【様式A】 全体_研究成果等総括報告書 【様式B】 個別_委託研究成果等報告書 【様式C】 個別_委託研究成果等最終報告書
令和5年度版
委 託 研 x x 約 事 務 処 理 説 明 書
戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)
「先進的xx技術基盤の社会課題への応用促進」
令和5年5月発行
(令和5年9月25日改定版)
国立研究開発法人xx科学技術研究開発機構(量研)
企業等
目 次
委託研究契約事務に関するお問合せ・書類提出先......................................................- 4 -
Ⅰ.はじめに......................................................................................- 5 -
Ⅱ.委託研究契約の概要............................................................................- 6 -
1.用語の解説....................................................................................- 6 -
2.委託研究契約について..........................................................................- 7 -
3.委託研究契約に係る書類.......................................................................- 10 -
Ⅲ.委託研究経費の執行について...................................................................- 11 -
1.委託研究経費の執行にあたって.................................................................- 11 -
2.委託研究の予算費目...........................................................................- 11 -
3.直接経費について.............................................................................- 12 -
4.間接経費について.............................................................................- 19 -
5.委託研究経費の執行期限.......................................................................- 22 -
6.委託研究経費の量研から研究機関への支払いについて .............................................- 23 -
7.委託研究経費の分割払いについて...............................................................- 24 -
8.証拠書類の管理について.......................................................................- 24 -
9.物品等の取扱いについて.......................................................................- 26 -
10.マッチングファンドについて..................................................................- 29 -
11.研究機関における管理監査体制、不正行為等への対応について ....................................- 30 -
12.各種報告書等の提出について..................................................................- 33 -
13.委託研究経費の返還について..................................................................- 36 -
14.委託研究経費の精算について..................................................................- 37 -
15.委託研究の中止について......................................................................- 37 -
16.再委託について..............................................................................- 38 -
17.債権譲渡について............................................................................- 38 -
18.その他......................................................................................- 38 -
Ⅳ.知的財産権の管理について.....................................................................- 41 -
1.研究成果に係る知的財産権の基本的な考え方.....................................................- 41 -
2.研究機関所属の研究者等(研究機関発明者)の持分に係る知的財産権の取扱い .......................- 41 -
3.研究機関に帰属した(量研との共有でない)知的財産権について ...................................- 42 -
4.共有に係る知的財産権の取扱い.................................................................- 43 -
5.量研との委託研究契約終了後の知的財産権の報告義務について .....................................- 43 -
Ⅴ.研究成果の公表について.......................................................................- 44 -
1.プレス発表、学会発表、論文投稿、展示会出展等について .........................................- 44 -
2.公表時の謝辞について.........................................................................- 44 -
3.マスメディア等の取材による公表について.......................................................- 45 -
4.社会との対話・協働の推進について.............................................................- 45 -
5.内閣府、量研広報への協力.....................................................................- 45 -
6.戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)シンボルマーク使用について .......................- 45 -
【 参考資料 】
別添1 証拠書類一覧
別添2 研究活動における不正行為等への配分機関としての対応に関する規程別添3 競争的研究費の適正な執行に関する指針
(平成17年9月9日 競争的研究費に関する関係府省連絡会申し合わせ)
別添4 研究機関における公的研究費の管理・監査のガイドライン(実施基準)
(平成19年2月15日 文部科学大臣決定)
別添5 研究活動における不正行為への対応等に関するガイドライン
(平成26年8月26日 文部科学大臣決定)
別添6 競争的研究費における各種事務手続き等に係る統一ルールについて
(令和3年3月5日 競争的研究費に関する関係府省連絡会申し合わせ)
別添7 固定資産管理細則
【 各種様式 】
[ 経理等の事務処理に関する様式 ]
経理様式1 委託研究実績報告書(兼収支決算報告書)経理様式2 収支簿
経理様式3-① 委託研究中止申請書経理様式3-② 変更届
経理様式4 返還連絡書
経理様式8 有形固定資産取得報告書(兼)貸付申請書経理様式9 無形固定資産取得報告書(兼)貸付申請書経理様式10 提供物品貸付申請書
経理様式11 物品移動申請書
経理様式12-① 物品持ち出し申請書(受託者控)経理様式12-② 物品持ち出し申請書・預かり書 経理様式12-③ 物品持ち出し申請書・返還票
経理様式13 物品不用・処分申請書経理様式14 作業月報
経理様式15 作業日誌
経理様式16 人件費精算書経理様式17 従事証明書
経理様式18 「委託研究実績報告書」及び「収支簿」 事前チェックリスト経理様式19 中小企業者証明書
参考様式1 費目間流用申請書
※経理様式5、6、7:大学等のみ
[ 研究実施内容の報告に関する様式 ]
【様式A】 全体_研究成果等総括報告書
【様式B】 個別_委託研究成果等報告書
【様式C】 個別_委託研究成果等最終報告書
[ マッチングファンドに関する様式 ]
報告様式1 マッチングファンド支出状況確認書(仮称)
[ 知的財産管理に関する様式 ]
知財様式1 知的財産権出願通知書・知的財産権設定登録等通知書知財様式2 知的財産権実施通知書
知財様式3 知的財産権移転承認申請書
知財様式4 専用実施xx設定・移転承認申請書知財様式5 SIPシンボルマーク使用登録書
※上記の報告書等の作成に当たっては、必ず、以下URLからダウンロードの上、所定の電子ファイルを ご使用ください。ただし、経理様式2及び参考様式については、必要事項が記載されていれば、任意様式でも差し支えありません。
【委託研究契約に係る書類URL】
xxxxx://xxx.xxx.xx.xx/xxxx/xxxxxxxxxxxxx/xxx000000.xxxx
委託研究契約事務に関するお問合せ・書類提出先
委託研究契約事務に関するご質問などは、以下連絡先までお問い合わせください。
お問合せの際は必ず「契約番号」・「委託研究担当者」をお知らせ頂きますようお願いします。
1.問合せ・書類提出先(担当部署)
国立研究開発法人xx科学技術研究開発機構 SIP推進センター住所:xxxxxxxxxx0 xx0 x0 x xxxxxx00 x
E-mail : sip-keiyaku=xxx.xx.xx (左記の=を@に置き換えてください。)
2.返還金等の振込先口座
本SIP課題における返還金等の振込先は以下の口座となります。三井住友銀行 東京公務部 普通預金 0178361
口座名義 国立研究開発法人xx科学技術研究開発機構 理事長 xxxx口座名義フリガナ コクリツケンキュウカイハツホウジン
リョウシカガクギジュツケンキュウカイハツキコウリジチョウxxxxxx
※必ず事前に、振込日を担当部署あてメールでご一報ください。
Ⅰ.はじめに
・本書は、戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)において内閣府が定めた課題「先進的xx技術基盤の社会課題への応用促進」(以下、「本SIP課題」という。)について、管理法人として国立研究開発法人xx科学技術研究開発機構(以下、「量研」という。)が実施する研究開発の委託を「委託研究契約書」に基づいて委託先研究機関(以下、「研究機関」という。)が推進するにあたり、必要な事務処理等について補足的に説明するものです。なお、量研から研究機関に対して委託される研究を以下、「本研究」といいます。
・研究機関においては、研究成果の最大化に向け、委託研究契約書及び本説明書に基づき、適正かつ柔軟な委託研究経費の執行をお願いします。
Ⅱ.委託研究契約の概要
用語 | 説明 |
研究開発テーマ | 公募に対して提案・採択された研究テーマ名(「研究題目」との違いにご注意ください) |
研究題目 | 研究開発テーマのもとに委託研究契約単位に設定される研究内容の名称 |
研究チーム | 研究開発テーマのために編成される機関横断的・時限的な研究組織 ※原則として研究開発テーマと一対一に対応 |
他の参画機関 | 本SIP課題について、量研と委託研究契約を締結した当事者以外の研究機関 |
研究開発責任者 | 研究チームを代表し、研究開発テーマ全体の研究推進に責任を負う研究者 |
主たる共同研究者 | 共同研究機関を代表する研究者 |
委託研究担当者 | 委託研究を中心的に行う者として委託研究契約書に記載される者(研究開発責任者、主たる共同研究 者) |
研究者等 (研究参加者) | 委託研究担当者及び本研究に従事する研究員、技術員、研究補助員、学生等 ※研究者等は原則として、研究計画書に研究参加者として登録する必要があるが、一時的(3ヶ月未満)な参加者については登録省略が可能。ただし、本研究に従事する者で本研究の研究成果に係る論文の著者や発明者となる可能性がある場合は一時的であっても登録が必要 |
契約担当者 | 委託研究契約の契約権限をもつ研究機関側の代表者 |
研究計画書 | 研究チーム(個人型の場合は個人)単位で作成され、量研の承認を得た研究開発テーマの研究計画 |
契約期間 | 委託研究契約書 契約項目(3)に定める委託研究期間 |
研究期間 | 研究計画書で定める研究開発テーマの全研究期間 ※中間評価、ステージゲート評価等の結果により、期間が変更される場合あり |
事業年度 | 各年4月1日から翌年の3月31日までの1年間 |
競争的研究費 | 大学等、企業等において、府省等の公募により競争的に獲得される経費のうち、研究に係るもの。従来、競争的資金として整理されてきたものを含む。 ※参照:内閣府HP 競争的研究費制度 xxxxx://xxx0.xxx.xx.xx/xxxx/xxxxxxxxx/ |
競争的研究費等 | 以下に掲げる研究資金の総称ア 競争的研究費 イ 競争的研究費以外で国の行政機関及び独立行政法人が直接配分する研究資金 ウ その他国の行政機関から予算が配分され又は措置され、独立行政法人自ら又は他に配分され研究活動を行う研究資金 |
大学等 | 以下に掲げる研究機関の総称 ア 国立大学法人、公立大学法人、私立大学等の学校法人 イ 国公立研究機関、公設試験研究機関、独立行政法人等の公的研究機関ウ 公益法人等の公的性格を有する機関であって、量研が認めるもの |
企業等 | 民間企業等「大学等」以外の研究機関の総称 |
量研課題担当者 | 研究開発テーマの推進に係る対応や支援等を行う量研側の担当者であり、委託研究担当者の連絡窓口 となる者 |
2.委託研究契約について
1) 事務管理体制及び財務状況等に関する調査・確認
・委託研究契約を締結する各研究機関に対し、契約締結前及び契約期間中に事務管理体制及び財務状況等についての調査・確認を行うことがあります。その結果、必要と認められた機関については量研が指定する支払方法となるほか、委託契約を見合わせる場合や、契約期間中であっても、委託研究経費の縮減や研究停止、契約期間の短縮、契約解除等の措置を行うことがあります。
2) 契約の解除等
・量研の中長期目標期間終了時における事業評価により量研の解散や事業縮小が求められる場合や、国における予算措置の状況に変化が生じる場合には、委託研究契約の特約事項に従って、契約期間中の契約解除や委託研究経費縮減の措置を行うことがあります。
・研究開発テーマの中間評価等の結果を踏まえて、又は他の参画機関との間の共同研究契約等の締結又は解除に基づき委託研究経費の増減や契約期間の変更、研究中止等の措置を行う場合があるほか、研究の継続が適切でないと量研が判断する場合には、契約期間中であっても、契約解除等の措置を行うことがあります。
3) 研究チームに参画する研究機関間の連携・権利義務の明確化
