Contract
函館中央病院治験取扱規則
第 14 版
施 設 名 | 社会福祉法人函館厚生院 函館中央病院 |
承 認 日 | 2019 年 4 月 25 日 |
承 認 | 病院長 xx xx |
附 則
この規程は、平成18年05月01日より施行する
この規程は、平成19年05月01日一部改訂して施行する。この規程は、平成20年04月01日一部改訂して施行する。この規程は、平成21年05月01日一部改訂して施行する。この規程は、平成23年05月01日一部改訂して施行する。この規程は、平成24年04月10日一部改訂して施行する。この規程は、平成25年05月14 日一部改訂して施行する。この規程は、平成27年07月01日一部改訂して施行する。この規程は、平成27年11月02日一部改訂して施行する。この規程は、平成29 年04 月01日一部改訂して施行する。この規程は、平成29 年12月01日一部改訂して施行する。この規程は、平成30年07月10日一部改訂して施行する。この規程は、平成30年11月01日一部改訂して施行する。この規程は、平成31年04月25日一部改訂して施行する。
函館中央病院 治験取扱規則
本治験取扱規則は、函館中央病院における治験が医薬品GCP、医療機器GCPを遵守し適正に行われるよう治験業務手順、治験審査委員会業務手順、治験に係わる様式集等を定めたものである。平成31年4月25日以降、当院において実施中の治験及び新規に開始する治験は、当該手順書を遵守するものとする。
Ⅰ.函館中央病院治験に係わる標準業務手順書
治験の原則 1
第1章 目的と適用範囲 2
第2章 病院長の業務 2
第3章 治験審査委員会 6
第4章 治験責任医師の業務 6
第5章 治験薬・治験機器の管理 10第6章 治験センター 11
第7章 記録の保存 12
第 8 章 治験手続きの電磁化について ――――――――――――――――――――― 13
Ⅱ.函館中央病院治験審査委員会標準業務手順書
第1章 治験審査委員会 14
第2章 治験審査委員会事務局 18
第3章 記録の保存 19
Ⅰ.函館中央病院治験に係わる標準業務手順書
目 次
治験の原則 1
第1章 目的と適用範囲 2
目的と適用範囲 2
第2章 病院長の業務 2
治験委託の申請等 2
治験実施の了承等 3
治験実施の契約等 3
治験の継続 4
治験実施計画書の変更 4
治験実施計画書からの逸脱 4
重篤な有害事象の発生 5
重大な新たな安全性に関する情報の入手 5
治験の中止、中断及び終了 5
直接閲覧 5
業務の委託 5
第3章 治験審査委員会 6
治験審査委員会及び治験審査委員会事務局の設置 6第4章 治験責任医師の業務 6
治験責任医師の要件 6
治験責任医師の責務 7
被験者の同意の取得 8
被験者に対する医療 10治験実施計画書からの逸脱等 10
第5章 治験薬・治験機器の管理 10治験薬の管理 10治験機器の管理 11
第6章 治験センター 11治験センターの設置及び業務 11
第7章 記録の保存 12
記録の保存責任者 12
記録の保存期間 12第 8 章 治験手続きの電磁化について ―――――――――――――――――――――― 13治験手続きの電磁化における標準業務手順書 ―――――――――――――― 13
治験の原則
治験は、次に掲げる原則に則って実施されなければならない。
1.治験は、xxxxx宣言に基づく倫理的原則及び医薬品GCP、医療機器GCPを遵守して行われなければならない。
2.治験を開始する前に個々の被験者及び社会にとって期待される利益と予想される危険及び不便とを比較考量するものとする。期待される利益によって危険を冒すことが正当化される場合に限り、治験を開始し継続すべきである。
3.被験者の人権、安全及び福祉に対する配慮が最も重要であり、科学と社会のための利益よりも優先されるべきである。
4.治験薬に関して、その治験の実施を支持するのに十分な非臨床試験及び臨床試験に関する情報が得られていなければならない。
5.治験は科学的に妥当でなければならず、治験実施計画書にその内容が明確かつ詳細に記載されていなければならない。
6.治験は、治験審査委員会が事前に承認した治験実施計画書を遵守して実施しなければならない。
7.被験者に対する医療及び被験者のためになされる医療上の決定に関する責任は、医師又は歯科医師が常に負うべきである。
8.治験の実施に関与するものは、教育・訓練及び経験により、その業務を十分に遂行しうる要件を満たしていなければならない。
9.全ての被験者から治験に参加する前に、自由意思によるインフォームド・コンセントを得なければならない。
10.治験に関する全ての情報は、正確な報告、解釈及び検証が可能なように記録し、取扱い、及び保存しなければならない。
