共同研究等の基本的な要件 1 研究対象分野（業種） 2 研究段階 3 バックグランドIPの帰属 4 研究予算規模 5 当該企業と大学との共同研究等の実績 6 発明の貢献度（持分比率）
共同研究契約における特許出願と契約の在り方の検討の報告
平成２８年３月２８日
特許庁総務部企画調査課
産学連携調査（平成27年度産業財産権制度問題調査研究） １／２
調査（正式名「産学官連携から生じる研究成果活用促進のための特許権の取扱に関する調査研究」）
◆ 共同研究等の性質、研究体制、権利発生の経緯等の種々の条件について勘案した上で、共有特許の取扱（我が国特許法７３条）に関する欧米諸国との制度・運用比較、我が国における産学官連携状況等の様々な要素を考慮し、産学官連携による研究成果の社 会実装促進に向けて、研究成果の取扱に関する契約内容の選択肢や留意すべき事項を提示する。
◆ 産学官連携による研究成果を社会実装し、産学官連携に繋がる循環を活性化する観点から、産学官連携の成果である知的財産の活用促進に向けた施策検討の基礎資料とする。
回 | 開催日 | 主な議題 |
第１回 | 8月7日 | • 本調査における問題意識と仮説、共有特許の同意規程に関する論点 • アンケート調査案（対象・項目）、国内外ヒアリング方針（対象・項目） |
第２回 | 10月13日 | • アンケート調査結果報告 • 国内外ヒアリング調査（対象候補、項目、一部実施報告） |
第３回 | 12月18日 | • 国内外ヒアリング調査の進捗報告 • 共有特許の取扱に関するベストプラクティスの整理 |
第４回 | 1月15日 | • アンケート、ヒアリング調査の最終報告 • 単願・共願を促進するケースへの支援施策の在り方 • 個別の状況に応じた柔軟性のある共同研究契約の促進策 |
第５回 | 2月3日 | • 報告書案の確認・修正検討 |
＜委員長＞
xx xx 一橋大学 国際企業戦略研究科 教授
＜委員＞
xx xx 東京大学 教授 産学連携本部 イノベーション推進部長
xx xx 東京農業大学 国際食料情報学部国際バイオビジネス学科 准教授
xx x 名古屋大学 学術研究・産学連携推進本部知財・技術移転グループ 特任教授
xx xx 東光薬品工業株式会社 代表取締役社長
（東京商工会議所 知的財産戦略委員会 委員）xx xx 東北大学 理事（産学連携担当）
x xxx 桜坂法律事務所 弁護士 / 弁護士知財ネット 事務局長
xx x 富士フイルム株式会社 知的財産本部 知財技術部統括マネージャー（一般社団法人xxx的財産協会マネジメント第2委員会 第3小委員会 委員）
xx x 一般社団法人日本経済団体連合会 産業技術本部上席主幹
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産学連携調査（平成27年度産業財産権制度問題調査研究） ２／２
・共同研究等の成果をイノベーションとして結実させるためには、共同研究等の契約を行う際に、大学等と企業の共同研究等に対する目的を双方が認識し、様々な判断要素等を当事者双方が十分に勘案して、契約事項等の内容（研究での公表、権利の帰属、実施許諾、費用負担など）について、柔軟に対応することが重要。
● 大学等と企業による共同研究等の目的別分類と、関心の高い契約事項
大学等 企業 | 教育研究 | 社会実装 |
自社での独占的 実施 | イ | ロ 目指す |
第三者も含めた非独占的実施 | ハ | 方向 ニ |
技術シーズの探索・ 情報収集・ネットワーク形成 | ホ | ヘ |
目的の組合せ | 産学で関心の高い契約事項 | ||||||||||
共同出願す るか否か | 研究の公表 範囲 | 権利の帰属 | 海外出願の 対象国 | 実施権の種 類の選択 | 実施権の範 囲や期間 | 優先交渉権 の期間 | 実施料の設 定 | 特許の費用 負担 | 第三者への実 施許諾の同意の要否 | 第三者への許諾条件等 | |
イ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | - | 〇 | 〇 | 〇 | |||
ロ | 〇 | 〇 | 〇 | - | 〇 | 〇 | 〇 | ||||
ハ | 〇 | 〇 | 〇 | - | 〇 | 〇 | 〇 | ||||
ニ | 〇 | 〇 | - | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |||
ホ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | ||||
へ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |||
● 共同研究等の成果の取扱いに関する契約における主な判断要素とその他考慮すべき観点
凡例：「○」大学等と企業が関心の高い協議事項
：「－」目的の組合せにより決まる項目で協議事項とならない項目
：「無印」協議すべき事項ではあるが、必ずしも関心が高くない事項
※共同研究等の成果における取扱等に限らず、幅広い観点で調整を図ることも有用。
例えば、以下のような観点。
◼ 共同研究と受託研究の使い分け
◼ 単なる共同研究だけに留まらず、イン ターンシップ、学生教育、共同投資・共同事業化といった取り組みをも包含した共同事業のような大きな枠組の産学連携
◼ 共同研究等の予算規模の拡大（間接費 割合見直し,大学の人件費相当の盛り 2込み等） など。
共同研究等の基本的な要件 | |
1 | 研究対象分野（業種） |
2 | 研究段階 |
3 | バックグランドIPの帰属 |
4 | 研究予算規模 |
5 | 当該企業と大学との共同研究等の実績 |
6 | 発明の貢献度（持分比率） |
大学側の主な判断要素 | |
1 | 研究者の研究継続意向 |
2 | 知財マネジメント |
3 | 財政（特許関連収入）面 |
4 | 財政（支出）面 |
5 | 研究相手企業 |
6 | 契約交渉対応 |
7 | 企業における特許の社会実装状況 |
企業側の主な判断要素 | |
1 | 研究成果（特許）の活用意向 |
2 | 研特許の活用範囲や市場 |
3 | 事業化までの見通し |
4 | 費用（支出）面 |
5 | 契約交渉対応 |