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上越市建設工事元請・下請関係適正化指導要綱
(趣旨)
第1条 この要綱は、建設工事に係る元請負人と下請負人との適正な下請契約の締結及び施工体制の確立並びに建設工事に従事する労働者の雇用条件の改善を図るため、建設工事に係る下請契約において元請負人及び下請負人が遵守すべき事項及び市長が行う指導の基準について建設業法(昭和24年法律第100号。以下「法」という。)その他関係法令で定めるもののほか、必要な事項を定めるものとする。
(定義)
第2条 この要綱において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
⑴ | 建設工事 | 法第2条第1項に規定する建設工事であって、本市が発注するものをいう。 |
⑵ | 建設業者 | 法第2条第3項に規定する建設業者をいう。 |
⑶ | 下請契約 | 法第2条第4項に規定する下請契約をいう。 |
⑷ | 元請負人 | 建設工事に係る請負契約を本市と締結した建設業者及び当該建設工事が数 |
次の下請契約により行われる場合における当該下請契約の注文者をいう。
⑸ 下請負人 建設工事に係る下請契約(当該建設工事が数次の下請契約により行われる場合は、その全ての下請契約を含む。)における請負人をいう。
(下請発注の適正化)
第3条 元請負人は、法第22条並びに公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律(平成12年法律第127号)第14条の規定により一括下請負をしてはならない。
2 元請負人は、特定建設業者(法第17条の特定建設業者をいう。以下同じ。)でなければ、発注者から直接請け負った建設工事を施工するため、次の各号のいずれかに該当する下請契約を締結してはならない。
⑴ 下請代金の額が1件で4,500万円以上(建築一式工事にあっては7,000万円以上)である下請契約
⑵ 一の建設工事で下請契約が2以上になる場合においては、その下請契約を締結することにより下請代金の総額が4,500万円以上(建築一式工事にあっては7,000万円以上)となる下請契約
3 元請負人は、次に掲げる建設工事以外の建設工事を下請に付す場合は、建設業者以外の者と下請契約を締結してはならない。
⑴ 建築一式工事にあっては、工事1件の請負金額が1,500万円に満たない建設工事又は延床面積が150平方メートルに満たない木造住宅工事
⑵ 建築一式工事以外の建設工事にあっては、工事1件の請負代金の額が500万円に満たない工事
4 元請負人は、法第28条第3項及び第5項の規定による営業停止処分を受け、その期間が終了していない者との間で下請契約を締結することはできない。
5 元請負人及び下請負人は、建設工事の開始に先立って建設工事標準下請契約約款(昭和
52年4月26日中央建設業審議会勧告)又は同契約約款に準拠した内容を持つ下請契約書により下請契約を締結するものとする。ただし、下請工事の内容、金額等からみて、建設工事標準下請契約約款に示す全ての項目についての契約を締結する必要がないと認められる場合にあっては、法第19条に基づき、次に掲げる事項を明記した書面により契約を締結するものとする。
⑴ 工事名
⑵ 工事場所
⑶ 工事内容
⑷ 工事着手の時期及び工事完成の時期
⑸ 請負代金の額
⑹ 請負代金の全部若しくは一部の前金払又は出来形部分に対する支払の定めをするときは、その支払の時期及び方法
⑺ 当事者の一方から設計変更又は工事着手の延期若しくは一部の中止の申出があった場合における工期の変更、請負代金の額の変更又は損害の負担及びそれらの額の算定方法に関する定め
⑻ 天災その他不可抗力による工期の変更又は損害の負担及びその額の算定方法に関する定め
⑼ 価格等(物価統制令(昭和21年勅令第118号)第2条に規定する価格等をいう。)の変動若しくは変更に基づく請負代金の額又は工事内容の変更
⑽ 施工により第三者が損害を受けた場合における賠償金の負担に関する定め
⑾ 注文者が工事に使用する資材を提供し、又は建設機械その他の機械を貸与するときは、その内容及び方法に関する定め
⑿ 注文者が工事の全部又は一部の完成を確認するための検査の時期及び方法並びに引渡しの時期
⒀ 工事完成後における請負代金の支払の時期及び方法
⒁ 工事の目的物の瑕疵を担保すべき責任又は当該責任の履行に関して講ずべき補償保険契約の締結その他の措置に関する定めをするときは、その内容
⒂ 各当事者の履行の遅滞その他債務の不履行の場合における遅延利息、違約金その他の損害金
⒃ 契約に関する紛争の解決方法
(下請負人の選定)
第4条 元請負人は、下請負人の選定に当たっては、次の各号に掲げる事項を総合的に勘案して選定するものとする。
⑴ 施工能力
⑵ 雇用管理及び労働安全衛生管理の状況
⑶ 労働福祉の状況
⑷ 関係企業との取引の状況
