Contract
海幕経第266号( 令和4年4月20日) 別冊第6
(第 1 次改正 海幕経第321号。令和5年4月20日)
労働者派遣契約一般条項
海上自衛隊
文 書 管 理 情 報 | |||||||||||||
文 | 書 | 管 | 理 | 者 | : | 海幕経理課長 | 開示 | 部分開示 | 不開示 | ||||
一 元 的 な管 理 に 責 任 を 有す る 者 | : | 作成時 | ○ | ||||||||||
分 | 類 | : | 契約- 事務 | 区分: | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | |||
作 | 成 | 年 | 月 | 日 | : | 202 3 . 4 . 20 | |||||||
取 | 得 | 年 | 月 | 日 | : | 理由: | |||||||
保 | 存 | 期 | 間 | : | 5年 | ||||||||
保 存 期 間満 了 日 | : | 202 9 .3.31 | |||||||||||
本 | 紙 | を | 含 | め | : | 18 枚 | |||||||
配 | 布 | 先 | : | 箇所 |
労働者派遣契約一般条項
(契約の目的)
第1条 乙は、労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(昭和60年法律第88号。以下「労働者派遣法」とい
う。) に基づき、この契約書のほか、この契約書に附属する仕様書並びに参考として仕様書に添付された図面、見本及び図書(以下「仕様書等」という。) の定めるところに従い、乙の雇用する労働者( 以下「派遣労働
者」という。) を甲に派遣し、甲は、派遣労働者を指揮命令して業務に従事させ、その代金を乙に支払うことを目的とする。
(総 則)
第2条 甲及び乙は、労働者派遣を行い若しくは労働者派遣を受け入れるに当たり、それぞれ労働者派遣法その他関係諸法令並びに派遣先が講ずべき措置に関する指針又は派遣元事業主が講ずべき措置に関する指針を遵守する。
(代 金)
第3条 契約金額をもって、乙に支払われる代金の金額とする。ただし、特約条項を付しているときは、特約条項の定めるところに従い確定するものとする。
( 債務の引受け等の承認)
第4条 乙は、甲の書面による承認を得ないで、この契約によって生ずる権利又は義務を第三者に譲渡し、又は承継せしめてはならない。
(代理人の届け出)
第5条 乙は、この契約の履行に関する事務の全部又は一部を行わせるた め、代理人を選任する場合は、あらかじめ、文書により甲に届け出なければならない。
(労働者派遣に係る個別の約定)
第6条 甲及び乙は、労働者派遣法、同法施行規則等( 以下「労働者派遣法等」という。) の定めに基づき、仕様書等によるほか、派遣労働者の従事する業務内容、就業場所、就業期間、その他労働者派遣に必要な細目について特約条項で定めるものとする。
(適正な労働者の派遣及び通知)
第7条 乙は、前条で定められた業務( 以下「派遣業務」という。) の遂行に必要とされる技術、能力、経験等を有する派遣労働者を選定の上、労働者の派遣を行い、甲に対し当該派遣労働者の氏名、性別、被保険者資格その他労働者派遣法等に定める事項を通知しなければならない。
2 派遣労働者が就業するにあたり、遵守すべき甲の業務処理方法、就業規則等に従わない場合、又は業務処理の効率が著しく低く労働者派遣の目的を達しない場合には、甲は乙にその理由を示し、派遣労働者に関する改善措置を要請することができる。
3 乙は、前項の要請があった場合には、当該派遣労働者への指導その他派遣就業の改善に必要な措置を講ずるものとする。
4 乙は、派遣労働者の人数に欠員が生じるおそれがあるときは、直ちに甲にその旨連絡するとともに、欠員が生じないよう措置をとり、また、欠員が生じたときは直ちに、その欠員の補充を行わなければならない。ただ し、あらかじめ甲の承認を受けたときはこの限りではない。
(派遣可能期間及び抵触日の通知)
第8条 甲及び乙は、派遣就業の場所ごとの業務について、派遣可能期間