11.被験者の身元を明らかにする可能性のある記録は、被験者のプライバシーと秘密の保全に配慮して保護しなければならない。
12.治験薬の製造、取扱い、保管及び管理は、治験薬GMP(「治験薬の製造管理、品質管理等に関する基準について」平成20年7月9日薬食発第 0709002 号)を遵守して行うものとする。治験薬及び治験機器は治験審査委員会が事前に承認した治験実施計画書を遵守して使用するものとする。
13.治験のあらゆる局面の質を保証するための手順を示したシステムが、運用されなければならない。
14.治験に関連して被験者に健康被害が生じた場合には、過失によるものであるか否かを問わず、被験者の損失は適切に補償されなければならない。その際、因果関係の証明等について被験者に負担を課すことがないようにしなければならない。
第1章 目的と適用範囲
【目的と適用範囲】
第1条 本手順書は、「医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令」 (平成9年3月27日 厚生省令第28号)、「医療機器の臨床試験の実施の基準に関する省令」(平成17年3月23日厚生労働省令第36号)(以下「GCP省令」という。)及びそのガイダンス(以下、これらをまとめて「GCP省令等」という。)に則って、治験の実施に必要な手続きと運営に関する手順を定めるものである。
2.本手順書は、医薬品及び医療機器の製造販売承認申請又は承認事項一部変更承認申請の際に提出すべき資料の収集のために行う治験に対して適用する。なお、医療機器の治験に対しては、本手順書において以下のとおり読み替えるものとする。
「治験薬」とあるのを「治験機器」と読み替える
「被験薬」とあるのを「被験機器」と読み替える
「医薬品」とあるのを「医療機器」と読み替える
「副作用」とあるのを「不具合」と読み替える
「有害事象」とあるのを「有害事象及び不具合」と読み替える
ただし、医療機器の治験として薬事法、厚生労働省令等で別途規定されているものについては、読み替えを行わずに当該部分について規則を定める。
3.医薬品の再審査申請、再評価申請又は副作用調査の際、提出すべき資料の収集のための製造販売後臨床試験/再生医療等製品製造販売後臨床試験を行う場合には、本手順書において「治験」とあるのを「製造販売後臨床試験」または「再生医療等製品製造販売後臨床試験」と読み替えるものとする。ただし、製造販売後臨床試験/再生医療等製品製造販売後臨床試験として薬事法、厚生労働省令等で別途規定されているものについては、読み替えを行わずに当該部分について規則を定める。
4.本手順書の規定に伴う文書の書式については、厚生労働省医政局研究開発振興課から発出される最新の「治験の依頼等に係る統一書式」に関連する通知に準じるものとする。これらの書式は当該文書に記載すべき事項の一例であり、治験依頼者との協議により適切な書式を決定する。
なお、各文書への押印又は署名は原則不要とするが、治験依頼者との協議により定めることとする。
5.本手順書中に付随する治験の実施の詳細については、別途手順を定める。
第2章 病院長の業務
【治験委託の申請等】
第2条 病院長は、治験責任医師が治験関連の重要な業務の一部を治験分担医師または治験協力者に分担させる場合には、治験責任医師が作成した治験分担医師・治験協力者リスト(書式2)を了承する。病院長は了承した治験分担医師・治験協力者リスト(書式2)を治験責任医師及び治験の依頼をしようとする者(以下「治験依頼者」という)へ提出する。
2.病院長は、治験実施計画書及び症例報告書の見本(治験実施計画書において、症例報告書に記載すべき事項が十分に読み取れる場合は、当該治験実施計画書をもって症例報告書の見本に関する事項を含むものとする)の内容に関して、治験責任医師と治験依頼者との間で治験実施計画書又は、
それに代わる文書に記名押印又は署名による合意が成立した後、治験依頼者に治験責任医師の合意のもと治験依頼書(書式3)とともに治験責任医師の履歴書(書式1)、治験分担医師となるべき者の氏名リスト及び治験実施計画書等の治験審査委員会による治験実施の適否の審査に必要な資料を提出させるものとする。
【治験実施の了承等】
第3条 病院長は、治験責任医師に対して治験の実施を了承する前に、治験審査委員会に治験審査依頼書(書式4)とともに治験実施の適否の審査の対象となる文書を提出し、治験の実施について意見を求めるものとする。
