Contract

中央新幹線事業用地の取得に伴う代替地の媒介等に関する協定書

東海旅客鉄道株式会社（以下「甲」という。）と公益社団法人山梨県宅地建物取引業協会

（以下「乙」という。）は、甲の中央新幹線事業用地の取得に伴う代替地取得業務と乙に所属する宅地建物取引業者（以下「会員業者」という。）の宅地建物取引業務との提携・協力に関し、以下のとおり協定を締結する。

（目的）

第1条 甲は、中央新幹線事業の施行者として、乙は、宅地建物取引業に係る公益社団法人として、各々の社会的立場とxx、誠実の原則に立ち、この協定に基づく業務に関し、提携・協力することにより、中央新幹線事業用地取得業務の適正かつ円滑な推進と宅地建物取引業の健全な発展に資することを目的とする。

（提携・協力の内容）

第2条 前条の提携・協力に関する業務（以下「提携業務」という。）は、甲が行う用地取得に伴い必要となる代替地の情報提供及び媒介に関する業務とする。

2 乙は、甲から代替地の情報提供の依頼を受けた場合、会員業者に対し、円滑な情報提供を行うよう協力要請を行うものとする。

3 甲は、乙の組織を通じて情報提供のあった代替地のうち取得すべき代替地がある場合には、当該代替地を特定して、乙にその旨を通知するものとする。この場合、その代替地の情報提供を行った会員業者が、代替地の媒介業務を行うものとする。

（用語の定義）

第3条 この協定において「代替地」とは、甲が施行する中央新幹線事業の用地取得に伴い生活又は生業の用に供している建物等を移転する者（以下「被補償者」という。）の生活再建のために必要となる土地をいう。

2 この協定において「代替地の情報提供」とは、甲の希望条件に適合する代替地に関する情報について、会員業者が収集したものを、乙を経由して甲に提供することをいう。

3 この協定において「代替地の媒介」とは、甲を買主として、甲と代替地所有者との代替地売買に係る媒介をすることをいう。

（提携業務の執行体制の整備等）

第4条 乙は、提携業務に関し、次の各号に掲げる業務執行体制の整備に努めるものとする。

（1） 社会的信頼の確保と節度ある規律の確立

（2） 取引の信頼性と安全性の確保

（3） 実行性を高めるための業務執行体制の確立

（情報提供の依頼等）

第5条 甲は代替地を必要とするときは、当該代替地の希望条件を付し、乙に代替地の情報提供を依頼することができる。

2 甲は、前項の場合において、会員業者以外の宅地建物取引業者に対しても代替地の情報提供を依頼することができる。

（代替地の情報提供及びその終了）

第6x xは、前条第 1 項の依頼があったときは、代替地の情報提供を行う。

2 乙は、前条第 1 項の依頼がない場合であっても、甲に対して代替地の情報提供を行うことができる。

3 甲は、第 1 項の情報提供を中断又は終了させる必要があると判断したときは、乙にその旨を通知するものとし、以後、乙は、情報提供を中断又は終了するものとする。甲は、この通知をいつでも撤回して、新たに前条第 1 項の依頼をすることができる。

4 乙は、第 1 項及び第 2 項の規定により提供した代替地情報を取り下げる必要が生じた場合には、速やかに甲にその旨を通知する。

（代替地の特定）

第7条 甲は、前条第 1 項及び第 2 項の情報提供を受けたときは、当該情報について審査し、甲は、代替地の特定の可否について、乙に通知する。

2 乙は、甲から前項の代替地特定の通知を受けたときは、当該情報を提供した宅地建物取引業者（以下「媒介業者」という。）にその旨を連絡するとともに、甲に当該媒介業者名を通知する。

3 甲又は乙は、第 1 項の代替地の特定後、やむを得ない事情があるときは、代替地の特定を解除することができる。この場合において、甲又は乙にその旨を通知する。特定の解除については、甲又は乙は異議を申し立てることができない。

4 乙は、甲から前項の通知を受けたときは、遅滞なく媒介業者にその旨を連絡する。

（媒介契約の締結）

第8条 甲は、前条第 1 項の規定により特定した代替地を取得するときは、媒介業者との間で別紙「土地の売買の媒介に関する契約書」（以下、「別紙「媒介契約書」」という。）を締結する。

2 また、乙は、媒介業者をして、甲との間で別紙「媒介契約書」を締結させ、この協定及び別紙「業務運営細則」の各規定を遵守させるよう、甲に協力するものとする。

（媒介）

第9条 乙は、甲において、甲の指定する期日までに、媒介業者から代替地の媒介を受け、甲の指定する必要書類を提出させるにあたり、これに協力するものとする。

2 甲は、甲と代替地所有者及び当該代替地を必要とする被補償者との三者による代替地の売買契約（以下「三者間契約」という。）を締結するときは、三者間契約締結の時に、媒介業者を立ち会わせる。

（媒介業務の完了）

第 10 条 媒介業務の完了は、三者間契約を締結し、代替地の甲への引き渡しが完了し、かつ甲への所有権移転登記が完了したときとする。

（媒介報酬）

第 11 条 甲は、媒介業務が完了したときは、媒介にかかる報酬として、事業用地価額を上限とする代替地の価額を別表「媒介報酬額算出基準」の左欄に掲げる金額に区分し、各区分の金額にそれぞれ右欄に掲げる割合（消費税法に規定する税率を含む）を乗じて得た金額の合計額を、当該媒介業者に支払うものとする。なお、代替地の情報の提供のみを行った場合には、報酬の支払は行わない。

