Contract
日本漁船保険組合保険約款目 次
第 1 部 漁船保険(第 1 条―第 68 条)
第 1 章 保険契約(第 1 条―第 47 条)
第 1 節 保険の引受(第 1 条―第 12 条)
第 2 節 保険関係の存続及び承継(第 13 条―第 15 条)
第 3 節 保険期間(第 16 条―第 21 条)
第 4 節 保険料(第 22 条―第 27 条)
第 5 節 告知義務、通知義務及びその他の義務(第 28 条―第 32 条)
第 6 節 無効及び消滅(第 33 条―第 39 条)
第 7 節 保険契約の変更等(第 40 条―第 43 条)
第 8 節 保険料の払戻し等(第 44 条―第 46 条)
第 9 節 時効(第 47 条)
第 2 章 損害の塡補(第 48 条―第 66 条)
第 1 節 損害塡補の範囲(第 48 条―第 61 条)
第 2 節 塡補額の算定、保険金請求の手続き等(第 62 条―第 66 条)
第 3 章 免責(第 67 条―第 68 条)
第 2 部 漁船船主責任保険(第 69 条―第 127 条)
第 1 章 保険契約(第 69 条―第 109 条)
第 1 節 保険の引受(第 69 条―第 84 条)
第 2 節 保険関係の存続及び承継(第 85 条―第 87 条)
第 3 節 保険期間(第 88 条―第 89 条)
第 4 節 保険料(第 90 条―第 94 条)
第 5 節 告知義務、通知義務及びその他の義務(第 95 条―第 99 条)
第 6 節 無効及び消滅(第 100 条―第 104 条)
第 7 節 保険契約の変更等(第 105 条―第 106 条)
第 8 節 保険料の払戻し等(第 107 条―第 108 条)
第 9 節 時効(第 109 条)
第 2 章 損害の塡補(第 110 条―第 125 条)
第 1 節 損害塡補の範囲(第 110 条―第 112 条)
第 2 節 塡補額の算定、保険金請求の手続き等(第 113 条―第 125 条)
第 3 章 免責(第 126 条―第 127 条)
第 3 部 漁船乗組船主保険(第 128 条―第 163 条)
第 1 章 保険契約(第 128 条―第 157 条)
第 1 節 保険の引受(第 128 条―第 138 条)
第 2 節 保険関係の存続(第 139 条)
第 3 節 保険期間(第 140 条―第 141 条)
第 4 節 保険料(第 142 条―第 144 条)
第 5 節 告知義務、通知義務及びその他の義務(第 145 条―第 148 条)
第 6 節 無効及び消滅(第 149 条―第 153 条)
第 7 節 保険契約の変更等(第 154 条)
第 8 節 保険料の払戻し等(第 155 条―第 156 条)
第 9 節 時効(第 157 条)
第 2 章 保険金の支払(第 158 条―第 161 条)
第 3 章 免責(第 162 条―第 163 条)
第 4 部 漁船積荷保険(第 164 条―第 214 条)
第 1 章 保険契約(第 164 条―第 199 条)
第 1 節 保険の引受(第 164 条―第 174 条)
第 2 節 保険関係の存続及び承継(第 175 条―第 177 条)
第 3 節 保険期間(第 178 条―第 179 条)
第 4 節 保険料(第 180 条―第 184 条)
第 5 節 告知義務、通知義務及びその他の義務(第 185 条―第 189 条)
第 6 節 無効及び消滅(第 190 条―第 194 条)
第 7 節 保険契約の変更等(第 195 条―第 196 条)
第 8 節 保険料の払戻し等(第 197 条―第 198 条)
第 9 節 時効(第 199 条)
第 2 章 損害の塡補(第 200 条―第 212 条)
第 3 章 免責(第 213 条―第 214 条)
第 5 部 補則(第 215 条―第 216 条)附 則
(別 表)
第 1 部 普通損害保険料率表第 2 部 満期保険料率表
第 3 部 漁船船主責任保険の保険金額及び料率表第 4 部 後遺障害等級表
第 5 部 塡補限度額
第 6 部 漁船乗組船主保険の保険金額及び料率表第 7 部 漁船積荷保険料率表
第 8 部 付加保険料率表
この約款は、日本漁船保険組合(以下「組合」という。)が漁船損害等補償法(昭和 27 年
法律第 28 号。以下「法」という。)に基づいて行う漁船保険事業、漁船船主責任保険事業、漁船乗組船主保険事業及び漁船積荷保険事業(以下「漁船保険等事業」という。)に関し必要な事項を定めるものとする。
第 1 部 漁船保険
第 1 章 保険契約
第 1 節 保険の引受
(引受をする保険)
第 1 条 組合が引受をする漁船保険は、普通損害保険及び満期保険とする。
2 普通損害保険においては、普通損害保険の保険の目的たる漁船につき、滅失、沈没、損傷その他の事故によって生じた損害を塡補するものとする。
3 満期保険においては、満期保険の保険の目的たる漁船につき、満期前における事故によって生じた損害を塡補し、及び満期により保険金を支払うものとする。
4 漁船保険の保険の目的たる漁船につき、次の原因による滅失、沈没、損傷その他の事故
(以下「戦乱等による事故」という。)によって生じた損害は、漁船保険に戦乱等特約を付した場合に限り塡補するものとする。
(1) 戦争(宣戦の有無を問わない。)又は変乱
(2) 襲撃
だ
(3) 捕獲、拿捕又は抑留
(保険の目的)
第 2 条 組合の漁船保険の保険の目的たるべき漁船は、総トン数 1,000 トン未満の漁船とする。
2 組合と組合員との間に漁船保険の保険関係が成立している漁船については、他の組合員又は組合員たる資格を有する者は、当該保険関係に係る保険期間の全部又は一部をその保険期間の全部又は一部とする漁船保険の保険の目的とすることができない。
(保険の目的たる漁具)
第 3 条 漁具(漁船に搭載し、漁業に従事するに際し、これを使用して漁労を行うものをいう。)及び漁具に付属して使用するもの(以下「漁具」と総称する。)は、次に掲げるものを除き、漁具特約を付した場合に限り、その属する漁船とともに保険の目的とする。
(1) 定置漁具(漁業法(昭和 24 年法律第 267 号)第 6 条第 3 項に規定する定置漁業、同条第 5 項第 2 号に規定する第 2 種共同漁業に属する小型定置網漁業又は知事許可に基づく小型定置網漁業において使用する漁具をいう。第 114 条第 1 号及び第 2 号において同じ。)
(2) 漁具として構成されていないロープ(鉢)、網地等
2 前項の場合において、漁具につき、戦乱等による事故によって生じた損害は、漁船保険に戦乱等特約を付した場合であって、当該漁具についても戦乱等特約を付したときに限り、塡補するものとする。
(保険引受を拒む場合)
第 4 条 組合は、次の各号のいずれかに該当する漁船については保険の引受をしない。
(1) 総トン数 1,000 トン以上の漁船
(2) 第 2 条第 2 項の規定に該当する漁船
(3) 船体の重要寸法の比例の過当、馬力の過当、復原力の不足若しくは強力の不足又は船体若しくは機関の著しい老巧その他重大な瑕疵がある漁船
(4) 危険が著しく変更又は増加するおそれがある状況にある漁船
(5) 第 44 条第 1 項第 8 号又は第 45 条第 1 項第 7 号の規定により保険料が払い戻された漁船保険の保険の目的たる漁船(当該払戻しの原因となった事由が消滅した場合その他重大な変更がある場合を除く。)
(6) 総トン数 1 トン未満の無動力漁船以外の漁船で、漁船登録(漁船法(昭和 25 年法律第 178 号)第 10 条第 1 項の登録をいう。以下この号において同じ。)未済の漁船(次のいずれかに該当する場合を除く。)
(イ) 漁船登録の申請中の場合
(ロ) xx後又は改造後の漁船を造船所から根拠地に回航する場合で、国籍証書又は仮国籍証書の交付があった漁船で、かつ、船舶安全法(昭和 8 年法律第 11 号)に基づく検査を受け、船舶検査証書の交付を受けたもの又はその交付を見込まれるもの(総トン数 20 トン未満の漁船にあっては、漁船法に基づくxx又は改造の許可を受けたものであって認定通知書の交付を見込まれるもの)であって、回航後直ちに漁船登録の手続きをとる場合
(ハ) 漁船を譲り受けた者又は所有権以外の権原により使用する者が根拠地に回航する場合であって、当該漁船の所有権又は所有権以外の権原の移転の事実が証明されるときに、回航後直ちに漁船登録の手続きをとる場合
(満期保険の保険の目的の制限)
第 5 条 満期保険の保険の目的たる漁船は、満期の時において、xxにあっては進水後 15
年、鋼船にあっては進水後 25 年を経過しない漁船とする。ただし、船体につき改造修理を加えた漁船、主機関の据付け、取替えをした漁船その他組合が特に認める漁船は、満期の時において、xxにあっては進水後 20 年、鋼船にあっては進水後 30 年を経過しない漁船とすることができる。
(保険関係の成立)
第 6 条 保険関係は、組合員又は組合員たる資格を有する者が、組合が別に定める申込書により申込み、組合がこれを承諾することにより成立する。
2 組合は、保険の申込みを受けたときは、申込みの内容及び必要に応じて漁船を調査して保険引受の諾否を決定し、申込人に通知する。
(保険料の支払期限)
第 7 条 保険関係が成立した者は、当該保険関係に係る保険期間の開始日の前日までに、組合に保険料(保険料の分割支払がされる場合にあっては、保険料のうちその第 1 回の支払に係るもの)を支払わなければならない。
2 前項の規定による保険料の支払をその支払期限までにしないときは、当該保険関係はその効力を失う。
(保険証券の交付)
第 8 条 保険関係が成立した者が前条第 1 項の保険料を支払ったときは、組合は、組合員の請求により、保険証券を作成して、当該組合員に交付する。
(保険責任の開始)
第 9 条 組合の保険責任は、保険期間の開始日から始まる。
2 第 29 条第 3 項、第 40 条又は第 41 条第 2 項の規定により保険料の差額を支払った場合における当該変更後の保険契約に係る組合の保険責任は、その保険料の差額を支払った日の翌日から始まる。
(継続加入)
第 10 条 組合員は、普通損害保険の保険期間の満了後引き続き普通損害保険に付そうとするときは、第 6 条第 1 項の申込書において記載を求められた事項を、当該満了の日までに組合に通知しなければならない。
(被保険者たる資格)
第 11 条 漁船保険の被保険者たる資格を有する者は、漁船の所有者とする。
(保険価額)
第 12 条 組合は、漁船保険の引受をするときは、水産庁長官の定める漁船の評価標準に従い、あらかじめ、当該引受に係る漁船の保険価額を定めるものとする。
2 満期保険については、保険期間の開始日における満期保険の保険の目的たる漁船の価額をもって保険期間中における当該漁船の価額とみなす。
3 漁具特約については、保険を引き受けようとする漁具(予備網については、通常 1 航海の操業において最低限必要とする量)の新調に要する価額の 3 分の 2 に相当する額をもって当該漁具の価額とみなす。
第 2 節 保険関係の存続及び承継
(保険関係の存続)
第 13 条 漁船保険の保険の目的たる漁船の所有者又は使用者(所有権以外の権原に基づき漁船を使用するものをいう。以下同じ。)である組合員が、その住所又は当該漁船の主たる根拠地を組合の区域外に移転したことにより組合員たる資格を喪失したため組合を脱退した場合において、その脱退前に、この組合員から当該組合に対し当該保険関係(当該漁船に係る漁船船主責任保険、漁船乗組船主保険又は漁船積荷保険の保険関係が成立している場合にあっては、これらの保険関係を含む全ての保険関係)を存続させたい旨の通知があったときは、その保険関係は、定款第 16 条第 1 項の規定にかかわらず、なお存続する。
2 前項の規定によりなお存続するものとされる保険関係に係る漁船の所有者又は使用者は、この約款の適用については、組合員とみなす。
(保険関係に関する権利義務の承継)
第 14 条 漁船保険の保険の目的たる漁船の譲受人は、組合に通知して、譲渡人が当該漁船の当該保険関係に関して有する権利義務(法第 139 条第 1 項又は第 139 条の 2 第 1 項の規定による負担金に係る権利義務(次条において「漁船保険の保険料に対する国庫負担金に係る権利義務」という。)を除く。)を承継することができる。ただし、組合が正当な事由により、当該通知を受けた後直ちに当該譲受人に通知してその承継を拒んだときは、この限りでない。
2 前項の規定により保険関係に関する権利義務を承継した者(被保険者としての権利義務のみを承継した者を除く。)が組合員たる資格を有しない場合には、その者は、この約款の規定の適用については、組合員とみなす。
3 漁船保険の保険の目的たる漁船につき、相続その他の包括承継又は遺贈があった場合については、前 2 項の規定を準用する。
第 15 条 漁船保険の保険の目的たる漁船の所有者又は使用者は、組合に通知して、所有者にあっては当該漁船の使用者たる組合員が当該漁船の当該保険関係に関して有する権利義務(漁船保険の保険料に対する国庫負担金に係る権利義務を除く。)を、使用者にあっては組合員が当該漁船の当該保険関係に関して有する権利義務(漁船保険の保険料に対する国庫負担金に係る権利義務及び当該漁船の所有者たる組合員が被保険者として有する権利義務を除く。)を承継することができる。ただし、組合が、正当な事由により、当
該通知を受けた後直ちに当該所有者又は使用者に通知してその承継を拒んだときは、この限りでない。
2 前項の規定により保険関係に関する権利義務を承継しようとする者は、あらかじめ当該保険関係に関し権利義務を有する者の承諾を得なければならない。ただし、漁船保険の保険の目的たる漁船の使用者たる組合員の当該漁船を使用する所有権以外の権原が消滅した場合であって次に掲げるときは、この限りでない。
(1) 当該漁船の所有者が当該組合員から当該組合員が当該漁船の当該保険関係に関して有する権利義務(漁船保険の保険料に対する国庫負担金に係る権利義務を除く。次号において同じ。)を承継するとき。
(2) 当該漁船について新たに使用者となった者が当該組合員から当該組合員が当該漁船の当該保険関係に関して有する権利義務を承継するとき。
3 第 1 項の規定により保険関係に関する権利義務を承継した者については前条第 2 項の規定を、漁船保険の保険の目的たる漁船を使用する所有権以外の権原につき相続その他の包括承継又は遺贈があった場合(次に掲げる場合を除く。)については同項及び前 2 項(前項ただし書を除く。)の規定を、それぞれ準用する。
(1) 相続人又は受遺者が被相続人又は遺言者たる組合員から漁船保険の保険の目的たる漁船を使用する所有権以外の権原を相続し、又はその遺贈を受け、当該組合員が当該漁船の当該保険関係に関して有する権利義務(漁船保険の保険料に対する国庫負担金に係る権利義務を除く。次号及び第 3 号において同じ。)を承継するとき。
(2) 合併後存続する法人又は合併によって設立した法人が合併によって消滅した法人たる組合員から漁船保険の保険の目的たる漁船を使用する所有権以外の権原を承継し、当該組合員が当該漁船の当該保険関係に関して有する権利義務を承継するとき。
(3) 分割によって設立した法人又は分割によって営業を承継した法人が分割をした法 人たる組合員から漁船保険の保険の目的たる漁船を使用する所有権以外の権原を承 継し、当該組合員が当該漁船の当該保険関係に関して有する権利義務を承継するとき。
第 3 節 保険期間
(保険期間)
第 16 条 保険期間は、普通損害保険の基本部分(法第 113 条の 4 第 1 項に規定する基本部分をいう。以下同じ。)にあっては 1 年、満期保険の基本部分にあっては 3 年、6 年、9 年、 12 年及び 15 年、漁船保険の戦乱等特約にあっては 4 月とする。
2 前項の規定にかかわらず、漁船保険の戦乱等特約に係る保険期間は、次の表の左欄に掲げる漁船については、それぞれ同表の右欄に掲げる期間をもって保険期間とすることができる。
区 分 | 期 間 |
戦乱等による事故が発生するおそれが高い海域(以下「特定事故海域」という。)において周年操業する漁船 | 1 年 |
特定事故海域において年間を通じて3 月以内に限り営むことができる漁業に従事する漁船 | 2 月又は 3 月 |
当該特約に係る保険の保険期間の始期又は終期に特定事故海域において操業する漁船 | 1 月、2 月 又は 3 月 |
3 第 3 条の規定により漁具を保険の目的とする特約を付した場合における当該漁具の保険期間は、当該漁具の属する漁船についての当該特約に係る保険の保険期間(満期保険にあっては、当該特約の日を含む保険料期間(保険期間が始まる日から起算して 1 年を経過す
るごとにその 1 年をいう。以下同じ。))のうち、当該特約をする日において、まだ経過しない期間を超えない範囲内において当該漁具を使用して漁業を営む期間とする。
4 組合は、第 1 項の規定にかかわらず、漁船を新たに普通損害保険に付する場合における当該漁船についての保険期間を、加入区ごとに、現に保険料の一部を国庫が負担している漁船のうちの最多数のものが同一にその保険期間の終期としている日(以下この項において「最多数終期日」という。)までの期間とすることができる。(ただし、戦乱等特約にあっては、当該特約(以下この項において「現行特約」という。)に係る保険期間の終期としている日の翌日から、保険期間を 1 年とする新たな戦乱等特約を付す場合に限り、現行特約の保険期間を最多数終期日までの期間とすることができる。)
5 組合は、法第 113 条の規定による保険料の集収及び払込を円滑にするため必要があるときは、法第 139 条第 1 項又は法第 139 条の 2 第 1 項の規定により国庫が保険料の一部を負担する漁船に係る普通損害保険の保険期間を、加入区ごとに、組合の定める日までの期間とすることができる。
(保険期間の延長)
第 17 条 組合は、同一漁船につき保険期間が重複する 2 以上の普通損害保険が存するときは、組合員からの請求により、先に成立した保険関係の保険期間を、最後に成立した保険関係の保険期間の終期まで延長することができる。
2 前項の場合には、組合員は、その保険期間の満了前に、延長しようとする期間に対する保険料を支払わなければならない。
第 18 条 組合は、普通損害保険の保険の目的たる 2 以上の漁船を同一の組合員が所有し、又は所有権以外の権原に基づき使用するときは、当該組合員からの請求により、先に成立した保険関係の保険期間を最後に成立した保険関係の保険期間の終期まで延長することができる。
2 前項の場合には、組合員は、その保険期間の満了前に、延長しようとする期間に対する保険料を支払わなければならない。
第 19 条 普通損害保険の保険の目的たる漁船につき、組合の事故についての責任が確定しない期間中又は事故による損害についての修繕が完了しない期間中に保険期間(保険期間が延長された場合にあっては延長後の保険期間)が満了すべきときは、組合員は、組合に対し、保険期間の延長を請求することができる。
2 前項の規定により延長する期間は、1 月を下ってはならない。
3 第 1 項の場合には、組合員は、その保険期間の満了前に、延長しようとする期間に対する保険料を支払わなければならない。
第 20 条 漁船保険の戦乱等特約の保険の目的たる漁船につき、戦乱等による事故による損害発生の危険が切迫し、その継続中に当該特約に係る保険期間が満了すべきときは、組合員は、当該特約に係る保険期間の延長を請求することができる。延長した当該特約に係る保険期間が満了すべきときも、また同様とする。
2 前項の規定により延長する当該特約に係る保険期間は、1 月を下ってはならない。
3 第 1 項の規定により当該特約に係る保険期間の延長をしようとするときは、その期間の満了前に、その旨を組合に通知し、かつ、延長しようとする期間に対する保険料を支払わなければならない。
(瑕疵ある漁船となった場合の保険期間)
第 21 条 普通損害保険の保険の目的たる漁船が、第 4 条第 3 号に該当することとなったときは、当該普通損害保険は、現に経過中の保険期間の満了をもって終了するものとする。
第 4 節 保険料
(保険料率)
第 22 条 組合の漁船保険の保険料率は、別表第 1 部、第 2 部及び第 8 部で定めるとおりと
し、第 8 部で定める付加保険料率は第 6 条第 1 項の申込書が提出された支所に応じて適用するものとする。
(保険料の計算)
第 23 条 1 年に満たない期間に対する保険料(戦乱等特約及び漁具特約を付した場合におけるこれらの特約の保険期間に対する保険料を除く。)は、月割で計算し、1 月に満たない日数については、1 月を 30 日として日割で計算する。
2 第 16 条第 4 項の規定に基づき、保険期間を、加入区ごとに、現に普通損害保険の保険料の一部を国庫が負担している漁船のうちの最多数のものが同一にその保険期間の終期としている日までの期間とする場合の戦乱等特約に係る保険料は、1 月に満たない日数については、1 月を 30 日として日割で計算する。
(普通損害保険の保険料の支払)
第 24 条 普通損害保険の保険料は、1 回払とする。ただし、組合員は、普通損害保険の保険料(戦乱等特約に係るものを除く。)について、組合の承諾を得て 3 回以内に分割して支払うことができる。
2 組合が前項ただし書の承諾をするのは、分割した保険料を期限内に支払う確実な保障があると認める場合に限るものとする。
3 第 1 項の規定により保険料の分割支払をする場合における保険料のうちその第 1 回の支払に係るものの金額は、保険料(法第 139 条第 1 項又は第 139 条の 2 第 1 項の規定により当該保険料が国庫負担に係るものであるときは、その負担に係る部分を除く。)の 2 分の 1 以上とする。
4 第 1 項の規定により保険料の分割支払をする場合における保険料のうちその最終の支払に係るものの支払期限は、保険期間の開始日から起算して 9 月を経過する日までの期間内において組合が指定する日までとする。
5 組合は、第 1 項ただし書の承諾をした場合において、その承諾に係る保険料の分割支払の支払期限の到来前に、保険金の支払又は保険料の払戻しをすべき事由が生じたときは、支払うべき保険金又は払い戻すべき保険料の額から未払込の保険料に相当する額を控除することができる。
(満期保険の保険料の支払)
第 25 条 各保険料期間に対する満期保険の保険料のうちの積立保険料の額は、同額とする。ただし、10 円未満の差額があることを妨げない。
2 各保険料期間に対する満期保険の保険料のうちの損害保険料の額は、各保険料期間の開始日において適用されている満期保険の保険料率のうち損害保険料に対応する部分の率を満期保険の保険の目的たる漁船についての保険金額に乗じて得た金額とする。
