Contract
愛知県基幹的広域防災拠点整備等事業
【添付資料5】
特定事業契約書(案)
2022年11月愛知県
愛知県基幹的広域防災拠点整備等事業特定事業契約書
第 1 事業名 愛知県基幹的広域防災拠点整備等事業第 2 本施設の概要
1 本施設
(1) 消防学校エリアにおける以下の各施設
・管理・教育棟
・宿泊棟
・教育棟
・車庫
・複合訓練施設
・救助訓練棟
・街区消火訓練場
・水難救助訓練場
・震災訓練場
・土砂災害訓練場
・屋外訓練場
・自家給油施設
・駐車場
(2) 防災公園エリアにおける以下の各施設
・屋内運動施設
・広場(人工芝)
・ふれあい広場(人工芝)
・広場(全天候型舗装)
・駐車場
・公園管理事務所
・多目的広場(野球場)
・多目的広場(サッカー場)
・芝生広場
(3) 神明公園エリアにおける以下の各施設
・イベントゾーン
・プレイロット
・駐車場
2 本施設の場所 愛知県西xxx郡xx町大字xxxx周辺
第 3 事業の概要
1 事業期間
設計・建設期間 | 特定事業契約締結日から 2026 年3月 31 日 まで |
運営・維持管理期間 (公共施設等運営権存続期間) | 運営開始日から 2046 年3月 31 日まで |
2 金額及び支払条件
(1) サービス購入料
a. 契約金額
金●円
(取引に係る消費税等の額 金●円)
b. 支払条件
第 8 章(設計・建設費及びサービス購入料[並びに運営権対価])に定めるとおり。
c. 契約保証金
第 33 条(契約の保証)に定めるとおり。
(2) 県費用負担額(運営・維持管理業務)
a. 契約金額
金●円
(取引に係る消費税等の額 金●円)
b. 支払条件
第 73 条(運営・維持管理業務の実施にかかる県の費用負担)及び別紙
6(運営・維持管理業務にかかる県の費用負担)に定めるとおり。
第 4 事業の内容
第 4 条(本事業の実施)に定めるとおり。
上記の事業について、愛知県(以下「県」という。)と●(以下「事業者」という。)は、各々の対等な立場における合意に基づいて、別添の条項によってxxな事業契約兼公共施設等運営権実施契約である特定事業契約を締結し、xxに従って誠実にこれを履行する。
この契約の証として、本書2通を作成し、県及び事業者が記名押印の上、各自1通を保有する。
令和●年●月●日
県
名古屋市中区三の丸三丁目1番2号愛知県
代表者 愛知県知事 xx xx
事業者
●
目 次
第 1 章 x x 1
第 1 条 (用語の解釈) 1
第 2 条 (公共性及び民間事業の趣旨の尊重) 1
第 3 条 (特定事業契約等) 1
第 4 条 (本事業の実施) 2
第 5 条 (運営業務の収入) 2
第 6 条 (県の実施業務) 3
第 7 条 (資金調達) 3
第 8 条 (公租公課の負担) 3
第 2 章 本事業実施の準備 4
第 1 節 実施体制及び本事業の準備 4
第 9 条 (本事業の実施体制等) 4
第 10 条 (統括マネジメント業務の実施に係る準備) 4
第 11 条 (設計・建設業務の実施に係る準備) 5
第 12 条 (開業準備業務の実施に係る準備) 5
第 13 条 (運営・維持管理業務の実施に係る準備) 5
第 14 条 (ガバナンス実施計画書) 6
第 2 節 必要な契約等の締結 6
第 15 条 (必要な契約の締結) 6
第 16 条 (事業者による許認可の取得等) 6
第 17 条 (県による許認可の取得等) 7
第 3 章 適正業務の確保 7
第 18 条 (要求水準を満たす業務の実施) 7
第 19 条 (要求水準の変更) 7
第 20 条 (ガバナンスの実施及びガバナンス体制の構築) 8
第 21 条 (統括マネジメント業務及び統括管理責任者の変更) 8
第 22 条 (業務責任者の設置及び変更) 9
第 23 条 (財務情報の報告) 9
第 24 条 (県による指示等) 9
第 25 条 (セルフモニタリング) 9
第 26 条 (県による実績評価) 9
第 27 条 (ガバナンス基本計画等の変更) 10
第 28 条 (事業終了時のモニタリング) 11
第 4 章 設計・建設業務 11
第 1 節 総則 11
第 29 条 (事業用地引渡計画の策定等) 11
第 30 条 (工事総則) 12
第 31 条 (本施設の処分禁止) 13
第 32 条 (関連工事の調整) 13
第 33 条 (契約の保証) 13
第 2 節 設計 14
第 34 条 (設計) 14
第 35 条 (設計企業による業務実施及び一括再委託等の禁止) 15
第 3 節 建設 15
第 36 条 (建設) 15
第 37 条 (建設企業による業務実施及び下請の制限等) 16
第 38 条 (下請負者等(建設業務)の健康保険等加入義務等) 16
第 39 条 (近隣調整) 17
第 40 条 (監督職員) 18
第 41 条 (現場代理人) 18
第 42 条 (工事関係者に関する措置請求) 18
第 43 条 (事業用地の確保等) 19
第 44 条 (設計図書不適合の場合の改造義務及び破壊検査等) 19
第 45 条 (設計図書の変更) 20
第 46 条 (工事の中止) 20
第 47 条 (事業者の請求による設計・建設期間の延長) 20
第 48 条 (設計・建設期間の変更方法) 21
第 49 条 (設計・建設費又はサービス購入料の変更方法等) 21
第 50 条 (賃金又は物価の変動に基づく設計・建設費の変更又は費用の負担)· 21
第 51 条 (臨機の措置) 22
第 52 条 (一般的損害) 23
第 53 条 (第三者に及ぼした損害) 23
第 54 条 (設計・建設費又はサービス購入料の変更に代える設計図書の変更)· 23
第 55 条 (中間検査) 23
第 4 節 工事監理 24
第 56 条 (工事監理) 24
第 57 条 (県直接発注工事(公園)に係る損害) 24
第 5 節 雑則 25
第 58 条 (建設工事保険等) 25
第 6 節 本施設の完成及び引渡し 25
第 59 条 (公園(平場)の引渡し) 25
第 60 条 (契約不適合責任(県)) 25
第 61 条 (完了検査及び引渡し) 27
第 62 条 (部分使用) 27
第 63 条 (大規模災害発生時における部分使用) 27
第 64 条 (契約不適合責任(事業者)) 28
第 5 章 開業準備業務 29
第 65 条 (開業準備業務の実施) 29
第 6 章 運営・維持管理業務 29
第 1 節 公共施設等運営権 29
第 66 条 (公共施設等運営権の設定及び効力発生) 29
第 67 条 (合意延長) 31
第 68 条 (県による運営権存続期間の延長) 31
第 2 節 指定管理 32
第 69 条 (指定管理者の指定) 32
第 3 節 本施設 32
第 70 条 (本施設の引渡し) 32
第 71 条 (本施設の一部貸付) 32
第 4 節 運営・維持管理業務の実施 33
第 72 条 (運営・維持管理業務の実施) 33
第 73 条 (運営・維持管理業務の実施に係る県の費用負担) 33
第 74 条 (拠点運用時の運営・維持管理業務等) 33
第 75 条 (本施設の追加投資) 34
第 76 条 (県による本施設の追加投資) 35
第 77 条 (事業者の保有資産等の追加投資) 35
第 78 条 (中・長期修繕計画書に基づく修繕業務) 36
第 79 条 (大規模修繕) 36
第 80 条 (設備、什器・備品等の調達及び保守管理) 36
第 81 条 (運営・維持管理業務の業務計画書) 36
第 82 条 (運営・維持管理業務の業務報告書) 37
第 83 条 (物価変動に基づく協議) 37
第 7 章 連携業務等 37
第 84 条 (連携業務) 37
第 85 条 (事業者が任意で行う事業) 37
第 8 章 設計・建設費及びサービス購入料[並びに運営権対価] 38
第 86 条 (設計・建設費及びサービス購入料) 38
第 87 条 (債務負担行為に係る契約の特則) 39
第 88 条 (運営権対価) 39
第 9 章 表明保証及び誓約 40
第 89 条 (事業者による表明及び保証) 40
第 90 条 (事業者による誓約事項) 40
第 91 条 (事業者の株式) 42
第 92 条 (契約上の地位譲渡) 43
第 93 条 (運営権の譲渡等) 44
第 94 条 (事業者の兼業禁止) 44
第 10 章 責任及び損害等の分担 45
第 95 条 (責任及び損害等の分担原則) 45
第 96 条 (政策変更) 45
第 97 条 (法令改正) 46
第 98 条 (税制改正) 46
第 99 条 (不可抗力) 47
第 100 条 (損害賠償責任) 48
第 11 章 契約の終了及び終了に伴う措置 49
第 101 条 (事業期間) 49
第 102 条 (事業者事由による解除) 49
第 103 条 (県の任意による解除、県事由による解除) 50
第 104 条 (法令改正・不可抗力による解除) 50
第 105 条 (事業用地引渡遅延に基づく解除) 50
第 106 条 (本施設の引渡前の解除) 51
第 107 条 (本施設の引渡後の解除) 51
第 108 条 (運営権対価の一部返還) 52
第 109 条 (運営権及び指定管理者の指定の取消し) 52
第 110 条 (事業終了時の引継ぎ等) 52
第 111 条 (利用料金の引継ぎ等) 52
第 112 条 (本施設の引渡し及び追加投資の対象部分に係る補償) 53
第 113 条 (契約終了による事業者所有資産の取扱い) 53
第 114 条 (違約金) 54
第 115 条 (損失補償) 55
第 116 条 (事業終了後の解散及び債務引受) 55
第 12 章 知的財産権 56
第 117 条 (著作権の帰属) 56
第 118 条 (成果物の利用) 56
第 119 条 (著作xxの譲渡禁止) 57
第 120 条 (第三者の有する著作権の侵害防止) 57
第 121 条 (第三者の知的財産xxの侵害) 57
第 122 条 (知的財産権の対象技術の使用) 57
第 13 章 雑 則 58
第 123 条 (秘密保持義務) 58
第 124 条 (金融機関等との協議) 58
第 125 条 (遅延利息) 59
第 126 条 (契約の変更) 59
第 127 条 (準拠法・管轄裁判所) 59
第 128 条 (通知方法・計量単位・期間計算・休日調整等) 59
第 129 条 (疑義に関する協議) 60
別紙1 定義集 別紙2 事業日程
別紙3 ガバナンス基本計画別紙4 ガバナンス体制
別紙5 業務委託請負先
別紙6 運営・維持管理業務にかかる県の費用負担
別紙7 任意事業の実施に関する協定(任意事業協定)の概要別紙8 要求水準等未充足時の措置
第 1 章 x x
第1条 (用語の解釈)
1 特定事業契約において用いる語句は、本文中において特に明示するもの及び文脈上別異に解すべきものを除き、別紙1(定義集)において定める意義を有する。
2 特定事業契約における各条項の見出しは、参照の便宜のためであり、特定事業契約の各条項の解釈に影響を与えるものではない。
3 特定事業契約で規定する法令等につき、改正又はこれらに替わる新たな法令等の制定が行われた場合には、当該改正又は制定後の法令等が特定事業契約に適用される。
第2条 (公共性及び民間事業の趣旨の尊重)
1 特定事業契約の締結及びその履行に際し、次の各号に掲げる事項の実現に向けて、県は、本事業が民間企業者たる事業者の創意工夫に基づき実施されることを、事業者は、本事業が高度の公共性及び公益性を有することを、それぞれ十分理解しその趣旨を尊重する。
(1) 拠点運用時に活動要員の集結・ベースキャンプ機能や支援物資の中継・分配機能を確保するための施設
(2) 平常運用時に消防学校と都市公園として広く県民の利用を図るための施設
(3) 防災拠点全体を防災の力を育むような施設とし、防災啓発・人材育成の拠点とするとともに、防災分野におけるビジネスを推進する場としても活用し、防災の先進地を目指すための施設
2 事業者は、本事業内容の詳細について、社会情勢の変化その他の本事業に係る外在的及び内在的な事情の変化を踏まえ、県の請求に応じて県と緊密に協議し、必要に応じて随時見直すことに合意する。なお、事業者は、この項に基づく協議が必要と自ら認める場合は、県に対して協議を求めることができ、県は、合理的な理由なくして協議を留保、遅延又は拒否しないものとする。
第3条 (特定事業契約等)
1 特定事業契約は、要求水準書、入札説明書等及び事業提案書と一体の契約であり、これらはいずれも特定事業契約の一部を構成する。特定事業契約の規定に基づき、県と事業者の間で別途締結される契約は、いずれも特定事業契約の一部を構成する。
2 特定事業契約、要求水準書、入札説明書等及び事業提案書の内容に矛盾又は齟齬がある場合は、この順に優先して適用される。ただし、事業提案書の内容が要求水準書に定める水準を超える場合には、その限りにおいて事業提案書が要求水
準書に優先する。
第4条 (本事業の実施)
1 本事業は、次の各号に掲げる業務により構成される。
(1) 設計・建設段階イ 設計業務
ロ 建設業務
(2) 開業準備段階
イ 開業準備業務
(3) 運営・維持管理段階イ 維持管理業務ロ 運営業務
(4) 調整・協力業務
イ 県が行う業務との調整・協力業務
ロ xx町が行う業務との調整・協力業務
(5) 共通
イ 統括マネジメント業務ロ 資金調達業務
2 事業者は、要求水準書等に従い、別紙2(事業日程)に定める事業日程により、前項各号に掲げる本事業の業務を実施する。
3 事業者は、本事業を実施するにあたり、適用される全ての法令等を遵守しなければならない。
第5条 (運営業務の収入)
1 事業者は、本施設に係る運営業務を実施するにあたり、事業提案書及び要求水準書に基づき県と協議して利用料金を設定又は変更の上、本施設の利用者(以下
「利用者」という。)から利用料金を徴収することができる。利用者から徴収した利用料金は、全て事業者の収入とする。なお、事業者は、この項に基づく協議が必要と自ら認める場合は、県に対して協議を求めることができ、県は、合理的な理由なくして協議を留保、遅延又は拒否しないものとする。
2 事業者による徴収した利用料金の還付並びに利用料金の全部又は一部の免除及びその徴収の延期は、施設設置管理条例の定めに従うものとする。
3 事業者は、各事業年度の翌事業年度の 4 月●日までに、当該事業年度における運営・維持管理業務に係る収入の合計額(以下「基準収入額(報告値)」という。)を、県に通知する。
4 基準収入額(報告値)が、事業者が事業提案書において提案した運営・維持管理業務に係る収入の計画値の合計額を上回った場合、第 1 項及び第 2 項にかかわ
らず、事業者は、県に対し、当該超過額の●%1相当額を、当該事業年度の翌事業年度の 4 月末日までに支払うものとする。
第6条 (県の実施業務)
1 県は、特定事業契約、要求水準書及び入札説明書等に従い、事業者による本事業の実施に必要な限度において、用地買収、埋蔵文化財調査(この調査に伴う不発弾調査)、造成工事、雨水調整池の建設工事、大xx洪水調節池の建設工事、アクセス道路(県道)建設工事、公園(平場)部分の建設工事(神明公園エリアの既存施設の解体工事含む)、既存の愛知県及び名古屋市消防学校の什器・備品の移転、次世代高度情報通信ネットワーク整備その他本事業の実施に必要な業務を実施する。
2 県は、前項に規定する業務の実施に要する費用を負担する。ただし、事業提案書に基づく建物配置の変更に起因して新たな埋蔵文化財調査が必要になった場合、又は県が行う対象範囲外において不発弾調査が必要と事業者が判断した場合は、当該調査に係る費用は事業者の負担とする。
3 事業者は、第 1 項に規定する県の業務及び本事業に関連してxx町が行う予定の業務に必要な調整及び協力を行う。
第7条 (資金調達)
1 本事業の実施に関する一切の費用(前条(県の実施業務)に従い県が負担する費用を除く。)は、特定事業契約に別段の定めがある場合を除き全て事業者が負担し、本事業の実施に要する事業者の資金調達は全て事業者の責任において行う。
2 事業者は、前項に定める資金調達に係る金利変動による追加費用が生じた場合は、当該追加費用を負担する。
第8条 (公租公課の負担)
1 事業者は、特定事業契約に別段の定めがある場合を除き、本事業に関連して事業者に生じる一切の租税を負担する。
2 県は、事業者に対し、特定事業契約の定めるところにより、設計・建設費の一部であるサービス購入料に係る消費税等の支払債務を負担する。
1 事業者の提案割合を記載する。
第 2 章 本事業実施の準備
第 1 節 実施体制及び本事業の準備第9条 (本事業の実施体制等)
1 事業者は、本事業に係る業務に着手する日までに、本事業を実施するために必要な体制を確保する。
2 事業者は、要求水準書等に基づき、本事業の実施に関連して、所定の期限までに、本事業の実施に係る実施体制図その他別紙3(ガバナンス基本計画)で定める書面(以下「実施体制図等」という。)を策定して県に提出し、県の確認を受けなければならない。県は、実施体制図等が要求水準書等と一致していない場合には、事業者に対し補正を命ずることができる。
3 事業者は、特定事業契約締結後事業期間が終了するまでの間に、実施体制図等の内容を変更しようとする場合は、あらかじめ県に通知し、必要に応じて協議する。県は、特定事業契約に別段の定めがある場合を除き、実施体制図等の変更内容が要求水準書等と一致していない場合には、事業者に対し補正を命ずることができる。
4 事業者は、前2項に基づき実施体制図等を策定又は変更しようする場合には、第 20 条(ガバナンスの実施及びガバナンス体制の構築)及び別紙4(ガバナンス体制)に従い構築するガバナンス体制との整合性を図るとともに、当該ガバナンス体制の変更が必要な場合は、あらかじめ県に提案のうえ、誠実に協議を行うものとする。
第10条 (統括マネジメント業務の実施に係る準備)
1 事業者は、特定事業契約締結後速やかに、統括マネジメント業務の実施に必要な人員等(必要な有資格者を含む。)を確保し、県に対して、その旨を報告するものとする。
2 事業者は、要求水準書等に基づき、統括マネジメント業務の実施に関連して、所定の期限までに、別紙3(ガバナンス基本計画)で定める書面(以下「統括マネジメント業務に係る計画書等」という。)を策定して県に提出し、県の確認を受けなければならない。県は、統括マネジメント業務に係る計画書等が要求水準書等と一致していない場合には、事業者に対し補正を命ずることができる。
3 前項に定める統括マネジメント業務に係る計画書等には、本事業の業務全体を総合的に把握し調整を行う統括管理責任者(以下「統括管理責任者」という。)の定めを含む。統括管理責任者は、特定事業契約の履行に関し、本事業の業務全体の管理及び総括を行うほか、設計・建設費又はサービス購入料の変更、請求及び受領並びに特定事業契約の解除に係る権限を除き、特定事業契約に基づく業務
に関する一切の権限を行使することができる。
4 事業者が、特定事業契約締結後事業期間が終了するまでの間に、統括マネジメント業務に係る計画書等の内容を変更しようとする場合は、あらかじめ県に通知し、必要に応じて協議する。県は、特定事業契約に別段の定めがある場合を除き、統括マネジメント業務に係る計画書等の変更内容が要求水準書等と一致していない場合には、事業者に対し補正を命ずることができる。
第11条 (設計・建設業務の実施に係る準備)
1 事業者は、要求水準書等に基づき、設計・建設業務の実施に関連して、所定の期限までに、別紙3(ガバナンス基本計画)で定める書面(以下「設計・建設業務に係る計画書等」という。)を策定して県に提出し、県の確認を受けなければならない。県は、設計・建設業務に係る計画書等が要求水準書等と一致していない場合には、事業者に対し補正を命ずることができる。
2 事業者が、特定事業契約締結後設計・建設業務が完了するまでの間に、設計・建設業務に係る計画書等の内容を変更しようとする場合は、あらかじめ県に通知し、必要に応じて協議する。県は、特定事業契約に別段の定めがある場合を除き、設計・建設業務に係る計画書等の変更内容が要求水準書等と一致していない場合には、事業者に対し補正を命ずることができる。
第12条 (開業準備業務の実施に係る準備)
1 事業者は、要求水準書等に基づき、開業準備業務の実施に関連して、所定の期限までに、別紙3(ガバナンス基本計画)で定める書面(以下「開業準備業務に係る計画書等」という。)を策定して県に提出し、県の確認を受けなければならない。県は、開業準備業務に係る計画書等が要求水準書等と一致していない場合には、事業者に対し補正を命ずることができる。
2 事業者が、特定事業契約締結後開業準備業務が完了するまでの間に、開業準備業務に係る計画書等の内容を変更しようとする場合は、あらかじめ県に通知し、必要に応じて協議する。県は、特定事業契約に別段の定めがある場合を除き、開業準備業務に係る計画書等の変更内容が要求水準書等と一致していない場合には、事業者に対し補正を命ずることができる。
第13条 (運営・維持管理業務の実施に係る準備)
1 事業者は、要求水準書等に基づき、運営・維持管理業務の実施に関連して、所定の期限までに、別紙3(ガバナンス基本計画)で定める書面(以下「運営・維持管理業務に係る計画書等」という。)を策定して県に提出し、県の確認を受けなければならない。県は、運営・維持管理業務に係る計画書等が要求水準書等と一致していない場合には、事業者に対し補正を命ずることができる。
2 事業者が、特定事業契約締結後運営・維持管理業務が完了するまでの間に、運営・維持管理業務に係る計画書等の内容を変更しようとする場合は、あらかじめ県に通知し、必要に応じて協議する。県は、特定事業契約に別段の定めがある場合を除き、運営・維持管理業務に係る計画書等の変更内容が要求水準書等と一致していない場合には、事業者に対し補正を命ずることができる。
第14条 (ガバナンス実施計画書)
事業者は、所定の期限までに、要求水準書等に従い、本事業の実施に関するガバナンス実施計画書案を作成して県に提出しなければならない。県及び事業者は、本事業に係る業務に着手する日までに、当該ガバナンス実施計画書案につき協議の上、ガバナンス実施計画書を合意する。
第 2 節 必要な契約等の締結第15条 (必要な契約の締結)
1 事業者は、別紙5(業務委託請負先)及び事業提案書に基づき、本事業に係る各業務の全部又は一部を業務委託請負先に委託又は請け負わせる場合、各業務に着手する日までに、当該各業務に係る業務委託請負先との間で業務委託請負契約を締結し、当該契約の締結後速やかに当該契約書の写しを県に提出する。
2 事業者は、前項に基づき各業務の全部又は一部を業務委託請負先に対して委託し又は請け負わせる場合、暴力団員等のいずれかに該当する者その他県が不適切と認める者に対しては委託せず又は請け負わせないものとし、業務委託請負先をして、暴力団員等のいずれかに該当する者その他県が不適切と認める者に対しては再委託をさせず又は下請負をさせないものとする。
第16条 (事業者による許認可の取得等)
1 次条(県による許認可の取得等)に定めるものを除き、本事業を実施するために必要となる一切の許認可又は届出若しくは報告は、事業者が取得若しくは承継して維持し、又は作成して提出する。
2 事業者は、次条(県による許認可の取得等)に定めるものを除き、本事業を実施するために必要となる許認可の取得、承継若しくは維持又は届出若しくは報告に関する責任及び費用(許認可取得の遅延から生じる追加費用を含む。)を負担する。ただし、その遅延が県の責めに帰すべき事由による場合には、県がその責任及び損害を負担する。
3 県は、事業者が県に対して書面により要請した場合、第1項に定める事業者による許認可の取得、承継若しくは維持又は届出若しくは報告について、法令等の
範囲内において必要に応じて協力する。
4 事業者は、第1項に定める許認可の原本又は届出若しくは報告の写しを保管し、県の要請があった場合には許認可の原本又は届出若しくは報告の写しを提示し、又は許認可の原本証明付きの写し又は届出若しくは報告の写しを県に提出する。
第17条 (県による許認可の取得等)
1 県は、本事業を実施するために必要となる許認可又は届出若しくは報告のうち、都市公園法第5条に基づく公園施設設置許可、その他県が必要と認める許認可又は届出若しくは報告につき、本事業の事業期間中、自らの責任及び費用負担により取得して維持し、又は作成して提出する。ただし、県が要求水準書等に従い許認可の取得若しくは維持又は届出若しくは報告について事業者の協力を求めた場合には、事業者は、自らの責任においてこれに応じる。
