
(7) 「工事目的物」とは、この契約の目的物たる構造物をいう。
(8) 「設計成果物」とは、受注者が設計した工事目的物の施工および仮設の施工に必要な成果物またはそれらの一部をいう。
(9) 「工期」とは、契約書に明示した設計、施工および工事監理に要する始期日から終期日までの期間をいう。
3 受注者は、契約書記載の工事を契約書記載の工期内に完成し、設計成果物および工事目的物を発注者に引き渡すものとし、発注者は、そ
の請負代金を支払うものとする。
4 仮設、施工方法その他工事を完成するために必要な一切の手段(以下「施工方法等」という。)については、この約款および設計図書に特別の定めがある場合を除き、受注者がその責任において定める。
5 受注者は、この契約の履行に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。
6 この約款に定める催告、請求、通知、報告、申出、承諾および解除は、書面により行われなければならない。
7 この契約の履行に関して発注者と受注者との間で用いる言語は、日本語とする。
8 この契約に定める金銭の支払に用いる通貨は、日本円とする。
9 この契約の履行に関して発注者と受注者との間で用いる計量単位は、設計図書(設計成果物を除く。)に特別の定めがある場合を除き、計量法
(平成4年法律第51号)に定めるものとする。
10 この約款および設計図書(設計成果物を除く。)における期間の定めについては、民法(明治29年法律第89号)および商法
(明治32年法律第48号)の定めるところによるものとする。
11 この契約は、日本国の法令に準拠するものとする。
12 この契約に係る訴訟の管轄裁判所は、日本国における専属的合意による裁判所とする。
13 発注者は、この契約に基づくすべての行為を受注者に対して行うものとする。
(関連工事の調整)
第2条 発注者は、受注者の実施する工事および発注者の発注に係る第三者の実施する他の工事が実施上密接に関連する場合において、必要があるときは、その実施につき、調整を行うものとする。この場合においては、受注者は、発注者の調整に従い、当該第三者の行う工事の円滑な実施に協力しなければならない。
(請負代金内訳書および工程表)
第3条 受注者は、この契約締結後14日(発
注者が認める場合は、その日数)以内に設計 図書(設計成果物を除く。)に基づいて、 請負代金内訳書(以下「内訳書」という。) および設計の工程と施工の概略の工程を示 した総合工程表(以下「工程表」という。) を作成し、発注者に提出しなければならない。変更契約を締結したときも同様とする。
2 内訳書には、健康保険、厚生年金保険および雇用保険に係る法定福利費を明示するものとする。
3 第1項の内訳書および工程表は、発注者および受注者を拘束するものではない。
4 第1項の規定に基づく内訳書および工程表の提出は、発注者が必要がないと認めたときは、免除することができる。
(契約の保証)
第4条 受注者は、この契約の締結と同時に、次の各号のいずれかに掲げる保証を付さなければならない。ただし、第5号の場合においては、履行保証保険契約の締結後、直ちにその保険証券を発注者に寄託しなければならない。
(1) 契約保証金の納付
(2) 契約保証金に代わる担保となる有価証券等の提供
(3) この契約による債務の不履行により生じる損害金の支払を保証する銀行、発注者が確実と認める金融機関または保証事業会社(公共工事の前払金保証事業に関する法律(昭和27年法律第184号)第2条第
4項に規定する保証事業会社をいう。以下同じ。)の保証
(4) この契約による債務の履行を保証する公共工事履行保証証券による保証
(5) この契約による債務の不履行により生じる損害を填補する履行保証保険契約の締結
2 前項の保証に係る契約保証金の額、保証金額または保険金額(本項および第5項において「保証の額」という。)は、請負代金額の10分の1以上としなければならない。
3 受注者が第1項第3号から第5号までのいずれかに掲げる保証を付す場合は、当該保証は第
54条の4第 4項各号に規定する者による契約の解除の場合についても保証するものでなければならない。
4 第1項の規定により、受注者が同項第2号または第3号に掲げる保証を付したときは、当該保証は契約保証金に代わる担保の提供として行われたものとし、同項第4号または第5号に掲げる保証を付したときは、契約保証金の納付を免除する。
5 請負代金額の変更があった場合には、保証の 額が変更後の請負代金額の10分の1に達するまで、発注者は、保証の額の増額を請求すること ができ、受注者は、保証の額の減額を請求することができる。
6 第1項の規定に基づく契約の保証は、発注者が必要がないと認めたときは、免除することができる。
(権利義務の譲渡等)
第5条 受注者は、この契約により生じる権利または義務を第三者に譲渡し、または承継させてはならない。ただし、あらかじめ、発注者の承諾を得た場合は、この限りでない。
2 受注者は、設計成果物(未完成の設計成果物 および設計を行う上で得られた記録等を含む。)を第三者に譲渡し、貸与し、または質権その他 の担保の目的に供してはならない。ただし、あ らかじめ、発注者の承諾を得た場合は、この限 りでない。
3 受注者は、工事目的物、工事材料(工場製品を含む。以下同じ。)のうち第21条第2項の規定による検査に合格したものおよび第45条第3項の規定による部分払のための確認を受けたもの並びに工事仮設物を第三者に譲渡し、貸与し、または抵当権その他の担保の目的に供してはならない。ただし、あらかじめ、発注者の承諾を得た場合は、この限りでない。
4 受注者が前払金の使用や部分払等によってもなおこの契約の目的物に係る工事の実施に必要な資金が不足することを疎明したときは、発注者は、特段の理由がある場合を除き、受注者の請負代金債権の譲渡について、第1項ただし書および第2項ただし書の承諾をしなければなら
ない。
5 受注者は、前項の規定により、第1項ただし書および第2項ただし書の承諾を受けた場合は、請負代金債権の譲渡により得た資金をこの契約の目的物に係る工事の実施以外に使用してはならず、またその使途を疎明する書類を発注者に提出しなければならない。
(著作権の譲渡等)
第6条 受注者は、設計成果物(第46条第1項の規定により準用される第39条に規定する指定部分 に係る設計成果物を含む。以下本条から第9条までおよび第12条の2において同じ。)または設計成果物を利用して完成した建築物(以下「本件建築物」という。)が著作xx(昭和45年法律第4
8号)第2条第1項第1号に規定する著作物
(以下「著作物」という。)に該当する場合には、当該著作物に係る著作xx第2章および第3章に規定する著作者の権利(著作
xx第27条および第28条の権利を含む。以下本条から第9条までにおいて「著作x
x」という。)のうち受注者に帰属するもの(著作xx第2章第2款に規定する著作者人格権を除く。)を当該設計成果物の引渡し時に発注者に無償で譲渡する。
(著作者人格権の制限)
第7条 受注者は、発注者に対し、次の各号に掲げる行為をすることを許諾する。この場合において、受注者は著作xx第19条第1項または第20条第1項に規定する権利を行使してはならない。
(1) 設計成果物または本件建築物の内容を公表すること。
(2) 本件建築物の完成、増築、改築、修繕、模様替、維持、管理、運営、広報等のために必要な範囲で、設計成果物を発注者が自ら複製し、若しくは翻案、変形、改変、その他の修正をすることまたは発注者の委託した第三者をして複製させ、若しくは翻案、変形、改変その他の修正をさせること。
(3) 本件建築物を写真、模型、絵画その他
の媒体により表現すること。
(4) 本件建築物を増築し、改築し、修繕若しくは模様替により改変し、または取り壊すこと。
2 受注者は、次の各号に掲げる行為をしてはならない。ただし、あらかじめ、発注者の承諾または合意を得た場合はこの限りでない。
(1) 設計成果物または本件建築物の内容を公表すること。
(2) 本件建築物に受注者の実名または変名を表示すること。
3 発注者が著作xxを行使する場合において、受注者は、著作xx第19条第1項または第
20条第1項に規定する権利を行使してはならない。
(受注者の利用)
第8条 発注者は、受注者に対し、設計成果物 を複製し、または翻案することを許諾する。
(著作xxの侵害防止)
第9条 受注者は、その作成する設計成果物が、第三者の有する著作xxを侵害するものでな
いことを、発注者に対して保証する。
2 受注者は、その作成する設計成果物が第三者の有する著作xxを侵害し、第三者に対して損害の賠償を行い、または必要な措置を講じなければならないときは、受注者がその賠償額を負担し、または必要な措置を講ずるものとする。
(施工の一括委任または一括下請負の禁止)
第10条 受注者は、施工の全部若しくはその主たる部分または他の部分から独立してその機能を発揮する工作物の施工を一括して第三者に委任し、または請け負わせてはならない。
(設計および工事監理の一括再委託等の禁止)
第10条の2 受注者は、設計および工事監理
(以下「業務」という。)の全部を一括して、
または発注者が設計図書(設計成果物を除く。)において指定した主たる部分を第三者に委任し、 または請け負わせてはならない。
2 受注者は、前項の主たる部分のほか、発注者が設計図書(設計成果物を除く。)において指定した部分を第三者に委任し、または請け負わせてはならない。
3 受注者は、業務の一部を第三者に委任し、または請け負わせようとするときは、あらかじめ、発注者の承諾を得なければならない。ただし、発注者が設計図書(設計成果物を除く。)において指定した軽微な部分を委任し、または請け負わせようとするときは、この限りでない。
(下請負代金額等の通知)
第11条 発注者は、受注者に対して、下請負代金額その他必要な事項の通知を請求することができる。
(下請負人の健康保険等加入義務等)
第11条の2 受注者は、施工に当たり、次に掲げる届出の義務を履行していない建設業者等(建設業法(昭和24年法律第100号)第2条第3項に規定する建設業者および同法第3条第1項ただし書の政令で定める軽微な建設工事のみを請け負うことを営業とする者をいい、当該義務がない者を除く。以下
「社会保険等未加入建設業者」という。)を 下請負人(同法第2条第5項に規定する下請 負人をいう。以下同じ。)としてはならない。
(1) 健康保険法(大正11年法律第70号)第48条の規定による届出の義務