3 組合員は、満期保険の各保険料期間に対する保険料を 2 回に分割して支払うことができる。この場合には、各保険料期間に対する保険料のうち、その第 1 回の支払に係るものの額及び第 2 回の支払に係るものの額は、それぞれ前 2 項の規定による当該保険料の額の 2分の 1 に相当する金額の 1.0114 倍の金額とする。
4 各保険料期間に対する満期保険の保険料の支払期限は、当該保険料期間の保険料を一時に支払う場合にあっては、当該保険料期間の開始日の前日までとし、分割して支払う場合にあっては、当該保険料のうちその第 1 回の支払に係るものについては当該保険料期間
の開始日の前日まで、第 2 回の支払に係るものについては当該保険料期間の開始日から
起算して 6 月を経過した日の前日までとする。
5 前項の支払期限を経過した後第 37 条の支払猶予期間内に支払う満期保険の保険料(保険料の分割支払がされる場合にあっては、当該保険料のうちその第 1 回の支払に係るもの)の額は、同項の支払期限経過後その支払をする日までの期間に対し、その日数に応じ年 4.5 パーセントの割合で計算した利息に相当する金額を加算した額とする。
6 保険料の分割支払がされる場合において、第 4 項の支払期限を経過した後支払う当該保険料のうちその第 2 回の支払に係るものの額は、当該保険料の支払が前項の支払猶予期間に相当する期間(以下この項において「支払猶予期間相当期間」という。)内にされるときは、当該支払期限経過後その支払をする日までの期間に対し、その日数に応じ年 4.5パーセントの割合で計算した利息に相当する金額を加算した額とし、当該保険料の支払が支払猶予期間相当期間後にされるときは、更に、支払猶予期間相当期間経過後その支払をする日までの期間に対し、その日数に応じ年 8 パーセントの割合で計算した利息に相当する金額を加算した額とする。
7 前 2 項の場合において、その利息に相当する金額が 100 円に満たないときは、その金額は加算しない。
8 第 5 項及び第 6 項の規定で定める年当たりの割合については、第 26 条第 2 項の規定を準用する。
(延滞金)
第 26 条 組合は、第 24 条第 1 項の規定により普通損害保険の保険料の分割支払を認める
場合において、分割した保険料が同条第 4 項の支払期限内に支払われない場合は、その支
払われない期間についてその日数に応じ年 8 パーセントの延滞金を徴収することができる。
2 前項の規定で定める年当たりの割合は、365 日当たりの割合とする。
(国庫負担の保険料の相殺)
第 27 条 保険料の支払日よりも前に、法第 139 条第 1 項又は第 139 条の 2 第 1 項の規定により国庫が漁船保険の保険料の一部を負担する漁船(次項において「国庫負担適用漁船」という。)に該当することとなった場合は、当該国庫の負担金(次項において「国庫負担金」という。)は、組合員が組合に支払うべき当該漁船についての保険料の一部に充てるものとする。
2 保険料の支払の日以降に、国庫負担適用漁船に該当することとなった場合は、国庫負担金相当額の保険料について、国庫負担金が増額された場合は、従前の国庫負担金との差額相当額の保険料について、還付する。
第 5 節 告知義務、通知義務及びその他の義務
(告知義務)
第 28 条 組合員又は組合員たる資格を有する者は、保険の申込み時に、第 6 条第 1 項の申込書において記載を求められた事項について、事実の告知をしなければならない。
2 組合員又は組合員たる資格を有する者は、当該保険契約の保険期間の開始日の前日までに前項の規定による記載事項について変更があった場合にはその旨を組合に告知しなければならない。
(事前の通知義務)
第 29 条 次に掲げる場合には、組合員又は被保険者は、あらかじめ、組合に通知しなければならない。
(1) 漁船保険の保険の目的たる漁船の総トン数又は船体の重要寸法に変更を来すべき改造をしようとするとき。
(2) 漁船保険の保険の目的たる漁船の主機関を据え付け、取り替え又は除去しようとするとき。
(3) 漁船保険の保険の目的たる漁船の無線電信設備、無線電話設備又はレーダー設備を除去しようとするとき。
(4) 漁船保険の保険の目的たる漁船につき漁業用ソナー設備(漁船損害等補償法第 113条の 4 第 2 項第 1 号の危険の程度の区分を定める件(平成 29 年 1 月 30 日農林水産省告示第 159 号)第 7 号(3)で定める漁業用ソナー設備をいう。別表第 1 部及び第 8 部において同じ。)を据え付け、取り替え又は除去しようとするとき。
(5) 漁船保険の保険の目的たる漁船につき、漁業等の種類(別表第 1 部の第 1 の 1 の表に掲げる漁業等の種類をいう。)又は従事日数を変更しようとするとき(従事日数の変更の場合にあっては、2 以上の漁業等を併せて行う場合において、そのいずれかひとつの漁業等に係る従事日数が 60 日以上となることにより、当該漁船につき適用する漁船保険の基準保険料率が変更されることとなるときに限る。)。
(6) 漁船保険の保険の目的たる漁船を漁業以外の用途に使用しようとするとき(前号に掲げるときを除く。)。
(7) 前各号のほか漁船保険の保険の目的たる漁船につき重大な変更をしようとするとき。
(8) 漁船保険の保険の目的たる漁船を連続して 90 日以上係船しようとするとき。
(9) 漁船保険の保険の目的たる漁船の主たる根拠地が属する区域を変更しようとするとき。
(10) 漁船保険の保険の目的たる漁船につき、同種の保険契約を他の保険者と締結しようとするとき。
2 漁船保険の保険の目的たる漁船の危険が前項第 1 号から第 8 号までに掲げる事由によって著しく増加する場合には、組合は、組合員又は被保険者に対し、その変更を制限し、その他必要な処置をさせることがある。
3 第 1 項第 1 号から第 5 号まで、第 7 号及び第 9 号に掲げる事由により保険料を増額すべきときは、組合員は、遅滞なく、その事由が発生した日(事由が発生した日が保険期間(満期保険にあっては保険料期間。以下この項において同じ。)の開始日前である場合は開始日)からその保険期間の満了の日までの期間に対する保険料の差額を支払わなければならない。
4 組合員が前項の規定による保険料の差額の支払を怠ったときは、組合は、従前の保険料の額にその支払を怠った保険料の額を加えて得た額に対する従前の保険料の額の割合によって塡補する。
(事後の通知義務)
第 30 条 次に掲げる場合には、組合員又は被保険者は、遅滞なく組合に通知しなければならない。
(1) 漁船保険の保険の目的たる漁船を譲渡し、又は貸し付けたとき。
(2) 漁船保険の保険の目的たる漁船の上に先取特権、抵当権その他の物権又は賃借権を設定し、変更し、又は消滅させたとき。
(3) 保険金受取人又は保険に関する事項につき代理人を定め、又は廃したとき。
(4) 組合員、被保険者、これらの者の代理人又は保険金受取人の氏名若しくは名称又は
住所を変更したとき。
(5) 漁船保険の保険の目的たる漁船の船名又は主たる根拠地を変更したとき(第 29 条第 1 項第 9 号に基づき事前の通知をした場合を除く。)。
2 前項第 2 号から第 4 号までに掲げる事由に該当する場合においては、組合員又は被保険者は、債権者、保険金受取人又は代理人と連署のうえ通知しなければならない。
(漁船の調査等)
第 31 条 組合は、いつでも漁船保険の保険の目的たる漁船に関して、調査をし、又は組合員若しくは被保険者に通常の修繕その他必要な処置をさせることができる。
2 組合員又は被保険者は、前項の調査に関して組合から照会があった場合には、遅滞なく回答しなければならない。
(通常行うべき管理等の義務)
第 32 条 組合員又は被保険者は、漁船保険の保険の目的たる漁船につき、通常行うべき管理その他損害の防止及び軽減に努めなければならない。
第 6 節 無効及び消滅
(無 効)
第 33 条 次に掲げる場合には、漁船保険は、無効とする。
(1) 第 4 条の規定に違反して保険の引受をしたとき。
(2) 第 9 条第 1 項の規定により組合の保険責任が始まる前において、既に事故が生じ得ないこととなったとき、又は生じていたとき。
(解 除)
第 34 条 保険引受の当時、組合員又は被保険者が第 28 条第 1 項の規定による記載事項について、故意又は重大な過失によって事実を告知せず、又は不実の告知をしたときは、組合が当該事実を知り、又は過失によって知らなかったときを除くほかは、組合は、保険関係を解除することができる。ただし、保険引受の時から 5 年又は組合が解除の原因となる
事実を知った時から 1 月を経過したときは、この限りでない。
(満期保険の解除)
第 35 条 組合員は、いつでも(漁船の使用者たる組合員にあっては、当該漁船の所有者に対して当該組合員が満期保険の保険関係に関して有する権利義務を承継すべき旨の申し出をした場合において、当該所有者がその承継を拒んだときに限る。)、満期保険を解除することができる。
(失 効)
第 36 条 次に掲げる場合には、漁船保険は、その効力を失うものとする。
(1) 漁船保険の保険の目的たる漁船が解撤されたとき。
(2) 組合員が、組合の区域内に住所及びその所有し、又は所有権以外の権原に基づき使用する漁船保険の保険の目的たる漁船の主たる根拠地を有しなくなったとき(あらかじめ、当該組合員から組合に保険関係を存続させたい旨の申し出があったときを除く。)。
(3) 漁船保険の保険の目的たる漁船の所有権の移転又は当該漁船を使用する所有権以外の権原の移転若しくは消滅があった場合又は相続その他の包括承継若しくは遺贈があった場合において、組合が保険関係に関する権利義務の承継を拒んだとき。
(4) 組合員が死亡し、若しくは解散したとき(保険関係に関する権利義務の承継があった場合を除く。)又は組合員について破産手続開始の決定があったとき。
(5) 漁船保険の保険の目的たる漁船が廃船されたとき又はその用途変更により法第 3 条
第 1 項の漁船に該当しなくなったとき。
(保険料不払による満期保険の失効)
第 37 条 組合員が第 25 条第 4 項の支払期限を経過しても保険料(保険料の分割支払がさ
れる場合にあっては、当該保険料のうちその第 1 回の支払に係るもの)の支払をしないで
2 月の支払猶予期間を経過したときは、満期保険は、その効力を失う。
(解除等の効果)
第 38 条 第 34 条又は第 35 条の規定により保険契約を解除したときは、その解除は将来に向かってのみその効力を生ずる。
2 組合は、事故が生じた後に第 34 条の規定による解除をした場合であっても、保険金を支払う責めを負わない。既に保険金を支払っていたときは、その返還を請求することができる。ただし、その事故の発生が同条の事実に基づかないものであるときは、この限りではない。
第 39 条 無効、失効若しくは解除の場合又は組合が損害を塡補する責めを負わない場合においても、組合は、既に受け取った保険料を払い戻さないものとする。ただし、この保険約款において払戻しの規定がある場合並びに無効の原因及びその原因を知らなかったことにつき保険の申込人が善意でかつ重大な過失がない場合は、この限りでない。
第 7 節 保険契約の変更等
(損害塡補の範囲の変更)
第 40 条 組合員は、組合の承諾を得て損害塡補の範囲につき保険契約の変更をする場合において、保険料を増額すべきときは、当該保険期間(満期保険にあっては、当該保険料期間)につき、保険料の差額を支払わなければならない。
(保険価額の変更等)
第 41 条 組合は、必要があると認める場合には、いつでも、普通損害保険の保険の目的たる漁船を評価し、その価額に著しい変動があったときは、保険価額を変更することができる。組合員の請求があった場合も、また同様とする。
2 前項の規定により保険価額を増額する場合には、組合員は、保険金額の増額を請求することができる。この場合には、組合員が組合の承諾を得た日の翌日からその保険期間の満了の日までの期間に対する保険料の差額を支払わなければならない。
3 第 1 項の規定により保険価額を減額する場合において、保険金額が減額後の保険価額を 超えることとなるときは、組合は、保険金額を減額後の保険価額まで減額するものとする。
(保険料の減額の請求)
第 42 条 組合員は、組合が前条第 3 項の規定により保険金額を減額したときには、保険料の減額を請求することができる。ただし、満期保険は除く。
2 組合員は、漁船保険の保険の目的たる漁船の主たる根拠地が属する区域を変更することによって別表第 1 部及び第 2 部で定めるところにより算出される保険料が減額となる場合は、将来に向かって、その減額後の保険料に至るまでの保険料の減額を請求することができる。
第 43 条 前条第 1 項の規定により減額する保険料の額は、従前の保険金額についての保険料と減額後の保険金額についての保険料との差額に相当する額を基準として計算する。
第 8 節 保険料の払戻し等
(危険の消滅による保険料の払戻し)
第 44 条 組合員は、組合に対し、次の各号のいずれかに該当する場合には、普通損害保険の保険の目的たる漁船及び漁具についての保険料の払戻しを請求することができる。
(1) 普通損害保険の保険の目的たる漁船が解撤されたとき。
(2) 組合員の住所又は普通損害保険の保険の目的たる漁船の主たる根拠地を組合の区域外に移転したことにより普通損害保険が失効したとき。
(3) 普通損害保険の保険の目的たる漁船の所有権の移転又は当該漁船を使用する所有権以外の権原の移転若しくは消滅により普通損害保険が失効したとき。
(4) 組合員の死亡若しくは解散又は組合員についての破産手続開始の決定により普通損害保険が失効したとき。
(5) 普通損害保険の保険の目的たる漁船が法第 139 条第 1 項に規定する対象漁船又は法第 139 条の 2 第 1 項に規定する漁船に該当することとなった場合において、当該漁船を新たに普通損害保険に付するに際し、従前の普通損害保険を解除したとき。
(6) 普通損害保険の保険の目的たる漁船を満期保険に付するに際し、従前の普通損害保険を解除したとき。
(7) 普通損害保険の保険の目的たる漁船の代船を普通損害保険又は満期保険に付するに際し、現に存する普通損害保険を解除したとき。
(8) 普通損害保険の保険の目的たる漁船により漁業を行うことが自己の責めに帰することができない事由により困難となっている状態が 1 年以上継続すると認められるため、普通損害保険を解除したとき。
(9) 普通損害保険の保険の目的たる漁船が戦乱等による事故により全損したとき。
(10) 普通損害保険の戦乱等特約の保険の目的たる漁船が戦乱等による事故以外の事故により全損したとき。
2 組合員が前項の規定により払戻しを請求することができる保険料の額は、前項各号の事由が発生した日の翌日から起算した当該保険関係のまだ経過しない期間に対する純保険料(同項第 5 号から第 7 号までの場合には純保険料及び付加保険料、同項第 9 号の場合には基本部分の純保険料、同項第 10 号の場合には戦乱等特約に係る純保険料)の額(既に経過した期間中の事故による損害がある場合には、これに対する塡補額を差し引き、まだ経過しない期間に対する純保険料の一部を国庫が負担している場合には、その負担している額を差し引いて得た額)に相当する金額とする。
(危険の消滅による満期保険損害保険料の払戻し)
第 45 条 組合員は、組合に対し、次の各号のいずれかに該当する場合には、満期保険の保険の目的たる漁船についての損害保険料の払戻しを請求することができる。
(1) 満期保険の保険の目的たる漁船が解撤されたとき。
(2) 組合員の住所又は満期保険の保険の目的たる漁船の主たる根拠地を組合の区域外に移転したことにより満期保険が失効したとき。
(3) 満期保険の保険の目的たる漁船の所有権の移転又は当該漁船を使用する所有権以外の権原の移転若しくは消滅により満期保険が失効したとき。
(4) 組合員の死亡若しくは解散又は組合員についての破産手続開始の決定により満期保険が失効したとき。
(5) 満期保険の保険の目的たる漁船を普通損害保険に付するに際し、従前の満期保険を解除したとき。
(6) 満期保険の保険の目的たる漁船の代船を満期保険又は普通損害保険に付するに際し、現に存する満期保険を解除したとき。
(7) 満期保険の保険の目的たる漁船により漁業を行うことが自己の責めに帰することができない事由により困難となっている状態が 1 年以上継続すると認められるため、
満期保険を解除したとき。
(8) 満期保険の保険の目的たる漁船が戦乱等による事故により全損したとき。
(9) 満期保険の戦乱等特約の保険の目的たる漁船が戦乱等による事故以外の事故により全損したとき。
2 組合員が前項の規定により払戻しを請求することができる損害保険料の額は、前項各号の事由が発生した日の翌日から起算した当該保険料期間のまだ経過しない期間に対する純保険料(同項第 5 号及び第 6 号の場合には純保険料及び付加保険料、同項第 8 号の場合には基本部分の純保険料、同項第 9 号の場合には戦乱等特約の純保険料)の額(当該保険料期間の既に経過した期間中の事故による損害がある場合には、これに対する塡補額を差し引き、当該保険料期間のまだ経過しない期間に対する純保険料の一部を国庫が負担している場合には、その負担している額を差し引いて得た額)に相当する金額とする。
(満期保険の払戻金の支払)
第 46 条 組合員は、満期保険の解除(第 34 条の規定による解除を除く。)又は失効により保険関係が消滅した場合には、組合に対し、当該満期保険につき支払った積立保険料(支払期限の到来した未払積立保険料を含む。次項において同じ。)のうちの純保険料の額に、第 35 条の規定による解除(第 45 条第 1 項第 6 号に規定する解除を除く。)又は第 37 条の規定による失効により保険関係が消滅した場合にあっては、保険期間が始まる日から起算して次の表の左欄に掲げる期間を経過したものにつきそれぞれ同表の右欄に掲げる割合を乗じて得た金額、その他の事由により保険関係が消滅した場合にあっては、100 分の 100 を乗じて得た金額に相当する払戻金の支払を請求することができる。
経 過 期 間 | 割 合 |
1 年以内 | 100 分の 92 |
1 年超過 2 年以内 | 100 分の 95 |
2 年超過 3 年以内 | 100 分の 97 |
3 年超過 | 100 分の 100 |
期 間 | 割 x | |
x 船 | 鋼 船 | |
1 年以内 | 100 分の 0 | 100 分の 0 |
1 年超過 2 年以内 | 100 分の 10 | 100 分の 6 |
2 年超過 3 年以内 | 100 分の 20 | 100 分の 12 |
3 年超過 4 年以内 | 100 分の 28 | 100 分の 18 |
4 年超過 5 年以内 | 100 分の 35 | 100 分の 23 |
5 年超過 6 年以内 | 100 分の 42 | 100 分の 28 |
6 年超過 7 年以内 | 100 分の 48 | 100 分の 32 |
7 年超過 8 年以内 | 100 分の 53 | 100 分の 36 |
8 年超過 9 年以内 | 100 分の 58 | 100 分の 40 |
9 年超過 10 年以内 | 100 分の 62 | 100 分の 43 |
2 組合員は、満期保険の保険の目的たる漁船が満期前の事故により全損した場合には、組合に対し、当該保険につき支払った積立保険料のうちの純保険料の額から、保険期間が始まる日から起算して次の表の左欄に掲げる期間を経過したものにつき、それぞれ同表の右欄に掲げる割合を保険金額に乗じて得た額を差し引いて得た金額に相当する金額を超えない払戻金の支払を請求することができる。ただし、第 67 条の規定により、組合が当該事故に係る損害を塡補する責めを負わない場合については、この限りでない。
10 年超過 11 年以内 | 100 分の 66 | 100 分の 47 |
11 年超過 12 年以内 | 100 分の 69 | 100 分の 51 |
12 年超過 13 年以内 | 100 分の 72 | 100 分の 54 |
13 年超過 14 年以内 | 100 分の 75 | 100 分の 57 |
14 年超過 15 年以内 | 100 分の 78 | 100 分の 59 |
第 9 節 x x
(x x)
第 47 条 保険金を請求する権利及び保険料の返還を請求する権利については、普通損害保険にあっては 3 年、満期保険にあっては 5 年、保険料を請求する権利及び追徴金を請求
する権利については 1 年を経過したときは、時効によって消滅する。第 2 章 損害の塡補
第 1 節 損害塡補の範囲
(損害の塡補)
第 48 条 組合は、漁船保険の保険の目的たる漁船につき滅失、沈没、損傷その他の事故によって生じた損害(分損を含む。以下同じ。)を保険金額の保険価額に対する割合によって塡補する。ただし、次に掲げる損害等については、特約がある場合に限り塡補する。
(1) 戦乱等による事故によって生じた損害
(2) 第 51 条に規定する分損
(3) 第 55 条第 1 項第 4 号に規定する額
(4) 第 57 条に規定する漁具に生じた損害
2 前項に規定する事故によって生じた損害には、自然損耗を原因として生じた損害を含むが、当該損害のうち自然損耗の存在する部分については塡補の対象としない。
だ
3 戦乱等による事故のうち、襲撃、捕獲、拿捕又は抑留については、その事実が発生した
時から解放又は終了した時までの間に生じた損害について塡補する。
(全 損)
第 49 条 漁船保険の保険の目的たる漁船が次の各号のいずれかに該当する状態となったときは、全損とする。
(1) 原型をとどめない状態になったとき。
(2) 原型に復旧することが不可能なまでに船体の要素的部分に損傷を受けたとき。
(3) 技術的に救助が不可能となったとき。
2 被保険者は、漁船保険の保険の目的たる漁船につき次の各号のいずれかに該当する事実が生じたときは、全損として保険金を請求することができる。
(1) 漁船が沈没し容易に引き揚げることができないとき。
(2) 漁船の行方が知れなくなったとき(漁船の行方が 30 日間明らかでないとき。)。
(3) 漁船が修繕することができなくなったとき(救助費の額若しくは修繕費の額又はこれらの合算額が漁船保険の保険の目的たる漁船の保険価額を超えるときをいう。)。
だ
(4) 漁船が捕獲され、拿捕され又は抑留され、30 日間解放されなかったとき。
3 前項第 2 号の期間は当該漁船の最終の消息のあった時から、同項第 4 号の期間は当該漁
