Contract
【文法編】
これだけは押さえておきたい文法・語法上のポイント
1. 「時」を表す前置詞の使い分け
2. 契約関係文書における助動詞の意味と使い分け
3. will と shall の使い分け
4. 条件法と仮定法
5. should の 7 つ の 用 法
6. 不定冠詞の一般的用法
7. 定冠詞の一般的用法
8. 定冠詞の慣用用法一覧表
9. 冠詞判定ダイアグラム
10. 代表的な連結詞・移行詞とその用例
11. 句読記号の使い方
12. 大文字の使用 (capitalization) について
13. 行末での単語の分け方(語分割)について
1.「時」を表す前置詞の使い分け
ビジネス文書では「…日まで(に)」とか「…日から」あるいは「…以前/以降」のように 期限(終期または始期)を指定する内容の文章が頻繁に出てくる。英語ではこのような「時」 を表すのに主として by, until, before, after, from, to などの前置詞を使うが、たとえば by April 1 や from April 1 といった場合、その当日を含むのかどうかはかならずしも明瞭ではなく、人によって解釈が違うことがある。以下、最もよく使われ、かつ解釈が分かれることの多い前 記 6 つの前置詞について、それぞれの一般的な解釈と使用上の注意点をまとめておく。
① by(…までに)
一般に、ある期間の終期を表現するのに用い、by で指定された日付はその期間中に含まれる。たとえば The Project must be completed by April 1. では 4 月 1 日当日を含んでその終了時点までにという意味になる。by 5:00 p.m. のように特定の時刻を指定した場合も同じで、この場合は原則として 5 時(の時報)きっかりを含み、5 時 1 分およびそれ以降は(5 時台であっても)含まないものと解釈する。いずれも not later than に置き換え可能である。なお、記載日時を含まないことを明確にするためには後述の before を使って before April 1 および before 5:00 p.m. とする。
② until (= till)(…まで)
until は現在からある特定の日時までの時間の継続を表す語で、たとえば I will be here until
..
5:00 p.m.(ここに 5 時までいます)のような使い方をする。これに対して、I will be there by
...
5:00 p.m. は「そこに 5 時までには行きます」という意味になる。両者は使い方がまったく違
うので注意が必要である。
until April 1 や until 5:00 p.m.がそれぞれの日時を含むかどうかはネイティブスピーカーの間でも解釈がまちまちであるが、一般には until April 1 は 4 月 1 日当日の終了時点まで含み、
until 5:00 p.m. は 5:00 p.m.ちょうどの時点を含むものと解釈する(貿易取引に関する一般的ルールを定めた『荷為替信用状に関する統一規則及び慣例』(Uniform Customs and Practice for Documen- tary Credits)でも、until および till で表示された日時はその期限内に含まれるものと規定している)。ただし、前述のとおり、人によって解釈が異なる可能性があるため、重要な案件については、しばしば until and including April 1 または until but not including April 1 のようにして、当該の日時を含むか含まないかを明示的に表記する。なお、until が否定文およびこれに準じた文脈で使われた場合は、表記された日時は否定の範囲に含まれない。たとえば She didn’t arrive until Monday. では Monday は否定されず、したがってこの文は She arrived on Monday. という意味になる。
③ after(…以降)
具体的な日付を記載せずに、ある事実が発生する時期を示すケース(たとえば after receipt of the letter)では、その事実が発生した時点が始期となる。一方、after の後に具体的日付が明
記されているケース(たとえば after April 1)では記載された当日を含まず、その翌日が始期となる。したがって、「その当日を含んでそれ以降」という場合は on and after April 1 のように表記する。after 5:00 p.m. のように特定の時間が指定されている場合は「5 時(の時報)きっかりの時点を除いてそれ以降」ということになる。5 時きっかりを含んでそれ以降という場合は at and after 5:00 p.m. とする。なお、on date はその当日について、at time は原則としてその時刻きっかりの時点について言及しているものと解釈する。
④ before(…以前)
期限を示すために用いた場合、記載当日は含まれない。したがって、The Project must be completed before April 1. といった場合 4 月 1 日は含まれず、その前日の 3 月 31 日(の終了時)が期限ということになる。したがって、「その当日を含んでそれ以前」という場合は on or before April 1 のように表記する。before 5:00 p.m. は「4 時 59 分台までに」という意味になる。これも、5 時(の時報)きっかりの時点を含んでそれ以前という場合は at or before 5:00 p.m.とする。
⑤ from/to(…から/…まで)
from はある期間の始期を、to は終期を表し、原則としてそれぞれ記載された当日を含む。たとえば The conference will be held from April 1 to April 5. といった場合、4 月 1 日と 5 日の両日を含むものと解釈する。ただし、現実には当事者によって解釈が異なる場合もある。このため、契約書などでは誤解を防ぐために from April 1 to April 5 (both dates inclusive [or ex- clusive]) や from April 1 (inclusive) to April 5 (exclusive) のような念入りな表現をしばしば使う。このようにしておけば、記載当日を含む (inclusive) のか、含まない (exclusive) のか明瞭になる。このほか、記載当日を含むことを明確にするために on and after April 1 のような表現を使うことがある。なお、米国では to の代わりに through(または thru と略記)を使って Monday through Friday のようにいうことがある。through は指定された日時を(その終了時点まで)含むことが明らかであるため、to に比べてより明確な表現になる。
*
以下、前述の 6 つの前置詞を含む主要前置詞(句)について、それぞれの使い分けを一覧表にして示しておく (次ページ Figure 170) 。この一覧表は、April 1 を起点として、たとえば by April 1 や before April 1 といった場合に、それぞれ April 1 当日を含むかどうかを示したものである(「含む」部分をアミで示す)。
Figure 170: 時を表す前置詞の使い分け一覧図
March 31
April 1
April 2
. . . by April 1 | |||
. . . no[t] | later than April 1 | ||
. . . not until April 1 | . . . until April 1 | ||
until but | not including April 1 | ||
. . . until and . . . before April 1 | including April 1 | ||
. . . after April 1 | |||
. . . on or before April 1 | |||
. . . on and after April 1 | |||
. . . from April 1 | |||
. . . to April 1 | |||
. . . up to April 1 | |||
. . . up to and | including April 1 | ||
up to but | not including April 1 | ||
. . .. through1) April 1 | |||
. . . on April 1 | |||
. . . as of2) April 1 | |||
. . . as from April 1 | |||
. . . as at3) April 1 | |||
. . . (three days) between4) March 31 and April 2 |
1) through は主として米語用法。e.g. We are open Monday through Friday.
2) 米国用法では as of は on の意味のほか、しばしば beginning on; on and after; from の意味にも使う。
3) この as at は特殊な表現で、as at (the closing [time] of) の意味。ただし、通常は as of を使う。e.g. The following is the balance of your account as at April 1, 19--:「19--年 4 月 1 日付けの貴殿の口座残高は以下のとおり」。
4) between A and B は原則としてそれぞれ指定された日時や年月を含む。ただし、あいまいになる場合が
あるので three days between March 31 and April 2 や five years between 1990 and 1994 のように、期間を示す具体的な数字を併記して使うのが普通。
2. 契約関係文書における助動詞の意味と使い分け
ビジネス文書を書く場合、will や shall などの助動詞の扱いについては特に注意する必要がある。日常会話では一般に will も shall もほとんど同じ意味で使われているが、ビジネスではその商取引上の意味が明確に規定されている。以下、その実務上の定義を簡単に解説しておく。
1) shall
契約・法務関係文書で使われる shall はその記述内容が契約上の債務 (obligation) であることを示す。つまり、一方の当事者xxxxxの当事者に対してその履行の強制を意図する場合に用いる。shall で表された規定・条項はいわゆる binding provision(法的拘束力をもった規定・条項)と解釈される。したがって、その記述内容を当事者が履行しないときは、債務不履行で契約違反 (breach of contract) を構成することになる。たとえば契約書に The Contractor shall complete the Work by April 1, 19--.(請負業者は本業務を 19--年 4 月 1 日までに完了しなければならない)という記述があったとする。仮に、請負業者がこれをそのとおり履行できなかった場合には債務不履行ということになり、損害賠償や強制履行、ないし契約解除の対象となる。なお、契約・法務関係文書では、単純xxを表す shall が使われることはごく少ない。
2) will
契約・法務関係文書で使われる will は、(1) 単純xx、可能性 (possibility)、能力 (capacity, ability) などを表す場合、および (2) 当事者の意思・意図・目的などを表現する場合に用いる。 will で表現された規定・条項も契約上の一定の義務関係を表すが、shall に比較して強制の度合が弱く、主として法的強制力をともなわない条項・規定 (unbinding provisions) 、および強制する必要のないものについて使用される。したがって、仮に前記の例文が The Contractor
will complete the Work by April 1, 19--(. 請負業者は本業務を 19-- 年 4 月 1 日までに完了す
るものとする)となっていたとすると、これは当事者の意思を表すが、法的強制力をもってその履行を迫るものではないということになる。
3) should
契約・法務関係文書おける should は主として一方の当事者の強い提案・要求・要請などを表す場合に用いる。should で表された内容は、shall のような法的強制力を意図しない、いわゆる非強行規定 (non-mandatory provisions) を表現したものと解釈する。たとえば、契約書に The Contractor should submit the working drawings to the Owner before the commence- ment of the Work.(請負業者は本業務の開始前に施行主に対して作業図面を提出しなければならない)というxxがあったとする。この条項は一方の当事者(Owner)の強い要請を表しているが、請負業者がこれをそのとおり履行できなかったとしても契約上の債務不履行ということにはならない。
4) may, must
may は「…することができる」という意味の「許可」(permission)、および「可能性」(possibility)
を表す場合に用い、should と同じく非強行規定を示す(may not は「禁止」を表す)。must は
「義務」を表す場合に使うが、should より意味が強い。一般には shall と同様に法的強制力を意図するものと解釈するのが普通だが、ある箇所では shall を使い、別の箇所では must を使っているということになると、意図的に両者の間になんらかの差異を表現したものと解釈されることがあり、shall の代用として乱用するのは避けるべきである。
3. will と shall の使い分け
以下の一覧表は、will と shall の用法に関する一般的な原則を示したものである。前述のとおり、契約書や法務文書では will と shall の定義は明確であるが、日常的用法における willと shall の区別はかなりあいまいになってきており、特に米語では相手の意志を尋ねる shall のほかはすべて will で代用する傾向が強い。ただし、米語でも 1 人称の単純xxまたは意志xx
(この両者の区別はかならずしも明瞭ではない場合がある)に shall を絶対に使わないというわけではなく、形式ばった表現を意識した場合には shall を用いることがある。
Figure 171: will と shall の使い分け一覧表
1 人 称 | 2 人 称 | 3 人 称 | ||
単 純 未 来 | I/We shall 1) ( 英 ) I/We will ( 米 ) | You will | He/they will | |
意志xx | 話者の意志を表す | I/We shall 2) ( 英 ) I/We will ( 米 ) | You shall 3) | He/they shall 4) |
主語の意志を表す | I/We will | You will | He/they will | |
相手の意志を尋ねる | Shall I/We . . . ? 5) | Will you . . . ? | Shall he/they. . . ? |
1) 1 人称単純xxの shall
[例文 1] I shall be 20 years old next month. 「私は来月で 20 才になる」。
Κ 1 人称単純xxの shall は、話し手の意志とは無関係にかならず実現することについて使う。通例、米国では will を使うが、現在は英国でも will を使うことが多い。
2) 1 人称意志xxの shall
[例文 2] I shall be back in two days.「2 日で戻ってきます」。
[例文 3] I shall be very happy to see you.「喜んでお会いさせていただきます」。
Κ米語では I will be . . . が普通。ただし、形式ばった表現を意識した場合には米語でも shall を
用いることが多い。
[例文 4] I shall return.「私はかならず戻ってくる」。
Κこの例文は太平洋戦争中、xxxx・xxxxxxが日本軍に追われてフィリピンから撤退す
るときに言った有名な言葉であるが、このように強い決意を表す場合は米語でも shall を用いることが多い。この I shall return. を I will return. としたのでは、shall に含まれた「強い決意」の気持ちを十分に表すことができない。
3) 2 人称意志xxの shall
[例文 5] Be a good boy and you shall have a piece of cake.「いい子にしていればケーキをあげよう」。
[例文 6] You shall have my answer tomorrow.「返事はあしたしよう」。
[例文 7] You shall be dismissed if you are late again.「こんど遅刻したら首だ」。
Κこの shall はいずれも話し手の意志を表し、それぞれ Be a good boy and [I promise] I will give you a piece of cake. I will give you my answer tomorrow. および I will dismiss you (=
You will be dismissed) if you are late again. のように書き換えることができる。後者のように相手に不利になることを言う場合の shall は「脅しの shall」とも呼ばれる。ただし、この用法はひどく横柄な感じをともなうため実際にはあまり使われない。
4-1) 3 人称意志xxの shall
[例文 8] He shall have his share.「彼にも分け前を与えよう(与えるつもりだ)」。
[例文 9] The truth shall be disclosed tomorrow.「xxはxxxxxxにします(されるであろう)」。
Κこの shall はいずれも話し手の意志を表し、それぞれ I will give him his share. および
I/We will disclose the truth tomorrow. のように書き換えることができる。ただし、後者の場合は「超越的な意志」がそれを行うことを示唆しているものと解釈することもできる(話者の意志によるものか超越的な意志によるものかは、もっぱら文脈によって判断する)。
4-2) 法律・規則などによる義務・強制を表す shall
[例文 10] The Emperor shall be the symbol of the State.「天皇は国家の象徴とする」。
[例文 11] The Agreement shall be valid for two years from the date of execution hereof.「本契約書は契約発効日より 2 年間有効とする」。
Κ 3 人称意志xxの shall を法律や規則、契約などの文脈で使った場合は、「…すべし」「…
ねばならない」「…するものとする」などの義務・強制・決定の観念を表す。
5) 相手の意志を尋ねる shall
[例文 12] Shall I open the window?「窓を開けましょうか」。 [例文 13] Shall we begin now?「そろそろ始めましょうか」。
[例文 14] Shall he call you tomorrow? 「あした彼に電話させましょうか」。
Κこの shall は疑問文の形で使い、相手の意志を丁寧に尋ね、それに従う用意があることを示す。ただし、このうち 3 人称主語の用法(例文 14)は現在ではあまり用いられず、Shall I ask him
to call you tomorrow? や Do you want me to ask him to call you tomorrow? あるいは
Would you like [me to ask] him to call you tomorrow? などの表現を使うのが普通。
4. 条件法と仮定法
いわゆる「条件法」 (conditional mood) は Conditional 1, Conditional 2, Conditional 3 の 3つに大別することができる。ここでは、このうち Conditional 2 の用法を「仮定法」と呼ぶ。 Conditional 2 には「丁寧/婉曲の仮定法」という特殊用法がある。それぞれの定義と用例は以下のとおり。
1) [Conditional 1: 単純条件] → 起こり得る事実の因果関係について述べる(…の場合は…になる/もし…なら…だ)
[例文 1] If you pour oil on water, it floats.
