Contract
建築関係工事監理業務委託共通仕様書(令和4年10月版)
第1章 総則
1.1 適用
1. 建築関係工事監理業務委託共通仕様書(以下「工事監理仕様書」という。)は、xx県土木部が所掌する建築関係工事に係る工事監理(建築工事、電気設備工事、機械設備工事のそれぞれの工事監理をいう。)の業務(以下「工事監理業務」という。)委託に適用する。
2. 工事監理仕様書は、相互に補完し合うものとし、そのいずれかによって定められている事項は、契約の履行を規定するものとする。ただし、工事監理仕様書の間に相違がある場合、工事監理仕様書の優先順位は、次の(1)から(4)の順序のとおりとする。
(1) 質問回答書
(2) 現場説明書
(3) 特記仕様書
(4) 共通仕様書
3. 受注者は、前項の規定により難い場合又は工事監理仕様書に明示のない場合若しくは、疑義を生じた場合には、監督員と協議するものとする。
1.2 用語の定義
工事監理仕様書に使用する用語の定義は、次の各項に定めるところによる。
1.「発注者」とは、当該工事監理業務委託契約における発注者をいう。
2.「受注者」とは、工事監理業務の実施に関し、発注者と委託契約を締結した個人若しくは会社その他の法人をいう。
3.「監督員」とは、契約図書に定められた範囲内において受注者又は管理技術者に対する指示、承諾又は協議の職務等を行う者をいう。
4.「検査職員」とは、工事監理業務の完了の検査に当たって、契約書の規定に基づき、検査を行う者をいう。
5.「管理技術者」とは、契約の履行に関し、業務の管理及び統轄等を行う者で、契約書の規定に基づき、受注者が定めた者をいう。
6.「対象工事」とは、当該工事監理業務の対象となる工事をいう。
7.「対象工事の受注者等」とは、対象工事の工事請負契約の受注者又は工事請負契約書の規定により定められた現場代理人をいう。
8.「契約図書」とは、契約書及び工事監理仕様書をいう。
9.「契約書」とは、建築関係工事監理業務委託契約書をいう。
10.「工事監理仕様書」とは、仕様書、現場説明書及び質問回答書をいう。
11.「仕様書」とは、共通仕様書及び特記仕様書(特記仕様書において定める資料及び基準等を含む。)を総称していう。
12.「共通仕様書」とは、各工事監理業務に共通する事項を定める図書をいう。
13.「特記仕様書」とは、当該工事監理業務の実施に関する明細又は特別な事項を定める図書をいう。
14.「現場説明書」とは、工事監理業務の入札等に参加する者に対して、発注者が当該工事監理業務の契約条件を説明するための書面をいう。
15.「質問回答書」とは、仕様書、現場説明書及び現場説明に関する入札等参加者からの質問書に対して、発注者が回答する書面をいう。
16.「設計図書」とは、対象工事の工事請負契約書の規定により定められた設計図書、発注者から変更又は追加された図面及び図面のもとになる計算書等をいう。
17.「業務報告書」とは、契約書に定める履行の報告に係る報告書をいう。
18.「書面」とは、発行年月日及び氏名が記載された文書をいう。
19.「指示」とは、監督員が受注者に対し、工事監理業務の遂行上必要な事項について書面をもって示し、実施させることをいう。
20.「請求」とは、発注者又は受注者が契約内容の履行若しくは変更に関して相手方に書面をもって行為若しくは同意を求めることをいう。
21.「通知」とは、発注者若しくは監督員が受注者に対し、又は受注者が発注者若しくは監督員に対し、工事監理業務に関する事項について、書面をもって知らせることをいう。
22.「報告」とは、受注者が監督員に対し、工事監理業務の遂行に係る事項について、書面をもって知らせることをいう。
23.「申出」とは、受注者が契約内容の履行又は変更に関して、発注者に対して、書面をもって同意を求めることをいう。
24.「承諾」とは、受注者が監督員に対し、書面で申し出た工事監理業務の遂行上必要な事項について、監督員が書面により同意することをいう。
25.「質問」とは、不明な点に関して、書面をもって問うことをいう。
26.「回答」とは、質問に対して書面をもって答えることをいう。
27.「協議」とは、書面により契約図書の協議事項について、発注者と受注者が対等の立場で合議することをいう。
28.「提出」とは、受注者が監督員に対し、工事監理業務に係る書面又はその他の資料を説明し、差し出すことをいう。