(2) 厚生年金保険法(昭和29年法律第11
5号)第 27条の規定による届出の義務
(3) 雇用保険法(昭和49年法律第116号)第7条の規定による届出の義務
2 前項の規定にかかわらず、受注者は、次の各号に掲げる下請負人の区分に応じて、当該各号に定める場合は、社会保険等未加入建設業者を施工の下請負人とすることができる。
(1) 受注者と直接下請契約(建設業法第2条第4項に規定する下請契約をいう。以下同じ。)を締結する下請負人 次のいずれにも該当する場合
イ 当該社会保険等未加入建設業者を下
請負人としなければ工事の施工が困難となる場合その他の特別の事情があると発注者が認める場合
ロ 発注者の指定する期間内に当該社会保険等未加入建設業者が前項各号に掲げる届出の義務を履行した事実を確認することができる書類(以下「確認書類」という。)を、受注者が発注者に提出した場合
(2) 前号に掲げる下請負人以外の下請負人次のいずれかに該当する場合
イ 当該社会保険等未加入建設業者を下請負人としなければ工事の施工が困難となる場合その他の特別の事情があると発注者が認める場合
ロ 発注者が受注者に対して確認書類の提出を求める通知をした日から30日(発注者が、受注者において確認書類を当該期間内に提出することができない相当の理由があると認め、当該期間を延長したときは、その延長後の期間)以内に、受注者が当該確認書類を発注者に提出した場合
3 受注者は、次の各号に掲げる場合は、発注者の請求に基づき、当該各号に定める額を違約金として発注者の指定する期間内に支払わなければならない。
(1) 社会保険等未加入建設業者が前項第1号に掲げる下請負人である場合において、同号イに定める特別の事情があると認められなかったときまたは受注者が同号ロに定める期間内に確認書類を提出しなかったとき 受注者が当該社会保険等未加入建設業者と締結した下請契約の最終の請負代金額の 10分の1に相当する額
(2) 社会保険等未加入建設業者が前項第2号 に掲げる下請負人である場合において、 同号イに定める特別の事情が認められず、かつ、受注者が同号ロに定める期間内に 確認書類を提出しなかったとき
当該社会保険等未加入建設業者がその注文者と締結した下請契約の最終の請負代金額の100分の5に相当する額
(特許xxの使用)
第12条 受注者は、特許権、実用新案権、意匠権、商標権その他日本国の法令に基づき保護される第三者の権利(以下「特許xx」という。)の対象となっている工事材料、設 計・施工方法等を使用するときは、その使用
に関する一切の責任を負わなければならない。ただし、発注者がその工事材料、設計・施工 方法等を指定した場合において、設計図書
(設計成果物を除く。)に特許xxの対象である旨の明示がなく、かつ、受注者がその存在を知らなかったときは、発注者は、受注者がその使用に関して要した費用を負担しなければならない。
(意匠の実施の承諾等)
第12条の2 受注者は、自ら有する登録意匠(意匠法(昭和34年法律第125号)第2条第3項に定める登録意匠をいう。)を設計に用いるときは、発注者に対し、設計成果物によって表現される構造物または設計成果物を利用して完成した構造物(以下「本件構造物等」という。)に係る意匠の実施を無償で承諾するものとする。
2 受注者は、本件構造物等の形状等に係る意匠法第3条に基づく意匠登録を受ける権利を発注者に無償で譲渡するものとする。
(監督職員)
第13条 発注者は、請負工事の実施については、その指定する職員(以下「監督職員」という。)にこれを監督させるものとする。
2 発注者は、監督職員を置いたときは、その氏名を受注者に通知しなければならない。監督職員を変更したときも同様とする。
3 監督職員は、この約款の他の条項に定めるものおよびこの約款に基づく発注者の権限とされる事項のうち発注者が必要と認めて監督職員に委任したもののほか、設計図書(設計成果物を除く。)に定めるところにより、次の各号に掲げる権限を有する。
(1) この契約の履行についての受注者または受注者の現場代理人に対する指示、承諾ま
たは協議
(2) 設計図書に基づく工事の施工のための詳細図等の作成および交付または受注者が作成した詳細図等の承諾
(3) 設計の進捗の確認、設計図書(設計成果物を除く。)の記載内容と履行内容との照合その他この契約の履行状況の監督
(4) 設計図書に基づく工程の管理、立会い、工事の施工状況の検査または工事材料の試験若しくは検査(確認を含む。)
4 発注者は、2人以上の監督職員を置き、前項の権限を分担させたときにあってはそれぞれの監督職員の有する権限の内容を、監督職員にこの約款に基づく発注者の権限の一部を委任したときにあっては当該委任した権限の内容を、受注者に通知しなければならない。
5 第3項の規定に基づく監督職員の指示または承諾は、原則として、書面により行わなければならない。
6 この約款に定める催告、請求、通知、報告、申出、承諾および解除については、設計図書に定めるものを除き、監督職員を経由して行うものとする。この場合においては、監督職員に到達した日をもって発注者に到達したものとみなす。
(現場代理人およびxx技術者等)
第14条 受注者は、次の各号に掲げる者を定めて工事現場に置いたときは、設計図書(設計成果物を除く。)に定めるところにより、その氏名その他必要な事項を発注者に通知しなければならない。これらの者を変更したときも同様とする。
(1) 現場代理人
(2) xx技術者(建設業法第26条第1項に 規定するxx技術者をいう。以下同じ。)、監理技術者(建設業法第26条第2項に規 定する監理技術者をいう。ただし、同条第
3項に該当する場合には、監理技術者資格者証の交付を受けている専任の監理技術者をいう。以下同じ。)または監理技術者補佐(建設業法第26条第3項ただし書に規定する者をいう。以下同じ。)
(3) 専門技術者(建設業法第26条の2の規定に該当する建設工事を受注者自ら施工する場合における当該工事現場における当該建設工事の施工の技術上の管理をつかさどる者をいう。以下同じ。)
2 現場代理人は、この契約の履行に関し、工事現場に常駐し、その運営、取締りを行うほか、請負代金額の変更、工期の変更、請負代金の請求および受領、第20条第1項の請求の受理、同条第3項の決定および通知、同条第4項の請求、同条第5項の通知の受理並びにこの契約の解除に係る権限を除き、この契約に基づく受注者の一切の権限を行使することができる。
ただし、施工の着手前については、工事現場への常駐を必要としないものとする。
3 発注者は、前項の規定にかかわらず、現場代理人の工事現場における運営、取締りおよび権限の行使に支障がなく、かつ、発注者との連絡体制が確保されると認めた場合には、現場代理人について工事現場における常駐を要しないこととすることができる。
4 受注者は、第2項の規定にかかわらず、自 己の有する権限のうち現場代理人に委任せ ず自ら行使しようとするものがあるときは、あらかじめ、当該権限の内容を発注者に通 知しなければならない。
5 建築工事におけるxx技術者または監理技術者は、建築士法(昭和25年法律第202号)に規定する建築士、建設業法第27条第
1項の規定による技術検定のうち検定種目を
1級の建築施工管理または2級の建築施工管理(種別を「建築」とするものに限る。)とするものに合格した者または同第15条第
2号ハの規定により同号イに掲げる者と同等以上の能力を有すると認められた者でなければならない。
6 現場代理人、監理技術者等(監理技術者、監理技術者補佐またはxx技術者をいう。以下同じ。)または専門技術者は、これを兼ねることができる。
7 受注者が現場代理人を置かないときは、第
2項に定める現場代理人の職務は、受注者
が執行する。
(管理技術者)
第15条 受注者は、設計の技術上の管理を行う管理技術者を定め、その氏名その他必要な事項を発注者に通知しなければならない。その者を変更したときも、同様とする。
2 管理技術者は、設計の履行に関し、技術上の管理および統轄を行う。
3 受注者は、前項の規定にかかわらず、自己の有する権限のうちこれを管理技術者に委任せず自ら行使しようとするものがあるときは、あらかじめ、当該権限の内容を発注者に通知しなければならない。
(工事監理者)
第16条 受注者は、工事監理の技術上の管理を行う工 事監理者を定め、その氏名その他必要な事項を発注者に通知しなければならない。その者を変更したときも、同様とする。
2 工事監理者は、工事監理の履行に関し、技術上の管理および統轄を行う。
3 受注者は、前項の規定にかかわらず、自己の有する権限のうちこれを工事監理者に委任せず自ら行使しようとするものがあるときは、あらかじめ、当該権限の内容を発注者に通知しなければならない。
(地元関係者との交渉等)
第17条 地元関係者との交渉等は、発注者が行うものとする。この場合において、発注者の指示があるときは、受注者はこれに協力しなければならない。
2 前項の場合において、発注者は、当該交渉等に関して生じた費用を負担しなければならない。
(土地への立入り)
第18条 受注者が調査のために第三者が所有する土地に立ち入る場合において、当該土地の所有者等の承諾が必要なときは、発注者がその承諾を得るものとする。この場合において、発注者の指示があるときは、受注者はこれに協
力しなければならない。
(履行報告)
第19条 受注者は、設計図書に定めるところにより、この契約の履行について発注者に報告しなければならない。
(工事関係者に関する措置請求)
第20条 発注者は、現場代理人がその職務
(監理技術者等、専門技術者または管理技術者と兼任する現場代理人にあっては、それらの者の職務を含む。)の執行につき著しく不適当と認められるときは、受注者に対して、その理由を明示した書面により、必要な措置を採るべきことを請求することができる。
2 発注者または監督職員は、監理技術者等、専門技術者、管理技術者(これらの者と現場代理 人を兼任する者を除く。)または工事監理者その他受注者が工事を実施するために使用している下請負人、労働者等で工事の実施または管理につき著しく不適当と認められるものがあるときは、受注者に対して、その理由を明示した書面により、必要な措置を採るべきことを請求することができる。
3 受注者は、前2項の規定による請求があったときは、当該請求に係る事項について決定し、その結果を当該 請求を受けた日から10日以内に発注者に通知しなければならない。