[例文 2] I will stay home if it rains tomorrow.
[例文 3] If you give me a 5% discount, I will buy it.
[例文 4] If I become the President (of the United States), I will ban all the nuclear arms.
Κこの構文では単に if 節を使って単純条件を表しているにすぎず、そのことが起こる可能性が十分にある場合に用いる(注 1)。if 節、主節とも動詞・助動詞の時制はいずれも現在形を
使う。条件節には単純xxの will は用いない(ただし、意志xxの will は可能。たとえば、 If you will come this way, the manager will see you. という例文の will は動作主の意志を尋ねており、このようなケースでは if 節中に will を使うことができる)。。なお、例文 3 は I will buy it on condition that you give me a 5% discount. あるいは I will buy it, provided [that] you give me a 5% discount. のようにすることもできる。いずれの場合も that 以下の条件節の時制が現在形であることは同じである(関連解説は p. 329, p. 373 参照)。
注 1) 通例、日本の学校文法では「条件法」という名称は使わず、このような文を「直説法 (indicative mood)
の条件文」または「事実承認の条件文」と呼ぶ。
2-1) [Conditional 2: 仮定条件] → 現在の事実に反すること、または近い将来においてもおそらくそうならないだろうと話し手が感じている事柄について、仮定の話として述べる(仮に…とすれば…だろう)。
[例文 5] If I had money, I could go to Japan.
[例文 6] If I were rich, I would buy the whole world.
[例文 7] If the host computer should be down, the bank operation would be put in jeopardy. [例文 8] If I became the President (of the United States), I would ban all the nuclear arms.
Κ上記の例文はいずれもその可能性がないか、あるいはごく少ないと話し手が感じていること
について述べている。この構文では主節、if 節とも動詞・助動詞の時制は過去形となる(注 2)。例文 6 では If I was rich . . . も可能(口語用法)。例文 7 の should は強調用法で、「(そう
いうことはまずないと思うが)もしもそういうことがあれば…」というニュアンスになる。なお、例文 8 は自分が大統領になる可能性がないか、あるいはごく少ないものと仮定しての発言
ということになる。実際の大統領候補者の発言としては Conditional 1 の例文 4 のようにするのが自然である。
注 2) したがって、一般にこの用法を「仮定法過去」と呼ぶ。「仮定法現在」については次項「should の
7 つの用法」の 4 参照。
2-2) [Conditional 2 の特殊用法: 丁寧・婉曲の仮定法] → 仮定の話という形にして丁寧xx曖昧さを出す。
[例文 9] I would appreciate it if you would/ could send me the information. [例文 10] I would like to ask you a question (. . . if it was OK with you).
[例文 11] Could you open the window (. . . if you didn’t mind)? [例文 12] It would be nice if you helped me with my homework.
[例文 13] It would be nice if you would/could help me with my homework. [例文 14] I would be grateful if you would reply as soon as possible.
[例文 15] I wondered (or was wondering) if you were free tonight. [例文 16] I was hoping we could have dinner together.
[例文 17] I thought you might like some flowers.
Κ仮定法には「(提案や依頼を)曖昧にしたり、ためらいがち、控え目に表現することで丁寧
さを表現する」という機能がある。たとえば、例文 9 の I would appreciate it if you would/could send me the information. は「そういうことはできないかも知れませんが…」というニュアンスを言外に含むことで丁寧さを出している。この場合、I will appreciate it . . . も可能だが、丁寧さに欠ける(shall/should はおもに英国用法。 should の用法については次項参照)。例文 10 と例文 11 はいずれも if という気持ちが言外に込められている。例文 12 と例文 13 はどちらも同じ意味。例文 14 の if 節にある would は単純xx will の過去形ではなく、相手の意志を示す will を仮定法で使ったもので、「もしそうしてくれるなら」というニュアンス。例文 15は I wonder if you are free tonight. を、例文 16 は I hope we can have dinner together. をそれぞれ「ためらいがち」に表現したもの。例文 17 も同じ。これを I think . . . のように現在形で言うと(彼女に言い寄るために必要な)丁寧さがあまり出なくなる。
3) [Conditional 3: 仮定法過去完了] → 過去の事実に反する仮定( [実際はそうではではなかったが] 仮にあのとき…だったとすれば…だっただろう) 。
[例文 18] If I had been wiser, I would not have done this.
[例文 19] If there had been no AIDS, the world would have been a better place to live. [例文 20] If you had worked harder, you would probably have passed the exam.
[例文 21] We could have shipped the goods earlier if you had paid in advance.
Κこの文型は Conditional 2 の時制を過去完了形にしたもので、過去の事実に反する仮定を述べるときに使う。If 節は「had+過去分詞」となり、主節は「would (should, could, might) have
+過去分詞」となる。この用法では言外に非難または後悔の念が表明されることがある。例文
18 では後悔の気持ちが、例文 20 と 21 ではある種の非難の気持ちが感じとれる。
5. should の 7 つ の 用 法
法助動詞の should は助動詞の中では最もやっかいな存在である。ある場合には単なる would の代用にすぎないかと思えば、別のケースでは明らかに would とは違う意味で用いられ、また、同じ You should . . . というセンテンスが、コンテクストによって You must . . . に近いニュアンスになったり、ごく軽い提案になったりする。以下、should のおもな用法と注意すべきポイントについて簡単に解説しておく。
1) 義務・当然 の should
[例文 1] You should write letters more carefully.「手紙というのはもっと注意して書くべきものだ」。
Κこの should は「義務・当然」の気持ちを表す。一般に「…べき」と訳すことができるが、
ought to よりもやや弱い。You must . . . とすると「強い義務・必然性」を表し、「ねばならない」という意味になる(意味の強さは should→ ought to→ must の順に強くなる)。なお、通常、契約関係文書や仕様書などで使われる should はこの意味の should で、拘束力の弱い規定について使う。
2) 非 難 の should
[例文 2] You should have written the letter more carefully.「君はその手紙をもっと注意深く書くべきだった」。
Κ例文 1 では一般論として述べているが、この例文 2 では過去の事実について、そうしなかっ
たことを非難する気持ちが込められている(ただし、ごく軽い意味の非難か強い非難を込めた発言かはコンテクストによる)。この用法の should は常に「should have+過去分詞」の形(仮定法過去完了形)で用いられる。
3) 提 案 の should
[例文 3] You should take a walk every day. 「君は毎日散歩をしたほうがいい」。
この should は「提案 (suggestion)」の should で、I suggest . . . というニュアンス。前記 1 の用法との区別はコンテクストによって判断する。
4) 決定・命令・要求・主張などの文脈に使う省略可能な should
[例文 4] It was decided that we [should] hire him immediately.「ただちに彼を雇うことを決定した」
[例文 5] The committee recommended that he [should] be fired immediately.
Κこの should は、agree, command, decide, demand, insist, intend, order, propose, request, suggest necessary など、合意・命令・決定・要求・主張・意向・必要・提案といった観念を表
す動詞(または名詞・形容詞)の後に続く that 節で用いる。that 節の内部では上記 1 または 3の should と同じだが、この意味はすでに前述のような主節の動詞その他に含蓄されているため、省略されることがある(米国用法では省略するのが普通)。 なお、should が省略された場合、It was decided that we hire him immediately. のように主節と従属節の時制が外見上不一致となり、また The doctor suggests (or suggested) that he take a walk every day. のように 3 人称単数現在の s もとらないことに注意(注1)。ただし、英国用法では It was decided that we hired him . . . や The doctor suggests (or suggested) that he took a walk . . . も可。
注 1) この用法では従属節の動詞が現在形(原形 = bare form)のまま現れるので、これを「仮定法現在」と呼ぶことがある。ただし、いわゆる「仮定」の話をしているわけではないので、この名称は誤解を招きやすい。
5) 驚き・意外、非現実的な仮定の should
[例文 6] If it should happen, I would be really surprised.「そんなことが起こったら本当に驚くだろうね」。
[例文 7] I can’t believe [that] such a thing should happen.「そんなことが起こるなんて考えられないことだ」。
[ 例 文 8] If the host computer should be down, the bank operation would be put in jeopardy.
「(そんなことはまずないと思うが)もしもホストコンピュータが故障するようなことがあれば、当銀行の運営は危機にさらされることになります」。
Κこの should は「…するとは/…するなんて」というニュアンスの「驚き・意外」 の気持ち
を表し、ときに批判の気持ちを含む。If it should happen, I would be really surprised.(仮定法)と If it happens, I will be surprised.(条件法)の違いは、前者があくまでも非現実的な仮定の話として述べているのに対し、後者ではその可能性があると話し手が考えていることを示す。If the host computer should be down, . . . も同じく非現実的な仮定としての用法。いずれも Should it happen, . . . や Should the host computer be down, . . . のような倒置構文で使われることがある(文語表現)。
6) 躊躇・控え目・丁寧の should (= would)
[例文 9] I should like to meet with you sometime next week「.
思います」。
[例文 10] I should think so.「まあ、そう思いますが」。
来週のxxxお会いできればと
[例文 11] I should appreciate your co- operation.「ご協力に感謝します」。
Κ should like to は would like to と同じく「…したい」という意味の丁寧語法(should を使うのはおもに英国用法で、米国では would を使う)。言外に「もしできれば」というニュア
ンスを込めて丁寧さを表現したもの。I should think so. は I think so. をいくらか躊躇しながら、曖昧に表現したもの。いずれも would に交換可能(米国用法では would が普通)。
7) 意志xx/単純xx の shall の過去形 (= would)
[例文 12] He said that he should be a schoolteacher「.
彼は学校の教師になると言っていた」。
Κこの should は、I shall be a school teacher. という発言を間接話法にして主節に時制を一致させたもの(米国用法では I will be . . . が普通。したがって過去形でも He said that he would
be . . . となる)。なお、1 人称主語の意志/単純xx形は I/We shall . . . となるのが本来の形だが、一般に米国では will を使い、英国でも will で代用する傾向がある。ただし、xxとも話者の強い意志・決意を表すときは I/We shall . . . を用い、形式張った表現を意図する場合にも shall を用いることがある。
6. 不定冠詞の一般的用法
1) 「a+単数名詞」で「ひとつの、一人の (one)」の意味に用いる。
a) Mr. Xxxxxx is a friend of mine.
b) Give me a cup of tea.
2) 「a+単数名詞」で初めて話題にのぼるある物や人について、some あるいは certain の意に用いる。
a) Once upon a time there was a king.
b) I read a book on Japan yesterday.
c) I met an Englishman at the party.
Κ いずれも、2 度目に言及するときは He [The king] was . . . や It [The book] was . . . となる。ただし、1 と 2 の区別はかならずしも明瞭でなく、どちらの用法かは文脈によって判断
する。
3) 「a+単数名詞」で総称的に「どの、どれも、どれでも (any)」の意に用いる。
a) A dog is man’s best friend.
Κ この a dog は「1 匹の犬」という意味ではなく、any dog の意味で、おもに同種のものについて一般論を述べるときに使う表現。The dog is . . . や Dogs are . . . も可能。この意味で
の「The+単数名詞」は硬い表現。一般には無冠詞複数名詞 (Dogs are . . .) が好まれる。I like apples. のように目的語として使う場合は常に無冠詞複数形となる。
4) 「a+数量・割合・期間などを表す名詞」の形で、「…につき、…ごとに (each, every, per)」の意に用いる。
a) I go for a walk three times a week.
b) It costs six dollars an once.