(最大で3年間、ただし、意見聴取手続きを経て延長された場合は延長された期間を合わせた期間)を超えて、派遣労働者を受け入れ又は派遣してはならない。
2 甲は、契約を締結するに当たり、あらかじめ、乙に対し、派遣可能期間の制限に抵触することとなる最初の日( 以下「抵触日」という。)を書面の交付等により通知するものとする。
3 甲が、契約の締結後に、意見聴取手続を経て派遣可能期間を延長した場合も、その都度、乙に対して、同様の方法により抵触日の通知をするものとする。
4 労働者派遣法第40条の2第1項ただし書きにより、派遣可能期間の制限のない場合、本条は適用しない。
(派遣労働者の特定を目的とする行為の制限)
第9条 甲は、労働者派遣契約締結に際し、派遣労働者を特定することを目
的とする行為(受け入れる派遣労働者を選別するために行う事前面接、履歴書の送付要請、若年者等への限定、性別の限定、派遣労働者の指名等) をしてはならない。
なお、派遣労働者又は派遣労働者となろうとする者が、派遣就業を行う派遣先として、適当であるかどうかを確認する等のため自らの判断の下に派遣就業開始前の訪問若しくは履歴書の送付を行うことは、この限りではない。
(派遣先責任者)
第10条 甲は、労働者派遣法等の定めに基づき、隊員の中から、派遣就業の場所ごとに所定人数の派遣先責任者を選任するものとする。
2 派遣先責任者は、派遣労働者を指揮命令する者その他関係者に対して、契約に定める事項を遵守させるほか、苦情処理、安全衛生に関する事項、乙との連絡調整等、適正な派遣就業の確保のための措置を講じなければならない。
3 派遣先責任者は、労働者派遣法に基づき作成した派遣先管理台帳について、月ごとに所定の事項を記載したものを、翌月末までに、乙に書面により通知しなければならない。
4 乙は、前項の期日によらず通知を請求する場合は、あらかじめ派遣先責任者と協議するものとする。
(派遣元責任者)
第11条 乙は、労働者派遣法等の定めに基づき、自己の雇用する労働者
(法人の場合には役員を含む。) の中から、事業所ごとに所定人数の派遣元責任者を選任するものとする。
2 派遣元責任者は、派遣労働者に対する指導、苦情処理、甲との連絡調整その他派遣労働者の適正な就業確保のための措置を講じなければならない。
(指揮命令者)
第12条 甲は、派遣労働者を自ら指揮命令して業務遂行のために使用し、契約に定める就業条件を守って派遣業務に従事させることとし、隊員の中から就業場所ごとに指揮命令者を選任しなければならない。
2 指揮命令者は、派遣業務の処理について、契約に定める事項を守って派遣労働者を指揮命令し、契約外の業務に従事させることのないよう留意 し、派遣労働者が安全、正確かつ適切に派遣業務を処理できるよう、業務処理の方法、その他必要な事項を派遣労働者に周知し指導する。
3 指揮命令者は、前項に定めた事項以外でも甲の職場維持、規律の保持並びに秘密、個人情報及びその他の保護すべき情報等の漏洩防止のために必要な事項を派遣労働者に指示することができる。
(苦情処理)
第13条 甲及び乙は、特約条項等によるほか、派遣労働者からの苦情の申出を受ける担当者を選任し、派遣労働者から申出を受けた苦情の処理方法、甲乙間の連絡体制等を定めるものとする。
2 甲及び乙は、派遣労働者から苦情の申出があった場合には、互いに協力して迅速な解決に努めなければならない。
(適正な派遣就業の確保等)
第14条 乙は、甲が派遣労働者に対し、仕様書等に定める労働を行わせることにより、労働基準法等の法令違反が生じないよう労働基準法等に定める時間外、休日労働協定、その他所定の法令上の手続等をとるとともに、適正な就業規則を定め、派遣労働者に対し、適正な労務管理を行い、甲の指揮命令等に従って職場維持、規律の保持並びに秘密、個人情報及びその他の保護すべき情報等の漏洩を防止し、適正に業務に従事するよう派遣労働者を教育、指導しなければならない。特に、労働基準法に基づく時間外及び休日の労働に関する協定の内容等については、履行開始前及び変更があった都度、速やかに甲に通知しなければならない。