だ
船が捕獲され、拿捕され又は抑留された時から起算する。
(全損の塡補及び漁船の所有権の帰属)
第 50 条 前条の規定により組合が責めを負う塡補の対象となる全損の額は、保険価額とする。
2 漁船保険の保険の目的たる漁船が全損となった場合に、組合が保険金を支払うときは、
組合は、被保険者がその漁船につき有する権利を取得するか否かを選択することができる。
3 前項の規定により組合が漁船保険の保険の目的たる漁船の所有権を取得しない場合には、組合は、その旨を全損に係る保険金を支払う時までに被保険者に通知する。
4 第 2 項の規定により組合が漁船保険の保険の目的たる漁船の所有権を取得しない場合において塡補の対象となる全損の額は、第 1 項の規定にかかわらず、保険価額から当該漁船に係る残存物件の価額又は評価額(当該残存物件の処分に要した経費又は当該漁船を撤去するために要する金額がある場合にはその額を差し引いた額)を差し引いて得た額とする。
5 第 2 項の規定により組合が漁船保険の保険の目的たる漁船の所有権を取得することを選択する場合には、組合は、全損に係る保険金を支払うことにより保険金額の保険価額に対する割合でその所有権を取得する。
6 第 2 項の規定により組合が漁船保険の保険の目的たる漁船の所有権を取得した場合であっても、当該漁船の上に存する先取特権、抵当権、その他の物権及び賃借権を消滅させるために要する金額並びにその漁船に付随する公法上又は私法上の債務を履行するために要する金額は、保険金を受け取るべき者(被保険者か否かを問わない。)の負担とする。ただし、当該漁船を撤去するために要する金額は、撤去された物件を売却して得られる金額(保険価額の一部を保険に付したときは、当該金額に保険金額の保険価額に対する割合を乗じて得た金額)を限度として、組合の負担とする。
(分損の塡補)
第 51 条 組合が責めを負う塡補の対象となる分損の額は、漁船保険の保険の目的たる漁船につき事故による損害が生じた場合において事故発生直前の状態に復旧するために必要な最低額の費用(以下「修繕費」という。)とする。ただし、次の各号に掲げる設備等に係る損害については、沈没、座礁、衝突、火災、銃砲弾の命中、爆発、高圧ガスの噴出、
だ
盗難、異常な浸水及び風浪、拿捕、抑留並びに落雷によって生じたものに限り、塡補の対
象とする。
(1) 漁獲物のxx設備(冷凍機用圧縮機を除く。)
(2) 電気及び電波の設備(発電機軸を除く。)
(3) 救命設備(救命艇、端艇、救命いかだ、救命浮器及び救命浮環で船体の固定位置に備え付けられているものに限る。)
(4) いかり、びょう鎖及び航海用具(羅針儀、船灯及び汽笛(サイレンを含む。)で船体の固定位置に備え付けられているものに限る。)
(5) 機関備品
(6) 船体、機関、総合加工設備及び漁ろう設備のうち電気及び電波関係部分
(7) 構造が簡易で時期的に取付け取外しをする漁ろう設備
2 前項の規定にかかわらず、救命設備(前項第 3 号に掲げる以外のもの)、消防設備、帆、索、航海用具(前項第 4 号に掲げる以外のもの)及びその他の備品に生じた損害並びに前項の各号に掲げた設備等が所定の位置から取り外されていた間に生じた損害は塡補の対象としない。
3 組合は、第 1 項に規定する損害についての修繕(以下この条において「本修繕」という。)が完了した後に、修繕費の額を塡補する。
4 組合は、前項の規定にかかわらず、本修繕が完了していない漁船保険の保険の目的たる漁船が使用されることにつき正当な理由があると認めるときは、修繕費として、第 1 項に
規定する損害の一部についての修繕(以下この条において「一部修繕」という。)に要した費用の額を塡補する。
5 組合は、前項の規定により一部修繕に要した費用の額を塡補している場合にあっては、第 3 項の規定にかかわらず、本修繕が完了した後に、修繕費の額からその一部修繕に要した費用の額を差し引いて得た額を塡補する。
6 組合は、第 1 項及び第 3 項の規定にかかわらず、本修繕が行われていないか、又は完了していない漁船保険の保険の目的たる漁船については、次の各号に掲げるところに限り、塡補する。
(1) 漁船保険の保険の目的たる漁船が譲渡され、又は解撤されたときは、その損害に基づく次のいずれか少ない額を塡補する。
ア 保険価額から、損傷後の売却価額(保険価額に含まれる消費税等相当額(消費税法
(昭和 63 年法律第 108 号)に基づく消費税及び地方税法(昭和 25 年法律第 226 号) に基づく地方消費税に相当する額をいう。以下同じ。)に係る税率を適用したものと して換算した額による。)又は損傷直後の漁船の評価額(保険価額に含まれる消費税 等相当額に係る税率を適用したものとして換算した額による。以下この号において 同じ。)のうちいずれか高い額(解撤又は無償譲渡の場合は損傷直後の漁船の評価額)を差し引いて得た額
イ 修繕費の見積額(消費税等相当額を含まない額とし、又、第 4 項の規定により一部修繕に要した費用の額を塡補している場合にあっては、その一部修繕に要した費用の額を含まない額。次号において同じ。)
(2) 漁船保険の保険の目的たる漁船が漁船法第 10 条に規定する漁船原簿に登録された漁業種類等を変更したことにより、損傷箇所を今後使用しないため修繕する必要がなく、当該損傷箇所の本修繕を完了したとみなされるときは、当該損傷箇所の修繕費の見積額を塡補する。
7 組合は、分損の額が 10,000 円に満たないとき又は塡補すべき分損の額が 3,000 円に満たないときは、塡補しない。
(塡補の対象となる修繕費)
第 52 条 前条第 1 項に規定する修繕費には、次の各号に掲げる費用を含むものとする。
(1) 修繕が上下架又は入出きょを必要とする場合は、当該費用(滞架又は滞きょに係る費用を含む。)。ただし、修繕に際して、検査工事等、修繕以外の工事(軽微な工事を除く。以下この条において「船主工事」という。)が同時に行われる場合であって、そのいずれもが上下架又は入出きょを必要とするときは、上下架又は入出きょに係る費用はその半額、滞架又は滞きょに係る費用は工事が同時に行われた期間に要したものについてその半額。
(2) 損害が生じた箇所及び損害を復旧するために必要な工事個所に係る塗装費用。
(3) 修繕に伴い、前号に掲げる以外の箇所に係る船底防汚塗装を行う場合であって、前回当該塗装を行ったときから起算し、その有効期間内に発生した事故について、当該修繕のため上架又は入きょしたことにより船底防汚塗装の効力が著しく減少したときは、当該塗装に要する費用(ただし、上下架又は入出きょを必要とする船主工事が同時に行われるときは、当該塗装に要する費用の半額)。
(4) 事故が発生した場合に損害調査のため合理的に支出されたと組合が認める潜水夫使用料。
(5) 修繕と船主工事とが同時に行われる場合に、そのいずれもが必要とする作業等の費
用(第 1 号及び第 3 号に掲げる費用を除く。)の半額。
(6) 事故が生じた漁船が安全停泊港において航行不能な状態であるため、最寄りの修繕可能地まで現実に回航する場合において必要な仮修繕費、回航費(燃料費に限る。次号において同じ。)、曳航費、護衛費、検査費用、回航又は曳航のために特に搭載した要具の費用、港費及びこれらに準ずる費用。
(7) 事故が生じた漁船が当該事故直後、最寄りの修繕可能地における修繕費の見積りをとった上、修繕費節約のため速やかに他の修繕可能地に回航又は曳航された場合の回航費又は曳航費(ただし、組合が合理的と認める回航又は曳航に係る費用に限り塡補の対象とし、節約された金額を限度とする。)。
2 船主工事の際確認された損害(以下この号において「発見事故」という。)に係る修繕費
(修繕及び船主工事のいずれもが必要とする費用を除く。)については、事故通知又は航海日誌等により、当該損害の直接の事故原因が保険期間内に生じたものであることが証明された場合に限り、前条第 1 項に規定する修繕費に含むものとし、塡補の対象とする。ただし、機関又は漁ろう設備に係る発見事故に係る修繕費(修繕及び船主工事のいずれもが必要とする費用並びに漁船保険に加入していない間に生じた損害を復旧するための修繕費相当額を除く。)にあっては、確認された時点において、同項に規定する修繕費に含むものとし、塡補の対象とする。
(特定分損の塡補)
第 53 条 組合は、第 48 条第 1 項第 2 号の損害に係る特約において、組合が塡補すべき分損を特定分損(漁船保険の保険の目的たる漁船につき沈没、座礁、衝突(氷との衝突を除く。)及び火災によって生じた分損をいう。次項及び別表第 1 部において同じ。)に限るこ
とができる。ただし、漁船保険の保険の目的たる漁船が総トン数 100 トン未満であるときは、この限りでない。
2 組合が責めを負う塡補の対象となる特定分損の額については、前二条の規定を準用する。
(定額控除分損の塡補)
第 54 条 組合は、第 48 条第 1 項第 2 号の損害に係る特約において、組合が責めを負う塡
補の対象となる分損の額から 1,000,000 円を控除して塡補すること(別表第 1 部及び第 8部において「定額控除分損」という。)ができる。ただし、漁船保険の保険の目的たる漁船が総トン数 100 トン未満であるときは、この限りでない。
(救助費及び特別救助費の塡補)
第 55 条 組合は、次の各号に掲げる額につき、保険金額の保険価額に対する割合によって算出した額を塡補する。ただし、第 4 号及び第 5 号に掲げる額については、特約がある場合に限り、塡補する。
(1) 漁船保険の保険の目的たる漁船につき事故(この号に限り、当該漁船の航行不能など、損害が生じうる原因となるものを含む。)が発生した場合において、その漁船を自ら又は他の船舶による救助を受けて安全に停泊することができる最寄りの場所まで回航し、又は曳航するのに必要な費用、救助者に対する報酬その他損害の防止及び軽減のために必要又は有益であった費用(船員その他の人員につき生じた損害に係るもの及び漁獲物、その製品、燃料、餌料、飲食料、漁具その他漁船に積載されている物の放棄に係るものを除く。以下「救助費」という。)の額。
(2) 漁船保険の保険の目的たる漁船に積載された積荷が漁船積荷保険以外の保険に付されている場合にあっては、前号の規定にかかわらず、組合が塡補すべき救助費の額は、前号で算定される救助費の額から他の保険により負担される共同海損分担額(組
合員若しくは被保険者又は組合が選任した精算人により、運送契約に定められた法令若しくは規則に従って、又は運送契約に別段の定めがないときは、日本国の法令若しくは 1974 年ヨーク・アントワープ規則に従って作成された共同海損精算書によって算定される分担額をいう。)を除いた額。
(3) 保険契約者又は被保険者が、第三者に対し損害の賠償を請求することができる場合に、当該請求権を行使又は保全するために必要又は有益な訴訟の提起、応訴等のために要した費用の額。ただし、漁船保険の保険の目的たる漁船に関する損害と、その他の損害とを合わせて第三者に対する請求権を行使又は保全した場合の費用は、各損害額の割合によって案分される額のうち、当該保険に係る部分の額。
(4) 漁船保険の保険の目的たる漁船が、座礁又は衝突した場合において漁船保険の保険の目的たる漁船と当該漁船に積載した積荷の共同の危険を免れるために放棄した漁獲物、その製品、燃料、漁具、餌料、氷、xx及び食料のうち、損害の防止及び軽減のために必要又は有益であったものの価額(漁具については新調価額の 3 分の 2 の価額、活餌又は氷については放棄量の 2 分の 1(低温活餌装置内の活餌にあっては放棄量の 5 分の 4)の数量の価額を限度とする。)につき、積荷額(座礁又は衝突した際に当該漁船に積載されていた漁獲物、その製品、燃料、漁具(操業中のものを含む。)、餌料、氷、xx及び食料の価額(漁獲物及びその製品の価額については、消費税等相当額を含まない額とする。)をいう。)と保険価額とを合計して得た額に対する保険価額の割合によって算出した額(次条並びに別表第 1 部、第 2 部及び第 8 部において「特別救助費」という。)
(5) 漁船保険の戦乱等特約の保険の目的たる漁船が、襲撃を受けた場合において放棄した漁具(操業中の漁具であって切断により放棄したものに限る。)のうち、損害の防止及び軽減のために必要又は有益であったものの価額(新調価額の 3 分の 2 の価額を限度とする。)(次条並びに別表第 1 部及び第 2 部において「戦乱等特約の特別救助費」という。)。ただし、漁具を切断放棄しても、離脱に成功しなかった場合の損害は塡補しない。
2 組合は、前項の規定により塡補すべき額が 3,000 円に満たないときは、塡補しない。第 56 条 組合は、総トン数 20 トン以上の動力漁船であって次に掲げる漁業等に従事する
ものに限り、特別救助費(戦乱等特約の特別救助費を除く。)の塡補の特約をすることが
できる。
(1) かつお・まぐろ漁業
(2) 底びき網漁業
(3) まき網漁業
(4) さけ・ます漁業
(5) さんま棒受網漁業
(6) さば釣り漁業
(7) たらはえなわ漁業
(8) いか釣り漁業
(9) かじき等流し網漁業
(10) 漁業の取締り等(漁業に関する試験、調査、指導及び練習を含む。)
(11) 漁獲物運搬
2 組合は、前項の規定による特別救助費の塡補の特約に係る漁船が同項各号に掲げる漁業等以外の漁業等に従事している際における特別救助費については、塡補しない。
(漁具損害の塡補)
第 57 条 組合は、漁船保険の保険の目的たる漁具に生じた損害について、第 55 条第 1 項
第 4 号及び第 5 号に定めるところによるほか、特約がある場合に限り、次の各号に定めるところにより、その漁具の保険価額を限度とし、漁具の保険金額の保険価額に対する割合によって塡補する。
(1) 漁具の属する漁船とともに全損となった場合は、第 49 条(同条第 2 項第 4 号及び第 3 項後段を除く。)及び第 50 条の規定を準用し、その損害を塡補する。
(2) 漁船保険の戦乱等特約の保険の目的たる漁具が、その属する漁船が全損とならなかったにもかかわらず、全損となった場合は、第 49 条第 2 項第 4 号及び第 3 項後段並びに第 50 条の規定を準用し、その損害を塡補する。
(3) 漁船保険の戦乱等特約の保険の目的たる漁具の一部に損害が生じた場合は、第 51条第 1 項本文及び第 3 項から第 7 項までの規定を準用し、その漁具の新調価額の 3 分の 2 の価額を限度とし、その損害を塡補する。
(第三者に対する権利の取得)
第 58 条 損害が第三者の行為によって生じた場合において、組合が被保険者に対してその塡補額を支払ったときは、組合は、その支払った額を限度として、かつ、被保険者の権利を害さない範囲内で被保険者が第三者に対して有する権利を取得する。
2 前項の場合において、組合が支払った塡補額が塡補すべき損害の額に不足するときは、被保険者は、前項の損害が生じたことにより被保険者が取得する権利のうち、組合が代位した部分を除いた部分について、当該代位に係る組合の権利に先立って弁済を受ける権利を有する。
第 59 条 削除第 60 条 削除第 61 条 削除
第 2 節 塡補額の算定、保険金請求の手続き等
(損害の塡補額の算定)
第 62 条 組合が塡補すべき損害の額は、その損害が生じた地におけるその時の価額によって定める。
2 前項の損害額を計算するのに必要な費用は、損害額に加算する。
(塡補すべき額)
第 63 条 組合の塡補する損害の額は、1 回の事故ごとに、各別に定める。
2 1 回の事故につき、組合の塡補すべき額は、保険金額を超えないものとする。ただし、修繕が完了していない複数回の事故につき、組合の塡補すべき額は、それぞれの塡補すべき額の合計額が保険金額を超えないものとする。
3 前項の規定にかかわらず、救助費のうち次に掲げる費用については、組合が認める場合に限り、組合の塡補すべき額が保険金額を超えても、これを塡補するものとする。
(1) 損害の防止及び軽減のための応急処置費用
(2) 組合が全損を認定しなかった場合において、救助費の額若しくは修繕費の額又はこれらの合算額が漁船保険の保険の目的たる漁船の保険価額を超えたときの救助費の額
(3) 損害賠償に関する訴訟の提起、応訴等のために要した必要又は有益な費用
4 第三者の行為によって生じた損害で当該第三者が負担すべき金額につき被保険者の回収金がある場合において、回収金の額が被保険者の自己負担額(実際に発生した損害額か
ら通常塡補すべき額を差し引いて得た額をいう。第 205 条第 4 項において同じ。)を超過するときは、当該塡補すべき額から当該超過額を差し引いて得た額を塡補する。
(事故発生の通知)
第 64 条 組合員又は被保険者は、組合の負担する危険の発生によるか否かにかかわらず、漁船保険の保険の目的たる漁船につき事故が発生したときは、遅滞なく、その旨を組合に通知しなければならない。
(保険金支払請求の手続き)
第 65 条 組合員又は被保険者は、保険金の支払請求をしようとするときは、事故の原因、経過及び損害の額を記載した書面に、これらの事項に関する官公署の証明書その他の証ひょう書類を添えて、組合に申告しなければならない。
(他の保険契約がある場合の塡補額)
第 66 条 組合は、保険期間の全部又は一部が重複する漁船保険が負担する危険と同一の危険を負担する他の保険契約が締結されている場合に、各保険契約について他の保険契約がないものとして算出した塡補責任額(以下「独立責任額」という。)の合計が損害額を超過するときは、各保険契約の独立責任額の合計に対するこの保険契約の独立責任額の割合を損害額に乗じて得た額を塡補する。
2 各保険契約の保険価額が異なるときは、それらのうち最も高い保険価額の保険契約のもとで算出された損害額を前項の損害額とする。
第 3 章 免 責
(法定免責)
第 67 条 組合は、理事会で損害が次の各号のいずれかに該当する事由によって生じたものと認めた場合においては、損害を塡補する責めを負わない。
(1) 組合員又は被保険者の故意又は重大な過失
(2) 船長その他漁船を指揮する者の故意
2 組合は、理事会で、漁船保険の保険の目的たる漁船が法令に違反して使用されたために法令に基づく処分として、又は当該処分によって生じた事故と認めた場合においては、損害を塡補する責めを負わない。
(相対免責)
第 68 条 次に掲げる場合には、組合は、塡補すべき損害の額の全部又は一部につき、塡補する責めを負わないことがある。
(1) 事故が、法令に違反して漁船保険の保険の目的たる漁船を運航し、又は当該漁船により操業した場合に生じたとき。
(2) 組合員又は被保険者が、漁船保険の保険の目的たる漁船につき通常行うべき管理その他損害の防止又は軽減を怠ったとき。
(3) 第 24 条第 1 項又は第 25 条第 3 項の規定により保険料の分割支払がされる場合に、組合員が、正当な理由がないのに保険料(満期保険については、保険料期間ごとの保険料)のうちその第 2 回以降の支払に係るものの支払を遅滞したとき。
(4) 組合員又は被保険者が、第 29 条第 1 項の規定による通知を怠り、又は同条第 2 項の規定による組合の指示に従わなかったとき。
(5) 組合員又は被保険者が、第 31 条第 1 項の規定による組合の調査を拒み、又は組合の指示する通常の修繕その他必要な処置をしなかったとき。
(6) 組合員又は被保険者が、第 64 条の規定による事故発生の通知を著しく遅滞したため損害の状況の認定が困難となったとき、又は第 65 条の規定による申告をするに当
たり、故意若しくは重大な過失により重要な事実を告げず、若しくは重要な事項につき虚偽の事実を告げたとき。
第 2 部 漁船船主責任保険第 1 章 保険契約
第 1 節 保険の引受
(引受をする保険)
第 69 条 組合は、漁船船主責任保険においては、漁船の所有者又は使用者がその所有し、若しくは所有権以外の権原に基づき使用する漁船(以下この部において単に「漁船」という。)の運航に伴って生じた費用で自己が負担しなければならないものを負担し、又は当該漁船の運航に伴って生じた損害につき自己の賠償責任に基づき賠償することによる損害を塡補するものとする。
2 漁船船主責任保険に係る漁船の運航につき、戦乱等による事故によって生じた損害(次項に規定する費用を除く。第 110 条第 1 項第 1 号において同じ。)は、漁船船主責任保険に戦乱等特約を付した場合に限り塡補するものとする。
3 漁船船主責任保険に係る漁船の乗組員が抑留された場合において、当該乗組員に対して当該抑留期間中の給与(賃金、給与、手当、その他のいかなる名称であるかを問わず、雇用関係に基づき、事業主が乗組員に支払う全てのものをいう。ただし、賞与その他これに準ずるものはこの限りでない。第 84 条及び第 115 条において同じ。)を支払うのに必要な費用については、漁船乗組員給与特約(以下「給与特約」という。)を付した場合に限り塡補するものとする。
(保険引受を拒む場合)
第 70 条 組合は、第 108 条第 1 項第 2 号の規定により保険料が払い戻された漁船船主責任保険に係る漁船については当該払戻しの原因となった事由が消滅した場合その他重大な変更がある場合を除き、漁船船主責任保険の引受をしない。
(引受の制限)
第 71 条 組合は、漁船保険の申込人が併せてその申込みに係る漁船保険の保険の目的たる漁船につき漁船船主責任保険を申込む場合又は組合との間に漁船保険の保険関係が成立している者(第 14 条第 1 項(同条第 3 項において準用する場合を含む。)又は第 15 条第
1 項(同条第 3 項において準用する場合を含む。)の規定によりその者から当該保険関係に関して有する権利義務を承継した者(被保険者としての権利義務のみを承継した者を除く。)を含む。)が当該漁船保険の保険の目的たる漁船につき漁船船主責任保険を申込む場合でなければ、漁船船主責任保険の引受をしないものとする。
(塡補すべき損害の区分)
第 72 条 漁船船主責任保険の塡補すべき損害の区分(以下「塡補区分」という。)は、次のとおりとする。
(1) 漁船船主責任保険に係る漁船の運航に伴って生じた当該漁船の乗組員の死亡、行方不明又は後遺障害につき、当該漁船の所有者又は使用者が労働協約又は雇用契約の定めるところにより給付金を支払うことによる損害であって第 115 条第 1 項第 1 号及び第 2 号に掲げるもの。
(2) 漁船船主責任保険に係る漁船の運航に伴って生じた当該漁船に乗船し当該漁船を利用する者(以下「利用者」という。)に係る損害であって第 114 条第 9 号、第 115 条第 1 項第 6 号、第 7 号及び第 10 号並びに第 119 条に掲げるもの。
(3) 漁船船主責任保険に係る漁船の運航に伴って生じた費用で自己が負担しなければ