5) 「a +序数詞」の形で another の意に用いる。
a) A second solution to the problem is to fire him.
Κ 序数詞には the を加えることを原則とするが、a second や a third などは順序を表さずに
another の意味になる。
6) 「a most+形容詞+名詞」の形で very の意に用いる。
a) This is a most important issue.
Κ 通例、最上級には定冠詞を加えるが、a most important issue のように a を使った場合は
very (または one of the most impor- tant issues) の意味になる。
7) 「a+物質名詞」で種類を表すときに用いる。
a) The police detected a poison gas.
b) They sell a good whiskey.
Κ gas と whiskey はいずれも物質名詞で、通例、無冠詞で使うが、不定冠詞を使って特定の種類を指すことがある。たとえば、a poison gas は「毒ガス」という種類の gas を指し、a good
whiskey は a good (kind of) whiskey の意味になる(関連解説は「種別冠詞」の項参照)。通常はその様態、形状、程度などを表す形容詞をともなう。ちなみに、Give me a coffee. のような用例は Give me a cup of coffee. の口語的省略形。
8) 「a+抽象名詞」でひとつの具体例を示す。
a) She’s a beauty.
b) It has been a pleasure working with you.
Κ beauty は「美」という意味の抽象名詞だが、これに a を加えてその具体例 を示す。同じく pleasure も「喜び」という抽象的な意味の単語だが、その具体的な事例のひとつとして述
べる場合には不定冠詞をともなって使う。
9) 「have/take/make a+動詞から派生した名詞」の形で動詞の代用として用いる。
a) Let’s have a drink.
b) May I take a look at it?
c) I always make a quick decision.
10) the same の意に用いる。
a) These are all of a sort. (= These are of the same sort.)
Κ ただしこの用法はイディオムやことわざ以外ではまれ。
●「種別冠詞」について
本来、「数えられない名詞 (uncountable noun)」である物質・質量名詞や抽象名詞には不定冠詞を加えないのが原則であるが、これらの名詞に限定的形容詞がつくと種別化の概念が起こり、不定冠詞をともなうことができる。たとえば、「ほこり」という意味の dust という名詞は、常識的に考えてひとつふたつと数えるような対象ではなく、当然 uncountable noun ということになる。したがって「あなたのパソコンはホコリをかぶっている」と言う場合には、Your PC (personal computer) is covered with dust. のように dust を無冠詞単数形で使う。しかし、これに (very) fine などの形容詞が加わると a (very) fine dust とすることができる。つまり、ただの「ほこり」ではなくて「(とても)細かなほこり」という種別化が起こるのである。dust と
同じように数えられない物質・質量名詞や抽象名詞はほかにもたくさんあるが、次のようにそのほとんどのものについてこれと同じ操作が可能である。
□time → a long time
□snow → a heavy snow
□rain → a cold rain
□metal → a rear metal
□concrete → a white concrete
□growth → a rapid growth
□demand → a great demand
□production→ a slow production
上記の例はいずれも名詞の前に限定的形容詞を置いた例であるが、このほかにたとえば a metal such as iron のように、後ろから限定的に修飾する場合も同じように不定冠詞を加えることができる。このように、ある不定形の物質または概念を量的、質的に同種の他のものからゆるやかに限定(種別化)するために使う不定冠詞を「種別冠詞 (classifying article)」と呼ぶ。
7. 定冠詞の一般的用法
1) 前に一度述べたことに再度言及するとき
a) In my previous paper, I discussed Since the paper was centered on the subject
of . . . , I propose that . . .
Κ この例では、第 2 文の paper は前出の my previous paper に対応し、読み手にとってすでに既知の情報である。したがって、ここでは the paper と定冠詞を使って限定することがで
きる。このように、前に出た名詞に言及する the を「2 度目の the」と呼ぶ。
2) 文の前後で名詞の意味が限定されるとき
a) This is the book which I was looking for.
b) I’m talking about the choice many women are now making to keep their own last name when they get married.
Κ通例、ある名詞の意味が特定の形容詞や修飾語句/節で限定されて使われた場には定冠詞
をともなう。上記の用例 a)では which 以下の関係詞節がその前の book を「…(していた)ところの本」という形で限定的に修飾し、用例 b)では choice の内容が、その後の記述によって具体的に限定されている。後者の場合も the choice that (…という選択)のように関係詞
の that を補足して考えるとわかりやすい。
ただし、その名詞の意味がなお不確定である場合やそれと同種のものが他に想定される場合、あるいは修飾語句/節があくまでも付加的なものにすぎず、それを省略しても文の意味が大きく変わらないようなケースでは、不定冠詞を用いたり無冠詞の複数形にすることがある。たと
えば次のような例である。
c) She was fired because of a habit which had nothing to do with her capability as secre- tary.
d) Another compromise is to adopt a brand-new last name that the husband and wife choose together.
用例 c)では、which 以下の節がその前の habit を修飾しているが、全体としては「ある習慣、くせ (a certain habit)」という意味であり、「その、あの、例の」と特定できるような限定の仕方にはなっていない。同じく、用例 d) の場合も that 節による限定はゆるやかであり、「その、あの、例の」と具体的に特定できるような限定にはなっていない。 なお、He became chief engineer and executive vice president of Japan Trading Co., Ltd. のようなセンテンスでは of以下のフレーズがその前の chief engineer and executive vice president を限定的に修飾しているが、役職名について言う場合は、その役職に就く人が一人である場合は通例無冠詞で使う(「定冠詞の慣用用法一覧表」の 35 参照)。
3) 初出の名詞でもその指すものが相手に了解される場合
a) Take out the test sample from the package and glue it onto the test surface as shown in the diagram. Then prepare two test strips by making three parallel cuts through the sample to the test surface.
Κこの例文はある instruction manual からとったものだが、ここでは冒頭から the が使わ
れている。これらの the は眼前に試験装置や図面あるいは instruction manual があって、それぞれの名詞が何を、あるいはどれを指しているのか明らかであり、お互いの了解事項として前述の「2 目の the」と同じような感覚で定冠詞を使っている(ただし、第 2 文の the はいずれも「2 度目の the」ということになる)。例文の意味は次のとおり:「袋からテストサンプルを取り出し、それを図のように試験面に接着してください。次にふたつの試験 片を作ります。これは、この接着したサンプルに 3 つの平行な切り込みを試験面まで刃先が付くように入れて作成します」。
4) 唯一無二のものを指す場合
a) the sun; the god; the Bible, etc.
b) the National Library; the White House; the River Nile, etc.
5) 「the+単数名詞」の形でその類全体にわたる一般的叙述をする場合
a) The telephone is a most useful tool.
b) I think the personal computer is the most useful invention of the 20th century.
Κこの用法の the は「いわゆる、かの」といった感じの総称を表わし、「あなたも知っているあの」というニュアンスを含む。これは書き手と読み手の間の生活文化が共通であるために、
すでにそれについて相互理解が成立していることを前提とする表現である(関連解説は「不定冠詞の一般的用法」の 3 参照)。なお、a) の a most useful tool は a very useful tool の意味(「不定冠詞の一般的用法」の 6 参照)。
6) 「the+単数名詞+to 不定詞」の形で「…するようなタイプの」という意を表す場合
a) He is not the man to do such a thing.
7) by の後で計量の「単位」を表す名詞をともなう場合
a) They sell it by the kilo. (キロ単位で)
b) He is employed by the day.(日雇いで)
8) 次のような構文で、前置詞の目的語が動詞の目的語を兼ねる場合
a) He took me by the hand.(手をつかんだ)
b) He looked me in the face.(顔を見た)
Κ この構文では前置詞の目的語が主動詞の目的語の「部分」を示し、「[…の]…を(つかんで、ひっぱって、見て)」などの意味になる。
9) 形容詞の最上級および序数詞とともに、また形容詞に加えて名詞化する場合
a) This is the best novel I’ve ever read.
b) The first lesson begins on April 1.
Κ best や first のほかに chief, extreme, main, leading, maximum, principal なども通例、
the とともに用いる。また above や following などの指示的形容詞も the をともなって使うのが普通。e.g. the above letter 「上記のレター」、 the following questions「以下の質問」。「the
+形容詞」の用例にはたとえば the rich(金持ち)などがある。
10) 択一・同一・唯一・全体を表す形容詞とともに
a) I have the same book as yours.
b) He is the only friend I have.
Κこのほかに、one, other, former, latter, very, identical, sole, whole, total, entire などの単語もその意味のうえから定冠詞をともなって使うのが普通。e.g. the very book「まさにその本」、
the total amount「総額」、the former and the latter「前者と後者」。
8. 定冠詞の慣用用法一覧表
1) 常に定冠詞をともなって使うケース
01□河川名 e.g. the Mississippi River, the Rhine, the Themes (River), the Nile River, the Kiso River, etc.
02□海洋名 e.g. the Pacific Ocean, the Japan Sea, the Mediterranean (Sea), the Atlantic (Ocean), etc.
03□半島名 e.g. the Malay Peninsula, the Izu Peninsula, etc. 04□砂漠名 e.g. the Sahara Desert, the Gobi Desert, etc.
05□運河名 e.g. the Suez Canal >ただし「海峡 (strait[s])」は the Straits of Dover のように定
冠詞をともなうのが普通。
06□山脈名 e.g. the Rocky Mountains (the Rockies), the Alps, the Taisetsu Mountains, etc. 07□地域名 >境界線のはっきりしないような広い地方名は定冠詞をともなって使う。e.g. the
Far East, the Sahara (Desert), the Arctic, the Orient, the Lake District, the Ginza, etc.
08□公共xx物 >一般に公共xx物の名称は定冠詞をともなう。ただし例外も多く、要は個々のケースごとの慣用による。e.g.(定冠詞)the Empire State Building, the Albert Hall, the National Gallery, the Globe Theatre, the British Museum, the Tower of London, etc. (無冠詞)Carnegie Hall, Westminster Abbey, Buckingham Palace, London Bridge, etc.
09□船名 e.g. the Titanic, the Queen Xxxxx, the Asahi Maru, etc. >ただし、頭に H.M.S. (= His
or Her Majesty’s Ship) がつく場合は the を省く。
10□ホテル名 e.g. the Hilton Hotel, the Kings Hotel, the Imperial Hotel, etc.
11□楽器 >楽器を弾くという場合は必ず the をともなって to play the piano (the violin, the flute, etc.) のようになる。なお、不定冠詞の a がつくときは「ピアノを弾く」という意味ではなくて、たとえば I have to play a piano which is not properly tuned.(調子の狂ったピアノを弾く)のように限定された特別な場合にかぎる。
12□国民・種族・宗派 >英国人、日本人などのように国民全体を総括的に指す場合は the を
ともなって the British, the Briton, the Americans, the Japanese のようにいう(ただし米国人が自分たちを指していう場合は通例、定冠詞なしで Americans というのが普通)。また、あるグループを一括して呼ぶときにも定冠詞をともなって the Radicals(急進派)とか the Christians(キリスト者)のようにいう。
13□雑誌・新聞名 >雑誌・新聞・書籍名は名称の一部として the をともなうことが多いが、無
冠詞のこともある。要はそれぞれの出版者や著者がつけた名称で呼ぶのが正しい。e.g.(定冠詞)The Reader’s Digest, The Times, The Saturday Evening Post, The Concise Oxford Dictionary, The New York Times, etc.(無冠詞)Time, Life, Newsweek, etc. なお、文中に雑誌・新聞・書籍名を引用するときはイタリック体にするかアンダーラインを加えるのが普通(記事のタイトルは引用符で囲む)。
14□定理・法則 >人名に由来する定理・法則などは通常 the Suzuki Equation のように定冠詞を加える。ただし、Chebysheve’s Theorem のように所有格の形で通称されているものは除く。
15□家族・故人名 >人名は原則として無冠詞だが、家族名や故人名を表す場合には the Ya-
madas (= the Yamada family), The late Xxxx X. Xxxxxxx のように the をともなう。
16□of-phrase を含む固有名詞、および形容詞を含む固有名詞 e.g. the United States of Amer- ica, the Republic of Korea, the University of Chicago, the Bank of America, the Emperor of Japan, the Secretary of State, etc.
2) 常に無冠詞で使うケース
17□固有名詞 >ただし of-phrase を含む固有名詞及び形容詞を含む固有名詞の場合には例外がある。
18□抽象名詞 >ただし特定のものを指す場合は the をともなう。e.g. The honesty of my friend, Xxxx, is above question.
19□物質名詞 >ただし特定のものを指す場合は the をともなう。 e.g. The oil I bought yes-
terday was of poor quality.
20□国名 >国名は一般に無冠詞だが、the United States of America, the United Kingdom, the Italian Republic, the People’s Republic of Chine など政治形態を表す形容詞がついた国名、および the West Indies, the Philippines など集合体からなる国名は定冠詞を必要とする。
21□大陸・地方名 x.x. Asia, North America, Europe. etc. >ただし the Gold Coast, the Far East,
the Lake District など地域名には定冠詞を加える。
22□州・市町村名 > California, Ontario, Kanagawa, Chicago, Paris など、州名や市町村名は無冠詞。ただし The Hague は例外。また the City of New York とか the Village of Springfield などのように of-phrase をともなう場合も例外。
23□街路名 e.g. Fifth Avenue, Market Street, Washington Square, etc.