（媒介報酬の支払等）

第 12 x xは、第 10 条の媒介業務の完了後、媒介業者の請求に基づき、前条に定める報酬を、銀行振り込みにより支払う。

（媒介契約の解除）

第 13 条 甲は、次の各号のいずれかに該当するときは、媒介契約を解除することができる。

（1） 媒介業者が、媒介業務について、xxを旨とし誠実に遂行する義務に違反したとき。

（2） 媒介業者が、媒介契約に係る重要な事項について故意若しくは過失により事実を告げず、又は不実なことを告げる行為をしたとき。

（3） 媒介業者が、宅地建物取引業に関して不正又は著しく不当な行為をしたとき。

（4） 媒介業者が、媒介契約の履行をしないとき。

2 甲は、土地の売買契約を締結するまでの間は、前項各号の規定によるほか、必要があるときは、媒介契約を解除することができる。

3 甲は、前 2 項の規定により、媒介契約を解除する場合は、速やかにその旨を媒介業者に通知しなければならない。

4 第 1 項各号及び第 2 項の規定により媒介契約が解除された場合において、媒介業者はこれに係る報酬及び媒介契約履行のために要した費用の償還を請求することができない。

（苦情紛争の処理）

第 14 条 この協定に基づく業務に関連して苦情紛争が発生した場合には、甲乙協議のうえ、乙の責任において処理する。

（秘密の保持）

第 15 条 乙は、提携業務により知り得た甲及び甲の業務に係る一切の情報（以下「秘密情報」という。）を、事前に甲の書面による承諾を得た場合を除いて、他に漏らしてはならない。ただし、次の各号の情報については、この限りではない。

（1） 開示を受けたときに既に公知であったもの。

（2） 開示を受けたときに既に自己が知得していたもの。

（3） 開示を受けた後に自己の責に帰し得ない事由により公知となったもの。

（4） 開示を受けた後に第三者から機密保持義務を負うことなく適法に取得したもの。

2 乙は、善良な管理者の注意をもって秘密情報を管理しなければならない。

（業務運営細則）

第 16 条 甲及び乙は、別紙に定める業務運営細則に則り、提携業務を適正かつ円滑に遂行する。

（倫理の定め）

第 17 条 乙は、この協定書に基づく業務を適正に遂行するため、倫理の定めを設け、会員業者がこれを遵守するよう指導する。

（協定の解除）

第 18 条 甲は、乙が業務に関し不正又は不誠実な行為をしたときは、この協定書を解除することができるものとする。

2 甲又は乙は、この協定による業務の履行の必要がなくなったと判断したときは、甲乙協議して、この協定を解除するものとする。

（暴力団等の排除）

第 19 x xは、甲に対し、この協定締結時及び将来にわたって、乙又はその代表者、責任者若しくは実質的に経営権を有する者（以下併せて「乙ら」という。）が、暴力団、暴力団員、暴力団関係者、総会屋その他の反社会的勢力（以下「暴力団等」という。）ではないことを誓約する。

2 前項による誓約が、この協定における重要な要素であることを相互に確認する。

3 次の各号のいずれかに該当した場合は、甲は何らの通知・催告を要せず、直ちにこの協定の全部又は一部を解除することができる。

（1） 乙らが、暴力団等であるとき、又は暴力団等であったことが認められるとき。

（2） 乙らが、暴力団等への資金提供を行う等密接な交際があるとき、又はその活動を助長する行為を行ったとき。

（3） 乙らが、自ら或いは第三者を利用して、甲に対し、詐術、暴力的又は脅迫的言辞を用いたとき。

（4） 乙らが、自ら或いは第三者を利用して、甲の名誉・信用を毀損し、又は毀損するおそれのある行為を行ったとき。

（5） 乙らが、自ら或いは第三者を利用して、甲の業務を妨害した場合、又は妨害するおそれのある行為を行ったとき。

（6） 乙が、この協定の履行のために契約する者が、前各号のいずれかに該当するとき。

4 甲が前項の規定に基づいて、この協定の全部又は一部を解除した結果により、乙に損害が生じたとしても、甲はこれによる一切の損害を賠償しない。

（協議事項）

第 20 条 この協定書に定めのない事項又は疑義を生じた事項については、甲乙協議して定める。

（管轄裁判所）

第 21 条 この協定書についての訴訟は、東京地方裁判所を第xxの専属的合意管轄裁判所とする。

この協定締結の証として、本書 2 通を作成し、甲乙記名押印のうえ、それぞれ 1 通を保有する。

平成２９年 ６月 １日

甲 東海旅客鉄道株式会社中央新幹線推進本部

中央新幹線建設部長 x x x

乙 公益社団法人山梨県宅地建物取引業協会

会 x x x x x 雄

別表

「媒介報酬額算出基準」

代替地の売買の媒介に関して媒介業者に支払う報酬額は、代替地の価格を次の表の左欄に掲げる金額に区分してそれぞれの金額に同表の右欄に掲げる割合を乗じて得た金額を合計した金額（千円未満の端数を切り捨てた金額）とする。

5 千 万 円 以 下 の 金 額	1,000 分の 30
5 千万円を超え 10 億円以下の金額	1,000 分の 25
1 0 億 円 を 超 え る 金 額	1,000 分の 20

（注）この割合には、消費税及び地方消費税に係る税率に相当する率を含み、甲は別途消費税を支払わない。免税業者の場合は、上記の表により算出した報酬額に「消費税率／（100

＋消費税率）」を乗じた額を控除した額（1 円未満の端数は切り捨て）を報酬額（千円未満の端数は切り捨てた金額）とする。