独立行政法人国際協力機構(JICA)調達・派遣業務部
民間連携事業 業務委託契約
経理処理(積算)ガイドライン
2020年12月
独立行政法人国際協力機構(JICA)調達・派遣業務部
目次
1.はじめに 1
2.基本的な考え方と留意事項 2
(1) 経費実地検査について 2
(2) 見積金額内訳書と見積根拠資料の位置づけ 2
(3) 計上経費の対象期間と精算時に必要となる証拠書類 3
(4) 円換算と為替レート、端数処理 4
(5) 基準日 5
(6) 自社又は関連会社等から調達を行う場合の利益控除及び外部人材適格要件 5
3.経理処理の実施手順 6
(1) 経理処理の基本的な流れ 6
(2) 見積書の構成と契約金額の上限 6
(3) 契約交渉および契約金額の確定 6
1) 見積金額内訳書(見積金額明細書含む)及び見積根拠資料の精査と再提出 .6
2) 契約交渉 6
3) 見積根拠資料について 7
4) 競争に拠らない特殊な調達等について 7
(4) 契約履行期間中の経理処理について 7
(5) 契約金の支払方法 8
1) 前払 8
2) 部分払 9
3) 精算払 9
4.費目の定義と留意事項 10
(1) 費目 10
(2) 必要経費の適切な計上 10
(3) 各費目の取扱いと留意事項 12
1) 「I. (外部人材に係る)人件費」 12
1)-1 直接人件費 14
1)-2 その他原価 15
1)-3 一般管理費等 16
1)-4 外部人材の活用にあたっての留意事項 17
2) 「Ⅱ.直接経費」 19
2)-1 機材製造・購入・輸送費 19
① 機材製造・購入費等 19
② 輸送費・保険料・通関手数料 22
③ 関税・付加価値税(VAT)等 23
2)-2 旅費 24
① 航空賃 24
② 日当・宿泊料、内国旅費 29
2)-3 現地活動費 32
① 車両関係費 32
② 現地傭人費 32
③ 現地交通費 33
④ 現地再委託費 33
⑤ セミナー・広報費 34
2)-4 本邦受入活動費 35
3) 「Ⅲ.管理費」 36
別紙:「基礎調査における経費積算方法」 37
参考資料 1:見積根拠資料提出前の留意事項チェックリスト 38
参考資料 2:資料番号の付番方法について 39
表一覧
表1 スキーム別 計上可能費目一覧表 11
表2 業務格付・標準業務経験年数・基準月額表 14
表3 その他原価および一般管理費等の経費率 16
表4 学歴年次・所要フライト時間別 国際線航空便搭乗クラス区分表 25
表5 対象国・地域別 所要フライト時間区分表 26
表6 居住地等別 内国旅費基準額区分表 31
図一覧
図1 支払方法のタイプと支払時期 8
図2 外部人材として認められない例 13
図3 経路別航空賃計上可能範囲説明図 27
1. はじめに
本ガイドラインは、独立行政法人国際協力機構(以下、「JICA」という。)が実施する民間連携事業である【中小企業・SDGs ビジネス支援事業】及び【協力準備調査(海外投融資)】(以下、この両事業を「本事業」と総称します。)の業務委託契約における、見積金額内訳書と見積根拠資料の作成などの経理処理について、方法や考え方,留意事項等を記載したものです。(以下、特に説明なく記載する
「契約」は、この業務委託契約を意味します。)
なお、契約締結後の履行期間における業務遂行上または契約管理上の各種手続きについては「民間連携事業 業務委託契約 契約管理ガイドライン」(以下、「契約管理ガイドライン」という。)に、精算報告書の作成や証拠書類など精算処理に関しての具体的な方法については「民間連携事業 業務委託契約 精算ガイドライン」(以下、「精算ガイドライン」という。)に、それぞれ記載していますので、本ガイドラインとあわせて、JICA との契約交渉開始までにご確認ください。また、本ガイドラインとともに募集要項の別添資料として示された FAQ も、併せてご確認ください。
本ガイドラインの適用対象は、以下の 6 スキームとなります。
【中小企業・SDGs ビジネス支援事業】
・基礎調査
・案件化調査(中小企業支援型)(以下、「中小企業案件化調査」という。)
・案件化調査(SDGs ビジネス支援型)(以下、「SDGs 案件化調査」という。)
・普及・実証・ビジネス化事業(中小企業支援型)(以下、「中小企業ビジネス化事業」という。)
・普及・実証・ビジネス化事業(SDGs ビジネス支援型)(以下、「SDGs ビジネス化事業」という。)
【協力準備調査(海外投融資)】
・協力準備調査(海外投融資)(以下、「投融資」という。)
なお、投融資について、同調査の募集要項に本ガイドラインと異なる規定がある場合は、当該募集要項が本ガイドラインに優先します。
本事業に関連して、「不正又は不誠実な行為」が残念ながらこれまでに複数件発生しました。ついては、かかる行為を防止する観点から、JICA に提出頂く契約金額精算報告書中の証拠書類(領収書等)について、以下を留意点としてご案内いたします。
1.支払の事実がないにも関わらず、「証拠書類(領収書等)」を取引先に求めないこと。
2.「証拠書類(領収書等)記載金額」=「証拠書類発行元の受領金額」であること。
3.支払の事実が会計帳簿(主要簿及び補助簿)の記載内容と整合していること。
また、本事業内での物品・機材・役務等の調達にあたっての支払について、支払資金の流れを明確にし、スムーズに精算確定ができるよう、以下を留意点として御案内いたします。
1.現金払ではなく、可能な限り銀行振込で支払をすること。海外での支払などで現金払をせざるをえない場合は、支払資金の流れを把握できるように会計帳簿をつけること。
2.提案法人以外の外部人材などの者に立替払をさせないこと。海外での支払などで立替払を提案法人以外の者に依頼せざるを得ない場合は、支払資金の流れを把握できるように会計帳簿をつけるとともに、可能な限り速やかに(①当該立替払に関する物品・機材・役務等の調達に関連する部分払請求を行なう場合は、その請求前まで,②部分払請求がない場合は精算報告書提出前まで)立替払の清算を済ませること。
2. 基本的な考え方と留意事項
本事業は発注者である JICA から受注者である民間企業等に対し業務を委託する委託事業であり、 助成金事業や補助金事業ではありません。このことから、本事業において、提案法人は、JICA との業務委託契約に基づき事業を実施し、契約で規定する成果品(報告書等)を提出し、JICA の検査に合格することで、精算確定を経た金額を受け取ることになります。
そのため、契約金額は、必要経費(※)の積算に基づき契約交渉のうえ確定します。(採択時点で、企画書とともに提出された見積金額内訳書の金額・記載内容を承認している訳ではありません。)そして業務終了後には、原則として実績支出金額に基づき、精算がなされます。
(※)部分的な経費自社負担や無報酬を前提とした業務の履行は想定していません。(但し、地方公共団体や国立大学法人を中心として、外部人材報酬を受領できないケースや履行開始後に JICA 契約金額を超過したケース等を除きます。また、受注者所属業務従事者の人件費も、募集要項記載のとおり、契約金額に含めることはできません。(4.(3)
1)参照))
したがって、本事業の経理処理にあたっては、提案法人の自社事業に対する「補助金」の経理報告とは異なる部分があります。また、業務委託契約で規定した業務内容に入っていない業務を、JICA と の事前の同意なく追加することで発生した経費を精算対象にすることはできません。具体的には、以下に示す考え方やルールを十分ご理解ください。
(1) 経費実地検査について
上記「1.はじめに」で記載したとおり、本事業において、実際の支払額とは異なる領収書金額で精算報告を行い、差額を他の目的に流用するなどの、「不正又は不誠実な行為」を行ったと認められた複数の事案が、残念ながら発生しました。
JICA では再発防止策の一環として、受注者を訪問し、本事業に関し企業会計原則に沿った経理事務が行われているかの検査を随時行ないます。この検査では、受注契約の経費として精算対象とする領収書等の証憑書類と受注者社内の会計帳簿間の整合性確認や、これに関連する各種ヒアリングや経理処理等に関する関連根拠情報の確認等を行います。
なお、この検査は、受注者における適切な会計処理・記録が前提となるため、特に本事業に関する経費に関しては、適切な管理をお願いします。
この検査の結果、不正の可能性が認められ、かつ、JICA の求めに対し受注者が適切な会計記録等を提示できない場合、会計書類の真正性を証明できなかったものとして JICA が判断する場合があります。
当機構へ提出する精算報告書中の領収書に記載ある金額は、受注者の会計帳簿に記載ある金額と 一致することを求めます。特に受注者口座からの銀行振込による決済ではない場合(例:業務従事者等にxx現金を渡して、当該業務従事者等に支払行為をさせる場合)は、xx現金出納帳で管理するなど、決済にあたっての資金の流れが後日に検証できるようにしてください。
(2) 見積金額内訳書と見積根拠資料の位置づけ
企画書を踏まえて、JICA 委託事業として形成するための契約交渉を通じて、提案法人は業務計画書を作成します。この業務計画の実施に必要な経費のうち、公金支出対象として合意するものが、見積金額内訳書と見積根拠資料です。提案法人が実際に調達する際は、その都度、「契約管理ガイドライン」に沿った手続きにより、提案法人としての説明責任を担保し、「精算ガイドライン」に沿った証拠書類を取得することが必要です。
特に旅費の精算に関する証拠書類では不備が発生することが多いため、初回の現地渡航が終わっ た後に、JICA 調達・派遣業務部の担当者が精算方法についてコンサルテーションを行います。契約交渉の際にコンサルテーションの日程調整をお願いします。ついては、最初の現地渡航開始までに
「契約管理ガイドライン」と「精算ガイドライン」を再読し、理解を深めてください。
(3) 計上経費の対象期間と精算時に必要となる証拠書類
契約で定めた「契約履行期間」のうちに支出する経費のみが、計上の対象です。また、契約にて計上が認められていない支出は原則として精算対象とはならず(詳しくは「契約管理ガイドライン」を参照)、計上が認められている支出でも、支出の事実およびその内容が分かる証拠書類がない場合は、精算の対象となりません。そのため、受注者は、自らの責任において、証拠書類を入手し、そこに記載ある自らが再委託先等に支払った金額の根拠(単価や数量)や内訳を確認して、JICA に説明してください。
精算時に証拠書類として提出が求められる書類は、主に以下の書類があります。(必要となる証拠書類は費目や支出内容により異なりますので、詳しくは、「精算ガイドライン」をご確認ください。)
① 証拠書類としての、銀行が発行する振込明細等の活用(領収書取付以外の方法)
本ガイドラインでは、領収書を主要な証拠書類として位置づけて記載しています。他方で、2019年度に実施した受注者へのヒアリングを通じて、受注者の従来からの取引において銀行振込決済後に領収書の発行を求めていない取引相手等から精算報告書用に領収書原本を取り付けることは負荷が大きい等の課題を認識しています。
ついては、次項以降も、領収書を主要な証拠書類として位置づけた記載となっていますが、「その取引の正当性を立証するに足りる証拠」として、次の要件を満たす資料の提出が可能な場合は、領収書の取付は不要です。
要件:銀行が発行する振込明細、取引相手からの請求書(写)、受注者社内の会計帳簿等をもって、以下の全てが明確にわかること。
(a) 支払金額
(b) 支払日付
(c) 支払先(取引相手の銀行口座)
(d) 支払対象の取引内容が JICA 業務委託契約で合意した内容(例:購入物品名、単価、数量等)であること
② 領収書(原本)
領収書には、日付、支払者、支払先の情報(領収書発行者の名称・住所・電話番号・印/署名等)、支出内容(物品/サービス名称、単価、数量、支払金額、通貨単位等)の情報が明確に記載されている必要があります。これらが欠けていて、支出の事実や内容が確認できない経費は、精算対象とならない場合があります。
なお、精算に際し、領収書は、原則として原本の提出が必要となります。紛失のないようご注 意ください。
【留意事項】
・代物弁済等、物品による支払いは、JICA の精算対象とはなりません。銀行振込、電子記録債権、現金等による支払いによる領収書等の証拠書類のみが精算対象となります。これ以外の物品(受注者が取り扱う商品等)による代物弁済があった場合は、その旨を領収書に明記願います。
・海外での高額外注等で履行不能リスクを負いきれないと提案法人が判断する場合は、外注先と契約する前に真に信頼ができる相手なのかを慎重に確認する観点で、外注先の事務所を訪問したり、法人登記の有無や納税証明等を確認したりすることなどを検討してください。
・JICA との業務委託契約に規定されていない項目(現地再委託業務等)について、提案法人のみの判断で外注する場合は精算対象となりません。
③ 契約書(写)
「契約管理ガイドライン」の別添を踏まえ、次の場合は契約書(写)の提出が必要です。
・物品・機材調達: 一契約あたり日本円で 300 万円を超える契約
・受注業務の一部(調査等)の再委託: 一契約あたり日本円で 200 万円を超える契約
・工事請負: 全ての契約
但し、上述の金額未満の契約金額でも車両借上げや現地傭人の傭上が 1 回の傭上につき 30 日以上にわたる場合は、発注の前に契約書(注)の作成が必要(※1)です。
(注)契約書は、必要事項が記載されていれば、注文書と注文請書との組み合わせ等の、契約書と同等の効力を持つ文書でも構いません。(詳しくは「契約管理ガイドライン」および「精算ガイドライン」を参照。)