24□湾名 e.g. San Francisco Bay. >ただし the Bay of Pigs のように of-phrase をともなう場合は the を必要とする。また、一般に gulf と呼ばれている湾名は the をともなって the Gulf of Mexico のようにいうのが普通。
25□xx x.x. Mt. Everest (Mount Everest), Mt. Fuji, etc. >ただし、山脈名には the を加える。
26□湖水名 e.g. Lake Michigan, Lake Erie, Lake Suwa, etc. >ただし、the Great Lakes のように、湖水群に対しては the を冠する。また of-phrase を含む場合も the を冠して the Lake of Geneva のようにする。
27□xx x.x. Guam, Easter Island, etc. >ただし、the Philippine Islands のような群島名に対し
ては the を冠する。
28□ゲ-ム類の名称 >ゲ-ムやスポ-ツは to play baseball (tennis, football, hockey, etc.) あるいは to play billiards (bridge, chess, etc.) などのように無冠詞で使う。
29□大学名 >大学名の呼び方には 2 種類あって、Oxford University, Columbia University, Eaton College, Meiji University などのように固有名詞、または固有名詞的名称をともなう場合は無冠詞だが、the University of Chicago, the University of Waterloo, the University of Tokyo のように of-phrase に所在地を示す都市・地域名を使った場合には定冠詞を加えるのが普通(ただし例外も多い)。
30□駅名・空港名 >駅名や空港名は Victoria Street Station, Union Station, Narita Airport な
どのように無冠詞とするのが原則(ただし、まれに定冠詞をともなう用例がある)。
31□言語名 >言語名は普通 German, English, French, etc. のように無冠詞だが、the Japanese language のようにいう場合や “Ohayo” is the Japanese for “good morning.” のようなコンテクストでは the が必要になる。
32□人名 >人名を含めて固有名詞は一般に無冠詞だが、それが何を、あるいはだれを指すのか
明らかでない場合には the を加えることがある。e.g. The Xxxx Xxxxxxxx whom I knew in the college visited me yesterday.(単に I met Xxxx Xxxxxxxx last week. のように言う場合は、Xxxx Xxxxxxxx というのがだれのことか聞き手が知っていることが前提となる)。なお、人名の特殊な使い方として He is an Edison. のような表現があるが、これは「彼はエジソンのような人間(あるいは天才)だ」という意味。故人名と家族名については 15参照。
33□曜日・月・季節名 >曜日と月名は原則として無冠詞(曜日と月名は常に語頭を大文字にす
る)。季節名の場合は the はあってもなくてもよい(語頭は小文字表記が普通)。ただし、 the Monday before last; the August of 19--; in the summer of 19-- などのように特定の曜日・月・季節を指す場合には the を必要とする。「日曜日にはいつも」という意味では on Sunday と on Sundays のいずれも可(後者のほうが習慣性の気持ちが強い)。on a Sundayは「ある日曜日(on one Sunday)」の意味。形容詞がつく場合にも on a fine Sunday のように不定冠詞を加える。
34□食事名 > breakfast, lunch, dinner, supper など規則的に繰り返される食事名には冠詞を加
えない。ただし、特定のものを指す場合には、必要に応じて定冠詞あるいは不定冠詞を加えることがある。e.g. I had a special dinner yesterday. The breakfast we had at Macdo- nald’s yesterday was really good.
35□職名・タイトル > manager, president, professor などのような職名あるいはタイトルは、
通例、その役職にある人がひとりだけの場合は無冠詞 (e.g. Mr. Xxxxxx, manager of the international division; Dr. Xxx, professor of economics at Oxford University) で使い、複数の中のひとりである場合は不定冠詞をともなう (e.g. Mr. Xxxxxx, a new vice president; Ms. Xxxx, a professor of physics at Harvard University)。ただし、前者の場合でも特に強調したい場合は定冠詞を加えることがある (e.g. Mr. Xxxxxx, [who is] the manager of the international division, . . . )。Professor Xxxxx や Captain Xxxx のように人名の前にタイトルを加える場合は常に無冠詞で使う。関連解説は第 5 章掲載の Form Letter No. CG-100 の
「コメント」(p. 403) 参照。
36□公共的施設 >一般に school とか church などのような公共的施設について、その施設自体を具体的・物理的に指すときには冠詞を加え (e.g. I visited the school last week. He built the church.)、その施設の目的とか機能に関連して用いられる場合には無冠詞となる (e.g. We go to school five days a week. He goes to church every Sunday.)。したがって、go to court [prison, hospital] のように無冠詞で使った場合はそれぞれ「出廷する [服役する、
入院する]」の意味になる。なお、米国では go to college と同じ意味で go to the university と定冠詞(または不定冠詞)を加えることがある。英国では go to university が普通。ま た、通例、米国議会 (Congress) は語頭を大文字にして無冠詞で使うが、the U.S. Congress という形で使う場合は定冠詞をともなうのが普通。日本の国会 (the Diet) は定冠詞を加え たうえで語頭を大文字表記にする(ただし、Newsweek などの英文時事雑誌では、Diet と いう名称そのものが米国で一般的でないため、the Japanese Parliament とすることが多い)。
37□対句 >ふたつの名詞が接続詞 and あるいは前置詞で密接に結合されて双対・対照などの意
味を表す場合は習慣的に冠詞を省くことがある。e.g. 1) We are man and wife. 2) Sun and rain have melted the snow. 3) Please write it with pen and ink. 4) from beginning to end;
5) from hand to hand; 6) face to face; etc. 同じように、あるまとまった一組の名詞(概念)に対しては冠詞は初めに一度だけ使う。e.g. a cup and saucer; the French and English languages, etc.
9. 冠詞判定ダイアグラム
このダイアグラムの使い方:あるセンテンスの中から任意の名詞を取り出し、その名詞について、ひとつずつ以下のフローチャートの質問に答えていきます 1)。
START
判 定 対 象 名 詞 ( )
不明の場合は辞書で確認
No/?
Yes
No/?
種別化されているか 2)
Κ無冠詞 Κ a/an
「その、あの、例の」と特定できるもの、既知のものを指しているか
No
数えられる名詞か
?
Yes
Yes
Κ the
「その、あの、例の」と特定できるもの、既知のものを指しているか
No
単数名詞か
「その、あの、例の」と特定できるもの、既知のものを指しているか
Yes
Yes
No/?
Κ無冠詞複数形 Κ the+複数形
Yes
No/?
Κ a/an+単数形
Κ the+単数形
1) 慣用的な冠詞の用法については「定冠詞の慣用用法一覧表」(pp. 569-572) 参照。
2) 種別化 → 通常は「数えられない」とされている抽象名詞・物質名詞に、限定的な修飾語句(通常は
「様態」を表す形容詞)を加えることによって同種の他のものとゆるやかに区別すること。このような種別化された名詞に加える不定冠詞を「種別冠詞」(pp. 565-566) と呼ぶ。ただし、一般にイディオムでは種別冠詞は使用しない(無冠詞で使うイディオムは常に無冠詞。たとえば (be) in demand や make progressのようなイディオムは great や little その他の形容詞を伴なう場合でも、それぞれ (be) in great demandおよび make little progress のように無冠詞で使う)。
10. 代表的な連結詞・移行詞とその用例
英文ライティングでは、文と文およびパラグラフとパラグラフの論理的つながりを明確にするための「談話標識 (discourse markers)」のひとつとして、however, therefore, in addition などの連結詞・移行詞を頻繁に使う。これらの「つなぎ言葉」をいかにうまく使いこなすかが、わかりやすい英文を書くうえでの重要なポイントのひとつになる。次の一覧表はこうした連結詞・移行詞のうち比較的よく使われるものを機能・役割別にリストアップしたものである。参考までに、次ページ以下にそれぞれの連結詞・移行詞の用例も掲載しておく。
機能・役割
連結詞・移行詞の例
1) 例 を 挙 げ る for instance; for example; such as
2) 順 番 に 列 挙 す る First [of all], Second[ly] ; First . . . Then . . . ; to begin
with; in the first place; for one thing; for another
3) 追 加 ・ 詳 述 す る in addition; in addition to; moreover; furthermore; also; besides
4) 言い換える・明確化する in other words; namely
5) 強 調 す る indeed; in fact
6) 特に重要なものを指摘する in particular; above all; among other things; most
important [of all]; more important; equally important
7) 議論を転回する;反証・反論を提示する
8) 譲歩・肯定する;譲歩しながら話を転回する
however; but; nevertheless; yet; still
even so; even though/if; although; admittedly; of course; it is true [that]
9) 比 較 ・ 対 照 す る by contrast; in contrast; in contrast to; on the
contrary; on the other hand; similarly
10) 一 般 化 す る generally speaking; on the whole
11) 条 件 ・ 前 提 を 示 す on condition [that]; provided [that]; given;
considering
12) 理 由 ・ 原 因 を 述 べ る because; since; because of; due to; owing to
13) 話 題 を 変 え る meanwhile; in the meantime
14) 話題を絞って話をつなげる in this regard; in this respect
15) 結 果 ・ 結 論 を 示 す therefore; accordingly; as a result; consequently
16) 話 を ま と め る in summary; in conclusion; in sum; in any event;
in short; thus; all things considered; after all
1) 例を挙げる
□for instance(たとえば)
• Phoenix, Arizona, for instance, allowed private contractors to bid against city gar- bage-collection crews and spurred both to become more efficient. (TIME, Dec. 14, 1992)
• He is so intent on finding domestic culprits, for instance, that he ignores the role of oil embargoes in the high inflation rates of the 1970s. (TIME, Dec. 28, 1992)
□for example(たとえば)
• For example, Xxxxxxx’x own advisers privately concede that a plan to raise $45 billion by closing tax loopholes on foreign corporations would probably net closer to $5 billion. (TIME, Nov. 23, 1992)
• While 45 journalists died covering Vietnam over 15 years, for example, at least 27 have been killed in Yugoslavia in just 18 months. (TIME, Dec. 28, 1992)
□such as(…のような)
• [Blues guitarist] Xxxxxx Xxxx was a black genius who influenced younger white supers- tars such as Xxxxxx Xxx Xxxxxxx and Xxxx Xxxxxxx. (TIME, Jan. 1, 1993)
• The survey . . . found that most so-called Hispanics and Latinos don’t think of them- selves in those terms. More than two-thirds prefer national-origin labels such as Mex- ican American. (TIME, Dec. 28, 1992)
2) 順番に列挙する
□First [of all], . . . Second[ly], . . . (第 1 に [まず最初に]、第 2 に… [次に])
• First, I can help patients only in southeastern Michigan; and you have already stated willingness to travel. Second, the service cannot be performed in any rented facility be- cause of potential legal difficulties. (TIME, Dec. 29, 1992)
• First of all, I would really appreciate it if you would send me two or three sample issues of your magazine. Secondly, I would like to ask you the following questions:
• [The Clinton administration] repeatedly mentions that Japan’s level of manufactured imports is very low. [But I must say this is wrong.] First of all, Japanese imports from the United States have doubled since 1985. Secondly, Japan is the second largest impor- ter from the U.S., following Canada. And Japan’s imports from the States are as big as the U.S.’s total exports to England, France and Italy. (Newsweek, Aug. 16, 1993)
□First . . . Then . . .(まず…、それから…)
• First the Hubble Space Telescope was going to revolutionize astronomy with its super- sharp vision. Then it was condemned as a $1.5 billion dud when its mirror was found to have the wrong shape. (TIME, Jan. 4, 1993)
• First he satirized the macho sport by wrestling women, crowning himself the Inter- gender Champion. Then he launched a feud with Memphis, Tennessee, wrestler Xxxxx Xxxxxx, and things began to get out of hand. (TIME, Dec. 28, 1992)
□to begin with(まず最初に; 手始めに; そもそも)
• To begin with, Japan’s special sort of samurai work ethic will be under assault. (TIME,
Oct. 15, 1992)
• There is no turning back for many of them, and if their marriages are bad to begin with, they sometimes crack up. (TIME, Mar. 20, 1972)
□in the first place(第 1 に; まず最初に)
• In the first place, Xxxx’x extravagant popularity in the wake of the [Gulf] war per- suaded the supposed front-line Democratic possibilities, including . . . Xxxxxxxxx Xxxx- xxx Xx Xxxx, among others, to stay out of the race. (TIME, Jan. 4, 1973)
□for one thing(ひとつには)
• For one thing, director Xxx Xxxxxx’x realization of this passage is an omen of all the crispness to come in an extraordinarily well-made movie, which wastes no words or images in telling a conventional but compelling story. All its scenes have been polished till they shine like brass belt buckles at a regimental parade. More important, . . . (TIME, Dec. 14, 1992)
□for another(もうひとつには)
• [For one thing, learning to use a word processor can save you a lot of time.] For another, being able to use a word processor can also save you a fair amount of money. Above all, . . .