2 甲は、派遣労働者に対し、労働基準法等の諸法令及び本契約に定める就業条件を守って派遣労働者を労働させるとともに、当該派遣就業が適正かつ円滑に行われるようにするため、セクシャルハラスメントの防止等に配慮するとともに、診療所、食堂、休憩室、更衣室等の施設で派遣労働者の利用が可能なものについては便宜の供与に努める。
3 甲は、乙が行う派遣労働者の知識、技術、技能等の教育訓練及び安全衛生教育並びに派遣労働者の自主的な能力開発について可能な限り協力する
ほか、派遣労働者と同種の業務に従事する隊員に対する教育訓練等については、派遣労働者もその対象とするよう必要に応じた教育訓練に係る便宜を図るように努めなければならない。
4 乙は、派遣業務を円滑に遂行する上で有用な物品( 安全衛生保護具等)の貸与や教育訓練の実施をはじめとする派遣労働者の福利厚生等の措置について、必要に応じ、派遣労働者と同種の業務に従事している隊員との均衡に配慮して、必要な就業上の措置を講ずるよう努めなければならない。また、甲は、乙の求めに応じ、派遣労働者と同種の業務に従事している隊員等の福利厚生等の実状を把握するために必要な情報を乙に提供する等の協力に努める。
5 甲の派遣労働者に対する派遣業務遂行上の指揮命令は、本契約に定める甲の就業に関する指揮命令者が行うものとし、当該指揮命令者の不在の場合の代行命令者についても、派遣労働者にあらかじめ明示しておくよう努めるものとする。
(安全衛生等)
第15条 甲及び乙は、労働基準法・労働安全衛生法等に定める規定を遵守し、派遣労働者の労働基準・安全衛生の確保に努めるものとする。
2 甲は、乙から派遣労働者に係る雇入れ時の安全衛生教育の委託の申入れがあった場合には、可能な限りこれに応じるよう努める等、派遣労働者の安全衛生教育に必要な協力や配慮を行うものとする。
3 甲は、労働安全衛生法に基づき、派遣労働者の危険又は健康障害を防止するための措置を講ずるとともに、派遣労働者の安全衛生について適切な管理を行うものとする。乙は、甲の行う安全衛生管理に協力し、派遣労働者に対する教育・指導等を怠らないように努める。
4 乙の派遣労働者について、派遣中に労働災害が発生した場合について は、甲は、乙に直ちに連絡して対応するとともに、労働者死傷病報告の提出については、甲乙それぞれが所轄労働基準監督署長に提出するものとする。
なお、甲は、所轄労働基準監督署長に提出した報告書の写しを乙に送付しなければならない。
(業務上災害等)
第16条 派遣就業に伴う派遣労働者の業務上災害については、乙が労働基準法に定める使用者の災害補償責任及び労働者災害補償保険法に定める事業主の責任を負う。通勤災害については、乙の加入する労働者災害補償保険法により派遣労働者は給付を受ける。
2 甲は、乙の行う労災保険の申請手続等について必要な協力をしなければならない。
(年次有給休暇)
第17条 乙は、派遣労働者から年次有給休暇の申請があった場合には、原則として、甲へ事前に通知するものとする。
2 甲は、派遣労働者の年次有給休暇の取得に協力するものとする。ただ し、通知された日の取得が業務の正常な運営に支障を来すときは、甲は乙にその具体的な事情を明示して、乙が当該派遣労働者に対し取得予定日を変更するよう依頼すること、又は必要な代替者の派遣を要求することができる。
(派遣労働者の個人情報の保護と適正な取扱い)
第18条 乙が甲に提供することができる派遣労働者の個人情報は、労働者派遣法等の規定により派遣先に通知すべき事項のほか、当該派遣労働者の業務遂行能力に関する情報に限るものとする。ただし、次項及び第3項によるものその他利用目的を示して当該派遣労働者の同意を得た場合及び他の法律に定めのあるときは、この限りではない。
2 甲における本人確認、事故等の緊急連絡等、派遣就業上の必要性から、乙は、あらかじめ利用目的を明示して、派遣労働者の同意を得て、住所
( 連絡先)、電話番号等必要事項を甲に通知するものとする。
3 甲は派遣労働者の入門許可証の交付その他の派遣就業場所の立入に必要な手続が円滑になされるよう十分に配慮し、乙は、派遣労働者にあらかじめ同意を得てその手続に協力するとともに、その有効な保持及び不正使用等の防止を図らなければならない。