・本研究の適切・効率的な実施や研究成果の活用等に支障が生じないよう、当該研究開発テーマ内における適切な情報管理(秘密保持等)、成果の取りまとめ、知的財産の取扱いなどについて、SIPの運用指針等及び委託研究契約等に反しない範囲で、量研が指名する他の参画機関との間で共同研究契約を締結するなど、必要な措置を講じてください。
・参画機関との間で取り交わした共同研究契約等は、その写しを量研の課題担当者へ提出してください。
〇 戦略的イノベーション創造プログラム運用指針
(令和4年12月23日改正 戦略的イノベーション創造プログラム ガバニングボード)
xxxxx://xxx0.xxx.xx.xx/xxxx/xxxxx/xxx/xxxxxxxxxx.xxx
〇 委託研究開発における知的財産マネジメントに関する運用ガイドライン
(令和5年4月改定 経済産業省)
xxxxx://xxx.xxxx.xx.xx/xxxxxx/xxxxxxx/xxxxxxx_xxxxxxxx/xxxxxxxxxx_xxxxxx/xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx_0
〇 産学官連携による共同研究強化のためのガイドライン
(平成28年11月30日 イノベーション促進産学官対話会議)
xxxxx://xxx.xxxx.xx.xx/x_xxxx/xxxxxx/00/00/__xxxXxxxx/xxxxxxxxxx/0000/00/00/0000000_00_0.xxx
4) 他機関に所属する研究者等や雇用関係のない学生が本研究に従事する場合の対応
・他機関に所属する研究者等や本研究に係る雇用関係のない学生等を本研究に従事させる場合は、委託研究契約等で規定される事項(知的財産権の帰属、各種報告・申請義務、守秘義務等)が遵守されるよう同意書を得るなど適切に対応してください。
・特に本研究に係る雇用関係のない学生が研究参加者となる場合は、当該学生が発明者となり得ないことが明らかな場合を除き、本研究の実施の過程で当該学生が行った発明(考案等含む。)に係る知的財産権が研究機関に帰属するよう、あらかじめ当該学生と契約を締結する等の必要な措置を講じておく必要があります。また、知的財産権の承継の対価に関する条件等について、発明者となる学生に不利益が生じないよう配慮した対応を行うこととしてください。
〇 大学等における職務発明等の取扱いについて
(平成28年3月31日 科学技術・学術審議会/産業連携・地域支援部会/大学等における産学官連携リスクマネジメント検討委員会)
xxxxx://xxx.xxxx.xx.xx/xxxxxxxxx/x_xxxx/xxxxxx/xxxxxxx/ icsFiles/afieldfile/2016/04/05/1369054_02.pdf
5) 国又は地方公共団体における委託研究契約の取扱い
・国又は地方公共団体が委託研究契約を締結するにあたっては、各種法令に則り事前に予算措置等の手続きが必要である場合、研究機関の責任において、委託研究契約開始までに当該手続きを確実に実施してください。万が一、契約締結後に必要な手続きの不履行が判明した場合は、委託研究契約の取消し・解除、委託研究経費の
全部又は一部の返還等の措置を講じる場合があります。
6)複数年度契約と繰越制度について
・本SIP課題では、委託研究経費の効果的・効率的な使用及び予算の無駄使いや不正の防止の観点から、複数年度契約及び繰越制度を導入しています。研究機関においては、研究成果の最大化に向け、複数年度契約及び繰越制度を有効に活用してください(なお、研究機関の事務管理体制等により複数年度契約及び繰越が認められない場合があります。)。
① 複数年度契約について
複数年度契約により主に以下の事項の実現を図っています。
・研究計画に基づくものであることを前提とした翌事業年度の委託研究経費を財源とする年度跨りの調達等の契約(国際入札等で発注から納品まで期間を要する高額な研究機器の調達等)
・研究計画に基づくものであることを前提とした翌事業年度の委託研究経費を財源とする研究者等に係る雇用手続き(新規・継続)の早期対応
・委託研究契約に係る年度更新手続きの遅延により研究期間(契約期間)に空白期間が生じることの防止
・一定の要件を満たすことを条件とした翌事業年度への委託研究経費の繰越
② 複数年度契約における年度更新手続き
・委託研究経費は事業年度ごとに量研の承認により決定される研究計画書記載の金額によることから、複数年度契約では、2年度目以降の当該事業年度の委託研究経費を毎事業年度開始時に変更契約において定めます。また同時に研究計画書記載の研究期間の範囲内で契約期間を1年ずつ延長します(当事業の複数年度契約における契約開始時の契約期間は、原則として「2年度」が上限となります。)。
・複数年度契約期間中に、法令の改正等により委託研究契約書条文を改定する必要がある場合は、年度更新時の変更契約において当該改定事項を約定することとします。
≪ 例:契約開始日 令和5年11月1日 ≫
〇 初年度(契約開始):契約開始日から翌事業年度末日までの契約期間で締結
R5.11 R6.4 R7.3
〇 2年度目(年度更新):期初(R2.4.1)に変更契約にて期間延長、委託研究経費更新、条文改定
R5.11 R6.4 (更新) R7.4 R8.3
③ 委託研究経費の繰越について
ⅰ)繰越の対象
・事業年度末に判明する直接経費の執行残額(例:計画時には予想できない超過勤務費、消耗品費、消費税相当額等の見込み差額等)が発生する場合について、翌事業年度に本研究の実施のために直接的に必要な経費として有効に使用できることを前提に10万円を上限とする直接経費に相当する間接経費を加えた額を限度とする委託研究経費を繰越すことが可能です。この場合、変更契約による返還を行うことなく、委託研究経費を研究機関に存置したまま繰越してください。
※ 上記に当てはまらない単なる予算の余剰・滞留は繰越の対象外となります。
※ 当初予想し得なかったやむを得ない事由により研究計画記載事項に変更が生じたもので、研究目的の達成のために10万円を超える直接経費を翌事業年度に執行する必要がある場合は、第3四半期までに委託研究担当者から量研課題担当者へご相談ください。翌事業年度での執行が認められる場合は、変更契約を締結した上で、一旦、量研へ委託研究経費を返還し、翌事業年度の委託研究経費(予算)に振替えることで対応します。
ⅱ)繰越額の報告について
・量研に返還せず研究機関に存置したまま繰越した額について、委託研究実績報告書(兼収支決算報告書)(経理様式1)の当事業年度分繰越額にて報告してください。繰越に係る単独の報告書はありません。
・変更契約に基づき委託研究経費を量研へ返還し、翌事業年度に予算振替えする場合は、委託研究実績報告書(兼収支決算報告書)(経理様式1)の当事業年度分繰越額への計上は不要です。
ⅲ) 繰越制度利用にあたっての留意事項
・事業年度毎の委託研究経費の精算に先立ち、必ず事前に執行状況を確認の上、繰越の対象となる10万円を超える直接経費の執行残額が見込まれる場合は、当事業年度の3月10日までに返還連絡書(経理様式4)を提出の上、当該執行残額(相当する間接経費を含む。)を3月31日までに量研へ返還する必要があります。返還連絡書の取扱いにつきましては、後述の「Ⅲ.13. 委託研究経費の返還について」をご参照ください。
※ 上述の繰越対象に該当する場合は、事前申請なく10万円以下の直接経費の執行残額の繰越が認められますが、10万円を超える執行残額が判明した場合は事業年度の委託研究費の精算時に執行残額全額の返還を求めることとしますので留意してください。
【具体例:29万円の直接経費執行残額が発生する見込みで、この内10万円以下にあたる9万円を繰越したい場合】
返還連絡あり
返還連絡なし
*上記の例では返還連絡の上、20万円の返還が必要
*直接経費の返還にあたっては相当する間接経費の返還も必要
翌事業年度:29万円全額返還
当事業年度:20万円返還 翌事業年度:9万円繰越可能
直接経費の執行残額
29万円
・間接経費の全部又は一部を執行している場合には、直接経費のみ繰越すことや、繰越を行う直接経費に相当する間接経費の一部のみを繰越すことも可能です。なお、直接経費に相当する間接経費の計算にあたっては、繰越しする間接経費の端数処理を「1円未満切り上げ」とすることができるものとします。
・直接経費のみ繰越した場合でも、後日、当該直接経費が返還となる場合には、相当する間接経費を加えて返還する必要があります。
・以下の場合に繰越は認められません。
・ 繰越の対象(③ⅰ)参照)に当てはまらないもの
・ 間接経費のみの繰越
・ 再繰越(一度繰越した委託研究経費の翌々事業年度への繰越)
・ 契約期間が最終事業年度の繰越
・ 契約期間が単年度である場合の繰越
1) 委託研究契約書
・研究開始にあたって、研究題目に関する研究機関と量研との約定を定めるものであり、xxを2通作成し量研及び研究機関で1通ずつ保管します。なお、契約書等における契約者は、研究機関の代表者又は代表者より権限を委譲された者とします。
・原則として、研究計画書における研究機関ごとに委託研究契約を取り交わします。ただし、同一研究機関、同一研究担当者であっても、研究計画書上、独立した管理となっているものについては、委託研究契約書も別途取り交わしが必要となります。
・研究計画書は、採択研究開発テーマ単位で研究開発責任者によってとりまとめ作成されるものであり、採択期間全体の計画を「全体研究計画書」とし、各年度の計画を「年次研究計画書」として作成します。
・量研からの委託研究経費の配分がない場合でも、研究計画書による管理を前提に参画する機関は、必要に応じて
0円の委託研究契約の取り交わしをお願いしています。
2) 変更契約書
① 委託研究経費を変更する場合
・研究進捗状況等により、事業年度途中(以下「期中」という。)で委託研究経費を変更する場合など原契約を変更する必要がある際は、変更契約書を取り交わすこととしています。
② 複数年度契約において事業年度2年度目以降の委託研究経費等を定める場合(年度更新)
・複数年度契約においては、当該事業年度の委託研究経費や契約期間等を変更契約にて規定します。
③ 評価等の結果により契約期間を変更する場合
・研究開発テーマの評価等(中間評価、ステージゲート評価等)の結果により、原契約記載の契約期間の終了以降も研究開発を継続すべきと判断された場合、契約期間の延長についての変更契約書を取り交わして対応する場合があります。また、評価等の結果により契約期間を短縮する場合も同様です。
④ 委託研究担当者が変更(交代)する場合
・量研に事前相談の上、変更契約書の締結が必要です。
⑤ その他
・執行計画の変更など、研究計画に係る重大な変更が生じた場合で、量研が必要と認めた場合は変更契約書の締結が必要です。
3) 変更届
・原契約の変更の内、委託研究担当者の所属部署名・役職名の変更については、変更契約書を取り交わすことなく、変更届(経理様式3-②)の提出をもって、変更契約が締結されたものとみなします。
・変更届提出のタイミングによっては、当該変更内容が契約書(特に年度更新時の契約書)に反映されない場合があります。その場合であっても、本変更届の提出をもって契約書の内容が変更されたこととし、当該変更分について契約書の差し替えは行いませんので、ご了承ください。
※ 委託研究担当者の変更(交代)は、変更届ではなく変更契約書の締結が必要ですのでご注意ください。
4) 委託研究契約事務処理説明書
・本説明書です。毎事業年度、または、年度の途中で更新される場合があります。常に最新の事務処理説明書をご参照ください。
5) その他
・上記の書類を含め、各種報告物の様式やFAQ等、委託研究に関する各種書類を、量研のホームページに掲載します。重要な更新がある度に、その旨を電子メール等にて連絡しますので、ダウンロードの上、ご利用ください。
Ⅲ.委託研究経費の執行について
・研究機関は、「研究機関における公的研究費の管理・監査のガイドライン(実施基準)平成19年2月15日文部科学大臣決定(別添4)」(以下「公的研究費の管理・監査のガイドライン」といい、令和3年2月1日付改正後のものをさす)に基づき、研究機関の責任において公的研究費の管理・監査の体制を整備した上で、委託研究経費の適正な執行に努める必要があります。また、研究機関は公的研究費の管理・監査に係る体制整備等の実施状況を定期的に文部科学省へ報告するとともに、体制整備等に関する各種調査に対応する義務があります。
・委託研究経費の執行にあたっては、国費を財源とすることから、経済性・効率性・有効性・合規性・正確性に十分留意しつつ、その説明責任を果たせるよう適切な処理を行ってください。また、計画的な執行に努めることとし、研究期間終了時又は年度末における予算消化を目的とした調達等がないよう注意してください。
・委託研究を円滑かつ効果的・効率的に推進し、より成果をあげるため、執行の柔軟性にも配意をお願いします。
1)直接経費 :本研究の実施に直接的に必要な経費であり、以下の4つの費目で構成
①物品費 :研究用設備・備品・試作品、ソフトウェア(既製品)、書籍購入費、研究用試薬・材料・消耗品等の購入費用
②旅 費 :委託研究担当者及び研究計画書記載の研究参加者等に係る旅費、招へい者に係る旅費
③人件費・謝金 :本研究のために雇用する研究者等(委託研究担当者を除く。)の人件費、人材派遣、講演依頼謝金等の経費
④その他 :上記の他、本研究を実施するための経費
例)研究成果発表費用(論文投稿料、論文別刷費用、HP作成費用等)、会議費、 運搬費、機器リース費用、機器修理費用、印刷費、外注費(ソフトウェア外注製作費、検査業務費等)、ソフトウェアライセンス使用料、不課税取引等に係る消費税相当額等
2)間接経費 :直接経費に対して一定比率で手当され、本研究の実施に伴う研究機関の管理等に必要な経費
※ 各費目の具体的な使途等については、後述の「Ⅲ.3.2)各予算費目の執行に係る指針」を必ずご確認ください。
3.直接経費について
1) 直接経費の執行
・本研究の実施のために直接的に必要な経費が計上対象となります。
・研究機関は、適正な研究費執行を証明する証拠書類を整備し、発生した経費の妥当性を自らの責任において客観的に説明する必要があります。
・特に物品等の調達にあたっては、経済性・効率性の観点から、競争原理(相見積・入札制度)の積極的な導入が求められます。
2) 各予算費目の執行に係る指針
・委託研究経費は、合目的性(本研究の目的・趣旨への適合性)に十分留意の上、原則として、各研究機関の規程に従って適切に計上・管理してください。ただし、本SIP課題特有のルールを設けている事項については、本説明書に従って適正に執行してください。
・研究機関の規程に基づく執行であっても、当該委託研究経費の財源が国費であることに照らして、量研が不適切と判断する場合は、全額もしくは一部を認めないことがあります。
・科学研究費補助金を受給している研究機関は、委託研究経費の「使途」に関して本説明書等に記載のない事項について、各研究機関における科学研究費補助金の取扱いに準拠することで差し支えありません。
① 物品費
・研究設備・機器等については、既存の状況を勘案し、必要性・妥当性を十分に検討した上で、必要不可欠なもののみを調達してください。
・特に高額な機器等の調達を行う場合は、参考見積を入手するなどして市場価格の把握を行った上で、計画と実際の執行に大幅な金額の変動が生じないよう十分留意してください。
ⅰ) 研究設備・機器の改造費及び修理費について
・量研帰属の取得物品又は提供物品に改造(法人税法上の「資本的支出」に該当するもの)を加える必要がある場合は、事前に量研へご相談ください。また、研究機関所有の研究設備・機器等の改造費を直接経費で計上することは原則として認められません。ただし、研究機関所有の研究設備・機器等の改造費であっても、本研究のために直接必要かつ不可欠で、既存の施設・設備等と区分して管理することが可能な場合は、量研のとの事前協議の結果、直接経費から支出することが認められることがありますので、事前に量研へご相談ください。
・量研帰属の取得物品又は提供物品に係る修理費(法人税法上の「資本的支出」に該当しないもの)については、直接経費での計上が認められます。その場合の予算費目は「その他」としてください。なお、修理費は、通常の利用の範囲内において必要となった場合に限ることとし、使用者の過失が原因である場合には直接経費での計上は認められません。
② 旅費
ⅰ)旅費の算定基準
・各研究機関の旅費規程に準拠します。
ⅱ)旅費計上の対象となる事由
1)研究成果の発表(※)
2)研究チーム内のミーティング
3)直接経費により雇用される者の赴任旅費
4)外部専門家等の招へい
5)フィールドワーク(観測、試料採取、現地調査等)