• [For one thing, it is the most common form of cancer found in women: about one in ten will eventually be stricken, and the American Cancer Society estimates that 130,000 new cases will be diagnosed this year alone.] For another, it will cause approximately 41,000 deaths among females in 1987, and this is second only to a projected total of 44,000 for the less prevalent but deadlier lung cancer. For all these reasons, . . . (TIME, May 18, 1987)
3) 追加・詳述する
□in addition(さらに)
• In addition, Disney officials said enactment of Xxxxxxx’x corporate-tax proposals could also have cost the company as much as $100 million if the executives had hesitated. (TIME, Dec. 14, 1992)
• In addition, market forces often work perversely to hasten the demise of species and resources. (TIME, Oct 15, 1992)
□in addition to(…に加えて)
• In addition to strengthening social-service agencies and enforcing laws that require re- porting of suspected abuse, experts recommend school-based programs that teach pa- renting skills to would-be mothers and fathers. (TIME, Nov. 23, 1992)
• Xxxxxxx said last week that in addition to the money he had already received, Xxxxx of- fered him $500,000 not to talk to the press about the campaign. (TIME, Oct. 12, 1992)
□moreover(さらに)
• Moreover, only those banks that show no progress toward boosting their capital will be taken over, regulators said. (TIME, Nov. 2, 1992)
• Those successes in the leap to the free market, moreover, are largely due to the man at the top. (TIME, Jan. 4, 1993)
□furthermore(そのうえ; さらに)
• Furthermore, they could record these deeds in the world's first written language. (TIME, Oct. 26, 1992)
• Furthermore, the Governor has implemented a welfare-reform plan, requiring able-bodied recipients to undergo training or schooling, and imposing penalties if they do not. (TIME, Jan. 27, 1992)
□also(また)
• Also, more than 65% feel that there are too many immigrants. (TIME, Dec. 28, 1992)
• The FCC also warned that any such future violations could lead to a loss of Infinity’s broadcast license. (TIME, Dec. 28, 1992)
□besides(おまけに; そのうえ; …に加えて)
• Besides, if you're religious in a conventional sense, you probably don’t seek theological guidance from physicists. (TIME, Dec. 28, 1992)
• “Besides being smart as hell, Xxx has the temperament to manage competing egos,” says Xxxxx Xxxxxx, a Xxxxxxx economic-policy adviser. (TIME, Nov. 23, 1992)
4) 言い換える・明確化する
□in other words(言い換えれば)
• In other words, Xxxxxxxx 8 is adult entertainment in the best, traditional sense of the term. (TIME, Nov. 9, 1992)
• The comedy depends on a knowledge of the original stories; given that, the pictures are obvious and excessive. In other words, ideal kid stuff. (TIME, Dec. 21, 1992)
□namely(すなわち)
• The slogan of liberty really means freedom of economy-namely, for everybody to grab for himself without state control. (TIME, Dec. 23, 1940)
• For the moment, the White House has decided against doing so, in the believe that the Soviets will soon resume the INF talks on Xxxxxx’x terms, namely by accepting dep- loyment of some new U.S. missiles in Western Europe. (TIME, Jan. 1, 1984)
5) 強調する
□indeed(実際 […である])
• Indeed, divorce can leave women with frightful scars. (TIME, Dec. 28, 1992)
• Indeed, companies that actively pursue the black market run the risk of being criticized for stereotyping black consumers or exploiting them. (TIME, Aug. 31, 1992)
□in fact(実際)
• In fact, as an incurable optimist, Xxxxxxx actually became exhilarated. (TIME, Jan. 4, 1993)
• This would be among the best books of any year. In fact it was. (TIME, Jan. 4, 1993)
6) 特に重要なものを指摘する
□in particular(特に; とりわけ […は])
• Businessmen in particular are balking as the depth of Beijing’s opposition sinks in. (TIME, Jan. 4, 1993)
• In particular, they disdain his reluctance to hammer gay-rights activism as some other Republicans do. (TIME, Aug. 31, 1992)
□above all(とりわけ; 何よりも)
• Above all, she relied on Buckingham Palace for entree. A “royal rota pass” granted her temporary access to view the prince and princess in action. (TIME, Nov. 32, 1992)
• Above all, sexuality has to do with intimacy, especially physical intimacy, and military service can be intensely intimate. (TIME, Nov. 30, 1992)
□among other things(中でも; とりわけ)
• Among other things, I would particularly like to point out that he received his MBA degree at Harvard and worked for the ABC Corporation in the U.S. for 5 years.
• Among other things, Japan has agreed to help U.S. semiconductor producers achieve a 20 percent share of the Japanese market. (CRS Review, Feb.-Mar. 1992)
□most important [of all]([中でも] 最も重要なのは […である])
• Most important, inmates feel they have an advocate in Xxxxxxx at a time when the courts and the Louisiana legislature seem bent on locking up felons and throwing away the key. (TIME, Dec. 14, 1992)
• And most important, what should be done with expertise developed in these centers? (TIME, Nov. 23, 1992)
□more important(さらに重要なのは […である])
• More important, metaphorically the few good men of that drill team have attained the military ideal-perfect order, perfect discipline. (TIME, Dec. 14, 1992)
• More important than sex in determining how they will vote are education, class, ethnic background, race, religion or even whim. (TIME, Mar. 20, 1972)
□equally important(同じく重要なのは […である])
• Equally important, ERA would add a certain symbolic weight to the women's move- ment. (TIME, Dec. 5, 1977)
• Perhaps equally important is the fact that once bitten, most chile lovers keep coming back for more. “Hot peppers are here to stay,” says Xxx. (TIME, Oct. 12, 1992)
7) 議論を転回する、反証・反論を提示する
□however(しかしながら)
• Job reductions alone, however, will not be enough to restore IBM’s competitive edge. (TIME, Dec. 28, 1992)
• The Queen Mother attended the wedding of Queen Xxxxxxxxx XX’x only daughter to a na- val commander. However, the newly separated Dixxx, Xxxxxxxx xx Xxxxx, xxx xxxxxx.
(XXXX, Xxx. 00, 0000)
□but(しかし)
• But his decision to grant pardons to six Iran-contra defendants may have the opposite effect. (TIME, Jan. 4, 1993)
• But don’t assume that the more controversial ideas in Xxxx’x book, like taxes on car- bon-dioxide emissions, will win approval from his boss, much less Congress. (TIME, Jan. 4, 1993)
□nevertheless(にもかかわらず; それでもなお)
• Nevertheless, ensuring a stable and prosperous Russia is of vital interest to the whole world. (TIME, Dec. 7, 1992)
• Nevertheless, some blacks are put off by the idea of being treated as a monolithic entity instead of as individuals with tastes as diverse as anyone else’s. (TIME, Aug. 31, 1992)
□yet(それでも; だがしかし)
• Xxx Xxxxx died of brain cancer in 1970 at 34, an age at which most artists’ careers are barely under way. Yet no American sculptor in her generation has more to tell us, through her work, about being a woman. (TIME, Dec. 28, 1992)
• Yet the more we monkey with nature, the more we seek assurance that somewhere it is beyond our tinkering. (TIME, Dec. 28, 1992)
□still(それでも [なお] ; だがしかし; 依然として)
• Still some Somali leaders discount a major backlash because, they say, the people are sick and tired of the violence. (TIME, Dec. 28, 1992)
• Still, analysts insist that IBM must get even leaner-perhaps paring at least 50,000 more jobs within the next two years-if it is to meet the challenge from smaller and nimbler competitors. (TIME, Dec. 28, 1992)
8) 譲歩・肯定する、譲歩しながら話を転回する
□even so(そうだとしても; それでも)
• Even so, tens of thousands of lasers would have to be designed, tested and built before the first CFC molecule could get zapped. (TIME, Feb. 17, 1992)
• Even so, analysts are concerned that the industry’s exposure to Hurricane Xxxxxx will grow as households and businesses gather more information about their losses. (TIME, Oct. 12, 1992)
□even though/if(…だとしても; …にもかかわらず)
• Why does the Japanese government object to the semiconductor agreement, even though it helps both Japanese and American producers?
• But even if he doesn’t, U.S. officials said, the decision should be made regardless of Ai- did’s views. (TIME, Dec. 7, 1992)
□although(…だけれども)
• Although quick to anger when crossed, he had an easy, charismatic charm, especially when playing expansive host. (TIME, Jan. 4, 1993)
• Although more than 22 million Hispanics live in the U.S., experts say there’s precious little information on their political attitudes. (TIME, Dec. 28, 1992)
□admittedly(明らかに […だ (が) ]; …ということは認める [として])
• Admittedly, personal traits and habits often influence who will develop RSI, or repeti- tive stress injuries. (TIME, Oct. 12, 1992)
• Admittedly, the energy requirement would still be exorbitant, but Xxxx believes that a 20-fold improvement in the overall efficiency of this approach could make it feasible. (TIME, Feb. 17, 1992)
□of course(もちろん)
• Of course, when Xxxxxxx says God, he doesn’t mean God. He isn’t talking about a personal deity, any more than Xxxxxxxx was when he doubted that God would “play dice” with the universe. (TIME, Dec. 28, 1992)
• Our intent, of course, is not to define Xxxxxx’x beliefs but to help readers understand the evolving relationship between the spiritual and empirical worlds. (TIME, Dec. 28, 1992)
□it is true [that] . . .(たしかに […は] …だ)
• It is true that Xxxxxx Xxxxxxx has imposed himself on Iraqis, but he is an Iraqi. The Iraqi people have been struggling against him for a long time; I don’t think any other country in the world has seen so many of its citizens leave as a result of a regime’s cru- elty. (TIME, Nov. 30, 1992)
• Although it is true that Xxxxxxxxx is organized, inspired, financed and armed by Iran, its main bases in Lebanon’s Bekaa Valley are under Syrian military control. (TIME, Nov. 30, 1992)
9) 比較・対照する
□by contrast(対照的に)
• By contrast, Michigan law has banned the death penalty for 146 years. (TIME, Dec. 7, 1992)
• Crickets, by contrast, make high-frequency chirps that require mechanisms much akin to eardrums to hear these sounds. (TIME, Nov. 23, 1992)
□in contrast(対照的に)
• In contrast, Xxxxxxx from the very first had poured money and organizational effort into Illinois. (TIME, Nov. 2, 1992)
• Applied scientists, in contrast, have a social goal in mind. They take the knowledge gained from basic science and try to apply it to solving a problem or creating a new technology. (TIME, Nov. 23, 1992)
□in contrast to(…とは対照的に)
• In contrast to the parliamentary democracies and their endless reshuffling of shopworn faces, America stands unique in its willingness to entrust power to outsiders. (TIME, Dec. 14, 1992)
• In contrast to the earlier criminal case, moreover, federal prosecutors can examine the
records of the defendants in other arrests, dig into their personnel files and even probe their conversations for evidence of prejudicial attitudes or a propensity toward brutality. (TIME, Aug. 17, 1992)
□on the contrary(逆に; それどころか [反対に])
• On the contrary, Xxxxx’x experience suggests that Xxxxxxx and Xxxx missed an opportu- nity to use similar outspokenness in order to develop a mandate for bullet-biting reform. (TIME, Nov. 16, 1992)
• But that did not do us any harm. On the contrary, it made us more aggressive. (TIME, Aug. 10, 1992)
□on the other hand(一方)
• Most of the professionals represented here will be familiar names to museumgoers. On the other hand, the outsiders are mostly unknown or recognizable by name only. (TIME, Dec. 14, 1992)
• American industry demanded a 20 percent market share of foreign chips in Japan. The Japanese government recognized that as an expectation, not a commitment. The Ameri- can side, on the other hand, took it as a commitment and threatened sanctions. (News- week, Aug. 16, 1993)
□similarly(同様に)
• Similarly, it is unclear that the presence of avowed homosexuals will adversely affect recruiting. (TIME, Nov. 30, 1992)
• Similarly, the G.O.P. sought to hold its conservative base by giving a large megaphone to its antiabortion faction. (TIME, Nov. 16, 1992)
10) 一般化する
□generally speaking(一般的に言えば)
• Generally speaking, the cities that have had luck in annexing were the ones that were not too troubled or low income to begin with. (TIME, May 18, 1992)
• Yet, generally speaking, the imponderable will of God was easier to predict than the course of human affairs. (TIME, Oct. 15, 1992)
□on the whole(全体として)
• On the whole, in fact, both major-party nominees saw eye to eye on the country’s global role. (TIME, Nov. 16, 1992)