また、外部人材との契約においては、契約金額や契約期間に関わらず、契約書の作成が必須です。(≪4.(3) 1)-4 c) ≫参照。)
そして、これらの契約にかかる精算では、契約書(写)を添附してください。
④ 打合簿(写)
機材調達や再委託先選定の経緯および結果の確認や、やむを得ない事情により契約時の業務計画から変更が生じた場合の妥当性や経費対応方法等については、JICA と協議・合意のうえ、それらを記録する打合簿を取り交わす必要があります。(打合簿が必要な場合などについて詳細は、「契約管理ガイドライン」参照。)
精算時には、JICA と提案法人の合意済みの証として、この打合簿(写)を添附してください。
⑤ 請求書等(写)
適正な経理処理の証として、支出記録においては、それぞれの総額だけではなく、その内訳の情報も必要です。そのため、領収書は内訳の記載があることを基本としますが、これがない場合などで請求書等に内訳が記載されていれば、精算時にその書類(写しで可)を添附してください。
例:運行記録簿兼料金明細書(車両借上げの場合)出勤簿兼報酬明細書(現地傭人の場合)
(4) 円換算と為替レート、端数処理
契約は円建てで行ないます。契約金額内訳も円建てでの記載となります。
そのため、現地で現地通貨により支出を予定する経費の積算や、実際に現地で支払った経費を精算する際には、現地通貨を円建てに換算する必要があります。
その円換算のための為替レートは、JICA が市場実勢に基づき通貨ごと・月ごとで定める「JICA 月次統制レート」(以下、「統制レート」という。)(※2)(※3)を適用します。
(※1)取引上のトラブルを回避するため、300 万円未満又は 200 万円未満,30 日未満の場合でも契約書を作成されることを推奨します。なお、本事業における精算手続等の手間を避けるという観点のみでの、ロット分けにより1つの契約を 300 万円未満又は 200 万円未満とする調整や、現地傭人の1回の傭上を
29 日以下とし同じ傭上を複数回繰り返す調整等は、避けてください。
(※2)統制レートは、以下の URL にて確認が可能です。
「業務実施契約、業務委託契約における外貨換算レート表」 xxxx://xxx.xxxx.xx.xx/xxxxxxxx/xxxxxx/xxxx/xxxxxx_x/xxxx.xxxx
(※3)統制レートが設定されていない国の通貨については、「OANDA,the Currency Site (URL: xxxx://xxx.xxxxx.xxx/)に掲載ある前月最終営業日付の買いレート(Interbank Rate)の小数点第四位 以下を切捨てた数値を、当該月のレートとして使用します。
各作業段階で適用する統制レートは、以下のとおりです。
① 企画書と同時提出する見積書 :見積書を作成する月の統制レート
② 採択後に再提出する見積書 :再積算する月の統制レート
③ 契約締結時の契約金額内訳書 :当該時点の統制レート
④ 実績支出額の精算時換算 :当該経費を支払った日が属する月の統制レート
見積書等に記載するレートは、1現地通貨=***日本円の形としてください。また、見積書作成時の現地通貨から円貨への換算にあたっては、「単価」×レートで計上(1円未満(小数点以下)切り捨て)してください。
(5) 基準日
契約における各種基準額(直接人件費の基準月額、日当・宿泊料の基準額、居住地等別内国旅費、航空券クラス)や、全業務従事者の格付に係る「標準業務経験年数」(注)算出の基準日は、「投融資」を除く 5 事業について、当該事業の公示日とします。また、外部人材適格要件基準日も同じです。
「投融資」については、企画書の提出期限を特に設けていない(随時応募)ため、企画書提出日とします。
(注)「標準業務経験年数」については、表 2 を参照してください。
(6) 自社又は関連会社等から調達を行う場合の利益控除及び外部人材適格要件
将来的な海外ビジネス展開が促進されるという本事業の性格に鑑み、本事業において、契約金額の中に提案法人(補強人材の所属先も含む)の自社製品の調達又は提案法人の親会社、子会社及び提案法人・調達先のいずれか(または双方)から見て関連会社の関係にある会社(以下、「関連会社等」という。)からの調達分(役務や工事を含む)がある場合、その中に提案法人及び関連会社等の利益等相当分が含まれることは、事業の性質上ふさわしくないことから、機材費計上に際しては利益控除することになります。
なお、親会社、子会社及び関連会社の定義は、「財務諸表等の用語、様式及び作成に関する規則」
(昭和 38 年大蔵省令第 59 号)第8条によります。
また、上記の考え方は、物品調達だけではなく、役務調達においても同様です。本事業の性格に鑑み、提案法人(補強人材の所属先も含む)の直接人件費は計上できません。このことから、企画書にて外部人材として提案したとしても、契約交渉時の確認により、提案された外部人材の海外ビジネスが展開される場合は、企画書の共同提案者と同等とみなし、外部人材ではなく提案法人の補強人材など、直接人件費計上対象外と位置づけ直します。
受注業務対象国居住者(※1)は、原則として、外部人材としては認められません。ただし、本邦登記法人およびその親会社、子会社、関連会社等の専任の技術者(4.(3) 1)-4 a)(※1)参照)であ る場合は、外部人材として認められます。また、提案法人所属人員(補強人材を含む)、現地傭
人、あるいは個人事業主として現地再委託先となることは可能です。
(※1) 日本居住者と受注業務対象国居住者との区別、あるいは居住と滞在との区別は、住民票/住民登録の有無を基本としますが、居住あるいは滞在の実態を契約交渉で確認のうえ、確定します。
3. 経理処理の実施手順
(1) 経理処理の基本的な流れ
経理処理の基本的な流れは、以下のとおりです。
①見積金額内訳書(見積金額明細書含む)
提案法人は応募にあたって、事業実施に必要な経費を積算の上見積金額内訳書を作成し、企画書とともに JICA に提出します。(参考資料1,同2を参照ください。)
②契約交渉
採択後、提案法人は、見積金額内訳の根拠となった見積根拠資料を JICA に提出し、JICA との間で見積金額内訳書及び見積根拠資料について契約交渉で確認します。
③契約締結
④前払/部分払/概算払
各支払に関する詳細説明は、「契約管理ガイドライン」を参照してください。
⑤精算
詳細説明は、「精算ガイドライン」を参照してください。
(2) 見積書の構成と契約金額の上限
原則として、企画書と同時に提出した見積書の見積金額が契約金額の上限となります。
(3) 契約交渉および契約金額の確定
1) 見積金額内訳書(見積金額明細書含む)及び見積根拠資料の精査と再提出
採択後、提案法人は、企画書とともに提出した見積金額内訳書を精査(再積算する月の JICA月次統制レートによる再積算を含む)し、再度見積金額内訳書を JICA に提出します。このときに当該見積金額内訳書の作成に使用した見積根拠資料も提出します。(募集要項に記載の通 り、企画書の採択は、提案内容すべてをJICA が承認したという意味するものではなく、事業内容やそれに伴う経費の変更を求める場合がある点、ご留意ください。)
2) 契約交渉
再提出された当該見積金額内訳書および見積根拠資料に基づき、採択された提案法人と JICA との間で契約交渉を行います。契約交渉において JICA は、提案法人と業務の内容、見積金額とその根拠について費目毎に詳細を確認し協議します。
特に、外部人材については、≪4.-(3)-1)「Ⅰ.(外部人材に係る)人件費」≫に記載のとおり、所属によって計上が認められない場合がありますので、契約交渉において確認します。
契約交渉の結果、確定した見積金額は、契約書に附属書として添附する「附属書Ⅲ 契約金額内訳書」に反映されます。
また、「精算ガイドライン」の「3.精算処理のフロー」に記載のとおり、事務処理には一定の時間が必要です。ついては、適切な資金計画を作成するため、契約交渉段階で、本事業受託期間中の提案法人の資金計画(前払/部分払/概算払の要否と想定する時期)、提案法人の決算日と JICA からの支払が当該決算月までなされることを希望するか否かをご説明ください。なお、JICA 側の予算管理上、会計年度をまたぐ資金計画については、JICA 側の監督職員と話し合ってください。
3) 見積根拠資料について
契約交渉では、原則として二者以上から取得した見積書等の見積根拠資料を提示いただき、計上金額の妥当性を確認します。
ただし、以下①については、妥当な金額を把握しやすいことから、一者見積で可とします。また、以下②については、採択通知後に、提案法人より要望ある場合には、見積根拠資料の入手・提出ではなく、JICA より参考単価を提示してそれにより積算することも、可能とします。
① ・旅費 :航空賃
・現地活動費 :車両傭上費、国内交通費、セミナー会場費
・本邦受入活動費:航空賃
② ・現地活動費 :セダン,4WD等の一般的な乗用車の車両傭上費
一般的な秘書や事務員にかかる現地傭人費
【留意事項】
・見積根拠資料は、計上物品/サービスを提供する店舗等が発行した見積書を原則としますが、この入手が困難な場合は、ウェブサイトで入手した資料や過去の購入実績資料でも可とします。
・提出いただいた見積根拠資料で単価等の妥当性が確認できない場合は、交渉段階において追加の説明資料や見積根拠資料の再提出等をお願いする場合があります。
・競争に拠らない特殊な調達を想定される等の理由により、見積根拠資料が一者分しか提出されない場合(上記但し書き記載項目以外において)には、その理由および価格の妥当を確認のうえで、その金額を契約計上額とします。ただし、これをもって当該見積根拠資料提出者との契約を可と認定したわけではありませんので、御留意ください。(次項参照)
・参考資料 1 として「見積根拠資料提出前の留意事項チェックリスト」を添附しますので、 JICA との契約交渉前にご利用ください。
4) 競争に拠らない特殊な調達等について
本事業の契約に含まれる調達は、複数者による価格競争を行い、xx性・競争性・透明性を確保した調達を行なっていただくことを原則としています。この原則に反し、特定の一者との契約(以下、「特命随意契約」という。)を想定する場合は、実際の調達に着手する前に、その理由(目的を果たすことができる唯一無二の存在であること)や提示価格の妥当性について、提案法人に説明書を作成いただいた上で、妥当性が確認された場合は、打合簿であらためて記録します。
(4) 契約履行期間中の経理処理について
契約履行開始後は、本ガイドラインに加え、「契約管理ガイドライン」、「精算ガイドライン」に則り、適正な経理処理を行ってください。
なお、本ガイドラインにおいても、精算時に必要となる書類等について、一部を記載しています。これは、早い段階からこれらに留意いただくことを目的としています。
(5) 契約金の支払方法
契約金の支払方法には、以下の 4 つのタイプがあります。(図1参照)
業務委託契約においては、成果品の完成に対してその対価が支払われることから、図 1 の
①が原則ですが、受注者の資金計画に応じて、図 1 の②~④のタイプも選択できます。上述のとおり、契約交渉において支払方法の確認はしますが、資金計画の変更にかかる支払方法変更の必要が生じた場合は、JICA 側の予算措置等事務処理上可能な範囲で、変更は可能ですので、JICA 側の監督職員と御相談ください。
なお、契約履行期間が 1 年を超える長期間の案件については、以下の1)のとおり前払金額上限が逓減するため、必要に応じて各年度毎等複数回の部分払を活用する資金計画を推奨します。
①業務完了後の一括精算払(全額後払)
②前払(契約締結後)+ 精算払(業務完了後)
③部分払(可分な業務の完了後)+ 精算払
④前払 + 部分払 + 精算払
「前払」、「部分払」、「精算払」の意味は、それぞれ以下のとおりです。
1) 前払(契約履行期間中に 1 回のみ可能)
契約締結後、JICA は提案法人の請求に基づき、契約金額(税込)の 40%(注)を上限として、支払うものです。
(注)長期間の案件では、契約履行期間により、以下の通り、上限が逓減します。 12 箇月超 16 箇月未満:契約金額(税込)の 30%
16 箇月超 24 箇月未満:契約金額(税込)の 20%
24 箇月超 48 箇月未満:契約金額(税込)の 10%
48 箇月超 :交渉により決定
【留意事項】
前払を受けるには、金融機関または保証事業会社が発行する保証書が必要です。個人保証は認められません。保証書発行に係る手数料については、金融機関毎に異なるため、金融機関等に直接ご確認ください。
2) 部分払(契約履行期間中に複数回可能)
部分払は、契約書で規定する部分払対象業務が完了した際に作成・提出される中間成果品
(進捗報告書等)の検査後、その業務の完了に要した金額を確認し、その 90%を上限として、受注者の請求に基づき支払うものです。
部分払を受けるためには、あらかじめ「契約管理ガイドライン」(契約約款第 17 条)に沿った形で中間成果品を定め、①契約書で定めた一部業務を完了すること、②中間成果品を JICA に提出して検査に合格することが条件となります。これは、提案法人の要望にもとづいて契約交渉の中で確認し、契約書に記載します。部分払が必要である場合、契約交渉の際にお申し出ください。
請求可能な「部分払金額」は、以下の式で算定します。
部分払金額≦契約金相当額×(9/10-前払金額/契約金額)
(「契約金相当額」の定義は業務委託契約約款第 17 条 1 項を参照。)
3) 精算払