6)その他研究実施上、必要な事由が発生した場合
※ 量研及び内閣府等、本SIP課題の関連機関が主催するミーティング、シンポジウム等が開催される場合があり、それらについては1)として旅費計上の対象となります。
ⅲ)旅費計上の対象となる者
1)委託研究担当者
2)研究計画書に記載の研究参加者
3)外部専門家等の招へい対象者
ⅳ)旅費計上に際しての留意事項
・ 旅費計上にあたっては、研究実施上必要かつ合理的な人数、期間となるよう適切に判断してください。
・ 学生への支出についても、研究計画書に記載された者であり、本研究の成果発表等、上記の旅費対象事由に該当する場合には、研究機関の規程に従って計上することが可能です。なお、教育目的のみでの計上はできませんので、特に学部生等の取扱いについては、その必要性をより慎重に検討し、研究機関で適切にご判断ください。
・ 一時的(3ヶ月未満)な参加者に対して旅費を支払う場合については、研究計画書への登録を省略することができます。ただし、本研究の研究成果に係る論文の著者や発明者となる可能性がある場合は一時的であっても研究計画書への登録が必要となります。
③ 人件費・謝金
ⅰ)雇用の基準
・雇用は研究機関が自ら行い、当該人件費・謝金を委託研究経費に計上してください。
・雇用契約にかかわる諸条件は各研究機関の規程に準拠します。
ⅱ)直接経費での雇用対象
・本研究を実施するために直接必要な研究員・技術員・研究補助員等で、研究計画書に研究参加者としての登録がある者
・ただし、委託研究担当者の人件費及び事務を行う補助者等の給与等は、直接経費より計上することができません。
ⅲ-1)専従者の取扱いについて
・研究機関が支払った実費により人件費の計上を行ってください。なお、当該専従者が月給制又は年俸制の場合には作業月報(経理様式14)を、時給制又は日給制の場合には作業日誌(経理様式15)を作成し、収支簿に添付して量研へ提出してください。
ⅲ-2)兼業者の取扱いについて
・兼業者の人件費は、人件費精算書(経理様式16)及び作業日誌(経理様式15)により本研究に該当する部分の人件費を適切に按分の上、計上してください。また、作成した作業日誌(経理様式15)及び人件費精算書(経理様式16)は、その写しを収支簿に添付して量研へ提出し、原本は研究機関において証拠書類とともに保管してください。
※ 人材派遣による場合も、専従者、兼業者の区分により、上記に従って経理様式を整備してください。
■ 雇用形態別必要書類
雇用形態 | 作業月報 【経理様式14】 | 作業日誌 【経理様式15】 | 人件費精算書 【経理様式16】 | 従事証明書※ 【経理様式17】 | |
専従者 | 月給制・年俸制 | ○ | - | - | ○ |
時給制・日給制 | - | ○ | - | ○ | |
兼業者 | 月給制・年俸制 | - | ○ | ○ | ○ |
時給制・日給制 | - | ○ | ○ | ○ |
※ 本研究に従事することが明記されている任意の雇用関係書類(労働契約書、労働条件通知書、同等の覚書、辞令等)を提出できる場合は、従事証明書(経理様式17)の作成を省略することができます。
ⅳ)雇用に関しての留意事項
・研究機関において定められている基準勤務時間内での研究実施を原則とし、超過勤務が必要となる場合であっても必要最小限となるよう留意してください。
・人件費には各種手当て、法定福利費を含むことができます。各種手当は、原則として扶養手当や住居手当等、健康保険の報酬月額算定に含まれるものを対象とします。祝金、見舞金、持ち株会奨励金等は認められません。
・委託研究契約期間外の人件費は計上できません。
ⅴ)招待講演・専門的知識の提供に係る謝金について
・本研究の実施に伴い直接必要である場合に限り計上可能です。また、単価基準は研究機関の規程に準じて執行してください。
・招待講演等により外部専門家に謝金を支払う場合を想定しています。
・他の研究機関所属の者であっても、同一研究チームの研究参加者として参画している場合は、招待講演等の謝金対象とすることはできません。
ⅵ)謝金に関する留意事項
・一時的(3ヶ月未満)な作業等に対して謝金(アルバイト料)を支払う場合については、研究計画書への登録を省略することができます。また、会議等に招へいする外部講師も上記に準じ、一時的な参加であれば登録を省略することができます。ただし、本研究の研究成果に係る論文の著者や発明者となる可能性がある場合は一時的であっても研究計画書への登録が必要となります。
④ その他
[1]会議費について
ⅰ)会議費に含まれるもの
・会場借料
・飲食費用(アルコール類を除く。)※対象となる会議については、以下ⅱ)をご参照ください。
・その他、会議に必要な費用
ⅱ)飲食費計上の対象となる会議
・本研究で得られた研究成果の発表等、本研究に直接的に関係する会議(ワークショップ、シンポジウムを含む。)を主催するなど、その運営に直接携わる必要がある場合であり、かつ外部の研究者が参加する会合であることを要件とします。
・研究チーム内の研究参加者のみによる定例的な研究ミーティングは対象となりません(他の研究機関所属の者であっても、同一研究チーム内の研究参加者は「外部の研究者」に含まれません。)。
ⅲ)その他留意事項
・会議費の計上にあたっては、国費を財源とすることに鑑み、必要最小限、極力簡素なものとするようご留意ください。特に、飲食費の計上にあたっては国民の疑義を招くことのないよう、金額・参加者の妥当性を適切に判断してください。
・他の研究機関や学会等と共同で開催するような会合における会議費については、適切に分担して計上してください。
・学会等参加時に研究参加者が支払った懇親会費は直接経費計上の対象となりません。
[2]研究機関所有の研究設備・機器の使用料について
・本研究に直接使用する研究機関所有の研究設備・機器について、研究機関の規程等により合理的と認められる使用料が課されている場合は、当該経費を直接経費に計上することができます。
[3]研究設備・機器等の保守料について
・本研究に直接必要である研究設備・機器等の保守料であれば、研究機関所有の既存の研究設備・機器等であっても、直接経費から計上することができます。なお、本研究と他の研究等で共同利用する研究設備・機器等の保守料については、利用状況等を勘案した合理的根拠に基づき区分して負担する場合には、計上することが可能です。
[4]研究実施場所借上経費について
・本研究に直接必要であり、専ら使用される研究実施場所については、借上経費の計上が可能です。研究機関
は、研究実施場所の必要性や借上経費の妥当性について適切に判断の上、計上してください。なお、対象となる施設が研究機関所有の場合、その使用料の算出にあたっては、利用規則等の規程に従う等、算出根拠を合理的に説明し得る方法により行ってください。
・研究実施場所借上経費の計上を行う場合には、経費の算出根拠を明らかにした証拠書類を整備し、収支簿の提出が必要な研究機関においては、収支簿に添付して提出してください(様式任意)。
[5]リース・レンタルについて
・設備等については、購入のほか、リースやレンタルも可能です。
・ただし、リース・レンタルを行う場合であっても、その契約にあたっては競争原理の導入が求められます。また、購入する場合に比して経済的であることが必要です。なお、委託研究担当者が移籍する際に本研究に支障が生じないことが前提となります。
・リース・レンタルの予算費目は、「物品費」ではなく「その他」としてください。
[6]リース料・レンタル料、ソフトウェアライセンス・雑誌年間購読料等の計上範囲について
・上記費用を前納した場合でも、直接経費として計上できるのは、原則として既経過期間のみとなります。
[7]光熱水料について
・本研究に直接使用する実験棟、プラント、設備、装置等の運転等に要した光熱水料は、直接経費から計上することができますが、その額は専用のメーターに基づく計上を原則とします。なお、専用のメーターが装備されていない場合であっても、占有面積、使用時間等を勘案した合理的な積算根拠があり、その使用料を他の研究や業務と区別できる場合には、直接経費から計上することが可能です。
・事務スペース、共用スペースに係る光熱水料は本研究に直接使用しているとは言えないため、間接経費から計上してください。
・専用メーター以外の合理的積算根拠により計上している場合は、経費の算出根拠を明らかにした証拠書類を整備し、収支簿の提出が必要な研究機関においては、収支簿に添付して提出してください(様式任意)。
3)直接経費の費目間流用
・本研究の目的に合致することを前提に以下の条件・手続きのもと、直接経費の費目間流用が可能です。なお、直接経費と間接経費との間の流用は認められませんので、ご注意ください。
① 量研の確認を必要としないで流用が可能な場合
・各費目における流用額が、当該事業年度における直接経費総額の50%(直接経費総額の50%の額が本SI P課題の最低基準額(500万円)に満たない場合は当該最低基準額)を超えないとき
※ 上記の範囲内であっても、研究計画の大幅な変更[重要な研究項目の追加・削除、研究推進方法の大規模な 軌道修正など]を伴う場合は、流用額の多寡、流用の有無にかかわらず、事前に量研の確認が必要です。
※ 委託研究契約書上の計上額が0円の費目についても、流用範囲内であれば使用可能です。
※ 量研課題担当者が委託研究担当者、研究機関に流用の内容を後日確認させていただく場合があります。
例)計画されている物品費の執行がほとんどなく、その大半が、外国旅費に流用されている場合等、研究計画書との整合性を確認すべきであると判断される場合
② 量研が本研究の実施上必要であると確認した上で流用が可能な場合
・各費目における流用額が、当該事業年度における直接経費総額の50%及び本SIP課題の最低基準額を超えるとき
・費目間流用(各費目の執行見込額変更)の手順は以下のとおりです。
ⅰ)委託研究担当者が量研課題担当者に対して、電子メール等で費目間流用の内容及び理由を連絡
【 参照:費目間流用申請書(参考様式1)】
ⅱ)量研が研究実施上必要であるかどうかを判断
ⅲ)量研課題担当者から委託研究担当者へ費目間流用の可否を通知
≪ケーススタディ≫
【ケース①】直接経費総額20,000 千円、費目間流用額13,000 千円
→ 事前確認必要 [ 20,000×50% > 5,000 → 原則10,000 千円まで事前確認不要 ]
【ケース②】直接経費総額20,000 千円、費目間流用額6,000 千円
→ 事前確認不要 [ 20,000×50% > 5,000 → 原則10,000 千円まで事前確認不要 ]
【ケース③】直接経費総額8,000 千円、費目間流用額6,000 千円
→ 事前確認必要 [ 8,000×50% < 5,000 → 原則5,000 千円まで事前確認不要 ]
【ケース④】直接経費総額4,000 千円、費目間流用額2,500 千円
→ 事前確認不要 [ 4,000×50% < 5,000 → 原則5,000 千円まで事前確認不要 ]
※ 事前確認不要となるケース②及び④については、研究計画の大幅な変更がないことが前提となります。
4-1)旅費等の合算使用の取扱い
・本SIP課題の直接経費と他の競争的研究費等の合算使用として認められる事例は、以下のとおりです。なお、この場合、量研の事前確認は不要です。
①本SIP課題と他の事業の用務を合わせて1回の出張を行う場合で、本SIP課題と他の事業との間で経費を適切に区分できる場合
②消耗品(材料、試薬等)を購入する場合で、本SIP課題と他の事業との間でその使用区分を明確にした上で、その区分に応じた経費を合算し、一括して消耗品を購入する場合
4-2)使途に制限のない資金との合算使用(自己負担)について
・使途に制限のない資金(運営費交付金等の自己資金、寄付金等)を本研究の研究費として、直接経費と合算して使用すること(いわゆる自己負担)が可能です。なお、この場合、量研の事前確認は不要です。
・使途に制限のない資金との合算使用を行った場合は、委託研究実績報告書(経理様式1)及び収支簿(経理様式
2)の支出金額に当該経費も含めて記入してください。
・委託研究担当者が他機関へ移籍する際は、使途に制限のない資金との合算使用により購入された取得物品についても、後述の「Ⅲ.9.3)物品の移動等について」に沿って移籍先機関へ引き継いでください。
※ 企業等に区分される研究機関においては、使途に制限のない資金であるか否かにかかわらず、直接経費以外の資金との合算使用により物品の所有権が量研帰属となるものを取得することは認められませんので、ご注意ください。
5)その他の直接経費に係る留意事項
① 委託研究経費執行に係る発注・検収について
・発注・検収業務について、当事者以外によるチェックが有効に機能するシステムを構築・運営するなど、公的研究費の管理・監査のガイドラインに則り、適切に行ってください。
② 不課税取引等(不課税・非課税取引)に係る消費税相当額の取扱いについて
・委託研究契約は、消費税法上の「役務の提供」に該当するため、委託研究経費の全額が消費税及び地方消費税
(以下「消費税」という。)の課税対象となります。
・委託研究経費を物品調達などの課税取引だけでなく、人件費や外国旅費などの不課税取引等に支出する場合、量研から受け取る消費税額と、各研究機関において支払う取引に含まれる消費税との差額が生じ、その差額に相当する消費税を各研究機関より納付することになります。
・このため、直接経費により執行された不課税取引等に係る消費税相当額について、直接経費に計上することができます。ただし、免税事業者である場合は、消費税相当額を計上することはできません。
・不課税取引等に係る消費税相当額を計上する際は、当該取引の予算費目に関係なく「その他」に計上してください。
・なお、個々の取引実態を反映しない一定割合による消費税相当額の計上は認められません(例えば、直接経費全体に対して、消費税相当分として定率を計上する、課税取引が一部含まれる旅費総額に消費税率を乗じるなど)。
※ 不課税取引等として以下のような例があげられますが、課税区分判定については研究機関の取扱いに従ってください。特に基本給に通勤費を含めている場合等についての取扱いは、研究機関において顧問税理士等への確認により研究機関の責任において整理してください。
a.人件費(うち通勤手当や派遣費用を除く。)
b.外国旅費・外国人等招へい旅費(うち支度料や国内分の旅費を除く。)
c.その他、国外で消費する経費(国外の学会出席の際、国外に参加費を支払う場合など) d.内部取引での調達
③ 直接経費の収支管理
・直接経費の収支を明らかにするために収支簿を作成し、予算費目毎に収支管理を行っていただく必要があります。収支簿作成にあたっては、後述の「Ⅲ.8.証拠書類の管理について」をご参照ください。
・一定の要件が満たされる場合、収支簿の提出の省略が認められますが、この場合であっても、「Ⅲ.8.2)収支簿の記載方法について」に従って、収支簿を適切に作成いただく必要があります。
④ 委託研究実施の過程で発生した収入の取扱いについて
・研究計画策定の時点で 、収入が発生すると見込まれる場合は、量研課題担当者に事前にご相談ください。委託研究の実施に伴い、当初の研究計画にない収入が発生した場合においても、量研に速やかにご相談ください。
・収入と支出を相殺して計上することはできません。
・証拠書類については保管・整備をお願いします。
⑤ 直接経費の支出方法について
・直接経費の支出(研究機関から納入業者等への支払)は、原則として、金融機関からの振込としてください(取引上必要のあるときは現金払いを認めますが、手形取引、相殺決済、ファクタリングは認められません。)。
⑥ 直接経費として計上できない経費
・本研究の目的及び趣旨に合致しないもの
・間接経費としての使用が適当と考えられるもの(通常の企業会計における一般管理費に該当するもの(管理部門人件費等)は間接経費に含まれます。)
・「学会年会費」、「資格取得に係る費用」等で研究機関や研究参加者の権利となるもの
・「敷金・保証金」等で予め戻入となることが予定されているもの
・委託研究経費の精算等において使用が適正でないと量研が判断するもの
≪ 特許関連経費の取扱い ≫
本SIP課題では、「特許関連経費(出願料、弁理士費用、関係旅費、手続き費用、翻訳費用等)」については、間接経費での計上を原則とします。
⑦ 物品・役務等の調達に係る競争原理の導入について
・1契約が100万円以上(消費税含む。)の場合は、原則として、適正な証拠書類を整備した上で、競争原理を導入した調達(入札又は相見積)を行ってください。なお、証拠書類の整備方法は、【別添1.証拠書類一覧】を参考にしてください。
・上記にかかわらず、業者及び機種に対する合理的な選定理由等があり、競争による調達を行わない場合は、発注前に業者及び機種に関する選定理由書を作成し、その理由を明確にする必要があります。
