○厚生労働省 まずは、両省で案を検討しなければいけないと思っている。当面、何らかの審議会とか検討会ということは直ちには考えていないが、労働政策にかかわる部分は 、労使が政策決定に関与するというのがILOの原則としてある。 ○坂村委員 iPS細胞などは、今、非常にいい研究だから例えば10年で100億円を出しましょうなどとなる。
国 家 戦 略 特 区 ワ ー キ ン グ グ ル ー プ 「 集 中 ヒ ア リ ン グ 」有期労働契約期間(5 年)の延長(契約型xx雇用制度の創設等)
(議事概要)
( 開催要領)
日時 平成 25 年5月 28 日(火)19:00~19:40場所 永田町合同庁舎7階 特別会議室
出席
<有識者>
座長 | xx | xx | 大阪大学社会経済研究所 招聘教授 |
委員 | xx | xx | 株式会社サキコーポレーション 代表取締役社長 |
委員 | xx | xx | シーラカンスK&H株式会社 代表取締役 |
東洋大学理工学部建築学科 教授
委員 xx x 東京大学大学院情報学環・学際情報学府 教授委員 x xx 株式会社政策工房 代表取締役社長
<関係省庁>
xx xx 厚生労働省労働基準局 局長 ほか
xx xx 文部科学省高等教育局高等教育企画課 課長 ほか
<事務局>
xx xx 内閣官房地域活性化統合事務局 局長 ほか
( 配付資料)
○ 「国家戦略特区」の基本的考え方と当面の進め方について
(5 月 24 日国家戦略特区ワーキンググループ決定)
○ 提案趣旨
○ 関係省庁からの提出資料
( 議事概要)
○xxxx 有期労働契約は5年ということに法律(労働契約法一部改正法が成立)で決まった。しかし研究職のような仕事では、5年が経過した契約満了後に、終身雇用できない場合には雇い止めせざるを得ないのであれば、雇用者側も被雇用者側も苦しい立場になる。したがって少なくとも研究職については、弾力的な要素を入れていただけないかという提案である。
これについて、xx委員に補足をお願いする。
○xx委員 私も、この件は何とかすべきと考えている。有期雇用が満了した後の雇用契約は終身雇用ではないとだめ、と言われてしまうと、今の日本で優秀な研究者を確保するのは困難。5年で終わらない研究もある。ただし、永久雇用というわけでもない。終身雇用を求めるのではないにせよ、例えば5年を8年とか10年とか、もう一回延長など、もっと弾力的にする方が、xx先生に限らず、別の分野の先生もいいと考えているのではないか
○厚生労働省 資料を2枚お配りしている。まず、改正労働契約法の内容をご説明し、その後、私どもの考えを述べさせていただきたい。
1枚目の資料にあるとおり、昨年の夏に改正法が成立した。ポイントは3点。
議題にもなっている1番目は、有期契約の無期転換権が、契約を更新して5年を超えた場合に生ずる。これは後ほど詳しく申し上げる。
2番目が、雇止め法理の法定化。これは最高裁判例を法定化したものだが、有期契約を繰り返して実質的に無期と変わらない実態がある場合や、雇用継続に合理的期待が認められる場合は、解雇権濫用法理と同様の考え方で、雇止めを認めず、有期契約が更新されたものとみなす。
3番目は、有期契約であることによって、職務の内容や配置の変更の範囲等を考慮した上であるが、不合理と認められる労働条件であってはならないものとする。不合理な労働条件の禁止。
この3点が改正法の内容であり、2番目は公布日に施行されたが、1番目と3番目は、今年4月1日から施行されている。
1番目について詳しく申し上げる。2枚目の資料をご覧いただきたい。いつ無期転換の申込みができるか、無期転換の仕組みを示している。
ここにあるように、法が適用されるのは、今年の4月以降に開始される有期契約を更新して、5年を超えた場合である。例えば1年の契約を更新していくと、平成30年4月から始まる有期契約の際に5年を超えるので労働者に無期転換権が生じるという仕組みである。したがって、この法律の実際の影響が出てくるのは平成30年度からであり、まだ影響は出ていないが、労務管理等準備をしていただきたく、我々は周知に努めている。
ときどき誤解があるのが、一番下に書いてある部分。無期転換すると、正社員と一緒に扱わなければならない、正社員にしなければならないという誤解が一部にあるが、職務、勤務地、賃金、労働時間、いわゆる労働条件は、特に別段の定めをしない限りはそれまでと全く同じ条件で契約期間だけ無期にする。これが今回の法律の内容である。
