被告らの法的責任について 样本条款

被告らの法的責任について. (1) 被告Aの不法行為責任 前記のとおり,平成11年6月ころにB教諭の妊娠が判明した際,被告Aは,同教諭に対して,避妊も含めた自己管理ができなかったことについて厳しく非難するとともに,同教諭が明らかに幼稚園教諭として未熟で間違った考えを持っていると考え,同教諭に対して退職を勧めたこと,その後,同教諭の両親を被告幼稚園に呼び出して同教諭の責任についてどのように考えているのか問い質したこと,同教諭の出身校である短期大学就職部の担当者に連絡を取ったこと,被告幼稚園の職員らに対し,園児や父兄からB教諭のことについて尋ねられても,妊娠したと答えてはならない旨指示したことが認められ,これらの事実経過に照らすと,B教諭は,被告Aの叱責などに対して畏怖していたことは想像に難くなく,その退職後,被告幼稚園の職員らの間には,担任教諭として在職中に,未入籍の状態で妊娠をすることは許されない,そうなれば厳しい叱責があり退職を迫られるかもしれないという雰囲気があったと認めるのが相当である。 そして,前記認定によれば,原告も上記のB教諭の退職に至る一連の事実経過について認識していたところ,7月6日に原告が被告Aに対して妊娠している事実を告げた後,被告Aから,B教諭による上記の一連の事実経過を承知しているはずであるのに軽率であったのではないかと非難されるとともに,妊娠週数が4,5週であり,未だ胎児も小さいので,出産や妊娠についてはこれからも機会があるのではないかとして,暗に中絶することを勧められ,さらに,7月26日に,中絶をできない旨述べたところ,被告Aから,園児のことや2学期及び3学期のことについてどのように考えているのか問い質されるとともに,妊娠という私事によって仕事が全くできない状態を作出したのであり,教師としても社会人としても無責任である旨非難され,また,私立幼稚園では予備の教員がいるわけではないので,育児休業中の代替教員をすぐに採用することは難しい旨告げられた上で,被告Aから退職を勧められた事実が認められる。 以上によれば,原告は,7月6日に被告Aから,暗に中絶を勧められ,7月26日に中絶ができない旨返答したのに対して,園児のことやクラス運営について問い質されるとともに,教師としても社会人としても無責任であると非難され,産前休暇等の 取得が困難であることを告げられた上で退職を勧められたのであって,このような被告Aによる一連の発言は,原告に退職を一方的に迫っていると評価されてもやむを得ないものである。 さらに,前記認定によれば,妊娠したことが無責任である旨非難され,責任を果たすよう強く求められ,やむなく夏季保育のために出勤した原告は,以上の経緯で肉体的・精神的苦痛を受けている状況下で流産という女性としてたえがたい事態に陥ったにもかかわらず,被告Aは退職届の提出を執拗に求め,退職を強要しようとした上,結局,解雇したことが認められる。 以上によれば,被告Aによる上記の一連の行為は,原告の妊娠を理由とする中絶の勧告,退職の強要及び解雇であり,雇用機会均等法8条の趣旨に反する違法な行為であり,被告Aは不法行為責任(民法709条)を免れない。

Related to 被告らの法的責任について