・1契約の金額とは、契約書(又は見積書)記載の金額若しくは、契約期間における総見込み支払額とします。競争による調達を避けるために分割して調達することは、認められません。
・チーム内の共同研究企業からの物品等の調達を行う場合は、原則、競争原理を導入した調達を行ってください。合理的な選定理由により、競争による調達を行わない場合の経費の計上にあたっては、利益排除等の措置を行うことが望ましいと考えられますので、事前に量研へご相談ください。
⑧ 100%子会社等又は自社から調達を行う場合の利益排除について
ⅰ)利益排除に関する留意事項
・原則として、競争原理を導入した調達(入札又は相見積)を行ってください。
・100%子会社等又は自社から調達を行う場合、2者以上(100%子会社等又は自社を含まない。)による競争の結果、100%子会社等又は自社の調達価額が他者の価額以下となる場合は、利益排除は不要です。なお、ここでいう調達価額とは、適正な利益率を加味した価額(定価等)を指します。
・利益排除を行っている場合には、算出根拠を明らかにした証拠書類を整備し、収支簿の提出が必要な研究機関においては、収支簿に添付して提出してください(様式任意)。
・100%子会社等又は自社から「役務」の調達を行う場合は、以下の要件を満たす必要があります。
ア)自社からの調達の場合は、当該役務を行う者が本研究の研究参加者の所属する部署以外に属する者であること
イ)仕様により作業内容が明確であるとともに、作業内容に研究開発要素を含まないこと
※ 研究開発要素を含む作業を自社の研究者等に依頼する場合は、当該研究者等を研究計画書上の研究参加者として登録の上、必要に応じて人件費を計上してください。
ⅱ)利益排除の方法
a)100%子会社等から1契約100万円以上の物品又は役務の調達を行う場合(1契約が100万円未満の 場合は、利益排除を省略することが可能です。)
・合理的な選定理由により競争による調達を行わない場合の経費の計上にあたっては、原則として、製造原価又は仕入原価を用いることにより利益排除を行ってください。なお、原価の証拠書類等を明らかにできない場合には、100%子会社等の製造部門等の責任者名によって、製造原価証明書を作成してください。
・合理的な理由により原価による利益排除が困難な場合は、まず、後述のア)の方法を、ア)の方法が存在しない場合はイ)の方法を、イ)の方法が存在しない場合はウ)の方法を選択してください。
ア)100%子会社内の部門間で当該事業年度適用の部門間振替価格を取り決めている場合は、その価格による経費の計上。ただし、部門間で利益率を取り決めているなど部門間振替価格に利益が計上されている場合は、利益控除を行うこと
イ)100%子会社等と自社との間で当該事業年度適用の取引価格を取り決めている場合は、その取引価格による経費の計上。ただし、子会社等と自社との間で利益率を取り決めているなど取引価格に利益が計上されている場合は、利益控除を行うこと
ウ)100%子会社等の単独財務諸表から算出される経常利益率(経常利益/売上高、%表示の小数点以下第
2位を切り上げ)による利益排除
※100%子会社等とは、研究機関の持分比率が連結決算ベースで100%となる子会社・孫会社をいいます(期中で出資比率が変動する場合は、出資比率変更日以降から、計上方法を変更してください。)。
※ ア)~ウ)いずれの方法においても、証拠書類にて算出根拠を明らかにできる様整備をお願いします。
※ ア)~ウ)のいずれの方法によることも困難であるとして利益排除を行わないことは認められません。
※ ウ)の経常利益率は、前事業年度の決算における値を使用してください。
b)自社から物品又は役務の調達を行う場合(調達金額の多寡にかかわらず利益排除を行ってください。)
・合理的な選定理由により競争による調達を行わない場合の経費の計上にあたっては、原則として、製造原価又は仕入原価を用いることにより利益排除を行ってください。なお、原価の証拠書類等を明らかにできない場合には、自社の製造部門等の責任者名によって、製造原価証明を作成してください。
・合理的な理由により原価による利益排除が困難な場合は、まず、ア)の方法を、ア)の方法が存在しない場合はイ)の方法を選択してください。
ア)自社部門間で当該事業年度適用の部門間振替価格を取り決めている場合は、その価格による経費の計上。ただし、部門間で利益率を取り決めているなど部門間振替価格に利益が計上されている場合は、利益控除を行うこと
イ)自社の単独財務諸表から算出される経常利益率(経常利益/売上高、%表示の小数点以下第2位を切り上げ)による利益排除
※ ア)、イ)いずれの方法においても、証拠書類にて算出根拠を明らかにできる様整備をお願いします。
※ ア)、イ)のいずれの方法によることも困難であるとして利益排除を行わないことは認められません。
※ イ)の経常利益率は、前事業年度の決算における値を使用してください。
ⅲ)その他
・100%子会社等である研究機関が、その親会社から調達する場合は、利益排除の対象とはなりません。
・ 経常利益率による利益排除の方法を選択する際に、当該社が決算上赤字等(決算書上の経常利益が赤字若しくは0)の場合には、利益排除の必要はありませんが、その価格の適正性には十分な配慮を行ってください。
4.間接経費について
1)間接経費の執行
・間接経費は、研究機関の責任において、計画的かつ適正に執行するとともに領収書等の証拠書類を整備し、また、それらを研究期間終了日の属する事業年度末の翌日から5年間適切に保管し、使途の透明性の確保に努めてください。
2)間接経費の算定・請求
・間接経費は直接経費に対する一定比率(間接経費率)を上限に措置されます。
・間接経費の算定(直接経費×間接経費率)にあたっての端数処理は「1円未満切り捨て」となります。
・間接経費比率の上限は以下のとおりです。
研究機関の種類 | 間接経費率 |
大学、国公立研究機関、公設試験研究機関、独立 行政法人等の公的研究機関、公益法人 | 直接経費の 30% |
中小企業* | 直接経費の 15% |
企業(中小企業除く) | 直接経費の 10% |
* 中小企業の定義:
中小企業基本法第2条(中小企業者の範囲及び用語の定義)を準用し、以下に定める「主たる事業として営んでいる業種」により契約時の直近の状況において、A又はBのいずれかの基準を満たす法人です。中小企業に該当する場合は、契約締結時に中小企業者証明書(経理様式19)を提出してください。
主たる事業として営んでいる 業種 ※1 | A 資本金基準 ※2 | B 従業員基準 ※3 |
製造業、建設業、運輸業、その 他の業種 (以下以外) | 3億円以下 | 300人以下 |
卸売業 | 1億円以下 | 100人以下 |
サービス業 | 5千万円以下 | 100人以下 |
小売業 | 5千万円以下 | 50人以下 |
※1 業種分類は、「日本標準産業分類」の規定に基づきます。
※2 「資本の額又は出資の総額」を言います。
※3 「常時使用する従業員の数」を言い、家族従業員、臨時の使用人、法人の役員、事業主は含みません。また、他社への出向者は従業員に含みます。ただし、大企業に該当する親会社の連結決算ベースでの持分比率が100%の子会社又は孫会社については、みなし大企業として取扱います。
3)間接経費の主な使途
・本研究の実施に伴う研究機関の管理等に必要な経費のうち、以下のものを対象とします。以下の例示に記載があっても、本研究の管理等に関連がない経費への支出はできません。
間接経費の主な使途の例示
(1)管理部門に係る経費
(ア)管理施設・設備の整備、維持及び運営経費(会計基準に基づく、保有する減価償却資産の取替のための積立を含む。ただし、独立行政法人における基金又は運営費交付金を財源とする競争的研究費に限る。)
(イ)管理事務の必要経費
備品購入費、消耗品費、機器借料、雑役務費、人件費、通信運搬費、謝金、国内外旅費、会議費、印刷費
など
(2)研究部門に係る経費
(ウ)共通的に使用される物品等に係る経費
備品購入費、消耗品費、機器借料、雑役務費、通信運搬費、謝金、国内外旅費、会議費、印刷費、新聞・雑誌代、光熱水費
(エ)当該研究の応用等による研究活動の推進に係る必要経費
研究者・研究支援者等の人件費、備品購入費、消耗品費、機器借料、雑役務費、通信運搬費、謝金、国内外旅費、会議費、印刷費、新聞・雑誌代、光熱水費、論文投稿料(論文掲載料)
(オ)特許関連経費
(カ)研究機器・設備(※)の整備、維持及び運営に係る経費(会計基準に基づく、保有する減価償却資産の取替のための積立を含む。ただし、独立行政法人における基金又は運営費交付金を財源とする競争的研究費に限る。)
※ 研究棟、実験動物管理施設、研究者交流施設、設備、ネットワーク、大型計算機(スパコンを含む)、大型計算機棟、図書館、ほ場
など
(3)その他の関連する事業部門に係る経費
(ソ)研究成果展開事業に係る経費
(タ)広報事業に係る経費など
※上記以外であっても、競争的研究費を獲得した研究者の研究開発環境の改善や研究機関全体の機能の向上に活用するために必要となる経費などで、研究機関の長が必要な経費と判断した場合、執行することは可能である。なお、直接経費として充当すべきものは対象外とする。
4) 留意事項
① 間接経費の返還
・本研究の実施の結果、不用となる直接経費の残額が生じ、量研へ返還を行う場合には、返還を行う直接経費に相当する間接経費を加えて量研へ返還してください(変更契約等に伴い直接経費が減額された場合の間接経費の精算・返還についても同様としてください。)。
・直接経費を全額執行し、間接経費のみに残額が発生した場合は、当該残額を量研へ返還してください。
② 委託研究経費の返還に係る間接経費の計算について
・返還対象となる直接経費に相当する間接経費の計算は以下のとおりです。
「返還すべき間接経費」=「返還対象となる直接経費」×「間接経費率」 [※1円未満切り上げ]
③ 間接経費の報告等
・間接経費に係る収支簿及び証拠書類を量研へ提出する必要はありませんが、使途の透明性の確保の観点から、適正な執行を証明する証拠書類を整備してください。
5.委託研究経費の執行期限
各事業年度における委託研究経費執行に係る契約、検収、支出の期限は下表のとおりです。
手続き | 当該事業年度末(3/31)に契約期間が終了 もしくは年度更新となる委託研究契約 | 期中に契約期間が終了する委託研究契約 |
物品調達・役務等の契約 | 当該事業年度の3月31日 | 契約期間終了日又は研究中止日 |
物品調達・役務等の検収 | 当該事業年度の3月31日 | 契約期間終了日又は研究中止日 |
業者等への支払い(支出) | 翌事業年度の5月31日 | 委託研究期間終了後61日以内(委託研究 中止申請による契約解除の場合は30日以内) |
※ 委託研究契約が単年度契約の場合に年度を跨る調達等の契約を行うことは原則としてできません(ただし、研究推進上の必要性から年度を跨ぐ調達等を希望する場合は、個別に量研にご相談ください。)。
※ 人件費における事業主負担分や不課税取引等に係る消費税相当額等の研究機関留保分は、上記期限までに支払が完了していない場合でも、その支払金額が確定している場合に限り、当該人件費や取引が発生した事業年度での計上が可能です。
【 経費の年度区分の取扱いについての特例 】
① 国内及び外国旅費等、事業年度を跨る際に厳密な年度区分が困難になる経費について、研究機関の規程において支出した日の属する年度に支出計上することとしている場合には、研究機関の規程に従って処理することが可能です。
※ 事業年度を跨る支出であっても、年度区分が可能なものについては、原則として、計上する年度を区分してください。
② 事業年度末において支払額が確定しない社会保険料や光熱水料等について、研究機関の規程において翌事業年度に計上することとしている場合には、研究機関の規程に従って処理することが可能です。
※ 上記①及び②の処理は、研究期間が翌事業年度以降も継続することが研究計画書により確認できる場合に限ります。
6.委託研究経費の量研から研究機関への支払いについて
1)支払いの方法
・原則として『分割払い』(概算払いにて四半期毎の4回払い)とします。
・ただし、以下のいずれかに該当する場合は、『一括払い』とすることが可能です。
① 当該事業年度における直接経費の額が2,000万円以下の場合
② 第3四半期以降に契約が開始する場合
③ 変更契約に伴う追加払いの場合
④ 研究期間の最終年度にあたる場合
⑤ その他、特段の事由がある場合
・分割払いの取扱いについては、後述の「Ⅲ.7.委託研究経費の分割払いについて」をご参照ください。
・当該委託研究経費を本研究以外の使途に使用することは認められません。
・委託研究契約締結前及び契約期間中に行われる事務管理体制及び財務状況等に係る調査・確認の結果によっては、量研指定の支払方法となるほか、契約を見合わせる場合や契約期間中であっても、委託研究経費の縮減や研究停止、契約期間の短縮、契約解除等の措置を講じることがあります。なお、量研が指定する支払方法となった場合は、別途、量研より通知する事務要領に沿って、委託研究経費の請求や精算等の手続きを行ってください。
2)委託研究経費の請求について
・委託研究経費の早期支払いにより、委託研究経費の効率的かつ速やかな執行による研究の円滑な推進、また研究機関の資金繰りの軽減が図られると考えます。各研究機関においては、委託研究契約の早期締結、並びに請求書の速やかな発行等の事務処理をお願いします。
・研究機関が発行する請求書は委託研究担当者毎(委託研究契約単位)にご作成ください。なお、誤りなく速やかに処理するために、確認事項として請求書類に「委託研究担当者氏名」を記載してください。
・請求書の到着時点で支払期限まで期日の猶予がない場合等には、別途個別に支払期限を調整させていただくことがあります。
3)銀行口座の取扱いについて
・量研の委託研究経費を管理する銀行口座について、新規の口座を個別に設ける必要はありません。
・収支の記録は収支簿を作成の上、直接経費については委託研究担当者別(委託研究契約単位)に明確に区分してください。
・預金利息が発生した場合、量研へ報告及び返還する必要はありません。
4)委託研究経費の変更について
・本SIP課題では、委託研究経費の効率的・効果的な運用の観点から、随時、予算の見直しを行っております。従って、本研究の進捗状況に基づき、必要に応じて研究計画の見直しを行いますので、契約期間中であっても、委託研究経費を増額又は減額する場合があります。
・この場合、直接経費に対する一定比率で措置されている間接経費も、同時に増額又は減額します。
・柔軟かつ効果的な研究推進のため、円滑な契約変更手続にご協力ください。
① 委託研究経費の増額変更に伴う追加額の支払い
・原則として一括で支払います。
・委託研究経費の増額変更に係る契約変更手続き終了後、速やかに増額された委託研究経費を請求してください。
② 委託研究経費の減額変更に伴う返還額の支払い
・委託研究経費の減額変更に係る契約変更手続き終了後、速やかに減額された委託研究経費を一括払いで返還してください。
・分割払いの場合において、量研より委託研究経費の支払いが全額完了する前に委託研究経費の減額が判明した場合は、委託研究経費の減額変更に係る契約変更手続きと併せ、研究機関からの以後の請求額を減額するなどの調整をさせていただきます。
7.委託研究経費の分割払いについて
1)分割額の決定方法
・各四半期の支払い額は、当該事業年度における委託研究経費を均等4分割した額を原則としますが、以下の理由がある場合は、量研にて各期の支払い額を調整させていただきます。研究機関において調整が必要と認められる事由が発生する場合には、速やかに量研にご相談ください。
① 研究機関又は委託研究担当者からの求めがあり、研究題目の内容や研究実施上の観点から必要であると量研が判断した場合
② 量研の資金調達及び支払能力の範囲を超えている場合
③ その他、量研が必要と判断する場合
2)留意事項
・委託研究契約の締結(若しくは年度更新)時に研究機関へ通知する事務連絡に基づき各期の委託研究経費を請求してください。
8.証拠書類の管理について
1) 作成・管理をしていただく経理等関係書類
①収支簿(経理様式2)
・直接経費の収支を明らかにするため、収支簿を作成する必要があります。
・公的研究費の管理・監査のガイドラインを遵守している研究機関が、科学研究費補助金を受給し、科学研究費補助金と同様の条件で内部監査を実施する場合には、収支簿の提出を省略することとします。ただし、この場合であっても、研究機関において適正に収支簿の作成及び保管を行う必要があります。また、量研が必要と認める際には、収支簿の提出を求める場合があります。