これは、有期契約を繰り返して5年を超えている人であれば、その人は職場で役立っているのだから、1年ごとに契約を更新されるかどうかの不安感を持たずに、その仕事・職がある限りはずっと雇用してくださいという趣旨である。一般の労働者についてはそのようにして雇用の安定を図ろうというのが法の趣旨である。
御指摘いただいている5年の延長と、座長の配布資料について、我々の考えを御説明申し上げる。
まず、最初の問題意識のところについて。先ほど申し上げたように、今回の改正法の適用の影響が実際に出てくるのは5年後であるので、現在において大企業が囲い込んでいる理由としてこの労働契約法があるという御指摘はちょっと当たらないように思うが。
○xxxx 皆、判例で実質的に6年かそのぐらいと思っているのか。
○厚生労働省 判例は、実質的に無期と異ならない状態というケースとして東芝xx工場事件があるが、これは有期契約の更新手続もきちんと行うことなく、ルーズに労務管理をしていたケース。あるいは、とりあえず1年で契約するけれどもこの先もずっと雇用しますね、というように合理的な期待を持たせたケースで雇止めが認められなかったもの。有期契約である旨明確に合意していて、実態としても雇用継続に期待感を持つ状況にないときに、終了が認められないというケースはほとんどないと思う。
○xxxx 今後もそれはいいということか。
○厚生労働省 今回の法律は、あくまで更新を繰り返して5年を超えた場合に、労働者に無期転換権、すなわち、私を無期雇用にしてくださいという権利が生じるというもの。
諸外国との違いは、韓国やヨーロッパは、みなしで無期雇用に転換する。本人が行使するのではなく、一定の年数を経過したら無期雇用とみなしますという制度になっている。我が国は、本人が望まない場合は無理に無期にすることはないだろうということで、転換権とした。
その上で、先ほどのペーパーや、xx先生がいろいろ心配されている点、また産業競争力会議議員のxx先生が、研究者の育成過程というかキャリアの関係で見極めの期間として5年は少し短過ぎる、これは問題があるので何とかしてほしいということは、何度も伺っている。
そういう話もあり、労働契約法の問題が顕在化するのは5年後だが、研究者のキャリアの問題や、大学の人事労務管理のあり方等と絡めて総合的に対応策を考えなければならないということで、文部科学省との間で検討の場を設けている。
今回は特区での御提案だが、そうではなくて、全国的な問題として対処しなければならないということで検討を始めている。特区という手段よりもむしろ大学で起きている問題ということで、文部科学省と共に取り組むということで検討しているということである。
○xx委員 研究プロジェクトの期間と、労働の期間が、必ずしも一致しないのが問題だ。例えば、特任という制度で、特任の研究員とか講師とか准教授を雇うとする。これで一生懸命プロジェクトを取ろうと努力し2年間頑張って、めでたく、その雇った人がプロジェクトを取ったとする。
そういうプロジェクトはたいてい時限で、例えば5年やって一区切りにしようという制度になっている。
こうなっていると、5年やって、最後の一番いい2年の成果が出るところはさようなら
にするか、永久雇用をしなければいけない。
永久雇用は、今、大学では非常に難しい。色々な意味で永久雇用はできないとなると、その人が3年でやめなければいけない、というのはちょっと違うのではないか。そういう感じのことを多分、研究者はみんな思っていると思う。
そこを改善できないか。
○厚生労働省 その点も含めて検討しようと思っている。我々も文部科学省と一緒に大学に何度も説明したが、今、委員がお話になったケースで言えば、本人が納得していれば無期転換権は行使しない。ただ、管理者、使用者側、労務管理をする立場としては、中には、無期転換権を行使するという人が出てくるかもわからないので心配だという話は、使用者側の立場からすれば出てくる。
○xx委員 弾力的な制度に。
○厚生労働省 そのときに申し上げてきたのは、プロジェクトで雇用するようなケースについては、あらかじめ労働契約を結ぶときから、あなたはこのプロジェクトとして雇うのですよということを明確にしておく、例えば就業規則等も含めて明確にしておけば、無期雇用に転換した後になっても、プロジェクトが終わったときに本人に同意してやめてもらえば問題は起きない。