受注者が、①契約書で定めた全ての業務の完了、②最終成果品の JICA への提出および検査合格、③精算報告書の JICA への提出および確認完了・精算金額確定 の全ての後に請求を行なう、当該案件として最終の支払いです。
【概算払】(「検査後仮払」と称する場合もあります。)精算払の一環として、「概算払」があります。
これは、JICA で精算報告書の内容を精査し精算金額が確定するまで一定の時間を要する
(概ね 1~3 ケ月)ため、この間の受注者の金銭的負担の軽減を目的として、最終的な精算金額確定による精算払に先立ち、精算報告書に記載を予定する金額と契約金額のいずれか低い額の 10 分の 9 以内の額(ただし、前払金又は部分払を受けている場合は、この上限金額からこれらの額を控除した額が請求の上限となります。)を、提案法人の請求に基づき、支払うものです。この概算払は、最終成果品の検査合格の通知を JICA から受けた後に、請求が可能となります。
【留意事項】
提案法人は、概算払の入金から各経費の支払いまでをすべて JICA との契約履行期限内に行う必要があり、精算報告書提出時にはすべての経費の支払いが完了し領収書等の証拠書類が揃っていなければなりません。
4. 費目の定義と留意事項
(1) 費目
計上可能な費目は、表 1 のとおりです。事業形態により計上できる費目が異なりますので、ご注意ください。
(2) 必要経費の適切な計上
本事業は、業務委託契約であり、提案法人が進める全体事業中の特定部分にかかる経費の補助金などではなく、委託契約としての成果が求められます。そのため、その経費において、一部の費目のみに極端に偏った計上は想定されません。
業務委託契約として必要な諸活動に係る費用がバランスよく計上されていることが望まれます。
表1 スキーム別 計上可能費目一覧表
●:計上可 ×:計上不可
費目 | 基礎調査 | 案件化調査 | 普及・実証・ビジネス化事業 | 協力準備調査 (海外投融資) | 定義・内容 | |||||
中小企業支援型 | 中小企業支援型 | SDGsビジネス支援型 | 中小企業支援型 | SDGsビジネス支援型 | ||||||
Ⅰ.(外部人材に係る)人件費 | ||||||||||
1.直接人件費 | ● | ● | ●(※1) | ● | ● | ● | 外部人材(コンサルタント等)の直接人件費 ※事業提案者の業務従事者の直接人件費は計上対象外 | |||
2.その他原価 | ● | ● | ●(※1) | ● | ● | ● | 間接的に業務支援を行う事務員、技術者等の人件費、事務機器の損料、水道光熱費、銀行手数料等 | |||
3.一般管理費等 | ● | ● | ●(※1) | ● | ● | ● | 役員報酬、地代家賃、広告宣伝費、保険料、雑費等 | |||
Ⅱ.直接経費 | ||||||||||
1.機材製造・購入・輸送費 | ||||||||||
1)機材製造・購入費等 | ||||||||||
①本邦機材製造・購入費 | × | × | × | ● | ● | × | 日本国内における資機材の製造・購入費 | |||
②現地機材製造・購入費 | 現地における資機材の製造・購入費 | |||||||||
③現地工事費 | 資機材等の現地における据付等にかかる再委託工事費等 | |||||||||
2)輸送費・保険料・通関手数料 | × | ●(※2) | × | ● | ● | ● | 資機材等の輸送費(梱包費用、保険料、通関手数料等含む) | |||
3)関税・付加価値税(VAT)等 | × | ●(※2) | × | ● | ● | ● | 資機材等の現地通関の際の必要な関税等 | |||
2.旅費 | ||||||||||
1)航空賃 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | 提案法人の業務従事者及び外部人材の現地渡航に必要な航空運賃等 | |||
2)日当・宿泊料、内国旅費 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | 提案法人の業務従事者及び外部人材の日当・宿泊料及び日本国内の内国旅費 | |||
3.現地活動費 | ||||||||||
1)車両関係費 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | 現地での活動に必要な車両関係費 | |||
2)現地傭人費 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | 現地での活動に必要な傭人費 | |||
3)現地交通費 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | 現地での交通費 | |||
4)現地再委託費 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | 現地における委託契約費用(※3) | |||
5)セミナー・広報費 | × | ● | ● | ● | ● | × | 現地でのセミナー,活動成果広報等に必要な経費 | |||
上記以外の費用 | × | × | × | × | × | × | ||||
4.本邦受入活動費 | ||||||||||
1)航空賃 | × | ● | × | ● | ● | ● | 海外から相手国関係者を本邦に受け入れる際の航空運賃等 | |||
2)本邦受入活動業務費 | × | ● | × | ● | ● | ● | 海外から相手国関係者を本邦で受け入れる際の必要経費 | |||
上記以外の費用 | × | × | × | × | × | × | ||||
Ⅲ.管理費 | ||||||||||
● | ● | ● | ● | ● | ● | 受注業務の管理に必要な経費(≪4.(3) 3)≫の説明を参照) |
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※1 2020年度第2回(2020年12月)公示においては、コロナ禍への対応として、計上可としています。(他の回の公示では計上不可としていました。)
※2 原則として、提案法人負担で資機材を購入/提供し調査終了後にその資機材を日本に持ち帰る場合のみ、輸送費等(往復分)および関税等の計上を認めています。
ただし、対象となる資機材が消耗品である場合など、日本に持ち帰らないことの妥当性が確認できる場合は、往路分(片道)のみの輸送費計上を認める場合があります。
※3 現地工事に係る委託経費を除きます。現地工事委託の経費は、Ⅱ.直接経費 1.機材製造・購入・輸送費 1)機材製造・購入費等 ③現地工事費 にて計上してください。
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(3) 各費目の取扱いと留意事項
各費目について、以下のとおり取り扱うこととします。
1) 「I. (外部人材に係る)人件費」
将来的な海外ビジネス展開が促進されるという本事業の性格に鑑み、提案法人の役員等(社外取締役、相談役等を含む。以下同様。)及び従業員(兼業者含む。以下同様。)が JICA との業務委託契約において業務従事者となる場合の人件費は計上できません。補強人材も同様です。また、提案法人の関連会社等(≪2.(6)≫を参照)の役員及び従業員が JICA との業務委託契約において業務従事者となる場合も同様に人件費は計上できません。
一方、技術・分野課題・対象国・ビジネス展開、ODA 案件管理等にかかる知見を持つ、「外部人材」(コンサルタント、他企業の技術者、金融機関、中小企業診断士、大学教員等)を本事業に活用するための経費については、業務のために購入を要する物品と同様に、必要な役務調達の経費と位置づけ、計上を認めています。外部人材適格要件は、公示日時点(投融資は企画書提出日時点)で次の①~⑦の全てを満たす「自然人」及び「法人の役員及び従業員」となります。なお、外部人材活用にかえて、上述の知見を持つ現地傭人と契約することや法人への再委託とすることも(「現地再委託ガイドライン」準拠)、可能です。
① JICA との業務委託契約の下、提案法人が調達する物品及び役務の契約相手となること等を通じて提案法人から「外部人材人件費」以外の支払を得ないこと。(例:提案法人が本事業で調達する他社製品に係る売買契約や提案法人が本事業で実施する調査に係る現地再委託契約(注)の契約相手になる可能性が全くないこと。可能性が少しでもある場合は、同業務委託契約に基づく提案法人による調達行為のxx性・透明性・競争性確保の観点で、外部人材はもとより、原則として補強人材にもなれません。)
(注)現地再委託契約については、≪4.(3)2)-3④≫を参照下さい。
② 提案法人の役員等及び従業員でないこと。
③ 提案法人の関連会社等の役員等及び従業員でないこと。
④ 役員の兼務等により提案法人との間で実質的支配関係にある法人の役員等及び従業員でないこと。
⑤ 普及・実証・ビジネス化事業において、提案法人の提案機材が商品としての機能を発揮する為のパーツ(機材・ソフトウェア等)を製造する法人の役員等及び従業員でないこと。
⑥ 共同企業体の構成員と事実上同じ役割を担い、JICA との業務委託契約の下、提案法人とともに提案製品・技術の海外ビジネス展開が促進されるという便益をえないこと。(例: JICA との業務委託契約が対象とする提案製品・技術に関して、提案法人と共同で海外ビジネスを展開することを、同業務委託契約の履行期間前から合意してはいないこと。なお、JICA 業務委託契約の履行期間中に提案法人と外部人材とが共同海外ビジネス展開に合意した場合は、その経緯を確認のうえで、当該外部人材について外部人材から補強人員への位置づけ変更等を検討します。履行期間終了後の共同ビジネス展開の実施については、制限はありません。)
⑦ 受注業務対象国居住者でないこと又は本邦登記法人及びその親会社、子会社、関連会社等の専任の技術者であること(定義は、≪2.(6)≫のとおり。)
なお、外部人材が必要とする人件費以外の直接経費、すなわち、航空賃、日当・宿泊料や車両借上げ費等については、「II.直接経費」に計上します。
また、これらは、上記①の「「外部人材人件費」以外の支払」には該当しないものとします。
図2 外部人材として認められない例
(上の諸図はあくまでも例です。よって、上の諸図に当てはまらないことをもって外部人材の要件を満たすことの説明とはなりません。外部人材要件への適合は前ページ記載の条件により、個別判断されますので、御留意ください。)
1)-1 直接人件費
「直接人件費」とは、現地または日本国内において当該業務に従事する外部人材の直接人件費です。業務従事者ごとに、「単価」×「業務量」により算出します。事業目的を達成するために必須の外部人材の「知見」を、提案法人として有効かつ効率的に活用できる「業務量」となるように、計画してください。
① 直接人件費単価の設定
原則として、まず企画書等で示された担当業務の内容・難易度により格付を設定し、次に当該業務を担う業務従事者が表 2 の標準業務経験年数を満たしているかどうかを確認し、同業務従事者の格付を決定します。よって、「標準業務経験年数」が足りない場合には、原則、「標準業務経験年数」に応じて格付を下げます。(注意:企画書等で提案された格付の通りにはならな いことがありますので、外部人材候補者との事前交渉の際には留意ください。)
また、決定した格付に基づき、表 2 の基準月額単価を上限とし、当該業務従事者の月額単価を決定します。(補足:外部人材に支払う月額単価は提案法人と外部人材間の契約交渉によって確定します。よって、基準月額単価未満の月額単価であっても両者間で合意すれば設定可能です。逆に、基準月額単価を超える月額単価であっても両者間で合意すれば設定可能ですが、この場合の契約計上単価は基準月額単価が上限となります。)
表 2 業務格付・標準業務経験年数・基準月額表(注1)
格付 | 業務の内容・難易度の例 | 標準業務 経験年数(注 2) | 外部人材向け 基準月額 |
2 号 | 高度な調査・分析能力を必要とする業務全業務従事者の業務を総括する業務 現地政府・カウンターパートとの間で難易度の高い交渉・調整能力が必要とされる業務 現地政府・カウンターパートとの間で難易度の高い交渉・調整能力が必要とされ、かつ、JICA との折衝や調整等を含めて総合的に提案法人を支援する業務 | 18 年以上 | 1,106,000 円 |
3 号 | 高度な調査・分析能力を必要とする業務業務従事者の業務を総括する業務 (例:業務xx者または複数外部人材のとりまとめ 業務) | 13 年以上 | 974,000 円 |
4 号 | 一般的な情報収集・分析業務 | 8 年以上 | 812,000 円 |
5 号 | 業務xx者等の包括的指示のもとに行う一般的な情報収集・分析業務 | 5 年以上 | 654,000 円 |
6 号 | 業務xx者等の包括的指示のもとに基礎的資料をx xする業務等 | 2 年以上(注 3) | 558,000 円 |
(注1)投融資の人件費に係る詳細は、投融資募集要項を確認してください。
(注2)標準業務経験年数は大学卒業者を基準とした年数であり、短大卒、高卒等の業務従事者に必要な経験年数については個別に判断します。また、医科大学など6年制大学の卒業者については、卒業時点で経験年数 2 年として起算します。
なお、経験年数の起算は大学卒業後最初の 4 月 1 日とし、公示日時点での年数を「経験年数」と
します。(卒業時期が 3 月ではない海外の大学等を卒業した場合においても同様。)
(注3)業務経験年数 2 年未満の人材の活用は、原則として認められません。