2.病院長は、治験審査委員会が治験の実施を承認する決定を下し、又は治験実施計画書、症例報告書の見本(治験実施計画書において、症例報告書に記載すべき事項が十分に読み取れる場合は、当該治験実施計画書をもって症例報告書の見本に関する事項を含むものとする)、同意文書、説明文書並びにその他の手順について何らかの修正を条件に治験の実施を承認する決定を下し、その旨を治験審査結果通知書(書式5)にて通知してきた場合は、これに基づく病院長の指示・決定を文書により、治験責任医師及び治験依頼者に通知するものとする。
3.病院長は、治験審査委員会が修正を条件に治験の実施を承認し、その点につき治験責任医師及び治験依頼者が治験実施計画書等を修正した場合には、治験依頼者と治験責任医師の合意のもと治験実施計画等修正報告書(書式6)及び該当する資料を提出させ、承認の条件とした事項を満たしていることを確認する。
4.病院長は、治験審査委員会が治験の実施を却下する決定を下し、その旨を治験審査結果通知書(書 式5)にて通知してきた場合は、治験の実施を了承することはできない。病院長は、治験の実施を 了承できない旨の病院長の決定を文書により、治験責任医師及び治験依頼者に通知するものとする。
5.病院長は、治験審査委員会による「保留」の通知後、治験依頼者より修正及び追加された審査資料が提出された場合には、治験審査依頼書(書式4)とともに治験審査委員会に提出し、治験実施の適否について意見を聴かなければならない。
6.病院長は、治験依頼者から治験審査委員会の審査結果を確認するために審査に用いられた治験実施計画書等の文書の入手を求める旨の申し出があった場合には、これに応じなければならない。
7.病院長は、他の医療機関の長より当該医療機関で実施する治験の実施の適否、その他の当該治験に関する審査の依頼を受けた場合、病院長の判断により当病院の治験審査委員会で審査を行うことができる。この場合、事前に当該医療機関の長と文書により契約を締結するものとする。
8.病院長は治験審査委員会の審査結果について異議がある場合は、理由書を添えて治験審査委員会に再審査を請求することができる。
【治験実施の契約等】
第4条 病院長は、治験審査委員会の意見に基づいて治験の実施を了承した後、治験依頼者と双方が記名又は署名し押印と日付を付した文書により、契約を締結する。治験依頼者及び開発業務受託機関と三者で合意の上、開発業務受託機関との二者契約とすることもできる。契約書の書式については、契約形態等を考慮し、治験依頼者と協議の上決定するものとする。
2.治験責任医師は、契約書の内容の確認をする。
3.治験審査委員会が修正を条件に治験の実施を承認した場合には、第3条第3項の治験実施計画書等修正報告書(書式6)により治験審査委員会が承認の条件とした事項を満たしていることを確認した後に、契約を締結することとする。
4.治験契約内容の変更を行う場合には、病院長は必要に応じて、治験依頼者及び治験責任医師に治験に関する変更申請書(書式10)を提出させ、治験審査依頼書(書式4)とともに治験審査委員会に提出し治験審査委員会に意見を求めるとともに、本条第1項、第2項に準じて、治験契約内容変更に関する覚書を締結する。
【治験の継続】
第5条 病院長は、実施中の治験において少なくとも年1回(治験契約締結日を起算日とする)、治験責任医師に治験実施状況報告書(書式11)を提出させ、治験審査依頼書(書式4)とともに治験審査委員会に提出し、治験の継続について治験審査委員会の意見を求めるものとする。
2.病院長は、治験審査委員会の審査結果に基づく病院長の指示・決定を治験審査結果通知書(書式
5)により、治験責任医師及び治験依頼者に通知するものとする。修正の上で承認する場合には、第3条第3項に、保留の場合には第3条第5項に準じるものとする。
3.病院長は、治験審査委員会が実施中の治験の継続審査等において、治験審査委員会が既に承認した事項の取り消し(治験の中止又は中断を含む)の決定を下し、その旨を治験審査結果通知書(書式5)にて通知してきた場合は、これに基づく病院長の指示、決定を文書により、治験責任医師及び治験依頼者に通知するものとする。
4.病院長は、治験依頼者から治験審査委員会の継続審査等の結果を確認するために審査に用いられた治験実施計画書等の文書の入手を求める旨の申し出があった場合には、これに応じなければならない。
5.病院長は、治験審査委員会の審査結果について異議がある場合は、理由書を添えて治験審査委員会に再審査を請求することができる。
【治験実施計画書の変更】
第6条 病院長は、治験期間中、治験審査委員会の審査対象となる文書が追加、更新又は改訂された場合は、治験責任医師又は治験依頼者から、当該文書の全てを速やかに提出させるものとする。