4 甲及び乙は、業務上知り得た派遣労働者及び関係者の個人情報を正当な理由なく他に漏らし、又は開示する等してはならない。
(秘密の保全)
第19条 乙は、この契約の履行に際し知り得た秘密、個人情報及びその他の保護すべき情報を第三者に漏らし、又は、利用してはならず、派遣労働者にもそれを徹底・遵守させる責任を負う。
2 甲は、派遣労働者に対し、前項に定める甲の秘密、個人情報及びその他の保護すべき情報の保全に関する教育を行い、また、乙は、乙宛に派遣労働者から前項に定める守秘義務の履行に関する誓約書を提出させ、秘密の保全を図るものとする。
3 前各項のほか、甲は、この契約において特に甲の指定する秘密事項がある場合は、乙にその旨を通知し、乙は特約条項の定めるところにより秘密の保全に万全を期さなければならない。
4 甲は、派遣労働者の故意又は過失によって秘密及び個人情報等の漏洩、開示、利用、加工、毀損等のセキュリティ事件若しくは事故が発生したときは、乙に連絡して対応策を講じ、その損害の軽減、拡大防止に努めるものとする。この場合、乙は、甲の求めに応じて、必要な協力を行うほか、契約の一部解除及び違約金の請求等に応じなければならない。
(公益通報者の保護)
第20条 甲及び乙は、派遣労働者が公益通報者保護法に基づき公益通報対象事実を通報したことを理由として、甲において契約の解除、派遣労働者の交替を求めること、その他不利益な取扱いをしてはならず、乙においては派遣労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない。
(知的所有権の帰属)
第21条 派遣労働者が甲の派遣業務従事中に行った職務発明、職務考案、職務意匠、職務著作(プログラムを含む。)、その他の知的所有権はすべて甲に帰属し、甲の所有とする。
2 派遣労働者が行った発明が特許法第35条( 準用されている実用新案法第11条、意匠法第15条を含む。)の職務発明に該当する場合には、甲が特許を(実用新案登録、意匠登録を含む。)を受ける権利を当然承継
し、この権利の帰属に伴う派遣労働者への補償金の取扱いも含めて、甲の定める職務発明取扱規程等に従うものとする。ただし、乙と派遣労働者間
の取扱いについては、乙において定めるものとする。
3 甲の発意に基づき、派遣労働者の作成した職務著作物は、甲の名義及び所有とし、甲の発意に基づき職務上作成したプログラムの著作物についても同様とし、乙及び派遣労働者は補償金等の対価を請求できない。
(雇用又は就業に係る制限等)
第22条 甲は、契約期間中は乙の派遣労働者を雇用してはならない。
2 甲は、契約期間後に派遣労働者を雇用する場合は、あらかじめ乙にその旨を通知するものとする。
3 甲及び乙は、派遣労働者が甲を離職した者であるときは、当該離職の日から起算して1年を経過する日までの間は当該派遣労働者( 60歳以上の定年退職者であって乙に雇用されている者を除く。) を受け入れ又は派遣してはならない。
(契約期間満了の予告)
第23条 甲は、契約の締結に際して当該契約を更新する場合があり得るとした場合に、当該契約の更新を行わないときには、契約期間が満了する日の30日前までに、乙にその旨を通知するものとする。
(求人内容の周知義務)
第24条 甲は、同一の就業場所において1年以上の期間継続して同一の派遣労働者の労働者派遣を受けている場合において、当該就業場所で業務に従事する通常の職員の募集を行うときは、業務の内容、賃金、労働時間その他の当該募集に関する事項を当該派遣労働者に周知しなければならな い。
(契約書及び仕様書の優先並びに仕様書等の疑義)
第25条 参考として仕様書に添付された図面、見本及び図書が契約書及び仕様書に定めるところと矛盾する場合は、契約書及び仕様書が優先する。
2 乙は、仕様書等に疑義がある場合は、速やかに甲の説明を求めなければならない。この場合において、乙は、当該説明が文書によってなされるよう要求することができる。
3 乙は、前項の説明に従ったことを理由として、この契約に定める義務の履行の責めを免れない。ただし、乙がその説明の不適当なことを知って、
