Contract
xx市工事請負契約書第23条第6 項の運用についての取扱
令和4 年9 月1 5 日改正 令和5 年4 月1 日
1 適用対象工事
契約書にインフレスライド条項が規定された工事で、 かつ、 2(3) の残工期が原則として2 月以上ある工事を対象とする。
運用開始日以後に受発注者間で適用対象工事であることを確認の上、 スライド請求することができるものとする。
2 定義
(1) 請求日
インフレスライド条項により、 受注者が契約金額の変更の請求を書面により提出した日とする。
(2) 基準日
スライド額算出の基準とする日をいい、 出来高を算定する基準となる日、 賃金水準及び物価水準の変動後単価の基準となる日である。 請求日と同じ日とすることを基本とするが、 請求日から起算して 14 日以内で発注者と受注者とが協議して定める日とすることができるものとする。
(3) 残工期
基準日以降の工期までの工事期間とする。 ただし、 基準日までに契約変更を行っていない場合でも先行指示等により工期延長が明らかな場合には、 その工期延長期間を考慮することができるものとする。
(4) 出来形数量
基準日における既済部分に係る設計数量 (5) スライド額
5 により算出した契約変更の対象となる額
3 請求方法
(1) 受注者が、インフレスライド条項の規定により契約金額の変更を請求する場合、書面(参考書式1-1 ) に賃金水準又は物価水準の変動により契約金額が不適当となったことを示す資料( 参考書式1-2ほか) を添付し、工事主管部署に提出すること。工事主管部署では、スライド額協議開始予定日及び基準日を定め、 請求日の翌日から起算して7 日以内に、受注者に通知する( 参考書式2 - 1 ) 。
(2) 請求は、直近の賃金水準の変更から次の賃金水準の変更がなされる(次の公共工事設計労務単価の改定の時期) までの間で1 回を基本とするが、複数回の請求を制限するものではない。
4 出来形数量の確認
(1) スライド額の基礎となる残工事量を算出するため、 工事主管部署は、 請求日から起算して14日以内に、基準日時点における出来形数量の確認を行う。
受注者は、出来形数量の確認に当たり、必要な資料を提出すること。
(2) 出来形数量の確認は、工事設計内訳書等に対応して行う。 (3) 出来形数量の基本的な扱い
① 現場搬入材料について、 監督員が搬入を確認したものは出来形数量として取り扱う。
② 工事設計内訳書等で一式計上した仮設工等について、 出来形数量の対象とする場合、その数量は発注者の積算に係る数量とする。
③ 各工事における① 及び② の詳細については、工事主管部署へ確認すること。
④ 受注者の責めに帰すべき事由により工事が遅延していると認められる部分は、出来形数量に含めるものとする。
5 スライド額の算出
(1) スライド額は、次式により算出する。
S = [ P 2 - P 1 - ( P 1 ×1 /1 0 0 ) ]
この式において、S 、P 1 及びP 2 は、それぞれ次の額を表す。 S : スライド額
P 1 : 変動前残工事金額( 契約金額から基準日における既済部分に相応する契約金額を控除した額 )
P 1 = α ×Z 1
P 2 : 変動後残工事金額( 変動後の賃金又は物価等を基礎として算出した
( P 1 ) に相当する額) P 2 = α ×Z 2
α : 落札率( 当初契約金額/ 予定価格) ( 有効数字は積算基準による。)
Z 1 : 発注者の積算金額から基準日における既済部分に相応する積算金額を控除した額
Z 2 : 変動後の賃金又は物価等を基礎として算出した( Z 1 ) に相当する額
(2) P 1 及びZ 1 の算出に用いる単価は、起工時におけるxx市の積算単価とする。 (3) P2及びZ2は、基準日の物価指数等( 積算に使用する単価の変動率)により定め
ることとし、残工事に係る全ての単価を基準日時点のものに入れ替えて算出する。ただし、受発注者の協議資料等に基づき双方で合意した場合は、別途の物価指数を用いることができるものとする。
なお、消費税及び地方消費税の税率の改正による増額分は除く。
(4) P2及びZ2を算出する際に用いる単価については、基準日時点のxx市積算単価とし、見積価格・特別調査については、原則見直さないこととする。ただし、価格変動が著しく、物価変動率等から客観的変動額が算出可能と判断される場合は、協議により見直すことができるものとする。
(5) (4) によることが著しく不適当であると認められる場合には、 受発注者の協議によることとする。
(6) 発注者から協議書( 参考書式3 - 1 ) により受注者にスライド額( 案) を提示する。異議のない場合は、 スライド額協議開始日の翌日から起算して 14 日以内に承諾書
( 参考書式3 - 2 ) を提出すること。
なお、 14 日以内に協議が整わない場合には、 発注者がスライド額を決定し、 通知する( 参考書式3 - 3 ) 。
(7) スライド請求を複数回行う場合については、(1)から(6 )までと同様に実施する。
この場合のスライド額算定において、基準日における契約金額には、それまでに実施したスライド額を含むものとする。
6 契約変更の時期
原則として、スライド額の決定後、速やかに行う。ただし、精算変更時点で行うこともできるものとする。
なお、議会の議決が必要な案件については、 当該議決をもって、契約変更が確定するものとする。
7 全体スライド条項及び単品スライド条項の併用
(1) 契約書第 23 条第 1 項から第 4 項までに規定する全体スライド条項に基づく契約金額の変更を実施した後であっても、 インフレスライド条項に基づくスライド請求をすることができるものとする。
(2) インフレスライド条項に基づき契約金額の変更を実施した後であっても、 契約書第23条第5 項に規定する単品スライド条項に基づく契約金額の変更を請求することができるものとする。
8 手続の流れ
手続の流れについては、別紙「インフレスライドの手続フロー」を参照すること。
( 参考) 工事請負契約書第 23 条抜粋
( 賃金又は物価の変動に基づく契約金額の変更)
6 予期することのできない特別の事情により、 工期内に日本国内において急激なインフレーション又はデフレーションを生じ、 契約金額が著しく不適当となったときは、 発注者又は受注者は、 前各項の規定にかかわらず、 契約金額の変更を請求することができる。
7 前2 項の場合において、 契約金額の変更額については、 発注者と受注者とが協議し て定める。 ただし、 協議が整わない場合にあっては、 発注者が定め、 受注者に通知する。