29.「検査」とは、契約図書に基づき、工事監理業務の確認をすることをいう。
30.「打合せ」とは、工事監理業務を適正かつ円滑に実施するために管理技術者等が監督員等又は請負者等と面談により、業務の方針、条件等又は設計内容の疑義を正すことをいう。
31.「協力者」とは、受注者が工事監理業務の遂行に当たって、その業務の一部を再委託する者をいう。
第2章 工事監理業務の内容
受注者は、対象工事の工事請負契約書及び設計図書の内容を熟知し、工事現場の状況に精通し、工事が工事請負契約書及び設計図書のとおり施工され、対象施設の機能が確保されるように工事監理業務を行うものとする。
工事監理業務は、一般業務及びその他業務とし、それらの業務内容は次に掲げるところによる。
2.1 一般業務の内容
受注者は監督員の指示に従い、以下の一般業務の項目について、業務計画書に記載した業務方針に基づいて行うものとする。
1. 工事監理に関する業務
(1) 工事監理方針の説明等
(ⅰ) 工事監理方針の説明
当該業務の着手に先立って、工事監理体制その他工事監理方針について記載された業務計画書を作成し、監督員に提出し、承諾を受ける。
(ⅱ) 工事監理方法変更の場合の協議
当該業務の方法に変更の必要が生じた場合、監督員と協議する。
(2) 設計図書の内容の把握等の業務
(ⅰ) 設計図書の内容の把握
設計図書の内容を把握し、設計図書に明らかな矛盾、誤謬、脱漏、不適切な納まり等を発見した場合には、その内容をとりまとめ、監督員に報告する。
(ⅱ) 質疑書の検討
対象工事の受注者等から工事に関する質疑書が提出された場合、設計図書に定められた品質(形状、寸法、仕上がり、機能、性能等を含む。以下、同じ)確保の観点から技術的に検討し、その結果を監督員に報告する。
(3) 施工図等を設計図書に照らして検討及び報告する業務
(ⅰ) 施工図等の検討及び報告
① 設計図書の定めにより対象工事の受注者等が作成し、提出する施工図(現寸図、躯体図、工作図、製作図等をいう。)、製作見本、模型、見本施工等が設計図書の内容に適合しているかについて検討し、適合していると認められる場合には、その旨を監督員に報告する。
② ①の検討の結果、適合しないと認められる場合には、設計図書に定められた品質を確保するために必要な措置についてとりまとめ、監督員に報告する。
③ ②の結果、対象工事の受注者等が施工図、製作見本、模型、見本施工等を再度作成し、提出した場合は、①、②の規定を準用する。
(ⅱ) 工事材料、設備機器等の検討及び報告
① 設計図書の定めにより対象工事の受注者等が提案又は提出する工事材料、設備機器等(当該材料、機器等に係る製造者及び専門工事業者を含む。)及びそれらの見本に関し、対象工事の受注者等に対して事前に指示すべき内容を監督員に報告し、提案又は提出された工事材料、設備機器等及びそれらの見本が設計図書の内容に適合しているかについて検討し、適合していると認められる場合には、その旨を監督員に報告する。
② ①の検討の結果、適合しないと認められる場合には、設計図書に定められた品質を確保するために必要な措置についてとりまとめ、監督員に報告する。
③ ②の結果、対象工事の受注者等が工事材料、設備機器等及びそれらの見本を再度提案又は提出した場合は、①、②の規定を準用する。
(4) 工事と設計図書との照合及び確認
対象工事の受注者等が行う工事が設計図書の内容に適合しているかについて、設計図書に定めのある方法による確認のほか、目視による確認、抽出による確認、対象工事の受注者等から提出される品質管理記録の確認等、確認対象工事に応じた合理的方法により確認を行う。
(5) 工事と設計図書との照合及び確認の結果報告等
① (4)の結果、工事が設計図書のとおりに実施されていると認められる場合には、その旨を監督員に報告する。
② (4)の結果、工事が設計図書のとおりに実施されていないと認められる箇所がある場合、又は監督員から適合していない箇所を示された場合には、設計図書に定められた品質を確保するために必要な措置についてとりまとめ、監督員に報告する。
③ 対象工事の受注者等が必要な修補を行った場合は、その方法が設計図書に定める品質確保の観点から適切か否かを確認し、適切と認められる場合には、その内容を監督員に報告する。
④ ③の結果、修補が適切になされていないと認められる場合の再修補等の取扱は、①、②、