2 前項に定める許認可の取得又は維持に関して許認可権者から条件が付された場合、県は、当該条件のうち、本事業の実施に関して必要と認めるものについて事業者に通知するものとし、事業者は、これを遵守しなければならない。
第 3 章 適正業務の確保第18条 (要求水準を満たす業務の実施)
事業者は、特定事業契約に別段の定めがある場合を除き、自らの責任及び費用負担において、要求水準書等に従い要求水準を満たす方法により、本事業を実施する。
第19条 (要求水準の変更)
1 法令等の改正により業務内容が著しく変更される場合、災害、事故等により、特別な業務内容が必要な場合若しくは業務内容を著しく変更した場合、県の事由により業務内容の変更が必要な場合その他業務内容の変更が特に必要と認められる場合には、県は、要求水準書を変更することができる。ただし、県は、あらかじめ事業者に対してその旨及び理由を記載した書面により通知し、事業者と協議を行わなければならない。
2 前項の要求水準書の変更に伴う追加費用の負担は、かかる要求水準書の変更が
①国及び地方公共団体による政策が変更され又は決定されたことによる場合は第 96 条(政策変更)に従い、②法令等が改正され又は制定されたことによる場合は
第 97 条(法令改正)に従い、③税制等が改正され又は制定されたことによる場合
は第 98 条(税制改正)に従い、④不可抗力による場合は第 99 条(不可抗力)に
従い、⑤事業用地引渡計画の変更による場合は第 29 条(事業用地引渡計画の策定等)に従うものとし、⑥前記①から⑤以外の場合であって、県の事由による場合は県が、事業者の事由による場合は事業者が、それぞれ負担するものとする。
3 この条に基づく要求水準書の変更により事業者の費用が減少する場合には、当該費用相当額については県の帰属とする。ただし、要求水準書に規定する事業者からの改善提案等に起因して事業者の費用が減少したと県が認める場合には、当該費用相当額については事業者の帰属とする。
4 この条に基づく要求水準書の変更は書面をもって行うものとする。
第20条 (ガバナンスの実施及びガバナンス体制の構築)
1 県及び事業者は、本事業期間中の円滑な遂行の実現を目的として、要求水準書及び別紙3(ガバナンス基本計画)の定めに従い、ガバナンスを実施する。そのために、別紙4(ガバナンス体制)の定めに従い、ガバナンス体制を構築する。具体的には、協議会等設置要綱及び第三者機関設置要綱に関する確認書を締結の上、会議体及び第三者機関を設置し、これらを運営する。また、県及び事業者双方から必要に応じて、ファシリテーターを設置することができる。
2 県及び事業者は、本事業期間中にわたり相互の信頼関係を構築して、円滑な業務の遂行に努め、事業の目的を実現するように努めるものとする。
3 本事業が要求水準を満たし、かつ事業提案書に基づき適切かつ確実に遂行されているか否かを確認するための県及び事業者によるモニタリングの体制、方法その他の事項は、別紙3(ガバナンス基本計画)及びガバナンス実施計画書の定めによる。
第21条 (統括マネジメント業務及び統括管理責任者の変更)
1 事業者は、特定事業契約に別段の定めがある場合を除き、自らの責任及び費用負担において、要求水準書等に従い要求水準を満たす方法により、統括マネジメント業務を実施する。
2 事業者は、統括マネジメント業務を自ら実施するものとし、第三者に統括マネジメント業務の実施を委託し又は請け負わせてはならない。
3 県は、事業期間中において、統括管理責任者がその職務の執行につき著しく不適当と認められるときは、事業者に対し、その理由を明示した書面により、統括管理責任者の変更を要請することができる。
4 事業者は、前項に規定する要請を受けたときは、速やかに新たな統括管理責任者に変更し、県に届け出なければならない。
5 事業者は、事業期間中において、やむを得ない事由により、統括管理責任者を変更する必要が生じたとき、県の承諾を得た上で、統括管理責任者を変更することができる。
第22条 (業務責任者の設置及び変更)
1 事業者は、要求水準書に従い、設計業務、建設業務、開業準備業務、維持管理業務及び運営業務それぞれの業務履行の責任者である業務責任者(以下「業務責任者」という。)を定め、各業務の開始までに、県に届け出なければならない。
2 事業者は、業務責任者を変更する必要が生じたとき、速やかに新たな業務責任者を選出し、県に届け出なければならない。
第23条 (財務情報の報告)
1 事業者は、別紙3(ガバナンス基本計画)の定めに従い、事業者の財務諸表その他本事業の財務情報を、県に報告し、また、事業者のウェブサイトにおいて公表する。
2 事業者は、事業期間中、本事業の財務情報に関し県が必要と認めて(県の公有財産台帳の整理等のため必要があるときを含む。)報告を求めた事項について、遅滞なく県に報告しなければならない。
第24条 (県による指示等)
1 前条(財務情報の報告)の定めにかかわらず、県は、PFI 法第 28 条に基づき、事業者による本事業の適正を期するため、事業者に対して、本事業の業務若しくは経理の状況に関し報告を求め、実施について調査し又は必要な指示をすることができる。
2 前項の県の調査又は指示に従うことにより事業者に費用が発生する場合、かかる費用は事業者の負担とする。
第25条 (セルフモニタリング)
事業者は、別紙3(ガバナンス基本計画)及びガバナンス実施計画書に従い、セルフモニタリングを行い、所定の書類を所定の期限までに又は県の請求に従って随時、県に提出するものとする。
第26条 (県による実績評価)
1 県は、前条(セルフモニタリング)に基づき提出された書類に基づき、並びに別紙3(ガバナンス基本計画)及びガバナンス実施計画書の定めに従って、当該各業務が要求水準を満たし、かつ事業提案書に基づき適正かつ確実に遂行されているか否かを確認し、事業者は、別紙3(ガバナンス基本計画)及びガバナンス実施計画書の定めに従って、かかる確認に必要な協力を行う。
2 県は、前条(セルフモニタリング)のセルフモニタリング及び前項の実績評価により、事業者の実施する業務が要求水準を満たさず又は事業提案書に基づき適
正かつ確実に遂行されていないと判断した場合、別紙3(ガバナンス基本計画)及びガバナンス実施計画書の定めに従って、事業者に対し、業務改善について協議を求めることができる。この場合、県と事業者は誠実に協議し、事業者は、その協議内容に従って、業務改善のための必要な措置を講ずる。
3 前項に加え、県は、前条(セルフモニタリング)及び第1項の実績評価により、事業者の実施する業務が要求水準を満たさず又は事業提案書に基づき適正かつ確実に遂行されていないと判断した場合、別紙3(ガバナンス基本計画)及びガバナンス実施計画書の定めに従って、事業者に対して注意、是正指導、是正勧告、業務実施企業の変更請求等を行うとともに、ペナルティポイントの付与及び違約金等の支払の請求を行うことができる。
第27条 (ガバナンス基本計画等の変更)
1 県は、特定事業契約締結後事業期間が終了するまでの間、合理的な理由がある場合には、別紙3(ガバナンス基本計画)を変更することができる。ただし、県は、あらかじめ事業者に対してその旨及び理由を記載した書面により通知し、事業者と協議を行わなければならない。
2 県は、特定事業契約締結後事業期間が終了するまでの間、要求水準が変更された場合、県の事由により本事業の業務内容の変更が必要な場合、その他本事業の業務内容の変更が特に必要と認められる場合には、ガバナンス実施計画書の変更をすることができる。ただし、県は、あらかじめ事業者に対してその旨及び理由を記載した書面により通知し、事業者と協議を行わなければならない。
3 県及び事業者は、特定事業契約が変更された場合、必要に応じてガバナンス実施計画書を変更する。
4 第1項の別紙3(ガバナンス基本計画)の変更又は前2項のガバナンス実施計画書の変更が県の責めに帰すべき事由により行われた場合には、これに伴う追加費用については県の負担とする。
5 第1項の別紙3(ガバナンス基本計画)の変更又は第2項若しくは第3項のガバナンス実施計画書の変更が事業者の責めに帰すべき事由により行われた場合には、特定事業契約に別段の定めがある場合を除き、これに伴う追加費用については事業者の負担とする。
6 第1項の別紙3(ガバナンス基本計画)の変更又は第2項若しくは第3項のガバナンス実施計画書の変更が県又は事業者の責めに帰すべき事由以外の事由により行われた場合には、特定事業契約に別段の定めがある場合を除き、事業者は、かかる変更に伴い自らに発生した全ての追加費用について、一時的な支払等を行うものとする。また、県及び事業者は、かかる変更に伴い事業者に発生した合理的な追加費用の最終的な負担方法について、合意が成立するまでの間、誠実に協議する。
7 第1項の別紙3(ガバナンス基本計画)の変更又は第2項若しくは第3項のガバナンス実施計画書の変更により事業者の費用が減少する場合には、当該費用相当額については県の帰属とする。
8 第1項の別紙3(ガバナンス基本計画)の変更又は第2項若しくは第3項のガバナンス実施計画書の変更は、書面をもって行う。
第28条 (事業終了時のモニタリング)
1 県及び事業者は、別紙3(ガバナンス基本計画)及びガバナンス実施計画書の定めに従って、事業期間の満了する日の5年前から、事業期間満了後の本事業に係る資産の取扱いについて、協議を行うものとする。
2 事業者は、事業期間の満了する日の1年前までに、本事業に係る施設及び設備の劣化等の状況並びに当該施設及び設備の保全のために必要となる資料の整備状況を、県に報告し、県の確認を受けるものとする。県及び事業者は、かかる確認内容に基づき、必要に応じて事業期間満了後の本事業に係る資産の取扱いについて協議する。
3 事業者は、要求水準を満たすよう、事業終了時までに、前2項の協議の結果を反映した修繕計画書に基づき本事業に係る施設及び設備の修繕を行うほか、必要となる資料を整備し、県の確認等を受ける。
4 事業者は、別紙3(ガバナンス基本計画)に定める書類を事業期間満了時に県に提出し、県の確認を受けるものとする。
第 4 章 設計・建設業務第 1 節 総則
第29条 (事業用地引渡計画の策定等)
1 県は、特定事業契約の締結後速やかに、事業用地その他設計図書において県が提供すべきことを明示した工事の施工上必要な用地(以下「事業用地等」という。)の引渡等に係る計画(以下「事業用地引渡計画」という。)を策定し、事業者に提示する。
2 事業者は、県から事業用地引渡計画を提示された後、合理的に可能な範囲で速やかに、事業用地引渡計画及び要求水準書等に従い、建設工事の実施体制、工事工程等の内容を含んだ計画(以下「建設工事計画」という。)を策定して県に提出し、県の確認を受けなければならない。県は、建設工事計画が事業用地引渡計画又は要求水準書等と一致していない場合には、事業者に対し補正を命ずることができる。
3 県は、事業用地引渡計画の修正が必要な場合には、事業用地引渡計画の変更を行い、変更後の事業用地引渡計画を事業者に提示する。なお、事業用地引渡計画の変更は1回に限らず、複数回行うことができる。
4 事業者は、前項の定めにより県から変更後の事業用地引渡計画を提示された場合、変更後の事業用地引渡計画の内容を踏まえ、必要に応じて建設工事計画を変更する。ただし、やむを得ない事由がある場合を除き、運営開始日が運営開始予定日より遅延する内容の建設工事計画の変更をすることはできない。
5 県による事業用地引渡計画の変更があり、事業者がやむを得ない事由により運営開始予定日までに本施設を県に引き渡すことができない場合、又は引き渡すことができないことが見込まれる場合(以下これらの事態を「事業用地引渡遅延に基づく本施設引渡遅延」という。)には、県及び事業者は、当該事業用地引渡遅延に基づく本施設引渡遅延に対応して本事業を継続するために必要となる特定事業契約又は要求水準書等に基づく権利義務の内容の変更及び追加費用の負担方法について協議する。
6 前項に定める協議の開始日から 14 日以内に協議が調わない場合には、県が当該事業用地引渡遅延に基づく本施設引渡遅延に対する対応方法を事業者に通知し、事業者は当該対応方法に従い本事業を継続する。この場合において、事業者に生じた追加費用のうち発生防止手段を事業者が講じることが合理的に期待できなかったと県が認める費用が発生した場合、県は、第 67 条(合意延長)第 1 項に定める合意延長とする方法又は県が当該費用を補償する方法のいずれか又はその両方により、当該追加費用を負担する。ただし、県は、当該追加費用のほか、いかなる場合においても事業用地引渡遅延に基づく本施設引渡遅延に基づき事業者に生じた損害・損失(逸失利益を含む。)を負担しない。
第30条 (工事総則)
1 県及び事業者は、特定事業契約に基づき、要求水準書等に従い、日本国の法令を遵守し、特定事業契約を履行しなければならない。
2 事業者は、特定事業契約の定めに従い設計・建設業務を実施し、要求水準書等に定める建設工事の施工のための設計を行った上で、当該設計に基づいて建設工事を特定事業契約冒頭第3の1に定める設計・建設期間内に完成し、本施設を県に引き渡すものとし、県は、その対価として設計・建設費の一部としてのサービス購入料の支払債務を負担する。
3 仮設、施工方法その他本施設を完成するために必要な一切の手段(以下「施工方法等」という。)については、特定事業契約に特別の定めがある場合を除き、事業者がその責任において定める。
第31条 (本施設の処分禁止)
事業者は、本施設(未完成の部分も含む。)を第三者に譲渡し、貸与し又は抵当権その他の担保の目的に供してはならない。
第32条 (関連工事の調整)
県は、本事業が県の発注に係る第三者の施工する他の工事及び本事業に関連してxx町の発注に係る第三者の施工する他の工事と施工上密接に関連する場合において、必要があるときは、その施工につき、調整を行う。この場合事業者は、県の調整に従い、当該第三者の行う工事の円滑な施工に協力しなければならない。
第33条 (契約の保証)
1 事業者は、特定事業契約の締結と同時に、次の各号のいずれかに掲げる保証を付し、設計・建設期間が終了するまでの間これを維持しなければならない。ただし、第5号の場合においては、履行保証保険契約の締結後、直ちにその保険証券を県に寄託しなければならない。
(1) 契約保証金の納付
(2) 契約保証金に代わる担保となる有価証券等の提供
(3) 特定事業契約による債務の不履行により生じる損害金の支払を保証する銀行、県が確実と認める金融機関の保証
(4) 特定事業契約による債務の履行を保証する公共工事履行保証証券による保証
(5) 特定事業契約による債務の不履行により生じる損害をてん補する履行保証保険契約の締結
2 前項の保証に係る契約保証金の額、保証金額又は保険金額(第5項において
「保証の額」という。)は、設計・建設費(消費税等を含まない。)の 10 分の1以上としなければならない。
3 事業者が第1項第3号から第5号までのいずれかに掲げる保証を付す場合は、当該保証は第 102 条(事業者事由による解除)第2項各号に規定する者による契約の解除の場合についても保証するものでなければならない。
4 第1項の規定により、事業者が同項第二号又は第三号に掲げる保証を付したときは、当該保証は契約保証金に代わる担保の提供として行われたものとし、同項第四号又は第五号に掲げる保証を付したときは、契約保証金の納付を免除する。
5 設計・建設費の変更があった場合には、保証の額が変更後の設計・建設費(消費税等を含まない。)の 10 分の1に達するまで、県は、保証の額の増額を請求することができ、事業者は、保証の額の減額を請求することができる。
第 2 節 設計
第34条 (設計)
1 事業者は、特定事業契約の締結後速やかに、建設工事計画及び要求水準書等に従い、設計業務を実施する。
2 事業者は、設計業務の着手時に、要求水準書等に従い、調査業務計画書、設計業務計画書その他の要求水準書等が定める書類を県に提出しなければならない。
3 事業者は、事前調査業務を完了したときは、要求水準書等に従い、調査結果を県に報告しなければならない。
4 事業者は、事業者が事前調査業務を実施した結果、土壌汚染、埋蔵文化財又は地中埋設物の存在若しくは地盤の状態について、要求水準書等で規定されていなかったこと又は規定されていた事項が事実と異なっていたことが判明した場合には、その旨を直ちに県に通知しなければならない。
5 土壌汚染、埋蔵文化財、地中埋設物又は地盤の状態に起因して発生する追加費用は、特定事業契約に別段の定めがある場合を除き、県がこれを負担する。ただし、要求水準書等に示した情報から合理的に判断できる範囲の土壌汚染、埋蔵文化財、地中埋設物又は地盤の状態に起因するものは除く。
6 事業者は、事前調査業務の不備に起因して発生する一切の責任及び追加費用を負担する。
7 事業者は、県に対し、要求水準書等に従い、一定期間において進捗した設計の内容その他の設計及びその関連業務の進捗状況に関し定期的に報告書を提出しなければならない。県は、設計の内容その他の設計及びその関連業務の進捗状況に関して、随時に、事業者に対して説明を求めることができ、報告書その他の関連資料の提出を求めることができる。
8 事業者は、要求水準書等に基づく本施設の設計及びその関連業務の完了後その他県が必要と認めた場合、速やかに、要求水準書等に従い、要求水準書等が定める様式及び内容の設計図書その他の要求水準書等が定める書類を県に提出して県の検査を受けなければならない。
9 県は、事業者から提出された設計図書が、法令、要求水準書等の規定に適合しないこと又は逸脱していることが判明した場合は、設計図書の受領後遅滞なく当該箇所及びその内容を示すとともに、相当の期間を定めてこれを是正するよう事業者に対して求めることができる。この場合、事業者は、速やかに設計図書の当該箇所を自らの費用負担で是正した設計図書を県に提出し、県の確認を受ける。
10 県は、事業者から提出された設計図書の検査の結果、適当と認めた場合は、この旨を事業者に通知する。
11 県は、設計図書の内容の検査結果の通知のみを理由として、事業者の業務の実施に関して何らの責任を負うものではない。
12 設計図書の是正を要する箇所が要求水準書等の明示的な記載に従ったものであることが認められる場合で、県の指示の不備・誤り、その他の県の責めに帰すべき理由による場合は、県は、当該是正に係る事業者の損害・損失を合理的な範囲で負担する。ただし、事業者が当該要求水準書等の記載が不適当であること又は県の指示に不備・誤りがあることを知りながら県に異議を述べなかった場合は、この限りではない。
第35条 (設計企業による業務実施及び一括再委託等の禁止)
1 事業者は、特定事業契約の定めに従い、設計業務の全部又は一部を設計企業に委託し又は請け負わせることができる。
2 事業者は、前項の定めにより設計業務を設計企業に委託し又は請け負わせるときは、当該業務の委託又は請負に係る契約の締結後速やかに当該契約書の写しを県に対し提出する。
3 事業者は、設計業務の設計企業への委託又は請負に関する一切の責任を負い、設計企業の責めに帰すべき事由は、全て事業者の責めに帰すべき事由とみなして事業者が責任を負う。
4 事業者は、設計企業が事業者から受託し又は請け負った設計業務の全部を一括して若しくはその主たる部分を、設計企業をして第三者に委託し又は請け負わせてはならない。
5 県は、設計企業が事業者から受託し又は請け負った業務の一部を第三者(以下
「下請負者等(設計業務)」という。)に委託し又は請け負わせた場合において、必要があると認めるときは、事業者に対して、下請負者等(設計業務)の名称、下請負者等(設計業務)との契約金額その他必要な事項の報告を請求することができる。
第 3 節 建設
第36条 (建設)
1 事業者は、建設工事計画、要求水準書等及び設計図書に従い建設業務を実施する。
2 事業者は、建設業務の着手時に、要求水準書等に従い、建設工事の実施体制、工事工程等の内容を含んだ施工計画書その他の要求水準書等が定める書類を県に提出しなければならない。
3 事業者は、建設企業との間で締結する建設請負契約において、建設企業が建設する本施設(事業者建設部分)の所有権が事業者に原始的に帰属する旨の特約を付す。
第37条 (建設企業による業務実施及び下請の制限等)
1 事業者は、特定事業契約の定めに従い、建設業務の全部又は一部を建設企業に委託し又は請け負わせることができる。
2 事業者は、前項の定めにより建設業務を建設企業に委託し又は請け負わせるときは、当該業務の委託又は請負に係る契約の締結後速やかに当該契約書の写しを県に対し提出する。
3 事業者は、建設業務の建設企業への委託又は請負に関する一切の責任を負い、建設企業の責めに帰すべき事由は、全て事業者の責めに帰すべき事由とみなして事業者が責任を負う。
4 事業者は、建設企業が事業者から受託し又は請け負った工事の全部若しくはその主たる部分又は他の部分から独立してその機能を発揮する工作物の工事を一括して、建設企業をして第三者に委任し又は請け負わせてはならない。
5 事業者は、建設企業が事業者から受託し又は請け負った工事の一部を、建設企業をして第三者に委任し又は請け負わせた場合において、当該第三者(当該工事が数次の契約によって行われるときは、後次の全ての契約に係る受任者又は請負人を含む。以下「下請負者等(建設業務)」といい、下請負者等(設計業務)及び下請負者等(建設業務)を以下「下請負者等」と総称する。)が工事の全部又はその主たる部分を一括して他の第三者に委任し又は請け負わせることのないようにしなければならない。
6 事業者は、建設企業又は下請負者等(建設業務)が第三者に委任し又は請け負わせようとするときは、建設企業又は下請負者等(建設業務)をして建設工事標準下請負契約約款その他これに準ずる書面により契約を締結し又は締結させるように努めなければならない。
7 県は、建設企業が事業者から受託し又は請け負った業務の一部を下請負者等
(建設業務)に委託し又は請け負わせた場合において、必要があると認めるときは、事業者に対して、下請負者等(建設業務)の名称、下請負者等(建設業務)との契約金額その他必要な事項の報告を請求することができる。
第38条 (下請負者等(建設業務)の健康保険等加入義務等)
1 事業者は、建設企業をして、次の各号に掲げる届出をしていない建設業者(建設業法第2条第3項に定める建設業者をいい、当該届出の義務がない者を除く。以下「社会保険等未加入建設業者」という。)を下請負者等(建設業務)とさせてはならない。
(1) 健康保険法第 48 条の規定による届出
(2) 厚生年金保険法第 27 条の規定による届出
(3) 雇用保険法第7条の規定による届出
2 前項の規定にかかわらず、事業者は、建設企業をして、次の各号に掲げる下請負者等(建設業務)の区分に応じて、当該各号に定める場合は、社会保険等未加入建設業者を下請負者等(建設業務)とさせることができる。
(1) 建設企業と直接下請契約を締結する下請負者等(建設業務)で次のいずれにも該当する場合
イ 当該社会保険等未加入建設業者を下請負者等(建設業務)としなければ工事の施工が困難となる場合その他の特別の事情があると県が認める場合
ロ 県の指定する期間内に当該社会保険等未加入建設業者が前項各号に掲げる届出をし、当該事実を確認することのできる書類(以下この項において「確認書類」という。)を、事業者が県に提出した場合
(2) 前号に掲げる下請負者等(建設業務)以外の下請負者等(建設業務)で次のいずれかに該当する場合
イ 当該社会保険等未加入建設業者を下請負者等(建設業務)としなければ工事の施工が困難となる場合その他の特別の事情があると県が認める場合
ロ 県の指定する期間内に、事業者が当該確認書類を県に提出した場合
3 事業者は、社会保険等未加入建設業者が前項第一号に掲げる下請負者等(建設業務)である場合において、同号イに定める特別の事情があると認められなかったとき又は同号ロに定める期間内に確認書類を提出しなかったときは、県の請求に基づき、違約罰として、建設企業が当該社会保険等未加入建設業者と締結した下請契約の最終の請負代金額の 10 分の1に相当する額を、県の指定する期間内に支払わなければならない。
4 事業者は、下請負者等(建設業務)が受任又は請負に係る工事の施工に際し、建設企業をして、建設業法その他関係法令を遵守するよう指導するとともに、下請負者等(建設業務)の育成に努めさせなければならない。
第39条 (近隣調整)
1 事業者は、建設工事の着工前に、あらかじめ県との調整を経た方法、時期及び内容にて、近隣住民及びxx町に対し事業計画(本事業の実施内容の概要に関する計画をいう。この条において以下同じ。)及び工事実施計画(本施設の配置、施工時期、施工方法等の計画をいう。)の説明その他の近隣調整を行い、近隣住民の理解を得るよう努める。県は、必要と認める場合には、事業者が行う近隣調整に協力する。