しかし、無期転換した後だから本人が辞めないという場合、最終的に解雇という手段を大学側・使用者側がとらなければいけないことになったとしても、合理性、相当性は高まるのではないかという説明も行っている。最終的には司法判断になるから、行政の立場としては確約ができないが、通常の約束をきちんとしていれば、プロジェクトのために雇うということであれば、その終了時に解雇できる可能性は高まるのではないかということを、この改正労働契約法の説明会で大学の方々に御説明申し上げてきた。
○xx委員 そうだとすれば、有期雇用の自由な再契約が可能にできるようにする方がいいのではないか。後でだめかもしれないと言われると、やはり。
○xxxx x、検討中ということか。
○厚生労働省 そうである。そういう点も含めてまさに検討しなければならないと思っている。先ほどの研究員のキャリアの問題もあるので、大学で起きている問題、心配いただいている問題については、対応を考えなければいけないということで、今、文部科学省と一緒に検討している。
○文部科学省 御説明のとおりであるが、こういうケースであればおそらく大丈夫だろうと言われても、最終的には司法の判断なので、大学としては不安が残る。例えばA大学での研究プロジェクトが終わった場合に、そのプロジェクトは終わったけれども、A大学の別のプロジェクトで雇うことが可能なのではないか。そういう話になる可能性もある。いろいろな面で、大学側としては心配が残るという面がある。
特に若手の研究者にとっては、ある程度の流動性が必要である。そういった面から、研究者にこの仕組みがなじむのかということを、多くの大学関係者とともに我々も心配して
いる。
ある地区というより、全体の話だと思っている。労働法制の基本はあるだろうが、その中で何とかそういう懸念を払拭できないか、あるいは減らすことができないかという御相談をさせていただいているところである。
○xxxx なるほど。そうすると、その工程表というか、大体いつ頃それができるような見込みか。また、何らかの審議会のようなものを立ち上げてということでやっているのか。要するに法律を変えるわけか。
○厚生労働省 まずは、両省で案を検討しなければいけないと思っている。当面、何らかの審議会とか検討会ということは直ちには考えていないが、労働政策にかかわる部分は、労使が政策決定に関与するというのがILOの原則としてある。
日本の場合は労働政策審議会で何らかの形で議論しているので、最終的に法律を出す段階の前には、法的な仕組み方によって、ケース・バイ・ケースでいろいろなやり方があると思うが、何らかの形で労使の議論もしなければならないと思っている。
実際の影響が出てくるのは5年後とはいえ、色々な労務管理に影響してくる問題なので、そう時間をかけてはいけないと思っている。ただ、いろいろと大学の人事労務管理の問題も複雑なものがあるようなので、よく議論しなければいけないので、1年程度ぐらいは。そう遅くはならない程度に。
○文部科学省 我々としては早い方がいいけれども、確かに、労働法制の本則との整合性も大事にしなければいけないし、例えば何らかの例外のようなものを考えるとしても、その対象範囲をどうするか、あるいは、具体的にどういう例外にするのか。
色々なアイデアはあるが、それが本当に制度として実現可能なのかどうか等について、かなり専門的に詰めなければいけないと思っている。気持ちとしては、もちろん少しでも早く、多くの方に安心していただきたいとは思っている。
○xxxx 非常にわかりやすい御説明をありがとうございました。
これまでの雇用についても、不安を持っている人は多い。私が前にある大学の学長をしていた時には、大半の有期職員を6年未満で雇い止めしていた。裁判所によって判例がいろいろと異なるが、6年を超えたら当事者が終身雇用を望む場合には断れないだろうといわれていたからだ。実は、文部科学省から出向してきていた事務局長も言っていた。
そのような理解が正しくなかったと言われれば、そうなのかも知れないが、実際はそういう危惧をどこの雇用先も持っていると思う。しかもその危惧の根源は、裁判所がどう判断するかの予見性がないことである。当時でも、6年ではなくて5年のほうが安全らしい、という話もあった。
したがって、これまで雇った人に対しても、大学は今でも不安を持っていると思うから、明快な予見可能性のある規則を作った方がいいと思う。今後は雇われる人たちだけでなく、これまでの雇った人に対しても、やった方がいいと思う。
○厚生労働省 この難しさは、解雇の論議と同じだが、個別のケースごとの人事労務管理
の実態の裏返しみたいな話で、そこでどれだけ雇用継続への合理的な期待感が形成されているか。したがって、先ほど5年とか6年と言われたが、実は何もない、ないしは、一律にやるような類のものではない。