(注4)極めて高度な専門性を有する人材(例:弁護士,医師)については、再委託契約として人材を調達してください。
見積金額内訳書作成にあたっては、外部人材が所属する団体等について、表 3 の定義に基づき、「A」,「B」,「C」から適切な所属分類記号を選択してください。なお、提案法人に所属する従事者の所属分類記号は「Z」とします。
② 業務量(業務人月)の考え方
業務量(業務人月)は、業務従事日数を人月に換算して算定します。この換算は、現地業務においては拘束日(本邦出発日(注)から本邦帰国日(注)まで)30 日=1人月とし、国内業務においては稼働日(業務を行った日)20 日=1人月とします。
具体的な計算方法は次のとおりです。
(注)本邦出発日/本邦帰国日の定義については、≪4.(3) 2)-2 旅費≫を参照下さい。
②-1 現地業務
業務従事者ごとに配置日数(拘束日(注))を合計し、30 日で除して、業務人月を算出します。小数点以下第3位を四捨五入して、小数点以下第2位まで算定します。
なお、業務対象国に居住する業務従事者(≪2.(6)≫参照)については、居住地と異なる地で宿泊を要する行程により業務に従事した期間を現地業務期間とします。
(注)「拘束日」には、1人月(30 日)当たり 10 日以内の休息日が含まれることを想定しています。
②-2 国内業務
業務従事者ごとに配置日数(稼働日)を合計し、20 日で除して、業務人月を算出します。なお、業務対象国に居住する業務従事者については、居住地での業務(宿泊を要しない
行程で居住地を離れた期間を含む)に従事した期間を国内業務期間とします。
【JICA 単価の考え方】
上表 2 に掲げる外部人材向け基準月額は、現地業務が主となる海外での業務を行うコンサルタントに対するJICA 単価を準用していることから、国内業務人月が現地業務人月を上回る提案は原則として受け付けられません。
ただし、新型コロナウイルス感染症等などの原因により外部人材が現地渡航できない場合については、別途募集要項で定めます。
その他原価率と一般管理費等率は、現地業務が主となる海外での業務を行うコンサルタント会社に対する経費実態調査を踏まえて設定された率です。業務委託契約全体で国内業務人月が現地業務人月を上回る場合は、その他原価率と一般管理費等率の設定の前提条件が変わることになりますので、本ガイドラインに記載のその他原価率と一般管理費等率よりも低率かつ合理性のある率を提案法人が JICA に説明していただきます。
1)-2 その他原価
「その他原価」とは、外部人材の所属法人における当該業務の担当部署の事務職員の人件費、間接的に業務支援を行う技術者の人件費、福利厚生費、水道光熱費等の経費に相当します。
「その他原価」の計算方法は、以下の数式によります。
その他原価=(直接人件費)×(その他原価の経費率)
この中で、その他原価の経費率は、所属法人(あるいは個人)によって異なり、65%~120%を上限とします。(経費率は提案法人と外部人材との合意により定められます。)詳細は、表 3参照。
1)-3 一般管理費等
「一般管理費等」は、「一般管理費」と「付加利益」からなります。
「一般管理費」とは、外部人材の所属法人の当該業務の担当部署以外の経費であって、役員報酬、従業員給与手当、退職金、法定福利費、福利厚生費、事務用品費、通信交通費、水道光熱費、広告宣伝費、交際費、寄付金、地代家賃、減価償却費、租税公課、保険料、雑費等を含みます。
また、「付加利益」とは、当該業務を受託する企業等を継続的に運営するのに必要な費用であって、法人税、地方税、株主配当金、役員賞与金、内部保留金、支払利息および割引料、支払い保証料その他の営業外費用等を含みます。
「一般管理費等」は、以下の数式にて計算します。
一般管理費等=(直接人件費+その他原価)×(一般管理費等の経費率)
この中で、一般管理費等の経費率は、その他原価の経費率と同様に、所属法人(あるいは個人)によって異なり、0%~40%を上限とします。(経費率は提案法人と外部人材間の契約交渉によって確定します。)
表 3 は、その他原価と一般管理費等について、外部人材の所属先を 3 種類に区分(A、B、C)し、それぞれの経費率を説明したものです。なお、外部人材所属先が NPO や大学の場合は、この経費率設定の根拠とした営利企業とは財務構造が異なることが想定されるため、説明責任担保の観点から、適切な経費率の説明(例:大学における受託規程)を提案法人に求めます。
表 3 その他原価および一般管理費等の経費率
団体等種別 ( 所属分類 記号) | 定 義 | その他原価率 | 一般管理費 等率 |
コンサルティング企業 (A) | 1)当該法人の事業概要にコンサルティング業務、又はそれに類似する業務が明記されていること、 かつ 2)当該法人が過去3年間に途上国における開発事業、もしくは我が国中小企業の途上国に対する海外展開支援(途上国における調査業務を含むものに限る)に係るコンサルティング業務を受託した経験があること | 0~ 120% | 0~ 40% |
上記以外の法人(B) | 上記定義に当てはまらないが、法人格を有している団体 (一般企業、NPO や大学) | 0~ 75% | 0~ 40% |
個人(C) | 1)法人格を有していない個人、 2)大学教員等、団体に所属しているが、団体を通じた派遣でない場合 | 0~ 65% | 0% |
見積金額内訳書作成にあたっては、外部人材が所属する団体等について、表 3 の定義に基づき、「A」,「B」,「C」から適切な所属分類記号を選択してください。なお、提案法人に所属する従事者の所属分類記号は「Z」とします。
なお、契約時に定めたその他原価、および一般管理費等の経費率は、精算時に変更することはできません。
1)-4 外部人材の活用にあたっての留意事項
a) 外部人材が所属する団体等の種別区分について
外部人材が所属する団体等の種別は、表 3 に記載されている定義に則って決定してください。また、「コンサルティング企業(分類 A)」または「上記以外の法人(分類 B)」の場合は、当該外部人材が所属団体の「専任の技術者(※1)」であることを、次ページの様式を活用して、提案法人が確認してください。「専任の技術者」であると確認できない場合は、「個人(分類 C)」に分類してください。この作成した様式は、契約交渉資料として提出いただきます。
b) 大学教員または地方公共団体等の職員が外部人材として業務に参画する場合
大学教員または地方公共団体等の職員の場合、大学や地方公共団体等の組織(=コンサルティング企業以外の法人(分類 B)として参画するのか、あるいは個人(分類 C)として参画するのかを明確にしてください。
受託規程を有している大学との外部人材契約においては、当該受託規程に沿った間接経費率(本ガイドラインに記載あるその他原価や一般管理費等に相当する経費)がある場合は、現地業務人月と国内業務人月の割合に関わらず、当該受託規程を原則適用(ただし本ガイドラインの一般管理費等率が上限)してください。
また、地方公共団体や国立大学法人を中心として、直接人件費を受領できないケースがありますので、この受領の可否を、提案法人が確認してください。なお、直接人件費を受領できないケ ースでも、外部人材としての参加にあたっては提案法人と外部人材との間で、後述する契約書等の取り交しが必要です。
c) 外部人材との契約の時期、契約内容
提案法人が外部人材を活用する際には、提案法人と JICA との契約締結後から外部人材の業務開始日前日までに、以下を明示した契約書を当該外部人材所属団体(個人の場合は、外部人材本人)と締結する必要があります。なお、「契約書」でなく、「依頼状」+「承諾書」等の2文書に分かれた形でも、以下の情報が網羅され双方の意思が確認できれば、可です。
・契約相手先
・契約日
・履行期間
・契約金額
(※1) 「専任の技術者」とは、以下のいずれかに該当するものを意味します。
(1) 当該法人の経営者。
(2) 当該法人が雇用している技術者であって、当該法人以外の法人との間で雇用関係のない者。
(3) 当該法人が雇用している技術者であって、当該法人以外の法人との間でも雇用関係はあるが、当該法人との間に「主たる賃金を受ける雇用関係」がある者。
なお、ここで
・「雇用している」とは、民法上の雇用関係または労働法上の労働者性を有することを意味します。
・「技術者」とは、業務の実施に必要な専門性・知見を有する者を意味します。
・雇用予定者は雇用関係がないとみなしますので、「専任の技術者」とは認めません。
・「主たる賃金を受ける雇用関係」とは、当該技術者の雇用保険の事業主負担を行っている法人と当該技術者の関係を指します。ただし、65 才以上で新たに雇用された技術者等で雇用保険に加入していない者については、主たる賃金を受ける雇用契約を有する法人との関係を示します。主たる賃金を受ける雇用契約に当たるか否かについては雇用契約書等関連資料を審査のうえ、JICA にて判断します。
・各人の人件費単価(人件費計上なしであれば、その旨を明記。)
・業務従事者の氏名、業務内容及び期待される成果
なお、直接経費(航空賃、日当・宿泊料等)は、原則として提案法人が外部人材に対して直接 給付する条件とするため、外部人材との契約金額内訳には含めないでください。
d) 外部人材の人件費の精算
外部人材の人件費の精算には、提案法人と外部人材所属団体(個人の場合は、外部人材本人)との契約書(又は委嘱状等)の写し、当該契約にかかる外部人材履行結果検査調書、領収書が証拠書類として必要です。
専任の技術者要件を確認する様式:
様式 外 部 人 材 予 定 者 経 歴 書
案件 | 案件名 | 国 | |||
提案法人名 | |||||
外部人材予定者 | 担当業務 | ||||
氏名 (注1) | 日本語表記 | ||||
ローマ字表記 | |||||
生年月日(注2) | 年 月 日 | ||||
居住国(注3) | 日本 ・ 日本以外( ) | ||||
現職(注4) | 採用年月 | 所属先 | 部・課、職位 | 職務内容 | |
年 月 | |||||
雇用保険 | 確認(受理)通知年月日【 被保険者番号【 】 事業所番号【 事業所名略称【 】 | ||||
健康保険 | 被保険者記号-番号【 ― 】 交付日 【 年 月 日】保険者番号【 】 保険者名称【 】 事業所名称【 】 |
(注1)日本語・ローマ字両方での記載を原則とするが、外国籍人材の場合はローマ字表記のみでも可。旧姓を記載する場合は、住民票記載の姓の後にカッコ書きで記入。
(注2)年は西暦により記載(下の採用年月欄記載も同様)
(注3)公示日時点で住民票が日本にある場合は「日本」を選択。
公示日時点で住民票が日本にない場合は「日本以外」を選択し、居住している国を記載。 (注4)保険は、雇用保険/健康保険のいずれかについて記入。
2) 「Ⅱ.直接経費」
2)-1 機材製造・購入・輸送費
「中小企業ビジネス化事業」および「SDGs ビジネス化事業」では、必要な機材の「機材製造・購入費等」、「輸送費・保険料・通関手数料」および「関税・付加価値税(VAT)等」を原則として計上します。「中小企業案件化調査」および「投融資」では、事業の趣旨に鑑み、「機材製造・購入費等」は計上できません。他方、「輸送費・保険料・通関手数料」および「関税・付加価値税(VAT)等」は計上することが可能です。
機材に関するガイドラインには、「契約管理ガイドライン」の別添として以下の 2 つのガイドラインがあり、実際に機材を調達するとき、または輸出するときには、当該ガイドラインに従って進めていただくことになります。
契約管理ガイドライン 別添1.「物品・機材の調達・管理ガイドライン」同 別添2.「輸出管理ガイドライン」
なお、「中小企業基礎調査」および「SDGs 案件化調査」は対象外です。
① 機材製造・購入費等
「中小企業ビジネス化事業」、「SDGs ビジネス化事業」においては、提案法人の製品・技術の普及や実証等のために必要な機材の購入を行うことができます。
原則として、本邦調達または現地調達によって購入しますが、必要に応じ、第三国における調達も可能です。
① -1 機材の所有権
調達した機材の所有権は JICA に属しますが、契約履行期間中、JICA はこれを提案法人に貸与し、その実施する「中小企業ビジネス化事業」または「SDGs ビジネス化事業」に供します。また、契約業務実施後、JICA は、当該機材を譲与するものとしますが、譲与先は原則として相手国政府関係機関となります。
なお、機材の性質上、相手国政府関係機関への当該機材の譲与が困難な場合等は、JICA 所有とせず、提案法人が所有する機材に対し JICA が損料を支払う形で借り受けて契約業務を実施することも可能です。
提案法人の自社製品及び提案法人の関連会社等の製品(以下「自社製品等」という。)にかかる損料の算定式は、原則として次のとおりとします。ただし、「(直近会計年度における)販売実績平均価格」の真正を説明できる責任者が押印していること(可能であれば、公認会計士等の専門家の押印もあること)が算定式適用の要件です。販売実績は売上帳や得意先元帳等により販売先、商品型式、販売日、販売価格などの情報を確認します。
なお、これに拠りがたい合理的な理由がある場合(例:直近会計年度において同型式の販売実績がない。同型式の販売実績はあるが、現地適用のためのカスタマイズ費用が別途かかるなど)は、契約交渉の際に説明願います。
自社製品等損料算定式:
「(直近会計年度における)当該自社機材の販売実績平均価格(*1)」×「JICA との契約に基づき製品を業務の用に供する日数(*2)」/「減価償却資産の耐用年数等に関する省令に基づく製品の耐用年数×365」