2 事業者は、県の承諾を得た場合を除き、近隣調整の不調を理由として事業計画の変更をすることはできない。
3 近隣調整の結果、建設工事の着工の遅延が見込まれる場合には、県及び事業者
は協議の上、建設工事の完成予定日(本施設の引渡予定日)を変更することができる。
4 近隣調整の実施に要する費用及び近隣調整の結果事業者に生じた費用については、事業者が負担する。ただし、県が設定した条件に直接起因する費用については、県が負担する。
5 前各項の規定にかかわらず、県が本施設の建設に関する近隣説明会、現場見学会、内覧会等を行う場合、事業者は、県の求めに応じて必要な協力を行わなければならない。
第40条 (監督職員)
1 県は、監督職員を定めたときは、その氏名を事業者に通知しなければならない。監督職員を変更したときも同様とする。
2 監督職員は、特定事業契約の他の条項に定めるもの及び特定事業契約に基づく県の権限とされる事項のうち県が必要と認めて監督職員に委任したもののほか、設計図書に定めるところにより、次に掲げる権限を有する。
(1) 特定事業契約の履行についての事業者又は事業者の現場代理人に対する指示、承諾又は協議
(2) 事業者が作成した詳細図等の承諾
(3) 設計図書に基づく工程の管理
3 県は、2名以上の監督職員を置き、前項の権限を分担させたときにあってはそれぞれの監督職員の有する権限の内容を、監督職員に特定事業契約に基づく県の権限の一部を委任したときにあっては当該委任した権限の内容を、事業者に通知しなければならない。
4 第2項の規定に基づく監督職員の指示又は承諾は、原則として、書面により行わなければならない。
第41条 (現場代理人)
事業者は、建設企業をして、建設業法の定めるところにより、現場代理人を配置させるとともに、設計業務の完了後速やかに、県の定めるところにより、その氏名その他必要な事項を県に通知しなければならない。現場代理人を変更したときも同様とする。
第42条 (工事関係者に関する措置請求)
1 県は、現場代理人がその職務の執行につき著しく不適当と認められるときは、事業者に対して、その理由を明示した書面により、必要な措置を講ずることを請求することができる。
2 県又は監督職員は、事業者が建設企業をして工事を施工するために使用してい
る下請負者等、労働者等で工事の施工又は管理につき著しく不適当と認められるものがあるときは、事業者に対して、その理由を明示した書面により、必要な措置を講ずることを請求することができる。
3 事業者は、前2項の規定による請求があったときは、当該請求に係る事項について決定し、その結果を、請求を受けた後速やかに県に通知しなければならない。
4 事業者は、監督職員がその職務の執行につき著しく不適当と認められるときは、県に対して、その理由を明示した書面により、必要な措置を講ずることを請求することができる。
5 県は、前項の規定による請求があったときは、当該請求に係る事項について決定し、その結果を、請求を受けた後速やかに事業者に通知しなければならない。
第43条 (事業用地の確保等)
1 県は、事業用地等を事業用地引渡計画において定められた日までに確保しなければならない。
2 事業者は、確保された事業用地等を善良な管理者の注意をもって管理しなければならない。
3 工事の完成、設計図書の変更等によって事業用地等が不用となった場合において、当該事業用地等に事業者が所有又は管理する工事材料、建設機械器具、仮設物その他の物件(下請負者等の所有又は管理するこれらの物件を含む。この条において以下同じ。)があるときは、事業者は、当該物件を撤去するとともに、当該事業用地等を修復し、取り片付けて、県に明け渡さなければならない。
4 前項の場合において、事業者が正当な理由なく、相当の期間内に当該物件を撤去せず又は事業用地等の修復若しくは取片付けを行わないときは、県は、事業者に代わって当該物件を処分し、事業用地等の修復若しくは取片付けを行うことができる。この場合においては、事業者は、県の処分又は修復若しくは取片付けについて異議を申し出ることができず、また、県の処分又は修復若しくは取片付けに要した費用を負担しなければならない。
5 第3項に規定する事業者のとるべき措置の期限、方法等については、県が事業者の意見を聴いて定める。
第44条 (設計図書不適合の場合の改造義務及び破壊検査等)
1 事業者は、工事の施工部分が設計図書に適合しない場合において、県がその改造を請求したときは、当該請求に従わなければならない。この場合において、当該不適合が県の指示によるときその他県の責めに帰すべき事由によるときは、県は、必要があると認められるときは設計・建設期間又は設計・建設費若しくはサービス購入料を変更し又は事業者に損害を及ぼしたときは必要な費用を負担し
なければならない。
2 県は、工事の施工部分が設計図書に適合しないと認められる相当の理由がある場合において、必要があると認められるときは、当該相当の理由を事業者に通知して、工事の施工部分を最小限度破壊して検査することができる。
3 前項の場合において、検査及び復旧に直接要する費用は事業者の負担とする。
第45条 (設計図書の変更)
県は、必要があると認めるときは、設計図書の変更内容を事業者に通知して、事業者に設計図書を変更させることができる。この場合において、県は、必要があると認められるときは設計・建設期間又は設計・建設費若しくはサービス購入料を変更し又は事業者に損害を及ぼしたときは必要な費用を負担しなければならない。
第46条 (工事の中止)
1 事業用地等の確保ができない等のため又は不可抗力であって事業者、設計・建設企業又は下請負者等の責めに帰すことができないものにより工事目的物等に損害を生じ若しくは工事現場の状態が変動したため、事業者が工事を施工できないと認められるときは、県は、工事の中止内容を直ちに事業者に通知して、工事の全部又は一部の施工を一時中止させなければならない。
2 県は、前項の規定によるほか、必要があると認めるときは、工事の中止内容を事業者に通知して、工事の全部又は一部の施工を一時中止させることができる。
3 県は、前2項の規定により工事の施工を一時中止させた場合において、必要があると認められるときは設計・建設期間若しくは設計・建設費又はサービス購入料を変更し、又は事業者が工事の続行に備え工事現場を維持し若しくは労働者、建設機械器具等を保持するための費用その他の工事の施工の一時中止に伴う追加費用を必要とし若しくは事業者に損害を及ぼしたときは必要な費用を負担しなければならない。
第47条 (事業者の請求による設計・建設期間の延長)
1 事業者は、事業者、設計・建設企業及び下請負者等の責めに帰すことができない事由により設計・建設期間内に工事を完成することができないとき(ただし、事業用地引渡遅延に基づく本施設引渡遅延を除く。)は、その理由を明示した書面により、県に設計・建設期間の延長変更を請求することができる。
2 県は、前項の規定による請求があった場合において、必要があると認められるときは、設計・建設期間を延長しなければならない。県は、その設計・建設期間の延長が県の責めに帰すべき事由による場合においては、設計・建設費若しくはサービス購入料について必要と認められる変更を行い又は事業者に損害を及ぼし
たときは必要な費用を負担しなければならない。
第48条 (設計・建設期間の変更方法)
1 特定事業契約の規定による設計・建設期間の変更については、県と事業者とが協議して定める。ただし、協議開始の日から 14 日以内に協議が調わない場合には、県が定め、事業者に通知する。
2 前項の協議開始の日については、県が事業者の意見を聴いて定め、事業者に通知する。ただし、県が設計・建設期間の変更事由が生じた日(第 47 条(事業者の請求による設計・建設期間の延長)の場合にあっては、県が設計・建設期間の変更の請求を受けた日)から7日以内に協議開始の日を通知しない場合には、事業者は、協議開始の日を定め、県に通知することができる。
第49条 (設計・建設費又はサービス購入料の変更方法等)
1 特定事業契約の規定による設計・建設費又はサービス購入料の変更については、県と事業者とが協議して定める。ただし、協議開始の日から 14 日以内に協議が調わない場合には、県が定め、事業者に通知する。
2 前項の協議開始の日については、県が事業者の意見を聴いて定め、事業者に通知する。ただし、設計・建設費又はサービス購入料の変更事由が生じた日から7日以内に協議開始の日を通知しない場合には、事業者は、協議開始の日を定め、県に通知することができる。
3 特定事業契約の規定により、事業者に生じた追加費用又は損害を県が負担する場合の必要な負担額については、県と事業者とが協議して定める。
第50条 (賃金又は物価の変動に基づく設計・建設費の変更又は費用の負担)
1 県又は事業者は、設計・建設期間内で特定事業契約締結の日から 12 ヶ月を経過した後に日本国内における賃金水準又は物価水準の変動により設計・建設費又はサービス購入料が不適当となったと認めたときは、相手方に対して設計・建設費の変更又は費用の負担を請求することができる。
2 県又は事業者は、前項の規定による請求があったときは、変動前残工事代金額
(設計・建設費から当該請求時の出来形部分に相応する設計・建設費を控除した額をいう。この条において以下同じ。)と変動後残工事代金額(変動後の賃金又は物価を基礎として算出した変動前残工事代金額に相応する額をいう。この条において以下同じ。)との差額のうち変動前残工事代金額の 1000 分の 15 を超える額につき、設計・建設費の変更又は費用の負担に応じなければならない。
3 変動前残工事代金額及び変動後残工事代金額は、国土交通省総合政策局情報管理部建設調査統計課「建設工事費デフレーター」に基づき県と事業者とが協議して定める。ただし、協議開始の日から 14 日以内に協議が整わない場合にあって
は、県が定め、事業者に通知する。
4 第1項の規定による請求は、この条の規定により設計・建設費の変更又は費用の負担を行った後再度行うことができる。この場合において、同項中「特定事業契約締結の日」とあるのは、「直前のこの条に基づく設計・建設費の変更又は費用の負担の基準とした日」とするものとする。
5 特別な要因により設計・建設期間内に主要な工事材料の日本国内における価格に著しい変動を生じ、設計・建設費又はサービス購入料が不適当となったときは、県又は事業者は、前各項の規定によるほか、設計・建設費の変更又は費用の負担を請求することができる。
6 予期することができない特別の事情により、設計・建設期間内に日本国内において急激なインフレーション又はデフレーションを生じ、設計・建設費又はサービス購入料が著しく不適当となったときは、県又は事業者は、前各項の規定にかかわらず、設計・建設費の変更又は費用の負担を請求することができる。
7 前2項の場合において、設計・建設費の変更額又は費用の負担額については、県と事業者とが協議して定める。ただし、協議開始の日から 14 日以内に協議が整わない場合にあっては、県が定め、事業者に通知する。
8 第3項及び前項の協議開始の日については、県が事業者の意見を聴いて定め、事業者に通知するものとする。ただし、県が第1項、第5項又は第6項の請求を行った日又は受けた日から7日以内に協議開始の日を通知しない場合には、事業者は、協議開始の日を定め、県に通知することができる。
9 事業者は、この条に基づき設計・建設費の変更若しくは費用の負担を県に請求する場合、当該請求の理由を疎明の上県が求める情報を提供しなければならない。県から当該請求を受けた場合も同様とする。
第51条 (臨機の措置)
1 事業者は、災害防止等のため必要があると認めるときは、臨機の措置を講じなければならない。この場合において、必要があると認めるときは、事業者は、あらかじめ県の意見を聴かなければならない。ただし、緊急やむを得ない事情があるときは、この限りでない。
2 前項の場合においては、事業者は、そのとった措置の内容を県に直ちに通知しなければならない。
3 県は、災害防止その他本事業の実施上特に必要があると認めるときは、事業者に対して臨機の措置をとることを請求することができる。
4 事業者が第1項又は前項の規定により臨機の措置を講じた場合において、当該措置に要した費用のうち、事業者が設計・建設費又はサービス購入料の範囲において負担することが適当でないと認められる部分については、県が負担する。
第52条 (一般的損害)
本施設の引渡前に、本施設又は工事材料について生じた損害その他工事の施工に関して生じた損害(次条(第三者に及ぼした損害)第1項又は第2項に規定する損害を除く。)については、事業者がその費用を負担する。ただし、その損害
(第 58 条(建設工事保険等)第1項の規定により付された保険等によりてん補された部分を除く。)のうち県の責めに帰すべき事由により生じたものについては、県が負担する。
第53条 (第三者に及ぼした損害)
1 工事の施工について第三者に損害を及ぼしたときは、事業者がその損害を賠償しなければならない。ただし、その損害(第 58 条(建設工事保険等)第1項の規定により付された保険等によりてん補された部分を除く。この条において以下同じ。)のうち県の責めに帰すべき事由により生じたものについては、県が負担する。
2 前項の規定にかかわらず、工事の施工に伴い通常避けることができない騒音、振動、地盤沈下、地下水の断絶等の理由により第三者に損害を及ぼしたときは、事業者がその損害を負担しなければならない。
3 前2項の場合その他工事の施工について第三者との間に紛争を生じた場合においては、県及び事業者は協力してその処理解決に当たる。
第54条 (設計・建設費又はサービス購入料の変更に代える設計図書の変更)
1 県は、特定事業契約の規定により設計・建設費若しくはサービス購入料を増額すべき場合又は費用を負担すべき場合において、特別の理由があるときは、設計・建設費若しくはサービス購入料の増額又は負担額の全部又は一部に代えて設計図書を事業者に変更させることができる。この場合において、設計図書の変更内容は、県と事業者とが協議して定める。ただし、協議開始の日から 14 日以内に協議が調わない場合には、県が定め、事業者に通知する。
2 前項の協議開始の日については、県が事業者の意見を聴いて定め、事業者に通知しなければならない。ただし、県が前項の設計・建設費若しくはサービス購入料を増額すべき事由又は費用を負担すべき事由が生じた日から7日以内に協議開始の日を通知しない場合には、事業者は、協議開始の日を定め、県に通知することができる。
第55条 (中間検査)
1 県は、工事の適正な技術的施工を確保するため必要があると認めるときは、中間検査を行うことができる。
2 県は、前項の検査にあたり必要があると認められるときは、工事の施工部分を
最小限度破壊して検査することができる。
3 前2項の場合において、検査又は復旧に直接要する費用は、事業者の負担とする。
第 4 節 工事監理
第56条 (工事監理)
1 事業者は、要求水準書等及び設計図書に従い工事監理業務を実施する。事業者は、工事監理業務の全部又は一部を工事監理企業に委託し又は請け負わせることができる。
2 事業者は、工事監理業務の着手時に、要求水準書等に従い、工事監理計画書その他の要求水準書等が定める書類を県に提出しなければならない。
3 事業者は、建設工事の工事監理者については、建設工事の着手時に、建築基準法及び建築士法に規定される工事監理者を配置し、その氏名、保有資格等必要な事項を県に通知する。工事監理者が建設企業と同一法人に所属する場合には、工事監理部門は工事請負部門と独立した職務遂行系統であることを要する。
4 事業者は、工事監理者に、要求性能確認計画書に基づき建設工事を監理させ、要求水準書等に従い報告書を県に対して定期的に提出させなければならない。事業者は、県が要請したときは、工事監理者に、工事施工の事前説明及び事後報告、工事現場での施工状況の説明を随時行わせる。
5 事業者は、県直接発注工事(公園)の工事監理者については、県直接発注工事
(公園)の着手時に、要求水準書等に規定される工事監理者を配置し、その氏名、保有資格等必要な事項を県に通知する。
6 事業者は、工事監理者に、要求性能確認計画書に基づき県直接発注工事(公園)を監理させ、要求水準書等に従い報告書を県に対して定期的に提出させなければならない。事業者は、県が要請したときは、工事監理者に、県直接発注工事
(公園)の施工に係る事前説明及び事後報告、工事現場での施工状況の説明を随時行わせる。
第57条 (県直接発注工事(公園)に係る損害)
工事監理業務に関して生じた損害については、事業者がその費用を負担する。ただし、その損害のうち県又は県直接発注工事(公園)企業の責めに帰すべき事由により生じたものについては、県が負担する。
第 5 節 雑則
第58条 (建設工事保険等)
1 事業者は、建設業務に関して、建設企業をして、本施設(事業者建設部分)及び工事材料等を要求水準書等に定めるところにより建設工事保険その他の保険に付さなければならない。
2 事業者は、前項の規定により建設企業が保険契約を締結した場合には、その証券又はこれに代わるものを直ちに県に提示しなければならない。
3 事業者は、本施設(事業者建設部分)及び工事材料等を第1項の規定による保険以外の保険に付したときは、直ちにその内容を県に通知しなければならない。
第 6 節 本施設の完成及び引渡し第59条 (公園(平場)の引渡し)
1 県は、公園(平場)の工事が完成したときは、その旨及び公園(平場)の引渡しを事業者に通知しなければならない。
2 県は、運営開始予定日までに、公園(平場)を事業者に引き渡すものとし、事業者は、県から指定された日をもって公園(平場)の引渡しを受けなければならない。
第60条 (契約不適合責任(県))
1 事業者は、引き渡された公園(平場)に係る工事目的物が種類又は品質に関して契約の内容に適合しないもの(以下「契約不適合」という。)であるときは、県に対し、目的物の修補又は代替物の引渡しによる履行の追完を請求することができる。ただし、その履行の追完に過分の費用を要するときは、事業者は履行の追完を請求することができない。
2 前項の場合において、県は、事業者に不相当な負担を課するものでないときは、事業者が請求した方法と異なる方法による履行の追完をすることができる。
3 第1項の場合において、事業者が相当の期間を定めて履行の追完の催告をし、その期間内に履行の追完がないときは、事業者は、その不適合の程度に応じて設計・建設費又はサービス購入料の増額を請求することができる。ただし、次の各号のいずれかに該当する場合は、催告をすることなく、直ちに設計・建設費又はサービス購入料の増額を請求することができる。
(1) 履行の追完が不能であるとき。
(2) 県が履行の追完を拒絶する意思を明確に表示したとき。
(3) 工事目的物の性質又は当事者の意思表示により、特定の日時又は一定の期
間内に履行しなければ契約をした目的を達することができない場合において、県が履行の追完をしないでその時期を経過したとき。
(4) 前3号に掲げる場合のほか、事業者がこの項の規定による催告をしても履行の追完を受ける見込みがないことが明らかであるとき。
4 事業者は、引き渡された工事目的物に関し、第 59 条(公園(平場)の引渡し)第2項の規定による引渡し(以下この条において単に「引渡し」という。)を受けた日から2年以内でなければ、契約不適合を理由とした履行の追完の請求、損害賠償の請求、設計・建設費若しくはサービス購入料の増額の請求又は契約の解除(以下この条において「請求等」という。)をすることができない。
5 前項の規定にかかわらず、設備機器本体等の契約不適合については、引渡しの時、事業者が検査して直ちにその履行の追完を請求しなければ、県は、その責任を負わない。ただし、当該検査において一般的な注意の下で発見できなかった契約不適合については、引渡しを受けた日から1年が経過する日まで請求等をすることができる。
6 前2項の請求等は、具体的な契約不適合の内容、請求する損害額の算定の根拠等当該請求等の根拠を示して、県の契約不適合責任を問う意思を明確に告げることで行う。
7 事業者が第4項又は第5項に規定する契約不適合に係る請求等が可能な期間
(以下この項及び第 10 項において「契約不適合責任期間」という。)の内に契約不適合を知り、その旨を県に通知した場合において、事業者が通知から1年が経過する日までに前項に規定する方法による請求等をしたときは、契約不適合責任期間の内に請求等をしたものとみなす。
8 事業者は、第4項又は第5項の請求等を行ったときは、当該請求等の根拠となる契約不適合に関し、民法の消滅時効の範囲で、当該請求等以外に必要と認められる請求等をすることができる。
9 前各項の規定は、契約不適合が県、県直接発注工事(公園)企業又は県直接発注工事(公園)に係る下請負者等の故意又は重過失により生じたものであるときには適用せず、契約不適合に関する県の責任については、民法の定めるところによる。
10 民法第 637 条第1項の規定は、契約不適合責任期間については適用しない。
11 事業者は、工事目的物の引渡しの際に契約不適合があることを知ったときは、第4項の規定にかかわらず、その旨を直ちに県に通知しなければ、当該契約不適合に関する請求等をすることはできない。ただし、県、県直接発注工事(公園)企業又は県直接発注工事(公園)に係る下請負者等がその契約不適合があることを知っていたときは、この限りでない。
12 本条に基づく県の責任は、いずれも、県直接発注工事(公園)企業が県との間の県直接発注工事(公園)に係る契約等に基づき県に対して責任を負う限度で、
県が事業者に対して責任を負うものとする。
第61条 (完了検査及び引渡し)
1 事業者は、工事が完成したときは、その旨及び本施設の引渡しを県に通知しなければならない。
2 県は、前項の規定による通知を受けたときは、通知を受けた後遅滞なく事業者の立会いの上、要求水準書等に定めるところにより、工事の完成を確認するための検査を完了しなければならない。この場合、県は、当該検査の結果を事業者に通知しなければならない。
3 県は、前項の検査によって工事の完成を確認した日をもって本施設の引渡しを受けなければならない。
4 事業者は、工事が第2項の検査に合格しないときは、直ちに修補して県の検査を受けなければならない。この場合においては、修補の完了を工事の完成とみなして前3項の規定を適用する。
5 県は、第2項及び前項の検査にあたり必要があると認めるときは、本施設を最小限度破壊して検査し又は事業者に本施設を最小限度破壊して検査させることができる。
6 第2項及び前2項の場合において、検査又は復旧に直接要する費用は、事業者の負担とする。
第62条 (部分使用)
1 県は、前条(完了検査及び引渡し)第3項の規定による引渡前においても、本施設の全部又は一部を事業者の承諾を得て使用することができる。この場合必要があるときは、県は、事業者の立会いの上当該使用部分の出来形を確認しなければならない。
2 前項の場合においては、県は、その使用部分を善良な管理者の注意をもって使用しなければならない。
3 県は、第1項の使用により事業者に損害を及ぼしたときは、必要な費用を負担しなければならない。
第63条 (大規模災害発生時における部分使用)
1 県は、第 61 条(完了検査及び引渡し)第3項の規定による引渡前において、愛知県又はその周辺地域において大規模災害が発生し、県内又は周辺自治体から応援要請を受けた場合は、本施設の全部又は一部を事業者に通知の上、使用することができる。この場合必要があるときは、県は、事業者の立会いの上当該使用部分の出来形を確認しなければならない。
2 前項の場合においては、県は、その使用部分を善良な管理者の注意をもって使
用しなければならない。
3 県は、第1項の使用により事業者に損害を及ぼしたときは、必要な費用を負担しなければならない。
第64条 (契約不適合責任(事業者))
1 県は、引き渡された工事目的物が契約不適合であるときは、事業者に対し、目的物の修補又は代替物の引渡しによる履行の追完を請求することができる。ただし、その履行の追完に過分の費用を要するときは、県は履行の追完を請求することができない。
2 前項の場合において、事業者は、県に不相当な負担を課するものでないときは、県が請求した方法と異なる方法による履行の追完をすることができる。
