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簡易通知型包括保険の引受基準等について
平成29年4 月1 日 17‐ 制度‐ 00087
沿革 令和5 年1 月30 日 一部改正
この規程は、 簡易通知型包括保険約款( 平成29 年4 月1 日 17‐ 制度‐ 00006 。 以下「約款」という。) 第6 条及び別表に定める船積確定通知又は確定前通知の対象となる輸出契約等の基準を規定する。
記
1 基本的引受基準
(1) 下記に該当する輸出契約等については、 当該輸出契約等に基づく船積みに係る船積確定通知又は確定前通知を要しない。仮に通知がなされた場合においても株式会社日本貿易保険( 以下「日本貿易保険」という。) はてん補する責めに任じない。 ただし、 ⑦ に該当する輸出契約又は⑬ に該当する輸出契約等については、被保険者が当該輸出契約等について保険関係の成立を希望する場合はこの限りでない。
① 輸出契約等締結日から船積の日までの期間が1 年超又は船積の日から決済の期限までの期間( 以下「ユーザンス」という。) が1 年超であるもの
② 国際的取決めに基づく基準に適合しないもの
③ 契約金額が500億円を超えるもの
④ 公的輸出信用と贈賄に関するO E C D 理事会勧告に基づく基準に適合しない輸出契約等
⑤ 原子力発電等プロジェクト( 原子力関連資機材等を用いる施設の建設・補修等) の用に供する貨物等に係る輸出契約等であって、契約金額が15億円以上のもの
⑥ 水力発電等プロジェクト( ダム、発電施設及びそれらの関連施設の建設事業等) の用に供する貨物等に係る輸出契約等であって、契約金額が15億円超のもの
⑦ 簡易通知型包括保険運用規程( 平成29 年4 月1 日 17‐ 制度‐ 00049 ) 第22条に基づくストックセールスに係る輸出契約
⑧ 本邦に本店を有する法人の外国支店が名義人となって締結したもの
⑨ 輸出契約等に表示された通貨( 邦貨の場合を含む。 以下「 表示通貨」 という。) と異なる通貨により代金の決済が行われる旨の規定を有するものであって、表示通貨と異なる通貨への換算方法が明確に定められていないもの
⑩ 船積実行日を起算とする決済( 船積書類引渡時払、手形一覧払、引渡後定期払、一覧後定期払等のほか、各船積日をマイルストーンとするマイルストーンペイメント、貨物の到着時払、一定期間内に行われた貨物の船積みに係る代金の決済予定日が当該一定期間の末日又は当該末日からの経過日を起算として定められる決済( プログレスペイメント) を含む。) 以外の決済を含むもの
⑪ 輸出契約等の相手方( 輸出契約等の締結の相手方と当該輸出契約等に係る代金の支払人が異なる場合は、当該代金の支払人とする。ただし、約款第11条第
1 号の危険をてん補する場合は、 その両方とする。 以下同じ。) 又は仕向国
( 約款第11条第1 号の危険をてん補する場合に限る。) のいずれかが引受基準
適用日又は約款第29 条第1 項に規定する通知を受けた日において保険証券記載のものと異なるもの
⑫ 輸出契約等の相手方が引受基準適用日において海外商社名簿について( 平成 29年4 月1 日 17‐ 制度‐ 00074) 第1 条により日本貿易保険が作成する海外商社名簿( 以下「名簿」という。) 上G S 格、G A 格若しくはG E 格、E E 格、 E A 格、E M 格、E F 格若しくはE C 格、名簿区分P 、S A 格若しくはS C 格又は事故管理区分R に格付けされていない輸出契約等
⑬ 輸出契約等の契約金額の全額又は一部が政府開発援助契約等( 「別紙2 政府開発援助契約等」 に規定する輸出契約等をいう。 以下同じ。) の1 ( 1 )
( ただし、決済方式を問わない。) 又は2 に該当するもの
⑭ 防衛装備( 輸出貿易管理令( 昭和24 年政令第378 号) 別表第1 の1 の項に掲げるもののうち、軍隊が使用するものであって、直接戦闘の用に供されるもの
( 以下「 武器」 という。) 及び武器の設計、 製造又は使用に係る技術をいう。) に係る輸出契約等