2 前項各号に掲げる事項の適否を判断するに当たっては、次に掲げる事項が全て満たされるかどうかについて留意するものとする。
⑴ 過去における工事成績が優良であること。
⑵ その建設工事を施工するに足りる技術力を有すると認められること。
⑶ その建設工事を施工するに足りる労働力を確保できると認められること。
⑷ その建設工事を施工するに足りる機械器具を確保できると認められること。
⑸ その建設工事を施工するに足りる法定有資格者を確保できると認められること。
⑹ 経営内容が安定していると認められること。
⑺ 事業所ごとに雇用管理責任者が任命されていること。
⑻ 一の事業所に常時10人以上の労働者を使用している建設業者にあっては、就業規則を作成し、労働基準監督署に届け出ていること。
⑼ 過去において重大な労働災害を起こしていないこと。
⑽ 賃金不払を起こすおそれがないと認められること。
⑾ 現に事業の附属寄宿舎に労働者を寄宿させている建設業者にあっては、寄宿舎規則を作成し、労働基準監督署に届け出ていること。
⑿ 工事の性質上、当該下請工事の一部が再下請されるものと見込まれる場合にあっては、下請代金不払を起こすおそれがないと認められること。
⒀ 雇用保険、健康保険及び厚生年金保険の保険料を適正に納付していること(適用が除外された建設業者を除く。)。
(元請負人の義務)
第5条 元請負人は、法第18条の規定により下請負人と対等な立場における合意に基づい てxxな下請契約を締結し、当該契約に定められた条項を誠実に履行しなければならない。
2 元請負人は、次に掲げる事項を遵守し、及び下請負人の倒産、資金繰り悪化等により請負代金、賃金不払等の問題を生じさせないよう下請負人を十分指導するものとする。
⑴ 下請負人が請け負った建設工事を施工するために必要な工程の細目又は作業方法を定めようとするときは、下請負人の意見を聴くこと。
⑵ 自己の取引上の地位を不当に利用して、注文した建設工事を施工するため通常必要と認められる原価に満たない金額を下請代金の額とする下請契約を締結してはならないこと。
⑶ 下請契約の締結後、自己の取引上の地位を不当に利用して、注文した建設工事に使用する資材若しくは機械器具又はこれらの購入先を指定して下請負人に購入させてその利益を害してはならないこと。
⑷ 下請負人からその請け負った建設工事が完成した旨の通知を受けたときは、当該通知を受けた日から20日以内で、かつ、できる限り短い期間内にその完成を確認するための検査を完了しなければならないこと。
⑸ 前号の検査によって建設工事の完成を確認した後、下請負人が申し出たときは、直ちに当該建設工事の目的物の引渡しを受けること。ただし、下請契約において定められた工事完成の時期から20日を経過した日以前の一定の日に引渡しを受ける旨の特約がされている場合は、この限りでない。
⑹ 下請契約の締結後、正当な理由がないのに下請代金の額を減じてはならないこと。
⑺ 発注者から直接工事を請け負った元請負人は、その建設工事における全ての下請負人に対して、この要綱に定める事項を遵守するように指導に努めること。
(下請代金の支払条件)
第6条 元請負人は、下請契約における下請代金の支払においては、元請負人と発注者との間の請負契約における支払条件にかかわらず、次の事項を遵守しなければならない。
⑴ 前払金の支払を受けたときは、下請負人に対して資材の購入、労働者の募集その他建設工事の着手に必要な資金を前払金として支払うよう適切な配慮をすること。
⑵ 請負代金の出来高部分に対する支払又は工事完成後における支払を受けたときは、当該支払の対象となった建設工事を施工した下請負人に対し、その支払額に相当する下請代金を、元請代金の支払を受けた日から1か月以内で、かつ、できる限り短い期間内に支払うこと。
⑶ 特定建設業者が元請負人となった下請契約(下請契約における下請が特定建設業者又は資本金4,000万円以上の法人であるものを除く。)における下請代金は、前条第
2項第5号の規定による申出の日(同号ただし書に規定する特約がされている場合に
あっては、その一定の日)から起算して50日を経過する日以前において、かつ、できる限り短い期間内に支払うこと。
⑷ 下請工事に必要な資材を元請人から購入させる場合は、正当な理由がないにもかかわらずその建設工事の下請代金の支払期日前にその建設工事に使用する資材の代金を支払わせないこと。
⑸ 下請代金の支払はできる限り現金払とし、現金払と手形払を併用しようとするときは、当該支払代金に占める現金払の比率を高め、少なくとも労務費相当額は現金払とするこ と。
⑹ 手形期間は、できる限り短いものとし、最も長い期間でも120日以内とするように努めること。
⑺ 元請負人の都合により下請代金の支払を現金払から手形払に変更し、又は手形期間を延長するときは、当該手形の割引に要する費用又は増加費用は元請負人の負担とすること。