③の規定を準用する。
(6) 業務報告書等の提出
工事と設計図書との照合及び確認をすべて終えた後、業務報告書及び監督員が指示した書類等の整備を行い、監督員に提出する。
2. 工事監理に関するその他の業務
(1) 工程表の検討及び報告
① 工事請負契約の定めにより対象工事の受注者等が作成し、提出する工程表について、工事請負契約に定められた工期及び設計図書に定められた品質が確保できないおそれがあるかについて検討し、品質が確保できると認められる場合には、その旨を監督員に報告する。
② ①の検討の結果、品質が確保できないおそれがあると認められる場合には、対象工事の受注者等に対する修正の求めその他必要な措置についてとりまとめ、監督員に報告する。
③ ②の結果、対象工事の受注者等が工程表を再度作成し、提出した場合は、①、②の規定を準用する。
(2) 設計図書に定めのある施工計画の検討及び報告
① 設計図書の定めにより対象工事の受注者等が作成し、提出する施工計画(工事施工体制に関する記載を含む。)について、工事請負契約書に定められた工期及び設計図書に定められた品質が確保できないおそれがあるかについて検討し、品質が確保できると認められる場合には、その旨を監督員に報告する。
② ①の検討の結果、品質が確保できないおそれがあると認められる場合には、対象工事の受注者等に対して修正の求めその他必要な措置についてとりまとめ、監督員に報告する。
③ ②の結果、対象工事の受注者等が施工計画を再度作成し、提出した場合は、①、②の規定を準用する。
(3) 工事と工事請負契約との照合、確認、報告等
(ⅰ) 工事と工事請負契約との照合、確認及び報告
① 対象工事の受注者等が行う工事が工事請負契約の内容(設計図書に関する内容を除く。)に適合しているかについて、目視による確認、抽出による確認、対象工事の受注者等から提出される品質管理記録の確認等、対象工事に応じた合理的方法により確認を行い、適合
していると認められる場合には、その旨を監督員に報告する。
② ①の検討の結果、適合していないと認められる箇所がある場合、又は監督員から適合していない箇所が示された場合には、対象工事の受注者に対して指示すべき事項を検討し、その結果を監督員に報告する。
③ 対象工事の受注者が必要な修補等を行った場合は、これを確認し、その内容を監督員に報告する。
④ ③の結果、修補が適切になされていないと認められる場合の再修補等の取扱は、①、②、
③の規定を準用する。
(ⅱ) 工事請負契約に定められた指示、検査等
工事監理仕様書に定められた試験、立会い、確認、審査、協議等(設計図書に定めるものを除く。)を行い、その結果を監督員に報告する。また対象工事の受注者等が試験、立会い、確認、審査、協議等を求めたときには、速やかにこれに応じる。
(ⅲ) 工事が設計図書の内容に適合しない疑いがある場合の破壊検査
対象工事の受注者等の行う工事が、設計図書の内容に適合しない疑いがあり、かつ破壊検査が必要と認められる理由がある場合には、監督員に報告し、監督員の指示を受けて、必要な範囲で破壊して検査する。
(4) 関係機関の検査の立会い等
関係機関の検査に立会い、その指摘事項等について、対象工事の受注者等が作成し、提出する検査記録等に基づき監督員に報告する。
2.2 追加業務の内容
追加業務の内容については、特記仕様書による。一般業務と同様、受注者は監督員の指示に従い、業務計画書に記載した業務方針に基づいて行うものとする。
第3章 業務の実施
3.1 業務の着手
受注者は、特記仕様書に定めがある場合を除き、契約締結後14日以内に工事監理業務に着手しなければならない。この場合において、着手とは、管理技術者が工事監理業務の実施のため監督員との打合せを開始することをいう。
3.2 適用基準等
1. 受注者は、業務の実施に当たっては、特記仕様書に定める基準等(以下「適用基準等」という。)に基づき行うものとする。
2. 適用基準等で市販されているものについては、受注者の負担において備えるものとする。
3.3 監督員
1. 発注者は、工事監理業務における監督員を定め、受注者に通知するものとする。
2. 監督員は、契約図書に定められた範囲内において、指示、承諾、協議等の職務を行うものとする。
3. 監督員の権限は、契約書に定める事項とする。