• On the whole, I think it is high time we considered launching a serious reform in the United Nations. The world has changed and certain areas of U.N. activities have lost their relevance. (Xxxxx Xxxxxx at the U.N. Security Council Meeting, 1992)
11) 条件・前提を示す
□on condition [that](…という条件で)
• Neighboring Armenia had granted Xxxxxxxxxxxx a safe haven on condition that he ab- stain from politics. (TIME, Jan. 27, 1992)
• He has expelled some foreign terrorists from Syrian-controlled Lebanon and has re- portedly told others that they can stay in the Bekaa Valley only on condition that they do not venture forth to hit Western targets. (TIME, Apr. 6, 1992)
□provided [that](…という条件で; …であるとして/とすれば)
• Pentagon sources say an additional 15,000 or more [U.S. marines] would be ready, pro- vided that the U.N. Security Council approves the initiative this week. (TIME, Dec. 7, 1992)
• Using virtual reality, we’ll be able to celebrate with 5 billion people in a room at one time- provided there are enough hors d’oeuvres and we don’t run out of champagne. (TIME, Oct. 15, 1992)
□given(…と仮定して; …だとして/とすれば; …という条件・前提で考えると)
• Given the state of network news these days, viewers seldom encounter such probing, useful journalism. (TIME, Jan. 4, 1993)
• Only the U.S. could even attempt the job of disarmament. The French and Italian troops would never have the trust of the Somalis, given their colonial histories in the region. (TIME, Dec. 28, 1992)
□considering(…ということを考慮して/すれば)
• Considering the rapid pace of change, we can’t predict all the news that the 21st century will bring, but many challenges and opportunities are already coming into view. (TIME, Oct. 5, 1992)
• “There comes a point when the investment is simply too great, considering the tiny risks involved,” says Xxxxx Xxxxxx, Deputy Assistant Secretary of the Army for Envi- ronment. Perhaps. But considering the scale of military pollution, and its potential ha- zard to millions of Americans living near tainted installations, that point is still a long way off. (TIME, Nov. 9, 1992)
12) 理由・原因を述べる
□because(…ので)
• Because it is framed around the Civil War, the [TV] series seems unduly repetitive of Xxxxx’ work. The writing is uninspired. And there is a woeful shortage of analysis. (TIME, Dec. 28, 1992)
• In 1986 he and his two brothers were barred from school in Arcadia, Florida, because
they had contracted AIDS during hemophilia treatments. (TIME, Dec. 28, 1992)
□since(…ので)
• Since the attack was directed against Turkish resident workers, more than 1.7 million of whom currently live in Germany, it stoked fears that the far right was lengthening its list of enemies beyond asylum seekers. (TIME, Dec. 7, 1992)
• The execution of condemned murderers seemed an extravagant waste, since controver- sial drugs and surgical techniques could be tested on criminal volunteers. (TIME, Dec. 28, 1992)
□because of(…のために)
• In part because of the emergence of AIDS, in part because of breakdowns in public health services, the incidence of tuberculosis has jumped 25% since 1984, when 22,000 cases were documented in the U.S. (TIME, Dec. 21, 1992)
• Xxxxxxx Xxxxx is a prime national asset to the Republican Party, not only because of his political skill but also because of his genuine appeal to the U.S. electorate. (TIME, Nov. 5, 1956)
□due to(…のために; …のせいで)
• The overwhelming rejection of Xxxxxxxxx in the new Commonwealth-still surprising to many Westerners-is due mostly to his unfulfilled promises. (TIME, Jan. 6, 1992)
• Men now suffer from more diseases due to stress, heart attacks, ulcers, a higher suicide rate, greater difficulty living alone, less adaptability to change and, in general, a shorter life span than women. (TIME, Aug. 31, 1970)
□owing to(…のために; …のせいで)
• The market has climbed 37% under Xxxx but has behaved erratically in recent months
owing to a dismal U.S. economy and global currency turmoil. (TIME, Nov. 2, 1992)
• But that has been changing dramatically owing to the rapid pace of deregulation and emerging new technologies. (TIME, Feb. 24, 1992)
13) 話題を変える
□meanwhile(一方; さて [話は変わって]; ところで)
• Meanwhile, the two vandals were arrested under the very democratic principles that a century of Klansmen have never understood. (TIME, Jan. 4, 1993)
• Meanwhile, Xxxxxxx and Xxxx have used TV ads to trade volleys over their own eco- nomic policies. (TIME, Oct. 19, 1992)
□in the meantime (一方; さて [話は変わって])
• In the meantime, Queen Xxxxxxxxx XX, 66, must hang in there, as she has for 40 years; her family has not allowed her an easeful old age. (TIME, Dec. 21, 1992)
• In the meantime, many firms are speeding up annual bonus payments they would nor- mally have made early next year. (TIME, Dec. 14, 1992)
14) 話題を絞って話をつなげる
□in this regard(この点に関して)
• Though hardly saintly in this regard, Xxxxxx Xxxx was not off base in charging that Xxxxxxx’x tendency to waffle on tough issues was worrisome. (TIME, Nov. 16, 1992)
• Our job is personal finance: contriving somehow to spend less than we earn, and then deciding, in broad strokes, how to deploy the balance. In this regard, I have long advo- cated a four-prong strategy. (TIME, Nov. 2, 1992)
□in this respect(この点に関して)
• The Horn of Africa is no longer the cockpit of East-West competition that it was during the cold war. In this respect too, Somalia has been a black hole-a dark spot in the un- iverse of the big powers’ strategic concerns. (TIME, Nov. 14, 1992)
• What they say in this respect is one thing; what their convictions are is another. (TIME, Nov. 30, 1992)
15) 結果・結論を示す
□therefore(それゆえに; したがって)
• Therefore, I must ask if you have any relative or friends in this area who could make a privately-owned domicile available for your use. (TIME, Dec. 29, 1992)
• The goal is to detect cancer while it is still confined to the prostate and therefore more likely to be curable. (TIME, Oct. 5, 1992)
□accordingly(それに応じて; それゆえに; したがって)
• Accordingly, each holiday season brings yet another wave of musical tidings from per- formers hoping to cash in. (TIME, Nov. 30, 1992)
• Xxxxxx Xxxx sees his life as a series of “missions assigned” and “missions accom- plished.” Accordingly, he set several goals for himself at the Republican Convention in Houston. (TIME, Aug. 31, 1992)
□as a result([その] 結果として; 結果的に)
• As a result, many cafes have beefed up their menus and make up the lost zinc trade from office workers who no longer go home for lunch. (TIME, Dec. 28, 1992)
• But then, many reporters-whether they cover the Kremlin, the White House or city hall
-echo their sources’ views and are given inside information as a result. (TIME, Dec. 28, 1992)
□consequently(その結果; したがって; 必然的に)
• Consequently, he built up trust. Other leaders think he is responsible and applaud his conduct during the Gulf War. (TIME, Nov. 23, 1992)
• Consequently, many doctors are apt to ignore a slight irregularity in women’s electro- cardiograms. (TIME, Nov. 9, 1992)
16) 話をまとめる
□in summary(要するに)
• In summary . . . the deficit problem is growing worse and must be dealt with through a multiyear, specific deficit-reduction program with real targets, one that is published now and shows significant progress in this decade. (TIME, Jan. 4, 1993)
• In summary, U.S. nuclear policy decisions are responding to the end of the cold war threat, the current primacy of U.S. military power, and harsh budget realities. (CRS Re- view, Apr.-May, 1992)
□in conclusion(結論として)
• In conclusion, a successful North American Free Trade Agreement can be part of a new paradigm for the United States in the post-cold War era. (U.S. Department of State Dis- patch, Apr. 13, 1992)
• Toward the end of our conversation, I said to Major, “I have one request: help the Commonwealth, and above all Russia.” Then, in conclusion, I said: “Thank you for your friendship. From me and Xxxxx Xxxxxxxxx, our most cordial and warm greetings to Norma.” (TIME, May 11, 1992)
□in sum(要するに)
• In sum, there was no question that the President could have moved faster to get out of Vietnam; considering his campaign pledge that he would end the war, it was remarka- ble that the U.S. was still involved three years and 15,000 American deaths later. (TIME, Jan. 3, 1972)
• In sum, the world has entered an era in which natural resources will count for much more than before, conservation will gain a premium over consumption, and more atten- tion will be paid to exploiting resources than curbing pollution. (TIME, Jan. 6, 1975)
□in any event(いずれにせよ; とにかく)
• In any event, her influence is so pervasive that he has it with him whether or not she is in the room. (TIME, Nov. 16, 1992)
• In any event, Xxxxxx Xxxxxxx was apparently awfully unhappy about his recent por- trayal in a print ad for GovPx, a financial-data-services firm. (TIME, Nov. 9, 1992)
□in short(つまり; 要するに)
• In short, his was not a great career, but out of it Xxxxxxx has fashioned a great, and fi- nally tragic, biography. (TIME, Dec. 14, 1992)
• In short, it is a story tailor-made for TIME magazine. (TIME, Nov. 2, 1992)
□thus(かくして)
• Thus begins the education of Xxxx Xxxxxxx-and Xxxxxxx’x first moves toward educating his nation. (TIME, Jan. 4, 1993)
• Thus, for want of a better word, they are called outsider artists. (TIME, Dec. 14, 1992)
□all things considered (あらゆることを考慮して [言えば])
• All things considered, I would say that 105 to 110 yen to the dollar is about right.
• All things considered, he is very capable of assuming the position of Sales Manager, and I believe that he will make a great contribution to your company in this role.
□after all(結局)
• After all, a whole empire may be at stake. The initial 79 episodes of Star Trek, originally seen on NBC, are venerated as TV classics and are available on videocassette. (TIME, Dec. 28, 1992)
• Nine days of suspense over the makeup of Russia’s new government finally broke: President Xxxxx Xxxxxxx’x key reformist ministers will keep their jobs after all. (TIME, Jan. 4, 1993)
11. 句読記号の使い方
英語には、次のようにおよそ 14 種類の句読記号 (punctuation marks) がある。このうち、最も重要なものはコンマで、この使い方がわからないと、まともな文章は書けないといってよい。次に重要なのはコロンとセミコロンで、このふたつの句読記号を不正確に使っているケースはかなりある。ピリオドはほとんど間違えようのない句読記号だが、略語を示す句読記号として使うケースでいくつかの誤用が見られる。
. | ピリオド (period) | |
, | コンマ (comma) | |
: | コロン (colon) | |
; | セミコロン (semi-colon) | |
? | 疑問符 (question mark) | |
! | 感嘆符 (exclamation mark) | |
― | ダッシュ (dash) | |
- | ハイフン (hyphen) | |
( | ) | カッコ (parentheses) |
[ | ] | ブラケット (brackets) |
“ | ” | 引用符 (quotation marks) |
‘ | アポストロフィー (apostrophe) | |
. . . | 省略記号 (points of ellipsis) | |
/ | スラッシュ (slash) |
ここでは、上記 14 の句読記号について、特にピリオド、コンマ、コロン、およびセミコロン
の 4 つの句読記号を中心に、われわれが英文を書くときに間違えやすい点や注意すべき点にポイントを絞って説明する。
1. ピリオド
ピリオド(またはフルストップ)は文の終わり、あるいは語句の略語化 (abbreviation) を示す。ピリオドに関するエラーは大きく分けてふたつある。ひとつはタイピングの際のスペーシング (spacing) の問題、もうひとつは略語の使用にかかわる問題である。日本語では文中・文末を問わず、句読点の後にスペースを加えないが、英文では原則としてすべての句読点の後にかならず 1 文字分のスペースを挿入する。一般に、タイプ原稿では文末ピリオドの後に 2 文字分のスペースを入れて次のセンテンスを続けるが、1 文字分のスペースでも特に問題はない。書籍や新聞などのような印刷物では 1 文字分のスペースが普通である。略語の使用にかかわる
問題については特に次の 3 点を覚えておきたい。
1) 略語を表すピリオドで文が終わる場合は、文末ピリオドを二重に使用しない。
○ I will be there at 3:30 p.m.
× I will be there at 3:30 p.m..
2) 数語からなる語句を略語化する場合、それぞれのピリオド間にはスペースを加えない。ただし、最後のピリオドと次の語の間には 1 文字分のスペースを入れる。
a) e.g.
b) U.S.A.
c) at 10 p.m. tomorrow
3) 名前の一部だけをイニシャルで表す場合にはピリオドの後にそれぞれ 1 文字分のスペースを加える。ただし、すべてイニシャルで表す場合は原則として上記 2) に従う。
a) Mr. T. Yamada
b) J. F. Kennedy
c) X.X.X.(または JFK)
なお、略語でも、それがひとつの語として一般によく知られている場合には略語ピリオドを加えないことがある(たとえば YMCA, USA, PM, AM, mph など)。特に通常 1 語として発音される団体・機関名の略語(たとえば UNESCO, NATO, OPEC など)には省略ピリオドは加えない。ただし、略語はその形および略語ピリオドの有無がかならずしも統一されていない。したがって、辞書にあるとおりに使っておくのが無難である。フレーズの各語頭だけからなる略語を大文字で表記する場合には略語ピリオドなしの場合が多く、一方、小文字で表記する場合にはほとんどんかならず略語ピリオドを加える。たとえば free on board を略記する場合は FOB ないし f.o.b. のいずれかが普通。これは FOB が略語であることが明らかなのに対し、fobでは別の単語のように見えてしまうからである。なお、Mr X Xxxxxx のように略語ピリオドをすべて排除する特殊な句読点法もある。これは特に英国にその用例が多く見られる。
2. コ ン マ
コンマは句読記号のなかでも最も重要なもので、単なる記号というよりもセンテンスの重要な構成要素のひとつと考えるべきものである。英文のコンマの機能は日本語の読点の用法とほぼ同じで、主として「意味の区切りや文のつながりを明瞭にする」ために用いる。コンマの用法はケースごとにほぼ公式化することができるが、こうした公式を知らなくてもコンマをほぼ正確に使い分けることは可能である。たとえば I went to the park but he never showed up. というセンテンスを例にとると、このセンテンスを読むときには、park と but の間に短いポーズを入れて読むのが最も自然であり、この短いポーズが「意味の区切れ」になる。文章として書く場合にはこの意味の区切れをコンマで表す。
このように、あるセンテンスのある箇所にコンマを加えるかどうかを判断するには、そのセンテンスを声を出して読んでみればよい。ただし、コンマがなくても文のつながりがよくわかり、かつ誤読の可能性がなければコンマを省略することができる。また、コンマを加えることによってかえって文のつながりがわかりにくくなる場合にはコンマを入れない(文のつながりをわかりにくくするようなコンマの使い方はコンマの誤用である可能性が高い)。さらに、どんな場合でも、意味上不可分のユニットをコンマで分けることはできない。以下、いくつかのケースに分けてコンマの使い方を見ていく。いずれの場合も「声を出して読む場合に自然にポーズが入るところにコンマが入る」という原則が当てはまる。
1) 文中でいくつかの語句を列記する場合
a) He is smart, talented, and aggressive.
b) The prints came in red, blue, black, and white.