*1:主たるxxxxが同一(同一スペック範囲の考え方は提案法人から説明をお願いします。)である製品の、販売実績全品の平均価格
*2:JICA による稼働確認日から当該案件における業務の用に供することを終えた日まで
また、自社製品等以外の製品にかかる損料の算定式は、原則として次のとおりとします。これに拠りがたい合理的な理由がある場合は、契約交渉の際に説明願います。
自社製品等以外損料算定式:
「仕入価格」×「JICA との契約に基づき製品を業務の用に供する日数(*3)」/「減価償却資産の耐用年数等に関する省令に基づく製品の耐用年数×365」
*3:上記*2と同じ
① -2 機材製造・購入費における利益控除
契約業務の実施によって提案法人の製品・技術の普及や実証等が行われ、その将来の海外ビジネスの展開が促進されるという本事業の趣旨に鑑み、機材の購入(自社製品の場合は“販売”)そのものによって、提案法人が何等かの「利潤」を得るものではないと整理しています。すなわち、当該機材が自社製品等(日本国内で販売実績のあるものに限ります。)である場 合は、提案法人が次の a-1)若しくは a-2)方式または b)方式により利益を控除した額を算定して、提示します。また、JICA との業務委託契約において共同企業体の構成員と事実上同じ役割を担い提案法人とともに海外ビジネス展開が促進される他社の製品についても、本事業において調達しようとする場合には、同様に、利益を控除した額を算定して、提示します。
a‐1) 損益計算書(P/L)を用いた利益控除方式(ソフトウェア以外)算出式は次のとおりです。
この方式に拠りがたい合理的な理由がある場合(例:直近会計年度において同型式の販売実績がない。同型式の販売実績はあるが、現地適用のためのカスタマイズ費用が別途かかる。機材ではなくインフラ設備にかかる工法を普及するなど)は、「b) 製造原価報告書に基づき製造原価を提示する方式」を採用することができます。
また、既存製品をカスタマイズする場合、既存製品部分にはこの利益控除方式を、カスタマイズ部分には次項b)の積上方式を、それぞれ適用することも可能です。
利益控除方式(ソフトウェア以外)算定式:
「(直近会計年度における)当該自社機材の販売実績平均価格(*4)(*7)」×(1-「売上総利益率(*5)(*7)」)(*6)
*4:上記*1と同じ。
*5:「売上総利益率」とは直近会計期間の P/L に記載の「売上総利益」/「売上高」です。
*6:「売上総利益率」がマイナスの場合(直近会計期間において売上原価を下回る売価で売り上げた場合)は、公表されている最も新しい「中小企業実態基本調査(中小企業庁)」(※1)の「産業中分類別表 - 1)法人企業」または「産業中分類別表 - 2)個人企業」の数値を用いて、自社製品等が属する産業中分類と当該製品の製造会社の形態に応じて、(1-「売上総利益率」)を算出する。なお、「中小企業実態基本調査(中小企業庁)」による算出が不可能な場合は、利益控除方式を採用できません。
*7:「(直近会計年度における)販売実績平均価格」と「売上総利益率」が真正なものであることについて説明できる責任者が押印していること。可能であれば、公認会計士等の専門家の押印もあること。
(※1)xxxx://xxx.xxxxxx.xxxx.xx.xx/xxxxxx/xxxxxx/xxxxx/xxxxx.xxx
a‐2) 損益計算書(P/L)を用いた利益控除方式(ソフトウェア)
製造者による複製が容易かつ利用期間中も情報セキュリティなどの理由で常にメンテナンスが必要なソフトウェアについては、使用許諾契約(ライセンス契約)としての計上の方が適しています。提案法人において、使用許諾内容(例:ユーザ数、同時アクセス数)、禁止事項、免責条項を明確にしてください。ソフトウェアの算出式は次のとおり。
利益控除方式(ソフトウェア)算定式:
「(直近会計年度における)当該自社ソフトウェア 1 ライセンスの販売実績平均価格(*4)
(*7)」×(1-「売上総利益率(*5)(*7)」)(*6)×「本事業での必要ライセンス数」
「カスタマイズ費用総額」÷「業務対象国でのライセンス使用許諾料算出条件とした数量(*8)」×「本事業での必要ライセンス数」=「業務対象国での1ライセンス当たりのカスタマイズ費用」×「本事業での必要ライセンス数」
また、ソフトウェアをカスタマイズ(例:現地語化)する場合の算出式は次のとおり。利益控除方式(ソフトウェアカスタマイズ)算定式:
*8:当該国でカスタマイズしたソフトウェアを販売する場合、国内で既存ソフトウェアの販売量及び価格を算出した際と同様の考え方で、当該国で販売することを想定し一定期間内に販売すべき数量を算出してください。
なお、ソフトウェアは、一般的な機材のように事業実施の後に相手国政府関係機関に譲与することは、譲与後の保守・運用の観点で困難となる場合があります。ついては、契約交渉時に、履行期間終了後のソフトウェアの使用許諾契約の想定について、提案法人から説明願います。
b) 製造原価要素の積上に基づき製造原価を算定する方式
要件は次のとおりです。これらに拠りがたい合理的な理由がある場合は、契約交渉の際に説明願います。(ソフトウェアの場合は、原則として本方式は適用されません。)
・製造原価要素(直接材料費、直接労務費、直接経費、間接材料費、間接労務費、間接経費)毎に分類された積算であること。
・過去の会計年度に費用として仕訳し損益計算書(P/L)に計上した「研究開発費」などの経費は、製造原価要素にはなりません。
・製造原価をソフトウェアで計算・管理しているか否かが明示されていること。
・可能であれば、本事業で使用する自社製品と同種製品で過去に製作済みの製品の実績製造原価(直接材料費+直接経費)について支払証憑とともに説明ください。
・製造原価が真正なものであることについて説明できる責任者が押印していること。
・可能であれば一般にxx妥当と認められた会計基準である「原価計算基準」に合致した製造原価計算であることを保証する公認会計士等の専門家の押印があること。
※製造原価要素の定義は、「原価計算基準」(※1)の「八 製造原価要素の分類基準」参照。
①-3 契約締結後に製造原価や利益控除率等の提案法人提出書類の真正性に疑義が生じた場合の対応
業務委託契約約款第 24 条第 1 項及び共通仕様書第 29 条第 1 項に基づき、提案法人に事実関係の調査を依頼し、書面で報告を求めることがあることがあります。事実確認の結果、契約に計上された製造原価に過誤や虚偽が判明した場合、利益相当額を返納して頂きます。
①-4 製造原価に関する情報管理
契約交渉やその後の調査において提案法人から提供頂いた製造原価に関する情報は、法令及び JICA の内部規程に基づいて適切に管理します。
(※1)昭和 37 年 11 月 8 日 大蔵省企業会計審議会中間報告
①-5 他社機材の購入
提案法人の関連会社等の以外の社から機材を調達する場合はその費用を購入金額にて計上できます。ただし、(a)市場の競争性を踏まえた十分安価な調達であることを、あるいは、(b)特定取引先を指名しての購入(特命随意契約)を予定する場合は、当該事業の目的等を踏まえて極力安価な調達が得られるよう当該取引先と価格交渉の上で定めた金額の妥当性判断根拠を、契約交渉において説明していただきます。
① -6 現地工事費
現地において、機材の組立・据付・製造・試運転等や、必要な設備の建設、ソフトウェア構築あるいは土木工事等にかかる再委託を行う場合、その必要経費を「現地工事費」として計上できます。また、この再委託業務について、特記仕様書に記載します。(この際、下請負の契約にあたっては、「契約管理ガイドライン 別添5.現地工事契約管理ガイドライン」が適用されますので、ご留意ください。)
その見積にあたっては、業務内容・仕様等を提示したうえで、二者以上から見積書を取得してください。また精算は、再委託現地工事等にかかる契約書、領収書に基づいて行います。
また、現地での機材組立・据付・製造・試運転等を目的として、提案法人が技術者を派遣する必要がある場合は、「現地工事費」に、旅費や労務費(【Ⅰ.人件費】1)直接人件費の表2【格付と基準月額表】に示す格付4号の基準月額が上限)を計上することが可能です。(当該技術者が提案法人に所属する場合も同様。)この場合、日本からの派遣が必要である理由および業務難度等を契約交渉にて確認します。
なお、現地における再委託のうち、「現地工事費」に当たらないものの現地再委託契約に関しては、本費目ではなく、≪4.(3) 2)-3 現地活動費の④「現地再委託費」≫に計上します。
② 輸送費・保険料・通関手数料
業務に必要な機材の輸送にかかる各種経費です。
②‐1 輸送手段
精密機械等空送が必要と認められる場合を除き、海送を原則とします。
業務従事者が業務に必要な機材を同時携行する場合は、エクセス費用が計上できます。
②‐2 輸送費の対象区間
輸送費は日本と海外の間だけでなく、日本国内および業務対象国内での輸送費も含みます。
②‐3 輸送保険料・通関手数料
輸送中の保険料や現地通関にかかる手数料も必ず計上してください。
②‐4 損料扱いとする機材の送料
損料扱いの機材の場合は、機材を日本に持ち帰ることが前提ですので、往復の輸送費等を計上できます。
② -5 「中小企業案件化調査」の場合の条件
原則として、機材を日本に持ち帰ることを前提に、往復の輸送費等を計上できますが、予め機材を現地に置いていくことが判明している場合には計上できません。
ただし、取り扱う機材が消耗品である場合など、提案案件の内容によっては、片道のみの輸送費等の計上を認める場合があります。
②‐6 輸出規制関連法令に係る輸出手続き
「機材製造・購入費等」の計上有無に関わらず、機材輸送(第三国からの輸送も含む)を行う契約においては、提案法人が、輸出者として自らの責任において、輸出規制関連法令(安全保障輸出管理令による規制等)に係る手続きを行う必要があります。詳しくは、「契約管理ガイドライン 別添2.輸出管理ガイドライン」を参照してください。
③ 関税・付加価値税(VAT)等
機材の現地通関に際し原則として関税・VAT 等が課税されますので、当該金額を計上します。予め相手国政府関係機関との間で免税に関する合意があったとしても、機材購入・輸送費を 計上する場合には、必要な税額を必ず計上してください。当該国の税制度や税率等の情報は、
日本貿易振興機構(ジェトロ)や先方政府のウェブサイト等から入手可能です。
なお、相手国に納付した関税等について受注者への還付が発生した場合、受注者は、その還付時期が当該契約履行期間中であるか否かに関わらず、JICA に返金してください。
2)-2 旅費
提案法人の業務従事者、および外部人材の業務従事者の現地渡航に係る旅費を計上します。旅費には、「航空賃」、「日当・宿泊料」、「内国旅費」があります。
なお、現地渡航は①契約で定めた経路のxx(業務対象国内、第三国、日本国内を含めて途中立ち寄りは不可)による移動、②渡航期間中(「現地業務期間」(注)前後の国内移動期間も含む)の契約業務専念を原則とします。
経費精算報告書の作成にあたり、旅費部分の証拠書類に不備ある例が多いことから、初回渡航後に精算コンサルテーションを原則として必ず行い、そこで旅費に関する精算報告書の記載の仕方を確認することとします。契約締結交渉の際に、このコンサルテーションの実施日を JICA 調達・派遣業務部担当者と話し合ってください。
(注)「現地業務期間」は、本邦出発日から本邦帰国日までの期間とします。あわせて、以下のとおり関係する語義等を定義します。
・本邦出発日:本邦出発時に搭乗する国際航空便の離陸時刻を含む日
・本邦帰国日:本邦帰着時に搭乗する国際航空便の着陸時刻を含む日
・離陸時刻/着陸時刻:搭乗航空便のアイテナリーに示された離陸時刻/着陸時刻
・本邦:本邦外居住あるいは滞在の場合は、居住地/滞在地に読み替え
・日本国内の移動のみを行う日は、人件費・日当・宿泊費の計上はできません。
基礎調査の場合は、「国際航空運賃等」と「国際航空運賃等以外」に分けて、それぞれ見積もる場合があります。詳細は別紙「基礎調査における経費積算方法」を確認ください。
① 航空賃
「航空賃」は、業務従事者が業務遂行のために、業務従事者の居住地または滞在地(出発地)から業務対象国(業務対象国内で乗り継ぎがある場合には、最終到着地まで)に移動するため、および、業務遂行後に業務対象国から業務従事者の居住地または滞在地(帰着地)に戻るための航空賃です。
① -1 航空賃、渡航経路の基本的な考え方
業務対象国へ渡航するにあたり、業務従事者の居住地または滞在地から業務対象国まで、より効率的かつ経済的な経路、航空会社、予約クラス(※1)、有効期間 による航空賃とします。
① -2 航空賃の対象区間と航空賃に含まれるもの
航空賃は、日本と業務対象国の間、または業務対象国と第三国との間の航空賃を対象とするもので、基本的な内訳は以下のとおりです。(括弧内は日本の消費税の課税区分を示す)
a) 航空運賃(不課税)
b) 週末・特定日料金加算(不課税)
c) 航空保険料(不課税)
d) 燃油特別付加運賃(燃油サーチャージ)(不課税)
(※1)航空賃は、搭乗便が同一であっても、①実際に搭乗する座席/サービスのクラス(キャビンクラス;ファースト,ビジネス,エコノミー 等)により、また ②予約条件クラス(ブッキングクラス;予約購入時期,フライト変更条件,マイレージ 等に差異あり)により、多様な価格が設定されます。本ガイドラインでは、弁別の要ある場合、この①を「搭乗クラス」,②を「予約クラス」として、書き分けます。
e) 国内空港施設利用料(国際線/国内線)(課税)
f) 海外空港諸税(不課税)
g) 旅客保安料(課税)