4. 監督員がその権限を行使するときは、書面により行うものとする。ただし、緊急を要する場合、監督員が受注者に対し口頭による指示等を行った場合には、受注者はその指示等に従うものとする。監督員はその指示等を行った後7日以内に書面により受注者にその内容を通知するものとする。
3.4 管理技術者
1. 受注者は、工事監理業務における管理技術者を定め、発注者に通知するものとする。
2. 管理技術者は、契約図書等に基づき、業務の技術上の管理を行うものとする。
3. 管理技術者の資格要件は、特記仕様書による。また、管理技術者は、日本語に堪能でなければならない。
4. 管理技術者に委任できる権限は、契約書に定める事項とする。ただし、受注者が管理技術者に委任できる権限を制限する場合は、発注者に書面をもってその内容を含め報告しない限り、管理技術者は受注者の一切の権限(契約書の規定により行使できないとされた権限を除く。)を有するものとされ、発注者及び監督員は、管理技術者に対して指示等を行えば足りるものとする。
5. 管理技術者は、監督員が指示するところにより、関連する他の工事監理業務の受注者と十分に協議のうえ、相互に協力しつつ、業務を実施しなければならない。
3.5 担当技術者等の資格等要件
担当技術者及び協力者の担当技術者の資格等要件は、特記仕様書による。
3.6 監督員及び対象工事の受注者等
発注者は対象工事の監督員及び対象工事の受注者等を受注者に通知するものとする。
3.7 軽微な設計変更
設計内容の伝達を行い、施工図等の検討を行う過程において、細部の取り合いや工事間の調整等の関係で、又は監督員の指示により軽微な変更の必要が生じた場合、対象工事の受注者等に対して指示すべき事項について監督員に報告する。
3.8 提出書類
1. 受注者は、発注者が指定した様式により、契約締結後に、関係書類を監督員を経て、発注者に速やかに提出しなければならない。ただし、業務委託料(以下「委託料」という。)に係る請求書、請求代金代理受領承諾書、遅延利息請求書、監督員に関する措置請求に係る書類及びその他現場説明の際指定した書類を除く。
2. 共通仕様書において書面により行わなければならないこととされている指示、請求、通知、報告、申出、承諾、質問、回答、協議及び提出については、電子メール等の情報通信の技術を利用する方法を用いて行うことができる。
3. 受注者が発注者に提出する書類で様式が定められていないものは、受注者において様式を定め、提出するものとする。ただし、発注者がその様式を指示した場合は、これに従わなければならない。
3.9 打合せ及び記録
1. 工事監理業務を適正かつ円滑に実施するため、管理技術者と監督員は常に密接な連絡をとり、業務の方針、条件等の疑義を正すものとし、その内容については、その都度受注者が書面(打合せ記録簿)に記録し、相互に確認しなければならない。
2. 工事監理業務着手時及び特記仕様書に定める時期において、管理技術者と監督員は打合せを行うものとし、その結果について、管理技術者が書面(打合せ記録簿)に記録し、相互に確認しなければならない。
3. 受注者が対象工事の受注者等と打合せを行う場合には、事前に監督員の承諾を受けることとする。また、受注者は対象工事の受注者等との打合せ内容について書面(打合せ記録簿)に記録し、速やかに監督員に提出しなければならない。
3.10 着手届及び業務工程表
受注者は、着手届と業務工程表を契約締結後14日以内に、監督員を経由して発注者に提出しなければならない。
3.11 業務計画書
1. 受注者は、契約締結後14日以内に業務計画書を作成し、監督員に提出しなければならない。
2. 業務計画書には、契約図書に基づき、次の事項を記載するものとする。
(1) 業務一般事項
(2) 業務工程計画
(3) 業務体制
(4) 業務方針
(5) 協力者がある場合は、協力者の概要、担当する業務の内容及び担当技術者の氏名並びに資格等
(6) その他、監督員が必要に応じて指定する事項
上記事項のうち(2)業務工程計画については、対象工事の受注者等と十分な打合せを行った上で内容を定めなければならない。また、(4)業務方針の内容については、事前に監督員の承諾を得なければならない。
3. 受注者は、業務計画書の重要な内容を変更する場合は、理由を明確にしたうえ、その都度監督員に変更業務計画書を提出しなければならない。