4 受注者は、監督職員がその職務の執行につき著しく不適当と認められるときは、発注者に対して、その理由を明示した書面により、必要な措置を採るべきことを請求することができる。
5 発注者は、前項の規定による請求があった
ときは、当該請求に係る事項について決定し、その結果を当該請求を受けた日から10日以 内に受注者に通知しなければならない。
(工事材料の品質および検査等)
第21条 工事材料の品質については、設計図書に定めるところによる。設計図書にその品質が明示されていない場合にあっては、中等の品質(営繕工事にあっては、均衡を得た
品質)を有するものとする。
2 受注者は、設計図書において監督職員の検査
(確認を含む。以下本条において同じ。)を受けて使用すべきものと指定された工事材料については、当該検査に合格したものを使用しなければならない。この場合において、当該検査に直接要する費用は、受注者の負担とする。
3 監督職員は、受注者から前項の検査を請求されたときは、請求を受けた日から7日(発注者があらかじめ定める場合は、その日数)以内に応じなければならない。
4 受注者は、工事現場内に搬入した工事材料を監督職員の承諾を受けないで工事現場外に搬出してはならない。
5 受注者は、前項の規定にかかわらず、第2項の検査 の結果不合格と決定された工事材料については、当該決定を受けた日から7日(発注者が認める場合は、その日数)以内に工事現場外に搬出しなければならない。
(監督職員の立会いおよび工事記録の整備等)
第22条 受注者は、設計図書において監督職員の立会いの上、調合し、または調合について見本検査を受けるものと指定された工事材料については、当該立会いを受けて調合し、または当該見本検査に合格したものを使用しなければならない。
2 受注者は、設計図書において監督職員の立会いの上、施工するものと指定された工事については、当該立会いを受けて施工しなければならない。
3 受注者は、前2項に規定するほか、発注者が 特に必要があると認めて設計図書において見 本または工事写真等の記録を整備すべきも のと指定した工事材料の調合または工事のx xをするときは、設計図書に定めるところによ り、当該見本または工事写真等の記録を整備し、監督職員の請求があったときは、当該請求を 受けた日から7日以内に提出しなければなら ない。
4 監督職員は、受注者から第1項または第2項の立会いまたは見本検査を請求されたときは、
当該請求を受けた日から7日(発注者があらかじめ定める場合は、その日数)以内に応じなければならない。
5 前項の場合において、監督職員が正当な理由なく受 注者の請求に7日(発注者があらかじめ
定める場合は、その日数)以内に応じないため、その後の工程に支障を来すときは、受注者は、
監督職員に通知した上、当該立会いまたは見本検査を受けることなく、工事材料を調合して使用し、または工事を施工することができる。この場合において、受注者は、当該工事材料の調合または当該工事の施工を適切に行ったことを証する見本または工事写真等の記録を整備し、監督職員の請求があったときは、当該請求を受けた日から7日以内に提出しなければならない。
6 第1項、第3項または前項の場合において、見本検査または見本若しくは工事写真等の記録の整備に直接要する費用は、受注者の負担とする。
(支給材料および貸与品)
第23条 発注者が受注者に支給する業務に必 要な物品等および工事材料(以下「支給材料」という。)並びに貸与する業務に必要な物品 等および建設機械器具(以下「貸与品」とい う。)の品名、数量、品質、規格または性能、引渡場所および引渡時期は、設計図書に定め るところによる。
2 監督職員は、支給材料または貸与品の引渡しに当たっては、受注者の立会いの上、発注者の負担において、当該支給材料または貸与品
を検査しなければならない。この場合において、当該検査の結果、その品名、数量、品質または
規格若しくは性能が設計図書の定めと異なり、または使用に適当でないと認めたときは、受注者
は、その旨を直ちに発注者に通知しなければならない。
3 受注者は、支給材料または貸与品の引渡しを受けたときは、引渡しの日から7日以内に、発注者に受領書または借用書を提出しなければならない。
4 受注者は、支給材料または貸与品の引渡しを受
けた後、当該支給材料または貸与品に種類、品質または数量に関し この契約の内容に適合しないこと(第2項の検査により発見することが困難であったものに限る。)などがあり、使用に適当でないと認めたときは、その旨を直ちに発注者に通知しなければならない。
5 発注者は、受注者から第2項後段または前項 の規定による通知を受けた場合において、必要 があると認められるときは、当該支給材料若し くは貸与品に代えて他の支給材料若しくは貸与 品を引き渡し、支給材料若しくは貸与品の品名、数量、品質若しくは規格若しくは性能を変更 し、または理由を明示した書面により、当該 支給材料若しくは貸与品の使用を受注者に請 求しなければならない。
6 発注者は、前項に規定するほか、必要があると認めるときは、支給材料または貸与品の品名、数量、品質、規格若しくは性能、引渡場所または引渡時期を変更することができる。
7 発注者は、前2項の場合において、必要があると認められるときは工期若しくは請負代金額を変更し、または受注者に損害を及ぼしたときは必要な費用を負担しなければならない。
8 受注者は、支給材料および貸与品を善良なx x者の注意をもって管理しなければならない。
9 受注者は、設計図書に定めるところにより、工事の完成、設計図書の変更等によって不用となった支給材料または貸与品を発注者に返還しなければならない。
10 受注者は、故意または過失により支給材料または貸与品が滅失若しくは毀損し、またはその返還が不可能となったときは、発注者の指定した期間内に代品を収め、若しくは原状に復して返還し、または返還に代えて損害を賠 償しなければならない。
11 受注者は、支給材料または貸与品の使用方法が設計図書に明示されていないときは、監督職員の指示に従わなければならない。
(工事用地の確保等)
第24条 発注者は、工事用地その他設計図書
(設計成果物を除く。)において定められた
工事の施工上必要な用地(以下「工事用地等」という。)を受注者が工事の施工上必要とす る日(設計図書(設計成果物を除く。)に特
別の定めがあるときは、その定められた日)までに確保しなければならない。
2 受注者は、確保された工事用地等を善良な管理者の注意をもって管理しなければならない。
3 工事の完成、設計図書の変更等によって工事用地等が不用となった場合において、当該工事用地等に受注者が所有または管理する工事材料、建設機械器具、仮設物その他の物件
(下請負人の所有または管理するこれらの物件を含む。以下本条において同じ。)があるときは、受注者は、当該物件を撤去するとともに、当該工事用地等を修復し、取り片付けて、発注者に明け渡さなければならない。
4 前項の場合において、受注者が正当な理由なく、相当の期間内に当該物件を撤去せず、または工事用地等の修復若しくは取り片付けを行わないときは、発注者は、受注者に代わって当該物件を処分し、または工事用地等の修復若しくは取り片付けを行うことができる。この場合においては、受注者は、発注者の処分または修復若しくは取り片付けについて異議を申し出ることができず、また、発注者の処分または修復若しくは取り片付けに要した費用を負担しなければならない。
5 第3項に規定する受注者の採るべき措置の期限、方法等については、発注者が受注者の意見を聴いて定める。
(設計図書不適合の場合の改造義務および破壊検査等)
第25条 受注者は、設計成果物の内容が、設計図書
(設計成果物を除く。)の内容に適合しない場合には、これらに適合するよう必要な修補を行わなければならない。また、当該不適合が施工済みの部分に影響している場合には、その施工部分に関する必要な改造を行わなければならない。この場合において、当該不適合が監督職員の指示によるときその他発注者の責めに帰すべき事由によるときは、発注者は、必要
があると認められるときは工期若しくは請負代金額を変更し、または受注者に損害を及ぼしたときは必要な費用を負担しなければならない。
2 受注者は、施工部分が設計図書に適合しない場合において、監督職員がその改造を請求したときは、当該請求に従わなければならない。この場合において、当該不適合が監督職員の指示によるときその他発注者の責めに帰すべき事由によるときは、発注者は、必要があると認められるときは工期若しくは請負代金額を変更し、または受注者に損害を及ぼしたときは必要な費用を負担しなければならない。
3 監督職員は、受注者が第21条第2項または第
22条第1項から第3項までの規定に違反した 場合において、必要があると認められるときは、施工部分を破壊して検査することができる。
4 前項に規定するほか、監督職員は、施工部分が設計図書に適合しないと認められる相当の理由がある場合において、必要があると認められるときは、当該相当の理由を受注者に通知して、施工部分を最小限度破壊して検査することができる。
5 前2項の場合において、検査および復旧に直接要する費用は、受注者の負担とする。
(条件変更等)
第26条 受注者は、工事の実施に当たり、次の各号のいずれかに該当する事実を発見したときは、その旨を直ちに監督職員に通知し、その確認を請求しなければならない。
(1) 図面、仕様書、現場説明書および現場説明に対する質問回答書が一致しないこと(これらの優先順位が定められている場合を除く。)
(2) 設計図書(設計成果物を除く。)に誤びゅうまたは脱漏があること。
(3) 設計図書(設計成果物を除く。)の表示が明確でないこと。
(4) 設計上の制約等設計図書(設計成果物除く。)に示された自然的または人為的な設計条件が 実際と相違すること。
(5)工事現場の形状、地質、湧水等の状態、施工上の制約等設計図書(設計成果物を除く。)に示された自然的若しくは人為的な施工条件と
実際の工事現場が一致しないこと。
(6) 設計図書で明示されていない業務の条件または施工条件について予期することのできない特別な状態が生じたこと。
2 監督職員は、前項の規定による確認を請求されたときまたは自ら同項各号に掲げる事実を発見したときは、受注者の立会いの上、直ちに調査を行わなければならない。ただし、受注者が立会いに応じない場合には、受注者の立会いを得ずに行うことができる。