h) 国際観光旅客税(不課税)
i) 発券手数料(課税)(旅行代理店に手配した場合)
上記のうち、「課税」区分の料金については、消費税分の金額を抜いた税抜価格で計上します。また、i)発券手数料は、a)航空運賃の 5%を上限とします。超過する料金については、提案法人の負担となります。
① -3 搭乗クラス(前頁①-1 脚注参照)と航空運賃
学歴年次および所要フライト時間別に、次の表 4 に示す搭乗クラスを上限とし、ビジネスクラスの利用が認められる場合はビジネスクラスxx割引運賃を、エコノミークラスの場合は ZONE-PEX 運賃(xx割引航空運賃の一種で各航空会社が料金を設定する運賃)をもとに見積ってください。なお、プレミアムエコノミー等の上位エコノミークラスは、エコノミークラスと認めていません。
提案法人や外部人材の判断により、規定の搭乗クラスよりも上位のクラスで渡航することも可能ですが、この場合も契約上は規定の搭乗クラスとなり、精算金額は、実際の渡航日における契約クラス料金が上限となります(すなわち、差額は自社負担となります)。そのため、精算時には実際の渡航日における契約クラス料金の見積書/料金証明書を入手し精算報告書に添附願います。(詳しくは「精算ガイドライン」を参照してください。)
なお、規定上ではビジネスクラスの利用資格があるものの契約上限額の制約等の理由でエコノミークラス利用として契約した従事者がビジネスクラスに搭乗し、かつ、業務実施中に旅費あるいは他の費目で不用分が発生した場合も、この不用分を両クラス間の差額に充当することはできません。
表 4 学歴年次・所要フライト時間別 国際線航空便搭乗クラス区分表
学歴年次(注1) | 一つの旅行区間における所要フライト時間別 搭乗クラス(注2) | |||||
大学卒 | 旧高・ 短大卒 | 旧中・ 新高卒 | 8 時間未満 | 8 時間以上 16 時間未満 | 16 時間以上 24 時間未満 | 24 時間以上 |
30 年以上 | 35 年以上 | 50 年以上 | ビジネス | ビジネス | ビジネス | ビジネス |
18 年以上 | 22 年以上 | 35 年以上 | エコノミー | ビジネス | ビジネス | ビジネス |
12 年以上 | 16 年以上 | 25 年以上 | エコノミー | エコノミー | ビジネス | ビジネス |
12 年未満 | 16 年未満 | 25 年未満 | エコノミー | エコノミー | エコノミー | ビジネス |
(注1)学歴年次には同等学歴を含みます。
(注2)契約途中での学歴年次上昇による航空券搭乗クラスのアップグレードはできませ
ん。また、履行期間中の業務従事者の交代の場合は、その学歴年次は当該事業の公示日時点の学歴年次を採用します。ただし、「投融資」については、企画書の提出期限を特に設けていない(随時応募)ため、企画書提出日とします。
なお、「一つの旅行区間における所要フライト時間」の分類は、原則として次の表5によるものとします。その他の補足は次のとおりです。
・xx便を利用する場合は、出発地から目的地までが「一つの旅行区間」とします。
・乗継地で宿泊しないときは、乗継以前と乗継以降のフライトを通して「一つの旅行区間」として通算します。この場合の所要フライト時間は乗継待ち時間を除きます。
・乗継地で宿泊するときは、通算せずに個別の旅行区間とします。
・経由地での宿泊の定義は、「午前 0 時以前に経由地に到着し、6 時間以上滞在した後、午前 0時以降に出発する」こととします。
表5 対象国・地域別 所要フライト時間区分表
所要フライト時間 | 対象国・地域 |
8 時間未満 | 東アジア 東南アジア(東ティモールを含む。)xx州(パラオ、ミクロネシア) |
8 時間以上 16 時間未満 | 南アジア xx州(パラオ、ミクロネシアを除く。)中央アジア・コーカサス 中東(マグレブ諸国を除く。)欧州・xxx・カリブ諸国 アフリカ(スーダン、エチオピア、ジブチ、ケニア、セーシェル) |
16 時間以上 24 時間未満 | マグレブ諸国(リビア、チュニジア、アルジェリア、モロッコ) アフリカ(スーダン、エチオピア、ジブチ、ケニア、セーシェルを除く。) 注)マグレブ諸国及びアフリカについて、欧州経由とする場合は、 <8 時間以上 16 時間未満>に分類する。) 南米(ブラジル、アルゼンチン、ウルグアイ、パラグアイを除く。) |
24 時間以上 | 南米(ブラジル、アルゼンチン、ウルグアイ、パラグアイ) |
① -4 格安航空券にかかる注意事項
・格安航空券
格安航空券は、業務上の必要による急な日程変更への対応が困難であることが多いため、その購入はお勧めしておりません。(日程変更に対応しやすい航空券として、前頁①-3 に記載のとおり、xx割引航空運賃を基本としています。)
払戻不可、復路日程変更不可の航空券等を購入し、搭乗できなくなり、新規に航空券を買い直した場合においては、搭乗できなかった(使用しなかった)航空券については精算対象となりません。
① -5 補足説明(第三国に居住または滞在する者の航空賃など)
a)業務従事者の出発地と帰着地は原則として同一とします(本邦居住者は日本を発着地(図3の①)、本邦以外に居住する者(※1)(以下、「海外居住者」。)は居住地を発着地(図3の②)、海外滞在者は滞在地を発着地(図3の③)とします)。ただし、業務従事者が滞在地を出発地とし、居住地を帰着地(図3の④及び⑤)とする場合に限り、その往復路を航空賃の計上対象とすることを認めます。
・ケース③の航空賃は、本邦居住者の場合はケース①の日本発着往復料金、海外居住者の場合はケース②の海外居住地発着往復料金を上限とします。
・ケース④の航空賃は、ケース①の日本発着往復料金を上限とします。
・ケース⑤の航空賃は、ケース②の海外居住地発着往復料金を上限とします。図3 経路別航空賃計上可能範囲説明図
b)出発地と帰着地とが異なる場合(上記ケース④⑤を除く。)は、原則として往路(出発地→業務地)のみ計上を認め、復路(業務地→帰着地)の計上は認めません。
<ただし、帰着地が当機構との契約による別案件の業務地である場合は、当該別案件との航空賃分担調整のうえで、復路(業務地→帰着地(=別案件業務地))計上が可能です。>
この往路のみの計上の際、計上金額は根拠資料に基づく算出を原則としますが、これが困難な場合は、ケースバイケースで合理的な金額を算定します。
c)業務従事者が業務対象国で引き続き別業務に従事する場合は(同国内の別の地での別業務従事の場合は上記b)を適用。ここでは別業務従事地が「帰着地」となります。)、復路の計上は認めません。これとは逆に、業務対象地での別業務に引き続き、当該契約業務に従事する場合は、往路の計上は認めません。この際の計上金額の算出の考え方も、b)と同様です。
d)海外居住者を業務従事者として提案する場合及び上記 b)及び c)の場合は、契約交渉時や業務従事者確定・交代時に際し、その妥当性を確認します。
e)海外居住者、海外滞在者については、見積金額内訳書や契約金額内訳書等に居住国又は滞在国を明記してください。
f)航空会社の責又は不可抗力によってフライトが変更になる場合は、宿舎の提供や発着地変更に伴う移動経費の支給が航空会社の負担でなされるか否かを確認いただくことになります。
(※1) 日本居住者と海外居住者との区別等については、≪2.(6)脚注※3≫を参照ください。
① -6 航空賃の精算
【原則】
航空賃は、契約で合意された航空賃単価、渡航回数、搭乗クラス、渡航経路、航空会社の範囲内で実費を精算することが原則です。精算できる航空賃は実際に使用したものに限ります。
【例外】
ただし、航空賃は価格の変動が大きいこと、業務上の都合または満席等の理由で座席確保が困難となり、やむを得ず渡航経路や航空会社を変更する可能性があること、場合によってはフライトの変更やキャンセルの可能性もあることから、以下 a)から d)の記載事項については、証拠書類附属書(航空賃)(様式 12)において、正当な理由(会社都合、自己都合による変更は認められません(注1)。)が記載されていることにより、当該変更等に係る経費を精算対象とすることができます。なお、渡航回数、航空券クラスを変更する場合には、打合簿が必要です。
a) 航空賃の価格上昇(契約時の航空賃単価の超過)
b) 渡航経路の変更(日本での発着を成田空港・羽田空港からその他の国内空港に変更する場合も含む。)
c) 航空会社の変更
d) フライトの変更またはキャンセルによる手数料の発生
(注 1)会社都合、自己都合等による航空賃の精算
会社都合や自己都合等によるビジネスクラスやxx運賃の利用、渡航経路の変更、航空会社の変更等を行った場合、実際の搭乗日のxx割引運賃に係る運賃を証明する書類(旅行代理店が発行した見積書等)による運賃を上限に精算します。
会社都合や自己都合等によりフライトを変更した場合の手数料等については、精算の対象とはなりません。
【証拠書類】
航空賃の精算にあたっては、証拠書類として以下が必要です。
a) 旅行代理店又は航空会社等からの領収書
b) 航空券(e-ticket)
領収書のみでは精算できませんので、特に航空券発券時に発行される e-ticket は精算時まで紛失しないよう注意ください。
発券後に日程の変更があり、かつ、その変更に伴って追加の経費が発生した場合は、変更前および変更後のe-ticket が必要です。原則として半券は不要ですが、直前に搭乗便が変更される等により e-ticket 記載の便から変更があった場合には、搭乗券の半券を提出いただくことがあります。
領収書には航空賃の内訳(航空運賃、週末・特定日料金加算、航空保険料、燃油特別付加運賃、国内空港施設利用料/空港税、旅客保安料、発券手数料(注 2))が記載されている必要があります。
領収書に内訳の記載がない場合には、請求書等に内訳の記載があればそれを添附しても構いません。
(注 2)通常、旅行代理店から取得した領収書の金額と e-ticket 上の航空運賃等内訳の合計金額との間に発券手数料の金額分差異が生じるため、発券手数料の金額を明示する必要があります。他方、航空会社から直接購入した場合には発券手数料は発生せず、通常、領収書金額と e-ticket上記載の航空運賃等の合計金額が一致するため、内訳は不要です。
② 日当・宿泊料、内国旅費
② -1 日当・宿泊料 共通事項
「現地業務期間」(注)中の業務従事者の日当・宿泊料を、以下の金額を上限として計上できます。実際に海外渡航する業務従事者に支給する単価を設定してください。
(注)「現地業務期間」の定義は、≪4.(3)1)-1 ②業務量の考え方≫を参照。
ただし、業務対象地域(および同地への日帰り通勤が可能な範囲)に居住する業務従事者は、日当・宿泊料を計上できません。一方、業務対象国に居住しているが、業務対象地域に日帰りでは通勤できない(業務対象国外となる日本での業務を含む)場合には日当・宿泊料を計上できます。この場合の基準額は以下の金額と同額です。
【証拠書類】
日当・宿泊料の精算には領収書は必要ありません。業務従事日数は、航空賃の証拠書類である e-ticket 記載の日付で確認します。
②-2 日当
a)目的:業務従事者の「現地業務期間」中の昼食、少額交通費といった宿泊料以外の諸雑費を実費弁済するために支出する手当です。
b)単価:3,800 円/日を上限とします。定額として定め、精算時に変更はできません。 c)数量:出発日から帰着日まで(=業務従事日数)が対象です。
d)計算:上記の数量および単価に基づき、以下の計算により計上します。
日当単価 3,800 円/日(基準額:上限)×「業務従事日数」
e)その他:フライトの関係で出発日前日または帰国日当日に日本国内に宿泊せざるを得ない場合の、出発日前日または到着日翌日の日当や、JICA との打合せや各種報告会参加のための日本国内移動にかかる日当は計上できません。
②-3 宿泊料
a)目的:「現地業務期間」中の、宿泊料です。業務従事の翌日にも業務従事予定があり、かつ、自宅に戻っての宿泊が困難である場合に、宿泊経費を実費弁済するために支出する手当です。
b)単価:11,600 円/泊を上限とします。実際の宿泊料金とは関係なく定額として定め、精算時に変更はできません。
c)数量:「現地業務期間」日数からまず1を減じ、さらに、移動期間の宿泊について、一部の国を除き(注1)すべての国で夜行便の利用が想定されることから、一律、機中泊相当分の 1 泊を控除します。これらにより、宿泊数は、「現地業務期間」日数から2を減じた数となります。
(注1)日本から近い中国、モンゴル、フィリピン、ミクロネシア、マーシャル 諸島の 5 か国へ渡航する場合は、機中泊を伴う夜行便が就航していない
ため、上記の機中泊相当分 1 泊の控除は行ないません。
なお、第三国に居住または滞在する業務従事者が現地に渡航する場合は、宿泊費を要する宿泊の実数に基づき宿泊料を計上します。この場合、機 中泊分の宿泊料は、計上できません。
d)計算:上記の数量および単価に基づき、以下の計算により計上します。
宿泊料単価 11,600 円/泊(基準額:上限)×「業務従事日数-2日」(注2)
(注2)上記の中国、モンゴル、フィリピン、ミクロネシア、マーシャル諸島の 5 か国へ渡航する場合は、以下の計算により計上します。
宿泊料単価 11,600 円/泊(基準額:上限)×「業務従事日数-1日」
e) その他:フライトの関係でやむを得ず出発日前日または帰国日当日に日本国内で宿泊せざるをえない場合であっても、当該宿泊料は計上できません。
また、機構との打合せや各種報告会参加のための日本国内移動にかかる宿泊料も計上できません。
【現地滞在期間が長期になる場合の日当・宿泊料の逓減】