速やかに甲に異議を申し立てたにもかかわらず、甲が当該説明によることを求めたときは、この限りではない。
(着手届等の提出)
第26条 乙は、甲が指示した場合は、速やかに着手届その他の必要書類を甲に提出しなければならない。
2 乙は、前項に規定する必要書類を変更した場合は、速やかに甲に通知するものとする。
3 甲は、前2項の必要書類が不適当であると認める場合は、その変更を求めることができる。
(監 督)
第27条 監督官は、乙の行う労働者派遣について、契約書、仕様書等及び監督実施要領に基づき、監督を行う。
2 乙は、前項の規定により監督官が監督を行う場合は、これに応じなければならない。この場合においては、第26条第3項の規定を準用する。
3 監督を受けるのに必要な費用は、代金に含まれるものとする。
(労働者派遣の終了の届出)
第28条 乙は、労働者派遣が終了した場合は、直ちに、終了届により検査官にその旨を届け出なければならない。
2 前項の規定は労働者派遣が分割して履行することとされている場合において、それぞれの部分について終了したときもまた同様とする。
(検 査)
第29条 検査官は、契約書、仕様書等及び検査実施要領に基づき、検査を行う。
2 検査においては、乙が行った労働者派遣が契約書及び仕様書等に適合するか否かにより、合格又は不合格の判定を行うものとする。
3 検査を受けるのに必要な費用は、代金に含まれるものとする。
(代金の支払)
第30条 乙は、労働者派遣を完了した場合は、代金を甲に請求することができる。
2 甲は、乙から前項に規定する支払請求があったときは、その内容を審査
し、適法な支払請求と認めたときは、これを受理し、受理した日から30 日以内の日に、乙に当該代金を支払うものとする。
(支払遅延利息)
第31条 甲は、約定期間( 前条第2項の期間をいう。以下同じ。) 内に代金を乙に支払わないときは、約定期間満了の日の翌日から支払いをする日までの日数に応じ、未支払金額に対し、政府契約の支払遅延防止等に関する法律(昭和24年法律第256号) 第8条第1項の規定により財務大臣が決定する率を乗じて計算した金額を遅延利息として乙に支払わなければならない。ただし、その約定の支払時期までに支払いをしないことが天災地変等やむを得ない事由によるときは、特に定めない限り、当該事由の継続する期間は、約定期間に算入せず、又は遅延利息を支払う日数に計算しないものとする。
2 前項の規定により計算した遅延利息の額が100円未満であるときは、遅延利息を支払うことを要せず、その額に100円未満の端数があるときは、その端数を切り捨てるものとする。
(危険負担)
第32条 甲乙双方の責めに帰することができない理由により、労働者派遣の全部又は一部を履行することができなくなった場合は、乙は、当該部分についての労働者派遣の履行の義務を免れるものとし、甲は、その代金の支払の義務を免れるものとする。
2 甲の責めに帰すべき理由により、乙が労働者派遣の全部又は一部を履行することができなくなった場合は、乙は当該部分についての労働者派遣の履行の義務を免れるものとし、甲は、乙に代金(乙が労働者派遣の履行の義務を免れたことによって得た利益に相当する金額を除く。)を支払うものとする。
3 前項の場合において、乙が保険金、損害賠償、その他の代償又はそのような代償の請求権を取得したときは、甲は、その価額の限度で代金の支払義務を免れる。
(損害賠償)
第33条 派遣業務の遂行につき、派遣労働者が故意又は過失により甲又は
第三者に損害を与えたときは、乙は甲に賠償責任を負うものとする。ただし、その損害が、指揮命令者その他甲が使用する者(以下、本条において
「指揮命令者等」という。)の派遣労働者に対する指揮命令等(必要な注意・指示をしなかった不作為を含む。) により生じたと認められる場合 は、この限りではない。
2 前項の場合において、その損害が、派遣労働者の故意又は過失と指揮命令者等の指揮命令等との双方に起因するときは、甲及び乙は、協議して損害の負担割合を定めるものとする。
3 第36条第1項の規定は、甲に生じた実際の損害の額が違約金の額を超過する場合において、甲がその超過分の損害につき賠償を請求することを妨げない。