3 発注者は、受注者の意見を聴いて、調査の 結果(これに対して採るべき措置を指示す る必要があるときは、当該指示を含む。) を取りまとめ、調査の終了後 14日以内に、その結果を受注者に通知しなければならない。ただし、その期間内に通知できないやむを得 ない理由があるときは、あらかじめ、受注者 の意見を聴いた上、当該期間を延長するこ とができる。
4 前項の調査の結果において第1項の事実が確認された場合において、次の各号に掲げるところにより、設計図書の訂正または変更を行わなければならない。
(1) 第1項第1号から第3号までのいずれかに該当し設計図書を訂正する必要があるものについては、設計図書(設計成果物を除く。)の訂正は発注者が行い、設計成果物の変更は受注者が行う。なお、受注者が変更を行った設計成果物については発注者の承諾を得るものとする。
(2) 第1項第4号から第6号に該当し設計図書を変更する場合で工事目的物の変更を伴うものについて は、設計図書(設計成果物を除く。)の変更は発注者が行い、設計成果物の変更は受注者が行う。なお、受注者が変更を行った設計成果物については発注者の承諾を得るものとする。
(3) 第1項第4号から第6号に該当し設計図 書を変更する場合で工事目的物の変更を伴 わないものについては、発注者と受注者と が協議して設計図書(設計成果物を除く。)の変更は発注者が行い、設計成果物の変更 は受注者が行う。なお、受注者が変更を行
った設計成果物については発注者の承諾を得るものとする。
5 前項の規定により設計図書の訂正または変更が行われた場合において、発注者は、必要があると認められるときは、工期若しくは請負代金額を変更し、または受注者に損害を及ぼしたときは必要な費用を負担しなければならない。
(設計図書の変更)
第27条 発注者は、前条第4項の規定によるほか、必要があると認めるときは、設計図書の変更内容を受注者に通知して、設計図書を変更することができる。この場合において、発注者は、必要があると認められるときは工期若しくは請負代金額を変更し、または受注者に損害を及ぼしたときは必要な費用を負担しなければならない。ただし、設計図書(設計成果物を除く。)の変更は発注者が行い、設計成果物の変更は受注者が行う。なお、受注者が変更を行った設計成果物については発注者の承諾を得るものとする。
(工事の中止)
第28条 工事用地等の確保ができない等のため、または暴風、豪雨、洪水、高潮、地震、地すべり、落盤、火災、騒乱、暴動その他の自然的または人為的な事象(以下「天災等」という。)であって、受注者の責めに帰すことができないものにより工事目的物等に損害を生じ、若しくは工事現場の状態が変動したため、受注者が工事を施工できないと認められるときは、発注者は、工事の中止内容を直ちに受注者に通知して、施工の全部または一部を一時中止させなければならない。
2 発注者は、前項の規定によるほか、必要があると認めるときは、工事の中止内容を受注者に通知して、工事の全部または一部を一時中止させることができる。
3 発注者は、前2項の規定により工事を一時中止させた場合において、必要があると認められるときは工期若しくは請負代金額を変更し、または受注者が工事の続行に備え工事現場を維持し、
若しくは労働者、建設機械器具等を保持するための費用その他の工事の一時中止に伴う増加費用を必要とし、若しくは受注者に損害を及ぼしたときは必要な費用を負担しなければならない。
(受注者の請求による工期の延長)
第29条 受注者は、天候の不良、第2条の規定に基づく関連工事の調整への協力その他受注者の責めに帰すことができない事由により工期内に工事を完成することができないときは、その理由を明示した書面により、発注者に工期の延長を請求することができる。
2 発注者は、前項の規定による請求があった場合において、必要があると認められるときは、工期を延長しなければならない。発注者は、その工期の延長が発注者の責めに帰すべき事由による場合においては、請負代金額について必要と認められる変更を行い、または受注者に損害を及ぼしたときは必要な費用を負担しなければならない。
(発注者の請求による工期の短縮等)
第30条 発注者は、特別の理由により工期を短縮する必要があるときは、工期の短縮を受注者に請求することができる。
2 発注者は、前項の場合において、必要があると認められるときは請負代金額を変更し、または受注者に損害を及ぼしたときは必要な費用を負担しなければならない。
(著しく短い工期の禁止)
第30条の2 発注者は、工期の延長または短縮を行うときは、この工事に従事する者の労働時間その他の労働条件が適正に確保されるよう、やむを得ない事由により工事等の実施が困難であると見込まれる日数等を考慮するものとする。
(工期の変更方法)
第31条 工期の変更については、発注者と受注者とが協議して定める。ただし、協議開始の日から14日(発注者があらかじめ定める場
合は、その日数)以内に協議が整わない場合には、発注者が定め、受注者に通知する。
2 前項の協議開始の日については、発注者が受注者の意見を聴いて定め、受注者に通知するものとする。ただし、発注者が工期の変更事由が生じた日(第29条の場合にあっては発注者が工期変更の請求を受けた日、第30条の場合にあっては受注者が工期変更の請求を受けた日)から7日以内に協議開始の日を通知しない場合には、受注者は、協議開始の日を定め、発注者に通知することができる。
(請負代金額の変更方法等)
第32条 請負代金額の変更については、発注者と受注者とが協議して定める。ただし、協議開始の日から1 4日(発注者があらかじめ定める場合は、その日数)以内に協議が整わない場合には、発注者が定め、受注者に通知する。
2 前項の協議開始の日については、発注者が受注者の意見を聴いて定め、受注者に通知するものとする。ただし、発注者が請負代金額の変更事由が生じた日から 7日以内に協議開始の日を通知しない場合には、受注者は、協議開始の日を定め、発注者に通知することができる。
3 この約款の規定により、受注者が増加費用を必要とした場合または損害を受けた場合に発注者が負担する必要な費用の額については、発注者と受注者とが協議して定める。
(賃金または物価の変動に基づく請負代金額の変更)
第33条 発注者または受注者は、工期内で、かつ、請負契約締結の日から12月を経過した後に日本国内における賃金水準または物価水準の変動により請負代金額が不適当となったと認めたときは、相手方に対して請負代金額の変更を請求することができる。
2 発注者または受注者は、前項の規定による請求があったときは、変動前残工事代金額(請負代金額から当該請求時の出来形部分に相応する請負代金額を控除した額をいう。以下本条において同じ。)と変動後残工事代金額(変
動後の賃金または物価を基礎として算出した変動前残工事代金額に相応する額をいう。以下本条において同じ。)との差額のうち、変動前残工事代金額の1000分の15を超える額につき、請負代金額の変更に応じなければならない。
3 変動前残工事代金額および変動後残工事代金額は、請求のあった日を基準とし、物価指数等に基づき発注者と受注者とが協議して定める。ただし、協議開始の日から14日(発注者があらかじめ定める場合は、その日数)以内に協議が整わない場合にあっては、発注者が定め、受注者に通知する。
4 第1項の規定による請求は、本条の規定により請負 代金額の変更を行った後再度行うことができる。この場合において、同項中「請負契約締結の日」とあるのは、
「直前の本条に基づく請負代金額変更の基準とした日」とするものとする。
5 特別な要因により工期内に主要な工事材料 の日本国内における価格に著しい変動を生じ、請負代金額が不適当となったときは、発注者 または受注者は、前各項の規定によるほか、 請負代金額の変更を請求することができる。
6 工期内に日本国内において急激なインフレーションまたはデフレーションその他の予期することのできない特別の事情の発生により、請負代金額が著しく不適当となったときは、発注者または受注者は、前各項の規定にかかわらず、請負代金額の変更を請求することができる。
7 前2項の場合において、請負代金額の変更額については、発注者と受注者とが協議して定める。ただし、協議開始の日から14日(発注者があらかじめ定める場合は、その日数)以内に協議が整わない場合にあっては、発注者が定め、受注者に通知する。
8 第3項および前項の協議開始の日については、発注者が受注者の意見を聴いて定め、受注者 に通知しなければならない。ただし、発注者 が第1項、第5項または第 6項の請求を行 った日または受けた日から7日以内に協議開 始の日を通知しない場合には、受注者は、協
議開始の日を定め、発注者に通知することができる。
(臨機の措置)
第34条 受注者は、災害防止等のため必要があると認めるときは、臨機の措置を採らなければならない。この場合において、必要があると認めるときは、受注者は、あらかじめ、監督職員の意見を聴かなければならない。ただし、緊急やむを得ない事情があるときは、この限りで ない。
2 前項の場合においては、受注者は、その採った措置の内容を監督職員に直ちに通知しなければならない。
3 監督職員は、災害防止その他工事の実施上特に必要があると認めるときは、受注者に対して臨機の措置を採ることを請求することができる。
4 受注者が、第1項または前項の規定により臨機の措置 を採った場合において、当該措置に要した費用のうち、受注者が請負代金額の範囲において負担することが適当でないと認められる部分については、発注者が負担する。
(一般的損害)
第35条 設計成果物および工事目的物の引渡し前に、設計成果物、工事目的物または工事材料について生じた損害その他工事の実施に関して生じた損害(次条第1項若しくは第2項または第37条第1項に規定する損害を除く。)については、受注者がその費用を負担する。ただし、その損害(第55条第1項の規定により付された保険等により填補された部分を除く。)のうち、発注者の責めに帰すべき事由により生じたものについては、発注者が負担する。
(第三者に及ぼした損害)
第36条 工事の実施について第三者に損害を及ぼし たときは、受注者がその損害を賠償しなければならない。ただし、その損害(第55条第
1項の規定により付された保険等により填補された部分を除く。以下本条において同じ。)の
うち、発注者の責めに帰すべき事由により生じたものについては、発注者が負担する。
2 前項の規定にかかわらず、工事の実施に伴い通常避 けることのできない騒音、振動、地盤沈下、地下水の断絶等の理由により第三者に損害を及ぼしたときは、発注者がその損害を負担しなければならない。ただし、その損害のうち工事の実施につき受注者が善良な管理者の注意義務を怠ったことにより生じたものについては、受注者が負担する。