日当・宿泊料は、日本を出発した日から起算して滞在日数が連続して 30 日を超える
場合には、その超える日数について基準額の 100 分の 10 に相当する額、滞在日数が連
続して 60 日を超える場合には、その超える日数について基準額の 100 分の 20 に相当する額を控除して上限額とします。
なお、同一国で複数の案件に従事する場合、案件ごとではなく、一渡航の総滞在日数を対象に、上述の控除を行ないます。
(例)日本出発日から日本帰国日まで 40 日の場合
30 日まで 日当 3,800 円×30 日、宿泊料 11,600 円×30 泊
31 日から 40 日まで 日当 3,420 円(3,800 円×0.9)×10 日、
宿泊料 10,440 円(11,600 円×0.9)×8 泊
②-4 内国旅費
a)目的:日本に居住する業務従事者が、業務対象国へ出発または業務対象国から帰国するにあたり、所属法人所在地または居住地(以下、「居住地等」という。)から最寄りの国際空港まで、あるいは最寄りの国際空港から居住地等まで移動するための経費を実費弁済するために支出する手当です。したがって、海外居住者は業務対象国および第三国における内国旅費を計上できません。
なお、国内線で利用する航空賃のクラスはエコノミーとし、鉄道のクラスは普通車
(指定席利用はJICA 基準によりますので、契約交渉で確認します。)とします。
b)金額:居住地等の所在地域および利用国際空港により、(ⅰ)定額の場合と(ⅱ)実費の場合とがあります。それぞれの詳細は、以下のとおりです。
(ⅰ)定額計上となる場合
業務従事者の居住地等が関東圏、東海地方、近畿地方にあり、かつ、それぞれ最寄り の国際空港を利用する場合は、表 6 の金額を上限に計上でき、これは定額扱いとなります。
【証拠書類】
精算にあたっては、上記のとおり定額扱いであるため、実際の渡航経路が契約時の渡航経路と変更がない限り、領収書等の証拠書類は必要ありません。
表6 居住地等別 内国旅費基準額区分表
居住地等 | 最寄り 国際空港 | 金額根拠 | 金額(注) (往復:税抜) | |
① | 関東圏 (茨城・栃木・群馬・山梨・埼玉・千葉・神奈川の各県及びxxx) | xx 国際空港 | 東京駅~xx駅(JR)/京成xx駅~ 成田空港 (京成スカイライナー)の 往復料金 | 4,870 円 |
羽田 国際空港 | (計上できません) | 0 円 | ||
② | 東海地方 (長野・岐阜・静岡・愛知・三重の各県) | 中部 国際空港 | 名鉄名古屋駅~中部国際空港(名古屋鉄道)の往復 料金 | 1,610 円 |
③ | 近畿地方 (滋賀・奈良・兵庫・和歌山の各県、京都・大阪の二府) | 関西 国際空港 | 大阪駅~ 関西国際空港 (JR阪和線)の往復料金 | 2,200 円 |
(注)往路と復路によって利用する国際空港が異なる(例:往路は成田国際空港、復路は羽田国際空港)場合には、それぞれ上記表の記載金額の半額(例の場合、往路は 4,870÷2=2,435 円、復路は 0 円)となります。
(ⅱ)実費計上となる場合
業務従事者の居住地等が表6記載のいずれの地域にも該当しない場合は、業務従事者の居住地等から実際に利用する予定の国際空港(表6の 4 つの国際空港に限らない)まで、最も効率的かつ経済的な経路(公共交通機関に限る)による交通費実費(税抜)を内国旅費として計上できます。
また、居住地等が表6記載の地域でも、業務対象国への効率的、経済的なフライトを 選択した結果等、合理的な理由があって当該最寄りの国際空港でない国際空港(例:xx県の提案法人が最寄りの中部国際空港でなく成田国際空港)を利用する場合には、上と同様に交通費実費(税抜)を内国旅費として計上できます。
なお、地方空港から空路(国内線)で羽田空港を経由し、成田国際空港まで陸路で移動後、成田国際空港を利用する(帰路も同様)場合には、羽田空港と成田国際空港間の空港リムジンバス代として往復 5,810 円(税抜価格)を上限に計上できます。
【証拠書類】
精算にあたっては、領収書(国内航空賃の場合は e-ticket も必要)の提出が必要です。ただし、領収書の取得が難しい場合は、利用日における当該利用交通機関、経路、金額が客観的に分かるインターネット上の乗換案内等を印刷した資料をご提出いただきます。
c)その他:国内線・国際線通しの航空券
地方空港から(まで)空路で同一日のうちに、xxxの国際空港経由で出発または帰国する場合で、国内移動分航空賃を含めた「海外航空券」として購入できるときは、当該航空賃全額を「航空賃」として計上します。
経済的な観点から、可能な限り、国内移動分航空賃を含めた「海外航空券」として購入していただきますが、国内移動航空賃を「海外航空券」として購入できない場合には、当該航空賃は「内国旅費」に計上します。
日当、宿泊料、内国旅費以外の渡航に係る経費、例えば、当該国の査証代、予防注射代、支度料、海外旅行傷害保険料等の計上はできません。これらの経費は、提案法人の場合は「管理費」、外部人材の場合は「その他原価」で対応いただきます。
2)-3 現地活動費
積算または精算簡素化の観点から、以下5つの経費に限定しています。したがって、これら経費以外に現地で発生する経費は、「管理費」で対応いただきます。
① 車両関係費
現地業務で利用する車両の借上げ(運転手の労務費、現地国内出張における運転手の日当・宿泊料、燃料代を含む。)にかかる費用です。また、有料道路通行料、駐車場代 等も計上できます。借上げ車両の数量は、業務従事者 3 名に 1 台を原則とします。ただし、これに拠りがたい場合
には、根拠を明らかにし、妥当な数量を計上してください。
なお、契約業務で使用する機材・製品を現地で輸送するためのトラック等の借上げ費は、「車両関係費」としてではなく、機材の「輸送費」に計上します。
【注意事項】
旅費の<日当>は少額交通費相当分を含むため、同一基礎自治体内のタクシー利用による短距離短時間の移動に係る経費は、精算対象となりません。1日以上を単位とする車両借上げのみが精算対象となります。
【証拠書類】
精算にあたっては、車両借上げ期間、ドライバーの残業代等が明記された領収書など、金額と内訳が分かる証拠書類が必要です。
② 現地傭人費
業務を実施するために現地で傭上する人員(事務スタッフ、通訳、調査補助員等)にかかる人件費です。(現地国内出張における日当・宿泊料を含む。)そのため、契約交渉にあたっては、想定業務内容,人件費単価,傭上数量(日数)等にかかる妥当性につき、説明を戴くことになります。
【注意事項】
・提案法人と実質的支配関係にある法人・団体と雇用関係にある傭人の人件費は対象外です。この実質的支配関係の定義については、本章(3)各費目の取扱いと留意事項、1)「I.(外部人材に係る)人件費」の、「外部人材として認められない例」の説明を参照してください。
・現地傭人の雇用の際は、勤怠記録を残すほか、現地の法令に基づき適切な労務管理を行なってください。業務従事者不在期間中の雇用も可能ですが、この場合も、電話・E-mail 等の通信手段による労務管理を行なってください。現地傭人費の精算や経費実地検査にあたっては、現地傭人の勤務実態の確認を目的として、勤怠記録等の労務管理の記録を確認する場合があります。また、客観的な勤務記録等が確認されなかった場合、勤務実態が認められない場合があります。
・業務対象国の法律により雇用主に被雇用者の社会保障費等の負担義務がある場合には、労務費の中にこれを含めることができます。
・現地傭人は、受注者による直接雇用のみではなく、我が国の「労働者派遣契約」に類する制度が業務対象国に存在する場合、当該制度に基づく契約によることも認めます。
・現地傭人への給与の支払いは、可能な限り、銀行振込又は小切手により行なってください。
・現地法令によっては、雇用期間が一定期間を超えた場合に、「期間の定めのない雇用」に移行する義務が雇用主側に生ずる国がありますので、現地傭人契約にあたっては、現地法令や規則を十分確認した上で行なってください。
【証拠書類】
精算にあたっては、契約書(契約規模によっては省略可)や、傭上期間、残業代等が明記された領収書等の証拠書類が必要です。
特殊な技能を有する傭人について、傭人費単価の見積の前提条件(学歴、資格、職務経験年数等)を見積根拠資料の中に記載してください。当該傭人を雇用する際、受注者が履歴書等により上記の前提条件が満たされていることを確認するとともに、雇用契約書に業務内容を記載してください。
傭人への給与の支払いは、可能な限り、銀行振込又は小切手により行ない、その証憑書類を雇用契約書(写し)と合わせて精算報告書に添附してください。
傭人の履歴書等を契約書に定められた期間、保管してください。
③現地交通費
業務対象国内を航空機、鉄道、船舶等の公共交通機関にて移動した場合の交通費です。
ただし、業務対象国内に在住の業務従事者が業務のため国内を移動する場合の航空賃は、「旅費」の航空賃に計上します。
【証拠書類】
精算にあたっては、チケットの半券や領収書などの証拠書類が必要です。航空賃の精算には国際航空券と同様、領収書と航空券(e-ticket)が必要です。なお、日程や渡航経路を変更した場合は、変更前及び変更後の e-ticket が必要となります。
この領収書は、利用交通機関又は旅行代理店発行の領収書(原本)のみが有効であり、これら以外の代行購入者等が発行した領収書は無効です。
③-1 現地航空券を日本で手配・発券する場合
「現地交通費」は通常、現地で手配・発券し現地で支払うことを想定していますが、日本で手配・発券し日本で支払うことも可能です。
日本で手配・発券する場合の発券手数料は、国際航空賃と同様、航空運賃の 5%が上限となります。
③-2 現地航空券を現地で手配・発券する場合
現地で航空券を発券する場合の発券手数料の上限はありません。ただし、手数料が高額である場合など、その妥当性を確認することがあります。
④現地再委託費
現地において、提案法人または外部人材では実施できない調査等の業務を契約により現地の業者、NGO、個人事業主等に委託する経費です。
たとえば、調査で収集した土壌や水質の検査分析費用、翻訳サービス、現地事情に通じた者でないと実施できない特定の調査業務に係る費用などが該当します。
「中小企業ビジネス化事業」や「SDGs ビジネス化事業」において、機材の製造や据付、建設等にかかる再委託を行う場合は、「現地工事費」に計上します。
現地再委託費の対象業務については、JICA は提案法人との契約交渉において協議、確認し、特記仕様書に記載します。(※1)
(※1)投融資については、再々委託契約(※再委託先が発注者となって、当該再委託契約業務の一部を第三者へさらに委託する契約)の業務内容が再委託業務内容中の主要ポーションではなく、かつ再委託先
現地再委託に関するガイドラインには、「契約管理ガイドライン」の別添3.「現地再委託ガイドライン」があり、実際に現地で再委託するときには、当該ガイドラインに従って進めていただくことになります。
④-1 再委託先
原則的に、提案法人や外部人材所属先企業と資本関係のある現地関連会社や現在利害関係を有する個人、法人、あるいはカウンターパート機関に再委託することはできません。
④-2 日本国内での再委託
基本的には現地の業者等に再委託することを想定していますが、委託する業務によっては現地で再委託先がない等、やむを得ない理由がある場合には日本国内の委託先に再委託することも認められることがあります。
【証拠書類】
精算にあたっては、次の書類が必要になります。
(a) 再委託先から受注者あての領収書(原本)及び請求書(原本または写)
(b) 『選定経緯報告書』(打合簿(写))
(c) 再委託契約書(写)(契約金額が 200 万円を超える場合)
(d) 受注者による現地再委託契約成果品確認の報告に係る打合簿(写)
⑤セミナー・広報費
セミナー費としては、現地でセミナー等を実施する場合に必要となる経費のうち、会場費(飲食費と会場費が不可分の場合は、計上できず精算の対象ともなりません。)についてのみ計上が可能です。なお、提案された会場や費用について、JICA は、費用対効果や他の JICA 事業でのセミナーとの比較でxxにならないよう、契約交渉等にて確認します。
広報費としては、本件契約による活動や成果について現地で広報を行なうための経費が計上可能です。媒体や手法に係る制限はありません。
ただし、セミナー・広報の立案にあたっては、ターゲット(例:業務対象国の一般市民、政府関係者、民間企業経営層など)、発信すべきコンテンツ(例:SDGs への貢献)、発信方法(例:セミナー、パンフレット、バナーなど)を明確に設定し、事業目的を達成するための有効で効率的な投入となるように計画してください。
なお、広告宣伝費は管理費等での対応になります((3)「Ⅲ.管理費」参照)。そのため、(a)提案法人自身の広告宣伝,(b)当該事業提案製品/技術以外の自社の製品/技術の広告宣伝 等にかかる経費は、本経費の対象外です。
【安全対策経費が必要となる場合】
調査や事業の実施にあたり、安全対策はしっかりと行う必要がありますので、契約交渉時に打合せます。また、履行期間中に JICA 安全対策措置の変更があった場合も同様です。
に当該再々委託契約の業務内容を実施管理・検査できる能力及び知見があると JICA が判断する場合は、再々委託契約を認めます。
2)-4 本邦受入活動費
※「中小企業案件化調査」「中小企業ビジネス化事業」「SDGs ビジネス化事業」「投融資」のみ対象。
「提案法人の製品・サービス」等が日本の場において実際に活用されている状況を相手国政府関係機関の職員等に説明することを目的として当該職員等を日本に受け入れる活動を行う場合に計上できる経費として、「航空賃」と「本邦受入活動業務費」の 2 つがあります。