2.病院長は、治験責任医師及び治験依頼者より治験に関する変更申請書(書式10)とともに、当該文書が提出された場合には、治験審査依頼書(書式4)とともに治験審査委員会に提出し、治験の継続の適否について意見を求め、病院長の指示・決定を治験審査結果通知書(書式5)により、治験責任医師及び治験依頼者に通知するものとする。
【治験実施計画書からの逸脱】
第7条 病院長は、治験責任医師より、緊急の危険を回避するための治験実施計画書からの逸脱に関する報告書(書式8)が提出された場合は、治験審査依頼書(書式4)とともに治験審査委員会に提出し、治験の継続の適否について意見を求め、病院長の指示、決定を治験審査結果通知書(書式
5)により、治験責任医師及び治験依頼者に通知するものとする。また、病院長は、緊急の危険を回避するための治験実施計画書からの逸脱に関する通知書(書式9)を治験依頼者より得るものと
する。
【重篤な有害事象の発生】
第8条 病院長は、当病院における重篤な有害事象の発生について、治験責任医師より、重篤な有害事象に関する報告書(書式12‐1、詳細記載用書式)が提出された場合は、治験審査依頼書(書式4)とともに治験審査委員会に提出し、治験の継続の適否について意見を求め、病院長の指示、決定を治験審査結果通知書(書式5)により治験責任医師及び治験依頼者に通知するものとする。
【重大な新たな安全性に関する情報の入手】
第9条 病院長は、被験者の安全又は当該治験の実施に悪影響を及ぼす可能性のある重大な新たな情報について、治験依頼者より、安全性情報等に関する報告書(書式16)が提出された場合は、治験の継続の適否について治験審査委員会の意見を求め、病院長の指示、決定を治験審査結果通知書
(書式5)により治験責任医師及び治験依頼者に通知するものとする。なお、安全性情報には、以下のものが含まれる。
① 他施設で発生した重篤で予測できない副作用及び有害事象等
② 予測できる重篤な副作用の発現頻度の増加
③ 生命を脅かすような疾患に使用される治験薬が、その効果を有さないなどの情報
④ 変異原性、がん原性あるいは催奇形性など、被験者に重大な危険を示唆する成績
【治験の中止、中断及び終了】
第10条 病院長は、治験依頼者が治験の中止又は中断、若しくは治験薬の開発中止を決定し、その旨を開発の中止等に関する報告書(書式18)で通知してきた場合には、治験責任医師及び治験審査委員会に対し、速やかに通知するものとする。
2.病院長は、治験責任医師が治験を終了または中止・中断し、その旨を治験終了(中止・中断)報告書(書式17)により報告してきた場合には、治験依頼者及び治験審査委員会に対し、速やかに通知するものとする。
3.病院長は、他の医療機関の長から当院の治験審査委員会での審査を依頼されている場合には、当該医療機関の長から治験終了(中止・中断)報告書(書式17)が提出された場合は、治験審査委員会に通知するものとする。
【直接閲覧】
第11条 病院長は、治験依頼者によるモニタリング及び監査並びに治験審査委員会及び国内外の規制当局による調査を受け入れるものとする。これらの場合には、モニタ-、監査担当者、治験審査委員会又は、国内外の規制当局の求めに応じ、原資料等の全ての治験関連記録を直接閲覧に供するものとする。
【業務の委託】
第12条 病院長は、治験の実施に係る業務の一部を外部に委託する場合には、次に掲げる事項を記載した文書により当該業務を受託する者との契約を締結する。
(1) 当該委託に係る業務の範囲
(2) 当該委託に係る業務の手順に関する事項
(3) 前号の手順に基づき当該委託に係る業務が適正かつ円滑に行われているかどうかを病院長が確認することができる旨
(4) 当該受託者に対する指示に関する事項
(5) 前号の指示を行った場合において当該措置が講じられたかどうかを病院長が確認することができる旨
(6) 当該受託者が医療機関に対して行う報告に関する事項
(7) 当該委託する業務に係る被験者に対する補償措置に関する事項
(8) 当該受託者が、業務終了後も継続して保存すべき文書又は記録及びその期間
(9) 当該受託者が、監査担当者及び規制当局の求めに応じて、直接閲覧すること
(10) その他当該委託に係る業務について必要な事項
第3章 治験審査委員会
【治験審査委員会及び治験審査委員会事務局の設置】
第13条 病院長は、治験を行うことの適否、その他の治験に関する調査審議を行わせる為、治験審査委員会を院内に設置する。
2.病院長は、前項の治験審査委員会の委員を指名し、治験審査委員会の運営の手続き及び記録の保存に関する業務手順書を定めるものとする。なお、当該治験依頼者から治験審査委員会の業務手順書及び委員名簿の提示を求められた場合には、これに応ずるものとする。
3.病院長は、自らが設置した治験審査委員会に出席することはできるが、委員になること並びに審議及び採決に参加することはできない。