本来、有期であれば、その期間が来たら契約が終了する仕組みなのだが、漫然と更新をしている場合だったら、当然雇われている人は次も更新してもらえるだろうと思ってしまうし、仕事がここで終わるとかという類の仕事であれば、期間が終わったら、もうこれは終わりだなと客観的に見ても思われるケースが圧倒的に多いと思う。個々のケースごとにおいて、どの程度雇用継続への合理的な期待があるかどうかという問題だ。
解雇権濫用法理も同じだが、本来、解雇できるという制度だが、権利を濫用した場合は無効になるという仕組みである。そのときも、結局、雇われ方の実態、要するに長期雇用を保障するシステムの中で、例えば大学を出て社員になってという形で、仕事はいろいろなことをさせられていて、当然、自分も定年まで雇ってもらえるなと思うときに、いきなり解雇と言われたときは、やはり濫用になるだろう。
ただ、ある種のスペシャリストというか、特別な技能やスキルを認められて中途採用、例えば外資系のディーラーとかに採用された人が、成績が上がらないから、あるいは当該部門が閉鎖されるから解雇と言われても、そういうことであればやむを得ないだろうという判断が裁判ではなされやすい。そういうように、雇われ方の実態によって雇用の終了の問題は判断される。したがって、予見可能性が明確であることが良いというのは一般論としては分かるが、雇用の終了の局面においてはなかなか難しい。
世界的に見ても、解雇制限法があるヨーロッパなども、社会的に正当な理由が必要とか、そういう抽象的な規範で判断されている。
ただ、アメリカはベースが解雇自由。一方で、いろいろな差別禁止法制は非常に厳しい。だから、アメリカの場合は、有期雇用が逆にその間はあなたを絶対解雇しませんと雇用を保障する契約になる。本来は解雇自由の世界で有期の期間中は雇用を保障するという仕組みなので、有期契約の持つ意味合いが全然違う。
○xx委員 今のお話を聞いていると、解雇、解雇となってしまうが、私たちが大学で研究者を採用するときに、解雇したいとあまり思っていない。そうではなくて、今、やった方が良いと思っているのは、状況に合わせて有期雇用をもう一回できるようにしたいということを言っているだけ。
今言ったように、ミッションを達成できなかったら首だなどということは言えない。イノベーション的な研究をやっている人に対しては、研究は大体そうであるが、努力した上でうまく行くもうまく行かぬも八卦みたいな部分はある。それができないから首だ、という言い方はあり得ない。だから逆にうまくいったら有期雇用を伸ばすというモデルの方がインセンティブになる。
例えば、このプロジェクトは5年なのだからあと5年雇うといったときに、残り3年で有期雇用期間が切られてしまうというのが問題で、そうではなかったら永久雇用しろとな
ってしまうとプロジェクトを取ってこれなくなってしまう。プロジェクトは大体、プロジェクトが終わったら終わりなのだから。
だから、少なくともプロジェクトが終わるときまでともう一回、再延長できないかという話である。一度そこで無期労働にして、首にできるのだから裁判だ、などと言われても困る。そういうのはやりたくないと私たちはみんな思っている。趣旨がちょっと違う。
○厚生労働省 おっしゃる意味は分かるので、文部科学省とよく検討する。
○xx委員 有期雇用が何回もできれば全然問題ない。
○xxxx 「この期間を勤めたら契約は一応終わるけれども、再契約も可能です」という特約が出来れば、雇う方にとっても雇われる方にとっても選択肢が増す。しかし今は、そういう特約をすることを禁じている。
イノベーションが今の成長戦略の観点から最も重要なことだと考えられる。雇用の流動化は、イノベーションを促すために必要不可欠だ。したがって、雇用の流動化策を御検討いただいていることは、非常に心強い。この特区制度では、それをある分野、又はある地域について先行して始めることができる。だから、これをぜひ御検討いただきたいと思う。もし既に、やっておられるなら、それを一定の地域あるいは分野でぜひ先行して行っていただきたい。
そうすると、xxxにも、政府はイノベーションをやろうとしているのだ、ということが非常に明確になると思う。
○厚生労働省 問題の性格上、時間をかけていいとは思っていない。やるとしたらこれは全ての大学と考えている。ある地域に限ってということではなくて。
○xx委員 そのとおり。ある地域というのではなくて、最先端分野とか、何かをやるとか何らかの条件でと、範囲を制限して限定ルールを適用可能にするという意味で「バーチャル特区」。地域は難しい。京都だけなどという話ではない。