このふたつの例文では、いずれも前記の原則に従ってコンマが加えられている。これを He is smart talented and aggressive. や The prints came in red blue black and white. のように続けたのではなんのことだかよくわからなくなってしまう。このように、文中でいくつかの語句を列記する場合は各ユニットをひとつずつコンマで区切る。なお、最後の and の前のコンマ(final serial comma と呼ぶ)は省くことがある。ただし、これを読むときには and の前にも自然にポーズが入る。したがって、書く場合にもこのポーズに相当するコンマを入れておくのがよい。例文 b) は「赤、青、黒、白」の 4 色という意味だが、仮に「赤、青、黒白」の 3 つということであれば、The prints came in red, blue, and black and white. となる。もちろん最後の “(and) black and white” は一気に読む。
2) 主語の異なる独立文を接続詞で結ぶ場合
c) I went to the park, but he never showed up.
この例文では park と but の間に短いポーズが入る。したがって、ここにコンマを加える。一般に、主語の異なる独立文を接続詞で結ぶ場合には、接続詞の前にコンマ(ポーズ)を入れて意味の区切れを明確にする。
3) 同じ主語を持つ複数の文を結ぶ場合
d) I went to the park and played baseball.
e) I went to the park, played baseball, and returned home before noon.
例文 d)では、「公園に行った」ということと「野球をした」ということが強いつながりを持ったひとつのことと意識されていれば、park と and の間にポーズを入れずに一気に読むのが自然で、この場合にはコンマは必要ないということになる。もちろん、分けたければ park と andの間にコンマを加えてもかまわない。ただし、この場合には書き手は「公園に行った」ということと「野球をした」というふたつのことを、一応別々のことがらと考えていることになる。つまり、前者の場合は I went to the park to play baseball. という感じであるのに対し、後者では I went to the park. (And) I played baseball there. というニュアンスになる。
例文 e) では 3 つの出来事をひとつずつ順番に述べており、上例のように各ユニット間にコンマを入れるのが最も自然である。なお、この例では played baseball と and returned home before noon との間のコンマは省略できない。played baseball と (and) returned home before noon はまったく別の次元の話であって、これを and という等位接続詞で結ぶのは不適当だからである。これは、たとえば played baseball and tennis, and . . . というつながり方と比較すると明確である。
4) 文中に付随的・説明的に付け加えられた挿入語句がある場合
f) The book, although I enjoyed reading it, was of no use for the exam.
g) She gave me a call, which she never did before, to let me know that she loves me.
h) Mr. Doe, president of ABC Corp., came to Japan last week.
例文 f) を The book although I enjoyed reading it was of no use for the exam. と続けて書くと文のつながりがよくわからなくなる。これを口頭でわかりやすく伝えるためには上例でコンマがあるところにポーズを入れるのが自然である。しかもそれ以外のところにコンマ(ポーズ)が入ることはありえない。なお、コンマで囲まれた挿入文はその前の The book を付随的に説明したもので、これを削除しても主文の大意に影響を与えない。
例文 g) は「彼女はこれまで電話などしてきたことはなかったんだが、その彼女が電話をくれて『愛してる』なんていうんだ」という意味。この場合も、コンマで囲まれた挿入文はその前の She gave me a call を付随的に説明している。なお、to let me know that she loves me. のところは that の前で心もちポーズを入れて読むことがあるが、このポーズは本来の「意味の区切れ」を表すものではなく、したがって that の前にはコンマを加えない。
同じく、例文 h)の president of ABC Corp. という挿入句も、先行詞である Mr. Doe を説明する付随的な挿入句である。このように、先行する名詞、または名詞句や節に対して付随的に加えられた挿入語句はコンマで囲んで主文要素と区別する。ちなみに、この 3 つの例文に見られるような、先行詞の意味を制限/限定しない関係詞節の使い方を関係詞の「非制限的 (non-restrictive)」用法と呼ぶ。これに対して「制限的/限定的」に使われた関係詞節ではコンマで区切らない。たとえば次のような例である。
i) The book which I am reading is a history book.
これは「いま読んでいるこの本は歴史の本だ」という意味で、which I am reading は付随的に付け加えられているのでなく、The book の意味を構成する必要不可欠な要素であり(つまり、「どの本」かを限定する)必要不可欠な要素である。なお、これを読むときは The book which I am reading までを一気に読み、その後の主文動詞 “is” の前に短いポーズが入る。つまり、原則に従えば The book which I am reading, is a history book. のように表記すべきところだが、通例、このようなコンマは省略する(ただし、主文動詞に先立つ名詞節などの説明文がかなり長くなる場合には、その末尾にコンマを加えて文の区切れを明示することがある。たとえば The book which I was reading when he called me to let me know that he was coming to see me, is a history book. のような場合がその例)。
5) 文頭や文中に連結詞が置かれた場合
j) I find the product very interesting and, therefore, I would like to buy it.
k) He, however, did not come on time.
l) However, he did not come on time.
上記の例文に見られるように、therefore, however, also, furthermore, hence, otherwise, nev- ertheless, then, thus, namely, that is, for example などの連結詞(副詞)が文中に挿入された場合、あるいは文頭に置かれた場合には、これをコンマで区切るのが普通である。ただし、コンマがなくても文のつながりが明瞭である場合や、なんらかの理由で文にあまりメリハリをつけたくない場合には意図的にコンマを省略することがある(関連解説は「セミコロン」の項目 1参照)。
6) 「導入句+主文」という文型の場合
m) In the beginning, we discussed the feasibility of the project.
n) For your information, I have enclosed a copy of our catalog.
例文 m) では beginning と we の間にポーズを入れて読むのが自然である。同じように、例文 n) では導入句と主文の間にポーズが入る。このように、主文に先立つ導入句がある場合には、一般に導入句の後にコンマを入れて主文との区切りをわかりやすくする。ただし、導入句が短い場合やコンマがなくても文のつながりが明瞭な場合にはコンマを省略することがある。
7) 「従属節+主節」という文型の場合
o) When I went to the United States in 1986 with my wife, I was 32 years old.
p) If it rains, I will stay home.
q) Although I enjoyed reading it, the book was of no use for the exam.
「従属節+主節」という文型では従属節と主節の間にコンマを加えて文の区切れを明瞭にする。特に従属節が長い場合には主節の前にかならずコンマを加える。なお、一般に「主節+従属節」の文型ではふたつの節の間にコンマを必要としない。たとえば I was 32 years old when I went to the United States in 1986 with my wife. とか I will stay home if it rains. などのような場合である。前者のケースでは when 以下が主文を完結させるための重要な主文要素になっている。つまり、I was 32 years old だけでは(文法的には可能でも)会話文として成立しない。この例文を読むときにも old と when の間には明瞭なポーズを置かず、old をやや長音で発声して when につなげる。同じように、後者の例文でも if 節は付随的に付け加えられたものではなく、これがなければ主文の意味が完結しない重要な主文要素である。したがって、この場合も主節と従属節の間にはコンマを加えず、読む場合にも一気に読む。このように、意味上区切ることができないふたつの節はコンマで強制的に区切ることはできない。
ただし、「主節+従属節」の文型でも、主文がそれ自体で完結し、従属節はあくまでも付随的に付け加えられているにすぎないケース(したがって省略しても主文に大きな影響を与えない)ではコンマを加えることがある。たとえば The book was of no use for the exam, although I enjoyed reading it. とか I will go there tomorrow, if (it is) possible. などのような例である。なお、この場合のコンマは後述の「ダッシュ(ダーシ)」に置き換えることができる。
8) その他:コンマは上記のほかに次のような場合に使う。
r) 相手に対する呼びかけ語や yes/no の返事の後に
Mr. and Mrs. Xxxxxx, come with me. Excuse me, is this seat taken?
Yes, I think so.
s) 地の文と直接引用文の区切りに
She said, “I love you.”
t) xxxの冒頭敬辞とxxxxの句読記号として
Xxxx Xxx, Xxxx Xxxx,
Xxxx xxxxx xxxxx, Xxxxxxxxx,
x) 索引などで姓名・題目などを逆表記する場合に
Yamada, Taro
Punctuation, Introduction to
v) 数字の thousand 単位の区切り記号として
12,000
1,000,000
3. コ ロ ン
通常、英文中のコロンは「つまり」という意味で使う。したがって、以下の用例に示すとおり、コロンの後には引用文や、前文あるいはすぐ前の語句の内容を説明・補足する語句が続く。なお、コロンの後にはかならず 1 文字分のスペースを入れる(タイプ原稿では 2 文字分のスペースにすることがある)。
a) He said: “We should all rush to the front for a full-fledged war against America, and I denote my worthless life for the sake of our victory.”
b) The items in question are as follows: A, B, and C.
c) We need the following three items: A, B, and C.
d) We need three things: A, B, and C.
e) Subject: Request for Quotation
上記の例文ではいずれもコロンを「つまり」とか「次のとおり」と読み換えることができる。したがって、xxxは as follows とか the following のような語句をともなって使うことが多くなる。例文 a) および d) のようにコロンが単独で使われている場合も、それぞれ as followsが省略されていると考えればわかりやすい。ただし、The items in question are A, B, and C. のように、全体でひとつの文法的に完結したセンテンスを構成しているものにはコロンを加えることはできない。なお、コロンは次のように単なる区切り記号として使う場合がある。この場合、コロンの前後にはスペースを加えない。
f) 時刻表示
3:30 p.m.(英国では 3.30 p.m.)
g) 比 率
a ratio of 2:5(two to five と読む)
h) ビジネスレターの末尾に加える ID イニシャル
YS:hy(または YS/hy)
i) フォーマルなレターの冒頭敬辞(米国式)
Dear Sir:
Dear Mr. Doe:
Ladies and Gentlemen:
4. セミコロン
セミコロンはその形からも想像できるように、コロン、コンマおよびピリオドを合わせて 2で割ったような複雑な性格を持つ句読記号である。文学的な陰影を出すためにはなかなか便利な小道具だが、実用文ではコンマの代用として便宜的に使用するほかは使わないほうが無難である。セミコロンの基本的な機能は次のとおりだが、この例でもわかるように、ほかの句読記
号で十分間に合うのであって、苦労してその用法をマスターするほどの価値があるとも思えない。なお、ほかの句読点と同じように、セミコロンの後にも 1 文字分のスペースを入れる。
1) 意味上の強いつながりを持ったふたつの独立文を結ぶ
a) I went to the place alone; the others came with their friends.
b) I went to the place on time; however, he was not there.
上記の例文はいずれも I went to the place alone. The others came with their friends. および I went to the place on time. However, he was not there. のように、ふたつの文に分けることができる。同じように、接続詞 but を使って I went to the place alone, but the others came with their friends. および I went to the place on time, but he was not there. と書き換えることもできる。
なお、上記の例文 b) のようなケースでは、I went to the place on time, however, he was not there. とする人がかなりいるが、これは本来セミコロンを使うべきところにコンマを使った典型的な誤用例である。原則として therefore や however などの連結詞を単独で使ってふたつの独立文をつなぐことはできない(「コンマ」の項目 5 参照)。ふたつの独立文を連結詞をはさんでひとつにつなげたい場合には、次例のように and などの接続詞を挿入するか、セミコロンを使う(実際の用例の中には therefore や however を接続詞的に使っているものがあるが、これはあくまでも略式)。
× I find the product very interesting, therefore, I would like to buy it.
○ I find the product very interesting and, therefore, I would like to buy it.
○ I find the product very interesting; therefore, I would like to buy it.
2) 語句を列記するとき、コンマで区切ると誤解を生じる恐れがある場合にコンマの代わりにセミコロンを使う
a) I read three books about Japan: Japan Today, which I bought yesterday; Modern Japan, which you gave me last week; and The Future of Japan.
b) Present at the meeting were Xxxxxx Xxx, School Director; Xxx Xxxxxx, Head Teacher; and Xxxx Xxxxxx, Chief Secretary.
