第1条 この約款は、国立研究開発法人物質・材料研究機構(以下「機構」という。)が保有し、文部科学省マテリアル先端リサーチインフラ(以下「ARIM事業」という。 )に登録している施設及び設備(以下「ARIM共用設備等」という。)を、科学技術に関する研究開発を行う機構外の研究者等でARIM事業利用者(以下「利用者」という 。)への共用に供する場合に適用します。
国立研究開発法人物質・材料研究機構
マテリアル先端リサーチインフラ施設及び設備利用約款
国立研究開発法人物質・材料研究機構
制定 令和4年2月18日
(適用範囲)
第1条 この約款は、国立研究開発法人物質・材料研究機構(以下「機構」という。)が保有し、文部科学省マテリアル先端リサーチインフラ(以下「ARIM事業」という。)に登録している施設及び設備(以下「ARIM共用設備等」という。)を、科学技術に関する研究開発を行う機構外の研究者等でARIM事業利用者(以下「利用者」という。)への共用に供する場合に適用します。
ARIM共用設備等の利用者は、ARIM共用設備等の利用に際して本約款を遵守する義務を負い、本約款に同意したものとみなします。
(定義)
第2条 この約款において、「利用」とは、ARIM共用設備等の利用中の維持管理、実験データ等の取得、実験用試料等の処理等を、利用者が自ら行うことを前提とし、利用者が主体的に或いは機構の協力を得て行う研究開発に対し、当該ARIM共用設備等を有償又は無償により利用することをいいます。
2 この約款において「秘密情報」とは、機構又は利用者が相手方に開示した技術情報、自己の事業又は運営等に係る技術情報以外の情報であって、秘密である旨の表示がなされている書類又は電磁的記録(複製されたものも含む)及び口頭で開示された情報のうち、開示に際し秘密である旨明示され、開示後30日以内に書面で開示者から開示内容を特定のうえ秘密である旨通知されたものの総称をいいます。ただし、次の各号に該当する情報は、秘密情報に含まれないものとします。
一 相手方からの知得時に既に公知の情報又は相手方から知得後に自己の責めに帰すべき事由によることなく公知となった情報であるもの
二 第三者から秘密保持義務を負うことなく正当に入手した情報であるもの
三 相手方から当該情報を知得した時点で既に保有していたことが書面により立証できる情報であるもの
四 相手方から知得した情報によらないで独自に創出したことが書面により立証できる
もの
五 相手方から開示を受けた後、秘密情報によらず、独自に創出したもの六 法令又は裁判所の命令により開示を義務付けられたもの
3 この約款において、「知的財産権」とは、次の各号に掲げるものをいいます。
一 特許権、実用新案権、意匠権、半導体集積回路の回路配置に関する法律(昭和60年法律第43号)に規定する回路配置利用権、種苗法(平成10年法律第83号)に規定する育成者権及び外国におけるこれらの権利に相当する権利
二 特許を受ける権利、実用新案登録を受ける権利、意匠登録を受ける権利、回路配置利用権の設定の登録を受ける権利、品種登録を受ける地位及び外国におけるこれらの権利に相当する権利
三 著作xx(昭和45年法律第48号)に規定するプログラムの著作物及びデータベースの著作物の著作権並びに外国におけるこれらの権利に相当する権利
四 前三号に掲げる権利の対象とならない技術情報(実験データ、サンプル等の試料及び図面等を含む。)のうち、秘匿することが可能なものであって、かつ、財産的価値のあるものの中から、機構と利用者が合意の上、特に指定するもの(以下「ノウハ ウ」という。)
(ARIM共用設備等)
第3条 ARIM共用設備等は、機構がARIM事業へ登録した設備及び設備群を指します。
(利用の申込)
第4条 ARIM共用設備等の利用を希望する利用者は、機構が別に定める方法により、以下の事項を明示して、マテリアル先端リサーチインフラセンター長宛てに申込みを行って下さい。
一 利用者全員の氏名、所属、連絡先等二 研究課題の概要
三 利用を希望するARIM共用設備等の名称等又はARIM共用設備等の利用の目的
四 役務提供、技術補助(第8条第2項)又は技術代行(第8条第3項)の希望の有無五 利用にあたっての遵守事項の承諾
六 その他の必要となる利用条件
(利用の受入)
第5条 機構は、ARIM事業の主旨に沿って、以下の要件を検討した上で、利用可否の決定をします。
一 第3条に定めるARIM共用設備等の利用を希望するものであること。
二 利用が、科学技術の振興、社会・経済への貢献等の公共性を有するものであること。
三 利用が、機構の研究業務遂行xxxな妨げとなるおそれがないこと。