②適正に執行されたことを証明する書類(証拠書類)
・経理等関係書類の様式について、特に定めはありませんが、研究機関内の意志決定から契約・検収・支払いまでの過程が確認できる一連の証票類を証拠書類として整備・保管し、国の会計検査や量研による経理調査等の際に支障のないように対応してください。
・国の会計検査等では、事実に基づく証拠書類により、発生した経費の適正性・妥当性を客観的に説明することが求められます。証拠書類の整備にあたっては以下の点にもご留意ください。
○ 人件費について、適切に出退勤管理、従事管理が行われているか。
○ 旅費について、出張日程と出勤簿・従事日誌に不整合が無いか。
○ 都度納入される消耗品等について、単品納品書(※)により納入の事実が確認できるか。
※単品納品書:納品の都度発行される納品書
・経理等関係書類の整備に関する研究機関の規程が無い場合などは、【別添1.証拠書類一覧】に準じて整備してください。
・証拠書類は収支簿とともに研究期間終了日の属する事業年度末の翌日から5年間適切に保管してください。
2)収支簿の記載方法について
・収支簿の記載は、1行1伝票としてください。(1行1品でも可です。)
・収支簿の『入出金年月日欄』は、委託研究経費の入金年月日や物品等の調達等に係る支払年月日を日付順に記載してください。(契約年月日、納入検収年月日ではありません。)
・量研からの受入金額は、入金の都度、収支簿の収入欄に記載してください。
・収支簿には、前事業年度繰越分の収支も含めて記載してください。
・収支簿の『摘要欄』には調達等の内容が確認できるよう以下事項を記載してください。
ⅰ)物品費:品名、数量
ⅱ)旅費 :旅行者名、旅行内容(打合せ・会議名など)、用務地、旅行期間
ⅲ)人件費・謝金:従事者名、従事期間(○月分など)
ⅳ)その他:上記に準じ、調達等の内容が判る件名(品名)、数量など。学会参加費等についてはその会合の名称や日程
3)収支簿の摘要欄における省略記載について
① 物品費:品名・数量の省略について
・多数の消耗品等を一括で調達した場合には、主なものの品名のみを記載することで、その他を省略することができます。[例:○○試薬○mg 他]
・消耗品等の品名・数量を省略記載する場合であっても、納品時にその調達の内容及び数量を適切に把握し、確認する必要があります。
・具体的な品名等の記載を行わず「消耗品」と記載することは認められません。
・上記にかかわらず、「1品(若しくは1式)の金額が10万円以上」の物品等がある場合は、当該10万円以上の物品等について収支簿上に全て記載、もしくは、内訳が確認できる納品書等を添付してください。
② 旅費:用務地、旅行期間の省略について
・近距離の出張等で宿泊を要しないものは、「用務地」、「旅行期間」を省略して記載することができます。
・上記の場合でも、「旅行者名」、「旅行内容(旅行目的)」は、必ず記載してください。
③ 人件費・謝金:省略不可の取扱いについて
・人件費・謝金の支払対象者が複数いる場合は、各対象者への支払金額がわかるように記載してください。
④ 省略記載の特例について
・量研への収支簿の提出の省略が認められる研究機関にあっては、各研究機関が説明責任を果たせる範囲内で、研究機関の判断による省略記載を可とします。ただし、調査等において十分な説明が行えるよう、証拠書類等を適切に整備・保管してください。
4)留意事項
・上述の収支簿(経理様式2)は、科学研究費補助金収支簿の記載項目とほぼ同様です。研究機関で科学研究費補助金に係るシステムや帳簿の様式が備えてあれば、量研の収支簿についても科学研究費補助金と同じシステムを使用して差し支えありません。
・量研へ提出された収支簿において、上述の省略記載がなされている場合には、内訳明細、不明点等を量研が照会することがあります。
9.物品等の取扱いについて
1)物品の種類と所有権の帰属
①取得物品
・研究機関が本研究のために直接経費により取得した物品等をいい、その所有権の帰属は以下のとおりとなります。
○ 量研帰属:取得価額が10万円以上かつ使用可能期間が1年以上のもの(固定資産)
○ 研究機関帰属:取得価額が10万円未満又は使用可能期間が1年未満のもの(消耗品等)
・取得物品には、直接経費により調達された消耗品などを含む物品等が全て含まれます。
②提供物品
・本研究の実施上の必要のために研究機関の使用が認められる量研所有の物品等のうち取得物品以外のものとなります。
2)物品の管理(研究機関にて管理対象となる物品等について)
・研究機関は研究期間中、量研帰属の取得物品及び提供物品を無償で使用することができます。研究機関及び委託研究担当者は、これらの物品を使用するにあたり量研の固定資産管理細則等のルールに基づき善良なる管理者の注意をもって適正に管理してください。
・研究機関帰属の取得物品(取得価額10万円未満または使用可能期間が1年未満の消耗品等)については研究機関の物品管理規程等のルールに基づき管理してください。
3)取得物品の報告及び貸付申請
ⅰ)有形固定資産(取得価額10万円以上の設備等) (経理様式8 有形固定資産取得報告書(兼)貸付申請書)
ⅱ)無形固定資産(取得価額10万円以上のソフトウェア等) (経理様式9 無形固定資産取得報告書(兼)貸付申請書)
※ 資産取得報告は、上記様式を使用の上、四半期毎にExcel 版及びPDF化したものを量研にご提出ください。役職印は不要ですが、誤りや漏れが無いよう、十分にご確認ください。なお、各四半期に対象となる資産がない場合であっても必ずその旨を上記様式にてご報告ください。
※ 取得価額は、消費税及び附帯費用(本体に予め付属する備品・消耗品等の費用、輸送費、据付調整費等)込みの金額となります。また、資産毎に「品名」・「取得価額」・「検収日」が確認できる納品書と請求書のPDFを添付して、ご提出ください(資産性確認のため、カタログ等も求めます。)。
※ 100%子会社等又は自社から調達を行った固定資産の取得価額は利益排除後の金額とし、利益排除の根拠となる資料を合わせて提出してください。また、各報告書の備考欄にその旨を記載してください。
※ 上記、固定資産の定義は、企業会計上のものと同一です。なお、研究機関が所有する既存の研究設備・機器等について、法人税法上の「資本的支出」に該当する改造を行うことは原則として認められません。また、量研帰属の取得物品又は提供物品に改造を加える場合はその都度、事前に量研へご相談ください。量研にて資産性の有無を確認し、固定資産取得報告書の記載を求める場合があります。
※ 使途に制限のない資金であるか否かにかかわらず、直接経費以外の資金との合算使用により物品の所有権が量研帰属となるものを取得することは認められませんので、ご注意ください。
※ 資産取得報告を受けた物品については、他の資産と区分するため、量研が発行する資産管理ラベルを貼付して適切に管理してください。
※ 量研は資産取得報告を受け、取得価額が100万円以上の有形固定資産について研究期間中、量研において動産保険を付保します。
①試作品について
・企業会計上、研究開発費用として認識される試作品(ソフトウェア含む。)は、固定資産には含まれません。例えば、研究活動の過程で構造や機能解析のために製作される試作用機器等(ソフトウェア含む。)は、固定資産として報告する必要はありません。ただし、ある特定の研究開発目的に使用された後に、他の目的に使用できるような試作品(一部分が他へ転用できる場合も含む)は、固定資産として報告してください。
②ソフトウェアについて
・汎用性の無いソフトウェア(プログラム開発)を無形固定資産として報告する必要はありません。
・無形固定資産として報告対象となるソフトウェアの所有権は量研に帰属しますが、必要があれば、ライセンス名義を研究機関とすることができます。
・予め設備・機器等に付属しているソフトウェアについては、有形固定資産の取得価額の一部として計上してください。
ソフトウェア取得資産報告早見表
有機的一体として機能する機器組み込みソフトウェア※ | 汎用性があるもの (機器等に組み込まないもの、付属しないもの) | 試作品等、特殊なもの (本研究のために作成し、汎用性がないもの) | |
使用期間や使用者等に制限なし | 使用期間や使用者に制限あり (ライセンス契約等) | ||
取得資産報告不要 | 取得資産報告不要 |
使用可能期間 | |||
1年以上 | 1年未満 | ||
取得単価 (税込) | 10万円以上 | 取得資産報告必要 | 取得資産報告不要 |
10万円未満 | 取得資産報告不要 | 取得資産報告不要 |
※有機的一体として機能する機器組み込みソフトウェアにて取得資産報告が必要となった場合は、有形固定資産の取得価格の一部として計上してください。
③提供物品の貸付申請
・提供物品の使用にあたっては、量研の固定資産管理細則に基づき、無償貸付の手続きが必要となります。使用を希望する際には提供物品貸付申請書(経理様式10)により、事前に量研へ申請してください。
④量研による物品確認等
・取得物品及び提供物品に量研帰属の有形固定資産を含む委託研究契約については、毎年度、当該有形固定資産の一覧表を量研が作成の上、研究機関に電子データを送付しますので、ご確認ください。
・量研所有物品の確認等のために量研職員が研究機関に赴くことがありますので協力願います。
⑤研究期間終了後の物品の取扱について
・研究期間終了後、取得物品及び提供物品のうち量研帰属の有形固定資産については、引き続き本研究の応用等の目的に使用されることを前提に、原則として一定の貸借期間(有償)を経て、耐用年数経過後に買い取りい
ただくこととしております。ただし、耐用年数経過前(研究期間終了時等)であっても、引き続き、本研究の応用等の目的に使用されることを前提として買い取ることが可能です。
・研究機関が買い取りを希望した場合、譲渡契約締結のために固定資産の状態確認等の手続きを行います。譲渡契約手続きは速やかに行いますが、資産が譲渡されるまでの間、研究機関は善良なる管理者の注意をもって資産を適正に保管してください。譲渡契約手続き前には寄託に関する必要事項について書面による取り交わしを行います。
・消耗品扱いとなる物品等については、その使用が終了するまでは、適正に管理してください(転売して利益を得ることは認められません。)。
⑥無人航空機について
・屋外を飛行させる 100g 以上の無人航空機(ドローン)は、国土交通省への機体登録が必要となっています。研究機関が本研究のために直接経費により無人航空機を取得し、量研帰属の取得物品となる場合は、量研にて登録を行いますので必ず事前に量研にご相談ください。
・研究機関帰属の取得物品である場合は、各研究機関にて登録申請を行ってください。(なお、研究期間終了後に量研帰属の機体を研究機関が買い取るときも、所有者変更となりますので登録変更手続きが必要です。)
・量研所有の提供物品の中に該当する機体があり登録事項の変更等がある場合は、量研にて登録手続きを行いますのでご連絡ください。
○参考:国土交通省 無人航空機登録ポータルサイト
https://www.mlit.go.jp/koku/drone/
4)物品の移動等について [ 対象:量研帰属物品 ]
①物品を移動する場合
・報告済の取得物品の所在場所が研究機関内において変更となる場合には、物品移動申請書(経理様式11)により、事前に量研へ申請してください。
・委託研究担当者が移籍等により所属研究機関を変更し、次の所属研究機関においても、引き続き量研の研究を推進する場合には、移動元所属研究機関と量研間の取得物品及び提供物品貸付けを終了し、移動先所属研究機関と量研間で新たに貸付け手続きを行うこととなりますので、協力をお願いします。なお、研究機関帰属となる取得物品(消耗品等)については、必要に応じて、無償譲渡により次の所属研究機関へ引き継いでください。
・量研と委託研究契約を締結する同一研究チーム内の他の研究機関へ物品を移動する場合は、物品移動申請書(経理様式11)を事前に量研へ申請してください。
②物品を持ち出す場合
・修理、フィールドワーク等のために物品を所属研究機関から移動させる場合は、物品持ち出し申請書(経理様式12-①)により、事前に量研へ申請してください。量研が申請を受理した後、物品の預かり責任者より物品持ち出し申請書・預かり書(経理様式12-②)を量研に提出していただきます。また、物品が所属研究機関に返還される場合は、物品の預かり責任者は物品持ち出し申請書・返還票(経理様式12-③)を量研に提出していただきます。
③取得物品が不用となった場合
・報告済の取得物品が不用となった場合には、物品不用・処分申請書(経理様式13)により、速やかに量研にご連絡ください。処分の方法については個別に検討します。量研の承認を受けることなく、取得物品を廃棄処分することは認められませんので注意してください。
10.マッチングファンドについて
SIPにおけるマッチングファンドは、内閣府「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)運用指針」第1
1条(民間企業からの貢献)に従い、当該研究開発テーマを実施する民間企業等より人的・物的貢献を求める制度です。
詳細は、https://www8.cao.go.jp/cstp/gaiyo/sip/の「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)運用指針」および「SIP 第3期におけるマッチングファンドの考え方について」をご確認ください。内閣府により詳細が公開され次第周知致します。
11.研究機関における管理監査体制、不正行為等への対応について
1) 公的研究費の管理・監査の体制整備等について
・研究機関は、本研究の実施にあたり、その原資が国費であることを十分認識するとともに、関係する法令等を遵守し、本研究を適正かつ効率的に実施するよう努めなければなりません。特に不正行為等(※)を未然に防止する措置を講じることが求められます。
・具体的には、「研究機関における公的研究費の管理・監査のガイドライン【別添4】」及び「研究活動における不正行為への対応等に関するガイドライン【別添5】」に基づき、研究機関の責任において公的研究費の管理・監査の体制を整備した上で、委託研究経費の適正な執行に努めるとともに、コンプライアンス教育も含めた不正行為等への対策を講じる必要があります。
(※)「不正行為等」とは、以下に掲げる「不正行為」、「不正使用」及び「不正受給」を総称していいます。
ア「不正行為」とは、研究活動において行われた故意又は研究者としてわきまえるべき基本的な注意義務を著しく怠ったことによる、投稿論文など発表された研究成果の中に示されたデータや調査結果等の捏造、改ざん及び盗用
イ「不正使用」とは、研究活動における虚偽の請求に基づく競争的研究費等(本SIP課題の委託研究経費を含む)の使用、競争的研究費等の他の目的又は用途への使用、その他法令、若しくは応募要件又は契約等に違反した競争的研究費等の使用
ウ「不正受給」とは、偽りその他不正の手段により競争的研究費等を受給すること
2) 「体制整備等自己評価チェックリスト」及び「研究不正行為チェックリスト」について
・研究機関は公的研究費の管理・監査に係る体制整備等の実施状況等を「体制整備等自己評価チェックリスト」及び「『研究活動における不正行為への対応等に関するガイドライン』に基づく取組状況に係るチェックリスト」(以下、後者を「研究不正行為チェックリスト」という。)により定期的に文部科学省へ報告するとともに体制整備等に関する各種調査に対応する義務があります。
・新規採択により本SIP課題を開始する研究機関及び新たに研究チームに参加する研究機関は原則として、研究開始(委託研究契約締結日)までに上記2種類のチェックリスト(以下「両チェックリスト」という。)を府省共通研究開発管理システム(e-Rad)を用いて文部科学省へ提出してください。なお、「体制整備等自己評価チェックリスト」と「研究不正行為チェックリスト」は e-Rad を使用する点では同一ですが、提出する宛先が異なり、両チェックリストの提出が必要となりますので注意してください。
・令和5年4月1日以降、文部科学省のウェブページの内容を確認の上、府省共通研究開発管理システム(e-Rad)から令和5度版両チェックリストの様式をダウンロードし、必要事項を記入の上、委託研究契約締結前の指定する期日までに、文部科学省科学技術・学術政策局研究環境課の提出先に、e-Rad を利用して提出(アップロード)してください。
・他事業の応募や採択等により、令和4年度版の両チェックリストを既に提出している場合、契約締結可能としますが、この場合は、「体制整備等自己評価チェックリスト」は令和 5 年 12 月 1 日までに、「研究不正行為チ
