Contract
《担保物権⑥》 非典型担保
1.非典型担保とは何か
(1) 非典型担保の種類
・譲渡担保 ……貸付:設定契約時に所有権移転の形式
・仮登記担保……債務不履行時に所有権移転の形式
(貸付:設定契約時にはその予約→仮登記によって第三者効)
・所有権留保……売買契約における代金請求権の担保として
(2) 非典型担保の意義
・動産抵当の実現 (譲渡担保)
←清算義務の確立=丸取り禁止を受けて
・多様な物、権利の担保化 (譲渡担保)
★競売手続の回避 (譲渡担保・仮登記担保・所有権留保)
(3) 非典型担保の解釈・法的性質論
①清算義務の確立
(仮登記担保:最判昭42・11・16民集21-9-1430、譲渡担保:最判昭43・3・7民集22-3-509)
②法的構成をめぐって
所有権的構成 →担保権的構成
* 信託的譲渡説、授権説、二段物権変動説、物権的期待権説、抵当権説、担保権説
2.譲 渡 担 保
(1) 譲渡担保の有効性
・脱法行為 ←345条 ・虚偽表示
(2) 譲渡担保の効力
① 当事者間の関係 ……清算義務法理実行方法→帰属清算型 処分清算型
②対外的効力:目的物の譲受人との関係 ex) 譲渡担保権者が目的物を譲渡弁済期前の譲渡 ……最判昭34・9・3民集13-11-1357
弁済後の譲渡 ……最判昭62・11・12判時1261-7
弁済期後の譲渡 ……最判平6・2・22民集48-2-414
③他の債権者との関係 ex) 譲渡担保権者または設定者の破産
3.仮登記担保
(1) 「代物弁済」予約から仮登記「担保」へ清算義務法理の確立に伴って
(2) 仮登記担保法の制定
・私的実行の方法 ……受戻期間、清算(帰属清算型のみ)、後順位担保権者への通知
・法定借地権 ←法定地上権
4.所有権留保
★流通過程におかれた物の所有権留保
自動車ディーラーのA社からサブディーラーのB社へ、さらにB社から一般ユーザーのCへと、それぞれ所有権留保付きで自動車が売買された。ところが、B社はA社に対する代金を未払いのまま倒産した。CはすでにB社に対して売買代金を完済しているものとして、この場合にA社はCに対して自動車の引渡しを請求できるか。
★(補論)売買と信用供与
① 割賦販売
売買契約賦払金
物
買主(消費者)
売主(販売業者)
② 割賦購入あっせん
加盟店契約
代金一括払い(立替)
物
割賦金支払
売買契約
立替払契約
買主(消費者)
クレジット業者
売主(販売業者)
③ ローン提携販売
保証契約・提携関係
金銭支払
物
借入金返済
売買契約
消費貸借
契約
買主(消費者)
x x 機 関
売主(販売業者)
【問題】・売買契約が詐欺により無効と判断された場合
・目的物に瑕疵があった場合 * 民法533条 割賦販売法30条の4
5.(補論)xxxxxx・xxx
S
物件の購入 物件の選定
U
L
リース契約
信用供与者 物件の使用
物件の所有者 リース料の支払い
*変則的なリース形態 ~リースバック 空リース