Contract
営繕工事設計業務委託共通仕様書
(令和2年版)
令和2年4月1日以降適用
第1章 総則
1. 1 適用
1.営繕工事設計業務委託共通仕様書(以下「共通仕様書」という。)は、営繕工事に係る建築意匠、建築構造、電気設備、機械設備の設計業務、積算及び設計意図伝達(設計監理)等の業務(以下「設計業務」という。)の委託に適用する。
2.設計仕様書は、相互に補完するものとする。ただし、設計仕様書の間に相違がある場合、設計仕様書の優先順位は、次の(1)から(5)の順序のとおりとする。
(1) 質問回答書
(2) 別冊の図面
(3) 特記仕様書
(4) 共通仕様書
3.受注者は、前項の規定により難い場合又は設計仕様書に明示のない場合若しくは疑義を生じた場合には、調査職員と協議するものとする。
1. 2 用語の定義
共通仕様書に使用する用語の定義は、次の各項に定めるところによる。
1.「調査職員」とは、契約図書に定められた範囲内において受注者又は管理技術者に対する指示、承諾又は協議の職務等を行う者で、契約書の規定に基づき、発注者が定めた者をいう。
2.「検査職員」とは、設計業務の完了の確認、部分払の請求に係る既履行部分の確認及び部分引渡しの指定部分に係る業務の完了の確認を行う者で、契約書の規定に基づき、発注者が定めた者をいう。
3.「管理技術者」とは、契約の履行に関し、業務の管理及び統轄等を行う者で、契約書の規定に基づき、受注者が定めた者をいう。
4.「契約図書」とは、契約書及び設計仕様書をいう。
5.「契約書」とは、別冊設計業務委託契約書をいう。
6.「設計仕様書」とは、質問回答書、別冊の図面、特記仕様書及び共通仕様書をいう。
7.「質問回答書」とは、別冊の図面、特記仕様書、共通仕様書及び工事別発注概要書に関する入札等参加者からの質問書に対して、発注者が回答する書面をいう。
8.「別冊の図面」とは、契約に際して発注者が交付した図面、発注者から変更又は追加された図面及び図面のもとになる計算書等をいう。
9.「特記仕様書」とは、設計業務の実施に関する明細又は特別な事項を定める図書をいう。
10.「共通仕様書」とは、設計業務に共通する事項を定める図書をいう。
11. 「特記」とは、1.1の2.(1)から(3)に指定された事項をいう。
12.「指示」とは、調査職員又は検査職員が受注者に対し、設計業務の遂行上必要な事項について書面をもって示し、実施させることをいう。
13.「請求」とは、発注者又は受注者が相手方に対し、契約内容の履行若しくは変更に関して書面をもって行為若しくは同意を求めることをいう。
14.「通知」とは、設計業務に関する事項について、書面をもって知らせることをいう。
15.「報告」とは、受注者が発注者又は調査職員若しくは検査職員に対し、設計業務の遂行に当たって調査及び検討した事項について通知することをいう。
16.「承諾」とは、受注者が発注者又は調査職員に対し、書面で申し出た設計業務の遂行上必要な事項について、発注者又は調査職員が書面により同意することをいう。
17.「協議」とは、書面により業務を遂行する上で必要な事項について、発注者と受注者が対等の立場で合議することをいう。
18.「提出」とは、受注者が発注者又は調査職員に対し、設計業務に係る書面又はその他の資料を説明し、差し出すことをいう。
19.「書面」とは、手書き、ワープロ等により、伝える内容を紙に記したものをいい、発効
年月日を記載し、署名又は捺印したものを有効とする。緊急を有する場合は電子メール及びファミシミリ等により伝達できるものとするが、後日有効な書面と差し替えるものとする。
20.「検査」とは、検査職員が契約図書に基づき、設計業務の完了の確認、部分払の請求に係る既履行部分の確認及び部分引渡しの指定部分に係る業務の完了の確認をすることをいう。
21.「打合せ」とは、設計業務を適正かつ円滑に実施するため管理技術者等と調査職員が面談等により、業務の方針、条件等の疑義を正すことをいう。
22.「修補」とは、発注者が受注者の負担に帰すべき理由による不良個所を発見した場合に受注者が行うべき訂正、補足その他の措置をいう。