ェックリスト」は令和5 年9 月30 日までに、令和5 年度版を提出する必要があります。
・両チェックリストは、それぞれのガイドラインにおいて、資金配分を受ける年度には提出が求められています。
・e-Rad に登録された「事務代表者」宛てのメール連絡及び文部科学省のHPにより両チェックリストの提出に関する周知が行われる予定ですので、最新情報を確認の上、ご作成ください。
・チェックリストの提出にあたっては、研究機関において e-Rad の利用可能な環境が整っていることが必須となりますので、e-Rad への登録を行っていない研究機関にあっては、早急に手続きをお願いします(登録には通常2週間程度を要します)。手続きの詳細は、以下のe-Rad 所属研究機関向けページの「研究機関の登録申請の方法」をご覧ください。
〇e-Rad「研究機関の登録申請の方法」
https://www.e-rad.go.jp/organ/entry.html
※ チェックリストの提出依頼に加えて、ガイドラインに関する説明会・研修会の開催案内等も文部科学省より電子メールで送付されますので、e-Rad に「事務代表者」のメールアドレスを確実に登録してください。
< 提出方法の詳細等>
提出先及び提出方法の詳細等 | |
体制整備等自己評価 チェックリスト | 文部科学省 科学技術・学術政策局 研究環境課 競争的研究費調整室 |
研究不正行為 チェックリスト | 文部科学省 科学技術・学術政策局 研究環境課 研究公正推進室 https://www.mext.go.jp/a_menu/jinzai/fusei/1420301_00001.html |
e-Rad への研究機関の登録 e-Rad の操作方法 | 府省共通研究開発管理システム(e-Rad)ヘルプデスク e-Rad ウェブページをご確認ください。 |
3) 研究倫理教育の履修義務
・不正行為等を未然に防止する取組みの一環として、「研究活動における不正行為への対応等に関するガイドライン」は、各研究機関に対して、所属する研究者や研究支援人材を対象に研究倫理教育を実施することを求めています。各研究機関は、研究倫理教育を適切に実施するようご対応ください。
4) 公的研究費の管理条件付与及び間接経費削減等の措置
・両チェックリストによる報告・調査等において、その体制整備に不備があると判断された、または、不正の認定を受けた研究機関については、「研究機関における公的研究費の管理・監査のガイドライン」及び「研究活動における不正行為への対応等に関するガイドライン」に則り、改善事項及びその履行期限を示した管理条件が付与されます。その上で管理条件の履行が認められない場合は、当該研究機関に対する委託研究経費のうち、文部科学省及び文部科学省所管の独立行政法人から配分される間接経費の削減(段階に応じ最大15%)、競争的研究費配分の停止などの措置が講じられることとなります。
5)不正行為等の報告及び調査
・研究機関に対して不正行為等に係る告発(報道や会計検査院等の外部機関からの指摘も含む。)を受け付けた場合又は自らの調査により不正行為等が判明した場合(以下「告発等」という。)は、予備調査を行うものとし、研究機関があらかじめ定めた期限(不正行為等に係る告発等を受けた日から30日以内)までに、告発等の合 理性を確認し本調査の要否について書面により量研に報告してください。
・本調査が必要と判断された場合は、調査委員会を設置し、調査方針、調査対象及び方法等について量研と協議しなければなりません。
・研究機関は、本調査が行われる場合、あらかじめ定められた期限(不正使用又は不正受給にあっては告発等を受けた日から210日以内、不正行為にあっては本調査の開始後150日以内。ただし、量研が正当な理由があると認めた場合は、これと異なる期限を設定することができる。)までに、調査結果(不正行為等に関与した者がかかわる競争的研究費等に係る不正行為等を含む。)、不正発生要因、監査・監督の状況、研究機関が行った決定及び再発防止計画等を含む最終報告書を書面により量研に報告してください。
・研究機関は調査により、競争的研究費等(研究終了分を含む。)において研究者等による不正行為等の関与を認定した場合(不正行為等の事実を確認した場合も含む。)は、調査過程であっても、速やかに量研に報告しなければなりません。また、調査に支障がある等正当な事由がある場合を除き、量研の求めに応じて、当該事案に係る資料の提出又は閲覧、現地調査に応じなければなりません。
・研究機関は、最終報告書を上記の提出期限までに提出することができないことが見込まれる場合には、本調査の進捗状況及び中間報告を含む調査報告書、並びに報告遅延に係る合理的な事由及び最終報告書の提出期限等に係る書面を上記の提出期限まで量研に提出し、報告遅延に係る合理的な事由及び最終の調査報告書の新たな提出期限について量研に報告してください。
・最終報告書の提出期限を遅延した場合、又は、量研が報告遅延の合理的な事由を認めない場合は、間接経費の一定割合削減等の措置を行います。
・不正行為等が行われた疑いがあると量研が判断した場合、又は、研究機関から本研究以外の競争的研究費等における研究者等による不正行為等への関与が認定された旨の報告があった場合は、委託研究経費の使用停止の措置を行う場合があります。
・報告書に盛り込むべき事項については、「研究機関における公的研究費の管理・監査のガイドライン」及び「研究活動における不正行為への対応等に関するガイドライン」をご参照ください。
6) 不正行為等に対する措置
・国又は独立行政法人が所掌する競争的研究費制度又は競争的研究費制度以外の事業において、研究開発活動の不正行為又は不適正な経理処理等が明らかになった場合には、本SIP課題への参加の制限、委託研究の全部又は一部の執行中止、委託研究経費の全部又は一部の返還等の処分等の措置をとることがあります。
・国又は独立行政法人が所掌する競争的研究費等において不正行為等を理由として処分を受けた研究者等に対して、当該処分の決定日に遡って、前記の処分を行う場合があります。
・不正行為等が行われた場合、不正行為等の内容を他の競争的研究費担当者(国、国立研究開発法人、独立行政法人等)に対して情報提供を行います。その結果、他の競争的研究費等において申請及び参加が制限される場合があります。
・本研究において、不正行為等を行った研究者等や、善管注意義務に違反した研究者等に対して、「申請及び参加」の制限の措置を行う場合、当該不正事案の概要(研究者氏名、制度名、所属機関、研究年度、不正の内容、講じられた措置の内容等)について、原則公表されます。また、「研究機関における公的研究費の管理・監査のガイドライン」及び「研究活動における不正行為への対応等に関するガイドライン」においては、調査の結果、不正行為等を認定した場合、研究機関は速やかに調査結果を公表されますので、各研究機関において適切に対応してください。
次に掲げる各種報告書等を期限内に量研へ提出してください。様 式 | 報告書等の名称 | 提出期限等 |
経理様式1 | 委託研究実績報告書 (兼収支決算報告書) | 毎事業年度終了後、翌事業年度の5月31日まで。ただし、最終事業年度について契約期間終了日が当事業年度の3月末日以外の場合は、契約期間終了後61日以内で量 研が指定する日まで(委託研究中止申請書による契約解除の場合は30日以内) |
経理様式2 | 収支簿 (その他必要書類含む) | 科研費を受給し、科研費同様の条件で内部監査を実施する研究機関は、提出省略(各機関で保管)。提出省略とならない研究機関は、委託研究実績報告書に添付して提出 |
経理様式3-① | 委託研究中止申請書 | 中止事由判明次第速やかに(ただし、当該事業年度末をもって中止となる研究題目は 3月25日まで) |
経理様式3-② | 変更届 | 変更事由判明次第速やかに |
経理様式4 | 返還連絡書 | 当事業年度の3月10日まで。ただし、最終事業年度について契約期間終了日が当事業年度の3月末日以外の場合は、契約期間終了日が属する月の10日まで。 |
経理様式8 | 有形固定資産取得報告書(兼)貸付申請書 | 第1四半期分[検収日4/1~6/30]:当事業年度の7月5日まで 第2四半期分[検収日7/1~9/30]:当事業年度の10月5日まで第3四半期分[検収日10/1~12/31]:当事業年度の1月5日まで 第4四半期分[検収日 1/1~3/31]:翌事業年度の4月2日まで(ただし、最終事業年度について契約期間終了日が当事業年度の3月末日以外の場合は、契約期間終了日が属する月の翌月2日まで) 四半期毎にExcel 版及びPDF化したものを量研に提出。(役職印押捺不要)報告対象がない場合もその旨を様式にて報告(期中に契約期間が終了する場合は、未報告分を速やかに報告すること) 「品名」・「取得価額」・「検収日」が確認できる納品書と請求書を資産毎に添付 |
経理様式9 | 無形固定資産取得報告書(兼)貸付申請書 | |
経理様式10 | 提供物品貸付申請書 | 随時、必要の都度 |
経理様式11 | 物品移動申請書 | |
経理様式12-① | 物品持出し申請書 | |
経理様式12-② | 物品持出し申請書・預か り書 | |
経理様式12-③ | 物品持出し申請書・返還 票 | |
経理様式13 | 物品不用・処分申請書 | |
経理様式14 | 作業月報 | 収支簿(経理様式2)提出の際は写し1部を添付 ※ただし、科研費を受給し、科研費同様の条件で内部監査を実施する研究機関は、提出省略(各機関で保管) |
経理様式15 | 作業日誌 | |
経理様式16 | 人件費精算書 | |
経理様式17 | 従事証明書 | |
経理様式18 | 「委託研究実績報告書」及び「収支簿」事前チェックリスト | 各研究機関は「委託研究実績報告書」及び「収支簿」の提出にあたって、必ず、本チェックリストにより記載内容の確認を行うこと。なお、本チェックリストは提出不要 |
経理様式19 | 中小企業者証明書 | 委託研究契約締結時(条件に該当する法人のみ) |
参考様式1 | 費目間流用申請書 | 直接経費の費目間流用制限の額を超えて流用する必要が生じた場合は、事前に委託研 究担当者が量研課題担当者に提出 |
様式A | 全体_研究成果等総括報 告書 | 翌事業年度の5月31日まで(最終年度は提出不要) (研究開発責任者のみ提出) |
様式B | 個別_委託研究成果等報 告書 | 翌事業年度の5月31日まで(最終年度は提出不要) |
様式C | 個別_委託研究成果等最終報告書 | 委託研究期間終了後61日以内。ただし、最終事業年度について契約期間終了日が当事業年度の3月末日以外の場合は、契約期間終了後61日以内で量研が指定する日ま で(委託研究中止申請書による契約解除の場合は30日以内) |
報告様式1 | マッチングファンド支 | (様式、提出期限等は今後決定します。「Ⅲ 10. マッチングファンドについて」もご |
出状況確認書(仮称) | 確認ください。) | |
知財様式1 | 知的財産権出願通知書・知的財産権設定登録等通知書 | 出願・申請を行ったとき:出願・申請の日から60日以内 知財登録・移転を行ったとき:登録・移転の日から60日以内 プログラム等の著作物が得られたとき:当該諸作物が完成した日から30日以内放棄を行うとき:当該放棄の効力が生じる30日前まで |
知財様式2 | 知的財産権実施通知書 | 自己実施・第三者への実施許諾・専用実施権等の設定等を行ったとき:当該実施等を した日から60日以内 |
知財様式3 | 知的財産権移転承認申 請書 | 移転を行うとき:移転前 |
知財様式4 | 専用実施権等設定・移転 承認申請書 | 第三者への実施許諾・専用実施権等の設定等を行うとき:設定・移転承諾前 |
知財様式5 | SIPシンボルマーク 使用登録書 | 使用前 |
■ 各種報告書等の提出に当たって
・ 原則としてPDF 化した電子ファイルを電子メールに添付又は外部ストレージサービス、量研が指定する共有フォルダーを利用して提出してください。(研究機関の方針として押印及び郵送提出を妨げるものではありません。)
・押印が必要な様式【経理様式12】については、押印済みの原本をPDF 化し提出してください。
(原本をご郵送いただく場合でも、PDF ファイルによる提出が必要です。)
・提出する電子ファイルのファイル名は、[確定][研究機関名][経理様式・報告書等の名称][提出日付]を含めて設定してください。(例:[確定]〇〇大学_経理様式1委託研究実積報告書_20240530)
・電子ファイルの提出時は、提出メール本文(送付書の添付がある場合は送付書内でも可)に提出する報告書ファイル名を記載してください。また、添付書類がある場合は、添付書類ファイル名も記載願います。
・電子ファイルの提出時は、委託研究担当者を必ずCC に設定してください。
・電子ファイルを提出する際は、パスワードを設定する等の情報セキュリティ対策を行ってください。
・各種報告書等の提出先につきましては、巻頭の「委託研究契約事務に関するお問合せ・書類提出先」をご参照ください。
・上記の各提出期限が休日の場合は前営業日を期限とします。
■各種報告書等の作成に当たっては、必ず、最新の様式をダウンロードの上、所定の電子ファイルをご使用ください。(ただし、経理様式2及び参考様式については、必要事項が全て記載されていることを前提に任意様式とすることが可能です。)
【委託研究契約に係る書類URL】
https://www.qst.go.jp/site/collaboration/sip230522.html
■研究実施内容の報告について
本研究の実施内容及び成果については、量研が指定する様式により事業年度毎に報告する必要があります。報告書の様式及び報告期限は以下のとおりです。
報告様式 | 報告期限 |
【様式A】全体_研究成果等総括報告書(*1) | 翌事業年度の5月31日まで(*3) |
【様式B】個別_委託研究成果等報告書(*1) | |
【様式C】個別_委託研究成果等最終報告書(*2) | 委託研究期間終了後61日以内(*3)。ただし、最終事業年度について契約期間終了日が当事業年度の 3月末日以外の場合は、契約期間終了後61日以内で量研が指定する日まで(委託研究中止申請書によ る契約解除の場合は30日以内) |
(*1)【様式A】【様式B】は最終事業年度を除く各年度の成果等をご報告いただく様式です。 (*2)【様式C】は最終事業年度の成果等をご報告いただく様式です。
(*3) 報告期限が休日の場合は前営業日を期限とします。
【報告書作成及び提出にあたっての注意事項】
・報告書は 量研課題担当者からの指示に沿って、研究開発責任者単位もしくは委託研究担当者単位で作成の上、研究開発責任者もしくは委託研究担当者から量研課題担当者へ直接提出してください。
・研究タイプにより、量研による進捗状況の把握のため研究実施状況や成果について、期中、あるいは、上記報告期限の前に別途報告を求める場合があります。
≪ 本SIP課題の取扱いに係る補足 ≫
本SIP課題では、プログラムディレクターの要請により、上記報告期限の前に別途報告を求める場合があります。
※ 量研では、「競争的研究費における各種事務手続き等に係る統一ルールについて【別添6】」を踏まえ、年度末一杯まで研究の実施が可能となるよう委託研究実績報告書等の提出期限を設定しております。研究機関においては、年度末まで研究期間が確保できるよう必要な体制の整備に努めてください。
13.委託研究経費の返還について
・事業年度毎の委託研究経費の精算に先立ち、必ず事前に執行状況を確認することとし、不用な委託研究経費の執行残額が生じる場合等には、当事業年度の3月10日まで(最終事業年度について契約期間終了日が当事業年度の3月末日以外の場合は契約期間終了日が属する月の10日まで)に返還連絡書(経理様式4)を提出の上、当該執行残額(相当する間接経費を含む。)を3月31日まで(最終事業年度について契約期間終了日が当事業年度の3月末日以外の場合は契約期間終了日が属する月の末日まで)に量研へ返還してください。また、この場合、変更契約に伴う返還ではないため、量研から研究機関への請求書は発行しませんので、返還連絡書の提出後、期日までに量研へ返還を行ってください。
・返還連絡書の提出期限までに1 円単位までの返還額の確定が難しい場合は、一旦、10万円以上10万円単位で確実に不用となる直接経費に相当する間接経費を加えた額を返還連絡書で報告、返還することとし、10万円未満の返還額については、委託研究実績報告書(経理様式1)で報告の上、後日、量研が発行する精算額通知書に基づき返還することが可能です。
・返還連絡書による委託研究経費の返還にあたっては、当該直接経費に相当する間接経費を加えた額を巻頭記載の指定口座に振込んでください。その際の当該振込に係る手数料は研究機関でご負担ください。なお、間接経費の端数計算については、前述の「Ⅲ.4. 4)②委託研究経費の返還に係る間接経費の計算について」をご参照ください。