○xxxx 地理的な地域でなくてもいい。要するにどこかの特区をつくって、バーチャル特区と我々は呼んでいるけれど、その狭い範囲では、とにかく先行して、できるだけ早く始めましょうというものがあってもいいと思う。
○厚生労働省 大学等で起きている問題に対処するという形で検討を開始しているので、基本的にはそこでやることが問題の解決策になると思っている。おっしゃるような形態より、ある意味ではもっと広いと思う。ただ、根っこの法律があるので、その趣旨からすれば無原則に広げることもできないので、一定の範囲に限ってだが、考えたい。
もともとの根っこの法律は、有期契約労働者の方の雇用の安定、処遇の改善を図るということなので、そのベースにある考え方を全く外すわけにはいかない。
例外を作るとしても、どの対象がふさわしいか、更にはその代償措置としてどんなことを考えるかということで、最先端研究の流動性の話と、そこで働く方々、一人一人の労働者の生活の問題その他いろいろあるので、その両立はなかなかに難しいけれど、どうxxを出して見つけていくかという問題だと思っている。
○xxxx 最低限、「国が戦略的に選んでいる研究分野でできる」というところから始めてもいいと思うけれども、最終的には、全ての分野で、広くやっていただきたい。実際、ある分野で始めておけば、いろいろ問題点も分かるので、後で広くやるときにそのノウハウが活用できるということもあると思う。当ワーキンググループでは、xx委員が最初に、イノベーションをやることが成長戦略の最大の肝だとおっしゃった。
○xx委員 iPS細胞などは、今、非常にいい研究だから例えば10年で100億円を出しましょうなどとなる。
ところが、xxxは研究レースが落ち着くから、チームは縮小しようといったことになる可能性が高い。それを最初の研究費から、安全を見込んでxx先生のチームを全部、無期雇用にするための金を留保するとなれば、もっと巨額の予算が必要になる。ただでさえ、 iPS細胞の研究に行ってしまって、別の研究者にお金が来ない状況が、さらにそのチームの先生たちを無期雇用するために全部キープされなければいけないとなったら大変なことになってしまう。
○xxxx しかも、iPS細胞が30年続くわけはない。
○xx委員 iPS細胞関係は30年たったら全部解決してしまって、研究テーマとしてはなくなっているかもしれない。そうしたら、そのときのための研究者を、もうずっと永久に、その同じ組織で面倒を見る必要があるというのはちょっとひどいという感じ。
そもそも、先端研究をやっている人たちはどんどん組織を動くということが非常に重要。だから、無期雇用にこだわるというのは、違うのではないかと思う。そういう分野では労働者を守るということに関して、他の安定的職場と守り方が違うべきだと思う。組織を動くのが基本という分野では、個人を担保する制度をぜひ厚生労働省には作って欲しい。担保とはどういうことかというと、コンピューターのソフトなどをやっている人は動くから、逆に言うと、その人のスキルをちゃんと保障するとか、保険を何とかするとか、そういうポータビリティの方で援助してあげれば、無期雇用だから良いと思う先端研究者は少ないのではないか。
○xxxx いざとなれば外国に行けばいい。
○xx委員 そのとおり。時代が変わっているように思う。
○厚生労働省 労働者が全てそういう人たちではない。
○xx委員 一般全部とは言っていない。だから、そういう先端研究をやっているとか、人が組織を動くということが基本の分野を「バーチャル特区」認定しようという趣旨なのです。
○xx委員 1点だけ、今回、ペーパーで出している話は、今日のここまでの議論は、大学の研究者という前提で話をされていると聞こえるけれども、もともとこれで挙げているのは、xx先生の例はあくまでも1つの象徴的な例であって、大学の研究者に限った話としては考えていないということを確認しておきたい。
御説明は非常にわかりやすく、この趣旨も、先ほどおっしゃっていた、5年間仕事があ
れば、その職場にその人のやるべき仕事はあるだろうという想定ということである。けれども、労働者保護の想定の対象になっている人よりも、むしろこの制度でイノベーションにつなげたいのは、どちらかというと、先ほどからお話が出ている、スキルがあって、旬な仕事ができる引っ張りだこの人材みたいな人たちをある程度想定している。そういう人たちを雇うことに対して、大学だけではなく企業も躊躇をあまりしなくてもいい形にしたい、というのがイノベーションの1つの環境として国ができる応援だと思う。