⑮ 石炭火力発電において用いられる貨物等に係る輸出契約等
⑯ G 7 エルマウ首脳声明における国際合意( 2022年6 月G 7 エルマウ・サミットにおいて首脳会合コミュニケとして公表された国際合意をいう。) に反する又はそのおそれがある輸出契約等
(2) 引受基準適用日において、名簿上G S 格、G A 格若しくはG E 格又はS A 格に格付けされている銀行が発行又は確認する取消不能信用状( 信用状統一規則
( UNIFORM CUSTOMS AND PRACTICE FOR DOCUMENTARY CREDITS, 2007 REVISION, ICC
PUBLICATION No.600) に基づく支払確約又は同等の支払確約がなされているものであって、取り消すことができないものをいう。以下「I L C 」という。) により代金が決済される輸出契約等及び政府開発援助契約等を除き、名簿の格付けにより信用事由( 約款第12条第11号から第14号までのてん補事由をいう。) のてん補範囲を制限するものとする。 なお、 輸出契約等の相手方が複数の場合であって、 輸出契約等の相手方が輸出契約等全体について相互に連帯責任を負う場合は、輸出契約等の相手方の格付けのうち信用事由のてん補範囲のいずれか広い格付けにより、信用事由のてん補範囲を制限するものとする。
(3) 政府開発援助契約等については、 以下の信用事由により生じた損失をてん補する責めに任ずる。
① 「別紙2 政府開発援助契約等」1 及び2 に掲げる借款等( 以下「借款等」という。) のうち、1 ( 1 ) ( ただし、決済方式を問わない。) 及び2 により決済が行われる輸出契約等における輸出等不能の信用事由( 約款第11条第1 号に規定するてん補危険に係る第12条第11 号から第13号までの事由をいう。以下同じ。) ( 輸出契約等の相手方が名簿上与信管理区分G に格付けされておらず名簿上G B 格、E B 格及びS B 格に該当しない場合は、約款第12条第11号において「これらに準ずる者」とみなす。) 及び代金回収不能の信用事由( 約款第 11条第2 号に規定するてん補危険に係る第12条第12号から第14号までの事由をいう。以下同じ。) 。
② 上記① の輸出契約等に該当しない政府開発援助契約等における輸出等不能の信用事由( 約款第12 条第11号の事由にあっては輸出契約等の相手方が名簿上G S 格、G A 格又はG E 格に格付けされている場合に限る。) 及び代金回収不能の信用事由
2 国別引受基準
国別引受基準は、 日本貿易保険が定める「 国別引受方針」( 以下「 国別引受方針」という。) に基づき、次のとおりとする。なお、日本貿易保険は、国別引受方針をそのホームページにおいて対外的に周知するものとする。また、仕向国並びに支払国及び保証国の取扱いについては、「別紙1 仕向国及び支払国等の取扱い」による。
(1) 引受停止国
引受停止国とは、引受基準適用日において、国別引受方針の『引受態度』欄において「引受停止」と記載のある国及びキューバをいう。当該国が仕向国、支払国又は保証国となる輸出契約等については、当該輸出契約等に基づく船積みに係る船積確定通知又は確定前通知については、保険関係を成立させない。したがって、約款第6 条第1 項の規定にかかわらず、通知を要しない。仮に通知がなされた場合においても日本貿易保険はてん補する責めに任じない。
キプロス北部トルコ占領地域又はジョージア南オセチア自治州・アブハジア自治共和国( 以下「引受停止地域」という。) が仕向地、支払地又は保証地( 仕向地、支払地及び保証地については仕向国、支払国及び保証国の定義を準用) となる輸出契約等についても同様とする。
(2) 特定制限国
① 特定制限国とは、国別引受方針の『引受態度』欄において「原則引受停止」と記載のある国をいう。当該国が支払国( 保証国がある場合には当該保証国)となる輸出契約等については、当該輸出契約等に基づく船積みに係る船積確定通知又は確定前通知については、保険関係を成立させない。したがって、約款第6 条第1 項の規定にかかわらず、通知を要しない。仮に通知がなされた場合においても日本貿易保険はてん補する責めに任じない。ただし、政府開発援助契約等及び前受金により支払いを受ける輸出契約等を除く。