本邦受入活動に関するガイドラインには、「契約管理ガイドライン」の別添4.として「本邦受入活動ガイドライン」があり、実際に本邦受入活動を行うときには、当該ガイドラインに従って進めていただくことになります。
① 航空賃
相手国政府関係機関の職員等を日本に受け入れるための往復の国際航空賃です。
搭乗クラスは原則としてxxxxxxxxxが、参加者が相手国政府の局長クラス以上である場合などこれに拠りがたい場合には、契約交渉または契約締結後に協議のうえ決定します。
【証拠書類】
≪Ⅱ.直接経費 2)-2 旅費 航空賃≫と同様、精算には旅行会社等からの領収書に加え、航空券(e-ticket)が必要です。
航空賃や渡航経路の基本的考え方、精算に必要な証拠書類については、≪Ⅱ.直接経費 2)-2旅費 ①航空賃≫の項を参照してください。
②本邦受入活動業務費
「本邦受入活動業務費」とは、相手国政府関係機関の職員等の本邦受入活動にかかる調整に要する経費で、以下に相当します。
(a) 受け入れ調整を行う事務職員等にかかる経費
(b) 講義および見学受入等に係る人件費や謝金、通訳費、旅費・交通費、通信運搬費、消耗品費、振込手数料等の直接経費
以下の計算式による金額を上限に計上できます。
75,500 円/日×本邦受入日数(来日日から離日日まで)(注)
(注)現地出発日から現地到着日ではありません。
受入人数に関わらず、受入日数によって算出します。(注意:2 人を同時期に 7 日間受け入れる場合の受入日数は 7 日間です。14 日間ではありません。)ただし、1回あたりの本邦受入日数は原則として 20 日が上限です。
【証拠書類】
「本邦受入活動業務費」は渡し切りの経費であり、領収書等の証拠書類は必要ありません。実際の受入日数は、本邦受入参加者の航空券(e-ticket)及び本邦受入活動完了報告の打合簿にて確認します。
3) 「Ⅲ.管理費」
管理費として、Ⅱ.「直接経費」のうち、「4.2)本邦受入活動業務費」を除いた金額に管理費率
(上限 10%)を乗じた金額を計上することができます。管理費には次が含まれます。
・当該業務を受託する企業等を継続的に運営するのに必要な費用であって、法人税、地方税、株主配当金、内部保留金、支払利息および割引料、支払い保証料その他の営業外費用等を含みます。
・提案法人の事務用品費、通信交通費、水道光熱費、広告宣伝費、交際費、寄付金、地代家賃、減価償却費、租税公課、保険料、雑費等を含みます。
・日当、宿泊料、内国旅費以外の渡航に係る経費(例:当該国の査証代、予防注射代、支度料、海外旅行傷害保険料等)
・車両関係費、現地傭人費、現地交通費、現地再委託費、セミナー・広報費以外に現地で発生する経費
・日本国内又は業務対象国内での銀行振込手数料、異なる国の間での海外送金にかかる手数料(注)なお、契約時に定めた管理費率は、精算時に変更することはできません。経費全体の上限額の制約 等の理由で管理費率を 10%より低くして契約し、業務を実施した結果、実際には他の経費に余剰が生
じたとしても、管理費率を上げることはできません。
したがって、契約終了段階における精算時に、Ⅱ.「直接経費」の精算金額が契約で計上した額より減少した場合、これに合わせて管理費の金額も減少することになります。
注:送金手数料について
原則として、送金手数料は、上記のとおり、管理費に含まれるため、別途の計上はできません。ただし、例外として、日本から海外あての送金(*1)にかかる手数料であり、かつ、以下のいずれかに該当する場合は、計上が可能です。
1件当たりの想定送金額が 50 万円以上である場合。
1件当たりの想定送金額が 50 万円未満であるが、現地での支払又は銀行振込が困難(*2)である場合。
ただし、海外送金は高額の支払をまとめて行うこと、少額の支払は現地で行うことを原則とします。そのため、格別の理由なく同じ送金先に繰り返し海外送金する場合や少額の海外送金にかかる手数料は計上の対象となりません。
なお、送金手数料を計上する費目は、送金対象経費と同一とします。(例:現地再委託費送金手数料であれば、現地活動費中の現地再委託費に計上)
(*1)提案法人現地銀行口座等あて、あるいは業務従事者あて(所属先あるいは個人)の送金は該当しません。
(*2) 現地での支払又は銀行振込が困難な例:
治安上の問題で現地への立ち入りが難しく、提案法人が現地での現金払いができないため送金するしかない場合
以上
別紙
基礎調査における経費積算方法
(1) 東アジア、東南アジア、南アジア地域を対象とする事業については、1 案件当たり 850 万円を提案上限金額とします。
(2) 東アジア、東南アジア、南アジア地域以外の地域(以下、「遠隔地域」)を対象とする事業については、以下の二つの積算方法から提案法人が企画書作成時に選択できます。
積算方法 1:上記 (1)と同様の積算方法。 1 案件当たりの上限金額は 850 万円
積算方法 2:経費を(a)国際航空運賃等,(b)国際航空運賃等以外 に二分する積算方法。
この積算方法は、遠隔地域に係る航空賃単価は一般的に高額となるなか、必要な渡航回数の確保を容易とすることを目的としています。
この場合の上記(a) (b)それぞれの提案上限金額は以下のとおりです。 (a)国際航空運賃等(※1) :1 案件当たり 300 万円
(b)国際航空運賃等以外 :1 案件当たり 680 万円
この積算方法 2 を選択した場合は以下に留意ください。
・積算方法の趣旨に鑑み、契約締結後に「国際航空運賃等」と「国際航空運賃等以外」の間で経費を流用することは、原則として不可とします。
・見積書の作成に当たり、総表は、『様式1-B(遠隔地用)』書式を用いてください。そして、この『様式1-B(遠隔地用)』は、上記(a)(b)の区分に対応して
『様式1-B(遠隔地用)(a)国際航空運賃等』および
『様式1-B(遠隔地用)(b)国際航空運賃等以外』
の 2 シートに分かれていますので、この両シートを作成してください。なお、様式1A も提出してください。
※1)上記(a) の国際航空運賃等は、以下の 3 要素から構成されます。 (a1)国際航空運賃
(航空賃に通常含まれる空港利用料等の経費を含みます。) (a2)国際航空運賃相当額に対応する管理費
(管理費率は、(b)国際航空運賃以外 の経費における管理費と同率として下さい。)
(a3)国際航空運賃等にかかる消費税等相当額
(〔{(a1)+(a2)}×10%〕により算出。)
参考資料1
見積根拠資料提出前の留意事項チェックリスト
対象 | チェ ック 欄 | 確認ポイント | 頁番号 |
全体 | 数量の妥当性が確認できる根拠資料が別添されている。(例:車両台数、傭人傭上日数、現地国内交通 利用回数、機材数) | ||
見積根拠資料(例:見積書、過去に発注した際の領収書など)の並び順は、見積金額内訳書の費目順に 並べられている。 | |||
見積金額内訳書と見積根拠資料の関係が分かるように、双方に同じ番号を付している。 (見積金額内訳書は資料番号の欄、そして見積根拠資料は右肩に番号が補記されている) (付番方法の例に倣っている) (提出する見積根拠資料のデータファイル名(Excel、Word、PDF等)に付した番号と見積根拠資料の番号が一致している) | |||
見積価格の根拠として採用した見積根拠資料の右上に「採用」、それ以外の見積根拠資料の右上に「不 採用」と記載されている。 | |||
相見積の取得ができていない場合、その理由を説明できるよう準備されている。 (≪3.(3)3)≫にて一者見積で可とする経費については対象外。) | P.7 | ||
日本国内での見積根拠資料は消費税を抜いて計上されている。(海外での見積根拠資料はVAT込) | |||
見積根拠資料の中に複数の単価がある場合(例:レンタカー料金の時間単位単価、日単価、週単価、月 単価など)は、見積価格として採用(参考)にした単価が○枠で囲まれている。 | |||
日本語・英語以外の見積根拠資料の場合は、見積価格の確認に必要な部分に関する和訳が補記されてい る。 | |||
見積根拠資料に記載の単価が日本円以外の通貨建てである場合には、「JICA月次統制レート」で換算した日本円(1円未満は切り捨て)した見積価格が補記されている。また、換算に使用した「JICA月次統制レート」年月も補記されている。 | P.4 | ||
見積根拠資料に記載の価格に何らかの計算を加えて見積価格を算出した場合は、その計算根拠(計算 式)の補記がある。 | |||
人件費 | 外部人材の従事日数は、事業計画を達成するうえで過不足がなく計上がされており、その妥当性を説明する根拠資料が別添されている。 (全体活動計画に対応する形で各人担当業務内容および計上日数内訳を示す資料が有り、活動計画に対する人員配置計画の妥当の確認が可能である) | P.12 -P.18 | |
各業務従事者の格付はガイドラインの定義に合致する。(「標準業務経験年数」算出基準日、表2) | P.5 P.14 | ||
旅費 | 金額の内訳がわかる見積根拠資料が準備されている。また、航空賃/内国旅費の算出に当たり、内訳書 に記載の課税項目からは消費税を抜いて計上されている。 | P.25 | |
国際移動については所要フライト時間が補記されている。(フライトクラスに影響するため) | P.25 | ||
見積金額内訳書(旅費積算表)に記載の並び順は、業務従事者毎・渡航順(A氏の1回目、2回目…B氏 の1回目、2回目…)に記載されている。 | |||
内国旅費は、所属法人の所在地又は従事者の居住地に基づき、計上されている。 | P.30 -P.31 | ||
機材 | 機材製造・購入費等の根拠として説明資料が準備されている。 | P.19 -P.22 | |
外部からの機材の本邦調達を予定している場合は、根拠資料(例:見積書、過去に発注した際の領収書 など)が準備されている。なお、消費税を抜いて計上されている。 | P.22 | ||
関税の金額算出説明資料が準備されている。 | P.23 | ||
現地活動費 | 傭人費の単価の根拠として説明資料(業務内容、必要資格要件、資格要件相応の単価根拠 等)が準備 されている。 | P.32 | |
再委託費について委託内容がわかる根拠資料の準備がされている | P.33 -P.34 | ||
想定する再委託相手は、①提案法人や外部人材と資本関係のある現地関連会社,②利害関係を有する現 地代理店,③カウンターパート機関 のどれにも該当しない。 | p.34 |
・円滑迅速な契約締結に向けてセルフチェックをよろしくお願いいたします。なお、上記以外の点は契約交渉にて確認します。
・本チェックリストは最低限の留意点のみ記載しています。詳細については、本ガイドライン(主な記載は「頁番号」欄記載ページ)を熟読ください。
・スキームにより計上対象費目が異なりますので、上記のチェックリストでは対象外となるものもあります。 (詳細は、本ガイドラインP.11を参照)
参考資料2
Ⅱ. 直接経費
3. 現地活動費
見積金額内訳書に資料番号を付番
円
費目
車両借り上げ
単価(円)
5,000
数量
金額(円)
備考
45
見積根拠資料番号
車-1
(1)車 両 関 係 費
0 1渡航2台 1渡航1台 0
0
0
0
小計
225,000
通訳
(2) 翻訳現
地傭人x
6,000
15
30
100
0
0
0
0
小計
181,500
現地内移動費(航空賃)
50,000
10
(3)現 地 交 通 費
0 ハノイ⇔ホーチミン往復
0
0
0
0
小計
500,000
○○調査
600,000
1
600,000 ○○調査(◯ヶ月X◯検体) 再-1
(4) 0
現地再委託費
小計
0
0
0
0
600,000
○○セミナー
300,000
1
300,000
セ-1
(5)
セ 0
ミ
ナ 0
|
・広報費
小計
小計(1)+(2)+(3)+(4)+(5)
0
0
0
300,000
1,806,500
(千円未満切捨) 1,806,000
1,806,000
39
<資料番号の付番方法について>
項目 | ルール | 記載例 | |
基本形 | 経費名-番号 | 人件費 | 人-1 |
機材・購入・輸送(機材購入費) | 機-1 | ||
機材・購入・輸送(機材購入費) | 機-2 | ||
機材・購入・輸送(輸送費) | 機(輸送)-3 | ||
航空賃(経路1の旅費の見積根拠資料) | 航-1 | ||
航空賃(経路2の旅費の見積根拠資料) | 航-2 | ||
内国旅費(旅費に係る国内移動の公共交通費) | 内-1 | ||
車両関係費 (乗用車4人乗り) | 車-1 | ||
車両関係費 (バン16人乗り) | 車-2 | ||
現地傭人x (通訳) | 傭-1 | ||
現地傭人費 (事務スタッフ) | 傭-2 | ||
現地傭人費 (調査補助員A) | 傭-3 | ||
現地傭人費 (調査補助員B) | 傭-4 | ||
現地交通費 (現地国内の航空運賃○⇔○) | 交-1 | ||
現地交通費 (現地国内の公共移動運賃(船舶)) | 交-2 | ||
現地再委託費 (水質の検査分析費用) | 再-1 | ||
現地再委託費 (翻訳費 何語→何語 分量) | 再-2 | ||
本邦受入活動費(本邦受入する方の航空賃) | 受-1 |
右上に資料番号を付番
傭-1
(通訳)
見積根拠資料
・何語から何語へ通訳
・単価(例:8時間/半日)
・レベル
右上に資料番号を付番
傭-3
(調査補助員A)見積根拠資料
・業務内容
・単価 (例:1日当たり)
(別紙)
例:相当業務の基準単価
1