4. 監督員が指示した事項については、受注者は更に詳細な業務計画に係る資料を提出しなければならない。
3.12 資料の貸与及び返却
1. 監督員は、特記仕様書において貸与すると定める図面及び適用基準等並びにその他関連資料(以下「貸与資料」という。)を受注者に貸与するものとする。
2. 受注者は、貸与資料の必要がなくなった場合は直ちに監督員に返却するものとする。
3. 受注者は、貸与資料を善良な管理者の注意をもって取扱わなければならない。万一、損傷した場合には、受注者の責任と費用負担において修復するものとする。
4. 受注者は、特記仕様書に定める守秘義務が求められる資料については、これを他人に閲覧させ、複写させ、又は譲渡してはならない。
3.13 関係機関への手続き等
1. 受注者は、工事監理業務の実施に当たっては、発注者が行う関係機関等への手続き及び立会いの際に協力しなければならない。また、受注者は、工事監理業務を実施するため、関係機関等に対する諸手続き及び立会いが必要な場合は、速やかに行うものとする。
2. 受注者が、関係機関等から交渉を受けたときは、遅延なくその旨を監督員に報告し協議するものとする。
3.14 関連する法令、条例等の遵守
受注者は、工事監理業務の実施に当たっては、関連する法令、条例等を遵守しなれければならない。
3.15 検 査
1. 受注者は、契約書の規定に基づいて、発注者に対して、業務完了届の提出をもって業務の完了を通知する。また受注者は、業務の完了を通知する時までに、契約図書により義務付けられた業務報告書及び監督員が指示した書類等の整備を完了し、監督員に提出しておかなければならない。
2. 受注者は、契約書の規定に基づいて、発注者に対して部分払いを請求する場合は、当該請求に係る出来形部分等の算出方法について監督員の指示を受けるものとし、当該請求部分に係る業務は、次の(1)及び(2)の要件を満たすものとする。
(1) 監督員の指示を受けた事項がすべて完了していること。
(2) 契約図書により義務付けられた資料の整備がすべて完了していること。
3. 発注者は、工事監理業務の検査に当たっては、あらかじめ、受注者に対して書面をもって検査日を通知するものとする。その通知があった場合、受注者は、検査に必要な書類等を整備しなければならない。
4. 検査職員は、監督員及び管理技術者の立会のうえ、工事監理業務の実施状況について、書類等により検査を行うものとする。
3.16 債務不履行に係る履行責任
1. 受注者は、発注者から債務不履行に対する履行を求められた場合には、速やかにその履行をしなければならない。
2. 検査職員は、債務不履行に対する履行の必要があると認めた場合には、受注者に対して、期限を定めてその履行を指示することができるものとする。
3. 検査職員が債務不履行に対する履行の指示をした場合には、その履行の完了の確認は3.15第4項の規定を準用する。
4. 検査職員が指示した期間内に債務不履行に対する履行が完了しなかった場合には、発注者は、契約書の規定に基づき検査の結果を受注者に通知するものとする。
3.17 条件変更等
1. 契約書に定める「予期することのできない特別な状態」とは、発注者と受注者が協議し当該規定に適合すると判断した場合とする。
2. 監督員が、受注者に対して契約書に定める工事監理仕様書の変更又は訂正の指示を行う場合は、書面によるものとする。
3.18 契約内容の変更
1. 発注者は、次の各号に掲げる場合において、工事監理業務委託契約の変更を行うものとする。
(1) 業務委託料の変更を行う場合
(2) 履行期間の変更を行う場合
(3) 監督員と受注者が協議し、工事監理業務履行上必要があると認められる場合
(4) 契約書の規定に基づき業務委託料の変更に代える工事監理仕様書の変更を行う場合
2. 発注者は、前項の場合において、変更する契約図書を次の各号に基づき作成するものとする。
(1) 3.17の規定に基づき監督員が受注者に指示した事項
(2) 工事監理業務の一時中止に伴う増加費用及び履行期間の変更等決定済の事項
(3) その他発注者又は監督員と受注者との協議で決定された事項
3.19 履行期間の変更
1. 発注者は、受注者に対して工事監理業務の変更の指示を行う場合においては、履行期間の変更を行うか否かを合わせて事前に通知しなければならない。