4.病院長は、治験審査委員会の業務の円滑化を図るため、本条第1項により設置した治験審査委員会の運営に関する事務及び支援を行う者を指名し、治験審査委員会事務局を設置するものとする。
第4章 治験責任医師の業務
【治験責任医師の要件】
第14条 治験責任医師は、以下の要件を満たさなくてはならない。
(1) 治験責任医師は、教育・訓練及び経験によって治験を適正に実施しうる者でなければならない。また、治験責任医師は、このことを証明する最新の履歴書(書式1)を病院長および治験依頼者に提出するものとする。
(2)治験責任医師は、治験依頼者と合意した治験実施計画書、最新の治験薬概要書、製品情報及び治験依頼者が提供するその他の文書に記載されている治験薬の適切な使用法に十分精通していなければならない。
(3)治験責任医師は、薬事法第14条第3項及び第80条の2に規定する基準並びに医薬品GC P及び医療機器GCPを熟知し、これを遵守しなければならならない。
(4)治験責任医師は、治験依頼者によるモニタリング及び監査並びに治験審査委員会並びに国内
外の規制当局による調査を受け入れなければならない。治験責任医師は、モニター、監査担当者、治験審査委員会又は国内外の規制当局の求めに応じて、原資料等の全ての治験関連記録を直接閲覧に供しなければならない。
(5)治験責任医師は、合意された募集期間内に必要数の適格な被験者を集めることが可能であることを過去の実績等により示すことができなければならない。
(6)治験責任医師は、合意された期間内に治験を適正に実施し、終了するに足る時間を有していなければならない。
(7)治験責任医師は、治験を適正かつ安全に実施するため、治験の予定期間中に十分な数の治験分担医師及び治験協力者等の適格なスタッフを確保でき、また適切な設備を利用できなければならない。
(8)治験責任医師は、治験分担医師、治験協力者等に治験実施計画書、治験薬及び各人の業務について十分な情報を与え、指導及び監督しなければならない。
【治験責任医師の責務】
第15条 治験責任医師は次の事項を行う。
(1)治験実施計画書の被験者の選択・除外基準の設定及び治験を実施する際の個々の被験者の選定にあたっては、人権保護の観点から及び治験の目的に応じ、健康状態、症状、年齢、性別、同意能力、治験責任医師等との依存関係、他の治験への参加の有無等を考慮し、治験に参加を求めることの適否を慎重に検討すること。
(2)同意能力を欠く者については、当該治験の目的上、被験者とすることがやむを得ない場合を除き、原則として被験者としないこと。
(3)社会的に弱い立場にある者を被験者とする場合には、特に慎重な配慮を払わなくてはならないこと。
(4)治験実施計画書等について、治験依頼者と合意する前に治験依頼者から提供される治験実施計画書案及び最新の治験薬概要書その他必要な資料・情報に基づき治験依頼者と協議し、当該治験を実施することの倫理的及び科学的妥当性について十分検討すること。治験実施計画書等が改訂される場合も同様である。
(5)治験実施の申請をする前に、治験依頼者の協力を得て、被験者から治験の参加に関する同意を得るために用いる同意文書及び説明文書を作成する。
(6)治験関連の重要な業務の一部を治験分担医師又は治験協力者に分担させる場合には、治験分担医師・治験協力者 リスト(書式2)を病院長に提出し、了承を受ける。
(7)治験実施前及び治験期間を通じて、治験審査委員会の審査の対象となる文書のうち、治験責任医師が提出すべき文書を最新のものにすること。当該文書が追加、更新又は改訂された場合は、その全てを速やかに病院長に提出すること。
(8)治験依頼の申し出があった場合、治験実施計画書等の内容に関して、治験依頼者との間で治験実施計画書又はそれに代わる文書に記名・押印又は署名による合意を行うこと。治験実施計画書が改訂される場合も同様とする。
(9) 治験審査委員会が治験の実施又は継続を承認し、又は何らかの修正を条件に治験の実施又は継続を承認し、これに基づく病院長の指示・決定が文書で通知された後に、その指示・決定
に従って治験を開始又は継続すること。また、治験審査委員会が実施中の治験に関して既に承認した事項を取り消し(治験の中止又は中断を含む)、これに基づく病院長の指示・決定が文書で通知された場合には、その指示・決定に従うこと。
(10) 治験審査委員会が当該治験の実施を承認し、これに基づく病院長の指示・決定が文書で通知される前に、被験者を治験に参加させないこと。
(11)本手順書第17条で規定する場合を除いて、治験実施計画書を遵守して治験を実施すること。
(12)治験薬を承認された治験実施計画書を遵守した方法のみで使用すること。