四 約款及び機構より当該ARIM共用設備等に固有の特約等が示された場合の当該特約等
に同意していること。
五 利用者が、第7条に定める遵守事項に違反するおそれがないこと。
六 利用者又はその者の所属機関が、第9条に定める利用料を負担する能力を有していること。
七 利用者又はその者の所属機関が、第15条に定める損害を賠償する能力を有していること。
八 研究開発要素が含まれ、かつ、他の民間分析・加工・合成サービス等での対応が難しいもの
九 機構が有する研究力及び技術力・ノウハウ等が求められるもの
十 重要技術領域の推進及びデータ創出の観点で必要性・重要性が認められるもの 十一 機構が保有する特徴的な研究設備やデータの利活用が効果的と考えられるもの
十二 新たな研究テーマの発掘や将来的な共同研究、事業化等への発展性など、利用課題の発展性・将来性が期待されるもの
2 機構は、特に前項第一号から第八号までに定める要件のうち、いずれかが満たされない場合は、ARIM共用設備等の利用を受け入れないことがあります。
(利用の取消及び中止)
第6条 機構は、前条第1項各号に定める要件のいずれかが満たされない事態が生じた場合には、前条の利用の受入を取り消すこと又は利用の中止を命ずることができます。
2 機構は、前項の規定にかかわらず、機構が管理上の必要があると認める場合には、利用者に対して、利用の中止を命ずることができます。
(遵守事項)
第7条 利用者は次に掲げる事項を遵守して下さい。一 約款に記載されている事項
二 管理責任者の指示及びARIM共用設備等毎に定められている利用に際して守るべき事項
三 危険が惹起される行為を行わないこと。
四 日本国の法令に違反する行為を行わないこと。
五 ARIM共用設備等を破損するおそれがある行為を行わないこと。六 機構の業務遂行に支障となる行為を行わないこと。
七 利用の終了時には、ARIM共用設備等を利用開始前の状態に復帰させること。八 その他、利用にあたって機構の定める事項
(役務提供、技術補助及び技術代行)
第8条 利用者は、管理責任者と協議の上、ARIM共用設備等の操作、運転等に関して、機構の職員等から役務の提供を受けることができます。
2 利用者は、管理責任者と協議の上、当該ARIM共用設備等の操作、運転方法、実験試料等の作製方法、実験データ等の解析方法等に関し、機構の職員等から技術補助を受ける
ことができます。
3 利用者は、管理責任者と協議の上、観察、分析、解析、加工、試料作製等に関し、機構職員が実施する技術代行を受けることができます。
(利用料の支払い)
第9条 利用者は、機構より発出される請求書に基づき、機構が定める所定の期日までに支払うものとします。利用料は、本事業の維持費や研究インフラの運営に必要な経費の一部に用いるものとして、ARIM事業の目的及び趣旨に則り、機構において決定した額になります。
(利用料の返還)
第10条 機構は、利用者が納付した利用料を返還しません。ただし、次の各号のいずれかに該当する場合は、それらの全部又は一部を返還します。
一 第6条第2項の規定により機構が利用の中止を命じた場合
二 利用者の責によらないARIM共用設備等の故障又は天災等のやむを得ない事情により、利用が不可能になった場合
(利用の報告)
第11条 利用者は、ARIM共用設備等の利用終了後利用申請時に示された期日までに、利用報告書を提出して下さい。提出された報告書は、ARIM事業の目的及び主旨に則り、機構において決定した方法によって、これを公開します。
(情報の取扱い)
第12条 利用者は、利用の結果得られた情報の管理、保管、消去等を自ら行って下さい。
2 利用の結果得られた情報及びこれに関連して利用者が所有している情報の全部又は一部を、機構が管理運営するデータ登録サービスへ登録する場合には、別途、マテリアル先端リサーチインフラ提供データ登録約款及びマテリアル先端リサーチインフラデータ登録システム利用約款に同意いただく必要があります。
3 利用者が第7条に定めた遵守事項に違反した場合若しくは違反していると機構が信じるに足る相当の理由がある場合、本条第5項に反して秘密情報の目的外使用を行った場合、第6項に該当する場合又はARIM共用設備等の管理運営等に関する特段の必要があると機構が認める場合は、本条第4項、第5項及び第7項の定めに関わらず、利用者は、機構の求めに応じて、全ての必要な情報を機構に開示しなければなりません。