( 注1 ) (2) ① にお ける政府 開発援 助 契約等の 取扱い は 、 次のと おりと する
( (3)① において同じ。) 。
イ 輸出契約等の全体が政府開発援助契約等に該当する場合について、保険関係を成立させる。
ロ 一の輸出契約等のうち一部が政府開発援助契約等に該当する場合であって、当該部分を除いた全てが、前受金により支払いを受ける場合、現地通貨により決済される場合又はI L C ( 発行銀行又は確認銀行が日本又は第三国
( 引受停止国及び引受停止地域並びに特定制限国を除く。以下同じ。) に所在する場合に限る。以下( 注1 ) ロ及び( 注2 ) ロにおいて同じ。) により決済される場合について保険関係を成立させる。この場合、I L C の取得又は前受金の受領日以降、日本貿易保険はてん補する責めに任ずる。
( 注2 ) 前受金により支払いを受ける輸出契約等の取扱いは次のとおりとする。イ 輸出契約等の契約金額の全部が、前受金により支払いを受けるものについ
ては保険関係を成立させる。この場合、前受金の受領日以降、日本貿易保険はてん補する責めに任ずる。
ロ 一の輸出契約等のうち一部が前受金により支払いを受ける場合であって、当該部分を除いた全てが、現地通貨又は第三国の銀行が発行若しくは確認するI L C により決済される場合について、 保険関係を成立させる。 この場合、I L C の取得及び前受金の受領日以降、日本貿易保険はてん補する責めに任ずる。
② (2) ① にかかわらず、 イラクが仕向国、支払国又は保証国であって、 以下に該当する輸出契約等に基づく船積みに係る船積確定通知又は確定前通知については、保険関係を成立させる。その他の輸出契約等については、当該輸出契約等に基づく船積みに係る船積確定通知又は確定前通知については、保険関係を成立させない。したがって、約款第6 条第1 項の規定にかかわらず、通知を要しない。仮に通知がなされた場合においても日本貿易保険はてん補する責めに任じない。
(ⅰ ) 政府開発援助契約等
(ⅱ ) 契約金額が10 億円以下の輸出契約等でイラク国内における貨物の引渡しを支払条件と定めていない取引であって、下記イからハまでのうちいずれかに該当するもの
イ 前受金により支払いを受ける輸出契約等
ロ 日本又は第三国の銀行が発行又は確認するI L C により決済される輸出契約等
ハ 支払が第三国となる輸出契約等
なお、上記イ又はロに該当し且つ支払国がイラクとなる場合は、I L C取得又は前受金の受領日以降、その範囲内において、日本貿易保険はてん補する責めに任ずる。また、上記ロ又はハに該当する場合、当該国の引受条件に基づき保険契約を締結する。
( 注) 輸出契約等の相手方がイラク政府、州政府、地方公共団体又はこれに準ずるものであって、ハに該当する場合、日本貿易保険は、約款第11条第
1 号のてん補危険について約款第12条第11号に該当する事由により生じた損失をてん補する責めに任じない。
(3) 条件付引受国
① 引受基準
条件付引受国とは、国別引受方針の『引受態度』欄において「条件付引受」と記載のある国をいう。政府開発援助契約等又は輸出契約等の全部が前受金により支払いを受けるものを除き、 引受基準適用日において、 当該国が支払国
( 保証国がある場合には当該保証国) に該当する場合において、② の基準に適合しない輸出契約等に基づく船積みに係る船積確定通知又は確定前通知については、保険関係を成立させない。したがって、約款第6 条第1 項の規定にかかわらず、通知を要しない。仮に通知がなされた場合においても日本貿易保険はてん補する責めに任じない。
なお、I L C により決済を行う場合であって、輸出契約等の保証国が支払国以外の国の場合にあっては、国別引受方針の基準は支払国に替えて保証国とする。
② 条件等