ならないものを負担し、又は当該漁船船主責任保険に係る漁船の運航に伴って生じた損害につき自己の賠償責任に基づき賠償することによる損害(前 2 号に掲げるものを
除く。)であって第 113 条第 1 項各号、第 114 条第 1 号から第 8 号まで及び第 10 号か
ら第 12 号まで、第 115 条第 1 項第 3 号から第 5 号まで、第 8 号、第 9 号及び第 11 号
から第 15 号まで並びに第 116 条から第 119 条までに掲げるもの。
第 73 条 組合は、前条の塡補区分のいずれか一又は二に属する損害のみを塡補することができる。ただし、同条第 1 号又は第 2 号の塡補区分に属する損害を塡補する場合には、同
条第 3 号の塡補区分に属する損害を併せて塡補しなければならないものとする。 (特別な保険関係)
第 74 条 組合員は第 72 条第 1 号の塡補区分に属する損害を塡補する漁船船主責任保険に係る漁船により、一か統操業(同一人が所有又は使用する複数の漁船が、同一の操業水域において一体となって単一の漁業に従事し、これらの漁船の乗組員が複数の漁船相互間を移乗するものをいう。)を行う場合は、組合に通知することにより複数の漁船に分乗する乗組員総数を契約乗組員数とすることができる。
2 前号の規定のほか、組合員は第 72 条第 1 号の塡補区分に属する損害を塡補する漁船船主責任保険に係る漁船により、年間を通じて交互操業(同一人が所有又は使用する複数の漁船が、年間を通じて交互に操業又は航行し、かつ同数の乗組員が交互に乗船する操業形態のうち、同一の時期においては一隻の漁船のみが操業又は航行するものをいう。)を行う場合は、組合に通知することにより、操業又は航行中の漁船に乗組中の乗組員数を複数の漁船についての契約乗組員数とすることができる。
3 前項の場合における複数の漁船に係る漁船船主責任保険の保険期間は、次のとおりとする。
(1) 漁船船主責任保険の保険期間が同一の場合は、当該保険期間の終期としている日までの期間。
(2) 漁船船主責任保険の保険期間及び保険料率が異なる場合は、当該漁船のうち保険料率の最も高い漁船の保険期間の終期としている日までの期間。
(3) 漁船船主責任保険の保険期間が異なり、保険料率が同一の場合は、前項の通知の日を基準として未経過期間の最も長い漁船の保険期間の終期としている日までの期間。
(保険関係の成立)
第 75 条 保険関係は、組合員又は組合員たる資格を有する者が組合が別に定める申込書を組合に提出して申込み、組合がこれを承諾することにより成立する。
2 組合は、保険の申込みを受けたときは、申込みの内容及び必要に応じて漁船を調査して保険引受の諾否を決定し、申込人に通知する。
(保険料の支払期限)
第 76 条 保険関係が成立した者は、当該保険関係に係る保険期間の開始日の前日までに、組合に保険料(保険料の分割支払がされる場合にあっては、保険料のうちその第 1 回の支払に係るもの)を支払わなければならない。
2 前項の規定による保険料の支払をその支払期限までにしないときは、当該保険関係はその効力を失う。
(保険証券の交付)
第 77 条 保険関係が成立した者が前条第 1 項の保険料を支払ったときは、組合は、組合員の請求により、保険証券を作成して、当該組合員に交付する。
(保険責任の開始)
第 78 条 組合の保険責任は、保険期間の開始日から始まる。
2 第 96 条第 3 項若しくは第 4 項、第 105 条又は第 106 条第 2 項の規定により保険料の差額を支払った場合における当該変更後の保険契約に係る組合の保険責任は、その保険料の差額を支払った日の翌日から始まる。
(継続加入)
第 79 条 組合員は、漁船船主責任保険の保険期間の満了後引き続き漁船船主責任保険に付そうとするときは、第 75 条第 1 項の申込書において記載を求められた事項を、当該満了の日までに組合に通知しなければならない。
(被保険者たる資格)
第 80 条 漁船船主責任保険の被保険者たる資格を有する者は、漁船の所有者又は使用者とする。
(保険金額)
第 81 条 保険金額は、別表第 3 部の第 1 の 1 の(1)、2 の(1)又は 3 の(1)で定める額のうち申込人が申し出た金額とする。
(給与特約の契約金額)
第 82 条 給与特約の契約金額は、当該契約に係る乗組員の全員が抑留された場合に組合が支払うべき 1 月分の保険金の額とする。
2 給与特約の契約金額は、各乗組員の給与月額の合計額を超えるものであってはならない。
(給与特約の内訳保険金額)
第 83 条 給与特約の内訳保険金額は、給与特約の契約金額に基づき組合が支払うべき 1 月分の保険金の各乗組員についての内訳とする。
(給与特約の給与月額)
第 84 条 給与特約の給与月額は、組合員が当該乗組員に対し、雇用契約に基づき抑留期間中において支払うべき 1 月分の給与の額とする。
第 2 節 保険関係の存続及び承継
(保険関係の存続)
第 85 条 漁船船主責任保険に係る漁船の所有者又は使用者である組合員が、その住所又は当該漁船の主たる根拠地を組合の区域外に移転したことにより組合員たる資格を喪失したため組合を脱退した場合において、その脱退前に、この組合員から組合に対し当該保険関係(当該漁船に係る漁船乗組船主保険又は漁船積荷保険の保険関係が成立している場合にあっては、これらの保険関係及び漁船保険の保険関係を含む全ての保険関係)を存続させたい旨の通知があったときは、その保険関係は、定款第 16 条第 1 項の規定にかかわらず、なお存続する。
2 前項の規定によりなお存続するものとされる保険関係に係る漁船の所有者又は使用者は、この約款の適用については、組合員とみなす。
(保険関係に関する権利義務の承継)
第 86 条 漁船船主責任保険に係る漁船の譲受人は、併せて第 14 条第 1 項の規定により当該漁船を保険の目的とする漁船保険の保険関係に関する権利義務を承継する場合(被保険者としての権利義務のみを承継する場合を除く。)に限り、組合に通知して、譲渡人が当該漁船に係る漁船船主責任保険の保険関係に関して有する権利義務(法第 139 条第 2 項
又は第 139 条の 2 第 1 項の規定による負担金に係る権利義務(次条において「漁船船主責任保険の保険料に対する国庫負担金に係る権利義務」という。)を除く。)を承継することができる。ただし、その保険関係に関する権利義務が被保険者としての権利義務のみで
ある場合は、この限りでない。
2 漁船船主責任保険に係る漁船につき、相続その他の包括承継又は遺贈があった場合については、前項の規定を準用する。
第 87 条 漁船船主責任保険に係る漁船の所有者又は使用者は、併せて第 15 条第 1 項の規定により当該漁船に係る漁船保険の保険関係に関する権利義務を承継する場合に限り、組合に通知して、所有者にあっては当該漁船の使用者たる組合員が当該漁船に係る漁船船主責任保険の保険関係に関して有する権利義務(漁船船主責任保険の保険料に対する国庫負担金に係る権利義務及び当該漁船の使用者たる組合員が被保険者として有する権利義務を除く。)を、使用者にあっては組合員が当該漁船に係る漁船船主責任保険の保険関係に関して有する権利義務(漁船船主責任保険の保険料に対する国庫負担金に係る権利義務及び当該漁船の所有者たる組合員が被保険者として有する権利義務を除く。)を承継することができる。
第 3 節 保険期間
(保険期間)
第 88 条 保険期間は、漁船船主責任保険の基本部分にあっては 1 年、漁船船主責任保険の
戦乱等特約及び給与特約にあっては 4 月とする。ただし、漁船船主責任保険の保険に係る漁船を保険の目的とする漁船保険の保険期間(満期保険にあっては当該保険料期間。以下この項及び第 91 条において同じ。)のまだ経過しない期間が 1 年未満であるときは、当該漁船保険の保険期間の終期としている日までの期間とする(戦乱等特約又は給与特約にあっては、当該特約に係る保険期間の終期としている日の翌日から、保険期間を 1 年とする新たな戦乱等特約又は給与特約を付す場合に限る。)
2 前項の規定にかかわらず、漁船船主責任保険の戦乱等特約及び給与特約の保険期間は、次の表の左欄に掲げる漁船の運航については、それぞれ同表の右欄に掲げる期間をもって保険期間とすることができる。
区 分 | 期 間 |
特定事故海域において周年操業する漁船の運航又は国際条約等に基づき外国の政府が発行する証書の交付を受けようとする漁船の運航 | 1 年 |
特定事故海域において年間を通じて3 月以内に限り営むことができる漁業に従事する漁船の運航 | 2 月又は 3 月 |
当該特約に係る保険の保険期間の始期又は終期に特定事 故海域において操業する漁船の運航 | 1 月、2 月 又は 3 月 |
(保険期間の延長)
第 89 条 組合員は、第 17 条第 1 項、第 18 条第 1 項又は第 19 条第 1 項の規定により漁船 船主責任保険に係る漁船を保険の目的とする普通損害保険の保険期間を延長するときは、組合に対し当該普通損害保険の保険期間の満了の日まで保険期間の延長を請求すること ができる。
2 漁船船主責任保険の戦乱等特約又は給与特約に係る漁船の運航につき、戦乱等による事 故による損害発生の危険が切迫し、その継続中に保険期間が満了すべきときは、組合員は、保険期間の延長を請求することができる。延長した保険期間が満了すべきときも、また同 様とする。
3 前項の規定により延長する保険期間は、1 月を下ってはならない。
4 第 1 項及び第 2 項の場合には、組合員は、その保険期間の満了前に、延長しようとする
期間に対する保険料を支払わなければならない。第 4 節 保険料
(保険料率)
第 90 条 組合の漁船船主責任保険の保険料率は、別表第 3 部で定めるとおりとし、第 8 部
で定める付加保険料率は第 75 条第 1 項の申込書が提出された支所に応じて適用するものとする。
(保険料の計算)
第 91 条 1 年に満たない期間に対する保険料は、月割で計算(第 72 条第 2 号の塡補区分並びに戦乱等特約及び給与特約に係る保険料の計算を除く。)し、1 月に満たない日数については、1 月を 30 日として日割で計算する。
2 第 88 条第 1 項の規定に基づき、漁船船主責任保険の保険に係る漁船を保険の目的とする漁船保険の保険期間のまだ経過しない期間が 1 年未満である場合であって、戦乱等特約に係る保険期間を当該漁船保険の保険期間の終期としている日までの期間とするときの戦乱等特約に係る保険料は月割で計算し、1 月に満たない日数については 1 月を 30 日として日割り計算する。
3 第 88 条第 1 項の規定に基づき、漁船船主責任保険の保険に係る漁船を保険の目的とする漁船保険の保険期間のまだ経過しない期間が 1 年未満である場合であって、給与特約に係る保険期間を当該漁船保険の保険期間の終期としている日までの期間とするときの給与特約に係る保険料は月割で計算し、1 月に満たない日数については 1 月を 30 日として日割り計算する。
(保険料の支払)
第 92 条 保険料は、1 回払とする。ただし、組合員は、保険料(給与特約の保険料は除く。)について、組合の承諾を得て 3 回以内に分割して支払うことができる。
2 組合が前項ただし書の承諾をするのは、分割した保険料を期限内に支払う確実な保障があると認める場合に限るものとする。
3 第 1 項の規定により保険料の分割支払をする場合における保険料のうちその第 1 回の支払に係るものの金額は、保険料(法第 139 条第 2 項又は第 139 条の 2 第 1 項の規定により当該保険料が国庫負担に係るものであるときは、その負担に係る部分を除く。)の 2 分の 1 以上とする。
4 第 1 項の規定により保険料の分割支払をする場合における保険料のうちその最終の支払に係るものの支払期限は、保険期間の開始日から起算して 9 月を経過する日までの期間内において組合が指定する日までとする。
5 組合は、第 1 項ただし書の承諾をした場合において、その承諾に係る保険料の分割支払の支払期限の到来前に、保険金の支払又は保険料の払戻しをすべき事由が生じたときは、支払うべき保険金又は払い戻すべき保険料の額から未払込の保険料に相当する額を控除することができる。
(延滞金)
第 93 条 組合は、前条の規定により保険料の分割支払を認める場合において、分割した保険料が同条第 4 項の支払期限内に支払われない場合は、その支払われない期間について
その日数に応じ年 8 パーセントの延滞金を徴収することができる。
2 前項の規定で定める年当たりの割合は、365 日当たりの割合とする。
(国庫負担の保険料の相殺)
第 94 条 保険料の支払日よりも前に、法第 139 条第 2 項又は第 139 条の 2 第 1 項の規定に
より国庫が漁船船主責任保険の保険料の一部を負担する漁船(次項において「国庫負担適用漁船」という。)に該当することとなった場合は、当該国庫の負担金(次項において「国庫負担金」という。)は、組合員が組合に支払うべき当該漁船についての保険料の一部に充てるものとする。
2 保険料の支払の日以降に、国庫負担適用漁船に該当することとなった場合は、国庫負担金相当額の保険料について、国庫負担金が増額された場合は、従前の国庫負担金との差額相当額の保険料について、還付する。
第 5 節 告知義務、通知義務及びその他の義務
(告知義務)
第 95 条 組合員又は組合員たる資格を有する者は、保険の申込み時に、第 75 条第 1 項の申込書において記載を求められた事項について、事実の告知をしなければならない。
2 組合員又は組合員たる資格を有する者は、当該保険契約の保険期間の開始日の前日までに前項の規定による記載事項について変更があった場合にはその旨を組合に告知しなければならない。
(事前の通知義務)
第 96 条 次に掲げる場合には、組合員又は被保険者は、あらかじめ、組合に通知しなければならない。
(1) 漁船船主責任保険に係る漁船の総トン数又は船体の重要寸法に変更を来すべき改造をしようとするとき。
(2) 漁船船主責任保険に係る漁船の主機関を据え付け、取り替え又は除去しようとするとき。
(3) 漁船船主責任保険に係る漁船の無線電信設備、無線電話設備又はレーダー設備を除去しようとするとき。
(4) 漁船船主責任保険に係る漁船につき、操業区域(別表第 3 部の第 1 の 1 の(2)の表に掲げる区域をいう。)を変更しようとするとき。
(5) 漁船船主責任保険に係る漁船を漁業以外の用途に使用しようとするとき(第 72 条第 2 号の塡補区分に属する損害を塡補の対象とする漁船船主責任保険を締結している場合であって、当該漁船の所有者又は使用者が申し出た利用者を乗船させる期間(1 月を単位とする。以下「利用者乗船期間」という。)に当該漁船を運航しようとするときを除く。)。
(6) 利用者乗船期間を変更しようとするとき。
(7) 前各号のほか漁船船主責任保険に係る漁船につき重大な変更をしようとするとき。
(8) 漁船船主責任保険に係る漁船を連続して 90 日以上係船しようとするとき。
(9) 漁船船主責任保険に係る漁船につき、同種の保険契約を他の保険者と締結しようとするとき。
(10) 第 72 条第 1 号の塡補区分に属する損害を塡補の対象とする漁船船主責任保険の契約をする場合にあっては、当該契約で定めた乗組員の数(第 115 条第 1 項第 1 号に規定する費用に係る保険金が既に支払われている場合にあっては、当該乗組員の数から当該支払に係る乗組員の数を差し引いて得た数。第 5 項ただし書において同じ。)を超えて乗組員を乗り組ませようとするとき。
(11) 第 72 条第 2 号の塡補区分に属する損害を塡補の対象とする漁船船主責任保険に係る漁船の船舶検査証書に記載された旅客の最大とう載人員数を変更しようとするとき。
(12) 給与特約を付した漁船船主責任保険に係る漁船の乗組員の異動をしようとするとき。
2 漁船船主責任保険に係る漁船の危険が前項第 1 号から第 8 号までに掲げる事由によって著しく増加する場合には、組合は、組合員又は被保険者に対し、その変更を制限し、その他必要な処置をさせることがある。
3 第 1 項第 1 号、第 2 号、第 4 号、第 7 号及び第 10 号から第 12 号までに掲げる事由により保険料を増額すべきときは、組合員は、遅滞なく、その事由が発生した日(事由が発生した日が当該保険期間の開始日前である場合は開始日)からその保険期間の満了の日までの期間に対する保険料の差額を支払わなければならない。
4 第 1 項第 6 号に掲げる事由により保険料を増額すべきときは、組合員は、遅滞なく、当該利用者乗船期間の変更に係る保険料の差額を支払わなければならない。
5 組合員が前 2 項の規定による保険料の差額の支払を怠ったときは、組合は、従前の保険料の額にその支払を怠った保険料の額を加えて得た額に対する従前の保険料の額の割合によって塡補する。ただし、第 1 項第 10 号に掲げる事由により保険料を増額すべき場合において、第 3 項の規定による保険料の差額の支払を怠ったときは、当該契約で定めた乗組員の数の事故直前における乗組員の数に対する割合によって塡補する。
(事後の通知義務)
第 97 条 次に掲げる場合には、組合員又は被保険者は、遅滞なく組合に通知しなければならない。
(1) 漁船船主責任保険に係る漁船を譲渡し、又は貸し付けたとき。
(2) 漁船船主責任保険に係る漁船の上に先取特権、抵当権その他の物権又は賃借権を設定し、変更し、又は消滅させたとき。
(3) 保険金受取人又は保険に関する事項につき代理人を定め、又は廃したとき。
(4) 組合員、被保険者、これらの者の代理人又は保険金受取人の氏名若しくは名称又は住所を変更したとき。
(5) 漁船船主責任保険に係る漁船の船名又は主たる根拠地を変更したとき。
2 前項第 2 号から第 4 号までに掲げる事由に該当する場合においては、組合員又は被保険者は、債権者、保険金受取人又は代理人と連署のうえ通知しなければならない。
3 漁船船主責任保険に給与特約を付した場合であって、抑留された乗組員が抑留を解かれて日本国に上陸したとき、抑留中に死亡したことが判明したとき又は抑留を解かれた後に操業を行ったことを知ったときは、組合員又は被保険者は、遅滞なく、次に掲げる事項を組合に通知しなければならない。
(1) 乗組員の氏名及び住所
(2) 漁船名及び漁船登録番号
(3) 上陸、死亡又は抑留を解かれた際の日時及び場所
(4) 抑留を解かれた後に、操業を開始した場合には、その日時及び場所
(漁船の調査等)
第 98 条 組合は、いつでも漁船船主責任保険に係る漁船に関して、調査をし、又は組合員若しくは被保険者に通常の修繕その他必要な処置をさせることができる。
2 組合員又は被保険者は、前項の調査に関して組合から照会があった場合には、遅滞なく回答しなければならない。
(通常行うべき管理等の義務)
第 99 条 組合員又は被保険者は、漁船船主責任保険に係る漁船の運航につき、通常行うべ
き管理その他損害の防止及び軽減に努めなければならない。第 6 節 無効及び消滅
(無 効)
第 100 条 次に掲げる場合には、漁船船主責任保険は、無効とする。
(1) 第 70 条の規定に違反して保険の引受をしたとき。
(2) 第 78 条第 1 項の規定により組合の保険責任が始まる前において、既に事故(漁船の運航に伴って生ずる費用又は損害であって、漁船の所有者又は使用者が負担し、又は賠償するもののうち、当該保険に係るもの。)が生じ得ないこととなったとき、又は生じていたとき。
2 第 82 条第 2 項の規定に違反して、給与特約の契約金額が各乗組員の給与月額の合計を超えていることが明らかとなったときは、その超過部分について無効とする。
(解 除)
第 101 条 保険引受の当時、組合員又は被保険者が第 95 条第 1 項の規定による記載事項について、故意又は重大な過失によって事実を告知せず、又は不実の告知をしたときは、組合が当該事実を知り、又は過失によって知らなかったときを除くほかは、組合は、保険関係を解除することができる。ただし、保険引受の時から 5 年又は組合が解除の原因となる
事実を知った時から 1 月を経過したときは、この限りでない。
(失 効)
第 102 条 次に掲げる場合には、漁船船主責任保険は、その効力を失うものとする。
(1) 漁船船主責任保険に係る漁船が解撤されたとき。
(2) 組合員が、組合の区域内に住所及びその所有し、又は所有権以外の権原に基づき使 用する漁船船主責任保険に係る漁船の主たる根拠地を有しなくなったとき(あらかじ め、当該組合員から組合に保険関係を存続させたい旨の申し出があったときを除く。)。
(3) 漁船船主責任保険に係る漁船の所有権の移転又は当該漁船を使用する所有権以外の権原の移転若しくは消滅があった場合又は相続その他の包括承継若しくは遺贈があった場合において、組合が保険関係に関する権利義務の承継を拒んだとき。
(4) 組合員が死亡し、若しくは解散したとき(保険関係に関する権利義務の承継があった場合を除く。)又は組合員について破産手続開始の決定があったとき。
(5) 漁船船主責任保険の保険に係る漁船が廃船されたとき又はその用途変更により法第 3 条第 1 項の漁船に該当しなくなったとき。
(6) 漁船船主責任保険に給与特約を付した場合であって、乗組員につき、組合が保険金を支払うべき最初の抑留があったとき(同一航海において複数回の抑留があった場合は、その最後の抑留があったとき。)。
2 前項第 6 号の場合において、保険金の支払に関する事項については、その効力を失わないものとする。
(解除等の効果)
第 103 条 第 101 条の規定により組合が保険契約を解除したときは、その解除は将来に向かってのみその効力を生ずる。
2 組合は、事故が生じた後に第 101 条の規定による解除をした場合であっても、保険金を支払う責めを負わない。既に保険金を支払っていたときは、その返還を請求することができる。ただし、その事故の発生が同条の事実に基づかないものであるときは、この限りでない。
第 104 条 無効、失効若しくは解除の場合又は組合が損害を塡補する責めを負わない場合
においても、組合は、既に受け取った保険料を払い戻さないものとする。ただし、この保険約款において払戻しの規定がある場合並びに無効の原因及びその原因を知らなかったことにつき保険の申込人が善意でかつ重大な過失がない場合は、この限りでない。
第 7 節 保険契約の変更等
(損害塡補の範囲の変更)
第 105 条 組合員は、組合の承諾を得て損害塡補の範囲につき保険契約の変更をする場合において、保険料を増額すべきときは、保険期間の全部につき、保険料の差額を支払わなければならない。
(保険金額の変更等)
第 106 条 組合員は、組合の承諾を得て保険金額を増額することができる。