3 第1項の場合において、県が相当の期間を定めて履行の追完の催告をし、その期間内に履行の追完がないときは、県は、その不適合の程度に応じて設計・建設費又はサービス購入料の減額を請求することができる。ただし、次の各号のいずれかに該当する場合は、催告をすることなく、直ちに設計・建設費又はサービス購入料の減額を請求することができる。
(1) 履行の追完が不能であるとき。
(2) 事業者が履行の追完を拒絶する意思を明確に表示したとき。
(3) 工事目的物の性質又は当事者の意思表示により、特定の日時又は一定の期間内に履行しなければ契約をした目的を達することができない場合において、事業者が履行の追完をしないでその時期を経過したとき。
(4) 前3号に掲げる場合のほか、県がこの項の規定による催告をしても履行の追完を受ける見込みがないことが明らかであるとき。
4 県は、引き渡された工事目的物に関し、第 61 条(完了検査及び引渡し)第3項の規定による引渡し(以下この条において単に「引渡し」という。)を受けた日から2年以内でなければ、契約不適合を理由とした履行の追完の請求、損害賠償の請求、設計・建設費若しくはサービス購入料の減額の請求又は契約の解除(以下この条において「請求等」という。)をすることができない。
5 前項の規定にかかわらず、設備機器本体等の契約不適合については、引渡しの時、県が検査して直ちにその履行の追完を請求しなければ、事業者は、その責任を負わない。ただし、当該検査において一般的な注意の下で発見できなかった契約不適合については、引渡しを受けた日から1年が経過する日まで請求等をすることができる。
6 前2項の請求等は、具体的な契約不適合の内容、請求する損害額の算定の根拠等当該請求等の根拠を示して、事業者の契約不適合責任を問う意思を明確に告げることで行う。
7 県が第4項又は第5項に規定する契約不適合に係る請求等が可能な期間(以下
この項及び第 10 項において「契約不適合責任期間」という。)の内に契約不適合を知り、その旨を事業者に通知した場合において、県が通知から1年が経過する日までに前項に規定する方法による請求等をしたときは、契約不適合責任期間の内に請求等をしたものとみなす。
8 県は、第4項又は第5項の請求等を行ったときは、当該請求等の根拠となる契約不適合に関し、民法の消滅時効の範囲で、当該請求等以外に必要と認められる請求等をすることができる。
9 前各項の規定は、契約不適合が事業者、建設・設計企業又は下請負者等の故意又は重過失により生じたものであるときには適用せず、契約不適合に関する事業者の責任については、民法の定めるところによる。
10 民法第 637 条第1項の規定は、契約不適合責任期間については適用しない。
11 県は、工事目的物の引渡しの際に契約不適合があることを知ったときは、第4項の規定にかかわらず、その旨を直ちに事業者に通知しなければ、当該契約不適合に関する請求等をすることはできない。ただし、事業者、建設・設計企業又は下請負者等がその契約不適合があることを知っていたときは、この限りでない。
第 5 章 開業準備業務
第65条 (開業準備業務の実施)
事業者は、県と事業者が別途協議の上決定した日(施設設置管理条例が制定及び施行され、事業者が指定管理者として指定された日以降とする。)から運営開始日までの期間中、特定事業契約に別段の定めがある場合を除き、要求水準書等に定める条件に従い、自らの責任及び費用負担において、開業準備業務を実施しなければならない。
第 6 章 運営・維持管理業務
第 1 節 公共施設等運営権第66条 (公共施設等運営権の設定及び効力発生)
1 県は、次に掲げる条件の全部が成就することを停止条件として、本施設に、事業者が本施設に係る運営・維持管理業務を実施するための運営権を設定する。次に掲げる条件の全部が成就し運営権が設定された場合、県は、事業者に対し、運営権設定書を交付する。
(1) 第 61 条(完了検査及び引渡し)に従い、本施設(事業者建設部分)の設
計・建設業務が完了し、県が本施設の引渡しを受けて所有権を取得していること。
(2) 施設設置管理条例が制定及び施行されること。
(3) 運営権の設定に係る PFI 法第 19 条第4項に定める県の議会の議決を経ていること。
(4) 要求水準書等に基づき、運営・維持管理業務の開始に向けた手続が円滑に進捗していること。
2 本施設に設定された運営権は、運営開始予定日に効力を発生するものとする。ただし、次に掲げる条件の全部又は一部が満たされなかった場合(県が充足しないことを認めた条件を除く。)、県は運営権の効力発生を延期することができる
(この項に基づき運営権の効力が発生した日を以下「運営開始日」という。)。
(1) 第 16 条(事業者による許認可の取得等)に定める事業者が本事業の実施を開始するために必要となる許認可の取得、承継及び維持を行い又は届出及び報告を完了していること。
(2) 第 12 条(開業準備業務の実施に係る準備)に定める開業準備業務に係る計画書等が県に提出され、県の確認を受けていること。
(3) 第 13 条(運営・維持管理業務の実施に係る準備)に定める運営・維持管理業務に係る計画書等が県に提出され、県の確認を受けていること。
(4) 第 14 条(ガバナンス実施計画書)に定めるガバナンス実施計画書案が県に提出され、ガバナンス実施計画書につき県と事業者が合意していること。
(5) 第 15 条(必要な契約の締結)第1項又は第2項に従い、業務委託請負先との間で運営・維持管理業務に関する業務委託請負契約が締結され、当該契約書の写しが県に提出されていること。
(6) 第 90 条(事業者による誓約事項)に定める各書類が県に提出されていること。
(7) 第124 条(金融機関等との協議)に定める県と金融機関等との間の協定書が締結されていること。
(8) 基本協定書第3条(事業予定者の設立)第2項並びに第4条(株式の譲渡)第6項及び第7項に定める出資者保証書及び誓約書が県に提出されていること。
(9) 事業者に特定事業契約に対する重大な義務違反がないこと。
3 前2項の定めに従い運営権が設定され、その効力が発生した場合には、当該効力発生時点における本施設の運営等に関する権利及び責任は県から事業者に移転する。また、当該効力発生後直ちに、県は事業者に対して運営権の効力発生を証する書面を交付する。
4 運営権の存続期間は、運営開始日から特定事業契約冒頭第3の1に定める存続期間の満了日までとする。
5 事業者は、第1項に基づく運営権の設定後、自らの費用により、PFI 法第 27 条に基づく運営権の登録に必要な手続がある場合にはこれを行うものとし、県はこれに協力するものとする。
第67条 (合意延長)
1 事業者は、次の各号に掲げる事由が発生した場合、県に対して、運営権の存続期間の延長を申し出ることができる。
(1) 第 29 条(事業用地引渡計画の策定等)第6項に掲げる事由が発生した場合
(2) 第 74 条(拠点運用時の運営・維持管理業務等)第4項に掲げる事由が発生した場合
2 前項の事業者による申し出に関して、県が事業者に生じた損害・損失又は追加費用等を回収する上で必要があると認めたときは、県と事業者は、協議により両者が合意した日まで運営権の存続期間を延長することができる。この場合、当該延長後の期間の末日をもって、前条(公共施設等運営権の設定及び効力発生)第
4項の運営権の存続期間の満了日とする(以下、かかる期間延長を「合意延長」という。)。なお、合意延長の実施回数は 1 回に限られないが、運営権の存続期
間(前項により期間延長された場合を含む。)はいかなる理由によっても 2051 年
3 月 31 日を超えることはできない。
第68条 (県による運営権存続期間の延長)
1 県は、運営権の存続期間の満了日において拠点運用時の状態が継続していると見込まれるときは、当該拠点運用時の原因である大規模災害への緊急的な対応に必要最低限の範囲で運営権の存続期間を合理的に延長することができるものとし、事業者は県による当該延長に従うものとする。
2 前項により運営権の存続期間が延長された場合、当該延長後の期間の末日をもって、第 66 条(公共施設等運営権の設定及び効力発生)第4項の運営権の存続期間の満了日とする(以下、かかる期間延長を「県による運営権存続期間の延長」という。)。なお、前項に基づく県による運営権存続期間の延長の実施回数は 1 回に限られるものとし、運営権の存続期間(前項により期間延長された場合を含む。)はいかなる理由によっても2051 年3 月31 日を超えることはできない。
3 県は、第1項に基づく県による運営権存続期間の延長が実施された場合、当該延長に伴い事業者に発生する追加費用を負担するものとする。
第 2 節 指定管理
第69条 (指定管理者の指定)
1 県は、施設設置管理条例に基づき、事業者を本施設に係る指定管理者に指定し、本施設について施設設置管理条例に定める業務を行わせる。
2 事業者は、法令等及び特定事業契約の定めに従い、指定管理者としての業務を誠実かつ適正に執行しなければならない。
第 3 節 本施設
第70条 (本施設の引渡し)
1 事業者は、第 61 条(完了検査及び引渡し)に従い、運営開始予定日(運営開始日が運営開始予定日よりも遅延する場合は、運営開始日)までに、本施設を県に引き渡す。県は、当該引渡しと同日中に、事業者による運営・維持管理業務の実施のために、本施設を事業者に引き渡す。
2 事業者の責めに帰すべき事由により事業者が運営開始予定日までに本施設を県に引き渡すことができなかった場合、県は、特定事業契約に別段の定めがある場合を除き、設計・建設費(消費税等を含まない。)から出来形部分に相応する設計・建設費(消費税等を含まない。)を控除した額(1,000 円未満の端数金額及び 1,000 円未満の金額は切り捨てる。)につき、遅延日数に応じ、年 14.5 パーセントの割合で計算した額を損害金として賠償の請求をすることができる。この場合の計算方法は、年 365 日の日割計算とする。また、当該損害金に 100 円未満の端数があるとき、又は損害金が 100 円未満であるときは、その端数金額又はその損害金は徴収しないものとする。
3 第 1 項の規定にかかわらず、事業者が、運営開始予定日までに本施設の全部を県に引き渡すことができない場合において、本施設の一部のみ県に引き渡すことができるときは、県及び事業者は、事業者の県への本施設の一部引渡し及び事業者による当該一部施設の運営・維持管理業務の先行実施に係る必要な措置(特定事業契約又は要求水準書等に基づく権利義務の内容の変更を含むがこれらに限られない。)について協議することができるものとする。
第71条 (本施設の一部貸付)
県は、事業者に本施設の一部を占有して使用させるために必要と認める場合には、当該部分について、法令等の範囲内において、事業者に使用を許可し又は貸し付けることができる。
第 4 節 運営・維持管理業務の実施
第72条 (運営・維持管理業務の実施)
1 事業者は、運営・維持管理期間中、特定事業契約に別段の定めがある場合を除き、要求水準書等に定める条件に従い、自らの責任及び費用負担において、運営・維持管理業務を実施しなければならない。
2 事業者は、事業期間中、運営・維持管理業務の実施にあたり、指定管理者として本施設を管理し、本施設について、施設設置管理条例に定める業務を行う。
第73条 (運営・維持管理業務の実施に係る県の費用負担)
1 事業者による運営・維持管理業務に係る支出額に対する県の費用負担(本条及び別紙6(運営・維持管理業務に係る県の費用負担)に基づき県が負担する金額を以下「県費用負担額(運営・維持管理業務)」という。)の内容及びそれに係る手続については、別紙6(運営・維持管理業務に係る県の費用負担)に定めるところによる。
2 運営開始日が運営開始予定日より遅れた場合、前項に定める県費用負担額(運営・維持管理業務)は、別紙6(運営・維持管理業務に係る県の費用負担)の定めにかかわらず、運営開始日より県の負担が開始するものとする。なお、第 67 条
(合意延長)又は第 68 条(県による運営権存続期間の延長)の規定により、運営権の存続期間が延長された場合であっても、県費用負担額(運営・維持管理業務)の県の負担は、特定事業契約冒頭第3の1に定める延長前の存続期間の当初満了日をもって終了するものとするが、県及び事業者は、運営権の存続期間延長後の県費用負担額(運営・維持管理業務)の県の負担について協議するものとする。
第74条 (拠点運用時の運営・維持管理業務等)
1 拠点運用開始決定があった場合には、県は事業者に対して直ちに通知(以下この条において「拠点運用開始通知」という。)する。当該通知は原則として書面により行うものとするが、緊急を要するときは、県は、口頭、電話等により通知することができるものとし、この場合、県は後日速やかに事業者に対し拠点運用開始を記した書面を送付する。
2 事業者は、前項の規定による拠点運用開始通知を受けたときは、直ちに本施設の現況に関する調査を行った上で本施設の損害の有無等を確認し、その結果を県に通知しなければならない。
3 事業者は、拠点運用開始通知を県から受領した場合には、要求水準書等及び県の要請に従い、拠点運用時に係る必要な対応及び協力(事業者が所有する資産に
ついての県による一時的使用、締結している契約についての県による一時的承継その他の協力を含むがこれらに限られない。)を実施する。
4 県は、第 73 条(運営・維持管理業務の実施に係る県の費用負担)及び別紙6
(運営・維持管理業務に係る県の費用負担)に基づく県費用負担額(運営・維持管理業務)の支払いのほか、いかなる場合においても拠点運用に基づき事業者に生じた損害・損失(逸失利益を含む。)を負担しない。ただし、拠点運用に起因して事業者に生じた損害・損失のうち発生防止手段を事業者が講じることが合理的に期待できなかったと県が認める損害・損失が発生した場合、事業者は、第 67
条(合意延長)第 1 項に基づき、県に運営権の存続期間の延長を求めることができる。
5 拠点運用時の状態が2年以上継続することが見込まれるときは、県及び事業者は、当該事態に対応するための必要な措置(特定事業契約又は要求水準書等に基づく権利義務の内容の変更、損失の負担方法及び特定事業契約の合意解除等を含むがこれらに限られない。)について協議する。
6 拠点運用開始決定があった場合において、運営権の行使の停止が必要となったとき、その他 PFI 法第 29 条第1項に定める事由が生じたときは、同法第 29 条第
2項の規定に基づく聴聞を行った上で、同条第1項の規定に基づき、県の判断で、必要な期間、必要な範囲において運営権の行使の停止を命ずることができる。この場合、県は、当該停止した本事業を自ら又は県の指定する者をして行わせることができ、事業者は、県の要請に応じてかかる実施に協力(事業者が所有する資産についての県による一時的使用、締結している契約についての県による一時的承継その他の協力を含むがこれらに限られない。)するものとする。
7 前項の規定に基づき運営権の行使が停止された場合、県は、PFI 法第 27 条第1項の規定に基づき運営権登録令に定める手続きに従い、これを登録するとともに、当該停止が同法第 29 条第1項第2号に規定する事由によるときは、事業者に対して、同法第 30 条第1項の規定に基づいて通常生ずべき損失(ただし、損失については県と事業者で協議して定める。)を補償する責任を負う。
第75条 (本施設の追加投資)
1 事業者は、要求水準を充足する限り、事前に県の書面による承諾を得た上で、自らの責任及び費用負担により、本施設について、そのサービス向上及び収益性の改善・確保に資する追加投資(本施設、設備、什器・備品等の改修・更新及び追加等を含む。以下同じ。)を実施することができる。
2 事業者は、前項に定める追加投資を行った場合、追加投資の完了後速やかに、当該追加投資に関する情報を県に対して報告するとともに、必要に応じて県の立会確認を受けるものとする。
3 第1項に基づく追加投資の対象部分は、追加投資の完了後、当然に県の所有に
属するものとし、本施設に含まれ、かつ運営権の効果が及ぶものとする(ただし、法令等上、当該追加投資の対象部分に当初運営権が及ばないと解される場合には、県及び事業者は、協議の上、合意により、当該追加投資の対象部分への運営権の設定その他の当該追加投資の対象部分を本事業のために使用するために合理的に必要な措置を講ずる。)。
4 県は、必要と認める場合は、事業者に対して、第2項の報告に加え、県公有財産台帳等に記載するために必要な情報を追加的に開示するよう求めることができ、事業者はこれに従わなければならない。
第76条 (県による本施設の追加投資)
1 県は、必要と判断した場合は、自らの責任及び費用負担により本施設に係る追加投資を行うことができ、事業者はかかる追加投資に最大限協力しなければならない。なお、当該追加投資の対象部分は、当然に本施設に含まれ、かつ運営権の効果が及ぶものとする(ただし、法令等上、当該追加投資の対象部分に当初運営権が及ばないと解される場合には、県及び事業者は、協議の上、合意により、当該追加投資の対象部分への運営権の設定その他の当該追加投資の対象部分を本事業のために使用するために合理的に必要な措置を講ずる。)。
2 県は、前項の規定による追加投資を行う場合は、事前に事業者の了解を得るものとする。
3 第1項に基づき行われる追加投資の内容が、事業者に著しい追加費用若しくは業務の増加又は損害が発生する場合、又は第1項に基づき行われる追加投資により事業者の利用料金収入が増加することが見込まれる場合には、事前に県と事業者が協議し、合意した上で実施する。この際、県は、必要と認める場合には、協議により特定事業契約の変更を行うことができる。
第77条 (事業者の保有資産等の追加投資)
1 事業者は、要求水準を充足する限り、事前に県の書面による承諾を得た上で、自らの責任及び費用負担により、本事業の実施のために自らが保有する資産等
(什器・備品等を含む。以下同じ。)について、新規投資、改修及び追加投資を実施することができる。
2 事業者は、前項の規定に基づき、保有資産等の新規投資、改修又は追加投資を行う場合は、事前に、当該新規投資、改修又は追加投資に関する情報(新規投資、改修又は追加投資の内容・費用等)を県に対して通知する。
3 第1項に基づき事業者が新規投資、改修又は追加投資を行った保有資産等は、事業者の所有物とする。
4 事業者は、保有資産等に含まれる設備又は什器・備品の利用料金を定めるにあたっては、本施設に含まれる設備及び什器・備品に係る利用料金と不合理な差異
が生じることがないよう配慮するものとする。
5 第1項の場合において県が請求した場合、事業者は、自ら、当該保有資産等の完成・購入前までに、当該保有資産等について県を予約完結権者とする売買の一方の予約契約を締結する(同契約における当該保有資産等の売買価格は時価とする。)とともに、県が求める場合には、事業者の費用負担において、県が第三者への対抗要件を具備するために必要な登記その他の措置を講じるものとする。
第78条 (中・長期修繕計画書に基づく修繕業務)
1 事業者は、運営・維持管理業務のうち、修繕業務の対象範囲や想定時期、想定業務規模等、及び費用分担を示すものとして、要求水準書及び事業提案書に従い、中・長期修繕計画の案を作成する。
2 県及び事業者は、前項に基づき事業者が作成した中・長期修繕計画の案について協議の上、合意により、中・長期修繕計画を定めるものとする。
3 事業者は、入札説明書等及び要求水準書並びに前2項に定める中・長期修繕計画に従って、修繕業務を行うものとする。
4 修繕業務の費用の負担は、中・長期修繕計画に定めるところによる。ただし、中・長期修繕計画に定めがないものは、次条(大規模修繕)に定める場合を除き、事業者の負担とする。
第79条 (大規模修繕)
1 県は、事業者と協議して合意により定めた中・長期修繕計画を参考に、本施設について、県が使用状況等を踏まえ、妥当であると判断した場合、事業者に通知の上、劣化した建物や設備及び外構を所期の状態に回復させるための大規模修繕を実施することができる。大規模修繕の実施時期及び期間は、県及び事業者の協議により決定される。
2 大規模修繕を実施する場合、県がその費用を負担するが、大規模修繕期間中の休館に伴う事業者への営業補償義務を負担しない。
第80条 (設備、什器・備品等の調達及び保守管理)
事業者は、要求水準書及び事業提案書に従い、設備、什器・備品等の調達及び保守管理を行うものとする。
第81条 (運営・維持管理業務の業務計画書)
1 事業者は、要求水準書に従い、運営・維持管理業務に関し、運営・維持管理業務の開始日から事業期間終了までの業務計画書、及び各事業年度の年度業務計画書を作成して県に提出し、県の確認を得なければならない。
2 事業者は、前項に定める業務計画書又は年度業務計画書の内容を変更するとき
は、事前に変更内容を県に説明し、かつ、変更後の業務計画書又は年度業務計画書を県に提出し、県の承諾を得なければならない。
3 事業者は、前2項に定める業務計画書及び年度業務計画書に従って、運営・維持管理業務を実施しなければならない。
第82条 (運営・維持管理業務の業務報告書)
事業者は、運営・維持管理業務の履行状況等について、要求水準書に従い、業務報告書を県に提出しなければならない。
第83条 (物価変動に基づく協議)
県又は事業者は、運営・維持管理期間内で特定事業契約締結の日から 12 ヶ月を経過した後に日本国内における賃金水準又は物価水準の変動により運営・維持管理業務に係る費用が不適当となったと認めたときは、相手方に対して費用の負担についての協議を請求することができる。
第 7 章 連携業務等
第84条 (連携業務)
事業者は、任意事業実施企業が任意事業を実施する場合、本事業と当該任意事業の相乗効果が発揮されるよう、要求水準書等に規定された条件に従って、任意事業実施企業と連携しなければならない。
第85条 (事業者が任意で行う事業)
1 事業者は、事業提案書において事業者が行うものとして記載された任意事業の実施について、法令等及び要求水準書等を遵守して、当該任意事業を行うことを誠実に検討するものとし、県は関係機関との調整等について協力するものとする。
2 事業者は、前項に基づく任意事業に係る一切の責任及び費用を負担し、また当該任意事業により得られた収入を収受することができるものとする。
3 県及び事業者は、第1項に基づく任意事業の実施に関し、事業内容が確定後速やかに、大要別紙7(任意事業の実施に関する協定(任意事業協定)の概要)に定める内容にて任意事業協定を締結するものとする。
第 8 章 設計・建設費及びサービス購入料[並びに運営権対価]
【[]内の文言は、事業者から運営権対価についての提案がなされた場合に規定し、当該提案がなされない場合は削除する。】
第86条 (設計・建設費及びサービス購入料)
1 事業者は、設計業務の履行にあたり、図面や各種計算書、工事費内訳書等を県に提出し確認を得なければならない。県及び事業者は、設計業務終了時に、本事業における設計・建設費をその内訳とともに別途書面にて合意する。
2 県は、完了検査により工事の完成を確認し事業者から本施設の引渡しを受けたときは、事業者に対し、適法な請求書を受領した日から 40 日以内に、設計・建設費の一部として、特定事業契約冒頭第3の2(1)に定めるサービス購入料及びこれに係る消費税等[から第 88 条(運営権対価)第 2 項に基づく相殺額を控除した後の残高]を一括して支払う。【[]内の文言は、事業者から運営権対価についての提案がなされた場合に規定し、当該提案がなされない場合は削除する。】
3 前項の規定にかかわらず、事業者は、本施設の引渡し前に、特定事業契約冒頭第3の2(1)に定めるサービス購入料及びこれに係る消費税等のうち、請求時の出来形に相応する費用(以下「出来形部分」という。)(対価の一部支払後の残額は支払留保分とする。)について、一部支払を請求することができる。ただし、事業者は、一部支払の請求をする場合、この請求を必ず各年度末に行うものとし、そのほか各年度内において2回を上限とし行うことができるものとする
4 事業者は、特定事業契約冒頭第3の2(1)に定めるサービス購入料及びこれに係る消費税等について一部支払を請求しようとするときは、あらかじめ、当該請求に係る出来形部分の確認を県に請求しなければならない。
5 県は、前項の場合において、当該請求を受けた日から14日以内に、事業者の立会いの上、前項の確認を行い、当該確認の結果を特定事業者に通知しなければならない。この場合において、県は、必要があると認めるときは、その理由を事業者に通知して、出来形部分を最小限度破壊して確認することができる。なお、県は、本項による確認を行ったことを理由として、設計・建設業務の全部又は一部について何らの責任を負担するものではない。