3 前2項の場合その他工事の実施について 第三者との間に紛争を生じた場合においては、発注者および受注者は協力してその処理解 決に当たるものとする。
(不可抗力による損害)
第37条 設計成果物および工事目的物の引渡し前に、天災等(設計図書(設計成果物を除く。)で基準を定めたものにあっては、当該基準を超えるものに限る。)で発注者と受注者のいずれの責めにも帰すことができないもの(以下本条において「不可抗力」という。)により、設計成果物、工事目的物、仮設物または工事現場に搬入済みの調査機械器具、工事材料若しくは建設機械器具に損害が生じたときは、受注者は、その事実の発生後直ちに
その状況を発注者に通知しなければならない。
2 発注者は、前項の規定による通知を受けたときは、直ちに調査を行い、同項の損害(受注者が善良な管理者の注意義務を怠ったことに基づくものおよび第55条第1項の規定により付された保険等により填補された部分を除く。以下本条において「損害」という。)の状況を確認し、その結果を受注者に通知しな ければならない。
3 受注者は、前項の規定により損害の状況が確認されたときは、損害による費用の負担を発注者に請求することができる。
4 発注者は、前項の規定により受注者から損 害による費用の負担の請求があったときは、 当該損害の額(設計成果物、工事目的物、仮 設物または工事現場に搬入済みの調査機械器 具、工事材料若しくは建設機械器具であって、
第21条第2項、第22条第1項若しくは第
2項または第45条第3項の規定による検査、立会いその他受注者の工事に関する記録等に より確認することができるものに係る額に限 る。)および当該損害の取り片付けに要する 費用の額の合計額(第6項において「損害合 計額」という。)のうち、請負代金額の10
0分の1を超える額を負担しなければならない。
5 損害の額は、次の各号に掲げる損害につき、それぞれ当該各号に定めるところにより、算定する。
(1) 設計成果物または工事目的物に関する損害損害を受けた設計成果物または工事目的
物に相応する請負代金額とし、残存価値がある場合にはその評価額を差し引いた額とする。
(2) 工事材料に関する損害
損害を受けた工事材料で通常妥当と認められるものに相応する請負代金額とし、残存価値がある場合にはその評価額を差し引いた額とする。
(3) 仮設物、調査機械器具または建設機械器具に関する損害
損害を受けた仮設物、調査機械器具または建設機械器具で通常妥当と認められるものについて、当該工事で償却することとしている償却費の額から損害を受けた時点における設計成果物または工事目的物の出来形部分に相応する償却費の額を差し引いた額とする。ただし、修繕によりその機能を回復することができ、かつ、修繕費の額が本文の規定により算出した損害の額より少額であるものについては、その修繕費の額とする。
6 数次にわたる不可抗力により損害合計額が累積した場合における第2次以降の不可抗力による損害合計額の負担については、第4項中
「当該損害の額」とあるのは「損害の額の累計額」と、「当該損害の取り片付けに要する費用の額」とあるのは「損害の取り片付けに要する費用の額の累計額」と、「請負代金額の100分の1を超える額」とあるのは「請負代金額の1
00分の1を超える額から既に負担した額を
差し引いた額」として同項を適用する。
(請負代金額の変更に代える設計図書の変更)
第38条 発注者は、第12条、第23条、第
25条から第30条まで、第33条から第3
5条まで、前条または第41条の規定により請負代金額を増額すべき場合または費用を負担すべき場合において、特別の理由があるときは、請負代金額の増加額または費用の負担額の全部または一部に代えて設計図書を変更することができる。この場合において、設計図書の変更内容は、発注者と受注者とが協議して定める。ただし、協議開始の日から14日
(発注者があらかじめ定める場合は、その日数)以内に協議が整わない場合には、発注者が定め、受注者に通知する。
2 前項の協議開始の日については、発注者が受注者の 意見を聴いて定め、受注者に通知しなければならない。ただし、発注者が請負代金額の増額すべき事由または費用を負担すべき事由が生じた日から7日以内に協議開始の日を通知しない場合には、受注者は、協議開始の日を定め、発注者に通知することができる。
(検査および引渡し)
第39条 受注者は、工事を完成したときは、 その旨を発注者に通知しなければならない。
2 発注者は、前項の規定による通知を受けたときは、通知を受けた日から14日以内に、その指定する職員(以下「検査職員」という。)をして、受注者の立会いの上、設計図書に定めるところにより、工事の完成を確認するための検査を完了させるとともに、当該検査の結果を受注者に通知させなければならない。この場合において、検査員は、必要があると認められるときは、その理由を受注者に通知して、工事目的物を最小限度破壊して検査することができる。
3 前項の場合において、検査または復旧に直接要する費用は、受注者の負担とする。
4 発注者は、第2項の検査によって工事の完成を確認した後、受注者が設計成果物および工事目的物の引渡しを申し出たときは、直ち
に当該設計成果物および工事目的物の引渡しを受けなければならない。
5 発注者は、受注者が前項の申し出を行わないと きは、当該設計成果物および工事目的物の引渡 しを請負代金 の支払の完了と同時に行うこと を請求することができる。この場合においては、受注者は、当該請求に直ちに応じなければなら ない。
6 受注者は、工事が第2項の検査に合格しないときは、直ちに修補して検査員の検査を受けなければならない。この場合においては、修補の完了を工事の完成とみなして前各項の規定を適用する。
7 検査員は、第2項および前項の規定による検査を行うほか、施工の中途において必要があると認められる場合には、発注者が別に定めるところにより、施工の状況等の検査を行うことができる。この場合においては、第2項後段および第3項の規定を適用する。
(設計成果物および設計成果物に基づく施工の承諾)第39条の2 受注者は、設計のすべてまたは工程表に示した先行して施工する部分の設計が
完了したときは、その設計成果物を発注者に
提出しなければならない。
2 発注者は、提出された設計成果物および設計成果物に基づく施工を承諾する場合は、その旨を受注者に通知しなければならない。
3 受注者は、前項の規定による通知があるまでは、施工を開始してはならない。
4 第2項の承諾を行ったことを理由として、発注者は工事について何ら責任を負担するものではなく、また受注者は何らの責任を減じられず、かつ免ぜられているものではない。
(請負代金の支払)
第40条 受注者は、第39条第2項(同条第6項の規定により適用される場合を含む。第3項において同じ。)の検査に合格したときは、請負代金の支払を請求することができる。
2 発注者は、前項の規定による請求があったときは、請求を受けた日から40日以内に請負代金を支払わなければならない。
3 発注者がその責めに帰すべき事由により第
39条第2項の期間内に検査員をして検査を 完了させることができないときは、その期限を 経過した日から検査をした日までの期間の日数 は、前項の期間(以下本項において「約定期間」という。)の日数から差し引くものとする。こ の場合において、その遅延日数が約定期間の日 数を越えるときは、約定期間は、遅延日数が 約定期間の日数を越えた日において満了した ものとみなす。
(部分使用)
第41条 発注者は、第39条第4項または第5項の規定による引渡し前においても、工事目的物の全部または一部を受注者の承諾を得て使用することができる。
2 前項の場合においては、発注者は、その使用部分を善良な管理者の注意をもって使用しなければならない。
3 発注者は、第1項の規定により工事目的物の全部または一部を使用したことによって受注者に損害を及ぼしたときは、必要な費用を負担しなければならない。
(前金払および中間前金払)
第42条 受注者は、保証事業会社と、契約書記載の工事完成の時期を保証期限とする公共工事の前払金保証事業に関する法律第2条第5項に規定する保証契約(以下「保証契約」という。)を締結し、その保証証書を発注者に寄託して、施工に係る請負代金額の1 0分の4
(設計に係る前払金は10分の3)以内の前 払金の支払を発注者に請求することができる。
2 発注者は、前項の規定による請求があったときは、請求を受けた日から14日以内に前払金を支払わなければならない。
3 受注者は、第1項の前払金の支払を受けた後、保証事業会社と中間前払金に関し、契約書記載 の工事完成の時期を保証期限とする保証契約を 締結し、その保証証書を発注者に寄託して請 負代金額のうち業務に係る部分を除いた10 分の2以内の中間前払金の支払を発注者に請 求することができる。前項の規定は、この場
合について準用する。
4 受注者は、前項の中間前払金の支払を請求 しようとするときは、あらかじめ、発注者ま たは発注者の指定する者の中間前金払に係る 認定を受けなければならない。この場合にお いて、発注者または発注者の指定する者は、 受注者の請求があったときは、直ちに認定し、または認定しないことを決定し、その結果を 受注者に通知しなければならない。
5 受注者は、請負代金額が著しく増額された場合においては、その増額後の請負代金額の1
0分の4(第3項の規定により中間前払金の 支払を受けているときは10分の6、設計に 係る部分は10分の3)から受領済みの前払 金額(中間前払金の支払を受けているときは、中間前払金額を含む。次項および次条におい て同じ。)を差し引いた額に相当する額の範 囲内で前払金(中間前払金の支払を受けてい るときは、中間前払金 を含む。以下本条か ら第44条までにおいて同じ。)の支払を請 求することができる。この場合においては、 第2項の規定を準用する。
6 受注者は、請負代金額が著しく減額された場合において、受領済みの前払金額が減額後の請負代金額の1 0分の5(第3項の規定により中間前払金の支払を受けているときは10分の6、設計に係る部分は10分の4)を超えるときは、受注者は、請負代金額が減額された日から30日以内にその超過額を返還しなければならない。ただし、本項の期間内に第45条または第46条の規定による支払をしようとするときは、発注者は、その支払額の中からその超過額を控除することができる。