(13)治験薬の正しい使用法を各被験者に説明指示し、当該治験薬にとって適切な間隔で、各被験者が説明された指示を正しく守っているか否かを確認すること。
(14)実施中の治験において、少なくとも年1回(治験契約締結日を起算日とする)、病院長に治験実施状況報告書(書式11)を提出すること。
(15) 治験の実施に重大な影響を与え、又は被験者の危険を増大させるような治験のあらゆる変更について、病院長に速やかに治験に関する変更申請書(書式10)を提出すること。
(16) 治験実施中に院内において当該治験に係る重篤な有害事象が発生した場合は、速やかに病院長及び治験依頼者に重篤な有害事象に関する報告書(書式12‐1、詳細記載用書式)で報告すること。
(17)治験実施計画書の規定に従って正確な症例報告書を作成し、その内容を点検し、問題がないことを確認したときに、記名押印又は署名し、治験依頼者に提出すること。また治験分担医師が作成した症例報告書については、その内容を点検し問題がないことを確認したときに記名押印又は署名するものとする。
(18) 治験終了後、速やかに病院長に治験終了(中止・中断)報告書(書式17)を提出すること。なお、治験を中止又は中断する場合においても同様の手続きを行うこと。
(19) 治験の実施に係る文書又は記録を病院長の指示に従って保存する。保存の対象となる記録には、治験の実施に関する重要な事項について行われた治験依頼者との書簡、会合、電話連絡に関するものを含む。
【被験者の同意の取得】
第16条 治験責任医師及び治験分担医師は、被験者が治験に参加する前に、被験者に対して説明文書を用いて十分に説明し、治験への参加について自由意思による同意を文書により得るものとする。
2.同意文書には、説明を行った治験責任医師又は治験分担医師、被験者が記名押印又は署名し、各自日付を記入するものとする。なお、治験協力者が補足的な説明を行った場合には、当該治験協力者も記名押印又は署名し、日付を記入するものとする。
3.治験責任医師又は治験分担医師は、被験者が治験に参加する前に、前項の規定に従って記名押印又は署名と日付が記入された同意文書の写し及びその他の説明文書を被験者に渡さなければならない。また、被験者が治験に参加している間に、同意文書及びその他の説明文書が改訂された場合は、その都度新たに前項の規定に従って記名押印又は署名と日付を記入した同意文書の写し及び改訂されたその他の説明文書を被験者に渡さなければならない。
4.治験責任医師、治験分担医師及び治験協力者は、治験への参加又は治験への参加の継続に関し、被験者に強制したり又は不当な影響を及ぼしてはならない。
5.同意文書及び説明文書並びに説明に関して口頭で提供される情報には、被験者に権利を放棄させるかそれを疑わせる語句、又は治験責任医師、治験分担医師、治験協力者、医療機関、治験依頼者の法的責任を免除するか、それを疑わせる語句が含まれていてはならない。
6.口頭及び文書による説明並びに同意文書には、被験者が理解可能で、可能な限り非専門的な言葉が用いられていなければならない。
7.治験責任医師又は治験分担医師は、同意を得る前に、被験者が質問をする機会と、治験に参加するか否かを判断するのに十分な時間を与えなければならない。その際、当該治験責任医師、治験分担医師又は補足的説明者としての治験協力者は、全ての質問に対して被験者が満足するよう答えなければならない。
8.被験者の同意に影響し得る新たな重要な情報が得られた場合には、治験責任医師は、速やかに当該情報に基づき同意文書及び説明文書を改訂し、予め治験審査委員会の承認を得なければならない。また、治験責任医師又は治験分担医師は、既に治験に参加している被験者に対しても当該情報を速やかに被験者に伝え、治験に継続して参加するか否かについて、被験者の意思を確認するとともに、改訂された説明文書を用いて改めて説明し、治験への参加の継続について被験者から自由意思による同意を文書で得なければならない。注)重大な新たな安全性に関する情報入手 第9条参照
9.被験者の同意取得が困難な場合、治験責任医師又は治験分担医師は、代諾者となるべき者に対して説明文書を用いて十分説明し、治験への参加について文書による同意を得ることとする。この場合、同意に関する記録とともに代諾者と被験者との関係を示す記録を残すものとする。
10.非治療的治験を実施する場合、必ず被験者となるべき者から同意を得なければならない。ただし、次の1)から4)に掲げる事項が全て満たされる場合には、被験者となるべき者の代諾者による同意を得て治験を行うことが出来るが、治験責任医師又は治験分担医師は、このような被験者に対しては、特に綿密な観察を行い、不当な苦痛を受けていると見受けられた場合には、治験を中止しなければならない。