6 前項の場合において、確認又は復旧に直接要する費用は、事業者の負担とする。
7 事業者は、第5項第1文の規定による通知があったときは、特定事業契約冒頭第3の2(1)に定めるサービス購入料及びこれに係る消費税等の一部支払を請求することができる。この場合においては、県は、当該請求を受けた日から30日以内に一部支払金を支払わなければならない。
8 前項の規定により一部支払金の支払があった後、再度のサービス購入料及びこれに係る消費税等の一部支払の請求をする場合においては、その支払額は、特定事業契約冒頭第3の2(1)に定めるサービス購入料及びこれに係る消費税等の
額から、既に一部支払した額を控除した額とする。[また、一部支払の合計額は、特定事業契約冒頭第3の2(1)に定めるサービス購入料及びこれに係る消費税等から第 88 条(運営権対価)第1項に基づく運営権対価相当額を控除した後の残高を超えることはできない。]【[]内の文言は、事業者から運営権対価についての提案がなされた場合に規定し、当該提案がなされない場合は削除する。】
第87条 (債務負担行為に係る契約の特則)
1 債務負担行為に係る契約において、各会計年度における特定事業契約冒頭第3の2(1)に定めるサービス購入料及びこれに係る消費税等の支払の限度額は、各年度における歳出予算の範囲内とする。
2 県は、予算上の都合その他必要があるときは、前項の支払の限度額の変更を事業者に対して請求することができるものとし、県は、事業者と協議を行ったうえで、前項の支払の限度額を変更できるものとする。
3 事業者は、前会計年度において前条第3項及び第8項の規定により請求することができる額が、前会計年度において第1項に規定する支払の限度額を超えた場合においては、当該会計年度の当初に当該超過額について、県と協議を行ったうえで、前条第3項ただし書にかかわらず対価の一部支払を請求することができる。この場合においては、県は、当該請求を受けた日から30日以内に一部支払金を支払わなければならない。
4 事業者は、前項の一部支払について、当該会計年度の予算の執行が可能となる時期以前に請求することはできない。
【事業者から運営権対価についての提案がなされた場合は、以下に掲げる条項を規定し、当該提案がなされない場合は以下の条項は削除する。】
第88条 (運営権対価)
1 事業者は、第 66 条(公共施設等運営権の設定及び効力発生)第1項の定めに基づき運営権の設定を受けた場合、県に対して、事業提案書に基づく運営権対価の支払義務を負担する。
2 県は、前項に基づいて取得する運営権対価に係る金銭債権と、運営権の設定時点で県が事業者に対して有する特定事業契約冒頭第3の2(1)に定めるサービス購入料及びこれに係る消費税等の金銭債務を、運営権の設定日において、対当額で相殺する。
3 前項に定めるほか、県及び事業者は、特定事業契約その他県と事業者の間で締結された契約に基づいて生じた相手方に対する債権及び債務を、法令の範囲内において、対当額の範囲で相殺することができる。
4 県及び事業者は、特定事業契約に基づき生ずる権利又は義務を相手方の事前の承諾なく第三者に譲渡し又は承継させることその他相手方の相殺権を害する行為
を行ってはならない。
第 9 章 表明保証及び誓約
第89条 (事業者による表明及び保証)
1 事業者は、特定事業契約の締結日現在において、県に対して次の各号の事実を表明し、保証する。
(1) 事業者は、会社法に基づき適式、有効かつ適法に設立され、存続する株式会社であること。
(2) 事業者は、特定事業契約を締結し、履行する完全な能力を有し、特定事業契約上の事業者の義務は、法的に有効かつ拘束力ある義務であり、事業者に対して強制執行可能であること。
(3) 事業者が特定事業契約を締結し、これを履行することにつき、日本国の法令及び事業者の定款、取締役会規則その他の社内規則上要求されている授権その他一切の手続を履践していること。
(4) 本事業を実施するために必要な事業者の能力又は特定事業契約上の義務を履行するために必要な事業者の能力に重大な悪影響を及ぼしうる訴訟、請求、仲裁又は調査は、事業者に対して係属しておらず、事業者の知る限りにおいてその見込みもないこと。
(5) 特定事業契約の締結及び特定事業契約に基づく義務の履行は、事業者に対して適用される全ての法令等に違反せず、事業者が当事者であり、若しくは事業者が拘束される契約その他の合意に違反せず又は事業者に適用される判決、決定若しくは命令の条項に違反しないこと。
(6) 事業者の定款の目的が本事業の遂行に限定されていること。
(7) 事業者の資本金と資本準備金の合計額は●円であること。
(8) 事業者の定款に、会社法第 326 条第2項に定める取締役会、監査役会及び会計監査人に関する定めがあること。
(9) 事業者の定款に、各暦年の4月1日に始まり、翌年の3月 31 日に終了する
1年間(事業者の設立日を含む年度にあたっては、設立日から次に到来する
3月 31 日までの期間)を事業年度とする定めがあること。
(10) PFI 法第9条各号に規定する欠格事由に該当しないこと。
第90条 (事業者による誓約事項)
1 事業者は、特定事業契約の締結後速やかに(契約書については当該契約書の調印後速やかに)次の各号に掲げる各書類の写しを県に対して提出し、特定事業契約締結後事業期間が終了するまでの間、事業者について次の各号に掲げる各書類
の記載内容が変更された場合、変更後の書類の写しを県に提出しなければならない。
(1) 定款
(2) 履歴事項全部証明書
(3) 印鑑証明書
(4) 本事業に関して、事業者に融資等を行う金融機関等との間の次に掲げる契約書
イ 本事業に関する事業者に対する融資等に係る契約書
ロ 事業者が保有する資産及び事業者の発行済株式に対する担保権設定に係る契約書
ハ 特定事業契約その他県と事業者の間で締結された契約に基づく事業者の契約上の地位及び権利に対する担保権設定に係る契約書
2 事業者は、特定事業契約締結後事業期間が終了するまでの間、法令等及び特定事業契約の定めを遵守するほか、次に掲げる事項を遵守しなければならない。
(1) 事業者は、会社法に基づき設立された株式会社として存続すること。
(2) 事業者は、特定事業契約を締結し履行する完全な能力を有し、特定事業契約上の事業者の義務が法的に有効かつ拘束力ある義務であって事業者に対して強制執行可能な義務として負担すること。
(3) 事業者が特定事業契約を締結し履行することにつき、日本国の法令及び事業者の定款、取締役会規則その他の社内規則上要求されている授権その他一切の手続を履践すること。
(4) 特定事業契約の締結及び特定事業契約に基づく義務の履行が、事業者に対して適用される全ての法令等に違反せず、事業者が当事者であり若しくは事業者が拘束される契約その他の合意に違反せず又は事業者に適用される判決、決定若しくは命令の条項に違反しないようにすること。
(5) 事業者の定款の目的を、本事業の遂行に限定すること。
(6) 事業者は、県の事前の書面による承諾がある場合を除き、資本金及び資本準備金の合計額を●円以上に維持すること。
(7) 事業者の定款に、会社法第 326 条第2項に定める取締役会、監査役会及び会計監査人に関する定めを置くこと。
(8) 事業者の定款に、各暦年の4月1日に始まり、翌年の3月 31 日に終了する
1年間(事業者の設立日を含む年度にあたっては、設立日から次に到来する
3月 31 日までの期間)を事業年度とする定めを置くこと。
3 事業者は、特定事業契約締結後事業期間が終了するまでの間、県の事前の書面による承諾なくして、次に掲げる行為を行ってはならない。
(1) 合併、株式交換、株式移転、会社分割、事業譲渡、解散その他会社の基礎の変更
(2) 議決権付株式の発行
(3) 定款記載の目的の変更及び当該目的の範囲外の行為
第91条 (事業者の株式)
1 事業者が議決権付株式又は完全無議決権株式を発行する場合、当該株式の発行を受ける者及びその譲受人は、時期を問わず、いずれも次に掲げる全ての条件を満たさなければならない。ただし、次に掲げる全ての条件を満たす者への譲渡後に、譲受人が地方自治法施行令第 167 条の4第2項の規定に該当することとなった場合は、この限りでない。
(1) 地方自治法施行令第 167 条の4の規定に該当しない者であること。
(2) 「愛知県が行う事務及び事業からの暴力団排除に関する合意書」(平成 24年6月 29 日付け愛知県知事等・愛知県警察本部長締結)及び「愛知県が行う調達契約からの暴力団排除に関する事務取扱要領」に基づく排除措置を受けていない者であること。
(3) 会社更生法第 17 条の規定による更生手続開始の申立てがなされていない者又は民事再生法第 21 条の規定による再生手続開始の申立てがなされていない者であること。
(4) PFI 法第9条に定める各号に規定する欠格事由に該当しないこと。
2 事業者は、前項及び法令等の規定に従い、時期を問わず、完全無議決権株式を発行し、これを割り当てることができる。事業者は、かかる割当てを受けた者から、基本協定書別紙1(出資者保証書の様式)又は別紙2(誓約書の様式)の様式及び内容の出資者保証書又は誓約書を徴求の上あらかじめ県に提出させるものとし、また、前項に掲げる条件を満たした上で割当てを受けていることを誓約させるとともに、割当て先等、県が必要とする情報を速やかに報告するものとする。
3 完全無議決権株式を保有する者は、自ら保有する完全無議決権株式につき、時期を問わず、譲渡、担保提供その他の処分を行うことができる。事業者は、完全無議決権株式についてかかる処分が行われる場合は、当該完全無議決権株式の譲渡を行った者をして、その譲受人から、基本協定書別紙1(出資者保証書の様式)又は別紙2(誓約書の様式)の様式及び内容の出資者保証書又は誓約書を徴求の上あらかじめ県に提出させるものとし、また、第1項に掲げる条件を満たした上で当該譲渡を行っていることを誓約させるとともに、譲渡先等、県が必要とする情報を速やかに報告するものとする。
4 議決権付株式は、会社法第2条第 17 号に定める譲渡制限株式でなければならない。
5 事業者は、第1項及び法令等の規定に従い、時期を問わず、議決権付株式を発行し、基本協定書に基づきあらかじめ認められた者以外の者にこれを割り当てる
場合には、県の事前の書面による承認を得なければならない。
6 議決権付株式を保有する者は、自ら保有する議決権付株式につき、時期を問わず、第三者に対して譲渡、担保提供その他の処分を行う場合には、県の事前の書面による承認を得なければならない。ただし、他の議決権付株式を保有する者に対して、議決権付株式の一部を譲渡する場合を除く。事業者は、当該株主から当該譲渡の承認を請求された場合には、当該譲渡について県の事前の書面による承諾を受けていることを確認した後でなければ当該譲渡を承認してはならない。
7 前項の規定にかかわらず、県は、議決権付株式を保有する者から、本事業のための融資を行う金融機関等のために、その保有する議決権付株式に担保権を設定する旨の申請があった場合において、当該融資及び担保権設定に関する契約書の写しが県に提出され、かつ、第 124 条(金融機関等との協議)に基づく協定書が県と当該金融機関等との間で県の合理的に満足する内容にて締結されているときは、合理的な理由なくして承諾の留保、遅延又は拒否をしないものとする。
8 県は、第5項に定める割当て又は第6項に定める譲渡につき、当該株式の割当てを受ける者又は譲受人が第1項の要件を満たし、かつ、当該割当て又は譲渡が事業者の事業実施の継続を阻害しないと判断した場合には、当該割当て又は譲渡を承認するものとする。事業者は、当該承認を得て当該割当て又は譲渡が行われた場合、当該株式の割当てを受けた者から、又は譲渡を行った者をして、その譲受人から、基本協定書別紙1(出資者保証書の様式)の様式及び内容の出資者保証書を徴求の上あらかじめ県に提出させるものとし、また、第1項に掲げる条件を満たした上で割当てを受けていること又は譲渡を行っていることを誓約させるとともに、割当て先又は譲渡先等、県が必要とする情報を速やかに報告するものとする。
9 前各項の規定にかかわらず、代表企業を変更することはできない。ただし、運営開始日以降に、県の事前の書面による承認を得た上で、事業者設立時点の当初から議決権株式を保有している者に代表企業を変更する場合を除く。
第92条 (契約上の地位譲渡)
1 事業者は、特定事業契約に別段の定めがある場合を除き、県の事前の書面による承諾なくして、特定事業契約その他県と事業者の間で締結された契約に基づく事業者の契約上の地位及び権利義務につき、譲渡、担保提供その他の処分(放棄を含む。)を行うことはできない。
2 前項の規定にかかわらず、県は、事業者から、事業提案書に規定された融資に関連して当該金融機関等のために、特定事業契約その他県と事業者の間で締結された契約に基づく事業者の契約上の地位及び権利に担保権を設定することについての承諾の申請があった場合において、当該融資及び担保権設定に関する契約書の写しが県に提出され、かつ、第 124 条(金融機関等との協議)に基づく協定書
が県と当該金融機関等との間で県の合理的に満足する内容(相殺を含む県の抗弁権が当該担保権の設定及び実行の前後を問わず、担保権者に対抗できることを含む。)にて締結されているときは、合理的な理由なくして承諾の留保、遅延又は拒否をしない。
第93条 (運営権の譲渡等)
1 事業者は、県の事前の書面による承諾なくして、運営権につき、譲渡、担保提供その他の処分(放棄を含む。)を行うことはできない。
2 前項の規定にかかわらず、県は、事業者から、運営権の譲渡の申請があった場合、新たに事業者となる者の欠格事由や入札説明書等適合性の審査等、事業者選定の際に確認した条件に照らして審査を行い、当該譲渡がやむを得ない場合であり、かつ、当該譲渡後においても運営権の存続期間の満了日まで本事業を安定的に実施継続可能であると認めたときに限り、PFI 法第 26 条第2項に基づく許可を行うものとする。なお、県は、当該許可を与えるにあたり、次に掲げる条件を付すことができる。
(1) 譲受人が、本事業における事業者の特定事業契約上の地位を承継し、実施契約に拘束されることについて、県に対して承諾書を提出すること。
(2) 譲受人が、事業者が所有し、本事業の実施に必要な一切の資産及び契約上の地位並びに権利の譲渡を受けること。
(3) 譲受人の全ての株主(持分会社の場合には社員)が、県に対して基本協定書第3条(事業予定者の設立)第2項に定める出資者保証書又は誓約書と同様の内容の誓約書を提出すること。
3 第1項の規定にかかわらず、県は、事業者から、本事業のための融資を行う金融機関等のために、運営権に抵当権を設定する旨の申請があった場合において、当該融資及び担保権設定に関する契約書の写しが県に提出され、かつ、第 124 条
(金融機関等との協議)に基づく協定書が県と当該金融機関等との間で県の合理的に満足する内容にて締結されているときは、合理的な理由なくして承諾の留保、遅延又は拒否をしないものとする。
第94条 (事業者の兼業禁止)
事業者は、県の事前の書面による承諾なくして、本事業に係る業務並びに県及び事業者が別途合意する委託業務以外の業務を行ってはならない。
第 10 章 責任及び損害等の分担
第95条 (責任及び損害等の分担原則)
1 事業者は、特定事業契約に別段の定めがある場合を除き、本事業の実施に係る一切の責任を負う。
2 事業者は、特定事業契約に別段の定めがある場合を除き、事業者の本事業の実施に関する県による承認、確認若しくは立会い又は事業者からの県に対する報告、通知若しくは説明を理由として、いかなる特定事業契約上の事業者の責任をも免れず、当該承認、確認若しくは立会い又は報告、通知若しくは説明を理由として、県は何ら責任を負担しない。
3 特定事業契約に別段の規定がある場合を除き、本事業の実施に関する一切の費用は、全て事業者が負担する。
第96条 (政策変更)
1 特定事業契約の締結後に国又は地方公共団体による政策が変更又は決定(以下この条において「政策変更」という。)されたことにより、次の各号に掲げるいずれかの事由が発生したことを認識した場合には、その内容の詳細を記載した書面(以下この条において「政策変更通知」という。)により、事業者は県に対して直ちに通知する。
(1) 要求水準書等に規定された条件に従って、設計・建設業務の全部又は一部を行うことができなくなったとき。
(2) 要求水準書等に規定された条件に従って、運営・維持管理業務の全部又は一部を行うことができなくなったとき。
(3) 特定事業契約の履行のための費用が増加するとき。
2 県及び事業者は、特定事業契約に基づく自己の義務の履行が適用される政策に違反することとなった場合には、履行期日における当該自己の義務の履行が適用される政策に違反する限りにおいて、その履行義務を免れる。ただし、県及び事業者は当該政策変更により相手方に発生する損害を最小限にするように努める。
3 県及び事業者は、政策変更通知を相手方から受領し又は相手方に送付した場合には、当該政策変更に対応して本事業を継続するために必要となる要求水準書等に基づく権利義務の内容の変更及び追加費用の負担方法について協議する。
4 前項に定める協議の開始日から 120 日以内に協議が調わない場合には、県が当該政策変更に対する対応方法を事業者に通知し、事業者は当該対応方法に従い本事業を継続する。この場合において、事業者に生じた追加費用のうち発生防止手段を事業者が講じることが合理的に期待できなかったと県が認めるものは県が負担する。なお、県は、事業者に生じた損失(逸失利益を含む。)を負担しない。
第97条 (法令改正)
1 特定事業契約の締結後に法令等の改正又は制定(以下「法令改正」という。)により、次の各号に掲げるいずれかの事由が発生したことを認識した場合には、その内容の詳細を記載した書面(以下この条において「法令改正通知」という。)により、事業者は県に対して直ちに通知する。
(1) 要求水準書等に規定された条件に従って、設計・建設業務の全部又は一部を行うことができなくなったとき。
(2) 要求水準書等に規定された条件に従って、運営・維持管理業務の全部又は一部を行うことができなくなったとき。
(3) 特定事業契約の履行のための費用が増加するとき。
2 県及び事業者は、特定事業契約に基づく自己の義務の履行が適用される法令等に違反することとなった場合には、履行期日における当該自己の義務の履行が適用される法令等に違反する限りにおいて、その履行義務を免れる。ただし、県及び事業者は当該法令改正により相手方に発生する損害を最小限にするように努める。
3 県及び事業者は、法令改正通知を相手方から受領し又は相手方に送付した場合には、当該法令改正に対応して本事業を継続するために必要となる要求水準書等に基づく権利義務の内容の変更及び追加費用の負担方法について協議する。
4 前項に定める協議の開始日から 120 日以内に協議が調わない場合には、県が当該法令改正に対する対応方法を事業者に通知し、事業者は当該対応方法に従い本事業を継続する。この場合において、本事業の継続に要する費用の増加の負担に関する取扱いは、特定事業契約に別段の定めがある場合を除き、次の各号に定めるとおりとする。なお、県は、事業者に生じた損失(逸失利益を含む。)を負担しない。
(1) 特定法令改正により事業者に生じた追加費用のうち、追加費用の発生防止手段を事業者が講じることが合理的に期待できなかったと県が認めるものは県が負担する。
(2) 法令改正により事業者に生じた追加費用のうち、前号に従い県が負担する追加費用以外の追加費用は事業者が負担する。
第98条 (税制改正)
1 特定事業契約の締結後に本施設に係る設計・建設業務又は運営・維持管理業務に影響を及ぼす税制の改正又は制定があったことを認識した場合には、その内容の詳細を記載した書面(以下この条において「税制改正通知」という。)により、事業者は県に対して直ちに通知する。
2 前条(法令改正)第4項の規定にかかわらず、県及び事業者は、税制改正通知を相手方から受領し又は相手方に送付した場合には、次の各号に掲げる取扱いに
従い、当該税制等の改正又は制定に対応するために速やかに追加費用の負担について協議する。
(1) 事業者の利益に課せられる税制の改正又は制定による追加費用は、事業者の負担とする。
(2) 前号に定める以外の税制の改正又は制定による追加費用は、県の負担とする。
3 前項に定める協議の開始日から 120 日以内に協議が調わない場合には、県は、当該税制改正により事業者に生じた追加費用のうち、追加費用の発生防止手段を事業者が講じることが合理的に期待できなかったと県が認めるものを負担する。なお、県は、事業者に生じた損失(逸失利益を含む。)を負担しない。
4 前各項の規定にかかわらず、設計・建設費又はサービス購入料に係る消費税等の税率変更による追加費用については県の負担とし、運営権設定条件付き譲渡対価相当額に係る消費税等の税率変更による追加費用については事業者の負担とする。
第99条 (不可抗力)
1 特定事業契約の締結後に不可抗力により、次の各号に掲げるいずれかの事由が発生したことを認識した場合には、その内容の詳細を記載した書面(以下この条において「不可抗力通知」という。)により、事業者は県に対して直ちに通知する。
(1) 要求水準書等に規定された条件に従って、設計・建設業務の全部又は一部を行うことができなくなったとき。
(2) 要求水準書等に規定された条件に従って、運営・維持管理業務の全部又は一部を行うことができなくなったとき。
(3) 特定事業契約の履行のための費用が増加するとき。
(4) 事業者から県への工事目的物の引渡前に、工事目的物、仮設物又は工事現場に搬入済みの工事材料若しくは建設機械器具に損害が生じたとき。
2 県は、前項第4号の規定による不可抗力通知を受けたときは、直ちに調査を行い、同号の損害(事業者が善良な管理者の注意義務を怠ったことに基づくもの及び特定事業契約の規定により付された保険等によりてん補された部分を除く。以下この項において「損害」という。)の状況を確認し、その結果を事業者に通知しなければならない。この場合において、事業者は、第5項に規定する費用を除き、この項前段の規定により確認された損害による費用(事業者の判断による工事の加速に要する費用を含む。)を負担する。
3 県及び事業者は、不可抗力通知を相手方から受領し又は相手方に送付した場合において、特定事業契約に基づく自己の債務が当該不可抗力により履行不能となったときは、履行期日及び当該不可抗力の影響の継続期間中における当該債務
(金銭債務を除く。)の履行義務を免れる。ただし、県及び事業者は、不可抗力により相手方に発生する損害を最小限にするように努める。
4 事業者は、不可抗力通知を県に送付し又は県から受領した場合には、当該不可抗力の影響を早期に除去すべく、特定事業契約に別段の定めがある場合を除き、自らの責任及び費用負担において、本施設に生じた損害の復旧その他要求水準書に従った対応を実施する。
5 県は、設計・建設業務の実施期間中の不可抗力により本施設に生じた損害については、特定事業契約に従い、当該不可抗力により県が設計条件(地盤の形質変更等)を変更する必要があると認めた場合における設計・建設費の追加費用を負担する。また、県は、事業期間中に発生した不可抗力により本事業の遂行が相当期間にわたって不可能又は著しく困難となり、かつ、当該不可抗力の発生前において事業者により予見できず、又はその追加費用の発生の防止手段を講ずることが合理的に期待できなかったと県が認める場合、当該不可抗力により発生した追加費用を負担する。
6 県及び事業者は、不可抗力通知を相手方から受領し又は相手方に送付した場合には、前項に定める設計・建設費の追加費用又は本施設に生じた損害に係る追加費用又は復旧費用の負担方法、その他当該不可抗力に対応して本事業を継続するために必要となる要求水準書等に基づく権利義務の内容の変更について協議する。
7 前項に定める協議の開始日から 60 日以内に協議が調わない場合には、県が当該不可抗力に対する対応方法を事業者に通知し、事業者は当該対応方法に従い本事業を継続する。
第100条 (損害賠償責任)
1 県及び事業者は、相手方が特定事業契約に定める義務に違反したことにより自らに損害が発生した場合には、相手方に対して損害賠償を請求することができる。
2 事業者が本事業の実施に際し、第三者に損害を及ぼした場合には、直ちにその状況を県に報告する。
3 特定事業契約に別段の定めがある場合を除き、事業者は、その責めに帰すべき事由により生じた前項に定める第三者の損害を、当該第三者に対して賠償しなければならない。