7 前項の期間内で前払金の超過額を返還する 前に、請負代金額を増額した場合において、 増額後の請負代金額が減額前の請負代金額以 上の額であるときは、受注者は、その超過額 を返還しないものとし、増額後の請負代金額 が減額前の請負代金額未満の額であり、かつ、受領済みの前払金の額がその増額後の請負 代金額の 10分の5(第3項の規定により 中間前払金の支払を受けているときは10分 の6、設計に係る部分は10分の4)の額を
超えるときは、受注者は、その超過額を返還しなければならない。
8 前2項の超過額が相当の額に達し、返還することが前払金の使用状況からみて著しく不適当であると認められるときは、発注者と受注者とが協議して返還すべき超過額を定める。ただし、請負代金額が減額された日から
14日以内に協議が整わない場合には、発注者が定め、受注者に通知する。
9 発注者は、受注者が第6項の期間内に超過額を返還しなかったときは、その未返還額につき、同項の期間を経過した日から返還をする日までの期間について、その日数に応じ、算定対象の期間において適用される政府契約の支払遅延防止等に関する法律(昭和24年法律第256号)第8条第1項の規定により財務大臣が決定した率(以下「支払遅延防止法の率」という。)の割合で計算した額の遅延利息の支払を請求することができる。
(保証契約の変更)
第43条 受注者は、前条第5項の規定により受領済みの前払金に追加して、さらに前払金の支払を請求する場合には、あらかじめ、保証契約を変更し、変更後の保証証書を発注者に寄託しなければならない。
2 受注者は、前項に定める場合のほか、請負代金額が 減額された場合において、保証契約を変更したときは、変更後の保証証書を直ちに発注者に寄託しなければならない。
3 受注者は、前払金の変更を伴わない工期の変 更が行われた場合には、発注者に代わりその旨 を保証事業会社に直ちに通知するものとする。
(前払金の使用等)
第44条 受注者は、前払金をこの工事の材料費、労務費、外注費(設計に係る部分に限
る。)、機械器具の賃借料(施工に係る部分に 限る。)、機械購入費(この工事において償却 される割合に相当する額に限る。)、動力費、 支払運賃、修繕費(施工に係る部分に限る。)、仮設費、労働者災害補償保険料(施工に係る部 分に限る。)および保証料に相当する額として
必要な経費以外の支払に充当してはならない。ただし、令和3年4月1日から令和4年3月3
1日までに、新たに請負契約を締結する工事に係る前払金で、令和4年3月31日までに払出しが行われるものについては、前払金の100分の25を超える額および中間前払金を除き、この工事の現場管理費および一般管理費等のうちこの工事の施工に要する費用に係る支払いに充当することができる。
(部分払)
第45条 受注者は、工事完成前に、出来形部分(業務に係る部分を除く。以下本条において同じ。)並びに工事現場に搬入済みの工事材料および製造工場等にある工場製品(第2
1条第2項の規定により監督職員の検査を要 するものにあっては当該検査に合格したもの、監督職員の検査を要しないものにあっては設 計図書で部分払の対象とすることを指定した ものに限る。)に相応する請負代金相当額の
10分の9以内の額について、次項から第7項までに定めるところにより部分払を請求することができる。ただし、この請求は、月1回を超えることができない。
2 受注者は、部分払を請求しようとするときは、あらかじめ、当該請求に係る出来形部分または 工事現場に搬入済みの工事材料若しくは製造 工場等にある工場製品の確認を発注者に請求 しなければならない。
3 発注者は、前項の場合において、当該請求を 受けた日から14日以内に、監督職員をして、受注者の立会いの上、設計図書に定めるところ により、同項の確認をするための検査を行わせ るとともに、当該確認の結果を受注者に通知さ せなければならない。この場合において、監督
職員は、必要があると認められるときは、その理由を受注者に通知して、出来形部分を最小限度破壊して検査することができる。
4 前項の場合において、検査または復旧に直接要する費用は、受注者の負担とする。
5 受注者は、第3項の規定による確認があったときは、部分払を請求することができる。この場合においては、発注者は、当該請求を受けた日
から14日以内に部分 払金を支払わなければならない。
6 部分払金の額は、次の式により算定する。 この場合において第1項の請負代金相当額は、発注者と受注者とが協議して定める。ただし、発注者が前項の請求を受けた日から10日
(発注者があらかじめ定める場合は、その日数)以内に協議が整わない場合には、発注者が定め、受注者に通知する。
部分払金の額≦第1項の請負代金相当
額(業務に係る部分を除く。)×(9/10)
-前払金額(施工に係る部分に限る。)/請負代金額(業務に係る部分を除く。)
7 第5項の規定により部分払金の支払があった後、再度部分払の請求をする場合においては、第1項および前項中「請負代金相当額」とあるのは「請負代金相当額から既に部分払いの対象となった請負代金相当額を控除した額」とするものとする。
(部分引渡し)
第46条 設計成果物および工事目的物について、発注者が設計図書において工事の完成に先立って引渡しを受けるべきことを指定した部分(以下「指定部分」という。)がある場合において、当該指定部分の工事が完成したときの当該工事に係る検査、設計成果物および工事目的物の引渡し、請負代金の支払等については、第39条および第40条の規定を準用する。この場合において、第39条中
「工事」とあるのは「指定部分に係る工事」と、
「設計成果物および工事目的物」とあるのは
「指定部分に係る設計成果物および工事目的物」と、「請負代金」とあるのは「部分引渡しに係る請負代金」と、第40条中「請負代金」とあるのは「部分引渡しに係る請負代金」と読み替えるものとする。
2 前項の規定により準用される第40条第1項の規定により請求することができる部分 引渡しに係る請負代金の額は、次の式により算定する。この場合において、指定部分に相応する請負代金の額は、発注者と受注者とが協議して定める。ただし、発注者が前項の規定により準用される第40条第1項の請求を
受けた日から14日(発注者があらかじめ定める場合は、その日数)以内に協議が整わない場合には、発注者が定め、受注者に通知する。
部分引渡しに係る請負代金の額=指定部分に相応
する請負代金の額×(1-前払金額/請負代金額)
(第三者による代理受領)
第47条 受注者は、発注者の承諾を得て請負代金の全部または一部の受領につき、第三者を代理人とすることができる。
2 発注者は、前項の規定により受注者が第三者を代理人とした場合において、受注者の提出する支払請求書に当該第三者が受注者の代理人である旨の明記がなされているときは、当該第三者に対して第40条(第 46条において準用する場合を含む。)または第45条の規定に基づく支払をしなければならない。
(前払金等の不払に対する工事中止)
第48条 受注者は、発注者が第42条、第45条または第46条において準用される第40条の規定に基づく支払を遅延し、相当の期間を定めてその支払を請求したにもかかわらず支払をしないときは、工事の全部または一部の実施を一時中止することができる。この場合においては、受注者は、その理由を明示した書面により、直ちにその旨を発注者に通知しなければならない。
2 発注者は、前項の規定により受注者が工事の実施を中止した場合において、必要があると認め
られるときは工期若しくは請負代金額を変更し、または受注者が工事の続行に備え工事現場を維
持し、若しくは労働者、建設機械器具等を保持するための費用その他の工事の実施の一時中止に伴う増加費用を必要とし、若しくは受注者に損害を及ぼしたときは必要な費用を負担しなければならない。
(契約不適合責任)
第49条 発注者は、引き渡された設計成果物および工事目的物が種類または品質に関して契約の内容に適合しないもの(以下「契約不適合」という。)であるときは、受注者に対し、目的
物の修補または代替物の引渡しによる履行の追完を請求することができる。ただし、契約不適合が重大でなく、かつ、その履行の追完に過分の費用を要するときは、発注者は、履行の追完を請求することができない。
2 前項の場合において、受注者は、発注者に不相当な負担を課するものでないときは、発注者が請求した方法と異なる方法による履行の追完をすることができる。
3 第1項の場合において、発注者が相当の期間を定めて履行の追完の催告をし、その期間内に履行の追完がないときは、発注者は、その不適合の程度に応じて代金の減額を請求することができる。ただし、次の各号のいずれかに該当する場合は、催告をすることなく、直ちに代金 の減額を請求することができる。
(1) 履行の追完が不能であるとき。
(2) 受注者が履行の追完を拒絶する意思を明確に表示したとき。
(3) 設計成果物および工事目的物の性質または当事者の意思表示により、特定の日時または一定の期間内に履行しなければ契約をした目的を達することができない場合において、受注者が履行の追完をしないでその時期を経過したとき。
(4)前3号に掲げる場合のほか、発注者がこの項の規定による催告をしても履行の追完を受ける見込みがないことが明らかであるとき。
第50条 削除
(発注者の催告による解除権)
第51条 発注者は、受注者が次の各号のいずれかに該当するときは、相当の期間を定めてその履行の催告をし、その期間内に履行がないときはこの契約を解除することができる。ただし、その期間を経過した時における債務の不履行がこの契約および取引上の社会通念に照らして軽微であるときは、この限りでない。
(1) 第5条第4項に規定する書類を提出せず、または虚偽の記載をしてこれを提出した
とき。
(2) 正当な理由なく、工事に着手すべき期日を過ぎても工事に着手しないとき。
(3) 工期内に完成しないときまたは工期経過後相当の期間内に工事を完成する見込みが明らかにないと認められるとき。
(4) 第14条第1項第2号、第15条第1項および第1 6条第1項に掲げる者を設置しなかったとき。
(5) 正当な理由なく、第49条第 1 項の履行の追完がなされないとき。
(6) 前各号に掲げる場合のほか、この契約に違反したとき。
(発注者の催告によらない解除権)
第51条の2 発注者は、この契約に関し、受 注者が次の各号のいずれかに該当するときは、直ちにこの契約を解除することができる。
(1) 受注者が、私的独占の禁止および公正取引の確保に関する法律(昭和22年法律第5