1)治験の目的が、本人による同意が可能な被験者による治験では達成されないこと。
2)被験者に対する予見しうる危険性が低いこと。
3)被験者の福祉に対する悪影響が最小限とされ、かつ低いこと。
4)代諾者となるべき者の同意に基づいて被験者を治験に組み入れる旨を明示した上で治験審査委員会に承認の申請がなされ、かかる被験者の参加を承認する旨が承認文書に記載されていること。
11.緊急状況下における救命的治験の場合、医薬品GCP第55条第1項及び医療機器GCP第7
5条第1項に規定される各号の全てに該当する場合に限り、被験者及びその代諾者となるべき者の同意を得ずに被験者を治験に参加させることが出来る。この場合でも、被験者又はその代諾者に対し出来るだけ速やかに当該治験に関する説明を行い治験の継続及びその他、適切な事項について文書による同意を得なければならない。また、身元が明らかでない者は、治験の対象としてはならない。
【被験者に対する医療】
第17条 治験責任医師は、治験に関連する医療上の全ての判断に責任を負うものとする。
2.病院長及び治験責任医師は、被験者の治験参加期間中及びその後を通じ、治験に関連した臨床上 問題となる全ての有害事象に対して、十分な医療が被験者に提供されることを保証するものとする。又、治験責任医師又は治験分担医師は、有害事象に対する医療が必要となったことを知った場合に は、被験者にその旨を伝えなければならない。
3.治験責任医師又は治験分担医師は、被験者に他の主治医がいるか否かを確認し、被験者の同意のもとに、主治医に被験者の治験への参加について知らせなければならない。
4.被験者が治験の途中で参加を取り止めようとする場合、又は取り止めた場合には、被験者はその理由を明らかにする必要はないが、治験責任医師又は治験分担医師は、被験者の権利を十分に尊重した上で、その理由を確認するための適切な努力を払わなければならない。
【治験実施計画書からの逸脱等】
第18条 治験責任医師又は治験分担医師は、治験依頼者との事前の文書による合意及び治験審査委員会の事前の審査に基づく文書による承認を得ることなく、治験実施計画書からの逸脱又は変更を行なってはならない。ただし、被験者の緊急の危険を回避するためのものであるなど医療上やむを得ないものである場合又は治験の事務的事項(例:治験依頼者の組織・体制の変更、実施医療機関の名称・診療科名の変更、実施医療機関及び治験依頼者の所在地又は電話番号の変更、治験責任医師の職名の変更、モニターの変更)のみに関する変更である場合には、この限りではない。
2.治験責任医師又は治験分担医師は、治験実施計画書から逸脱した行為を理由のいかんによらず全て記録し保存しなければならない。
3.治験責任医師又は治験分担医師は、被験者の緊急の危険を回避するためのものである等、医療上やむを得ない事情のために、治験依頼者との事前の文書による合意及び治験審査委員会の事前の承認なしに治験実施計画書からの逸脱又は変更を行うことができる。その際には、治験責任医師は、逸脱又は変更の内容及び理由を可能な限り早急に緊急の危険を回避するための治験実施計画書からの逸脱に関する報告書(書式8)を治験依頼者及び病院長に提出し、治験審査委員会の意見に基づく病院長の承認を得るとともに、治験依頼者の検討結果に関する緊急の危険を回避するための治験実施計画書からの逸脱に関する通知書(書式9)の写しを病院長より入手し、保存しなければならない。
第5章 治験薬・治験機器の管理
【治験薬の管理】
第19条 治験薬の管理責任は、病院長が負うものとする。
2.病院長は、治験薬を保管・管理させるため薬剤部長または薬剤部を代表する薬剤師を治験薬管理者とし、病院内で実施される全ての治験の治験薬を管理させるものとする。なお、治験薬管理者は必要に応じて治験薬管理補助者を指名し、治験薬の保管・管理を行わせることが出来る。
3.治験薬管理者は、治験依頼者が作成した治験薬の取扱い及び保管・管理並びにそれらの記録に際して従うべき指示を記載した手順書に従って、また医薬品GCPを遵守して適正に治験薬を保管・管理する。
4.治験薬管理者は次の業務を行う。
1)治験薬を受領し、治験薬受領書を発行する。
2)治験薬の保管・管理及び払い出しを行う。
3) 治験薬管理表及び治験薬出納表を作成し、治験薬の使用状況及び治験進捗状況を把握する。
4) 被験者からの未服用治験薬の返却記録を作成する。
5) 未使用治験薬(被験者からの未服用返却治験薬、使用期限切れ治験薬、欠陥品を含む)を治験依頼者に返却し、未使用治験薬返却書を発行する。
6) その他、第3項の治験依頼者が作成した手順書に従う。
5.治験薬管理者は、治験実施計画書に規定された量の治験薬が被験者に投与されていることを確認する。