4 甲は、第36条第1項第5号及び第6号の規定により本契約を解除した場合は、これにより乙に生じた損害について、何ら賠償ないし補償することは要しない。
5 乙は、甲が第36条第1項第5号及び第6号の規定により本契約を解除した場合において、甲に損害が生じたときは、その損害を賠償するものとする。
6 甲は、第36条第5項の規定によりこの契約の全部又は一部を解除した場合は、乙の請求により乙に生じた実際の損害を賠償しなければならない。ただし、解除事由が乙の責に帰する場合は、この限りでない。
7 第37条の規定によるこの契約の全部又は一部の解除は、乙が乙に生じた実際の損害につき賠償を請求することを妨げない。
(契約の変更)
第34条 甲は、労働者派遣期間が終了するまでの間において必要があるときは、履行期間、履行場所、仕様書の内容その他乙及び派遣労働者の義務に関し、この契約の定めるところを変更するため、乙と協議することができる。
2 前項の規定により協議が行われる場合は、乙は見積書を作成し、速やかに甲に提出しなければならない。
3 第1項の協議の結果、契約金額を変更する必要が生じた場合において
も、以後しばしば契約金額の変更の必要を生ずる見込みがあるとき、その他相当と認めるときは、甲乙協議の上、その際契約金額の変更のための措置をとることなく、後日これを取りまとめて行うこととすることができ る。
(事情の変更)
第35条 甲及び乙は、この契約の締結後、経済情勢の変動、天災地変、法令の制定又は改廃その他著しい事情の変更により、この契約に定めるところが不当となったと認められるときは、この契約に定めるところを変更するために協議することができる。
2 前条第2項の規定は、前項の規定により契約金額の変更に関して協議を行う場合に準用する。
(甲の解除権)
第36条 甲は、次の1つに該当する場合は、この契約の全部又は一部を解除することができる。
(1) 乙が適正な労働者の派遣ができなくなった場合
(2) 乙が労働者派遣契約上の義務に違反したことによって、この契約の目的を達することができなくなった場合
(3) 公正取引委員会が乙又は乙の代理人に対して私的独占の禁止及び公正取引に確保に関する法律(昭和22年法律第54号。以下「独占禁止法」という。) 第7条の2又は第8条の2( 同法第8条第1号若しくは第2号に該当する行為の場合に限る。) の規定による排除措置命令を行ったとき、同法第7条の2第1項(同法第8条の3において読み替えて準用する場合を含む。)の規定による課徴金の納付命令を行ったと
き、又は同法第7条の4第7項若しくは第7条の7第3項の規定による課徴金の納付を命じない旨の通知を行ったとき。
(4) 乙又は乙の代理人( 乙又は乙の代理人が法人の場合にあっては、その役人又は使用人) が刑法(明治40年法律第45条) 第96条の6若しくは第198条又は独占禁止法第89条第1項の規定による刑の容疑により公訴を提起されたとき。
(5) 警視庁又は道府県警察本部の暴力団排除対策を主管とする課の長( 以
下「暴力団対策主管課長」という。)への照会、又は暴力団対策主管課長からの通知により、乙が次の各項目の1つに該当すると認められたとき。
ア 法人等( 個人、法人又は団体をいう。) の役員等( 個人である場合はその者、法人である場合は役員又は支店若しくは営業所( 常時契約を締結する事務所をいう。)の代表者、団体である場合は代表者、理事等、その他経営に実質的に関与している者をいう。)が、暴力団
(暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成3年法律第
77号)第2条第2号に規定する暴力団をいう。以下同じ。)又は暴力団員(同法第2条第6号に規定する暴力団員をいう。以下同じ。)であるとき。
イ 役員等が、自己、自社若しくは第三者の不正の利益を図る目的、又は第三者に損害を加える目的をもって、暴力団又は暴力団員を利用するなどしているとき。
ウ 役員等が、暴力団又は暴力団員に対して、資金等を供給し、又は便宜を供与するなど直接的あるいは積極的に暴力団の維持、運営に協力し、若しくは関与しているとき。