4号。以下「独占禁止法」という。)第4
9条に規定する排除措置命令(以下この号および次項において単に「排除措置命令」という。)を受け、当該排除措置命令が確定したとき。
(2) 受注者が、独占禁止法第62条第1項に規定する納付命令(以下この号および次項において単に「納付命令」という。)を受け、当該納付命令が確定したとき。
(3) 受注者(受注者が法人の場合にあっては、その役員または使用人を含む。)が、刑法
(明治40年法律第45号)第96条の6若しくは第198条または独占禁止法第8
9条第1項若しくは第95条第1項第1号の規定による刑に処せられたとき。
(4) 第5条第1項の規定に違反して請負代金債権を譲渡したとき。
(5) 第5条第4項の規定に違反して譲渡により得た資金を当該工事の実施以外に使用したとき。
(6) 契約の目的物を完成させることができないことが明らかであるとき。
(7) 引き渡された工事目的物に契約不適合がある
場合において、その不適合が目的物を除却した上で再び建設しなければ、契約の目的を達成することができないものであるとき。
(8) 受注者が契約の目的物の完成の債務の履行を拒絶する意思を明確に表示したとき。
(9) 受注者の債務の一部の履行が不能である場 合または受注者がその債務の一部の履行を 拒絶する意思を明確に表示した場合において、残存する部分のみでは契約をした目的を達す ることができないとき。
(10) 契約の目的物の性質や当事者の意思表示により、特定の日時または一定の期間内に履行しなければ契約をした目的を達することができない場合において、受注者が履行をしないでその時期を経過したとき。
(11) 前各号に掲げる場合のほか、受注者がその債務の履行をせず、発注者が第51条の催告をしても契約をした目的を達するのに足りる履行がされる見込みがないことが明らかであるとき。
(12) 第53条または第53条の2の規定によらないで契約の解除を申し出たとき。
2 発注者は、排除措置命令または納付命令が受注者でない者に対して行われた場合であって、これらの命令において、この契約に関し受注者の独占禁止法第3条または第8条第1号の規定に違反する行為があったとされ、これらの命令が確定したときは、直ちにこの契約を解除することができる。
第51条の3 発注者は、受注者が次の各号のいずれかに該当するときは、直ちにこの契約を解除することができる。
(1) 役員等(受注者が個人である場合にはその 者を、受注者が法人である場合にはその法 人の役員またはその支店若しくは営業所(常 時工事の請負契約を締結する事務所をいう。)を代表する者をいう。以下同じ。)が、集団 的に、または常習的に暴力的不法行為を行う おそれのある組織(以下「暴力団」という。) の関係者(以下「暴力団関係者」という。) であると認められるとき。
(2) 役員等が、暴力団、暴力団関係者、暴力団関係者が経営若しくは運営に実質的に関与
していると認められる法人若しくは組合等または暴力団若しくは暴力団関係者と非難されるべき関係を有していると認められる法人若しくは組合等を利用するなどしていると認められるとき。
(3) 役員等が、暴力団、暴力団関係者または暴 力団関係者が経営若しくは運営に実質的に 関与していると認められる法人若しくは組合 等に対して、資金等を供給し、または便宜を供 与するなど積極的に暴力団の維持運営に協力し、または関与していると認められるとき。
(4) 前3号のほか、役員等が、暴力団または暴力団関係者と社会的に非難されるべき関係を有していると認められるとき。
(5) 受注者の経営に暴力団関係者の実質的な関与があると認められるとき。
(6) 下請契約または資材、原材料の購入契約その他の契約に当たり、その相手方が前各号のいずれかに該当することを知りながら、当該者と契約を締結したと認められるとき。
(7) 受注者が、第1号から第5号までのいずれかに該当する者を下請契約または資材、原材料の購入契約その他の相手方としていた場合
(前号に該当する場合を除く。)に、発注 者が受注者に対して当該契約の解除を求め、受注者がこれに従わなかったとき。
(8) 暴力団または暴力団関係者が経営に実質的に関与していると認められる者に請負代金債権を譲渡したとき。
(発注者の任意解除権)
第52条 発注者は、工事が完成するまでの間 は、第5 1条から前条までの規定によるほか、必要があるときは、この契約を解除すること ができる。
(受注者の催告による解除権)
第53条 受注者は、発注者がこの契約に違反したときは、相当の期間を定めてその履行の催告をし、その期間内に履行がないときは、契約を解除することができる。ただし、その期間を経過した時における債務の不履行がこの契約および取引上の社会通念に照らして軽
微であるときは、この限りでない。
(受注者の催告によらない解除権)
第53条の2 受注者は、次の各号のいずれかに該当するときは、直ちにこの契約を解除することができる。
(1) 第27条の規定により設計図書(設計成果物を除く。)を変更したため請負代金が
3分の2以上減少したとき。
(2) 第28条の規定による工事の中止期間が工期の 10分の5(工期の10分の5が6月を超えるときは、6月)を超えたとき。ただし、中止が工事の一部のみの場合は、その一部を除いた他の部分の工事が完了した後3月を経過しても、なおその中止が解除されないとき。
(受注者の責めに帰すべき事由による場合の解除の制限)
第53条の3 第53条または前条各号に定
める場合が受注者の責めに帰すべき事由によるものであるときは、受注者は、前2条の規定による契約の解除をすることができない。
(解除の効果)
第54条 施工着手前に、この契約が解除された場合には、第1条第3項に規定する発注
者および受注者の義務は消滅する。ただし、第46条に規定する部分引渡しに係る部分
については、この限りでない。
2 発注者は、前項の規定にかかわらず、この契約が解除された場合において、設計の既履行部分(第46条の規定により部分引渡しを受けている場合には、当該引渡し部分を除くものとし、以下本条および次条において「既履行部分」という。)の引渡しを受ける必要が
らない。
3 前項に規定する既履行部分設計費は、発注者と受注者とが協議して定める。ただし、協議開始の日から 14日以内に協議が整わない場合には、発注者が定め、受注者に通知する。
(解除に伴う措置)
第54条の2 発注者は、この契約が工事の完成前に解除された場合においては、施工の出来形部分を検査の上、当該検査に合格した部分および部分払の対象となった工事材料の引渡しを受けるものとし、当該引渡しを受けたときは、当該引渡しを受けた出来形部分に相応する請負代金を受注者に支払わなければならない。この場合において、発注者は、必要があると認められるときは、その理由を受注者に通知して、出来形部分を最小限度破壊して検査することができる。
2 前項の場合において、検査または復旧に直接要する費用は、受注者の負担とする。
3 第1項の場合において、第42条の規定による前払金または中間前払金があったときは、当該前払金の額および中間前払金の額(第45条の規定による部分払をしているときは、その部分払において償却した前払金および中間前払金の額を控除した額)並びに第45条の規定による部分払をしているときはその部分払の額を同項前段の出来形部分に相応する請負代金額から控除する。この場合において、受領済みの前払金額および中間前払金額になお余剰があるときは、受注者は、解除が第51条から第51条の3までまたは第54条の 4第4項の規定によるときにあっては、その余剰額に前払金または中間前払金の支払の日から返還の日までの日数に応じ、支払遅延防止法の率の割合で計算した額の利息を付した額を、解除が第52条から第53条の2までの規定によるときにあっては、その余剰額を発注者に返還しなければならない。
あると認めたときは、既履行部分を検査の上、4 受注者は、この契約が工事の完成前に解除され
当該検査に合格した部分の引渡しを受けることができる。この場合において、発注者は、当該引渡しを受けた既履行部分に相応する請負代金(以下本条において「既履行部分設計費」という。)を受注者に支払わなければな
た場合において、支給材料があるときは、第1
項の出来形部分の検査に合格した部分に使用されているものを除き、発注者に返還しなければならない。この場合において、当該支給材料が受注者の故意若しくは過失により減失若しくは毀損
したとき、または出来形部分の検査に合格しな かった部分に使用されているときは、代品を納 め、若しくは原状に復して返還し、または返還 に代えてその損害を賠償しなければならない。
5 受注者は、この契約が工事の完成前に解除された場合において、貸与品があるときは、当該貸与品を発注者に返還しなければならない。この場合において、当該貸与品が受注者の故意または過失により滅失または毀損したときは、代品を納め、若しくは原状に復して返還し、または返還に代えてその損害を賠償しなければならない。
6 受注者は、この契約が工事の完成前に解除された場合において、工事用地等に受注者が所有または管理する設計の出来形部分(第4
6条第1項または第2項に規定する部分引渡しに係る部分および前条第2項に規定する検査に合格した既履行部分を除く。)、調査機械器具、工事材料、建設機械器具、仮設物その他の物件(下請負人の所有または管理するこれらの物件を含む。以下本条において同じ。)があるときは、受注者は、当該物件を撤去するとともに、工事用地等を修復し、取り片付けて、発注者に明け渡さなければならない。
7 前項に規定する撤去または修復若しくは取片付けに要する費用(以下本項および次項において「撤去費用等」という。)は、次の各号に掲げる撤去費用等につき、それぞれ各号に定めるところにより発注者または受注者が負担する。
(1) 設計の出来形部分に関する撤去費用等
契約の解除が第51条から第51条の
3までまたは第54条の4第1項第3号によるときは受注者が負担し、第52条から第53条の2までによるときは発注者が負担する。
(2)調査機械器具、工事材料、建設機械器具、仮設物その他の物件に関する撤去費用等受注者が負担する。
8 前項の場合において、受注者が正当な理由なく、相 当の期間内に当該物件を撤去せず、または工事用地等の修復若しくは取り片付けを
行わないときは、発注者は、受注者に代わって当該物件を処分し、工事用地等を修復若しくは取り片付けを行うことができる。この場合においては、受注者は、発注者の処分または修復若しくは取り片付けについて異議を申し出ることができず、また、発注者の処分または修復若しくは取り片付けに要した費用を負担しなければならない。