2 前項の増額をする場合には、その保険期間の全部についての保険料の差額を支払わなければならない。
第 8 節 保険料の払戻し等
(保険関係の消滅)
第 107 条 保険関係は、漁船船主責任保険に係る漁船を保険の目的とする漁船保険の保険関係が消滅したときは、消滅する。ただし、当該漁船保険の保険関係の消滅が漁船の全損によるものであるときは、この限りでない。
2 前項の場合には、組合はまだ経過しない期間に対する純保険料及び付加保険料の額(既に経過した期間中の損害がある場合には、これに対する塡補額を差し引き、まだ経過しない期間に対する純保険料の一部を国庫が負担している場合には、その負担している額を差し引いて得た額)を払い戻さなければならない。
(危険の消滅による保険料の払戻し)
第 108 条 組合員は、組合に対し、次の各号のいずれかに該当する場合には、保険料の払戻しを請求することができる。
(1) 漁船船主責任保険に係る漁船の所有権の移転又は当該漁船を使用する所有権以外の権原の移転若しくは消滅にかかわらず当該漁船を保険の目的とする漁船保険が失効しない場合であって、漁船船主責任保険が失効したとき。
(2) 漁船船主責任保険に係る漁船により漁業を行うことが自己の責めに帰することができない事由により困難となっている状態が 1 年以上継続すると認められるため、漁船船主責任保険を解除したとき。
2 組合員が前項の規定により払戻しを請求することができる保険料の額は、前項各号の事由が発生した日の翌日から起算した当該保険関係のまだ経過しない期間に対する純保険料の額(既に経過した期間中の損害がある場合には、これに対する塡補額を差し引き、まだ経過しない期間に対する純保険料の一部を国庫が負担している場合には、その負担している額を差し引いて得た額)に相当する金額とする。
第 9 節 x x
(x x)
第 109 条 保険金を請求する権利及び保険料の返還を請求する権利については 3 年、保険
料を請求する権利及び追徴金を請求する権利については 1 年を経過したときは、時効によって消滅する。
第 2 章 損害の塡補
第 1 節 損害塡補の範囲
(損害の塡補)
第 110 条 組合は、被保険者が漁船船主責任保険に係る漁船の運航に伴って賠償責任を負い、かつ、これを支払い、又は費用を支出したことによって生じた損害を第 113 条から第
119 条までに規定するところにより塡補する。ただし、次に掲げる損害については、特約がある場合に限り塡補する。
(1)戦乱等による事故によって生じた損害
(2)第 114 条第 2 号に規定する損害
(3)第 114 条第 12 号に規定する損害
(4)第 115 条第 1 項第 13 号に規定する損害
(5)第 115 条第 1 項第 15 号に規定する損害
2 前項の規定にかかわらず、組合が次に掲げる特別の事由があると認めたときは、被保険者が支払の責任を負い、かつ、その額が確定したときに塡補する。ただし、前項の賠償責任に係る保険金について被保険者が請求できる保険金の額は、当該支払責任に係る損害賠償請求権を有する者の承諾を得た金額を限度とする。
(1) 賠償責任又は費用の支払責任に基づき被保険者が支出する金額が高額のとき。
(2) 支払が緊急を要する場合であって、被保険者が支払資金を調達することが極めて困難であるとき。
3 組合は、保険期間の全部又は一部が重複する漁船船主責任保険(第 72 条第 1 号の塡補区分に属する損害を塡補対象としているものを除く。)が負担する危険と同一の危険を負担する他の保険契約が締結されている場合には、各保険契約の独立責任額の合計が損害額を超過するときは、各保険契約の独立責任額の合計に対するこの保険契約の独立責任額の割合を損害額に乗じて得た額を塡補する。
4 組合は、船舶の所有者等の責任の制限に関する法律(昭和 50 年法律第 94 号。第 113 条 第 2 項第 2 号において「責任制限法」という。)、船舶油濁損害賠償保障法(昭和 50 年法 律第 95 号)、外国の法令又は条約に基づき被保険者の責任が制限された場合には、当該法 令等に基づき被保険者が提供した基金の確定額又はその他の財産の提供時の価額のうち、組合の塡補すべき損害に対する賠償として割り当てられる額を塡補する。
5 組合は、前項の法令等に基づき被保険者の責任が制限される場合には、被保険者が責任制限の手続きを取らない場合であっても、責任が制限される場合の額を賠償額とみなして塡補する。
(塡補すべき損害の額)
第 111 条 組合が塡補する損害の額は、1 回の事故ごとに算定する。ただし、給与特約により塡補する損害の額は、最初の抑留(同一航海において複数回の抑留があった場合は、最初の抑留から最後の抑留まで)に限り算定する。
2 1 回の事故につき、組合の塡補すべき額は、第 72 条各号の塡補区分ごとに、それぞれの塡補区分に係る保険金額を超えないものとする。ただし、第 119 条各号に掲げる費用のうち損害賠償に関する訴訟の提起、応訴等のために要した必要又は有益な費用については、組合が認める場合に限り、塡補すべき額が保険金額を超えても、これを塡補するものとする。
3 組合は、第 72 条第 2 号及び第 3 号の塡補区分にあっては、それぞれのその塡補区分に係る支払保険金の額が 5,000 円に満たないときは、塡補しない。
(給与特約に係る保険金の支払方法)
第 112 条 組合は、被保険者から給与特約に係る保険金の支払の請求があったときは、第 75 条第 1 項の申込書に記載した当該乗組員の内訳保険金額に従い、特別の事由がある場
合を除き、その月分の保険金を翌月 25 日までに支払う。第 2 節 塡補額の算定、保険金請求の手続き等
(船舶との衝突に係る責任)
第 113 条 組合は、漁船船主責任保険に係る漁船が他の船舶と衝突し、又はその衝突の直接の結果として船舶が更に他の船舶と衝突し、これによりこれらの船舶(以下この項及び次条において「被衝突船舶」という。)又はその積荷に損害を生じた場合において、被保険者が、次の各号に掲げる損害につき、自己の賠償責任に基づき賠償したときは、これによって生じた損害を塡補する。漁船船主責任保険に係る漁船が、当該漁船を所有し、又は所有権以外の権原に基づき使用している組合員又は被保険者の所有し、又は所有権以外の権原に基づき使用する他の船舶と衝突した場合の損害も、これを第三者の損害とみなして塡補する。この場合において各船舶の過失の有無及びその割合は、組合と組合員又は被保険者とが協議して決定するものとし、協議が調わないときは、組合と組合員又は被保険者とが協議のうえ 1 人の仲裁人を選任し、この仲裁人の決定に従うものとする。
(1) 被衝突船舶の損害
(2) 被衝突船舶の積荷の損害(ただし、被衝突船舶が漁船の場合は、積荷のうち漁具にあっては、当該漁具の新調価額の 3 分の 2 の額を塡補すべき損害の額の限度とする。)
(3) 被衝突船舶を使用できないことによる損害
(4) 被衝突船舶の所有者又は使用者が法令その他の事由により当該被衝突船舶又はその積荷の引揚げ又は撤去の責任を負い、その費用を負担することによる損害
2 前項各号に掲げる損害のうち組合の塡補すべきものは、次の範囲とする。
(1) 衝突が漁船船主責任保険に係る漁船のみの過失によって生じた場合には、当該衝突に係る損害につき、被保険者が賠償した金額
(2) 衝突が漁船船主責任保険に係る漁船の過失及び他の船舶の過失によって生じた場合には、一方又は双方の船舶の所有者等の責任が責任制限法、外国の法令又は条約に基づき制限された場合を除き、その過失の割合(過失の軽重を判定することができないときは、その過失の割合は同等とみなす。)に応じ、かつ、相殺をしないで当該衝突に係る損害につき、被保険者が賠償した金額
(財物に関する責任及び費用)
第 114 条 被保険者が、次の各号に掲げる損害(前条第 1 項各号に掲げる損害を除く。)につき賠償責任を負担し、又は費用を支出したときは、組合は、これを塡補する。被保険者自身が所有する財物に加えた損害で他の保険に付していれば回収し得るものを除き、これを第三者の損害とみなして塡補する。この場合において被保険者の過失の有無及び損害額は、組合と被保険者とが協議して決定するものとし、協議が調わないときは、組合と組合員又は被保険者とが協議のうえ 1 人の仲裁人を選任し、この仲裁人の決定に従うものとする。
(1) 港湾設備その他の固定物若しくは可動物、養殖施設その他の漁業用施設又は、海産物等の財物に加えた損害(漁船船主責任保険に係る漁船並びに当該漁船に積載した積荷及び財物に加えた損害、衝突により被衝突船舶及びその積荷に加えた損害、定置漁具以外の漁具に加えた損害並びに所有権の目的又は漁業法第 6 条第 5 項第 1 号に規定する第 1 種共同漁業の目的でない水産動植物に加えた損害を除く。)。ただし、養殖施設その他の漁業用施設又は定置漁具に加えた損害にあっては、当該漁業用施設又は当該定置漁具の復旧費用又は新調価額の 3 分の 2 の額のいずれか低い額を塡補すべき損害の額の限度とし、定置漁具の使用利益の喪失にあっては、定置網漁業は 6 日間、小
型定置網漁業は 4 日間に係る損失額を限度とし、塡補する。
(2) 他の漁船の操業中の漁具に加えた損害(その一部が船体(漁労設備を含む。)に固定・固縛された状態にある漁具(定置漁具を除く。)について当該漁具と漁船船主責任保険に係る漁船との直接接触により生じたもの又は外国の 200 海里水域内において当該外国の漁船の漁具(定置性の漁具を含む。)について生じたものに限る。)。ただし、1 事故につき別表第 5 部の第 6 に定める額又は当該漁具の新調価額の 3 分の 2 の額のいずれか低い額を限度とし、特約がある場合に限り、これを塡補する。
(3) 衝突以外の原因により、他の船舶又は当該他の船舶に積載した積荷に加えた損害
(4) 法令その他の事由により漁船船主責任保険に係る漁船の船骸の引揚げ又は撤去の責任を負担した場合にこれに要した費用(第 11 号において「船骸撤去費用」という。)。ただし、船骸及び船内貯蔵品等の代価はこれを差し引く。
(5) 法令その他の事由により漁船船主責任保険に係る漁船の積荷の引揚げ又は撤去の責任を負担した場合にこれに要した費用(第 11 号において「積荷撤去費用」という。)。ただし、積荷の代価はこれを差し引く。
(6) 漁船船主責任保険に係る漁船から油その他の水面汚濁物質が流出し、又は排出されたことにより水面が汚濁し、又はそのおそれがある場合に被保険者が法令等に基づき汚濁の防止又は軽減のため必要な処置を講ずるための費用(第 10 号及び第 11 号において「水面清掃費用」という。)
(7) 他の船舶に乗船している者の所持品に加えた損害。ただし、別表第 5 部の第 1 に定める額を限度とする。
(8) 漁船船主責任保険に係る漁船に乗船し、当該漁船に関する業務に従事する者(乗組員を除く。以下「業務従事者」という。)の所持品に加えた損害。ただし、当該業務従事者 1 人につき別表第 5 部の第 5 に定める額を限度とする。
(9) 漁船船主責任保険に係る漁船で遭難した利用者の所持品に加えた損害(利用者乗船期間に発生した事故に係るものに限る。)。ただし、当該利用者 1 人につき別表第 5 部の第 7 の 1 に定める額を限度とする。
(10) 漁船船主責任保険に係る漁船が他の船舶等と衝突し、当該他の船舶等から油その他の水面汚濁物質が流出し、又は排出されたことにより水面清掃費用が生じ、被保険者がこれを賠償することによる損害
(11) 漁船船主責任保険に係る漁船による衝突以外の原因により、他の船舶等に船骸撤去費用、積荷撤去費用が生じ、又は当該他の船舶等から油その他の水面汚濁物質が流出し、若しくは排出されたことにより水面清掃費用が生じ、被保険者がこれを賠償することによる損害
(12) 外国の 200 海里水域内において油その他の水質汚濁物質により生じた損害(第 1号から第 3 号まで、第 10 号及び第 11 号に規定する損害を除く。)であって、当該外国の法令その他の事由により被保険者が賠償責任を負うこととなるもの。ただし、特約がある場合に限り、これを塡補する。
(人に関する責任及び費用)
第 115 条 被保険者が次に掲げる責任を負担し、又は費用を支出したときは、組合は、これを塡補する。
(1) 漁船船主責任保険に係る漁船の乗組員が、乗組み中の漁船上における事故(急激かつ偶発的な外来の事故をいい、疾病又は体質的な要因を有する乗組員が軽微な外因により発症し、又はその症状が増悪した場合の当該軽微な外因を除く。次号並びに次項
第 2 号及び第 3 号において同じ。)により身体に被害を受け、当該被害を受けた日か
ら 200 日以内に当該被害を直接の原因として死亡し、又は行方不明となった場合(当該乗組員の犯罪行為による場合を除く。)において、被保険者が労働協約又は雇用契約に基づいて給付金を支払うのに必要な費用
(2) 漁船船主責任保険に係る漁船の乗組員が、乗組み中の漁船上における事故により身体に傷害を受け、当該傷害を受けた日から 200 日以内に当該傷害を直接の原因として別表第 4 部の表の中欄に掲げる後遺障害の状態になった場合(当該乗組員の犯罪行為による場合を除く。)において、被保険者が労働協約又は雇用契約に基づいて給付金を支払うのに必要な費用
(3) 漁船船主責任保険に係る漁船の乗組員が、乗組み中の漁船上において業務上死亡し
(業務上の事由による負傷又は疾病を直接の原因として当該被害を受けた日から 200日以内に死亡した場合を含む。)、又は行方不明になったことにより、被保険者が弔祭のため又は遺骸、遺骨若しくは遺品を遺族に引き渡すために要した費用。ただし、当該乗組員 1 人につき別表第 5 部の第 2 に定める額を限度とする。
(4) 漁船船主責任保険に係る漁船の乗組員及び業務従事者の人命救助又は遺体捜索につき被保険者が要した費用。ただし、別表第 5 部の第 3 に定める額を限度とする。
(5) 漁船船主責任保険に係る漁船の乗組員及び業務従事者が、他の船舶に救助され、又は遺体捜索されたことに伴い被保険者が要した費用。ただし、別表第 5 部の第 4 に定める額を限度とする。
(6) 漁船船主責任保険に係る漁船の利用者の人命救助又は遺体捜索につき被保険者が要した費用(利用者乗船期間に発生した事故に係るものに限る。)。ただし、別表第 5部の第 7 の 2 に定める額を限度とする。
(7) 漁船船主責任保険に係る漁船の利用者が、他の船舶に救助され、又は遺体捜索されたことに伴い被保険者が要した費用(利用者乗船期間に発生した事故に係るものに限る。)。ただし、別表第 5 部の第 7 の 3 に定める額を限度とする。
(8) 海上において生命の危難にある外国人難民を救助したことにより被保険者が要した費用。ただし、別表第 5 部の第 4 に定める額を限度とする。
(9) 漁船船主責任保険に係る漁船の業務従事者の生命又は身体が害されることによる損害
(10) 漁船船主責任保険に係る漁船の利用者の生命又は身体が害されることによる損害
(利用者乗船期間に発生した事故に係るものに限る。)
(11) 漁船船主責任保険に係る漁船に乗船している者以外の者の生命又は身体が害されることによる損害
(12) 漁船船主責任保険に係る漁船が感染症の病原体に汚染され、又は汚染のおそれがあるため、検疫又は感染症の予防に関する法令に基づく特別の防疫措置がなされたときに、被保険者がこれに要した費用
(13) 漁船船主責任保険に係る漁船が遭難し、船員法(昭和 22 年法律第 100 号)第 47 条第 1 項第 1 号の規定により当該漁船の乗組員の雇入契約が終了したため被保険者が負担しなければならない同法第 48 条に規定する費用。ただし、この費用は、特約がある場合に限り、これを塡補し、当該漁船が全損となった場合以外については、当該費用の 2 分の 1 の額を限度とする。
(14) 漁船船主責任保険に係る漁船が他の船舶と衝突し、又はその他の事由により当該他の船舶に前号に掲げる費用を生じた場合に、被保険者が当該費用を負担することに
よる損害
(15) 漁船船主責任保険に係る漁船の乗組員が抑留された場合において、当該乗組員に対して当該抑留期間中の給与を支払うのに必要な費用。ただし、この費用は、特約がある場合に限り、これを塡補する。
2 前項第 2 号の規定により組合が塡補する給付金の額は、乗組員 1 人につき、1 乗組員当 たりの保険金額に別表第 4 部の表の右欄に掲げる給付率を乗じて得た額を限度とする。 ただし、次の各号のいずれかに該当する場合にあっては、当該各号の定めるところによる。
(1) 別表第 4 部の表の中欄に掲げる障害の状態に該当する身体障害が 2 以上ある場合における塡補限度については、同表の備考 17 の定めるところによるものとする。
(2) 既に身体障害があった者が乗組み中の漁船上における事故によりその同一の部位について障害の程度を加重した場合における当該事故に係る塡補限度額は、現在の身体障害の該当する障害等級に応じて行うものとし、その額は、1 乗組員当たりの保険金額に現在の身体障害の該当する障害等級に対応する給付率から、既にあった身体障害の該当する障害等級に対応する給付率を差し引いて得た率を乗じて得た額とする。
(3) 乗組員が、乗組み中の漁船上における事故により身体障害を生じ、当該事故を直接の原因として当該事故の日から 200 日以内に死亡した場合には、当該乗組員は、障害の状態にならなかったものとみなす。
3 第 1 項第 2 号の規定により組合が支払う保険金の支払額の合計は、1 人の乗組員に係る当該乗組員の 1 乗組員当たりの保険金額を限度とする。
4 第 74 条第 1 項に規定する一か統操業を行う漁船の運航に伴って生じた第 72 条第 1 号の塡補区分に属する損害について、事故発生時の乗組員数の合計が契約乗組員数(既に経過した期間中に発生した事故につき保険金が塡補されているときは、契約乗組員数から当該給付金に係る乗組員の数を差し引いて得た数をいう。この項及び次項において同じ。)を上回るときは、第 1 項第1号及び第 2 項の規定により組合が支払う保険金の支払額は、事故発生時における乗組員数に対する契約乗組員数の割合による。
5 第 74 条第 2 項に規定する交互操業を行う漁船の運航に伴って生じた第 72 条第 1 号の塡補区分に属する損害について、同項の規定にかかわらず、同時に複数の漁船が操業又は運航(係船中又は上架中を除く。この項において同じ。)していたときは、第 1 項第1号及び第 2 項の規定により組合が支払う保険金の支払額は、同条第 1 号の塡補区分に属する損害に対して通常支払うべき保険金を事故発生時に操業又は運航していた隻数で除して得た額とする。ただし、事故発生時の乗組員数の合計が、契約乗組員数を上回るときは、当該支払額は、事故発生時における乗組員数に対する契約乗組員数の割合による。
6 第 1 項第 15 号の規定により組合が塡補する費用は、当該乗組員が抑留された日の属する月から、当該乗組員につき抑留が終わった日(抑留を解かれて日本国に上陸したとき又は抑留中に死亡したことが判明したときをいう。ただし、抑留を解かれた後に操業した上で日本国に上陸した場合は、抑留を解かれた後最初に行った操業の日の前日とし、当該操業の日が抑留を解かれた日と同一の場合は、その日とする。)の属する月までの給与を支払うのに必要な費用とする。ただし、抑留された日の属する月及び抑留の終わった日の属する月に塡補する費用は、内訳保険金額をそれぞれその月における抑留日数に応じて 1 月を 30 日として日割計算して得た額とする。
7 前項の規定にかかわらず、第 1 項第 15 号の規定により組合が塡補する費用は、抑留された日から起算して 6 年 4 月を経過しても抑留が終わらない場合においては、当該期間を経過した日の属する月の翌月以後は、塡補しない。この場合において、当該期間を経過
した日の属する月に塡補する費用は、内訳保険金額をその月における当該期間を経過した日までの日数に応じて 1 月を 30 日として日割計算して得た額とする。
8 第 1 項第 15 号の抑留が国際法規、法令又は法令に基づく命令に違反して航行し又は操業したために生じたときは、当該抑留期間について 10 日間を免責の上、それ以降の期間について、前 2 項により塡補する。
(乗組員の所持品の損害に関する責任)
第 116 条 組合は、漁船船主責任保険に係る漁船が遭難したことにより当該漁船の乗組員の所持品に損害が生じた場合に、被保険者が労働協約又は雇用契約に基づきその損害を補償するために必要な費用を塡補する。ただし、当該乗組員 1 人につき別表第 5 部の第 5に定める額を限度とする。
(荷役請負業者との契約、曳航契約又はクレーン等の使用契約による責任)
第 117 条 組合は、被保険者が次の各号に掲げる事由に該当したときは、当該各号の規定によって生じた損害を塡補する。ただし、組合が当該契約が適当でないと認めたときは、その損害の全部又は一部について塡補の責めを負わないことがある。
(1) 漁船船主責任保険に係る漁船に係る荷役作業に従事する者の死亡等の事故につき、荷役請負業者との契約により被保険者が責任を負担した場合。
(2) 漁船船主責任保険に係る漁船が他の船舶により曳航される場合において、曳航作業が開始された時から終了する時までに生じた損害につき、曳航契約により被保険者が責任を負担した場合。
(3) 漁船船主責任保険に係る漁船に係る積込み又は陸揚作業に使用するクレーンその他の荷役用具の使用につき、その所有者又は運営者との使用契約の補償条項により被保険者が責任を負担した場合。ただし、当該漁船から陸揚げされ、又は当該漁船に積み込まれる積荷若しくは財物に関する責任を除く。
(水質汚濁過怠金)
第 118 条 組合は、被保険者が日本国の関係法令に基づく規制水域以外の水域において水質汚濁に関し過怠金を課せられた場合に、これを塡補する。ただし、被保険者が水質汚濁に関し著しく防止の努力を怠ったと組合が認めたときは、その過怠金の全部又は一部について塡補の責めを負わないことがある。
(責任防衛のための費用)
第 119 条 被保険者は、組合の責任となるべき事故に関して被保険者の責任を防衛又は軽減するため、訴訟その他の適切な手段を講じなければならない。このために生じた次の各号に掲げる費用は、これを塡補する。
(1) 損害賠償に関する訴訟が提起され、又は当該損害賠償に関する争いが仲裁若しくは示談に付されたときの必要又は有益であった訴訟費用又は仲裁若しくは示談の手続きに必要な費用
(2) 海難審判に付されたときの必要又は有益であった海難審判に必要な費用
(3) 第 1 号に掲げる場合において、損害賠償に関し、仮差押えがなされたときの当該仮差押えを排除するため被保険者が担保物件を提供するために必要な保証料又は保証金借入利息