4 県が、前項の規定により事業者が賠償すべき損害を第三者に対して賠償した場合、事業者に対して、賠償した金額を求償することができる。事業者は、県からの請求を受けた場合には、直ちに支払わなければならない。
5 前項の場合その他本事業の実施に関し第三者との間に紛争を生じた場合においては、県及び事業者が協力してその処理解決にあたるものとする。
第 11 章 契約の終了及び終了に伴う措置
第101条 (事業期間)
特定事業契約に基づく本事業の実施期間は、特定事業契約に別段の定めがある場合を除き、特定事業契約冒頭第3の1に定める日に始まり、特定事業契約冒頭第3の1に定める運営権の存続期間の満了日又は特定事業契約の全部が解除された日に終了する期間(以下「事業期間」という。)とする。
第102条 (事業者事由による解除)
1 特定事業契約締結後事業期間が終了するまでの間に、次の各号に掲げる事由が発生した場合、県は、事業者に対して書面により通知した上で、特定事業契約の全部又は一部を解除することができる。
(1) PFI 法第 29 条第1項第1号に規定する事由が生じたとき。
(2) 事業者が破産、会社更生、民事再生又は特別清算の手続について事業者の取締役会でその申立てを決議したとき又は第三者(事業者の取締役を含む。)によってその申立てがなされたとき。
(3) 事業者が特定事業契約に基づいて県に提出した報告書に重大な虚偽記載を行ったとき。
(4) 別紙3(ガバナンス基本計画)に定める解除事由が発生したとき。
(5) 構成企業が基本協定書第9条(談合その他の不正行為による特定事業契約の不締結等)第1項各号のいずれかに該当するとき。
(6) 事業者が愛知県公共工事請負契約約款(建築工事用)第 46 条(暴力団等排除に係る解除)第1項各号のいずれかに該当するとき。
(7) 事業者が、①正当な理由なく、特定事業契約に従い各業務に着手すべき期日を過ぎても各業務に着手しないとき、②特定事業契約に定める設計・建設期間内に完成しないとき若しくは設計・建設期間経過後相当の期間内に工事を完成する見込みがないと認められるとき、又は③事業者の責めに帰すべき事由により事業者の財務状況が著しく悪化し、事業者が特定事業契約に基づき本事業を継続的に実施することが困難であると県が合理的に認めたとき。
(8) 前各号に掲げる場合のほか、事業者が特定事業契約に違反し(ただし、県から 30 日以上の当該不履行を是正するのに必要な合理的期間を設けて催告を受けたにもかかわらず、当該期間内に当該不履行が是正されない場合又は特定事業契約の履行が不能となった場合に限る。)、その違反により特定事業契約の目的を達することができないと県が認めたとき。
2 次の各号に掲げる者が特定事業契約を解除した場合は、前項の規定により特定
事業契約が解除された場合とみなす。
(1) 事業者について破産手続開始の決定があった場合において、破産法の規定により選任された破産管財人
(2) 事業者について更生手続開始の決定があった場合において、会社更生法の規定により選任された管財人
(3) 事業者について再生手続開始の決定があった場合において、民事再生法の規定により選任された再生債務者等
3 第 109 条(運営権及び指定管理者の指定の取消し)に基づく運営権の取消しについて、行政手続法その他適用法令の規定により聴聞が必要である場合には、前項に基づく解除に先立ち聴聞を実施するものとする。
第103条 (県の任意による解除、県事由による解除)
1 県は、本施設を他の公共の用途に供することその他の理由に基づく公益上やむを得ない必要が生じた場合又はその他県が合理的に必要と認める場合には、6ヶ月以上前に事業者に対して通知することにより、特定事業契約の全部又は一部を解除することができる。
2 県の責めに帰すべき事由により、県が特定事業契約上の県の重大な義務に違反し、本事業の実施が著しく困難になった場合(ただし、事業用地引渡遅延に基づく本施設引渡遅延を除く。)において、事業者から 150 日以上の当該不履行を是正するのに必要な合理的期間を設けて催告を受けたにもかかわらず、当該期間内に当該不履行が是正されないとき又は特定事業契約の履行が不能となったときは、事業者は、解除事由を記載した書面を県に送付することにより、特定事業契約の全部又は一部を解除することができる。
第104条 (法令改正・不可抗力による解除)
特定事業契約の締結後における法令改正又は不可抗力の発生により、次の各号に掲げるいずれかの事由に該当する場合には、県又は事業者は、相手方と協議の上、特定事業契約の全部又は一部を解除することができる。
(1) 本事業の継続が困難と判断したとき。
(2) 特定事業契約の履行のために多大な費用を要すると判断したとき。
第105条 (事業用地引渡遅延に基づく解除)
1 事業者は、県が事業用地等の全部又は一部を 2026 年3月 31 日までに引き渡すことができないときは、書面を県に送付することにより、特定事業契約を解除することができる。
2 前項の規定により特定事業契約が解除された場合には、当該解除に起因して事業者に生じた損失又は損害については事業者の負担とし、事業者は県に損害賠
償、損失補償又は費用の請求を行わない。ただし、当該解除までに生じた費用のうち第 29 条(事業用地引渡計画の策定等)第6項に定める発生防止手段を事業者が講じることが合理的に期待できなかったと県が認める追加費用並びに当該解除に起因して事業者に生じた合理的な範囲の費用(ブレークファンディングコストその他の金融費用を含む。)については、県の負担とするが、当該追加費用及び当該解除に起因して事業者に生じた合理的な範囲の費用のほか、いかなる場合においても当該解除に基づき事業者に生じた損害・損失(逸失利益を含む。)は負担しない。
第106条 (本施設の引渡前の解除)
1 解除事由の如何を問わず、本施設に係る工事目的物が完了検査を経て事業者から県に引き渡される前に当該本施設に係る特定事業契約が解除された場合において、本施設(事業者建設部分)の出来形部分が存在するときは、県は、本施設
(事業者建設部分)の出来形部分を検査の上、当該検査に合格した部分(以下この項において「合格部分」という。)の引渡しを受けて、合格部分に相応する設計・建設費を一括又は分割により事業者に支払う。
2 前項の場合において、県は、必要があると認められるときは、その理由を事業者に通知して出来形部分を最小限度破壊して検査することができ、当該検査及び復旧に直接要する費用は、事業者の負担とする。
3 第1項の規定にかかわらず、本施設(事業者建設部分)に係る工事目的物が完了検査を経て事業者から県に引き渡される前に第 102 条(事業者事由による解除)の規定により特定事業契約が解除された場合において、原状回復することが社会通念上合理的であって県が請求したときには、事業者は、本施設(事業者建設部分)に係る事業用地を原状回復の上、県に返還しなければならない。
4 前項の場合において、事業者が正当な理由なく、相当の期間内に原状回復の措置を講じないときは、県は、事業者に代わり原状回復を行うことができ、これに要した費用を事業者に求償することができる。この場合、事業者は、県の処分について異議を申し出ることができない。
第107条 (本施設の引渡後の解除)
県及び事業者は、特定事業契約に従い本施設に係る工事目的物が完了検査を経て事業者から県に引き渡された後は、特定事業契約のうち設計・建設期間に係る部分を解除することができず、運営・維持管理期間後の部分のみを解除することができる。
【事業者から運営権対価についての提案がなされた場合は、以下に掲げる条項を規定し、当該提案がなされない場合は以下の条項は削除する。】
第108条 (運営権対価の一部返還)
1 解除事由の如何を問わず、前条(本施設の引渡後の解除)に基づき特定事業契約の全部又は一部が解除され、本施設に係る運営権がその存続期間の満了日よりも前に取り消された場合、県は第2項に定める金額を事業者に対して返還する。この場合において、県は、本施設に係る運営権の取消し後も本施設の所有権を保持する。
2 前項の場合、県が事業者に対して返還する金額は、運営権対価を、運営開始日
(同日を含む。)からその存続期間の満了日(同日を含む。)までの総日数で均等割付配分した金額に、残存期間(運営権の取消しの効力発生日の翌日から存続期間の満了日(同日を含む。)までの期間をいう。)の日数を乗じて得られる金額とする。ただし、これらの返還額に利息等は付さないものとし、かつ、第 102条(事業者事由による解除)第1項の規定により特定事業契約が解除された場合には、県は、事業者が第 114 条(違約金)に基づく違約金の支払及び損害の賠償義務を全て履行しない限り、かかる返還を要さない。また、県が事業者に対する金銭債権を有している場合には、対当額において相殺することを妨げない。なお、返還方法、返還期限その他の返還に関する事項は、県が事業者と協議して定める。
第109条 (運営権及び指定管理者の指定の取消し)
第 107 条(本施設の引渡後の解除)に基づき特定事業契約の全部又は一部が解除された場合、PFI 法第 29 条第1項の規定に従い、県は解除された本施設に係る運営権を取り消し、かつ、本施設に係る指定管理者の指定を取り消すものとする。ただし、運営開始日までに特定事業契約の全部又は一部が解除された場合、本施設に係る第 66 条(公共施設等運営権の設定及び効力発生)第1項に定める運
営権の設定及び第 69 条(指定管理者の指定)に定める指定管理者の指定は、効力を生じない。
第110条 (事業終了時の引継ぎ等)
1 事業者は、理由の如何を問わず、運営権の終了(存続期間の満了による終了を含む。以下同じ。)に際して、要求水準書及び入札説明書等に従って引継ぎ準備及び引継ぎを行わなければならない。
2 特定事業契約に別段の定めがある場合を除き、事業者は自らの費用負担において、当該引継ぎ準備及び引継ぎを行わなければならない。
第111条 (利用料金の引継ぎ等)
1 利用料金収入は、本施設の利用に供する年度の会計に属するものとする。
2 利用料金収入のうち、本施設の利用に供する年度が運営権の終了後となるもの
については、前受金として、事業者は、県又は県の指定する者に引き継がなければならない。
第112条 (本施設の引渡し及び追加投資の対象部分に係る補償)
1 事業者は、理由の如何を問わず、運営権の終了に際して、本施設が要求水準書に適合した状態で県に本施設を引き渡さなくてはならない。県及び事業者は、かかる引渡しに先立ち、本施設の検査を行い、これが要求水準書に適合した状態であることにつき双方合意の上で、かかる引渡しを行うものとする。
2 運営権の終了に際して、県の所有に属する事業者の行った本施設の追加投資の対象部分がある場合、①当該追加投資に先立ち、県が当該追加投資を行うことに同意し、この項に基づく補償の対象とすることを事業者に通知したものについては、県は、当該追加投資の対象部分の運営権の終了時点における簿価相当額(もしあれば)を事業者に補償するものとし、②それ以外の追加投資の対象部分については、かかる補償は行われないものとする。
3 第1項に基づき引き渡された本施設につき、その運営期間中において既に存在していた契約不適合(ただし、運営開始日において既に存在していたものを除く。また、第 75 条(本施設の追加投資)に定める追加投資、第 78 条(中・長期修繕計画書に基づく修繕業務)に定める修繕業務及び第 28 条(事業終了時のモニタリング)に定める修繕を行った上で生じる経年劣化は含まれない。この項において以下同じ。)があるときは、当該運営権の終了日から1年以内に県が事業者に通知した場合については、事業者は修補等により生じた費用を負担するものとする。
4 前項により通知されたものを除き、第1項に基づき引き渡された本施設につき契約不適合があった場合、事業者は県に対して一切責任を負わない。
第113条 (契約終了による事業者所有資産の取扱い)
1 運営権の終了に際して、事業者の所有する各資産については以下のように取り扱う。なお、いずれの場合においても、県又は県の指定する者が資産を買い取る場合、事業者は、当該資産を引き渡すまで、善良な管理者の注意義務をもってこれを保管するものとする。
(1) 本事業について事業者が所有する不動産
県又は県の指定する者が当該不動産について買取を希望する場合、県又は県の指定する者が、時価にて、事業者からその所有する不動産の全部又は一部を買い取ることができ、事業者はこれに応じるものとする。なお、県が本事業の実施者を新たに選定する場合、県は当該実施者をして、県又は当該実施者が本事業の実施にあたり必要と判断した範囲で当該不動産の全部又は一部を時価にて事業者から買い取らせるものとする。
(2) 前号の資産以外の資産
本事業の実施のために事業者が保有する資産(前号により買取の対象となった資産を除く。)は、全て事業者の責任において処分しなければならない。ただし、県又は県の指定する者が必要と認めた場合には、事業者は、当該資産を時価で県又は県の指定する者に売却しなければならない。
(3) 前各号の規定にかかわらず、第 77 条(事業者の保有資産等の追加投資)に定める保有資産等であって、当該保有資産等に係る追加投資に先立ち、県が当該追加投資を行うことに同意し、本号に基づく買取の対象とすることを事業者に通知したものについては、県は、自ら又は県の指定する者をして本施設の運営権の終了時点における簿価相当額でこれを買い取り、事業者はこれを売り渡すものとする。
2 前項各号に基づき県又は県の指定する者による資産の買取が行われる場合において、当該買取者が必要と認めた場合には、事業者は、当該資産に関連して自らが締結している契約を当該買取者に承継するために必要な措置を講ずる。
3 第1項各号に基づき県又は県の指定する者による資産の買取が行われる場合において、県又は県の指定する者による事業者への各買取対価の支払は、県又は県の指定する者が本施設の引渡しを受けた日又は第1項各号に基づき買い取った資産の引渡しを受けた日のいずれか遅い日から6ヶ月を経過した日以降速やかに行うものとする。ただし、当該支払日の到来より前に、県又は県の指定する者が次項に定める契約不適合責任に基づき損害賠償請求を行った場合、県又は県の指定する者は、各買取対価の支払に係る債務と当該損害賠償請求に係る債権を法令等の範囲内において対当額で相殺することができる。この場合、県又は県の指定する者は、当該相殺が実行され、又は当該損害賠償請求に係る債権が弁済されるまでの間、各買取対価の支払を拒むことができる。
4 前条(本施設の引渡し及び追加投資の対象部分に係る補償)第2項及び第3項の規定は、前3項により県又は県の指定する者が買い受けた資産について準用する。
第114条 (違約金)
1 事業者は、①第 102 条(事業者事由による解除)の規定により特定事業契約が解除された場合には、次の各号に掲げる解除時点の区分に応じて、当該各号に定める金額を、及び②別紙8(要求水準等未充足時の措置)に定める事象が生じた場合には、同別紙に定める各区分に応じて同別紙に定める金額を、違約金として県の指定する期限までに支払わなければならない。
(1) 本施設の引渡前
設計・建設費(消費税等を含まない。)の 10%に相当する金額
(2) 本施設の引渡後
金6億円
2 前項の場合において、事業者は、当該解除に起因して県が被った相当因果関係の範囲内にある損害額(第 110 条(事業終了時の引継ぎ等)に基づく引継ぎを行う先の選定及び当該引継ぎ先への引継ぎに関して県が負担する一切の費用を含む。)が違約金の額を上回るときは、その差額を、県の請求に基づき支払わなければならない。
3 第1項の場合において、第 33 条(契約の保証)の規定により契約保証金の納付又はこれに代わる担保の提供が行われているときは、県は、当該契約保証金又は担保をもって同項の違約金に充当することができる。
第115条 (損失補償)
1 第 103 条(県の任意による解除、県事由による解除)第1項の規定により特定事業契約が解除された場合には、PFI 法第 30 条の規定に基づき、事業者は、当該解除に起因して事業者に生じた合理的な範囲の費用(ブレークファンディングコストその他の金融費用を含む。)及び通常生ずべき損失(ただし、事業者の逸失利益については2年分を上限として県と事業者で協議して定める。)の補償を求めることができる。
2 第 104 条(法令改正・不可抗力による解除)の規定により特定事業契約が解除された場合には、当該解除に起因して県又は事業者に生じた損失又は損害については各自の負担とし、お互いに損害賠償、損失補償又は費用の請求を行わない。ただし、当該解除までに生じた費用のうち第 97 条(法令改正)第4項第1号及び第 99 条(不可抗力)第5項に定める費用並びに当該解除に起因して事業者に生じた合理的な範囲の費用(ブレークファンディングコストその他の金融費用を含む。)については県の負担とする。
3 前2項にかかわらず、特定事業契約が解除された場合の追加投資の対象部分及び事業者の保有資産等の取扱いは第 112 条(本施設の引渡し及び追加投資の対象部分に係る補償)第2項及び第 113 条(契約終了による事業者所有資産の取扱い)の規定によるものとし、同各規定による補償又は買取対価の支払のほかに、県は、追加投資の対象部分及び事業者の保有資産等について特定事業契約の解除までに事業者に生じた費用を負担しないものとする。
第116条 (事業終了後の解散及び債務引受)
1 事業者は、特定事業契約の事業期間終了時点においてもなお事業者が特定事業契約に基づく金銭債務を負担すると県が合理的に認める場合には、県の事前の書面による承諾なくして、当該金銭債務の支払が完了するまで、解散等を行ってはならない。
2 前項の規定にかかわらず、事業者は、特定事業契約の事業期間終了後、事業者
が特定事業契約に基づき負担する金銭債務は第 112 条(本施設の引渡し及び追加投資の対象部分に係る補償)第3項に基づく費用の支払債務のみであると県が合理的に認める場合には、60 日前までに県に対して通知の上、解散等を行うことができる。かかる場合、県は、代表企業に対して当該代表企業が当該支払債務を引き受けるよう求めることができる。
第 12 章 知的財産権
第117条 (著作権の帰属)
県が、本事業の募集段階において又は特定事業契約に基づき、事業者に対して提供した情報、書類及び図面等(県が著作権を有しないものを除く。)の著作権は、県に帰属する。
第118条 (成果物の利用)
1 県は、成果物について、県の裁量により無償で利用する権利及び権限を有するものとし、その利用の権利及び権限は、特定事業契約の終了後も存続する。
2 成果物及び本施設のうち著作xx第2条第1項第1号に規定する著作物に該当するものに係る著作xx第2章及び第3章に規定する著作者の権利(以下「著作者の権利」という。)の帰属は、著作xxの定めるところによる。
3 事業者は、県が成果物及び本施設を次の各号に掲げるところにより利用することができるようにしなければならず、自ら又は著作者(事業者を除く。)をして、著作xx第 19 条第1項又は第 20 条第1項に定める権利を行使し又はさせてはならない。
(1) 著作者名を表示することなく成果物の全部若しくは一部又は本施設の全部若しくは一部の内容を自ら公表し若しくは広報に使用し又は県が認めた公的機関をして公表させ若しくは広報に利用させること。
(2) 成果物を他人に閲覧させ、複写させ又は譲渡すること。
(3) 必要な範囲で、県又は県が委託する第三者をして成果物について、複製、頒布、展示、改変、翻案その他の修正をすること。
(4) 本施設を写真、模型、絵画その他の方法により表現すること。
(5) 特定事業契約の終了後に、本施設を増築、改築、修繕若しくは模様替えにより改変し又は取り壊すこと。
4 事業者は、自ら又は著作者若しくは著作権者をして、次の各号に掲げる行為をし又はさせてはならない。ただし、あらかじめ県の承諾を得た場合及び法令等又は裁判所、監督官庁若しくはその他の公的機関(金融商品取引所、金融商品取引業協会を含む。)の命令により次に掲げる行為を行う場合は、この限りではな
い。
(1) 成果物及び本施設の内容を公表すること。
(2) 本施設に事業者の実名又は変名を表示すること。
(3) 成果物を他人に閲覧させ、複写させ又は譲渡すること。
第119条 (著作xxの譲渡禁止)
事業者は、自ら又は著作権者をして、成果物及び本施設に係る著作者の権利を第三者に譲渡し若しくは継承し又は譲渡させ若しくは継承させてはならない。ただし、県の事前の書面による承諾を得た場合を除く。
第120条 (第三者の有する著作権の侵害防止)
1 事業者は、成果物及び本施設が、第三者の有する著作権を侵害するものでないことを県に対して保証する。
2 事業者は、成果物又は本施設のいずれかが第三者の有する著作権を侵害した場合において、当該第三者に対して損害の賠償を行い又は必要な措置を講じなければならないときは、その賠償額を負担し又は必要な措置を講ずる。
第121条 (第三者の知的財産xxの侵害)
1 事業者は、特定事業契約の履行にあたり、前条(第三者の有する著作権の侵害防止)のほか、第三者の有する特許権、実用新案権、意匠権、商標権その他の知的財産権(以下この条において「知的財産xx」という。)を侵害しないこと並びに事業者が県に対して提供する成果物の利用が第三者の有する知的財産xxを侵害していないことを県に対して保証する。
2 事業者が特定事業契約の履行にあたり第三者の有する知的財産xxを侵害し又は事業者が県に対して提供するいずれかの成果物の利用が第三者の有する知的財産xxを侵害する場合には、事業者は、事業者の責めに帰すべき事由の有無の如何にかかわらず、当該侵害に起因して県に直接又は間接に生じた全ての損失、損害及び費用につき、県に対して補償及び賠償し又は県が指示する必要な措置を講ずる。ただし、事業者の当該侵害が、県の特に指定する工事材料、施工方法又は維持管理方法等を使用したことに起因する場合には、この限りではない。
第122条 (知的財産権の対象技術の使用)
事業者は、特許xxの知的財産権の対象となっている技術等を使用するときは、その使用に関する一切の責任を負わなければならない。ただし、県が当該技術等の使用を指定した場合であって事業者が当該知的財産権の存在を知らなかったときは、県は、事業者がその使用に関して要した費用を負担する。
第 13 章 雑 則
第123条 (秘密保持義務)
1 県及び事業者は、相手方の事前の書面による承諾なくして、特定事業契約に関する情報(本事業を実施する上で知り得た秘密を含む。)を第三者に開示してはならず、特定事業契約の履行又は本事業の実施の目的以外には使用してはならない。ただし、①既に自ら保有していた情報、②既に公知の事実であった情報、③その取得後自らの責めによらずして公知になった情報及び④その取得後正当な権利を有する第三者から何らの秘密保持義務を課せられることなしに取得した情報を除く。
2 前項の規定にかかわらず、県及び事業者は、次に掲げる場合に限り、特定事業契約に関する情報を開示することができる。
(1) 当該情報を知る必要のある県又は事業者の役員、従業員、弁護士、公認会計士、税理士その他の専門家に対して、県及び事業者と同等以上の秘密保持義務を負うことを条件として開示する場合
(2) 当該情報を知る必要のある構成企業、業務委託請負先若しくは本事業に関して事業者に融資等を行う金融機関等又はこれらの者の役員、従業員、弁護士、公認会計士、税理士その他の専門家に対して、県及び事業者と同等以上の秘密保持義務を負うことを条件として開示する場合
(3) 法令等又は裁判所、監督官庁若しくはその他の公的機関(金融商品取引所、金融商品取引業協会を含む。)の命令により開示を求められた情報を開示する場合
3 この条の規定は、県及び事業者による特定事業契約の完全な履行又は特定事業契約の終了にかかわらず、有効に存続する。
第124条 (金融機関等との協議)
県は、必要と認めた場合には、本事業に関して事業者に融資等を行う金融機関等との間で、次の各号に掲げる事項その他本事業の継続的実施の確保に必要な事項について、当該金融機関等との間で協定書を締結する。
(1) 金融機関等が本事業のための融資に関して締結した契約(以下この条において「融資関連契約」という。)に定める融資実行前提条件の不充足、期限の利益喪失事由の発生その他協定書において合意する事項が発生した場合における金融機関等から県への通知及び一定期間の事前協議の実施
(2) 特定事業契約における解除事由の発生、特定事業契約に基づく事業者に対する損害賠償請求その他協定書において合意する事項が発生した場合における県から金融機関等への通知及び一定期間の事前協議の実施