23.「協力者」とは、受注者が設計業務の遂行に当たって、その業務の一部を再委託する者をいう。
第2章 設計業務の範囲
設計業務は、一般業務及び追加業務とし、内容及び範囲は次による。
1.一般業務の内容は、平成31年国土交通省告示第98号(以下「告示」という。)別xx第1項並びに平成27年国土交通省告示第670号別xx第 1 項及び第 2 項に掲げる
ものとし、範囲は特記による。
2.追加業務の内容及び範囲は特記による。第3章 業務の実施
3.1 業務の着手
受注者は、設計仕様書に定めがある場合を除き、契約締結後14日以内に業務着手届を発注者に提出するとともに、設計業務に着手しなければならない。この場合において、着手とは、管理技術者が設計業務の実施のため調査職員との打合せを開始することをいう。
3.2 設計方針の策定等
1.受注者は、業務の実施に当たり、設計仕様書及び調査職員の指示を基に設計方針の策定(告示別xx第1項第一号イに掲げる基本設計方針の策定及び第二号イに掲げる実施設計方針の策定をいう)を行い、業務当初及び変更の都度、調査職員の承諾を得なければならない。
2.受注者は、計算書に、計算に使用した理論、公式の引用、文献等並びにその計算過程を明記するものとする。
3.電子計算機によって計算を行う場合は、プログラムと使用機種について、事前に調査職員と協議し、その承諾を得なければならない。
3.3 適用基準等
1.受注者が、業務の実施に当たり、適用すべき基準等(以下「適用基準等」という。)は、特記による。
2.受注者は、適用基準等により難い特殊な工法、材料、製品等を採用しようとする場合には、あらかじめ調査職員と協議し、その承諾を得なければならない。
3.適用基準等で市販されているものについては、受注者の負担において備えるものとする。
3.4 提出書類
1.受注者は、発注者が指定した様式により、契約締結後に、関係書類を調査職員を経て、速やかに発注者に提出しなければならない。ただし、業務委託料に係る請求書、請求代金代理受領承諾書、遅延利息請求書、調査職員に関する措置請求に係る書類及びその他現場説明の際指定した書類を除くものとする。
2.受注者が発注者に提出する書類で様式及び部数が定められていない場合は、調査職員の指示によるものとする。
3.受注者は、官庁営繕事業に係る電子納品運用ガイドライン【営繕業務編】及び建築設計業務等電子納品要領(平成24年版)(国土交通省大臣官房官庁営繕部)(以下「要領等」という。)に基づいて作成した電子データにより成果品を提出するものとする。
「要領等」で特に記載が無い項目については、調査職員と協議のうえ決定するものとする。
なお、電子納品に対応するための措置については「官庁営繕事業に係る電子納品運用ガイドライン等の運用について(xx県)」を参考にすること。
4.完成図書等電子データの提出方法は、CD-R により行うものとする。
5.業務実績情報を登録することが特記された場合は、登録内容について、あらかじめ調査職員の承諾を受け、登録されることを証明する資料を検査職員に提示し、業務完了検査後速やかに登録の手続きを行うとともに、登録が完了したことを証明する資料を調査職員に提出しなければならない。
3.5 業務計画書
1.受注者は、契約締結後14日以内に業務計画書を作成し、調査職員に提出しなければならない。
2.業務計画書には、契約図書に基づき、次の事項を記載するものとする。ア 設計業務内容
イ 設計方針
ウ 業務実施体制及び組織図
エ 担当技術者一覧表及び経歴書
オ 協力者がある場合は、協力者の概要と担当技術者一覧表カ 業務フローチャート
キ 打合せ計画
ク その他、調査職員が必要に応じて指定する事項
3.受注者は、業務計画書の内容を変更する場合は、理由を明確にしたうえ、その都度調査職員に変更業務計画書を提出しなければならない。
4.調査職員が指示した事項については、受注者は更に詳細な業務計画に係る資料を提出しなければならない。
3.6 守秘義務