(4) 前 3 号に掲げる費用のほか、組合の責任となるべき事故に関して被保険者の責任を防衛し、又は軽減するために必要又は有益な費用
(第三者に対する権利の取得)
第 120 条 損害が第三者の行為によって生じた場合において、組合が被保険者に対してそ
の塡補額を支払ったときは、組合は、その支払った額を限度として、かつ、被保険者の権利を害さない範囲内で被保険者が第三者に対して有する権利を取得する。
2 前項の場合において、組合が支払った塡補額が塡補すべき損害の額に不足するときは、被保険者は、保険事故による損害が生じたことにより被保険者が取得する権利のうち、組合が代位した部分を除いた部分について、当該代位に係る組合の権利に先立って弁済を受ける権利を有する。
(保険金支払等の特例)
第 121 条 組合は、外国の法令に基づき直接請求されることのある賠償責任については、保険金額を限度として直接支払うことができる。ただし、その賠償責任が、この約款により、その全部又は一部につき塡補の責めを免れるものである場合には、被保険者はその支払額のうち免責されるべき額を組合に支払わなければならない。
第 122 条 組合は、漁船船主責任保険に係る漁船の運航に伴って生じた損害及び費用で、個々の事故につき組合が組合事業の目的に照らし特例として塡補することが相当であると理事会で認めた場合においては、本約款の他の規定により塡補しない旨が定められている損害及び費用を除き、その全部又は一部を塡補することができる。
(事故発生の通知)
第 123 条 組合員又は被保険者は、組合の負担する危険の発生によるか否かにかかわらず、漁船船主責任保険に係る漁船の運航に伴って事故が発生したときは、遅滞なく、その旨を組合に通知しなければならない。
(事故発生の場合の処置)
第 124 条 組合員又は被保険者は、組合の責任となるべき事故の発生を知ったときは、次の処置をとらなければならない。
(1) 事故発生の日時、場所、被害者の住所及び氏名又は名称、事故の状況、事故の証人となる者があるときはその住所及び氏名並びに損害賠償の請求を受けたときはその旨を組合に通知すること。
(2) 第三者に対し損害賠償の請求をすることができるときは、その権利の保全又は行使について必要な手続きをとること。
(3) 損害賠償責任の全部又は一部を承認しようとするときは、あらかじめ、組合の同意を受けること。ただし、緊急の場合には、必要な応急措置をとることを妨げない。
(4) 損害賠償責任に関する訴訟を提起し、又は提起されたときは、遅滞なく、組合に通知すること。
2 組合は、被保険者に対し損害賠償請求の解決に関し必要な指示をすることができる。
(保険金支払請求の手続き)
第 125 条 組合員又は被保険者は,保険金の支払請求をしようとするときは、事故の原因、経過及び損害の額を記載した書面に、これらの事項に関する官公署の証明書その他の証ひょう書類を添えて、組合に申告しなければならない。
第 3 章 免 責
(法定免責)
第 126 条 組合は、理事会で事故が次の各号のいずれかに該当する事由によって生じたものと認めた場合においては、損害を塡補する責めを負わない。
(1) 組合員又は被保険者の故意又は重大な過失
(2) 船長その他漁船を指揮する者の故意
2 組合は、理事会で、漁船船主責任保険に係る漁船が法令に違反して使用されたために法
令に基づく処分として、又は当該処分によって生じた事故と認めた場合においては、損害を塡補する責めを負わない。
(相対免責)
第 127 条 次に掲げる場合には、組合は、塡補すべき損害の額の全部又は一部につき、塡補する責めを負わないことがある。
(1) 事故が、法令に違反して漁船船主責任保険に係る漁船を運航し、又は当該漁船により操業した場合に生じたとき。
(2) 組合員又は被保険者が、漁船船主責任保険に係る漁船又はその運航につき通常行うべき管理その他損害の防止又は軽減を怠ったとき。
(3) 第 92 条第 1 項の規定により保険料の分割支払がされる場合にあっては、組合員が、正当な理由がないのに保険料のうちその第 2 回以降の支払に係るものの支払を遅滞したとき。
(4) 組合員又は被保険者が、第 96 条第 1 項の規定による通知を怠り、又は同条第 2 項の規定による組合の指示に従わなかったとき。
(5) 組合員又は被保険者が、第 98 条第 1 項の規定による組合の調査を拒み、又は組合の指示する通常の修繕その他必要な処置をしなかったとき。
(6) 組合員又は被保険者が、第 123 条の規定による事故発生の通知を著しく遅滞したため損害の状況の認定が困難となったとき、又は第 125 条の規定による申告をするに当たり、故意若しくは重大な過失により重要な事実を告げず、若しくは重要な事項につき虚偽の事実を告げたとき。
(7) 組合員又は被保険者が、第 124 条第 1 項各号に掲げる処置をとらなかったとき、又は同条第 2 項の指示に従わなかったとき。
第 3 部 漁船乗組船主保険第 1 章 保険契約
第 1 節 保険の引受
(引受をする保険)
第 128 条 組合は、漁船乗組船主保険においては、漁船の所有者又は使用者であってその所有し、又は所有権以外の権原に基づき使用する漁船の乗組員であるものにつき当該漁船の運航に伴って死亡し、若しくは行方不明となった場合又は障害の状態になった場合に一定の保険金を支払うものとする。
2 前項に規定する場合が戦乱等による事故により生じたときの保険金は、漁船乗組船主保険に戦乱等特約を付した場合に限り支払うものとする。
(保険引受を拒む場合)
第 129 条 組合は、第 156 条第 1 項第 2 号の規定により保険料が払い戻された漁船乗組船主保険に係る漁船の所有者又は使用者であってその所有し、又は所有権以外の権原に基づき使用する漁船の乗組員であるものについては、当該払戻しの原因となった事由が消滅した場合その他重大な変更がある場合を除き、漁船乗組船主保険の引受をしない。
(引受の制限)
第 130 条 組合は、漁船船主責任保険(第 72 条第 1 号の塡補区分に属する損害を塡補対象とする契約をしている場合(乗組船主以外の者が乗り組むときは、当該契約をする旨の申し出がある場合を含む。)に限る。以下同じ。)の申込人であってその申込みに係る漁船船主責任保険に係る漁船の乗組員であるものが併せて当該漁船に係る漁船乗組船主保険を申込む場合又は組合との間に漁船船主責任保険の保険関係が成立している者(第 86 条第
1 項(同条第 2 項において準用する場合を含む。)又は第 87 条の規定によりその者から当該保険関係に関して有する権利義務を承継した者を含む。)であって当該漁船乗組船主保険に係る漁船の乗組員であるものが当該漁船に係る漁船乗組船主保険を申込む場合でなければ、漁船乗組船主保険の引受をしないものとする。
(保険関係の成立)
第 131 条 保険関係は、組合員又は組合員たる資格を有する者が組合が別に定める申込書を組合に提出して申込み、組合がこれを承諾することにより成立する。
2 組合は、保険の申込みを受けたときは、申込みの内容及び必要に応じて漁船を調査して保険引受の諾否を決定し、申込人に通知する。
(保険料の支払期限)
第 132 条 保険関係が成立した者は、当該保険関係に係る保険期間の開始日の前日までに、組合に保険料を支払わなければならない。
2 前項の規定による保険料の支払をその支払期限までにしないときは、当該保険関係はその効力を失う。
(保険証券の交付)
第 133 条 保険関係が成立した者が前条第 1 項の保険料を支払ったときは、組合は、組合員の請求により、保険証券を作成して、当該組合員に交付する。
(保険責任の開始)
第 134 条 組合の保険責任は、保険期間の開始日から始まる。
2 第 146 条第 3 項の規定により保険料の差額を支払った場合における当該変更後の保険契約に係る組合の保険責任は、その保険料の差額を支払った日の翌日から始まる。
(継続加入)
第 135 条 組合員は、漁船乗組船主保険の保険期間の満了後引き続き漁船乗組船主保険に付そうとするときは、第 131 条第 1 項の申込書において記載を求められた事項を、当該満了の日までに組合に通知しなければならない。
(被保険者たる資格)
第 136 条 漁船乗組船主保険の被保険者たる資格を有する者は、漁船の所有者又は使用者であって、その所有し、又は所有権以外の権原に基づき使用する漁船の乗組員であるものとする。
(複数漁船所有者・使用者に係る保険関係)
第 137 条 被保険者が 2 以上の漁船を所有又は使用する場合は、これらの漁船のうち漁船乗組船主保険の保険料の最も高い漁船について加入することにより、当該漁船以外の所有又は使用する漁船上で生じた事故についても塡補の対象とすることができる。
(保険金額)
第 138 条 保険金額は、別表第 6 部の第 1 の 1 で定める額のうち申込人が申し出た金額とする。
第 2 節 保険関係の存続
(保険関係の存続)
第 139 条 漁船乗組船主保険に係る漁船の所有者又は使用者である組合員が、その住所又は当該漁船の主たる根拠地を組合の区域外に移転したことにより組合員たる資格を喪失したため組合を脱退した場合において、その脱退前に、この組合員から組合に対し当該保険関係(当該漁船に係る漁船積荷保険の保険関係が成立している場合にあっては、当該保険関係、漁船保険の保険関係及び漁船船主責任保険の保険関係を含む全ての保険関係)を
存続させたい旨の通知があったときは、その保険関係は、定款第 16 条第 1 項の規定にかかわらず、なお存続する。
2 前項の規定によりなお存続するものとされる保険関係に係る漁船の所有者又は使用者は、この約款の適用については、組合員とみなす。
第 3 節 保険期間
(保険期間)
第 140 条 保険期間は、漁船乗組船主保険の基本部分にあっては 1 年、漁船乗組船主保険
の戦乱等特約にあっては 4 月とする。ただし、漁船船主責任保険の保険期間のまだ経過し
ない期間が 1 年未満であるときは、当該保険期間の終期としている日までの期間とする
(戦乱等特約にあっては、当該特約に係る保険期間の終期としている日の翌日から、保険期間を 1 年とする新たな戦乱等特約を付す場合に限る。)。
2 前項の規定にかかわらず、漁船乗組船主保険の戦乱等特約の保険期間は、次の表の左欄に掲げる漁船の運航については、それぞれ同表の右欄に掲げる期間をもって保険期間とすることができる。
区 分 | 期 間 |
特定事故海域において周年操業する漁船の運航 | 1 年 |
特定事故海域において年間を通じて3 月以内に限り営むことができる漁業に従事する漁船の運航 | 2 月又は 3月 |
当該特約に係る保険の保険期間の始期又は終期に特定事故海域において操業する漁船の運航 | 1 月、2 月 又は 3 月 |
(保険期間の延長)
第 141 条 組合員は、第 89 条の規定により漁船船主責任保険の保険期間を延長するときは、組合に対し当該漁船船主責任保険の保険期間の満了の日まで漁船乗組船主保険の保険期間の延長を請求することができる。
2 漁船乗組船主保険の戦乱等特約に係る漁船の運航につき、戦乱等による事故による損害発生の危険が切迫し、その継続中に保険期間が満了すべきときは、組合員は、保険期間の延長を請求することができる。延長した保険期間が満了すべきときも、また同様とする。
3 前項の規定により延長する保険期間は、1 月を下ってはならない。
4 第 1 項及び第 2 項の場合には、組合員は、その保険期間の満了前に、延長しようとする期間に対する保険料を支払わなければならない。
第 4 節 保険料
(保険料率)
第 142 条 組合の漁船乗組船主保険の保険料率は、別表第 6 部で定めるとおりとする。
(保険料の計算)
第 143 条 1 年に満たない期間に対する保険料は、月割で計算(戦乱等特約に係る保険料の計算を除く。)し、1 月に満たない日数については、1 月を 30 日として日割で計算する。
2 第 140 条第 1 項の規定に基づき、漁船乗組船主保険の保険に係る漁船を保険の目的とする漁船船主責任保険の保険期間のまだ経過しない期間が 1 年未満である場合であって、戦乱等特約に係る保険期間を当該漁船船主責任保険の保険期間の終期としている日までの期間とするときの戦乱等特約に係る保険料は月割で計算し、1 月に満たない日数については 1 月を 30 日として日割り計算する。
(保険料の支払)
第 144 条 保険料は、1 回払とする。
第 5 節 告知義務、通知義務及びその他の義務
(告知義務)
第 145 条 組合員又は組合員たる資格を有する者は、保険の申込み時に、第 131 条第 1 項の申込書において記載を求められた事項について、事実の告知をしなければならない。
2 組合員又は組合員たる資格を有する者は、当該保険契約の保険期間の開始日の前日までに前項の規定による記載事項について変更があった場合にはその旨を組合に告知しなければならない。
(事前の通知義務)
第 146 条 次に掲げる場合には、組合員又は被保険者は、あらかじめ、組合に通知しなければならない。
(1) 漁船乗組船主保険に係る漁船の総トン数又は船体の重要寸法に変更を来すべき改造をしようとするとき。
(2) 漁船乗組船主保険に係る漁船の主機関を据え付け、取り替え又は除去しようとするとき。
(3) 漁船乗組船主保険に係る漁船の無線電信設備、無線電話設備又はレーダー設備を除去しようとするとき。
(4) 漁船乗組船主保険に係る漁船につき、操業区域(別表第 6 部の第 1 の 2 の表に掲げる区域をいう。)を変更しようとするとき。
(5) 漁船乗組船主保険に係る漁船を漁業以外の用途に使用しようとするとき(第 72 条第 2 号の塡補区分に属する損害を塡補の対象とする漁船船主責任保険を締結している場合であって、利用者乗船期間に当該漁船を運航しようとするときを除く。)。
(6) 前各号のほか漁船乗組船主保険に係る漁船につき重大な変更をしようとするとき。
(7) 漁船乗組船主保険に係る漁船を連続して 90 日以上係船しようとするとき。
(8) 漁船乗組船主保険に係る漁船に第 130 条の規定による申し出に係る乗組船主以外の者を乗り組ませようとするとき。
2 漁船乗組船主保険に係る漁船の危険が前項第 1 号から第 7 号までに掲げる事由によって著しく増加する場合には、組合は、組合員又は被保険者に対し、その変更を制限し、その他必要な処置をさせることがある。
3 第 1 項第 1 号、第 4 号及び第 6 号に掲げる事由により保険料を増額すべきときは、組合員は、遅滞なく、その事由が発生した日(事由が発生した日が当該保険期間の開始日前である場合は開始日)からその保険期間の満了の日までの期間に対する保険料の差額を支払わなければならない。
4 組合員が前項の規定による保険料の差額の支払を怠ったときは、組合は、従前の保険料の額にその支払を怠った保険料の額を加えて得た額に対する従前の保険料の額の割合によって塡補する。
(事後の通知義務)
第 147 条 次に掲げる場合には、組合員又は被保険者は、遅滞なく組合に通知しなければならない。
(1) 保険金受取人又は保険に関する事項につき代理人を定め、又は廃したとき。
(2) 組合員、被保険者、これらの者の代理人又は保険金受取人の氏名若しくは名称又は住所を変更したとき。
2 前項に掲げる事由に該当する場合においては、組合員又は被保険者は、保険金受取人又は代理人と連署のうえ通知しなければならない。
(漁船の調査等)
第 148 条 組合は、いつでも漁船乗組船主保険に係る漁船に関して、調査をし、又は組合員若しくは被保険者に通常の修繕その他必要な処置をさせることができる。
2 組合員又は被保険者は、前項の調査に関して組合から照会があった場合には、遅滞なく回答しなければならない。
第 6 節 無効及び消滅
(無 効)
第 149 条 次に掲げる場合には、漁船乗組船主保険は、無効とする。
(1) 第 129 条の規定に違反して保険の引受をしたとき。
(2) 第 134 条第 1 項の規定により組合の保険責任が始まる前において、既に事故が生じ得ないこととなったとき、又は生じていたとき。
(解 除)
第 150 条 保険引受の当時、組合員又は被保険者が第 145 条第 1 項の規定による記載事項について、故意又は重大な過失によって事実を告知せず、又は不実の告知をしたときは、組合が当該事実を知り、又は過失によって知らなかったときを除くほかは、組合は、保険関係を解除することができる。ただし、保険引受の時から 5 年又は組合が解除の原因とな
る事実を知った時から 1 月を経過したときは、この限りでない。
(失 効)
第 151 条 次に掲げる場合には、漁船乗組船主保険は、その効力を失うものとする。
(1) 漁船乗組船主保険に係る漁船が解撤されたとき。
(2) 組合員が、組合の区域内に住所及びその所有し、又は所有権以外の権原に基づき使 用する漁船乗組船主保険に係る漁船の主たる根拠地を有しなくなったとき(あらかじ め、当該組合員から組合に保険関係を存続させたい旨の申し出があったときを除く。)。
(3) 漁船乗組船主保険に係る漁船の所有権の移転又は当該漁船を使用する所有権以外の権原の移転若しくは消滅があった場合又は相続その他の包括承継若しくは遺贈があった場合において、組合が保険関係に関する権利義務の承継を拒んだとき。
(4) 組合員が死亡し、若しくは解散したとき(保険関係に関する権利義務の承継があった場合を除く。)又は組合員について破産手続開始の決定があったとき。
(5) 漁船船主責任保険の保険関係が失効したとき。
(6)漁船乗組船主保険の保険に係る漁船の所有権の移転又は当該漁船を使用する所有権以外の権原の移転若しくは消滅にかかわらず当該漁船に係る漁船船主責任保険が失効しない場合であって、当該漁船乗組船主保険が失効したとき。
(7) 漁船船主責任保険の保険関係が解除されたとき
(8) 漁船乗組船主保険の保険に係る漁船が廃船されたとき又はその用途変更により法第 3 条第 1 項の漁船に該当しなくなったとき。
(解除等の効果)
第 152 条 第 150 条の規定により組合が保険契約を解除したときは、その解除は将来に向かってのみその効力を生ずる。
2 組合は、事故が生じた後に第 150 条の規定による解除をした場合であっても、保険金を支払う責めを負わない。既に保険金を支払っていたときは、その返還を請求することができる。ただし、その事故の発生が同条の事実に基づかないものであるときは、この限りでない。
第 153 条 無効、失効若しくは解除の場合又は組合が保険金を支払う責めを負わない場合
においても、組合は、既に受け取った保険料を払い戻さないものとする。ただし、この保険約款において払戻しの規定がある場合並びに無効の原因及びその原因を知らなかったことにつき保険の申込人が善意でかつ重大な過失がない場合は、この限りでない。
第 7 節 保険契約の変更等
(保険金額の変更等)
第 154 条 組合員は、組合の承諾を得て保険金額を増額することができる。
2 前項の増額をする場合には、その保険期間の全部についての保険料の差額を支払わなければならない。
第 8 節 保険料の払戻し等
(保険関係の消滅)
第 155 条 漁船乗組船主保険の保険関係は、漁船船主責任保険の保険関係が消滅したときは、消滅する。
2 前項の場合には、組合はまだ経過しない期間に対する純保険料及び付加保険料の額(既に経過した期間中に一定の金額を支払うべき事故がある場合には、これに対する保険金の額を差し引いて得た額)を払い戻さなければならない。
(危険の消滅による保険料の払戻し)
第 156 条 組合員は、組合に対し、次の各号のいずれかに該当する場合には、保険料の払戻しを請求することができる。
(1) 漁船乗組船主保険に係る漁船の所有権の移転又は当該漁船を使用する所有権以外の権原の移転若しくは消滅にかかわらず当該漁船に係る漁船船主責任保険が失効しない場合であって、当該漁船乗組船主保険が失効したとき。
(2) 漁船乗組船主保険に係る漁船により漁業を行うことが自己の責めに帰することができない事由により困難となっている状態が 1 年以上継続すると認められるため、漁船乗組船主保険を解除したとき。
2 組合員が前項の規定により払戻しを請求することができる保険料の額は、その保険期間のうち前項各号の事由が発生した日の翌日から起算してまだ経過しない期間に対する純保険料の額(既に経過した期間中に、一定の金額を支払うべき事故がある場合には、これに対する保険金の額を差し引いて得た額)に相当する金額とする。
第 9 節 x x
(x x)
第 157 条 保険金を請求する権利及び保険料の返還を請求する権利については 3 年、保険
料を請求する権利及び追徴金を請求する権利については 1 年を経過したときは、時効によって消滅する。
第 2 章 保険金の支払
(死亡保険金の支払)
第 158 条 組合は、被保険者が、乗組み中の漁船(当該被保険者が所有し、又は使用する漁船であって当該漁船につき漁船船主責任保険の保険関係が成立しているものに限る。次条において同じ。)上における事故(急激かつ偶発的な外来の事故をいい、疾病又は体質的な要因を有する被保険者が軽微な外因により発症し、又はその症状が増悪した場合の当該軽微な外因を除く。次条第 1 項、第 3 項及び第 4 項において同じ。)により身体に被
害を受け、当該被害を受けた日から 200 日以内に当該被害を直接の原因として死亡し、又は行方不明となった場合(被保険者の犯罪行為による場合を除く。)には、死亡保険金として、1 被保険者当たりの保険金額の全額を保険金受取人(保険金受取人の指定がないと
きは、被保険者の相続人)に支払うものとする。ただし、これらの場合が戦乱等による事故により生じたときは、戦乱等特約がある場合に限り、死亡保険金を支払うものとする。
(障害保険金の支払)
第 159 条 組合は、被保険者が、乗組み中の漁船上における事故により身体に傷害を受け、当該傷害を受けた日から 200 日以内に当該傷害を直接の原因として別表第 4 部の表の中欄に掲げる後遺障害の状態になった場合(被保険者の犯罪行為による場合を除く。)には、障害保険金として、1 被保険者当たりの保険金額に同表の右欄に掲げる給付率を乗じて得た額を、被保険者に支払うものとする。ただし、これらの場合が戦乱等による事故により生じたときは、戦乱等特約がある場合に限り、障害保険金を支払うものとする。
2 前項の場合において、別表第 4 部の表の中欄に掲げる障害の状態に該当する身体障害が 2 以上ある場合における保険金の支払については、同表の備考 17 の定めるところによるものとする。
3 既に身体障害があった者が、乗組み中の漁船上における事故によりその同一の部位について障害の程度を加重した場合における当該事故に係る障害保険金の支払は、現在の身体障害の該当する障害等級に応じて行うものとし、その額は、1 被保険者当たりの保険金額に現在の身体障害の該当する障害等級に対応する給付率から既にあった身体障害の該当する障害等級に対応する給付率を差し引いて得た率を乗じて得た額とする。