4 秘密情報の受領者(以下「受領者」という。)は、秘密情報を第三者に対して開示し又は提供することはできません。ただし、開示目的を達するためであって、開示者の書面による事前の承諾を得た場合は、この限りではありません。受領者が開示者の承諾を得て秘密情報を第三者に開示又は提供する場合は、受領者は本約款において自己が負う秘密保持義務と同様の秘密保持を当該第三者に義務付けるものとします。
5 受領者は、秘密情報を本利用の目的以外のいかなる目的にも使用又は利用することは
できません。また、開示目的以外の目的のために秘密情報の全部又は一部を複製することもできません。なお、相手の秘密情報を利用して知的財産権を創製することは本利用の目的にはなりません。
6 受領者は、秘密情報につき、裁判所又は行政機関から法令に基づく開示を命じられた場合は、次の各号の措置を講じることを条件に、当該裁判所又は行政機関に対して当該秘密情報を開示することができます。
一 開示する内容をあらかじめ開示者に通知すること。二 適法に開示を命じられた部分に限り開示すること。
三 開示に際して、当該秘密情報が秘密である旨を書面により明らかにすること。
7 受領者は、本利用の目的に携わる各々の役職員に対してのみ、秘密情報を開示するものとし、当該情報が秘密を保持すべき事項であることを明示して下さい。
8 受領者は、自己が本約款に基づき負うと同様の義務を前項の開示に係る役職員が負うことにつき、一切の責任を負うことになります。
9 機構と利用者は互いに、秘密情報に瑕疵があった場合でも、瑕疵担保責任を含む一切の責任を負わないものとし、それらについて一切の明示又は黙示の保証をしないものとします。
(知的財産権の取扱い)
第13条 第2条第2項に定める「秘密情報」を用いることなく、利用により新たに得られた知的財産権は、利用者に帰属するものとします。
(事故補償の免責等)
第14条 機構は、利用者の故意又は過失により発生した事故による負傷等に対する補償は行いません。
2 機構は、施設等の故障等により生じた利用者の損害を賠償する責任を負いません。
3 機構は、第6条第2項の規定により利用の中止を命じた場合の利用者の損害を賠償する責任を負いません。
4 機構は、利用者が持ち込んだ試料等の滅失又は毀損に対しては、機構の故意又は重大な過失に基づく場合を除き、賠償の責任を負いません。
5 利用者は、ARIM共用設備等の利用によって第三者との間で紛争が生じた場合、自らの責任と負担により解決するものとし、機構は当該紛争に関して一切責任を負わないものとします。
(弁償義務)
第15条 利用者の故意又は第7条の遵守事項に反する行為による過失によって、ARIM共用設備等の破損など、機構に損害を与えた場合には、利用者及びその所属機関が連帯して弁償していただきます。
(約款の有効期間及び利用終了後の措置)
第16条 この約款の有効期間は、第5条における利用の受け入れ日から、利用期間が終
了した日又は第11条における利用報告書が提出された日のいずれか遅い日まで(以下
「利用終了日」という。)とします。ただし、本約款中、第12条第3項の規定は、利用終了日以降5年間有効とし、第14条、第15条は利用終了日以降も有効とします。
(約款の変更等)
第17条 機構が必要と判断する場合、利用者へ事前に通知することなく、本約款及び ARIM共用設備等の利用の内容の一部又は全部を変更、停止又は中止することができるものとし、利用者はこれを承諾します。
2 機構が前項の規定により本約款又はARIM共用設備等の利用内容を変更、停止若しくは中止・中断した場合にも、登録者に対しては一切責任を負わないものとし、利用者はこれを承諾します。機構が前項によりARIM共用設備等の利用の提供を終了した場合も同様とします。
3 機構がARIM共用設備等の利用の提供を終了した場合、機構は一切の責任を負わないものとし、利用者はこれを承諾します。
(準拠法、裁判管轄)
第18条 本約款の成立、効力、履行及び解釈に関しては、特段の定めのない限り日本国法に準拠するものとします。
2 本約款、ARIM共用設備等の利用に関する一切の紛争については、東京地方裁判所を第xxの専属管轄裁判所とします。
3 前項の規定にかかわらず、個人である利用者の住所地が日本国外にあるとき又は法人である利用者の本店所在地が日本国外にあるときは、利用者及び機構の本約款又はARIM共用設備等の利用に関する紛争は、一般社団法人日本商事仲裁協会において、当該機関の仲裁規則に基づく仲裁によってのみ解決されるものとします。その仲裁判断は終局的なものであり、利用者と機構双方に対して拘束力を持つものとします。仲裁に要する費用(代理人・弁護士費用を含む)は仲裁判断に特段の定めのない限り、敗訴側が負担するものとします。
附 則
この約款は、令和4年4月1日から適用する。