イ 輸出契約等における支払国( 保証国がある場合には当該保証国) が国別引受方針の『L / C 条件』欄において「有」と記されている国に該当する場合には、当該契約の契約金額の全部又は一部について、I L C による決済又は前受金による支払いを条件とする( I L C の額面と前受金の額の合計額が、契約金額となる場合を含む。) 。この場合、I L C の取得又は前受金の受領日以降、その範囲内において、日本貿易保険はてん補する責めに任ずる。
ロ 国別引受方針の『その他条件』欄に条件が記されている国に関する輸出契約等に係る保険契約については、当該記載内容を適用する。
( 注) 当該契約の契約金額の全部又は一部について、I L C による決済又は前受金による支払いを条件とする( I L C の額面と前受金の額の合計額が、契約金額となる場合を含む。) ものは次のものをいう。
① 輸出契約等の全部がI L C により決済されるもの又は前受金により支払いを受けるもの
② 輸出契約等の一部がI L C により決済される場合の当該I L C 及び現地通貨により決済される部分又は前受金により支払いを受ける部分
③ 西岸・ガザ( パレスチナ自治区) が輸出契約等における支払国( 保証国がある場合には当該保証国) である場合、保険関係が成立した場合においても、戦争、革命又はテロ行為その他の内乱による損失については、てん補する責めに任じない。輸出契約等における仕向国である場合、約款第11条第1 号に規定するてん補危険について、同様とする。
附 則〔抄〕
附 則〔令和5 年1 月30日〕
この改正は、令和5 年3 月20日から実施する。
[ 別紙1 ]
仕向国及び支払国等の取扱い
1 輸出契約等の仕向国は、以下によるものとする。
① 貨物の最終到着地の属する国
② 本邦内又は貨物の船積国内において貨物の受渡しを行う輸出契約等の場合は、輸出契約等に定める最終仕向地の属する国( 輸出契約等に最終仕向地を定めていない場合にあっては、輸出契約等の相手方が所在する国)
2 輸出契約等の支払国は、以下によるものとする。
① 輸出契約等の相手方が所在する国
② 輸出契約等の締結の相手方と当該輸出契約等に係る代金の支払人が異なる場合は、当該代金の支払人が所在する国
3 輸出契約等の保証国は、以下によるものとする。
① I L C により決済を行う場合は、I L C 発行銀行の所在する国( I L C 発行銀行が支店の場合であって支店と本店の所在する国が異なる場合は、支店の所在する国)
② 確認付のI L C の場合は、当該I L C の確認銀行が所在する国( I L C 確認銀行が支店の場合であって支店と本店の所在する国が異なる場合は、支店の所在する国)
[ 別紙2 ]
政府開発援助契約等
政府開発援助契約等とは、次に掲げる借款等( 注) により決済が行われる輸出契約等をいう。
1 決済がL / C スイッチ方式、トランスファー方式( 本邦内のみで決済を完了するものに限る。) 又は当該借款等の供与機関から輸出者等への直接送金のいずれかにより行われる輸出契約等
(1) 日本政府が行う円借款等政府開発援助 (2) 国際協力銀行に係る貸付契約
(3) 国際復興開発銀行( I B R D ) 借款 (4) 国際金融公社( I F C ) 借款
(5) 国際開発協会( I D A ) 借款
(6) アジア開発銀行( A D B ) 借款 (7) 米州開発銀行( I D B ) 借款
(8) 欧州開発基金( E D F ) 借款 (9) 欧州投資銀行( E I B ) 借款
(10) 国際農業開発基金( I F A D ) 借款 (11) 欧州復興開発銀行( E B R D ) 借款 (12) アフリカ開発銀行( A f D B ) 借款 (13) アフリカ開発基金( A f D F ) 借款 (14) カリブ開発銀行( C D B ) 借款
(15) アンデス開発公社( C A F ) 借款
(16) xx経済統合銀行( C A B E I ) 借款
2 日本政府が支払人となる贈与又は無償供与等
注: 船積確定通知又は確定前通知時において、当該借款等の契約が締結済み( 発効条件が付されている借款等の契約にあっては契約発効済) であることを書面にて確認できる場合に限る。