4 被保険者が、乗組み中の漁船上における事故により身体障害を生じ、当該事故を直接の原因として当該事故の日から 200 日以内に死亡した場合には、当該被保険者は、障害の状態にならなかったものとみなす。
5 1 被保険者に係る障害保険金の支払額の合計は、当該被保険者の保険金額を限度とする。
(事故発生の通知)
第 160 条 組合員、被保険者又は漁船乗組船主保険の一定の金額の支払を受けるべき者(以下この部において「組合員等」という。)は、組合の負担する危険の発生によるか否かにかかわらず、漁船乗組船主保険に係る漁船の運航に伴って事故が発生したときは、遅滞なく、その旨を組合に通知しなければならない。
(保険金支払請求の手続き)
第 161 条 組合員等は、保険金の支払請求をしようとするときは、事故の原因、経過及び損害の額を記載した書面に、これらの事項に関する官公署の証明書その他の証ひょう書類を添えて、組合に申告しなければならない。
第 3 章 免 責
(法定免責)
第 162 条 組合は、理事会で事故が次の各号のいずれかに該当する事由によって生じたものと認めた場合においては、保険金支払の責めを負わない。
(1) 組合員又は被保険者の故意又は重大な過失
(2) 船長その他漁船を指揮する者の故意
(3) 保険金受取人の故意
2 組合は、理事会で、漁船乗組船主保険に係る漁船が法令に違反して使用されたために法令に基づく処分として、又は当該処分によって生じた事故と認めた場合においては、保険金支払の責めを負わない。
(相対免責)
第 163 条 次に掲げる場合には、組合は、支払うべき保険金の全部又は一部につき、支払の責めを負わないことがある。
(1) 事故が、法令に違反して漁船乗組船主保険に係る漁船を運航し、又は当該漁船により操業した場合に生じたとき。
(2) 組合員又は被保険者が、第 146 条第 1 項の規定による通知を怠り、又は同条第 2 項の規定による組合の指示に従わなかったとき。
(3) 組合員又は被保険者が、第 148 条第 1 項の規定による組合の調査を拒み、又は組合の指示する通常の修繕その他必要な処置をしなかったとき。
(4) 組合員等が、第 160 条の規定による事故発生の通知を著しく遅滞したため事故の状況の認定が困難となったとき、又は第 161 条の規定による申告をするに当たり、故意若しくは重大な過失により重要な事実を告げず、若しくは重要な事項につき虚偽の事実を告げたとき。
第 4 部 漁船積荷保険第 1 章 保険契約
第 1 節 保険の引受
(引受をする保険)
第 164 条 組合は、漁船積荷保険においては、漁船に積載した漁獲物及びその製品並びに仕込品(燃料、餌料及び飲食料をいう。以下同じ。)(以下「漁船積荷」と総称する。)を保険の目的として、当該漁船積荷を積載する漁船の事故に起因する滅失、流失、損傷その他の事故により当該漁船積荷に生じた損害を塡補するものとする。
2 漁船積荷保険の保険の目的たる漁船積荷につき、戦乱等による事故によって生じた損害は、漁船積荷保険に戦乱等特約を付した場合に限り塡補するものとする。
(保険の目的)
第 165 条 漁船積荷保険の保険の目的は、組合員が所有し、又は使用する漁船であって次に掲げる漁業に従事するものに積載した漁船積荷とする。
(1) まぐろはえ縄漁業 (浮はえ縄を使用してまぐろ、かじき又はさめをとることを目的とする漁業をいう。)
(2) さけ・ます漁業 (流し網又ははえ縄を使用してさけ又はますをとることを目的とする漁業をいう。)
(3) いか釣り漁業 (釣りによっていかをとることを目的とする漁業をいう。)
(4) 沖合等漁業 (流し網を使用してかじき、かつお又はまぐろをとることを目的とする漁業、釣りによってかつお又はまぐろをとることを目的とする漁業、たも網を使用してさばふぐをとることを目的とする漁業、棒受網を使用していわし、さば又はさんまをとることを目的とする漁業、北太平洋の海域において底はえ縄又はさし網を使用する漁業((1)及び(2)に掲げる漁業を除く。)及び北緯 45 度 10 分以北の北太平洋の海域においてかごを使用してかに、えび又はつぶをとることを目的とする漁業並びに漁業法第 52 条第 1 項の指定漁業を定める政令(昭和 38 年政令第 6 号)第 1 項第 1 号に規定する沖合底びき網漁業、同項第 2 号に規定する以西底びき網漁業、同項第 3 号に規定する遠洋底びき網漁業及び同項第 4 号に規定する大中型まき網漁業をいう。)
(保険引受を拒む場合)
第 166 条 組合は、第 198 条第 1 項第 2 号の規定により保険料が払い戻された漁船積荷保険の保険の目的たる漁船積荷については、当該払戻しの原因となった事由が消滅した場合その他重大な変更がある場合を除き、漁船積荷保険の引受をしない。
(引受の制限)
第 167 条 組合は、漁船保険の申込人が併せてその申込みに係る漁船保険の保険の目的た
る漁船につき漁船積荷保険を申込む場合又は当該組合との間に漁船保険の保険関係が成立している者(第 14 条第 1 項(同条第 3 項において準用する場合を含む。)又は第 15 条
第 1 項(同条第 3 項において準用する場合を含む。)の規定によりその者から当該保険関係に関して有する権利義務を承継した者(被保険者としての権利義務のみを承継した者を除く。)を含む。)が当該漁船保険の保険の目的たる漁船につき漁船積荷保険を申込む場合でなければ、漁船積荷保険の引受をしないものとする。
(保険関係の成立)
第 168 条 保険関係は、組合員又は組合員たる資格を有する者が、組合が別に定める申込書を組合に提出して申込み、組合がこれを承諾することにより成立する。
2 組合は、保険の申込みを受けたときは、申込みの内容及び必要に応じて漁船を調査して保険引受の諾否を決定し、申込人に通知する。
(保険料の支払期限)
第 169 条 保険関係が成立した者は、当該保険関係に係る保険期間の開始日の前日までに、組合に保険料(保険料の分割支払がされる場合にあっては、保険料のうちその第 1 回の支払に係るもの)を支払わなければならない。
2 前項の規定による保険料の支払をその支払期限までにしないときは、当該保険関係はその効力を失う。
(保険証券の交付)
第 170 条 保険関係が成立した者が前条第 1 項の保険料を支払ったときは、組合は、組合員の請求により、保険証券を作成して、当該組合員に交付する。
(保険責任の開始)
第 171 条 組合の保険責任は、保険期間の開始日から始まる。
2 第 186 条第 3 項、第 195 条又は第 196 条第 3 項の規定により保険料の差額を支払った場合における当該変更後の保険契約に係る組合の保険責任は、その保険料の差額を支払った日の翌日から始まる。
(継続加入)
第 172 条 組合員は、漁船積荷保険の保険期間の満了後引き続き漁船積荷保険に付そうとするときは、第 168 条第 1 項の申込書において記載を求められた事項を、当該満了の日までに組合に通知しなければならない。
(被保険者たる資格)
第 173 条 漁船積荷保険の被保険者たる資格を有する者は、漁船積荷の所有者とする。
(保険金額)
第 174 条 保険金額は、次に掲げるとおりとする。
(1) 漁獲物及びその製品のみを保険の目的とする場合にあっては、組合と組合員とが取り決めた漁獲物又はその製品の単価(消費税等相当額を含まない額とする。)に漁船積荷保険に係る漁船のそれぞれの最大積載数量を乗じて得た金額。
(2) 漁船積荷を保険の目的とする場合にあっては、前号に掲げる金額と、仕込品の種類ごとに組合と組合員とが取り決めた単価に漁船積荷保険に係る漁船のそれぞれの種類ごとの最大積載数量を乗じて得た金額の合計額に 1/3 を乗じて得た額とを合算して得た金額。ただし、1 航海に要する期間(操業を終了した時から漁獲物及びその製品の陸揚げを終了した時までの期間をいう。以下「帰航期間」という。)を保険期間とするものにあっては 1/3 を乗じない。
第 2 節 保険関係の存続及び承継
(保険関係の存続)
第 175 条 漁船積荷保険に係る漁船の所有者又は使用者である組合員が、その住所又は当該漁船の主たる根拠地を組合の区域外に移転したことにより組合員たる資格を喪失したため組合を脱退した場合において、その脱退前に、この組合員から組合に対し当該保険関係(当該漁船に係る漁船船主責任保険又は漁船乗組船主保険の保険関係が成立している場合にあっては、これらの保険関係及び漁船保険の保険関係を含む全ての保険関係)を存続させたい旨の通知があったときは、その保険関係は、定款第 16 条第 1 項の規定にかかわらず、なお存続する。
2 前項の規定によりなお存続するものとされる保険関係に係る漁船の所有者又は使用者は、この約款の適用については、組合員とみなす。
(保険関係に関する権利義務の承継)
第 176 条 漁船積荷保険に係る漁船の譲受人は、併せて第 14 条第 1 項の規定により当該漁船を保険の目的とする漁船保険の保険関係に関する権利義務を承継する場合(被保険者としての権利義務のみを承継する場合を除く。)に限り、組合に通知して、譲渡人が当該漁船に係る漁船積荷保険の保険関係に関して有する権利義務(法第 139 条第 3 項又は第
139 条の 2 第 1 項の規定による負担金に係る権利義務(次条において「漁船積荷保険の保険料に対する国庫負担金に係る権利義務」という。)を除く。)を承継することができる。ただし、その保険関係に関する権利義務が被保険者としての権利義務のみである場合は、この限りでない。
2 漁船積荷保険に係る漁船につき、相続その他の包括承継又は遺贈があった場合については、前項の規定を準用する。
第 177 条 漁船積荷保険に係る漁船の所有者又は使用者は、併せて第 15 条第 1 項の規定に より当該漁船に係る漁船保険の保険関係に関する権利義務を承継する場合に限り、組合 に通知して、所有者にあっては当該漁船の使用者たる組合員が当該漁船に係る漁船積荷 保険の保険関係に関して有する権利義務(漁船積荷保険の保険料に対する国庫負担金に 係る権利義務及び当該漁船の使用者たる組合員が被保険者として有する権利義務を除 く。)を、使用者にあっては組合員が当該漁船に係る漁船積荷保険の保険関係に関して有 する権利義務(漁船積荷保険の保険料に対する国庫負担金に係る権利義務及び当該漁船 の所有者たる組合員が被保険者として有する権利義務を除く。)を承継することができる。
第 3 節 保険期間
(保険期間)
第 178 条 漁船積荷保険の基本部分の保険期間は、1 年、漁期間(漁船積荷保険に係る漁船の従事する漁業において、毎年最初の航海のための仕込品が積み込まれた時から最後の航海における漁獲物及びその製品の陸揚げが終了した時までの期間をいう。以下同じ。)及び帰航期間とする。ただし、漁船積荷保険に係る漁船を保険の目的とする漁船保険の保険期間(満期保険にあっては、当該保険料期間。以下この項及び次項並びに第 181 条第 2項において同じ。)の終期としている日が保険期間の満了の日前に到来するときは、当該漁船保険の保険期間の終期としている日までの期間とすることができる。
2 漁船積荷保険の戦乱等特約の保険期間は 4 月とする。(ただし、前項ただし書に掲げる場合であって、当該特約に係る保険期間の終期としている日の翌日から、保険期間を 1 年とする新たな戦乱等特約を付すときは、漁船保険の保険期間の終期としている日までの期間とすることができる。)
3 前項の規定にかかわらず、漁船積荷保険の戦乱等特約の保険期間は、次の表の左欄に掲
げる場合については、それぞれ同表の右欄に掲げる期間をもって保険期間とすることができる。
区 分 | 期 間 |
特定事故海域において周年操業する場合 | 1 年 |
当該特約に係る保険の保険期間の始期又は終期に特定事 故海域において操業する場合 | 1 月、2 月又 は 3 月 |
(保険期間の延長)
第 179 条 保険期間を 1 年とする場合にあっては、漁船積荷保険の保険の目的たる同一の
漁船積荷につき保険期間の一部が重複する 2 以上の漁船積荷保険が存するときは、組合員からの請求により、先に成立した保険関係の保険期間を最後に成立した保険関係の保険期間の終期まで延長することができる。
2 保険期間を 1 年とする場合にあっては、その保険期間の満了の日が漁船積荷保険に係る漁船を保険の目的とする漁船保険の保険期間(満期保険にあっては、当該保険料期間。)の満了の日前に到来するときは、組合員は、組合に対し当該漁船保険の保険期間の満了の日まで保険期間の延長を請求することができる。
3 組合員は、第 17 条第 1 項、第 18 条第 1 項又は第 19 条第 1 項の規定により漁船積荷保 険に係る漁船を保険の目的とする普通損害保険の保険期間を延長するときは、組合に対 し当該普通損害保険の保険期間の満了の日まで保険期間の延長を請求することができる。
4 組合員は、漁船積荷保険の保険の目的たる漁船積荷につき、組合の責任が確定しない期間中に保険期間が満了すべきときは、組合に対し保険期間の延長を請求することができる。
5 漁船積荷保険の戦乱等特約の保険の目的たる漁船積荷を積載した漁船につき、戦乱等に よる事故による損害発生の危険が切迫し、その継続中に保険期間が満了すべきときは、組 合員は、保険期間の延長を請求することができる。延長した保険期間が満了すべきときも、また同様とする。
6 第 4 項及び第 5 項に掲げる規定により延長する期間は、1 月を下ってはならない。
7 第 1 項から第 5 項までの場合には、組合員は、その保険期間の満了前に、延長しようとする期間に対する保険料を支払わなければならない。
第 4 節 保険料
(保険料率)
第 180 条 組合の漁船積荷保険の保険料率は、別表第 7 部で定めるとおりとし、第 8 部で
定める付加保険料率は第 168 条第 1 項の申込書が提出された支所に応じて適用するものとする。
(保険料の計算)
第 181 条 1 年に満たない期間に対する保険料(漁期間又は帰航期間を保険期間とする漁船積荷保険に係る保険料及び戦乱等特約に係る保険料を除く。)は、月割で計算し、1 月に満たない日数については、1 月を 30 日として日割で計算する。
2 第 178 条第 2 項の規定に基づき、漁船積荷保険の保険に係る漁船を保険の目的とする漁 船保険の保険期間の終期としている日が保険期間の満了の日前に到来する場合であって、戦乱等特約に係る保険期間を当該漁船保険の保険期間の終期としている日までの期間と するときの戦乱等特約に係る保険料は月割で計算し、1 月に満たない日数については 1 月 を 30 日として日割り計算する。
3 第 165 条各号に掲げる漁業種類以外の漁業に 2 月以上の期間にわたり従事する場合及び
法令等により連続して 2 月以上漁業に従事できない期間がある場合は、これらの期間に対する保険料は徴収しないものとする。ただし、保険期間の中途においてこの事実が発生しても保険料の払戻しは行わない。
(保険料の支払)
第 182 条 保険料は、1 回払とする。ただし、組合員は、保険料について、組合の承諾を得て 3 回以内に分割して支払うことができる。
2 組合が前項ただし書の承諾をするのは、分割した保険料を期限内に支払う確実な保障があると認める場合に限るものとする。
3 第 1 項の規定により保険料の分割支払をする場合における保険料のうちその第 1 回の支払に係るものの金額は、保険料(法第 139 条第 3 項又は第 139 条の 2 第 1 項の規定により当該保険料が国庫負担に係るものであるときは、その負担に係る部分を除く。)の 2 分の 1 以上とする。
4 第 1 項の規定により保険料の分割支払をする場合における保険料のうちその最終の支払に係るものの支払期限は、保険期間の開始日から起算して 9 月を経過する日までの期間内において組合が指定する日までとする。
5 組合は、第 1 項ただし書の承諾をした場合において、その承諾に係る保険料の分割支払の支払期限の到来前に、保険金の支払又は保険料の払戻しをすべき事由が生じたときは、支払うべき保険金又は払い戻すべき保険料の額から未払込の保険料に相当する額を控除することができる。
(延滞金)
第 183 条 組合は、前条の規定により保険料の分割支払を認める場合において、分割した保険料が同条第 4 項の支払期限内に支払われない場合は、その支払われない期間について
その日数に応じ年 8 パーセントの延滞金を徴収することができる。
2 前項の規定で定める年当たりの割合は、365 日当たりの割合とする。
(国庫負担の保険料の相殺)
第 184 条 保険料の支払の日よりも前に、法第 139 条第 3 項又は第 139 条の 2 第 1 項の規定により国庫が漁船積荷保険の保険料の一部を負担する漁船(次項において「国庫負担適用漁船」という。)に該当することとなった場合は、当該国庫の負担金(次項において「国庫負担金」という。)は、組合員が組合に支払うべき当該漁船についての保険料の一部に充てるものとする。
2 保険料の支払の日以降に、国庫負担適用漁船に該当することとなった場合は、国庫負担金相当額の保険料について、国庫負担金が増額された場合は、従前の国庫負担金との差額相当額の保険料について、還付する。
第 5 節 告知義務、通知義務及びその他の義務
(告知義務)
第 185 条 組合員又は組合員たる資格を有する者は、保険の申込み時に、第 168 条第 1 項の申込書において記載を求められた事項について、事実の告知をしなければならない。
2 組合員又は組合員たる資格を有する者は、当該保険契約の保険期間の開始日の前日までに前項の規定による記載事項について変更があった場合にはその旨を組合に告知しなければならない。
(事前の通知義務)
第 186 条 次に掲げる場合には、組合員又は被保険者は、あらかじめ、組合に通知しなければならない。
(1) 漁船積荷保険に係る漁船の総トン数又は船体の重要寸法に変更を来すべき改造をしようとするとき。
(2) 漁船積荷保険に係る漁船の主機関を据え付け、取り替え又は除去しようとするとき。
(3) 漁船積荷保険に係る漁船の無線電信設備、無線電話設備又はレーダー設備を除去しようとするとき。
(4) 漁船積荷保険に係る漁船につき、第 165 条各号に掲げる漁業の種類を変更しようとするとき。
(5) 漁船積荷保険に係る漁船を漁業以外の用途に使用しようとするとき。
(6) 漁船積荷保険(年間契約(保険期間が 1 年のものをいう。以下同じ。)に限る。)に係る漁船の操業時期を変更しようとするとき。
(7) 前各号のほか漁船積荷保険に係る漁船につき重大な変更をしようとするとき。
(8) 漁船積荷保険に係る漁船を連続して 90 日以上係船しようとするとき。
(9) 漁船積荷保険の保険の目的たる漁船積荷につき、同種の保険契約を他の保険者と締結しようとするとき。
(10) 漁船積荷保険の保険の目的たる漁船積荷の管理方法等につき重大な変更をしようとするとき。
2 漁船積荷保険に係る漁船の危険が前項第 1 号から第 8 号までに掲げる事由によって著しく増加する場合又は当該漁船に積載した漁船積荷の危険が前項第 10 号に掲げる事由によって著しく増加する場合には、組合は、組合員又は被保険者に対し、その変更を制限し、その他必要な処置をさせることがある。
3 第 1 項第 1 号、第 4 号、第 6 号、第 7 号及び第 10 号に掲げる事由により保険料を増額すべきときは、組合員は、遅滞なく、その事由が発生した日(事由が発生した日が当該保険期間の開始日前である場合は開始日)からその保険期間の満了の日までの期間に対する保険料の差額を支払わなければならない。
4 組合員が前項の規定による保険料の差額の支払を怠ったときは、組合は、従前の保険料の額にその支払を怠った保険料の額を加えて得た額に対する従前の保険料の額の割合によって塡補する。
(事後の通知義務)
第 187 条 次に掲げる場合には、組合員又は被保険者は、遅滞なく組合に通知しなければならない。
(1) 漁船積荷保険の保険の目的たる漁船積荷を譲渡したとき。
(2) 漁船積荷保険の保険の目的たる漁船積荷の上に先取特権、抵当権その他の物権又は賃借権を設定し、変更し、又は消滅させたとき。
(3) 保険金受取人又は保険に関する事項につき代理人を定め、又は廃したとき。
(4) 組合員、被保険者、これらの者の代理人又は保険金受取人の氏名若しくは名称又は住所を変更したとき。
2 前項第 2 号から第 4 号までに掲げる事由に該当する場合においては、組合員又は被保険者は、債権者、保険金受取人又は代理人と連署のうえ通知しなければならない。
(漁船の調査等)
第 188 条 組合は、いつでも漁船積荷保険に係る漁船又は当該漁船に積載した漁船積荷の管理方法等に関して、調査をし、又は組合員若しくは被保険者に通常の修繕その他必要な処置をさせることができる。
2 組合員又は被保険者は、前項の調査に関して組合から照会があった場合には、遅滞なく
回答しなければならない。
(通常行うべき管理等の義務)
第 189 条 組合員又は被保険者は、漁船積荷保険の保険の目的たる漁船積荷につき、通常行うべき管理その他損害の防止及び軽減に努めなければならない。
第 6 節 無効及び消滅
(無 効)
第 190 条 次に掲げる場合には、漁船積荷保険は、無効とする。
(1) 第 166 条の規定に違反して保険の引受をしたとき。
(2) 第 171 条第 1 項の規定により組合の保険責任が始まる前において、既に事故が生じ得ないこととなったとき、又は生じていたとき。
(解 除)
第 191 条 保険引受の当時、組合員又は被保険者が第 185 条第 1 項の規定による記載事項について、故意又は重大な過失によって事実を告知せず、又は不実の告知をしたときは、この組合が当該事実を知り、又は過失によって知らなかったときを除くほかは、組合は、漁船積荷保険を解除することができる。ただし、保険引受の時から 5 年又は組合が解除の
原因となる事実を知った時から 1 月を経過したときは、この限りでない。
(失 効)
第 192 条 次に掲げる場合には、漁船積荷保険は、その効力を失うものとする。
(1) 漁船積荷保険に係る漁船が解撤されたとき。
(2) 組合員が、組合の区域内に住所及びその所有し、又は所有権以外の権原に基づき使用する漁船積荷保険に係る漁船の主たる根拠地を有しなくなったとき(あらかじめ、当該組合員から組合に保険関係を存続させたい旨の申し出があったときを除く。)。
(3) 漁船積荷保険に係る漁船の所有権の移転又は当該漁船を使用する所有権以外の権原の移転若しくは消滅があった場合又は相続その他の包括承継若しくは遺贈があった場合において、組合が保険関係に関する権利義務の承継を拒んだとき。