・原則として、第3四半期までに委託研究経費の不用が判明する場合には、変更契約を締結し返還を行うこととなりますので、速やかに量研までご連絡ください。この場合、返還連絡書は不要です。
※ 執行状況を定期的に把握し、必要に応じて繰越制度を活用の上、委託研究経費の効果的・効率的な使用に努めてください。なお、繰越制度が適用されない契約、繰越の対象とならない事由、契約期間の最終事業年度については、無理に使い切ることなく返還してください。
14.委託研究経費の精算について
1)委託研究経費の精算方法
・量研は研究機関より提出された書類(委託研究実績報告書、研究成果等総括報告書、委託研究成果等報告書、収支簿等)を基に経費の執行に係る適正な履行を確認し、「委託研究経費の精算」を行います。具体的には、合目的性(当該事業年度の研究計画書を基に、委託研究経費が本研究の目的・趣旨に適合するものに執行されていること)及び適正性(研究機関の経理規程等に沿って、委託研究経費が適正に支出・管理されていること)を確認します。この際、返還が必要と認められるものがある場合には、量研が発行する「精算額通知書」に基づき、委託研究経費を返還してください。
・精算額通知書による委託研究経費の返還にあたっては、当該直接経費に相当する間接経費を加えた額を量研の指定口座(P4 2. 記載)に振り込んでください。その際の当該振込にかかる手数料は研究機関でご負担ください。
・返還額が0円の場合は「精算額通知書」は発行しません。
・委託研究経費の精算にあたり、提出された書類の記載内容等について、量研から電話や電子メール等で照会することがありますので協力願います。
2)書面調査と実地調査について
・公的研究費の管理・監査のガイドラインを遵守している研究機関で、科学研究費補助金(以下「科研費」という。)を受給し、科研費と同様の条件で内部監査を実施する場合は、実地調査を原則として行わないこととします。同時に、量研に対する収支簿の提出の省略を認め、委託研究実績報告書のみの提出を求めることとし、この報告書に基づく事業年度毎の精算のみを実施することとします(収支簿の提出省略が認められる場合であっても、研究機関は収支の合目的性・適正性についての説明責任が果たせるよう、収支簿の作成と保管を行う必要があります。)。
・科研費を受給していない研究機関、不正行為等が発生した研究機関、量研が特に必要と認める研究機関に対しては、収支簿の提出を求め、書面調査を行うとともに実地調査を実施することとしています。
・書面調査、実地調査等において、事務管理体制や委託研究経費の執行に問題を認める場合、量研は研究機関に対して改善要請を行います。なお、その後も改善策を実行していないなど、問題が解消されないと判断する場合、委託研究経費の使用の停止、研究の停止、契約解除等の措置を講じる場合があります。
・書面調査による精算後に実施された量研の実地調査、研究機関の内部監査、国の会計検査等において不適切な執行が確認された場合は、再精算を行うこととしますので、量研の指示に従い、委託研究経費を返還してください。
3) 直接経費計上が不適切と見なされる事例
以下の事例は合目的性・適正性の観点より直接経費での計上が認められません。直接経費の支出にあたっては、以下事例を参考にその妥当性を適切に判断してください。
〇 共用的な生活関連備品(電子ジャーポット、掃除機など)の計上
〇 自己啓発のための書籍(英会話本など)・備品等の調達
〇 液体窒素、ガス類で他の業務と切り分け不可能な場合
〇 本研究との関係性が不明瞭な出張旅費
〇 本研究との関連が不明瞭な複数人での海外出張
〇 出勤簿と出張内容が不整合である人件費・旅費の計上
〇 本研究との関連性が不明瞭な人件費の計上
〇 必要性の不明確な書籍の大量購入
〇 内容が不明な学会参加費やシンポジウム参加費の計上
〇 積算根拠が不明な光熱水費の計上
〇 支出日が不明、あるいは支払先が不明瞭な支出
〇 原因・内容の不明確な振替処理 等
15.委託研究の中止について
1)委託研究の中止の手続き
・研究機関において本研究を中止すべき事由が発生した場合には、委託研究中止申請書(経理様式3-①)により、速やかにその旨を申請してください。
2)委託研究担当者の移籍に伴う研究中止
・委託研究担当者が他機関へ移籍、退職等する場合には、委託研究中止申請書(経理様式3-①)により、委託研究契約の中止手続きを行う必要があります。
・委託研究担当者が他機関へ移籍する場合の物品の移動については、前述の「Ⅲ.9.3)物品の移動等について」をご参照ください。
※ 委託研究担当者が他機関へ移籍等する場合においても、量研が適当と判断する場合は、委託研究担当者(原則、研究開発責任者を除く)の変更による同一研究機関で本研究の継続が認められる場合があります。
3)各種報告書の提出
・委託研究の中止の手続きを行った際には、委託研究実績報告書等の各種報告書を所定の期限までに必ず提出してください。(契約期間終了後、30日以内)
16.再委託について
1)再委託の可否
・研究機関は、原則として本研究を第三者に再委託することはできません。
※ 研究機関においてやむを得ない事情がある場合には事前に量研へご相談ください。量研は研究機関が作成する当該再委託に関する実施計画書の確認を行い、本研究の実施上特に必要であると判断した場合には、本研究の一部について第三者への再委託を承認する場合があります。
・研究開発要素を含まない検査業務等の請負業務については、研究計画書に基づくものであることを前提に、特に量研への申請手続きを経ることなく、直接経費により執行することが可能です。
2)留意事項
・再委託を行う場合の再委託先の行為については、委託先研究機関の行為とみなされます。再委託が認められた場合には、再委託に係る予算執行、計画変更、各種報告、精算等の業務遂行について、研究機関の責任において適正に対応する必要がありますので留意してください。
・量研からの事前の書面による承諾がない限り、本契約上の地位、本契約上の権利義務の全部若しくは一部又は本研究の実施により生じる債権債務の全部若しくは一部を第三者に譲渡することはできません。
・債権譲渡をご検討の場合は事前に量研にご相談ください。
18.その他
1)法令等の遵守について
・研究構想を実施するにあたって、相手方の同意・協力を必要とする研究、個人情報の取扱いの配慮を必要とする研究、生命倫理・安全対策に対する取組みを必要とする研究など法令等に基づく手続きが必要な研究が含まれている場合には、研究機関内外の倫理委員会の承認を得る等必要な手続きを行ってください。
・関係法令・指針等に違反し、研究を実施した場合には、当該法令に基づく処分・罰則の対象となるほか、研究停止や契約解除、採択の取り消し等を行う場合があります。
・研究計画上、相手方の同意・協力や社会的コンセンサスを必要とする研究又は調査を含む場合には、人権及び利益の保護の取扱いについて、適切な対応を行ってください。
2)ライフサイエンスに関する研究等について
ライフサイエンスに関する研究について、各府省が定める法令等に基づき適切な対応を行ってください。文部科学省における生命倫理及び安全の確保について、詳しくは以下ホームページをご参照ください。
○ ライフサイエンスの広場「生命倫理・安全に対する取組」
https://www.lifescience.mext.go.jp/bioethics/index.html
3) 安全保障貿易管理について(海外への技術漏洩への対処)
・研究機関では多くの最先端技術が研究されており、特に大学では国際化によって留学生や外国人研究者が増加する等、先端技術や研究用資材・機材等が流出し、大量破壊兵器等の開発・製造等に悪用される危険性が高まってきています。そのため、研究機関が本研究を含む各種研究活動を行うにあたっては、軍事的に転用されるおそれのある研究成果等が、大量破壊兵器の開発者やテロリスト集団など、懸念活動を行うおそれのある者に渡らないよう、研究機関による組織的な対応が求められます。
・日本では、外国為替及び外国貿易法(昭和24年法律第228号)(以下「外為法」という。)に基づき輸出規制(※)が行われています。したがって、外為法で規制されている貨物や技術を輸出(提供)しようとする場合は、原則として、経済産業大臣の許可を受ける必要があります。外為法をはじめ、国の法令・指針・通達等を遵守してください。関係法令・指針等に違反し、研究を実施した場合には、法令上の処分・罰則に加えて、研究費の配分の停止や、研究費の配分決定を取り消すことがあります。
(※)現在、我が国の安全保障輸出管理制度は、国際合意等に基づき、主に①炭素繊維や数値制御工作機械などある一定以上のスペック・機能を持つ貨物(技術)を輸出(提供)しようとする場合に、経済産業大臣の許可が必要となる制度(リスト規制)と②リスト規制に該当しない貨物(技術)の貨物(技術)を輸出(提供)しようとする場合で、一定の要件(用途要件・需要者要件又はインフォーム要件)を満たした場合に、経済産業大臣の許可を必要とする制度(キャッチオール規制)の2つから成り立っています。
・物の輸出だけではなく技術提供も外為法の規制対象となります。リスト規制技術を非居住者(令和4年5月1日以降は特定類型(※)に該当する居住者を含む。)に提供する場合や、外国において提供する場合には、その提供に際して事前の許可が必要です。技術提供には、設計図・仕様書・マニュアル・試料・試作品などの技術情報を、紙・メール・CD・DVD・USBメモリなどの記憶媒体で提供することはもちろんのこと、技術指導や技能訓練などを通じた作業知識の提供やセミナーでの技術支援なども含まれます。外国からの留学生の受入れや、共同研究等の活動の中にも、外為法の規制対象となり得る技術のやりとりが多く含まれる場合があります。
(※)非居住者の影響を強く受けている居住者の類型のことを言い、「外国為替及び外国貿易法第25条第
1項及び外国為替令第17条第2項の規定に基づき許可を要する技術を提供する取引又は行為について」1.(3)サ①~③に規定する特定類型を指します。
・経済産業省等のHPで安全保障貿易管理の詳細が公開されています。詳しくは以下をご参照ください。
○経済産業省:安全保障貿易管理(全般)
https://www.meti.go.jp/policy/anpo/
○経済産業省:みなし輸出管理(上記※2 関連ページ)
https://www.meti.go.jp/policy/anpo/anpo07.html
〇経済産業省:安全保障貿易に係る機微技術管理ガイダンス(大学・研究機関用)
https://www.meti.go.jp/policy/anpo/law_document/tutatu/t07sonota/t07sonota_jishukanri03.pdf
〇経済産業省:大学・研究機関のためのモデル安全保障貿易管理規程マニュアル
https://www.meti.go.jp/policy/anpo/daigaku/manual.pdf
○一般財団法人安全保障貿易情報センター
http://www.cistec.or.jp/index.html
○経済産業省:安全保障貿易ガイダンス(入門編)
https://www.meti.go.jp/policy/anpo/guidance.html
4)研究活動の国際化、オープン化に伴う新たなリスクに対する研究インテグリティの確保
・我が国の科学技術・イノベーション創出の振興のためには、オープンサイエンスを大原則とし、多様なパートナーとの国際共同研究を今後とも強力に推進していく必要があります。同時に、近年、研究活動の国際化、オープン化に伴う新たなリスクにより、開放性、透明性といった研究環境の基盤となる価値が損なわれる懸念や研究者が意図せず利益相反・責務相反に陥る危険性が指摘されており、こうした中、我が国として国際的に信頼性のある研究環境を構築することが、研究環境の基盤となる価値を守りつつ、必要な国際協力及び国際交流を進めていくために不可欠となっています。
・大学・研究機関等においては、「研究活動の国際化、オープン化に伴う新たなリスクに対する研究インテグリティの確保に係る対応方針について(令和3年4月27 日 統合イノベーション戦略推進会議決定)」を踏まえ、利益相反・責務相反をはじめ関係の規程及び管理体制を整備し、研究者及び大学・研究機関等における研究の健全性・公正性(研究インテグリティ)を自律的に確保していただくことが重要です。
・上記の観点から、競争的研究費の不合理な重複及び過度の集中を排除し、研究活動に係る透明性を確保しつつ、エフォートを適切に確保できるかを確認しておりますが、それに加え、所属機関としての規程の整備状況及び情報の把握・管理の状況について、必要に応じて所属機関に照会を行うことがあります。
○研究活動の国際化、オープン化に伴う新たなリスクに対する研究インテグリティの確保に係る対応方針について(令和3 年4 月27 日 統合イノベーション戦略推進会議決定)
https://www8.cao.go.jp/cstp/tougosenryaku/integrity_housin.pdf
5)成果有体物の取扱いについて
・本研究により創作又は取得された成果有体物については、研究機関内の規程に基づき適切に管理するとともに、第三者への提供を行う場合には、円滑な活用に留意しつつ、有体物移転契約(MTA: Material Transfer Agreement)の締結等、必要な措置を講じてください。
・成果有体物とは、以下に該当する学術的・財産的価値その他の価値のある有体物(論文、講演その他の著作物等に関するものを除く。)
(ⅰ)研究開発の際に創作又は取得されたものであって研究開発の目的を達成したことを示すもの (ⅱ)研究開発の際に創作又は取得されたものであって(ⅰ)を得るために利用されるもの (ⅲ)(ⅰ)又は(ⅱ)を創作又は取得するに際して派生して創作又は取得されたもの
◆ 例:材料、試薬、試料(微生物、土壌、岩石、植物等)、実験動物、試作品、モデル品、化学物質、菌株等
6)海外での研究活動及び生物遺伝資源等へのアクセス
・海外における実地の研究活動や海外研究機関との共同研究を行う際には、関連する国の法令等を事前に確認し、遵守してください。また、生物遺伝資源その他の研究材料の移転が発生する場合は、必要となる有体物移転契約
(MTA)の締結を行ってください。
7)安全衛生管理及び事故発生時の報告について
・安全衛生管理につきましては、研究機関にて、管理体制及び内部規則を整備の上、労働安全衛生法等の安全関係法令の遵守及び事故防止に努めてください。
・本研究に起因して事故及び当該事故に伴う研究者等の負傷等が発生した場合は、速やかに量研に対して書面にて報告してください。
8)ライフイベント(育児休業等)や長期海外出張などによる研究の中断等について
・委託研究担当者が育児休業や産前産後の休暇を取得する場合や、長期間の海外留学(研修)・派遣等で研究業務の遂行ができなくなる場合については、事前に量研課題担当者にご相談ください。諸事情を勘案し本研究を一時中断し、その後に再開するなどの措置ができる場合があります。
9)研究期間終了後の調査について
・国の大綱的指針等に基づいて実施する追跡評価を行うため、研究期間終了後に追跡調査や成果展開調査等の調査を行うことがあります。量研の担当者から調査依頼を受けた場合、研究機関においては協力義務が生じます。
○ 国の研究開発評価に関する大綱的指針(平成28年12月21日内閣総理大臣決定)
https://www8.cao.go.jp/cstp/kenkyu/taikou201612.pdf
○ 文部科学省における研究及び開発に関する評価指針(平成14年6月20日文部科学大臣決定) https://www.mext.go.jp/a_menu/kagaku/hyouka/main11_a4.htm
・さらに、SIPは内閣府が進めるプログラムであることから、上記に加え、研究期間終了後に、内閣府及び内閣府が指定した者から、追跡調査、成果展開調査及び知的財産権の利用状況調査等の調査依頼を受けた場合にも、研究機関においては協力義務が生じます。
Ⅳ.知的財産権の管理について
1.研究成果に係る知的財産権の基本的な考え方
・研究成果に係る知的財産権は、委託研究契約書に定める事項が遵守されることを前提に研究機関に帰属することとなります。
・研究機関は、当該知的財産権の保全(適時の研究成果把握、知的財産権の掘り起こし、権利承継有無の決定及び権利承継する場合の出願等の権利化手続き)に努めてください。
・研究機関による権利承継の有無にかかわらず、権利保全について十分な対応をお願いします。