エ 役員等が、暴力団又は暴力団員であることを知りながらこれを不当に利用するなどしているとき。
オ 役員等が、暴力団又は暴力団員と社会的に非難されるべき関係を有しているとき。
(6) 乙が自ら又は第三者を利用して次の各項目の1つに該当する行為をした場合
ア 暴力的な要求行為
イ 法的な責任を超えた不当な要求行為
ウ 取引に関して脅迫的な言動をし、又は暴力を用いる行為エ 偽計又は威力を用いて甲の業務を妨害する行為
オ その他これらに準ずる行為
2 乙は、この契約に関して、乙又は乙の代理人が独占禁止法第7条の4第
7項若しくは第7条の7第3項の規定による通知を受けた場合は、速やか
に、当該通知文書の写しを甲に提出しなければならない。
3 乙は、第1項第5号に関し、甲から求めがあった場合、乙の役員名簿
(有価証券報告書に記載のもの(生年月日を含む。)。ただし、有価証券報告書を作成していない場合は、役職名、氏名及び生年月日の一覧表とす る。) 及び登記簿謄本の写しを提出するとともに、これらの提出書類から確認できる範囲での個人情報を警察に提供することについて同意するものとする。
4 乙は、第1項第5号及び第6号のいずれに該当しないことを表明し、かつ、将来にわたっても該当しないことを確約する。
5 甲は、第1項に定める場合のほか、甲の都合により必要がある場合は、この契約の全部又は一部を解除することができる。
6 第1項の規定により本契約が解除された場合において、乙は、派遣労働者に対して派遣先である甲での就労を中止し、速やかに派遣元である乙に復帰させる等の適切な指示を行わなければならない。
(乙の解除権)
第37条 乙は、甲が正当な理由なく労働者派遣法その他の関係諸法令又は本契約の定めに違反した場合においては、相当の期間を定めて是正を催告し、その期間内に是正がないときは、この契約の全部又は一部を解除することができる。
(違約金)
第38条 乙は、この契約に関して、次の各号の一の該当するときは、甲が契約の全部又は一部を解除するか否かにかかわらず、契約金額(一部解除の場合は、解除部分に相当する代金) の10パーセントに相当する額を違約金として甲が指定する期日までに支払わなければならない。
(1) 第36条第1項第1号及び第2号、第5号及び第6号の規定によりこの契約の全部又は一部を解除した場合
(2) 公正取引委員会が、乙又は乙の代理人に対して独占禁止法第7条又は第8条の2(同法第8条第1号若しくは第2号に該当する行為の場合に限る。) の規定による排除措置命令を行い、当該排除措置命令が確定したとき。
(3) 公正取引委員会が、乙又は乙の代理人に対して独占禁止法第7条の2第1項(同法第8条の3において読み替えて準用する場合を含む。)の規定による課徴金の納付命令を行い、当該納付命令が確定したとき。
(4) 公正取引委員会が、乙又は乙の代理人に対して独占禁止法第7条の4第7項若しくは第7条の7第3項の規定による課徴金の納付を命じない旨の通知を行ったとき。
(5) 乙又は乙の代理人( 乙又は乙の代理人が法人の場合にあっては、その役員又は使用人) が刑法第96条の6若しくは第198条又は独占禁止法第89条第1項の規定による刑が確定したとき。
2 乙は、前項第5号に規定する場合に該当し、かつ次の各号の一に該当するときは、前項の契約金額の10パーセントに相当する額のほか、契約金額の5パーセントに相当する額を違約金として甲が指定する期日までに支払わなければならない。
(1) 公正取引委員会が乙又は乙の代理人に対して独占禁止法第7条の2第
1項及び第7条の3の規定による納付命令を行い、当該納付命令が確定したとき。
(2) 当該刑の確定において、乙が違反行為の首謀者であることが明らかになったとき。
(3) 乙が甲に対し、独占禁止法等に抵触する行為を行っていない旨の誓約書を提出しているとき。
3 乙は、契約の履行を理由として、前2項の違約金を免れることができない。
4 乙は、甲が相当の期間をおいて指定する期日までに第1項及び第2項の違約金を支払わない場合は、その期日の翌日から支払のあった日までの日数に応じ、当該遅滞金に対し、国の債権の管理等に関する法律施行令(昭和31年政令第337号)第29条の規定により財務大臣が定める率を乗じて計算した金額を遅延利息として甲に支払わなければならない。