(4) 組合員が死亡し、若しくは解散したとき(保険関係に関する権利義務の承継があった場合を除く。)又は組合員について破産手続開始の決定があったとき。
(5) 漁船積荷保険の保険の目的たる漁船積荷を積載する漁船が廃船されたとき又はその用途変更により法第 3 条第 1 項の漁船に該当しなくなったとき。
(解除等の効果)
第 193 条 第 191 条の規定により組合が保険契約を解除したときは、その解除は将来に向かってのみその効力を生ずる。
2 組合は、事故が生じた後に第 191 条の規定による解除をした場合であっても、保険金を支払う責めを負わない。既に保険金を支払っていたときは、その返還を請求することができる。ただし、その事故の発生が同条の事実に基づかないものであるときは、この限りでない。
第 194 条 無効、失効若しくは解除の場合又は組合が損害を塡補する責めを負わない場合においても、組合は、既に受け取った保険料を払い戻さないものとする。ただし、この保険約款において払戻しの規定がある場合並びに無効の原因及びその原因を知らなかったことにつき保険の申込人が善意でかつ重大な過失がない場合は、この限りでない。
第 7 節 保険契約の変更等
(損害塡補の範囲の変更)
第 195 条 組合員は、組合の承諾を得て損害塡補の範囲につき保険契約の変更をする場合
において、保険料を増額すべきときは、当該保険期間につき、保険料の差額を支払わなければならない。
(保険金額の変更等)
第 196 条 組合員は、漁獲物又はその製品を第 174 条第 1 号の最大積載数量を超えて積載しようとするときは、組合に通知して、当該最大積載数量を当該積載しようとする数量に変更しなければならない。
2 組合員は、組合の同意を得て、第 174 条各号の単価を増額することができる。
3 前 2 項の規定により年間契約に係る保険金額を増額する場合には、その保険期間(保険期間に漁獲物の種類が相違する期間がある場合には、その相違する期間)の全部についての保険料の差額を支払わなければならない。
4 組合員が第 1 項の変更をしなかったときは、組合は、第 174 条第 1 号の最大積載数量の事故直前における漁獲物及びその製品の積載数量に対する割合によって塡補する。
5 組合が第 186 条第 1 項第 4 号又は第 6 号の変更に係る通知を受領した場合において、変 更後の保険契約に係る保険料が変更前の保険契約に係る保険料を超えないときは、当該 変更の事由が発生した時において当該通知に係る事項につき変更があったものとみなす。
第 8 節 保険料の払戻し等
(保険関係の消滅)
第 197 条 漁船積荷保険の保険関係は、漁船積荷保険に係る漁船を保険の目的とする漁船保険の保険関係が消滅したときは、消滅する。ただし、組合及び組合員の間に当該漁船につき当該漁船保険の保険期間の終了日の翌日を保険期間の開始日とする漁船保険の保険関係が成立したときは、この限りでない。
2 前項(ただし書を除く。)の場合には、第 107 条第 2 項の規定を準用する。
(危険の消滅による保険料の払戻し)
第 198 条 組合員は、組合に対し、次の各号のいずれかに該当する場合には保険料の払戻しを請求することができる。
(1) 漁船積荷保険に係る漁船の所有権の移転又は当該漁船を使用する所有権以外の権原の移転若しくは消滅にかかわらず当該漁船を保険の目的とする漁船保険が失効しない場合であって、当該漁船積荷保険が失効したとき。
(2) 漁船積荷保険に係る漁船により漁業を行うことが自己の責めに帰することができない事由により困難となっている状態が 1 年以上継続すると認められるため、漁船積荷保険を解除したとき。
(3) 漁船積荷保険の保険の目的たる漁船積荷が戦乱等による事故により全損したとき。
(4) 漁船積荷保険の戦乱等特約を付した漁船積荷が戦乱等による事故以外の事故により全損したとき。
2 前項の場合には、第 108 条第 2 項の規定を準用する。ただし、前項第 3 号の場合の純保険料の額は、基本部分の純保険料の額、同項第 4 号の場合の純保険料の額は、戦乱等特約の純保険料の額とする。
第 9 節 x x
(x x)
第 199 条 保険金を請求する権利及び保険料の返還を請求する権利については 3 年、保険
料を請求する権利及び追徴金を請求する権利については 1 年を経過したときは、時効によって消滅する。
第 2 章 損害の塡補
(損害の塡補)
第 200 条 組合は、漁船積荷保険に係る漁船の事故に起因する滅失、流失、損傷その他の事故により漁船積荷に生じた損害又は費用を塡補する。ただし、次に掲げる損害又は費用については、特約がある場合に限り塡補する。
(1) 戦乱等による事故によって生じた損害
(2) 漁船積荷保険に係る漁船の冷凍設備又は冷蔵設備(冷凍機器又は冷蔵機器、ポンプその他付属機器(これらを作動させる動力機械を含む。)、パイプ装置及び冷却管をいう。第 4 項及び第 203 条第 1 項第 5 号において同じ。)の事故又は故障により漁獲物、その製品及び餌料(活餌を除く。)に生じた品質の低下による損害又は費用(ただし、冷凍魚そう若しくは冷蔵魚そう内又は冷凍室内の冷却管以外の故障による事故については、当該故障が 24 時間以上継続する場合に限る。)
(3) 第 202 条に規定する分損
2 餌料のうち活餌については、漁船積荷保険の保険に係る漁船の全損により生じた全損、活餌長期蓄養設備の事故により生じた全損若しくは分損又は漁船積荷保険に係る漁船及び漁船積荷保険の保険の目的たる漁船積荷につき共同の危険を免れるために放棄したものに限り塡補する。
3 戦乱等による事故のうち、襲撃、捕獲、拿捕又は抑留については、その事実が発生した時から解放又は終了した時までの間に生じた損害について塡補する。
4 組合は、漁船積荷に生じた損害のうち自然損耗、性質損害又は瑕疵による損害は塡補の対象としない。ただし、第 1 項第 2 号の特約がある場合における冷凍設備又は冷蔵設備の事故又は故障による漁獲物、その製品及び餌料(活餌を除く。)及び第 1 項第 1 号の特約がある場合における戦乱等による事故による漁船積荷の品質の低下による損害については、この限りでない。
5 組合は、第 165 条各号に掲げる漁業以外の漁業に従事しているときに生じた損害は塡補の対象としない。
6 組合は、塡補すべき額が 10,000 円に満たないときは、塡補しない。
(全損の塡補及び漁船積荷の所有権の帰属)
第 201 条 漁船積荷の全部が次の各号のいずれかに該当する状態となったときは、全損とする。ただし、漁船及び漁船積荷保険の保険の目的たる漁船積荷につき共同の危険を免れるために放棄した漁船積荷の損害(次条及び第 203 条第 1 項第 1 号において「放棄損害」
という。)に係る全損については、第 203 条第 1 項第 1 号の規定による。
(1) 原型をとどめ得ない状態になったとき。
(2) 腐敗等により本来の性質を失ったとき。
(3) 沈没等により被保険者から離脱されて復旧の見込みがないとき。
2 被保険者は、漁船積荷につき次の各号のいずれかに該当する事実が生じたときは、全損として保険金を請求することができる。
(1) 漁船積荷を積載した漁船が沈没し容易に引き揚げることができないとき。
(2) 漁船積荷を積載した漁船の行方が知れなくなったとき(漁船の行方が 30 日間明らかでないとき。)。
(3) 漁船積荷を積載した漁船が修繕することができなくなったとき(当該漁船の救助費の額若しくは修繕費の額又はこれらの合算額が当該漁船の保険価額を超えるときをいう。)。ただし、漁船積荷が漁獲物及びその製品である場合には、当該漁船積荷を陸揚予定港に運搬する費用の額が、当該漁船積荷が全損した場合に支払われることとな
る保険金の額を超えるとき。
だ
(4) 漁船積荷を積載した漁船が捕獲され、拿捕され又は抑留され、30 日間解放されなか
ったとき。
3 前項第 2 号の期間は当該漁船の最終の消息のあった時から、同項第 4 号の期間は当該漁
だ
船が捕獲され、拿捕され又は抑留された時から起算する。
4 第 1 項又は第 2 項の規定により漁船積荷が全損となった場合に、組合が保険金を支払うときは、組合は、被保険者がその漁船積荷につき有する権利を取得するか否かを選択することができる。
5 前項の規定により組合が漁船積荷の所有権を取得しない場合には、組合は、その旨を全損に係る保険金を支払う時までに被保険者に通知する。
6 第 4 項の規定により組合が漁船積荷の所有権を取得しない場合において塡補の対象となる全損の額は、通常塡補すべき損害の額から当該漁船積荷に係る残存物件の価額又は評価額(当該残存物件の処分に要した経費又は当該漁船積荷を撤去するために要する金額がある場合にはその額を差し引いた額)を差し引いて得た額とする。
7 第 4 項の規定により組合が漁船積荷の所有権を取得することを選択する場合には、組合は、全損に係る保険金を支払うことによりその所有権を取得する。
8 第 4 項の規定により組合が漁船積荷の所有権を取得した場合であっても、当該漁船積荷 の上に存する先取特権、抵当権、その他の物権及び賃借権を消滅させるために要する金額 並びにその漁船積荷に付随する公法上又は私法上の債務を履行するために要する金額は、保険金を受け取るべき者(被保険者か否かを問わない。)の負担とする。ただし、当該漁 船積荷を撤去するために要する金額は、撤去された物件を売却して得られる金額を限度 として、組合の負担とする。
(分損の塡補)
第 202 条 漁船積荷に係る次に掲げる損害は、分損として塡補する。ただし、放棄損害に係る分損については、第 203 条第 1 項第 1 号の規定による。
(1) 量損(漁船積荷の一部が流失し、又は腐敗等により品質が失われたことによる損害をいう。)
(2) 質損(漁船積荷の品質が低下したことによる損害をいう。第 204 条第 1 項において同じ。)
(塡補の対象となる損害及び費用)
第 203 条 組合は、次に掲げる損害又は費用を塡補する。
(1) 放棄損害のうち、漁船積荷を積載した漁船の座礁又は衝突により生じた損害(ただし、漁船積荷を積載した漁船を保険の目的とする漁船保険又はその他の保険により当該放棄損害の一部が塡補される場合にあっては、当該塡補額を差し引いた額に限る。)
(2) 漁船積荷につき事故が生じた場合又は事故が生じることが確実と認められる場合において、当該漁船積荷を安全に保管できる最寄りの場所まで運搬するのに必要な費用、救助者に対する報酬その他漁船積荷の損害の防止及び軽減のために必要又は有益であった費用
(3) 保険契約者又は被保険者が、第三者に対し損害の賠償を請求することができる場合に、当該請求権を行使又は保全するために必要又は有益な訴訟の提起、応訴等のために要した費用(ただし、漁船積荷保険の保険の目的たる漁船積荷に関する損害と、その他の損害とを合わせて第三者に対する請求権を行使又は保全した場合の費用は、各損害額の割合によって案分される額のうち、当該保険に係る部分の額に限る。)
(4) 漁船積荷につき事故は生じていないが、漁船積荷保険の保険に係る漁船につき事故が生じた場合において、漁船積荷を陸揚げし、保管し、再積込みし又は陸揚地まで運搬するのに必要と組合が認める費用(漁船積荷保険の保険に係る漁船の曳航費用は除く。)
(5) 漁船積荷保険の保険に係る漁船に積載した漁船積荷に損害(飲食料については、冷凍設備又は冷蔵設備の事故によるものを除く。)が生じた場合であって、当該積荷の価値がなくなったときにおいて、当該積荷を廃棄処分するために必要と組合が認める費用
2 漁船積荷がこれを積載した漁船とともに救助され第 55 条第 1 項の規定により救助費の額が塡補された場合には、第 1 項第 2 号の費用の額は塡補しない。
(損害の塡補額の算定)
第 204 条 組合が塡補すべき損害の額は、次のとおり算定するものとする。
(1) 漁獲物及びその製品
ア 質損以外の損害については、第 174 条第 1 号に規定する単価に損害数量(当該損害
数量が、同号に規定する最大積載数量又は第 196 条第 1 項の規定による変更後の最大積載数量を超過する場合にあっては、当該最大積載数量又は当該変更後の最大積載数量。イにおいて同じ。)を乗じて得た額
イ 質損については、次の算式により算出した額
第 174 条第 1 号 × 損害× 質損がなかったら存したであろう価額-質損後の価額
に規定する単価 数量 質損がなかったら存したであろう価額
(2) 仕込品(活餌を除く。)
ア 質損以外の損害については、第 174 条第 2 号に規定する単価に損害数量(当該損害数量が、同号に規定する最大積載数量を超過する場合には、当該最大積載数量。イ及び第 3 号において同じ。)を乗じて得た額
イ 質損については、第 174 条第 2 号に規定する単価に質損の生じた損害数量を乗じて得た額から質損の生じた仕込品の売却価額等を基礎として組合が認定した価額を差し引いて得た額
(3) 活餌
仕込時における仕込単価に損害数量の 2 分の 1(低温活餌装置内の活餌にあっては 5分の 4)を乗じて得た額
2 被保険者が前項各号の損害を計算するのに必要な費用は、損害額に加算する。
(塡補すべき額)
第 205 条 組合の塡補する損害の額は、1 回の事故ごとに算定する。
2 1 回の事故につき、組合の塡補すべき額は、漁船積荷が全損したとした場合において支払うこととなる保険金の額を超えないものとする。ただし、第 203 条第 1 項第 2 号から第 4 号までに掲げる費用のうち次に掲げるもの又は同項第 5 号に掲げる費用については、組合が認める場合に限り、組合の塡補すべき額が漁船積荷が全損したとした場合において支払うこととなる保険金の額を超えてもこれを塡補するものとする。
(1) 損害の防止及び軽減のための応急措置費用
(2) 組合が全損を認定しなかった場合において、漁船積荷を陸揚予定港に運搬する費用の額が当該漁船積荷につき全損した場合において支払うこととなる保険金の額を超えたときの当該費用
(3) 損害賠償に関する訴訟の提起、応訴等のために要した必要又は有益な費用
3 混獲される魚種区分がある契約に係る漁獲物の損害の額は、魚種区分ごとに前条第 1 項第 1 号のとおり算定し、魚種区分ごとの保険金額にかかわらず、その合計保険金額の範囲内で塡補する。
4 第三者の行為によって生じた損害で当該第三者が負担すべき金額につき被保険者の回収金がある場合において、回収金の額が被保険者の自己負担額を超過するときは、当該塡補すべき額から当該超過額を差し引いて得た額を塡補する。
(第三者に対する権利の取得)
第 206 条 損害が第三者の行為によって生じた場合において、組合が被保険者に対してその塡補額を支払ったときは、組合は、その支払った額を限度として、かつ、被保険者の権利を害さない範囲内で被保険者が第三者に対して有する権利を取得する。
2 前項の場合において、組合が支払った塡補額が塡補すべき損害の額に不足するときは、被保険者は、前項の損害が生じたことにより被保険者が取得する権利のうち、組合が代位した部分を除いた部分について、当該代位に係る組合の権利に先立って弁済を受ける権利を有する。
第 207 条 削除第 208 条 削除第 209 条 削除
(他の保険契約がある場合の塡補額)
第 210 条 組合は、保険期間の全部又は一部が重複する漁船積荷保険が負担する危険と同一の危険を負担する他の保険契約が締結されている場合に、各保険契約の独立責任額の合計が損害額を超過するときは、各保険契約の独立責任額の合計に対するこの保険契約の独立責任額の割合を損害額に乗じて得た額を塡補する。
2 前項に規定する場合に、各保険契約の漁船積荷の単価が異なるときは、それらのうち最も高い単価の保険契約のもとで算出された額を塡補する。
(事故発生の通知)
第 211 条 組合員又は被保険者は、組合の負担する危険の発生によるか否かにかかわらず、漁船積荷につき事故が発生したときは、遅滞なく、その旨を組合に通知しなければならない。
(保険金支払請求の手続き)
第 212 条 組合員又は被保険者は、保険金の支払請求をしようとするときは、事故の原因、経過及び損害の額を記載した書面に、これらの事項に関する官公署の証明書その他の証ひょう書類を添えて、組合に申告しなければならない。
第 3 章 免 責
(法定免責)
第 213 条 組合は、理事会で損害が次の各号のいずれかに該当する事由によって生じたものと認めた場合においては、損害を塡補する責めを負わない。
(1) 組合員又は被保険者の故意又は重大な過失
(2) 船長その他漁船積荷保険に係る漁船を指揮する者の故意
2 組合は、理事会で、漁船積荷保険に係る漁船が法令に違反して使用されたために法令に基づく処分として、又は当該処分によって生じた事故と認めた場合においては、損害を塡補する責めを負わない。
(相対免責)
第 214 条 次に掲げる場合には、組合は、塡補すべき損害の額の全部又は一部につき、塡補
する責めを負わないことがある。
(1) 事故が、法令に違反して漁船積荷保険に係る漁船を運航し、又は当該漁船により操業した場合に生じたとき。
(2) 組合員又は被保険者が、漁船積荷保険に係る漁船又は漁船積荷につき通常行うべき管理その他損害の防止又は軽減を怠ったとき。
(3) 第 182 条第 1 項の規定により保険料の分割支払がされる場合にあっては、組合員が、正当な理由がないのに保険料のうちその第 2 回以降の支払に係るものの支払を遅滞したとき。
(4) 組合員又は被保険者が、第 186 条第 1 項の規定による通知を怠り、又は同条第 2 項の規定による組合の指示に従わなかったとき。
(5) 組合員又は被保険者が、第 188 条第 1 項の規定による組合の調査を拒み、又は組合の指示する通常の修繕その他必要な処置をしなかったとき。
(6) 組合員又は被保険者が、第 211 条の規定による事故発生の通知を著しく遅滞したため損害の状況の認定が困難となったとき、又は第 212 条の規定による申告をするに当たり、故意若しくは重大な過失により重要な事実を告げず、若しくは重要な事項につき虚偽の事実を告げたとき。
第 5 部 補 則
(漁業協同組合事務費交付金)
第 215 条 組合は、漁業協同組合が法第 113 条第 1 項から第 3 項までの規定により漁船保険、漁船船主責任保険、漁船乗組船主保険又は漁船積荷保険の保険料を集収して組合に払込みをしたときは、当該漁業協同組合に対し、その事務費として次の金額を交付する。
(1) 総トン数 20 トン未満の漁船については、その払込純保険料(国庫が負担する部分を除く。第 2 号及び第 3 号において同じ。)の 100 分の 10 に相当する金額
(2) 総トン数 20 トン以上 50 トン未満の漁船については、その払込純保険料の 100 分の 5 に相当する金額
(3) 総トン数 50 トン以上 100 トン未満の漁船については、その払込純保険料の 100 分の 3.5 に相当する金額
(4) 総トン数 100 トン以上の漁船については、その払込純保険料の 100 分の 2 に相当する金額
(漁業協同組合のあっ旋謝金)
第 216 条 組合の区域の全部又は一部を地区とする漁業協同組合が、その組合員の漁船保険、漁船船主責任保険、漁船乗組船主保険又は漁船積荷保険の加入をあっ旋し、かつ、その者が組合に支払うべき保険料を集収してその者に代わって組合に払込みをしたとき
(法第 113 条第 1 項及び第 2 項の規定により払込みをしたときを除く。)は、組合は、当該漁業協同組合に対し、細則の定めるところにより、謝金を交付することができる。
附 則
1 この保険約款は、平成 29 年 4 月 1 日から施行する。
2 この保険約款の施行日前に成立した普通損害保険、満期保険、特殊保険、漁船船主責任 保険、漁船乗組船主保険及び漁船積荷保険の保険関係については、施行日前に適用されて いた保険約款(第 16 条第 5 項の規定を除く。)を、漁船乗組員給与保険の保険関係につい ては、施行日前に適用されていた漁船乗組員給与保険約款を適用する。この場合において、当該約款中の「組合」は、「日本漁船保険組合」とする。
3 第 24 条第 3 項、第 92 条第 3 項及び第 182 条第 3 項の規定の適用については、当分の間、
「2 分の 1」とあるのは「3 分の 1」とする。
推進器の直径 | 限度額 |
800mm 未満 | 900,000 円 |
800mm 以上 900mm 未満 | 1,000,000 円 |
900mm 以上 1,000mm 未満 | 1,100,000 円 |
4 第 51 条第 1 項に規定する修繕費のうち、定款第 41 条第 1 項で規定する第 37 区に係る支所において申込書(第 6 条第 1 項の申込書をいう。次項及び第 6 項において同じ。)が提出された漁船保険に係る 10 トン未満漁船(漁業の取締りに従事する船舶を除く。)における主機関の推進装置のうち推進器の直径が次の表の左欄に該当する場合の推進器の修繕費は、当分の間、それぞれ同表の右欄に掲げる限度額を超えないものとする。
5 別表第 8 部第 1 の 1(注)4.、2 及び 3(1)の規定は、定款第 41 条第 1 項で規定する第 28区、第 32 区、第 34 区、第 35 区、第 41 区又は第 42 区に係る支所において申込書が提出された平成 29 年 4 月 2 日から平成 30 年 4 月 1 日までに保険期間(満期保険にあっては保険料期間。次項において同じ。)が始まる漁船保険については、適用しない。
6 前項の支所に申込書が提出された平成 30 年 4 月 2 日から平成 32 年 4 月 1 日までに保険期間が始まる漁船保険に付されている漁船(当該漁船を目的とする漁船保険の保険期間の満了後引き続き漁船保険に付されたものに限る。)の付加保険料率は、別表第 8 部第 1の規定にかかわらず、当該規定により算出される付加保険料率を当該保険期間の開始日の前日における漁船保険に係る付加保険料率(以下この項において「直前付加保険料率」という。)で除して得た率が 110/100 を超える場合又は 90/100 を下回る場合は、直前付加保険料率に 110/100 又は 90/100 を乗じた率とし、この率が 0 となるときは 0.01 とする。
附 則 (平成 30 年 7 月 9 日)
1 この約款の変更は、農林水産大臣の認可の日から施行する。ただし、第 44 条から第 46条、第 57 条、第 59 条から第 61 条、第 63 条、第 107 条、第 205 条及び第 207 条から第 209 条の規定は、商法及び国際海上物品運送法の一部を改正する法律(平成 30 年法律第 29 号)の施行日から施行する。
2 前項に規定する施行日前に成立した漁船保険組合の保険責任が始まる保険関係については、なお従前の例による。