受注者は、契約書の規定に基づき、業務の実施過程で知り得た秘密を第三者に漏らしてはならない。
3.7 再委託
1.受注者は、設計業務における総合的な企画及び判断並びに業務遂行管理部分を、契約書の規定により、これを再委託してはならない。
2.受注者は、コピ-、ワ-プロ、印刷、製本、計算処理(構造計算、設備計算及び積算を除く)、トレ-ス、資料整理、模型製作、透視図作成等の簡易な業務を第三者に再委託する場合は、発注者の承諾を得なくともよいものとする。
3.受注者は、第1項及び第2項に規定する業務以外の再委託に当たっては、発注者の承諾を得なければならない。
4.受注者は、設計業務を再委託する場合は、委託した業務の内容を記した書面により行うこととする。
なお、協力者がxx県建設コンサルタント業務等入札参加資格者である場合は、指名停止期間中であってはならない。
5.受注者は、協力者及び協力者が再々委託を行うなど複数の段階で再委託が行われるときは当該複数の段階の再委託の相手方の住所、氏名及び当該複数の段階の再委託の相手方がそれぞれ行う業務の範囲を記載した書面を更に詳細な業務計画に係る資料として、調査職員に提出しなければならない。
6.受注者は、協力者に対して、設計業務の実施について適切な指導及び管理を行わなければならない。また、複数の段階で再委託が行われる場合についても必要な措置を講じなければならない。
3.8 特許xxの使用
受注者は、契約書に規定する特許権、実用新案権、意匠権、商標権その他日本国の法令に基づき保護される第三者の権利の対象である履行方法を発注者が指定した場合は、その履行方法の使用について発注者と協議しなければならない。
3.9 調査職員
1.発注者は、契約書の規定に基づき、調査職員を定め、受注者に通知するものとする。
2.調査職員は、契約図書に定められた範囲において、指示、承諾、協議等の職務を行うものとする。
3.調査職員の権限は、契約書に規定する事項とする。
4.調査職員がその権限を行使するときは、書面により行うものとする。ただし、緊急を要する場合は、口頭による指示等を行うことができるものとする。
5.調査職員は、口頭による指示等を行った場合は、7日以内に書面により受注者にその内容を通知するものとする。
3.10 管理技術者
1.受注者は、契約書の規定に基づき、管理技術者を定め、発注者に通知しなければならない。なお、管理技術者は、日本語に堪能でなければならない。
2.管理技術者の資格要件は、特記による。
3.管理技術者は、契約図書等に基づき、業務の技術上の管理を行うものとする。
4.管理技術者の権限は、契約書に規定する事項とする。ただし、受注者が管理技術者に委任できる権限(契約書の規定により行使できないとされた権限を除く。)を制限する場合は、発注者に、あらかじめ通知しなければならない。
5.管理技術者は、関連する他の設計業務が発注されている場合は、円滑に業務を遂行するために、相互に協力しつつ、その受注者と必要な協議を行わなければならない。
3.11 貸与品等
1.業務の実施に当たり、貸与又は支給する図書、適用基準及びその他必要な物品等(以下「貸与品等」という。)は、特記による。
2.受注者は、貸与品等の必要がなくなった場合は、速やかに調査職員に返却しなければならない。
3.受注者は、貸与品等を善良な管理者の注意をもって取扱わなければならない。万一、損傷した場合には、受注者の責任と費用負担において修復するものとする。
4.受注者は、設計仕様書に定める守秘義務が求められるものについては、これを他人に閲覧させ、複製させ、又は譲渡してはならない。
3.12 関連する法令、条例等の遵守
受注者は、設計業務の実施に当たっては、関連する法令、条例等を遵守しなければならない。
3.13 関係官公庁への手続き等
1.受注者は、設計業務の実施に当たっては、発注者が行う関係官公庁等への手続きの際に協力しなければならない。
2.受注者は、設計業務を実施するため、関係官公庁等に対する諸手続きが必要な場合は、速やかに行うものとし、その内容を調査職員に報告しなければならない。