(3) 融資関連契約に基づく事業者に対する債権を担保するための、事業者の議決権付株式、本施設に係る運営権、特定事業契約上の事業者の地位その他の担保目的物に対する担保権の設定、対抗要件具備及び実行に関する条件
第125条 (遅延利息)
1 県又は事業者が、特定事業契約その他県と事業者の間で締結された契約等に基づく支払を遅延した場合には、未払額につき履行すべき日(以下この条において
「履行期日」という。)の翌日(同日を含む。)から当該金銭債務の支払が完了した日(同日を含む。)までの期間の日数に応じ、県については、政府契約の支払遅延に対する遅延利息の率に定める履行期日時点における率を乗じて計算した額の遅延利息を、事業者については、国の債権に関する遅延利息の率に定める履行期日時点における率を乗じて計算した額の遅延利息をそれぞれ相手方当事者に支払わなければならない。これらの場合の遅延利息の計算方法は、年 365 日の日割計算とする。
2 県は、特定事業契約その他県と事業者の間で締結された契約に基づいて生じた事業者に対する債権及び債務を、法令の範囲内において対当額で相殺することができる。
第126条 (契約の変更)
特定事業契約は、県及び事業者の書面による合意がなければ、これを変更することができない。
第127条 (準拠法・管轄裁判所)
1 特定事業契約は、日本国の法令に準拠し、日本国の法令に従って解釈する。
2 特定事業契約に関連して発生した全ての紛争は、名古屋地方裁判所を第xxの専属的合意管轄裁判所とする。
第128条 (通知方法・計量単位・期間計算・休日調整等)
1 特定事業契約に定める請求、通知、報告、勧告、承諾及び解除は、原則として、相手方に対する書面をもって行われなければならない。県及び事業者は、当該請求等の宛先をそれぞれ相手方に対して別途通知する。
2 特定事業契約の履行に関して県と事業者の間で用いる計算単位は、要求水準書等又は設計図書に別段の定めがある場合を除き、計量法に定めるところによる。
3 特定事業契約の履行に関する期間の定めについては、要求水準書等又は設計図書に別段の定めがある場合を除き、民法及び会社法の定めるところによる。
4 事業者が特定事業契約に基づき保管し又は保存すべき文書の取扱い及び期間については、県の文書管理規程に従う。
5 特定事業契約の履行に関して県と事業者の間で用いる言語は、日本語とする。
6 特定事業契約に定める金銭の支払に用いる通貨は、日本円とする。
第129条 (疑義に関する協議)
要求水準書等及び設計図書に定めのない事項について定める必要が生じた場合、又は要求水準書等及び設計図書の解釈に関して疑義が生じた場合は、その都度、本事業のガバナンスの枠組を活用して、県及び事業者が誠実に協議してこれを解決する。
以 上
別紙1
定義集
(1) 「愛知県公共工事請負契約約款(建築工事用)」とは、愛知県公共工事請負契約約款(建築工事用)(特定事業契約締結時点における最終改正令和3年4月
1日)をいう。
(2) 「維持管理業務」とは、要求水準書等に定める維持管理業務をいう。
(3) 「運営・維持管理期間」とは、特定事業契約冒頭第3の1に定める運営・維持管理業務を実施する期間をいう。
(4) 「運営・維持管理業務」とは、維持管理業務及び運営業務の総称をいう。
(5) 「運営・維持管理業務に係る計画書等」とは、第 13 条(運営・維持管理業務の実施に係る準備)第1項に定義する意味を有する。
(6) 「運営開始日」とは、第 66 条(公共施設等運営権の設定及び効力発生)第2項に定義する意味を有する。
(7) 「運営開始予定日」とは、運営・維持管理業務の開始予定日(2026 年4月1日)をいう。
(8) 「運営業務」とは、要求水準書等に定める運営業務をいう。
(9) 「運営権」とは、本施設に対して設定される PFI 法第2条第7項に定義される公共施設等運営権をいう。
(10) [「運営権対価」とは、運営権の設定に係る対価及びこれに係る消費税等として事業者から県に対して支払われる、総額●円の金員をいう。]【事業者から運営権対価についての提案がなされない場合は本号の定義は削除する。】
(11) 「応募グループ」とは、本事業が求める経営マネジメント能力及び資本力等を有し、本事業に応募する企業で、複数の企業で構成されるグループをいう。
(12) 「開業準備業務」とは、要求水準書等に定める開業準備業務をいう。
(13) 「開業準備業務に係る計画書等」とは、第 12 条(開業準備業務の実施に係る準備)第1項に定義する意味を有する。
(14) 「会社更生法」とは、会社更生法(平成 14 年法律第 154 号)をいう。
(15) 「会社法」とは、会社法(平成 17 年法律第 86 号)をいう。
(16) 「完全無議決権株式」とは、事業者の発行する株式で、議決権付株式に該当しない株式(これに係る新株予約権及び新株予約権付社債を含む。)をいう。ただし、会社法第 108 条第1項第8号又は第9号に掲げる事項についての定めがある株式を除く。
(17) 「完了検査」とは、第 61 条(完了検査及び引渡し)第2項に定める工事の完成を確認するための検査をいう。
(18) 「議決権付株式」とは、事業者の発行する株式で、一定の条件で議決権を有することとなる株式、及び、取得請求権付株式又は取得条項付株式で議決権を有
する株式が取得の対価として発行される可能性のある株式を含む、議決権を有する株式(これに係る新株予約権及び新株予約権付社債を含む。)をいう。
(19) 「基本協定書」とは、県と代表企業及びその他の構成企業との間で令和●年●月●日付けで締結された愛知県基幹的広域防災拠点整備等事業 基本協定書をいう。
(20) 「行政手続法」とは、行政手続法(平成5年法律第 88 号)をいう。
(21) 「業務委託請負先」とは、本事業に係る各業務の全部又は一部を事業者から直接受託し又は請け負う代表企業、構成企業その他第三者をいう。
(22) 「業務委託請負契約」とは、事業者及び業務委託請負先との間で締結される本事業に係る各業務の全部又は一部に関する業務委託契約若しくは請負契約又はこれらに替わる覚書等をいう。
(23) 「業務責任者」とは、第 22 条(業務責任者の設置及び変更)第1項に定義する意味を有する。
(24) 「拠点運用開始決定」とは、愛知県又は周辺地域において大規模災害が発生し、県内又は周辺自治体から応援要請を受けて、災害対策本部室が、基幹的広域防災拠点を開設すると決定した場合の当該決定をいう。
(25) 「拠点運用開始通知」とは、第 74 条(拠点運用時の運営・維持管理業務等)第1項に定義する意味を有する。
(26) 「拠点運用時」とは、愛知県又は周辺地域において大規模災害が発生し、県内又は周辺自治体から応援要請を受けて、災害対策本部室の決定で、基幹的広域防災拠点を開設すると判断した時から拠点が閉鎖され事業者に引き渡されるまでの期間をいう。
(27) 「計画地」とは、要求水準書等に定める本事業の事業対象区域をいう。
(28) 「契約不適合」とは、第 60 条(契約不適合責任(県))第1項に定義する意味を有する。
(29) 「計量法」とは、計量法(平成4年法律第 51 号)をいう。
(30) 「県直接発注工事(公園)」とは、本事業に関連して県が発注する公園(平場)の整備に係る工事をいう。
(31) 「県直接発注工事(公園)企業」とは、県直接発注工事(公園)の受注者の総称をいう。
(32) 「公園(平場)」とは、防災公園エリア及び神明公園エリアの敷地のうち、屋内運動施設及び公園管理事務所並びにそれらの施設の周囲 2mを除いた部分をいい、詳細は入札説明書等において示す部分をいう。
(33) 「国の債権に関する遅延利息の率」とは、国の債権に関する遅延利息の率(昭和 32 年大蔵省告示第8号)をいう。
(34) 「県」とは、特定事業契約冒頭に定義されるものをいう。
(35) 「健康保険法」とは、健康保険法(大正 11 年法律第 70 号)をいう。
(36) 「建設企業」とは、業務委託請負先として建設業務を実施する企業をいう。
(37) 「建設業法」とは、建設業法(昭和 24 年法律第 100 号)をいう。
(38) 「建設業務」とは、要求水準書等に定める建設業務をいう。
(39) 「建設工事計画」とは、第 29 条(事業用地引渡計画の策定等)第2項に定義する意味を有する。
(40) 「建築基準法」とは、建築基準法(昭和 25 年法律第 201 号)をいう。
(41) 「建築士法」とは、建築士法(昭和 25 年法律第 202 号)をいう。
(42) 「県による運営権存続期間の延長」とは、第 68 条(県による運営権存続期間の延長)第2項に定義する意味を有する。
(43) 「県費用負担額(運営・維持管理業務)」とは、第 73 条(運営・維持管理業務の実施にかかる県の費用負担)第1項に定義する意味を有する。
(44) 「合意延長」とは、第 67 条(合意延長)第2項に定義する意味を有する。
(45) 「公共工事の前払金保証事業に関する法律」とは、公共工事の前払金保証事業に関する法律(昭和 27 年法律第 184 号)をいう。
(46) 「工事監理企業」とは、業務委託請負先として工事監理業務を実施する企業をいう。
(47) 「工事監理業務」とは、建設業務のうち要求水準書等に定める工事監理業務をいう。
(48) 「構成企業」とは、応募グループを構成し、事業者に出資する企業をいい、特定事業契約締結時点では●及び●をいう。この号における出資とは、議決権付株式及び(もしあれば)完全無議決権株式の保有をいう。
(49) 「厚生年金保険法」とは、厚生年金保険法(昭和 29 年法律第 115 号)をいう。
(50) 「雇用保険法」とは、雇用保険法(昭和 49 年法律第 116 号)をいう。
(51) 「サービス購入料」とは、特定事業契約の定めに従い、事業者による設計・建設業務の実施の対価として、県が事業者に対し支払債務を負担する費用をいう。
(52) 「時価」とは、各資産の価値として当該資産の買取時において県及び事業者が合意する客観的でxxな方法(直近の帳簿価格による場合、県及び事業者が同意する公認会計士、不動産鑑定士等の専門家による評価による場合等)により定められた価格をいう。
(53) 「事業期間」とは、第 101 条(事業期間)に定義する意味を有する。
(54) 「事業者」とは、特定事業契約冒頭に定義されるものをいう。
(55) 「事業提案書」とは、代表企業及びその他の構成企業が、令和●年●月●日付けで提出した本事業の実施に係る事業提案書一式をいう。
(56) 「事業年度」とは、各暦年の4月1日に始まり、翌年の3月 31 日に終了する
1年間をいう。ただし、特定事業契約締結年度にあっては、特定事業契約の締結日から次に到来する3月31 日までの期間をいい、事業期間の開始年度にあっ
ては、運営開始日から次に到来する3月 31 日までの期間をいう。
(57) 「事業用地等」とは、第 29 条(事業用地引渡計画の策定等)第1項に定義する意味を有する。
(58) 「事業用地引渡計画」とは、第 29 条(事業用地引渡計画の策定等)第1項に定義する意味を有する。
(59) 「事業用地引渡遅延に基づく本施設引渡遅延」とは、第 29 条(事業用地引渡計画の策定等)第5項に定義する意味を有する。
(60) 「施設設置管理条例」とは、本施設の設置及び管理に関する事項について、県が地方自治法第 244 条の2第1項に基づいて定める条例をいう。
(61) 「事前調査業務」とは、要求水準書等に定める事前調査業務をいう。
(62) 「下請負者等」とは、第 37 条(建設企業による業務実施及び下請の制限等)第5項に定義する意味を有する。
(63) 「下請負者等(建設業務)」とは、第 37 条(建設企業による業務実施及び下請の制限等)第5項に定義する意味を有する。
(64) 「下請負者等(設計業務)」とは、第 35 条(設計企業による業務実施及び一括再委託等の禁止)第5項に定義する意味を有する。
(65) 「指定管理者」とは、地方自治法第 244 条の2第3項に定める指定管理者をいう。
(66) 「実施体制図等」とは、第9条(本事業の実施体制等)第2項に定義する意味を有する。
(67) 「社会保険等未加入建設業者」とは、第 38 条(下請負者等(建設業務)の健康保険等加入義務等)第1項に定義する意味を有する。
(68) 「消費税等」とは、消費税及び地方消費税の総称をいう。
(69) 「成果物」とは、設計図書、完成図書及びその他事業者が特定事業契約に基づき又は県の請求により県に提出した一切の書類、図面、写真、映像等の総称をいう。
(70) 「政府契約の支払遅延に対する遅延利息の率」とは、政府契約の支払遅延に対する遅延利息の率(昭和 24 年大蔵省告示第 991 号)をいう。
(71) 「施工方法等」とは第 30 条(工事総則)第3項に定義する意味を有する。
(72) 「設計及びその関連業務」とは、要求水準書等に定める設計及びその関連業務をいう。
(73) 「設計企業」とは、業務委託請負先として設計業務を実施する企業をいう。
(74) 「設計業務」とは、事前調査業務並びに設計及びその関連業務の総称をいう。
(75) 「設計・建設期間」とは、特定事業契約冒頭第3の1に定める設計・建設業務を実施する期間をいう。
(76) 「設計・建設企業」とは、設計企業及び建設企業の総称をいう。
(77) 「設計・建設業務」とは、設計業務及び建設業務の総称をいう。
(78) 「設計・建設業務に係る計画書等」とは、第 11 条(設計・建設業務の実施に係る準備)第1項に定義する意味を有する。
(79) 「設計・建設費」とは、特定事業契約の定めに従い、事業者による設計・建設業務の実施に要する費用をいう。
(80) 「設計図書」とは、第 34 条(設計)の定めに従って県の確認が得られた設計図書その他の設計に関する図書をいう。
(81) 「大規模災害」とは、愛知県地域防災計画での第3非常配備体制を敷く目安となる災害をいう。
(82) 「代表企業」とは、応募グループにより応募した構成企業のうち、落札者を代表して応募手続を行う企業又は基本協定書第4条(株式の譲渡)第8項ただし書きに基づく変更後の企業をいい、特定事業契約締結時点では●をいう。
(83) 「地方自治法」とは、地方自治法(昭和 22 年法律第 67 号)をいう。
(84) 「地方自治法施行令」とは、地方自治法施行令(昭和 22 年政令第 16 号)をいう。
(85) 「著作xx」とは、著作xx(昭和 45 年法律第 48 号)をいう。
(86) 「著作者の権利」とは、第 118 条(成果物の利用)第2項に定める意義を有する。
(87) 「出来形部分」とは、第 86 条(設計・建設費及びサービス購入料)第3項に定める意義を有する。
(88) 「統括管理責任者」とは、第10 条(統括マネジメント業務の実施に係る準備)第3項に定義する意味を有する。
(89) 「統括マネジメント業務」とは、要求水準書等に定める統括マネジメント業務の総称をいう。
(90) 「統括マネジメント業務に係る計画書等」とは、第 10 条(統括マネジメント業務の実施に係る準備)第2項に定義する意味を有する。
(91) 「特定事業」とは、設計・建設業務、開業準備業務、運営・維持管理業務及び統括マネジメント業務の総称をいう。
(92) 「特定事業契約」とは、この契約をいう。
(93) 「特定法令改正」とは、施設の整備、維持管理又は運営に関する法令改正であって、①事業者のみに適用されるもの又は②本施設のみに適用されるものをいう。
(94) 「都市公園法」とは、都市公園法(昭和 31 年法律第 79 号)をいう。
(95) 「入札説明書」とは、県が令和4年 11 月 25 日付けで公表した愛知県基幹的広域防災拠点整備等事業に係る入札説明書(修正があった場合は、修正後の記述による。)をいう。
(96) 「入札説明書等」とは、入札説明書及びその添付書類・守秘義務資料(添付資料4「愛知県基幹的広域防災拠点整備等事業 基本協定書(案)」、添付資料
5「愛知県基幹的広域防災拠点整備等事業 特定事業契約書(案)」、添付資料6「愛知県基幹的広域防災拠点整備等事業 ガバナンス基本計画」及び要求水準書を除く。なお、これらの書類につき修正があった場合は、修正後の記述による。)並びに質問回答書その他これらに関して県が発出した書類をいう。
(97) 「任意事業」とは、①事業提案書に基づき、任意事業実施企業が自らの責任及び費用負担において、特定事業と連携して行う事業、並びに②xx町が事業用地等に隣接するエリアにおいて施設等を整備・運営しようとする場合、及び、xx町が本事業区域外の神明公園において運営・維持管理しようとする場合において、事業者が、県とxx町のエリアを一体的に運営することによって施設利用効果の最大化を図る目的から、当該xx町の事業を行うときの当該事業をいう。
(98) 「任意事業実施企業」とは、構成企業自ら若しくは自らが出資する会社(事業者を含む。)又は事業者と連携する企業の総称をいう。
(99) 「破産法」とは、破産法(平成 16 年法律第 75 号)をいう。
(100) 「PFI 法」とは、民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律(平成 11 年法律第 117 号)をいう。
(101) 「不可抗力」とは、①地震、洪水、高潮、地震、地滑り、落盤その他の自然災害、②豪雨、暴風その他の異常気象であって本施設の周辺において通常発生する気象条件よりも過酷なもの、③騒擾、騒乱、暴動、火災その他の人為的災害に係る事象、④その他当該義務履行当事者にとり予測可能性又は支配可能性のない事象(大規模な感染症、放射能汚染、航空機の墜落を含む。)(①乃至④いずれも、要求水準書等に基準の定めがあるものについては、当該基準を超えたものに限る。)のうち、県及び事業者のいずれの責めにも帰すことのできないものをいう。なお、いかなる場合においても拠点運用時の状態は不可抗力とはみなされないものとする。
(102) 「平常運用時」とは、事業期間のうち、拠点運用時を除いた期間をいう。
(103) 「暴力団員等」とは、愛知県公共工事請負契約約款(建築工事用)第46 条(暴力団等排除に係る解除)第1項第2号に規定する意味を有する。
(104) 「法令改正」とは、第 97 条(法令改正)第1項に定義する意味を有する。
(105) 「法令等」とは、条約、法律、政令、省令、条例及び規則並びにこれらに基づく命令、行政指導及びガイドライン、裁判所の判決、決定、命令及び仲裁判断、その他の公的機関の定める全ての規定、判断、措置等の規準(要求水準書第2「9 遵守すべき法令等」に掲げる関係法令、条例、規則、要綱、各種基準、規格等を含むがこれらに限られない。)をいう。
(106) 「本施設」とは、特定事業契約冒頭第2の1に定める各施設の総称をいう。
(107) 「本施設(事業者建設部分)」とは、本施設から公園(平場)を除いた部分をいう。
(108) 「本事業」とは、愛知県基幹的広域防災拠点整備等事業をいう。
(109) 「民事再生法」とは、民事再生法(平成 11 年法律第 225 号)をいう。
(110) 「民法」とは、民法(明治 29 年法律第 89 号)をいう。
(111) 「落札者」とは、本事業を実施する民間事業者として選定された●(●を代表企業並びに●及び●を構成企業とするコンソーシアム)をいう。
(112) 「要求水準」とは、事業者による本事業(任意事業を除く。)の実施にあたり、県が要求水準書に基づき事業者に履行を求める水準をいい、事業提案書の内容が要求水準書に定める水準を超える場合には、事業提案書による水準をいう。
(113) 「要求水準書」とは、入札説明書添付資料1「愛知県基幹的広域防災拠点整備等事業 要求水準書」(その後の修正を含む。)をいう。
(114) 「要求水準書等」とは、特定事業契約、要求水準書、入札説明書等及び事業提案書の総称をいう。
(115) 「利用者」とは、第5条(運営業務の収入)第1項に定義する意味を有する。
以 上
別紙2
事業日程
第 1 設計・建設業務、開業準備業務及び運営・維持管理業務
業務 | 開始(予定)日 | 満了(予定)日 |
設計・建設業務 | 2023 年7月1日 | 2026 年3月 31 日 |
開業準備業務 | 県及び事業者が別途合意により定めた日 | 県及び事業者が別途合意により定めた日 |
運営・維持管理業務 | 2026 年4月1日 | 2046 年3月 31 日 |
第 2 統括マネジメント業務
事業者は、事業期間にわたり統括マネジメント業務を実施する。第 3 任意事業
事業提案書のとおり。
以 上
別紙3
ガバナンス基本計画
第1部 ガバナンスの考え方
I. ガバナンスの目的と原則
1.ガバナンスの目的と枠組
(1)ガバナンスの目的
本事業の全段階の各業務が、それぞれの事業期間を通じて、円滑に遂行されるとともに、それらによる事業成果の創出を確実なものとするために、県及び事業者の双方による本事業のガバナンスの枠組を構築する。その際、本事業、特に公共施設等運営権が設定される業務に構造的に存在する官民間の相互依存性を踏まえて、県による単なるモニタリングを超えたガバナンスの仕組を構築する。
(2)基本的な考え方
本事業のガバナンスにおいては、県及び事業者の間の「信頼関係」の構築とその維持・発展を基礎に、また、事業者のセルフモニタリングにより得られた客観的な業績情報の活用を基礎として、①県及び事業者の間で重層的に構成する会議体(以下「会議体」という。)を通じた実績評価と改善協議による統制(内部統制)及び②外部有識者等により構成する「第三者機関」を通じたアドバイス・勧告等による統制(外部統制)により、ガバナンス機能を確保する。また、本事業のガバナンス機能の維持・強化を目的に、県及び事業者双方から必要に応じて、本事業における官民間の相互依存性及び会議体や第三者機関の組織特性を踏まえ、内部統制・外部統制の中間的な機能として、官民当事者の間に立ち両者間の諸調整を行うファシリテーターを配置することができる。
県及び事業者、第三者機関、ファシリテーターは、実施方針等に規定される本事業の目的をよく理解し、特に、以下のような事業特性に十分に配慮して、ガバナンスの仕組を構築し、運用することが求められる。
- 計画地は消防学校エリア、公園エリア及び神明公園エリアにより構成され、それぞれ性質が異なるが、計画地全体の機能を一体的に発揮すること
- 災害発生により拠点運用を開始する際は、平常時とは大きく異なる業務環境が想定されるところ、様々な条件下においても、本事業に期待される役割、機能を十分に理解したうえでの的確な対応が求められること
計画地に隣接するエリアにおいて、xx町の賑わい施設・避難所等の整備が計画されており、県エリアと町エリアの一体的運用による施設利用効果の最大化を図ること
(3)会議体の設置
各業務において、本事業の官民の公式なコミュニケーションの枠組として、県及び事業者の間での会議体を設置する。この会議体は、事業期間を通じて、県及び事業者の間の「信頼関係」の構築とその維持・発展を基礎とした、円滑な事業遂行を実現するためのコミュニケーションの枠組として機能する。したがって、県は事業者の単なるモニタリングを超えた率直かつ真摯な協議の場となる運営を求めるものとする。
(4)第三者機関の設置
複数の有識者により構成する「第三者機関」を設置し、客観的な立場から本事業並びに県が実施するモニタリングに対するアドバイス及び勧告等を行うことを想定している。
2.設計・建設に関するガバナンス
(1)セルフモニタリング及び実績評価
ア 事業者によるセルフモニタリング
事業者は、要求水準書に定める基準に基づきセルフモニタリングを実施し、その結果を適切に保存するとともに、県・事業者の両者の参加による月1回以上の定期的な会議体を設けて、定期的に、また、県の求めに応じて随時報告を行うものとする。
イ 県による実績評価
県は、各工程の必要な時期に、設計・建設業務が特定事業契約書に定められた要求水準及び条件に適合するものであるか確認を行う。
設計・建設業務が特定事業契約書に定められた要求水準及び条件に適合しない場合は、県は、事業者に必要な改善を求め、事業者は、必要な改善措置を講じるものとする。
県及び事業者は、両者の参加による定期的な会議体を設けて、円滑な業務遂行に向けての課題等について、県及び事業者が協議を行って、両者が必要な対応策を講じることとする。
(2)それ以外の仕組
上記以外のガバナンスの仕組については、以下の II・III を参照のこと。
3.開業準備、運営・維持管理に関するガバナンス
(1)セルフモニタリング及び実績評価
ア 事業者によるセルフモニタリング
事業者は、要求水準書に定める基準に基づきセルフモニタリングを実施し、その
結果を適切に保管・管理するとともに、その方法及び結果について、設置する会議体を通じて、県に対して、定期的に、また、県の求めに応じて随時報告を行うものとする。