だから、大学に限らず、研究の盛んな区域ということだが、企業に一般的に一度に認めるのが大変であれば、例えば研究開発にすごく力を入れているエリアや地区を限定して、先行してやるから安心していい人をとにかくどんどん雇いなさいということができるということは、大いにチャレンジする価値があると思う。これについて、どういう問題があるのかを教えていただきたいと思う。
○厚生労働省 xx委員がおっしゃるように、個人の発意で交渉力のある方が自分の働き方をデザインして選び取っていくということを塞いではいけないと考えている。
改正労働契約法に基づく制度においては、諸外国の法制は韓国だと2年、イギリスだと
4年を超えたら無期に見なすという形になっているけれども、日本の制度は本人が希望すれば無期に転換される。御本人がキャリアアップのために、自分は、ここはこのプロジェクトでいって、次へ行くのだと。だから、そこに縛られたくないという場合は別。
有期というのは、ある意味、期間中は拘束されるという面があるので、そこが終わったら、今度は次へ行くという可能性をみずからお持ちになりたい方は、特段、申し込みさえしなければ、無期に何もかも強制的に転換するという制度では一切ない。そこのところをぜひ御理解いただきたいということである。
○xx委員 企業経営者の立場で申し上げると、予見可能性みたいな部分が、非常にリスク、特に大企業の経営者の方は非常にそこに対して責任が重いと感じていらっしゃる部分があると思う。例えば本当にすばらしいスーパーエンジニアみたいな人は、今、おっしゃったような形でできると思う。
しかし、大企業で海外展開のビジネスの御経験があったり、過去にいろいろな技術経験の蓄積がある方が、本当だったら中小企業に来て御活躍ができる余地があるけれども今いる会社ではもうある程度、事業内容だとか、そういうものの変化で活躍の場がなかなかないという方の人材の流動化については、日本全体で見れば、ある意味、幅広い意味でのイノベーションのベースになるだろうという議論が、競争力会議の中でも出ている。
そういうことができるようにしたいし、例えば特区のようなものを使って、こうやればできるとか、こうやるためには何が必要だということを見える形にしていかなければ、こういう問題はなかなか進まないという問題意識を持っている。
○厚生労働省 今、xx委員が例に挙げられたような方は、多分、有期を繰り返している訳ではなくて、大企業のエンジニアの方は、まさに典型的な無期の正社員の方。
そういう方がなかなか活躍の場がなく、次のスキルアップ、スキルチェンジして、成長
する中小企業でまた活躍されたいという御希望がある場合には、民間ビジネスの活用も含めて、新しい産業、新しい企業に第二の人生でまたチャレンジする方向で、失業なく労働移動して活躍していただくというスキームについては、有期の繰り返しの話とは別の話かもしれないけれども、産業競争力会議の御指導も得て、今、成長戦略として結実しつつある。これはこれで御理解をいただきたい。これは有期を繰り返していらっしゃる方で、先ほどの大企業のエンジニアの方は普通、無期の方だと思うので。
なぜ大学等に話が絞られるのかというのは、先ほど以来、座長やxx委員からもあったように、大学はむしろ、流動性や人材育成の観点から、有期からテニュアというのがなじむところがある。だから、今日は厚生労働、文部科学両省から、基本的には、いただいた問題意識にこたえて、イノベーションという観点から一番求められているであろう大学について考えている、ということを申し上げたところである。その点は、御理解をいただければ大変ありがたい。
○xxxx 私どもが今回お願いしているのは、大学の研究者に関して、有期の繰り返しがもっと楽にできるようにすることだ。将来は、企業で働く研究者まで制度を広げれば、日本の企業もおそらく研究者をどんどん有期で雇うことになると思う。現在の日本で労働市場の流動性が低いxx的な理由は、有期雇用を繰り返せる枠組みがないため終身雇用が主流だということにある。だから、こういう制度をだんだん広めていくというのは、日本の雇用に流動性を与え、それこそ旬な人は高い給料をもらって、その期間頑張れるということができて、随分競争力を強めることになるのではないかと思う。
とりあえず、今日お話いただいた両局長間で話が進んでいるということは大変心強い。これをぜひ、急いでやっていただきたい。地域に限定はしなくてもいいある分野でもって、とにかくこれを実際に始めるというメッセージを、政府として送り出せれば非常に力強いと思う。