9 第4項前段および第5項前段に規定する受注者の採るべき措置の期限、方法等については、この契約の解除が第51条から第51条の3までまたは第54条の 4第4項の規定によるときは、発注者が定め、第52 条から第53条の2までの規定によるときは、受注者が発注
者の意見を聴いて定めるものとし、第4項後段、第5項後段および第6項に規定する受注者の
採るべき措置の期限、方法等については、発注者が受注者の意見を聴いて定めるものとする。
10 工事の完成後にこの契約が解除された場合は、解除に伴い生じる事項の処理については発注者および受注者が民法の規定に従って協議して決める。
(損害金の予定)
第54条の3 発注者は、第51条の2第1項第
1号から第3号まで若しくは第2項または第
51条の3の規定によりこの契約を解除することができる場合においては、契約を解除するか否かにかかわらず、請負代金額の10分の2に相当する金額の損害金を発注者が指定する期間内に支払うよう受注者に請求するものとする。
2 前項の規定は、発注者に生じた実際の損害額が同項に定める金額を超える場合において、発注者が当該超える金額を併せて請求することを妨げるものではない。
3 前2項の規定は、第39条第4項から第6項までの規定により工事目的物の引渡しを受けた後も適用されるものとする。
(発注者の損害賠償請求等)
第54条の4 発注者は、受注者が次の各号のいずれかに該当するときは、これによって生じた損
害の賠償を請求することができる。
(1) 工期内に工事を完成することができないとき。
(2) 設計成果物および工事目的物に契約不適合があるとき。
(3) 第51条から第51条の3までの規定により、工事目的物の完成後にこの契約が解除されたとき。
(4) 前3号に掲げる場合のほか、債務の本旨に従った履行をしないときまたは債務の履行が不能であるとき。
2 次の各号のいずれかに該当するときは、前項の損害賠償に代えて、受注者は、請負代金額の10分の 1に相当する額を違約金として発注者の指定する期間内に支払わなければならない。
(1) 第51条または第51条の2第1項第4号から第1 2号までの規定により、工事目的物の完成前に、契約が解除されたとき。
(2) 工事目的物の完成前に、受注者がその債務の履行を拒否し、または受注者の責めに帰すべき事由によって受注者の債務について履行不能となった場合
3 工事目的物の完成前に、第51条の2第1項第1号から第3号まで若しくは第2項または第51条の 3の規定により契約を解除したときは、第1項の損害賠償に代えて、受注者は、請負代金額の10分の 1に相当する額を違約金として発注者の指定する期間内に支払わなければならない。
4 次の各号に掲げる者がこの契約を解除した場合は、第2項第2号に該当する場合とみなす。
(1) 受注者について破産手続開始の決定があった場合において、破産法(平成16年法律第75号)の規定により選任された破産管財人
(2) 受注者について更生手続開始の決定があった場合において、会社更生法(平成14年法律第154号)の規定により選任された管財人
(3) 受注者について再生手続開始の決定があった場合において、民事再生法(平成11年法律第225号)の規定による再生債務者等
5 第1項各号または第2項各号に定める場合
(前項の規定により第2項第2号に該当する場合とみなされる場合を除く。)が契約および取引上の社会通念に照らして受注者の責めに帰することができない事由によるものであるときは、第1項および第2項の規定は適用しない。
6 第1項第1号の場合において、発注者は、請負代金額から部分引渡しを受けた部分に相応する請負代金額を控除した額につき、遅延日数に応じ、支払遅延防止法の率の割合で計算した額を請求するものとする。
7 第2項または第3項の場合において、第4条の規定により契約保証金の納付またはこれに代わる担保の提供が行われているときは、発注者は、当該契約保証金または担保をもって第2項または第3項の違約金に充当することができる。
(受注者の損害賠償請求等)
第54条の5 受注者は、発注者が次の各号のいずれかに該当する場合はこれによって生じた損害の賠償を請求することができる。ただし、当該各号に定める場合がこの契約および取引上の社会通念に照らして発注者の責めに帰することができない事由によるものであるときは、この限りでない。
(1) 第52条から第53条の2までの規定により契約が解除されたとき。
(2) 前号に掲げる場合のほか、債務の本旨に従った履行をしないときまたは債務の履行が不能であるとき。
2 発注者の責めに帰すべき事由により、第4
0条第 2項(第46条において準用する場合を含む。)の規定による請負代金の支払が遅れた場合においては、受注者は、未受領金額につき、遅延日数に応じ、支払遅延防止法の率の割合で計算した額の遅延利息の支払を発注者に請求することができる。
(契約不適合責任期間等)
第54条の6 発注者は、引き渡された工事目的物に関し、第39条第4項または第5項
(第46条においてこれらの規定を準用する
場合を含む。)の規定による引渡し(以下この条において単に「引渡し」という。)を受けた日から2年以内(設計成果物については、その引渡しの日から本件建築物の工事完成後2年以内。)でなければ、契約不適合を理由とした履行の追完の請求、損害賠償の請求、代金の減額の請求または契約の解除(以下この条において「請求等」という。)をすることができない。
2 前項の規定にかかわらず、設備機器本体等の設備関連機器の契約不適合については、引渡しの時、発注者が検査して直ちにその履行の追完を請求しなければ、受注者は、その責任を負わない。ただし、当該検査において一般的な注意の下で発見できなかった契約不適合については、引渡しを受けた日から1年
が経過する日まで請求等をすることができる。
3 前2項の請求等は、具体的な契約不適合の内容、請求する損害額の算定の根拠等当該請求等の根拠を示して、受注者の契約不適合責任を問う意思を明確に告げることで行う。
4 発注者が第1項または第2項に規定する契 約不適合に係る請求等が可能な期間(以下こ の項および第7項において「契約不適合責任 期間」という。)の内に契約不適合を知り、 その旨を受注者に通知した場合において、発 注者が通知から1年が経過する日までに前項 に規定する方法による請求等をしたときは、契約不適合責任期間の内に請求等をしたもの とみなす。
5 発注者は、第1項または第2項の請求等を行ったときは、当該請求等の根拠となる契約不適合に関し、民法の消滅時効の範囲で、当該請求等以外に必要と認められる請求等をすることができる。
6 前各項の規定は、契約不適合が受注者の故意または重過失により生じたものであるときには適用せず、この場合の契約不適合に関する受注者の責任については、民法の定めるところによる。
7 民法第637条第1項の規定は、契約不適合責任期間については適用しない。
8 発注者は、設計成果物および工事目的物の
引渡しの際に契約不適合があることを知った ときは、第1項の規定にかかわらず、その旨 を直ちに受注者に通知しなければ、当該契約 不適合に関する請求等をすることはできない。ただし、受注者がその契約不適合があること を知っていたときは、この限りでない。
9 この契約が、住宅の品質確保の促進等に関する法律(平成11年法律第81号)第94条第1項に規定する住宅新築請負契約である場合には、工事目的物のうち住宅の品質確保の促進等に関する法律施行令(平成12年政令第64号)第5条に定める部分のかし(構造耐力または雨水の浸入に影響のないものを除く。)について請求等を行うことのできる期間は、10年とする。この場合において、前各項の規定は適用しない。
10 引き渡された設計成果物および工事目的物の契約不適合が支給材料の性質または発注者若しくは監督職員の指図により生じたものであるときは、発注者は当該契約不適合を理由として、請求等をすることができない。ただし、受注者がその材料または指図の不適当であることを知りながらこれを通知しなかったときは、この限りでない。
(火災保険等)
第55条 受注者は、工事目的物および工事材料(支給材料を含む。以下本条において同
じ。)等を設計図書(設計成果物を除く。)に定めるところにより火災保険、建設工事保
険その他の保険(これらに準じるものを含む。以下本条において同じ。)に付さなければな らない。
2 受注者は、前項の規定により保険契約を締結したときは、その証券またはこれに代わるものを直ちに発注者に提示しなければならない。
3 受注者は、工事目的物および工事材料等を第1項の規定による保険以外の保険に付したときは、遅滞なくその旨を発注者に通知しなければならない。
(賠償金等の徴収)
第56条 発注者は、この契約に基づく受注者の賠償金、損害金または違約金と、発注者の支払うべき請負代金と を相殺することができるものとし、なお不足があるときは追徴する。
(あっせんまたは調停)
第57条 この約款の各条項において、発注者 と受注者とが協議して定めるものにつき、 協議が整わなかったときに発注者が定めた ものに受注者が不服がある場合その他この 契約に関して発注者と受注者との間に紛争 を生じた場合には、発注者および受注者は、建設業法第25条第3項の規定に基づく福 井県建設工事紛争審査会(以下「審査会」 という。)のあっせんまたは調停によりそ の解決を図る。
2 前項の規定にかかわらず、現場代理人の職務の執行に関する紛争、監理技術者等または専門技術者その他受注者が工事を実施するために使用している下請負人、労働者等の工事の実施または管理に関する紛争および監督職員の職務の執行に関する紛争については、第20条第3項の規定により受注者が決定を行った後若しくは同条第5項の規定により発注者が決定を行った後、または発注者若しくは受注者が決定を行わずに同条第
3項若しくは第5項の期間が経過した後でなければ、発注者および受注者は、前項のあっせんまたは調停を請求することができない。
(仲裁)
第58条 発注者および受注者は、その一方ま たは双方が前条の審査会のあっせんまたは 調停により紛争を解決する見込みがないと 認めたときは、同条の規定にかかわらず、 仲裁合意書に基づき、審査会の仲裁に付し、その仲裁判断に服する。
(補則)
第59条 この約款に定めのない事項については、必要に応じて発注者と受注者とが協議して定める。