Contract
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自宅付近が警戒区域に指定されたために津波にさらわれた親族らの捜索を継続できなかったことによる精神的損害が賠償された事例(本集団申立ての和解案提示理由書(掲載番号20)において、賠償が認められる主体の範囲、損害である慰謝料の算定方法及び慰謝料の具体的金額等を提示)。
和解契約書(全部)
原子力損害賠償紛争解決センター平成○○年(東)第○号事件(以下「本件」という。)につき、別紙一覧表記載の申立人ら(以下「申立人ら」という。)と被申立人東京電力株式会社(以下「被申立人」という。)は、平成25年5月2
2日付和解案提示理由書を踏まえて、次のとおり合意する。
1 和解の範囲
申立人らと被申立人は、本件に関し、下記の損害項目について和解することとし、それ以外の点については、本和解の効力は及ばないことを相互に確認する。
記
⑴ 精神的損害
但し、①故人に対する敬愛・追慕の情、②自ら又は適切な捜索機関に求める等して迅速に故人らを捜索する権利又は利益及び③適切な時期・方法により故人が発見・収容されることにより尊厳を保つ形で故人を葬ることができるよう求める権利又は利益が侵害されたために生じた精神的苦痛
⑵ 弁護士費用
2 和解金額
⑴ 精神的損害
被申立人は、申立人らに対し、第1項⑴所定の損害項目に関し各申立人に対する和解金が別紙一覧表の「金額」欄記載の金額であり、その合計額が
2億8291万1250円であることを認める。
⑵ 弁護士費用
被申立人は、申立人らに対し、第1項⑵所定の損害項目の和解金が、金8
48万7337円であることを認める。
3 表明及び保証
⑴ 申立人らは、別紙一覧表の「故人毎のグループ番号」欄記載の1ないし
173の各グループのうち、それぞれが属するグループに関する限りにおいて、被申立人に対し、下記事項を表明して保証する。
記
東日本大震災発生当時、「故人名」に記載された者と次の①②の関係にあった親族は、申立人ら及び申立外請求権利者以外には存在しないこと。
① 1親等の血族及び配偶者(内縁関係を含む)
② 上記以外の同居の親族(6親等内の血族及び3親等内の姻族)
⑵ 申立人Ⅹ1及び同Ⅹ2(以下「申立人Ⅹ1ら」という。)は、被申立人に対し、次の事項を表明し保証する。
① 亡Aが平成23年8月○日に死亡し、申立人Ⅹ1らが、亡Aの被申立人に対する損害賠償請求権を承継したこと
② 申立人Ⅹ1らの知る限り、同人らが、亡Aの全相続人であること
⑶ 申立人Ⅹ3、同Ⅹ4、同Ⅹ5、同Ⅹ6、同Ⅹ7、同Ⅹ8、同Ⅹ9、同Ⅹ 10 及び同Ⅹ11(以下「申立人Ⅹ3ら」という。)は、被申立人に対し、次の事項を表明し保証する。
① 亡Bが平成25年3月○日に死亡し、申立人Ⅹ3らが、亡Bの被申立人に対する損害賠償請求権を承継したこと
②申立人Ⅹ3らの知る限り、同人らが、亡Bの全相続人であること
⑷ 申立人Ⅹ12、同Ⅹ13(以下「申立人Ⅹ12 ら」という。)は、被申立人に対し、次の事項を表明し保証する。
① 亡Cが平成24年12月○日に死亡し、申立人Ⅹ12 らが、申立外請求権利者D、同E、同F、同G、同Hが、亡Cの被申立人に対する損害賠償請求権を承継したこと
②申立人Ⅹ12 らの知る限り、申立人Ⅹ12 ら、申立外請求権利者D、同 E、同F、同G、同Hが、亡Cの全相続人であること
⑸ 申立人Ⅹ14、同Ⅹ15、同Ⅹ16、同Ⅹ17(以下「申立人Ⅹ14 ら」という。)は、被申立人に対し、次の事項を表明し保証する。
①亡Iが平成25年4月○日に死亡し、申立人Ⅹ14 らが、申立外請求権利者X、同K、同Lが、亡Iの被申立人に対する損害賠償請求権を承継したこと
②申立人Ⅹ14 らの知る限り、申立人Ⅹ14 ら、申立外請求権利者X、同 K、同Lが、亡Iの全相続人であること
⑹ 申立人Ⅹ18、同Ⅹ19、同Ⅹ20、同Ⅹ21(以下「申立人Ⅹ18 ら」という。)は、被申立人に対し、次の事項を表明し保証する。
①亡Mが平成24年1月○日に死亡し、申立人Ⅹ18 らが、申立外請求権利者N、同O、同P、同Q、同R、同S、同T、同Uが、亡Mの被申立人に対する損害賠償請求権を承継したこと
②申立人Ⅹ18 らの知る限り、申立人Ⅹ18 ら、申立外請求権利者N、同 O、同P、同Q、同R、同S、同T、同Uが、亡Mの全相続人であること
⑺ 申立人Ⅹ22、同Ⅹ23、同Ⅹ24(以下「申立人Ⅹ22 ら」という。)は、被申立人に対し、次の事項を表明し保証する。
① 亡Vが平成23年12月○日に死亡し、申立人Ⅹ22 らが、申立外請求権利者W、同X、同Y、同Z、同a、同b、同cが、亡Vの被申立人に対する損害賠償請求権を承継したこと
② 甲立人Ⅹ22 らの知る限り、申立人Ⅹ22 ら、申立外請求権利者W、同 X、同Y、同Z、同a、同b、同cが、亡Vの全相続人であること
4 被申立人の調査
⑴ 被申立人は、申立人らが保証する別紙一覧表の申立外請求権利者の欄に記載された請求権利者のうち、故人毎のグループ番号 19 のd又はeから具体的な請求がなされたときは、故人fと当該請求者との同居の事実について別途調査のうえ対応することができるものとする。
⑵ 被申立人は、別紙一覧表「事故後の相続により生じた関係」に記載の者 から本件手続とは別に具体的な請求がなされたときは、当該相続に係る 相続人の範囲について別途調査のうえ対応することができるものとする。
5 支払方法
(省略)
6 確認事項
申立人らと被申立人は、第1項の損害項目については、本和解に定める金額を超える部分につき、清算の効力は及ばず、申立人らが被申立人に対して別途損害賠償請求することを妨げないことを相互に確認する。
7 手続費用
本件に関する手続費用は、各自の負担とする。平成25年10月1日
(別紙一覧表省略)
(仲介委員長 xxx、 仲介委員 xxxx、 同 xxxx)