5. その他の句読記号
ピリオド、コンマ、コロン、セミコロン以外の句読記号のうち、疑問符 (?) と感嘆符 (!) についてはまず問題はないが、その他の句読記号については案外いい加減に使っていることがある。以下、簡単にポイントを整理しておく。
1) ダッシュ
ダッシュ(または「ダーシ」)は、コンマ、セミコロン、コロンの代用としてまったく自由に使うことができる。したがって、その用法を明確に規定することはむずかしいが、主として文中で「思考の一時的中断を示したり別の新たな考え(語句)を注釈的に挿入する場合、あるいはそのような挿入語句を特に強調したい場合に使う」と考えておくとよい。コンマが無声のポーズに相当するとすれば、おおざっぱに言って、文中のxxxxは「あー」とか「えー」な
どの間投詞に相当する。たとえば次のような例である。
a) If you don’t finish the report by tomorrow-I mean by 8:00 a.m. tomorrow-then you are fired!
b) She told me-for the first time ever-that she loved me!
c) The book was of no use for the exam-although I enjoyed reading it.
上例 b) は She told me, for the first time ever, that she loved me! のように、コンマを使った挿入句とすることもできる。これはいわば英文の「普通」の形で、その分だけ挿入句の強調度合いがダッシュを使った場合と比較して弱くなる(She told me の後に無声の短いポーズを入れて for the first time ever と続けた場合と、She told me の後に uh . . . という「思考の一時的中断」を示す意味不明の音を入れた場合を比較すると、その感じがわかる)。例文 c) は The book was of no use for the exam, although I enjoyed reading it.(「コンマ」の項目 7 参照)とするのが普通だが、コンマの代わりにダッシュを使うと although 以下にほぼ独立文と同じような強さを与える効果がある。もっとも、実用文でこういう微妙なニュアンスを出したり、修辞的な効果を狙う必要があるとも思えない。そもそも実用文において「思考を一時的に中断」したり、ある文中に「別の新たな考え(語句)を挿入する」などということが適当だとも思えない。
なお、xxxには長いダーシ (―) と短いダーシ (-) があり、前者を ”M (= em) dash” と呼び、後者を N (= en) dash と呼ぶ。通常、英文で使われるのは後者のほうである。ただし、タイプライターや一般的なパソコンのキーボードではダーシをダブルハイフン (--) で代用する。この場合、読みやすくするために前後に 1 文字分ずつスペースを加えることが多い(通常のダーシでは前後にスペースを加えないのが普通)。
2) ハイフン
ハイフンは主として a) 行末での語分割、b) 複合語、および c) 数字や日付とともに使ってその範囲を示す場合などに使用する。
a) Thank you for your fax of April 1 con- cerning the ABC Project.
b) a three-day conference; a good-looking girl; a full-scale war; surface-to-air missiles
c) for 30-40 years; during the 1980-89 period
なお、行末での「語分割」は音節(シラブル)の区切りで行う。たとえば division という単語は di・vi・sion という 3 つの音節から構成されており、したがって di-vision あるいは divi-sion のように分割することになる。詳しくは pp. 597-598 の解説参照。
3) カッコ
カッコ(または「パーレン」)は主として a) 先行する語句や文を補足説明したり、b) 言い換えたりするために使う。文中で略語またはその原語を示すために使うカッコ表記もこれに相当する。そのほかに、c) 文中で列記された各項目に番号を加える場合、および d) 文中あるいは文末で参照文献やページ数などを示す場合にも使う。
a) “Do you love me?” he asked. (Note that a comma is not used after the question mark.)
b) The period (or full stop) is the most frequently used punctuation mark.
c) The three items we need are (1) . . . , (2) . . . , and (3) . . . .
d) The company has grown steadily over the past ten years as indicated in the bar chart mentioned before. (see Figure 5, p. 15)
4) ブラケット
本書ではブラケットを「省略可能な語句、または文脈に応じて選択する語句」を示すために使用しているが、その用法について特に注記がない場合は、ブラケットは主として引用文中に
a) 筆者の注釈を加えたり、あるいは b) マイナーな加筆をする場合に使用する。
a) He said, “It [the accident] was due to carelessness ”
b) The report indicates that we are “get[ting] more than $500,000 a month.”
上例 a) は引用文中の It の説明として [the accident] という注記を加えている。b) は “get more than $500,000 a month” というのが原文で、これを自分のセンテンスに合わせるために get[ting]というマイナーな加筆をしたものである。なお、すでにカッコ(パーレン)でくくられた語句の中で、もう一度カッコを使う場合にはブラケットを使用する。つまり、(. . . [. . .] )
のようになる。
5) 引用符
引用符は、a) 発言・文章などを直接引用する場合、b) ある語句を特に強調したり特殊な意味をこめて使う場合、および c) 文中で、新聞記事・雑誌記事・論文・楽曲などのタイトルを示す場合に使用する。
a) He said: “We should all rush to the front for the sake of our victory.”
b) At the office he may be a “gentleman,” but at home he beats his wife.
c) Have you read the article, “ABCs of Business Writing,” in the June issue of The English Journal?
なお、一般に米国では double quotation marks (“. . .”) を使い、英国では single quotation marks (‘. . .’) を使う。両者を併用する場合は “double ‘quotation’ marks” あるいは ‘double “quotation” marks’ となる。また、米国ではピリオドとコンマは常に引用符の中に入れる(英国では外に出す)。ただし、コロンとセミコロンは常に引用符の外に出す。書名や雑誌名、あるいは文中に外国語を引用する場合、一般にタイプ原稿ではこれをアンダーラインで示し、印刷物ではイタリック体を使う。
6) アポストロフィー
アポストロフィーは、a) -’s の形で名詞・代名詞の所有格を示すほかに、b) 短縮形 (con- tractions) や、c) 文字・数字などの複数形を示すために使う。
a-1) This is Mr. Xxxxxx’x house.
a-2) He won the gold medal in the men’s 100-meter dash. b-1) We’ve (=We have) received the letter.
b-2) I’m (= I am) fine.
c-1) I have many A’s in my school records.
c-2) Don’t use too many “We’s” in your letter.
略語 (abbreviations) の所有格は VIPs あるいは V.I.P.’s のように表す。つまり、略語ピリオドがない場合は -s を加え、ピリオドがある場合は -’s となる。年代を示す場合は一般に 1980s のように表すが、1980’s とすることもある。ただし 1980 を 80 と略記する場合は ’80sとする。なお、-s, -sh, -z の音で終わる単数名詞の所有格は Xxxxx’ house でも Xxxxx’x houseでもかまわない。ただし、-s, -sh, -z の音で終わる複数名詞の所有格は末尾にアポストロフィーだけを加える。
7) 省略記号(エリプシス)
エリプシスは、3 つの連続したドット (three spaced dots) で表し、a) 語句の「省略」を示す。また、これは suspension points とも呼ばれ、b) 思考(つまりセンテンス)の中断や、c) 発言の中の長いポーズを示すためにも使われる。それぞれの例は以下のとおり。
a) He said: “We should all rush to the front . . . for the sake of our victory.”
b) “Well, I don’t know if . . .” he said. “If what?” she asked.
c) “I . . . I love you,” he replied.
エリプシスの各ドット間およびその前後のスペーシングについてはいくつかのバリエーションがみられるものの、一般には上記の例に見られるとおりそれぞれ 1 文字分(半角)のスペースを加えるのが普通である。ただし、例 b) のようにエリプシスのすぐ後(またすぐ前)に引用符がある場合は、通例、エリプシスと引用符の間にはスペースを加えない。なお、タイプ原稿では各ドットはそれぞれ英字 1 文字分に相当するが、一般の書籍や新聞・雑誌などのようにプロポーショナル印字される印刷物では各行の長さが一定の範囲で自動調整されるために、エリプシスのドット間隔がかならずしも一定とはかぎらない。また、エリプシスでセンテンスを完結する場合は、一般に three spaced dots ( . . . ) に続けて文末ピリオドを加える。たとえば He said: “We should all rush to the front . . . .” のようにする。ただし、これも出版社や編集者によって異なり、エリプシスでセンテンスが完結する場合も 3 つのドットだけにしている例もある。
8) スラッシュ
スラッシュは便宜的な区切りを示したい場合の「区切り符号」としてかなり自由に使うことができる。代表的な使い方としては、a) per や to の代わりに単位の区切れを簡略に示す、b) 略語をわかりやすく表記するために各語の区切れを示す、c) and, or または and/or の代用として使う、などがある。
a) 500,000 yen/month; 50 km/hour; a 50/50 ratio
b) B/D (= Bank Draft); B/L (= Bill of Lading)
c) Do not judge anyone by the color of his/her skin.
12. 大文字の使用 (capitalization) について
英語では各センテンスの最初の文字と固有名詞(あるいは固有名詞的に使った普通名詞、抽象名詞)の各語頭を大文字で表記する。ビジネス文書ではこのほかに次のようなケースで大文字表記を使う。
1. 冒頭敬辞の各語頭(接続詞は除く)
a) Dear Sir:
b) Dear Sir or Madam:
c) Gentlemen:
d) Ladies and Gentlemen:
Κ Dear sir や Ladies and gentlemen のような表記は不可。Mr., Ms., Dr. などの敬称、および肩書としての職名は常に語頭を大文字で表記する。e.g. Dear Mr. Xxxxxx; Dear Professor
Xxxxxx; Dear Manager, etc.
2. xxx辞の書き出し
a) Sincerely yours,
b) Very truly yours,
Κ Sincerely Yours や Very Truly Yours のように各語頭を大文字にするのは不可。
3. 文書主題の各語頭(またはその全体)
a) Re: Request for Quotation
b) SUBJECT: REQUEST FOR QUOTA TION
Κ a) のように各語の語頭を大文字表記する場合でも、一般に冠詞や前置詞などの機能語は小文字表記とする(ただし機能語が最初にある場合は例外。また、among, between, toward[s] の
ように 4 文字を超える前置詞は一般に通常の単語と同じ扱いをする)。全体を特に強調する場合には b) のようにすべて大文字で表記することがある。
4. 部課名および役職名の各語頭
a) Attention: Mr. Xxxx Xxxxxx, Manager, Export Department
b) The Manager will be visiting your office next week.
c) Your proposal has been referred to our Sales Department, and you will receive their reply soon.
Κ manager や sales department は普通名詞だが、b) および c) ではこれを疑似固有名詞とし
て扱い、各語の語頭を大文字で表記している。このような普通名詞の疑似固有名詞化は任意に行うことができる。なお、通常、政府機関およびその部署名の各語頭は大文字で表記する。e.g. the Supreme Court; the Ministry of Education; the Defense Department, etc. また、個人名の前に肩書きとして用いられた職名(特に公職名)の各語頭はかならず大文字表記とする。e.g. President Xxxx; Prime Minister Xxxxxx; Mayor Xxxxx; Professor Xxxxxx, etc.
5. 特定の会社名、団体名、書類名、プロジェクト名などの代名詞として使われた普通名詞の語頭
a) This Agreement may be terminated at any time.
b) The Contractor is responsible for the execution of the Project.
c) The former is hereinafter referred to as the Company, and the latter, the Employee.
6. 固有名詞的に扱われた書類名など
a) Enclosed is the 19-- Price List which you requested in your letter of April 1, 19--.
b) We thank you for your Order No. 1234 dated April 1, 19--.
Κ a) の price list は普通名詞だが、ここでは 19-- Price List を値段表のタイトルとして固有名詞のように扱っている。 b) のように書類をその参照番号とともに表記する場合は語頭を大文
字にして疑似固有名詞化する。
7. 商 品 名
a) Please send us 100 sets of Xxx Xxx as soon as possible.
b) This is to confirm your order for 50 sets of COFFEE MATE.
c) Thank your for your inquiry about our new personal computer, Model NP-90.
Κ a) の Xxx Xxx のような商品名は語頭を大文字で表記する。b) も Coffee Mate という表記でよいが、ここでは強調のためにすべて大文字で表記している。大文字表記は、このようにあ
る単語を特に強調したい場合などに任意に使用することができる。c) の Model NP-90 はパソコンのモデル名で、これをそのまま商品名として使ったものである。この場合、Model NP-90の代わりに the NP-90 のように表記することもある(ただし、the Model NP-90 とはしない)。
13. 行末での単語の分け方(語分割)
レターをタイプ(またはプリント)するときに、各行の右端をそろえるためにハイフンを使って単語を分割することがある。ただし、語分割は任意に行っていいというものでなく、一定のルールがある。そのうち最も重要なのは「語分割は音節(シラブル)の区切りで行う」というルールである。たとえば division という単語は di・vi・sion という 3 つの音節から成り、これ以外のところで分けることはできない。
音節の区切りを正確に判断するためにはひとつずつ辞書にあたって確認するしかないが、これはたいへん面倒なことであり、また音節の分け方は辞書によって、また英語と米語で異なることがある。右ぞろえにこだわらなければ特に問題はないが、どうしても右ぞろえをしてきれいな文書に仕上げたいという場合は次の点に注意していただきたい。
1. 1 音節の単語は分割しない。たとえば word, dive, hold, home, make などは分割のできない単語である。2 音節の場合も into や until のような短いものはできるだけ分割しない。なお、一般に 5 文字以下の単語は分割しない。