2. 受注者は、契約書の規定に基づき、履行期間の延長が必要と判断した場合には、履行期間の延長理由、必要とする延長日数の算定根拠、業務工程を修正した業務計画書その他必要な資料を発注者に提出しなければならない。
3. 契約書の規定に基づき発注者の請求により履行期間を短縮した場合には、受注者は、速やかに、業務計画書に記載の業務工程を修正し提出しなければならない。
3.20 一時中止
1. 契約書の規定により、次の各号に該当する場合において、発注者は、受注者に通知し、必要と認める期間、工事監理業務の全部又は一部を一時中止させるものとする。
(1) 対象工事の設計変更等業務の進捗が遅れたため、工事監理業務の続行を不適当と認めた場合
(2) 環境問題等の発生により工事監理業務の続行が不適当又は不可能となった場合
(3) 天災等により工事監理業務の対象箇所の状態が変動した場合
2. 発注者は、受注者が契約図書に違反し、又は監督員の指示に従わない場合等、監督員が必要と認めた場合には、工事監理業務の全部又は一部を一時中止させることができるものとする。
3.21 発注者の賠償責任
1. 発注者は、次の各号に該当する場合においては、損害の賠償を行わなければならない。
(1) 契約書に定める一般的損害、契約書に定める第三者に及ぼした損害について、発注者の責に帰すべきものとされた場合
(2) 発注者が契約に違反し、その違反により契約の履行が不可能となった場合
3.22 受注者の賠償責任
1. 受注者は、次の各号に該当する場合においては、損害の賠償を行わなければならない。
(1) 契約書に定める一般的損害、契約書に定める第三者に及ぼした損害について、受注者の責に帰すべきものとされた場合
(2) 契約書に定める債務不履行に対する履行責任に係る損害が生じた場合
3.23 再委託
1. 契約書に定める「指定した部分」とは、工事監理業務等における総合的な企画及び判断並びに業務遂行管理をいい、受注者は、これを再委託することはできない。
2. コピー、ワープロ、印刷、製本、計算処理、トレース、資料整理、模型製作、透視図作成等の簡易な業務は、契約書に定める「軽微な部分」に該当するものとし、受注者が、この部分を第三者に再委託する場合は、発注者の承諾を必要としない。
3. 受注者は、第1項及び第2項に規定する業務以外の再委託に当たっては、発注者の承諾を得なければならない。
4. 受注者は、協力者及び協力者が再々委託を行うなど複数の段階で再委託が行われるときは当該複数の段階の再委託の相手方の住所、氏名及び当該複数の段階の再委託の相手方がそれぞれ行う業務の範囲を記載した書面を更に詳細な業務計画に係る資料として、監督員に提出しなければならない。
5. 受注者は、工事監理業務を再委託する場合においては、書面において行い、協力者との関係を明確にしておくとともに、協力者に対し工事監理業務の実施について適切な指導及び管理のもとに工事監理業務を実施しなければならない。また、複数の段階で再委託が行われる場合についても必要な措置を講じなければならない。なお、協力者は、xx県建設工事等請負有資格業者名簿に登録されている者である場合は、契約を結ぶ時点で参加資格制限の期間中であってはならない。
3.24 守秘義務
受注者は、契約書の規定により、業務の実施過程で知り得た秘密を第三者に漏らしてはならない。
3.25 ウィークリースタンスの推進
受発注者は、ウィークリースタンスの推進に努める。ウィークリースタンスとは、受発注者協力のもと建築関係工事監理業務共通仕様書と計画的に業務を履行することで、品質確保に努めるとともに、働き方改革を推進することを目的とするものである。
(取組内容)
(1)打合せ時間の配慮
昼休みや午後4時以降の打合せは行わない。
(2)資料作成の配慮
① 休日明け日(月曜日等)を依頼の期限日としない。
② 休日前(金曜日等)に新たな依頼をしない。
③ 定時間際や定時後に依頼をしない。
④ 作業内容に見合った作業期間を確保する。
(3)その他
① 水曜日、金曜日は定時の帰宅を心がける。
② 工程に影響する条件等を、事前に受発注者間で確認・共有する。
③ 受発注者間で全体の業務工程の確認・共有を行い、作業工程の把握に努める。
(4)災害発生時等の緊急的な対応については、取り組みの対象外とし、受発注者双方で作業内容や提出期限等を確認し、合意を図る。