【治験機器の管理】
第20条 治験機器の管理責任は、病院長が負うものとする。
2.病院長は、治験機器を保管・管理させるため薬剤部長または薬剤部を代表する薬剤師を治験機器管理者とし、病院内で実施される全ての治験の治験機器を管理させるものとする。ただし、薬剤部長が管理することが適当でない治験機器については、別途治験機器管理者を選任する。なお、治験機器管理者は必要に応じて治験機器管理補助者を指名し、治験機器の保管・管理を行わせることが出来る。
3.治験機器管理者は、治験依頼者が作成した治験機器の取扱い及び保管・管理並びにそれらの記録に際して従うべき指示を記載した手順書に従って、また医療機器GCPを遵守して適正に治験機器を保管・管理する。
4.治験機器管理者は次の業務を行う。
1)治験機器を受領し、治験機器受領書を発行する。
2)治験機器の保管・管理及び保守点検を行う。
3) 治験機器管理表及び治験機器出納表を必要に応じて作成し、治験機器の在庫及び被験者毎の使用状況を把握する。
4) 被験者からの未使用治験機器の返却記録を必要に応じて作成する。
5) 未使用治験機器(被験者からの未使用返却治験機器、使用期限切れ治験機器、欠陥品を含む)を治験依頼者に返却し、未使用治験機器返却書を必要に応じて発行する。ただし、返却に代えて処分等を行う場合には、その記録を作成し、保存する。
6) その他、第3項の治験依頼者が作成した手順書に従う。
5.治験機器管理者は、治験実施計画書に従って治験機器が被験者に使用されていることを確認する。
第6章 治験センター
【治験センターの設置及び業務】
第21条 病院長は、治験の実施に関する事務及び支援を行う者を指名し、治験センターを設けるものとする。治験センターは治験審査委員会事務局を兼ねるものとする。
2.治験センターは、次の者で構成する。
1)センター長:病院長が指名する者。
2)事務局長 : 病院長が指名する者。
3)事務局員 : 事務職員・薬剤部員 若干名
3.治験センターは、病院長の指示により、次の業務を行うものとする。
1)治験審査委員会の委員の指名に関する業務(委員名簿の作成を含む)
2)治験依頼者に対する必要書類の交付と治験依頼手続きの説明
3)治験依頼書及び治験審査委員会が審査の対象とする審査資料の受付
4)治験審査結果報告書に基づく病院長の指示・決定の文書の作成と治験依頼者及び治験責任医師への通知書の交付(治験審査委員会の審査結果を確認するために必要とする文書の治験依頼者への交付を含む)
5) 治験契約に係わる手続き等の業務
6) 治験終了(中止・中断)報告書(書式17)の受領及び交付
7) 記録の保存
8) 治験の実施に必要な手続きの作成
9) その他、治験に関する業務の円滑化を図るために必要な事務及び支援
第7章 記録の保存
【記録の保存責任者】
第22条 病院長は、医療機関において保存すべき文書の保存責任者を以下の者とする。
2.記録ごとに定める保存責任者は次のとおりとする。
(1) 診療録・検査データ・同意文書・治験依頼者との書簡等 : 治験責任医師
(2) 治験受託に関する書類等 : 治験センター
(3) 治験薬に関する記録(治験薬管理表、治験薬出納表、被験者からの未使用治験薬返却記録・治験薬納品書、未使用治験薬受領書等) : 治験薬管理者
(4) 治験機器に関する記録(治験機器管理表、治験機器出納表、被験者からの未使用治験機器返却記録・治験機器納品書、未使用治験機器受領書等) :治験機器管理者
3.病院長又は治験の記録の保存責任者は、医療機関において保存すべき必須文書が第23条第1項に定めている期間中に紛失又は廃棄されることがないように、また、求めに応じて提示できるよう措置を講じるものとする。
【記録の保存期間】
第23条 病院長は医療機関において保存すべき文書を下記の1)又は2)の日のうち、いずれか遅い日までの間保存するものとする。ただし、治験依頼者がこれよりも長期間の保存を必要とする場合には、保存期間及び保存方法について治験依頼者と協議するものとする。
1) 当該被験薬に係わる製造販売承認日(開発が中止又は臨床試験の試験成績が承認申請書に添付されない旨の通知を受けた場合には、その通知を受けた日から3年が経過した日)
2) 治験の中止又は終了後3年が経過した日
2.病院長は、治験依頼者より前項にいう製造承認取得あるいは開発中止の連絡を開発の中止等に関する報告書(書式18)にて受けるものとする。
第 8 章 治験手続きの電磁化について
【治験手続きの電磁化における標準業務手順書】
第24条 治験依頼者との治験に関わる必要書類の授受にあたっては「治験手続きの電磁化における標準業務手順書」に則るものとする。
以 上