・権利保全が十分なされない恐れのある場合(例:公知予定日が迫っているにもかかわらず、研究機関による権利承継の有無について発明者に通知されない場合等)、量研は発明者等の同意を得た上で、研究機関に代わって権利保全(出願の準備等)を行うことがあります。
※ 知的財産権の出願や移転等に関して、委託研究契約書及び本説明書に規定する量研への事前申請や各種通知が期限内に実施されるよう研究機関内において、ルールや体制を整備するなどして、漏れや遅延が発生することのないように徹底してください。
2.研究機関所属の研究者等(研究機関発明者)の持分に係る知的財産権の取扱い
1)知的財産権の帰属
・「産業技術力強化法第17条」及び「コンテンツの創造、保護及び活用の促進に関する法律第25条」により、本研究の研究成果に係る知的財産権について、量研は、原則として、委託研究契約書に定める事項が遵守されることを前提に研究機関から譲り受けないものとします。
参考
産業技術力強化法(抜粋)
(国が委託した研究及び開発の成果等に係る特許権等の取扱い)
第十七条 国は、技術に関する研究開発活動を活性化し、及びその成果を事業活動において効率的に活用することを促進するため、国が委託した技術に関する研究及び開発又は国が請け負わせたソフトウェアの開発の成果(以下この条において「特定研究開発等成果」という。)に係る特許権その他の政令で定める権利(以下この条において「特許権等」という。)について、次の各号のいずれにも該当する場合には、その特許権等を受託者又は請負者(以下この条において「受託者等」という。)から譲り受けないことができる。
一 特定研究開発等成果が得られた場合には、遅滞なく、国にその旨を報告することを受託者等が約すること。
二 国が公共の利益のために特に必要があるとしてその理由を明らかにして求める場合には、無償で当該特許権等を利用する権利を国に許諾することを受託者等が約すること。
三 当該特許権等を相当期間活用していないと認められ、かつ、当該特許権等を相当期間活用していないことについて正当な理由が認められない場合において、国が当該特許権等の活用を促進するために特に必要があるとしてその理由を明らかにして求めるときは、当該特許権等を利用する権利を第三者に許諾することを受託者等が約すること。
四 当該特許権等の移転又は当該特許権等を利用する権利であって政令で定めるものの設定若しくは移転の承諾をしようとするときは、合併又は分割により移転する場合及び当該特許権等の活用に支障を及ぼすおそれがない場合として政令で定める場合を除き、あらかじめ国の承認を受けることを受託者等が約すること。
2 前項の規定は、国が資金を提供して他の法人に技術に関する研究及び開発を行わせ、かつ、当該法人がその研究及び開発の全部又は一部を委託する場合における当該法人と当該研究及び開発の受託者との関係及び国が資金を提供して他の法人にソフトウェアの開発を行わせ、かつ、当該法人がその開発の全部又は一部を他の者に請け負わせる場合における当該法人と当該開発の請負者との関係に準用する。
3 前項の法人は、同項において準用する第一項第二号又は第三号の許諾を求めようとするときは、国の要請に応じて行うものとする。
2)研究機関が知的財産権を承継しない場合の取扱い
・研究機関が発明者から承継しない知的財産権の一部又は全部を量研が承継し、出願・申請する場合があります。
3.研究機関に帰属した(量研との共有でない)知的財産権について
1)量研への事前申請が必要な場合
・以下の場合には、研究機関は所定の様式により予め申請を行い、量研の承認を受ける必要があります。
なお、以下に記載のある「専用実施権等の設定等」とは、第三者への専用実施権等の設定又はその移転を指します。
申請条件 | 通知書・書類の様式 | 書類提出期限 |
移転を行うとき | 知的財産権移転承認申請書 (知財様式3) | 移転前 |
第三者への実施許諾・専用実施権等 の設定等を行うとき | 専用実施権等設定・移転承認申請書 (知財様式4) | 設定・移転承諾前 |
※ 第三者に移転又は専用実施権等の設定等を行う場合の注意点
・本SIP課題では、産業技術力強化法第17条第1項第4号の規定にかかわらず、合併又は分割により移転等を行う場合も知財様式3又は4により事前申請が必要となります。
・研究機関の責任において、委託研究契約書に規定する遵守事項等の適用に支障を与えないことを第三者に約させる必要があります。
・特に第三者に移転する場合は、知財条項第3条から第8条の規定(産業技術力強化法第17条等)を遵守することを当該第三者に約させる必要があります。
・また、当該第三者が移転を受けた本知的財産権をさらに別の第三者に移転するときも同様の措置(産業技術力強化法第17条等)が講じられるよう約させる必要がありますのでご対応ください。
・事前申請を行った場合においても、移転又は専用実施権等の設定等を行った後に量研への通知が必要です。
※ 第三者と共有する知的財産権を研究機関が放棄する場合の取扱い
・第三者と共有する知的財産権を研究機関が放棄することにより、当該第三者に研究機関の持分が移転することとなる場合は、「放棄」ではなく「移転」の取扱いとしますので、「移転」と同様の事前申請及び通知を行ってください。
2)量研への通知が必要な場合
・以下の場合には、研究機関は所定の様式により提出期限までに必ず量研に通知してください。放棄については事前の通知が必要ですので、ご留意ください。
通知事由 | 様式 | 提出期限 |
出願又は申請を行ったとき(*1) | 知的財産権出願通知書 (知財様式1) | 国内:出願・申請の日から60日以内 外国:出願・申請の日から90日以内 |
知財登録・ 移転を行ったとき (*2) | 知的財産権設定登録等通知書 (知財様式1) | 国内:登録・移転の日から60日以内 外国:登録・移転の日から90日以内 |
プログラム等の著作物が得られた とき | 知的財産権設定登録等通知書 (知財様式1) | 当該著作物が完成した日から30日以内 |
放棄を行うとき(*3) | 知的財産権設定登録等通知書 (知財様式1) | 当該放棄の効力が生じる30日前まで |
自己実施・第三者への実施許諾・専 用実施権等の設定等を行ったとき | 知的財産権実施通知書 (知財様式2) | 国内:当該実施等をした日から60日以内 外国:当該実施等をした日から90日以内 |
(*1)海外出願・優先権による出願を含む(PCT出願の場合、PCT出願時及び各国移行時に通知が必要)。共同出願の場合は、出願人毎に提出してください。
(*2)第三者への移転または専用実施権等の設定等を行う場合は、原則として事前申請が必要。(上記*1)参照) (*3)「登録料もしくは年金の不納」、「出願審査請求の未請求」、「取下げ」などにより自らの意思で知的財産権を放棄する場合は、当該放棄の効力が生じる30日前までに量研へ通知してください。量研が有用性等を審査
の上、承継し、必要な手続きを行う場合があります。なお、以下事由については、速やかに量研へ通知されることを前提に事後の通知とすることができるものとします。
「拒絶承服」、「異議承服」、「無効承服」、「却下」、「消滅」
3)出願書類への記載事項
・国内の特許出願、実用新案登録出願、意匠登録出願を行う場合は、当該出願書類の「(【代理人】)」の欄の次に
「【国等の委託研究の成果に係る記載事項】」の欄を設けて、「平成令和〇年度、国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構、戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第3期事業「先進的量子技術基盤の社会課題への応用促進」委託研究、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願」と記載してください。なお、PC T国際出願の願書には記載不要ですが、PCTの国内移行時は国内移行書面(日本)に同様にご記載ください。
4)第三者が発明に参加した場合の取扱い
・量研と当該研究開発テーマに係る委託研究契約を締結していない第三者と共同して出願又は申請を行う場合には、委託研究契約書に規定する遵守事項等の取扱いについて確認、調整する必要があるため、事前に量研にご相談く ださい。
4.共有に係る知的財産権の取扱い
・量研及び研究機関が知的財産権の共有持分権者となる場合、当該知的財産権の出願に先立ち、量研所定の共同出願契約書を基礎に協議の上、締結するものとします。
・知的財産権の出願・維持等に係わる一切の費用は、原則としてその持分に応じて負担するものとします。
5.量研との委託研究契約終了後の知的財産権の報告義務について
本研究の研究成果に係る知的財産権について、量研との契約期間が終了した後にも本章「Ⅳ.知的財産権の管理について」に記載されている産業技術力強化法第17条に関連した量研への通知や申請といった報告義務は継続されます。研究機関にて適切な管理と報告体制の整備をお願いします。
Ⅴ.研究成果の公表について
本SIP課題で得られた研究成果は、「Ⅳ.知的財産権の管理について」における適切な権利化を行った上で、積極的に外部への発表をお願いします。
1.プレス発表、学会発表、論文投稿、展示会出展等について
・有力論文誌へのアクセプトなど重要な研究成果が出た場合、更なる実用化推進に向けた新たな研究開発アライアンスが決まった場合、研究成果の商品化が決まった場合など、社会的にインパクトのある成果が生まれた場合や大きな反響が予想される学会発表や展示会出展等を行なう場合には、量研課題担当者まで事前にご連絡ください。
・研究開発テーマ(研究チーム)内で情報管理の取り決めを別途設けている場合は、その取り決めに従い手続きをした上で、量研課題担当者にご連絡ください。量研として本SIP課題の趣旨や時期などを考慮し、内閣府と調整したうえで、プレス発表を検討します。なお、研究開発テーマ(研究チーム)内での情報管理の取り決めは、量研との委託研究契約の規定に反しない範囲とする必要があります。また、取り決めの無い場合においても研究開発責任者との情報の共有をお願いします。
・研究機関等で本SIP課題に関連したプレス発表を行う場合も、内閣府及び文部科学省に事前に連絡が必要になります。プレス発表が決まりましたら、可能な限り早めに(最低でも5営業日前に)量研課題担当者にご連絡ください。量研より内閣府に連絡します。
※ 研究機関における本SIP課題に係るイベント開催時に後援・共催等での量研の名義を使用する場合には、所定の手続きが必要となりますので、量研課題担当者へ事前にご相談ください。また、量研や各制度のロゴマークの使用を希望される場合にも、事前に量研課題担当者に相談してください。
2.公表時の謝辞について
・公表の際には、謝辞に本SIP課題によるものとご記入ください。以下のいずれかの文案を適用いただきますが、これ以外の表記をご希望の場合は事前に量研にご相談ください。
(和文例)
本研究(の一部)は,内閣府総合科学技術・イノベーション会議の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)
「先進的量子技術基盤の社会課題への応用促進」(管理法人:量研(又はQST))によって実施されました。
本研究(の一部)は,内閣府総合科学技術・イノベーション会議の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)
「先進的量子技術基盤の社会課題への応用促進」(管理法人:量研(又は QST))の研究テーマの一つ「(サブ課題名又は研究開発テーマ名)」によって実施されました。
本研究(の一部)は,内閣府総合科学技術・イノベーション会議の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)
「先進的量子技術基盤の社会課題への応用促進」(管理法人:量研(又は QST))の研究テーマの一つ「(サブ課題名/研究開発テーマ名)」によって実施されました。
本研究(の一部)は,内閣府SIP プログラム「先進的量子技術基盤の社会課題への応用促進」(管理法人:量研(又はQST))によって実施されました。
(英文例)
This work was performed for Council for Science, Technology and Innovation (CSTI), Cross-ministerial Strategic Innovation Promotion Program (SIP), “Promoting the application of advanced quantum technology platforms to social issues”(Funding agency : QST).
A part of this work was performed for Council for Science, Technology and Innovation (CSTI), Cross-ministerial Strategic Innovation Promotion Program (SIP), “Promoting the application of advanced quantum technology platforms to social issues”(Funding agency : QST).
This work was done for Council for Science, Technology and Innovation (CSTI), Cross-ministerial Strategic
Innovation Promotion Program (SIP), “Promoting the application of advanced quantum technology platforms to social issues”(Funding agency : QST).
3.マスメディア等の取材による公表について
・マスメディア等(テレビ、新聞、雑誌、インターネット等)の取材を受ける場合は、速やかに量研課題担当者にご連絡ください(可能な限り事前にご連絡ください。)。
・取材の際は、本SIP課題(課題名含む)の活動であることを明示してください。(取材後は量研課題担当者にご報告ください。)。
※ 取材を受ける際には、知的財産権の確保等に支障がないようご注意ください。
4.社会との対話・協働の推進について
・「国民との科学・技術対話」の推進について(基本的取組方針)(平成22年6月19日科学技術政策担当大臣及び有識者議員決定)においては、科学技術の優れた成果を絶え間なく創出し、我が国の科学技術をより一層発展させるためには、科学技術の成果を国民に還元するとともに、国民の理解と支持を得て、共に科学技術を推進していく姿勢が不可欠であるとされています。委託研究経費が年間3,000万円以上となる場合には、研究成果に関しての市民講座、シンポジウム及びインターネット上での研究成果の継続的配信等の本活動について、積極的に取り組むようお願いします。詳しくは、以下資料をご参照ください。
○ 「国民との科学・技術対話」の推進について
https://www8.cao.go.jp/cstp/output/20100619taiwa.pdf
5.内閣府、量研広報への協力
・本SIP課題のアウトリーチ活動の一環として、量研や関係府省が主体となり展示会等(イノベーションジャパン等)への出展を行う際には、成果展示のご協力をお願いすることがあります。このほか、量研広報誌であるQ STnewsletter や成果集への記事掲載など、量研が行う広報活動へのご協力をお願いすることがあります。
6.戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)シンボルマーク使用について
・SIPシンボルマークに関する一切の権利は、内閣府政策統括官(科学技術・イノベーション)担当(以下「内閣府(科技)」という。)に帰属します。
・SIPの業務及びSIPの研究開発の成果等に使用する場合に限り、SIPシンボルマークを使用することができます。使用したい場合は、あらかじめ、量研にSIPシンボルマーク使用登録書(知財様式5)を提出し、許可を得てください。
申請事由 | 様式 | 提出期限 |
SIPシンボルマーク使用 | シンボルマーク使用登録書 (知財様式5) | 使用前 |
・SIPシンボルマークを使用する場合は、原則として縦横比率、色及び文字の変更は認められません。なお、変更したい場合は、あらかじめ、内閣府(科技)に許可を得る必要があるので、量研に相談してください
・使用された場合は、必要に応じ、作成された資料や物品等の提出を求めることがあります。
・上記に則った使用をしなかった場合は、SIPシンボルマークの使用を禁止します。