⑻ 下請代金を手形で支払う場合は、一般の金融機関(預金又は貯金の受入れ及び資金の融資を業とする法人をいう。)による割引を受けることが困難であると認められる手形を交付しないこと。
(下請負人の義務)
第7条 下請負人は、この要綱に定める事項について元請負人の指導に従うほか、労働者の安全の確保と適正な管理を図るため、次に掲げる事項を遵守しなければならない。
⑴ 雇用管理責任者を任命し、その人の雇用管理に関する知識の習得及び向上を図るよう努めること。
⑵ 労働者の募集を適法に行うこと。
⑶ 労働者の雇用に当たっては、適正な労働条件を設定し、雇用に関する文書の交付を行うこと。
⑷ 一の事業所に常時10人以上の労働者を使用する場合にあっては、就業規則を作成し、労働基準監督署に届け出ること。
⑸ 前号以外の場合であっても、就業規則を作成するよう努めること。
⑹ 賃金は毎月1回以上一定日に通貨で、その全額を直接労働者に支払うこと。
⑺ 労働者名簿及び賃金台帳を適正に調製すること。
⑻ 労働時間管理を適正に行うこと。この場合において、労働時間の短縮や休日の確保には十分配慮すること。
⑼ 労働者に対して技能訓練を実施するよう努めること。
⑽ 新たに雇用した労働者、作業内容を変更した労働者、危険又は有害な作業を行う労働者、新たに職長等の監督職務についた労働者等に対し安全衛生教育を実施すること。
⑾ 前号に定める事項のほか、労働安全衛生法(昭和47年法律第57号)等関係法令の定めるところに従い、安全に工事を施工すること。
⑿ 災害が発生した場合は、直ちに当該下請契約における元請負人及び市から直接工事を請け負った元請負人に報告すること。
⒀ 雇用保険、健康保険及び厚生年金保険に加入し、保険料を適正に納入すること。健康保険又は厚生年金保険の適用を受けない労働者に対しては、国民健康保険又は国民年金に加入するよう指導に努めること。
⒁ 労働災害補償保険に加入する等労働者の労働災害補償に遺漏のないよう努めること。
⒂ 建設業退職共済組合に加入する等退職金制度の確立に努めること。
⒃ 常時使用する労働者に対し雇用時及び定期に健康診断を行うとともに、常時使用する労働者以外の労働者に対しても同様の健康診断を行うよう努めること。
⒄ 事業の附属寄宿舎に労働者を寄宿させる場合は、寄宿舎規則を作成し、労働基準監督署に届け出るとともに、その管理を適正に行うこと。
⒅ 前号の寄宿舎については、建設業附属寄宿舎規程(昭和42年労働省令第27号)に定める設備に関する規定及び安全衛生基準を遵守すること。
⒆ 前各号に定める事項のほか、建設業関連法令を遵守すること。
(技術者の適正な配置)
第8条 元請負人及び下請負人は、下請契約による建設工事の施工管理、工程管理等建設工事の的確な施工を確保するため、次に掲げる事項について措置しなければならない。
⑴ 市から直接工事を請け負った元請負人にあっては、工事現場に常駐の現場代理人及び専任のxx技術者(特定建設業者で、下請契約の代金が4,500万円(建築一式工事の場合は7,000万円)以上の場合にあっては、監理技術者)を置き、全ての下請の施工管理、技術管理等の把握及び指導に努めること。ただし、xx技術者及び監理技術者は、現場代理人を兼ねることができる。
⑵ 市から直接工事を請け負った元請負人以外の元請負人及び下請負人にあっては、工事現場にxx技術者を置き、工事管理及び施工技術の管理に努めること。
(施工体系図の提出等)
第9条 市から直接工事を請け負った元請負人は、次の事項を遵守しなければならない。
⑴ 当該建設工事に係る各下請負人の施工分担関係を表示した施工体系図を作成し、工事関係者が見やすい場所及び公衆の見やすい場所に掲げるとともに、その写しを市長へ提
出すること。この場合において、市長へ提出する施工体系図は、下請負人ごとの下請金額を明記したものでなければならない。
⑵ 施工体系図は、市と請負契約を締結後の下請契約を行った日から14日以内(その後の下請契約については契約締結の日から10日以内)を原則とし、当該工事の監督を所掌する所属長に提出すること。
⑶ 工期内において下請関係に変更が生じ施工体制に変更が生じたときは、変更前の施工体系図に変更箇所が分かるように明示したものを随時提出すること。
⑷ 常に元請・下請関係にある施工体制の把握に努め、施工体系図の整備に努めること。
(指導、助言等)
第10条 市長は、発注した建設工事の適正な施工を確保し、この要綱の趣旨の徹底を図るため、必要があると認められるときは、市から直接建設工事を請け負った元請負人に対して、資料の提出を求め、その建設工事に係る事業現場等の現地調査を実施し、必要な指導又は助言を行い、是正措置を求める等の措置を講ずるものとする。
附 則
この要綱は、昭和55年11月20日から実施する。附 則
この要綱は、平成13年4月1日から実施する。附 則
この要綱は、平成17年1月1日から実施する。附 則
この要綱は、平成29年4月1日から実施する。附 則
この要綱は、令和6年4月1日から実施する。