(契約保証金による充当)
第39条 甲は、第30条の規定により違約金を徴収する場合に、乙が提供した契約保証金があるときは、これを充当するものとする。
2 乙が契約保証金に代えて担保を提供した場合においては、前項の徴収 は、相当の期間を定めて行うものとし、その期間内に支払がなかったときは、当該担保は甲に帰属するものとする。
(特定有期雇用派遣労働者等に対する措置)
第40条 乙は、労働者派遣法等に定められた特定有期雇用労働者等であって、甲の派遣就業の場所ごとの業務について継続して3年間当該労働者派遣に係る労働に従事する見込みがある者に対して行う措置は、次の各号のいずれかとする。
(1) 派遣労働者として就業させることができるように就業の機会を確保するとともに、その機会を特定有期雇用派遣労働者等に提供すること。
(2) 派遣労働者以外の労働者として期間を定めないで雇用することができるように雇用の機会を確保するとともに、その機会を特定有期雇用派遣労働者等に提供すること。
(3) 前各号に掲げるもののほか、特定有期雇用派遣労働者等を対象とした教育訓練であって雇用の安定に特に資すると認められるものとして厚生労働省令で定めるものその他の雇用の安定を図るために必要な措置として厚生労働省令で定めるものを講ずること。
2 前項の規定は、特定有期雇用派遣労働者以外の者に対して乙が措置を講じる場合も準用する。
3 甲は、第1項第3号に基づき乙が講じる教育訓練について、業務に支障が生じない範囲内で協力するものとする。
(派遣契約の中途解除、派遣就業期間の短縮の特例)
第41条 甲の都合により、契約期間が満了する前に契約の解除を行おうとする場合には、乙の合意を得ることはもとより、予め相当の猶予期間をもって乙に解除解除の申し入れを行うものとする。
2 乙は、契約期間が満了する前に派遣労働者の責に帰すべき事由によらない契約の解除を行った場合には、乙において他の派遣先を確保する等により、当該労働者の新たな就業機会の確保を図ることとする。
3 甲は、甲の帰すべき事由により契約期間が満了する前に労働者派遣契約の解除を行おうとする場合であって、乙が前項の措置をとれないときに
は、少なくとも契約の解除に伴い乙が当該派遣労働者を休業させること等を余儀なくされたことにより生じた損害の賠償を行わなければならないこととする。例えば、乙が当該派遣労働者を休業させる場合は休業手当に相当する額以上の額について、乙がやむを得ない事由により当該派遣労働者を解雇する場合は、甲による解除の申入れが相当の猶予期間をもって行われなかったことにより乙が解雇の予告をしないときは30日分以上、当該予告をした日から解雇の日までの期間が30日に満たないときは当該解雇の日かの30日前の日から当該予告の日までの日数分以上の賃金に相当する額以上の額について、損害の賠償を行わなければならないこととする。その他甲は乙と十分協議した上で適切な善後処理方策を講ずることとす る。また、甲及び乙の双方の責に帰すべき事由がある場合には、甲及び乙のそれぞれの責に帰すべき部分の割合についても十分に考慮することとする。
2 甲は、契約期間が満了する前に契約の解除を行う場合であって、乙から請求があったときは、契約の解除を行う理由を乙に対し明らかにすることとする。
(その他)
第42条 この契約の履行については、この契約一般条項に定めるもののほか、特約条項の定めるところによる。
2 特約条項に、この契約一般条項と異なる定めのある場合は、特約条項の定めるところによる。
3 甲及び乙は、この契約に関し紛争又は疑義が生じた場合は、その都度協議して解決するものとする。
4 乙は、「責任あるサプライチェーン等における人権尊重のためのガイドライン」( 令和4年9月13日ビジネスと人権に関する行動計画の実施に係る関係府省庁施策推進・連絡会議決定)を踏まえて人権尊重に取り組むよう努めるものとする。
(裁判管轄)
第43条 この契約に関する訴えの管轄裁判所を、甲の所在する地域を管轄する地方裁判所と定めるものとする。