3.受注者が、関係官公庁等から交渉を受けたときは、速やかにその内容を調査職員に報告し、必要な協議を行うものとする。
3.14 打合せ及び記録
1.設計業務を適正かつ円滑に実施するため、管理技術者と調査職員は常に密接な連絡をとり、業務の方針、条件等の疑義を正すものとし、その内容については、その都度受注者が書面(打合せ記録簿)に記録し、相互に確認しなければならない。
2.設計業務着手時及び設計仕様書に定める時期において、管理技術者と調査職員は打合せを行うものとし、その結果について、管理技術者が書面(打合せ記録簿)に記録し、相互に確認しなければならない。
3.15 条件変更等
受注者は、設計仕様書に明示されていない履行条件について予期することのできない特別な状態が生じたと判断し、発注者と協議して当該規定に適合すると認められた場合は、契約書の規定により、速やかに発注者にその旨を通知し、その確認を請求しなければならない。
3.16 一時中止
発注者は、次の各号に該当する場合は、契約書の規定により、設計業務の全部又は一部を一時中止させるものとする。
(1) 関連する他の設計業務の進捗が遅れたため、設計業務の続行を不適当と認めた場合
(2) 天災等の受注者の責に帰すことができない事由により、設計業務の対象箇所の状態や受注者の業務環境が著しく変動したことにより、設計業務の続行が不適当又は不可能となった場合
(3) 受注者が契約図書に違反し、又は調査職員の指示に従わない場合等、調査職員が必要と認めた場合
3.17 履行期間の変更
1.受注者は、契約書の規定に基づき、履行期間の延長変更を請求する場合は、延長理由、延長日数の算定根拠、修正した業務工程表、その他必要な資料を発注者に提出しなければならない。
2.受注者は、契約書の規定に基づき、履行期間を変更した場合は、速やかに修正した業務工程表を提出しなければならない。
3.18 修補
1.受注者は、調査職員から修補を求められた場合は、速やかに修補をしなければならない。
2.受注者は、検査に合格しなかった場合は、直ちに修補をしなければならない。なお、修補の期限及び修補完了の検査については、検査職員の指示に従うものとする。
3.19 設計業務の成果物
1.契約図書に規定する成果物には、特定の製品名、製造所名又はこれらが推定されるような記載をしてはならない。ただし、これにより難い場合は、あらかじめ調査職員と協議し、承諾を得なければならない。
2.国際単位系の適用に際し疑義が生じた場合は、調査職員と協議を行うものとする。
3.受注者は、設計仕様書に規定がある場合又は調査職員が指示し、これに同意した場合は、履行期間途中においても、成果物の部分引渡しを行わなくてはならない。
3.20 検査
1.受注者は、設計業務が完了したとき、部分払を請求しようとするとき及び部分引渡しの指定部分に係る業務が完了したときは、検査を受けなければならない。
2.受注者は、検査を受ける場合は、あらかじめ成果品並びに指示、請求、通知、報告、承諾、協議、提出及び打合せに関する書面その他検査に必要な資料を整備し、調査職員に提出しておかなければならない。
3.受注者は、契約書の規定に基づく部分払の請求に係る既履行部分の確認の検査を受ける場合は、当該請求に係る既履行部分の算出方法について調査職員の指示を受けるものとし、当該請求部分に係る業務は、次の(1)及び(2)の要件を満たすものとする。
(1) 調査職員の指示を受けた事項がすべて完了していること。
(2) 契約図書により義務付けられた資料の整備がすべて完了していること。
4.検査職員は、調査職員及び管理技術者の立会のうえ、契約図書に基づき次の各号に掲げる検査を行うものとする。
(1) 設計業務成果物の検査
(2) 設計業務履行状況の検査(指示、請求、通知、報告、承諾、協議、提出及び打合せに関する書面その他検査に必要な資料により検査する)
3.21 引渡し前における成果品の使用
受注者は、契約書の規定により、成果品の全部又は一部の使用を承諾した場合は、使用同意書を発注者に提出するものとする。