イ 県による実績評価
県は、事業者が契約に定められた業務を確実に遂行し、要求水準が達成されているか否かを確認するために、業務の実績評価を行い、運営等の成果が特定事業契約書に定められた要求水準及び条件に適合しないと認める場合には、設置する会議体を通じて業務内容に対する改善協議を行うことができるものとし、事業者は、必要な改善措置を講じるものとする。
県は、事業者の財務状況を把握し本事業の継続性・安定性を確認するために、財務諸表の確認や管理運営原価の情報の開示・確認等によるモニタリングを行うものとし、確認等の結果、本事業の継続性・安定性の確保のために必要があると認める場合には、財務状況等についての改善協議を行うことができるものとし、事業者は、必要な改善措置を講じるものとする。
また、特定事業契約書に基づく県の責務については、県がその実施状況についてモニタリングするとともに、設置する会議体を通じて事業者に報告する。その際、状況や必要に応じて改善協議を行うことができるものとする。
(2)それ以外の仕組
上記以外のガバナンスの仕組については、以下の II・III を参照のこと。
II. 内部統制の仕組
上記のように、運営権の設定対象となる業務についてのガバナンスの確保は、内部統制が基本となる(なお、此処での内部統制は、県と事業者の連携によるコンセッション事業としての内部統制のことであり、事業者の内部統制ではない。)。県及び事業者が、事業の目的を共有したうえで、重層的に構成される会議体での協議を通じて、セルフモニタリングによって得られた業績情報を活用した進捗管理及び今後の方針検討・決定を行い、そしてその協議の記録を議事録としてしっかりと残すことが基礎となる。これらの三要素
(会議体、業績情報、議事録)が有機的に結びついて内部統制としての機能を果たす。
1.目的の共有
最初に、最上位のこととしてまず実施するのは、県と事業者による「目的の共有」である。これには、本事業の目的の明確化と共有、xx価値の共有、置かれている環境などについての認識の共有、が含まれる。具体的な内容については、表1のとおりである。
表1 業務の概要
項 目 | 統括マネジメント | 任意事業 | |||
設計建設 | 開業準備 | 運営 | 維持管理 | ||
PFI 特定 事業範囲 | 〇 | ― | |||
運営権設定範囲 | ― | 〇(統括マネジメント業務含む) | ― | ||
契 約 | 事業契約 | 別途任意の事業協定書 | |||
事業主体 | 事業者 | ※1 | |||
期 間 | 2023 年7月~ 2026 年3月 | ※2 | 2026 年4月~2046 年3月 | ||
サービス 購入料 | 〇 | ― | ― | ― | |
運営負担 | ― | ○ | ― | ||
利用料金 | ― | ○ | ― | ||
共通目的 | ∙ 拠点運用時は基幹的広域防災拠点として、平常運用時は消防職員等に対する教育・訓練のための消防学校として使用するほか、公園施設では、運動施設等として広く県民の利用を図り、イベントの開催や防災ビジネスなど地域の賑わいを創出。 ∙ 県民サービスの質の向上を図るとともに、民間経営による収益性の確保と県負担の軽減を図る。 ∙ 本事業を通じて、企業・県民、運営にあたる事業者、行政のそれぞれにとってメ リットの高い、「三方良し」を実現する。 | ||||
個別目的 | ・大規模災害時に県内約 130箇所の防災活動拠点の後方支援を行う基幹的広域防災拠点としての機能を持つ施設の実現 ・消防職員等への全県一貫し た 消 防 教育、実践的な訓練ができる施設の実現 ・防災・減災の普及・啓発及び防災・減災活動を実践する人材育成ができる施設の実現 ・利用者が訪れてみたくなる魅力的な公園施設の実現 | 施設の整備後速 や か に 運営・維持管理業務に移行できるように業務を実施 | ・拠点運用時には基幹的広域防災拠点として求められる機能の提供 ・平常時には県民の健康づくりや文化交流等、誰もが安全、快適に利 用 で き るサービスの提供 ・防災・減災の普及・啓発及び防災・減災活動を実践する人材の育成 | 所期の機能及び性能等を常に発揮できる最適な状態を保ち、利用者の安全かつ快適な施設利用 | 本事業の特定施設の価値を高め、相乗効果を創出 |
業務内容 | ∙ 設計業務 ∙ 建設業務 ∙ 工事監理業務 | ∙ 開業準備業務 | ∙ 運営業務 | ∙ 維持管理業務 | ∙ 連携業務 | |
目標値評価基準 | 要求水準書 | 要求水準書 | 要求水準書 | 要求水準書 | 要求水準書 ※3 | |
ガバナンス | 会議体 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
第三者機関 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |
基本計 画 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
※1)応募者、構成企業、これらが出資する会社(事業者を含む)又は事業者と連携する企業
※2)事業者の実施設計完了後、県が設置管理条例の制定及び指定管理者の指定を行った後に開始するものとする。
※3)任意事業については、事業者の提案を基に別途水準を設定する。
※4)業務期間終了後も、ガバナンス機能は一定期間維持するものとする。
2.会議体・業績情報・議事録の三要素
本事業は、所有権者である県と運営権者である事業者とのフラットな体制により遂行される。県と事業者の間で重層的に構成される会議体は、ガバナンスの「中枢機能」を果たす組織となる。また、セルフモニタリングを通じて得られた客観的な業績情報は、県と事業者の多様な参加主体にとっての「共通言語」となる。そして、会議体の協議を記録する議事録は、20 年に及ぶ本事業を遂行する主体にとっての貴重な「共有資産」となる。
表2 ガバナンスの三要素の役割と機能
構成要素 | ガバナンス上の役割 | 官民の多様な主体間で果たす機能 |
会議体 | 中枢機能 | ・相互の進捗確認・報連相、情報共有 ・協議・調整、合意形成、意思決定 |
業績情報 | 共通言語 | ・冷静かつ一貫性のある協議を可能に |
議事録 | 共有資産 | ・協議経過や合意の記録・確認 ・中長期にわたる関係性の軌跡を共有可能に |
(1)会議体
本事業で設置する重層的な会議体は、セルフモニタリングの結果の報告・評価の場としてのみではなく、相互の情報共有、運営上の諸課題についての協議・調整、県と事業者の合意形成、本事業としての意思決定など、長期の事業期間を通じて様々な機能を果たす場となるため、本事業のガバナンスの確保の観点から極めて重要である。
詳細については、特定事業契約書の別紙4「ガバナンス体制」を参照のこと。
(2)業績情報
県と事業者とが、長期間にわたり事業を円滑に推進させていくためには、両者の共通言語となるものが必要であり、「客観性・中立性」「共通性・共有性」といった特質をもつ業績情報が、その機能を果たす。これを活用することにより、県と事業者において一貫性をもった協議が可能となる。そのためには、セルフモニタリングの具体的な指標について、「要求水準書」及び「モニタリング基本計画」を踏まえて、事業開始までに合意しておく必要がある。
詳細については、第2部「モニタリング基本計画」を参照のこと。
(3)議事録
本事業に係る会議体においては、議事録の作成を必須とする。議事録の作成は、本事業のような多様な主体による長期にわたる事業におけるガバナンスの維持・確保の観点からは、非常に重要なものである。
ただし、詳細なものを作成することを求めているのではなく、論点や結論(具体的なアクション等)などの要点が明快かつ簡潔に記述されていればよい。
詳細については、特定事業契約書の別紙4「ガバナンス体制」内の「協議会等運営ガイドライン」を参照のこと。
III. 外部統制及びファシリテーターの仕組
(1)第三者機関
第三者機関は、県及び事業者の間の「信頼関係」の構築とその維持・発展を前提に、事業期間を通じた円滑な業務遂行とそれらによる事業効果の創出を確実なものとするための、外部統制として機能する。第三者機関によるアドバイスや勧告等の活動は、県及び事業者が設置する会議体からの報告を踏まえての活動、客観的な立場からの主体的な活動、事業者若しくは県からの個別協議(相談)を踏まえた活動など、ガバナンスの確保のために、状況に応じて柔軟に活動することを想定している。
なお、設計・建設段階においても、必要に応じて、第三者機関によるアドバイスや勧告を活用することを想定している。
詳細については、特定事業契約書の別紙4「ガバナンス体制」を参照のこと。
(2)ファシリテーター
内部統制・外部統制の中間的な機能として、県及び事業者双方から必要に応じて、官民当事者の間に立ち両者間の諸調整を行うファシリテーションの機能を導入することができる。ファシリテーターを介した公式・非公式の諸調整により、ガバナンス機能を維持・強化する。
詳細については、特定事業契約書の別紙4「ガバナンス体制」を参照のこと。
第2部 モニタリング基本計画
I. 総論
1.ガバナンスの考え方及びモニタリング基本計画の位置づけ
(1)ガバナンスにおけるセルフモニタリング
本事業のガバナンスの維持の根幹をなすのが、事業者によるセルフモニタリングである。事業実施状況をセルフモニタリングにより客観的に把握して、それを会議体における官民協議の場で評価(実績評価)するとともに、その結果を踏まえた改善策を講じていくことにより、安定的な事業実施を目指す。加えて、予期せぬ事態の発生なども、このセルフモニタリングを通じて把握されることが期待される。更に、第三者機関を通じた外部統制やファシリテーションの機能も、このセルフモニタリングにて得られた客観的な業績情報を活用することになるため、セルフモニタリングは、本事業のガバナンスの維持にて極めて重要な役割を担うこととなる。
(2)モニタリング基本計画
○ 要求水準書で提示する要求性能の達成状況の確認
○ 本事業の継続性・安定性(事業者の財務状況)の確認
○ 上記に基づく県から事業者への改善措置等の指示、結果の確認
モニタリング基本計画は、県が事業期間中、「民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律」(平成 11 年法律第 117 号。以下「PFI 法」という。)に基づき、事業者が特定事業契約及び特定事業契約に定められた業務を確実に遂行し、かつ、要求水準を安定的に達成し続けるため、以下の 3 項目に関する基本的な考え方について示すものである。
本事業の目的を達成するために、県と事業者は、相互に協力して意思疎通や認識の統一を図ることを常に念頭に置かなければならない。
なお、任意事業に対するモニタリングについては、ガバナンス基本計画に準拠した任意事業協定に基づき別途定めるものとする。
(3)ガバナンス実施計画書
事業者は、特定事業契約の締結後、提案書及び自らが作成する各種提出書類に基づき、ガバナンス実施計画書の案を作成し、業務計画書と同時に県に提出する。
県は事業者と協議し、ガバナンス実施計画書を確定する。ガバナンス実施計画書には、次の項目を記載する。
○ モニタリング時期
○ モニタリング内容(評価基準を含む)
○ モニタリング組織
○ モニタリング手続
○ モニタリング様式
なお、事業着手段階でモニタリングの詳細を定められない業務に関しては、後日、事業者において業務着手前に各業務実施計画を作成し、県に提出するものとする。
(4)モニタリング対象範囲
モニタリング対象業務は、以下のとおりとする。
○ 設計業務
○ 建設業務
○ 開業準備業務
○ 運営業務
○ 維持管理業務
○ 統括マネジメント業務
なお、県が行うこととなっている業務について、そのセルフモニタリング及び報告の在り方をあらかじめ書面にて定めておくことが必要と想定する部分がある場合には、「ガバナンス実施計画書」の案において、具体的な内容等を提案して、県と事業者との間で、その在り方を協議するものとする。
2.ガバナンス実施計画書の変更
(1)ガバナンス実施計画書の変更
ガバナンス実施計画書の変更は、次の事由により実施する。
・ 要求水準書が変更された場合
・ 県の事由により業務内容の変更が必要な場合
・ その他、業務内容の変更が特に必要と認められる場合
(2)契約変更に伴うガバナンス実施計画書の変更
県と事業者は、特定事業契約の変更に伴い、必要に応じ、ガバナンス実施計画書を変更する。
II. 設計業務及び建設業務のモニタリング
1.基本的な考え方
・ 設計業務及び建設業務におけるセルフモニタリングは、事業者が特定事業契約に基づき責任ある事業主体として要求水準を満たすとともに、自らが提案した事業計画に基づき適正かつ確実に事業が遂行されているかどうかを、「2.モニタリング方法」及び「3.モニタリング手順」に示す方法・手順で行う。
・ 県は、事業者の報告に基づき確認を行うことを基本とし、事業者の提出する報告書、各提出書類及び本事業の進捗状況等をもとに、要求水準書の内容を満たしているかどうかを確認する。
2.モニタリング方法
(1)書類による確認
・ 事業者は、設計業務及び建設業務の遂行状況及び要求水準達成状況を自らセルフモニタリングしたうえで、要求水準書を踏まえ、必要な提出書類を、それぞれの提出時期までに県に提出して確認を受ける。
(2)会議による確認
・ 要求水準書「第7 3(3)設計・建設業務におけるガバナンス」に示す県及び事業者の参加による定期的な会議体を通じて、県が実績評価を行うとともに、その結果も踏まえて、本事業に全体に関わる課題、対応方針、進捗状況等を確認する。
3.モニタリング手順
・ 設計業務及び建設業務に対するモニタリングの基本的な考え方は、要求水準書に示す通りとするが、詳細は別途策定するガバナンス実施計画書において確定する。
III. 開業準備業務、運営業務及び維持管理業務のモニタリング
1.基本的な考え方
・ 開業準備業務、運営業務及び維持管理業務に係るセルフモニタリングは、各業務が要求水準を確保して適切に実施されているかどうかを、「2.モニタリング方法」及び「3.モニタリング手順」に示す方法・手順で行う。
・ 事業者は、各業務の履行について業務計画書等に基づき確認を行うとともに、業務の履行に伴って作成する各提出書類及び実際の開業準備・運営・維持管理状況を基に要求水準を満たしているかどうかのセルフモニタリングを行い、要求水準確認結果を含む報告書を作成し、県に提出し、確認を受ける。
・ 県は、報告書、各提出書類及び実際の開業準備・運営・維持管理状況を基に、要求水準の内容を満たしているかどうかの実績評価を行う。
・ 県は、実績評価をするにあたり、開業準備業務、運営業務及び維持管理業務の品質確保のために必要と判断した場合には、業務の実施状況を現地において確認する。
2.モニタリング方法
(1)書類による確認
・ 事業者は、開業準備業務、運営業務及び維持管理業務に従事する者の業務遂行状況及び要求水準達成状況を自らセルフモニタリングのうえ、表3に示す提出書類を、それぞれの提出時期までに県に提出して確認を受ける。
表3 事業者が作成する提出書類
提出書類 | 提出時期 |
業務責任者届及び業務担当者配置届 | 個別業務開始前まで 変更時は必要に応じて随時 |
業務計画書 | 開業準備業務については、業務開始前 まで、運営業務及び維持管理業務は業務開始日の 30 日前まで |
中長期修繕計画書 | 運営・維持管理業務開始日の 6 ヶ月前 まで |
年度業務計画書 | 本業務開始日の 30 日前まで変更時は必要に応じて随時 |
年度業務報告書 | 当該業務年度終了後 3 ヶ月以内 |
引継業務報告書 | 契約期間終了時 |
(2)会議による確認
・ 要求水準書「第7 3(6)会議体の設置」に示す協議会等を活用し、県が実績評価を行うとともに、その結果も踏まえて、課題、対応方針を確認・共有する。
(3)現地における確認
・ 上記を実施したうえで、さらに必要がある場合には、県は現地における確認を行う。その際、事業者は、県の現地における確認に必要な協力を行う。
3.モニタリング手順
・ 開業準備業務、運営業務及び維持管理業務に対するモニタリングの手順及び事業者と県の作業内容は表4のとおりである。
・ ただし、モニタリング方法についての詳細は、特定事業契約の締結後に策定するガバナンス実施計画書において確定する。
表4 モニタリング手順等
事業者の作成書類、セルフモニタリング | 県の実績評価 | |
計画時 | ・業務開始時までに業務責任者届、業務担当者配置届を作成し、県へ提出する。 ・業務計画書及び中長期修繕計画書を作成し、県へ提出する。 ・年度業務計画書を各提出時期までに作成し、県へ提出する。 ・諸報告書を作成し、県へ提出する。 (効率的に作成可能な様式とする。) | ・各種計画書の内容を事業者と協議し、確定する。 ・諸報告書の様式等の内容を事業者と協議し、確定する。(作成の効率性も協議する。) |
業務実施段階 | ・ガバナンス実施計画書に基づき、日常的にセルフモニタリングを実施すると共に、月次の連絡会議、半期毎の事業調整会議などの会議体にて県と共有・報告して、その進捗状況を協議する。 ・本事業の運営やサービスの提供に影響を及ぼすと思われる事象が生じた場合には、直ちに県に報告する。 ・モニタリング結果の公表について、県へ協力する。 | ・業務の進捗状況を「要求水準書」「ガバナンス実施計画書」に照らして評価するとともに、改善等が必要な場合にはその具体を協議する。 ・本事業の運営やサービスの提供に影響を及ぼすと思われる事象の報告を受けた場合、対応策を協議する。 ・公表すべきモニタリング結果について、事業者と協力のうえで 準備して公表する。 |
※ セルフモニタリング、実績評価の実施に際し、県に発生した費用は県が負担し、事業者に発生した費用は事業者が負担する。
※ 事業者の運営等に疑義がある場合など、必要な場合には、県は、例えば業務報告書
(日報)などのより詳細な情報を求めることができる。
※ 県は、実績評価実施にあたり、事業者が現地確認を要請した場合、その他県が必要と判断した時は、県は現地における確認を行う。その際、事業者は、県の現地における確認に必要な協力を行う。
IV. 統括マネジメント業務のモニタリング
1.基本的な考え方
・ 統括マネジメント業務におけるセルフモニタリングは、事業者が事業期間を通じて責任ある事業主体として要求水準を満たすとともに、自らが提案した事業計画に基づき適正かつ確実に事業が遂行されているかどうかを、「2.モニタリング方法」及び「3.モニタリング手順」に示す方法・手順で行う。
・ 県は、事業者の報告に基づき確認を行うことを基本とし、事業者の提出する報告書、各提出書類及び本事業の進捗状況等をもとに、要求水準書の内容を満たしているかどうかを、書類・会議体等を通じて実績評価を行う。
・ 県及び事業者、第三者機関、ファシリテーターは、実施方針等に規定される本事業の目的をよく理解し、特に、以下のような事業特性に十分に配慮して、ガバナンスの仕組を構築し、運用することが求められる。
- 計画地は消防学校エリア、公園エリア及び神明公園エリアにより構成され、それぞれ性質が異なるが、計画地全体の機能を一体的に発揮すること
- 災害発生により拠点運用を開始する際は、平常時とは大きく異なる業務環境が想定されるところ、様々な条件下においても、本事業に期待される役割、機能を十分に理解したうえでの的確な対応が求められること
- 計画地に隣接するエリアにおいて、xx町の賑わい施設・避難所等の整備が計画されており、県エリアと町エリアの一体的運用による施設利用効果の最大化を図ること
-
・ 県及び事業者は、本事業における統括マネジメント業務では、第1部Ⅰ.1.の
「(2)基本的な考え方」に記載した以下のような事業特性への配慮が特に求められる点に留意する。
- 消防学校施設、公園施設のうち公園管理事務所及び屋内運動施設以外の施設等の工事監理を通じて、消防学校施設、公園施設全体として機能が一体的に発揮されるようにすること
- 災害発生により拠点運用を開始する際は、平常時とは大きく異なる業務環境が想定されるところ、様々な条件下においても、本事業に期待される役割、機能を十分に理解したうえでの的確な対応が求められること
- 本事業用地に隣接する地域において、将来的にxx町が整備・運営する施設との連携や一体的運用を通じて、地域活性化・地域の賑わいの創出を図ることが強く期待されていること
2.モニタリング方法
(1)書類による確認
・ 事業者は、統括マネジメント業務の遂行状況及び要求水準達成状況を自らセルフモニタリングしたうえで、表5に示す提出書類を、それぞれの提出時期までに県に提出して確認を受ける。
表5 事業者が作成する提出書類
提出書類 | 提出時期 |
実施体制図 | 本業務開始前まで 変更時は必要に応じて随時 |
統括管理責任者届 | 本業務開始前まで 変更時は必要に応じて随時 |
業務計画書(財務の諸計画を含む) | 本業務開始前まで |
年度管理計画書(財務の諸計画を含む) | 本業務開始前 30 日前まで |
年度管理報告書(財務の諸報告を含む) | 当該業務年度終了後 3 ヶ月以内 |
会社法上要求される計算書類、事業報告、附属明細書、キャッシュフロー計算書 | 事業者の定時株主総会開催後 10 日以内 |
中間計算書類(上記に準じる) | 中間決算日から 2 ヶ月以内 |
定款の写し | 特定事業契約締結日又は変更日から 10日以内 |
株主名簿の写し | 特定事業契約締結日又は変更日から 10日以内 |
事業者が締結する契約等の一覧及び契約書 | 契約締結日又は変更日から 10 日以内 |
(2)会議による確認
・ 要求水準書「第7 3(6)会議体の設置」に示す協議会等の開催を通じて、県が実績評価を行うとともに、その結果も踏まえて、本事業に全体に関わる課題、対応方針、進捗状況等を確認する。
・ 上記事業特性を踏まえた議題の設定、検討の実施を行うよう配慮する。
3.モニタリング手順
・ 統括マネジメント業務に対するモニタリングの手順及び事業者と県の作業内容は表
6のとおりである。ただし、モニタリング方法についての詳細は、事業者が提供するサービスの方法に依存するため、特定事業契約の締結後に策定するガバナンス実施計画書において確定する。
表6 モニタリング手順等
事業者の書類提出、セルフモニタリング | 県の実績評価 |
・特定事業契約に基づき、自ら又は委託等により実施する業務全体について配置する責任者や企業の名称及び役割を示した実施体制図、及び統括管理責任者届をx xし、県に提出する。 | ・提出書類に基づき、業務上の指示及び報告等が業務実施企業を含む関係者全体へ確実に伝達される体制が構築されているかを確認する。 |
・毎年度の開始までに、当該年度の業務全体の管理体制や管理計画、及び全ての業務において実施予定の主な事項及びスケジュールを整理した、当該年度に係る年 度業務計画書を作成し、県に提出する。 | ・提出書類に基づき、管理体制の構築や事業進捗が円滑に実施されるスケジュールとなっているかを確認する。 |
・公認会計士等による監査済みの財務書類等を県に提出する。 | ・提出された財務書類等により事業者のx x状況を確認するとともに、監査意見に特段の問題がないことを確認する。 |
・毎年度、直近の事業実施状況及び収支実績も踏まえて、年度業務計画書を更新す るものとし、その結果を県に説明する。 | ・事業者からの説明の合理性を確認する。 |
・特定事業契約締結後、定款の写し、株主名簿の写し、事業者が締結する契約等の一覧及び契約書を提出する。 ・上記提出書類の記載事項に変更が生じた場合は、その都度、変更した書類を県に 提出する。 | ・事業者の定款、株主名簿、事業者が締結する契約等に則り、事業が実施されているかの確認を行う。 |
※ セルフモニタリング、実績評価の実施に際し、県に発生した費用は県が負担し、事業者に発生した費用は事業者が負担する。
※ 事業者の運営等に疑義等がある場合には、県は株主総会及び取締役会の議事録等の内部書類の提出を求めることができる。
V. 財務状況等のモニタリング
1.基本的な考え方
・ 財務状況に関するモニタリングは、総括マネジメント業務におけるモニタリングに加え、特に、本事業におけるサービスの提供が停止される又は事業者が債務超過等によって事業継続が困難になる、といった事態を回避するために実施する。
・ 県は、事業者からの報告を確認することを基本とし、資金収支の状況、株主総会資料等による経営状況、直接協定による金融機関との情報交換等により確認する。
2.モニタリング方法
(1) 書類による確認
・ 事業者は、要求水準書「第6 Ⅰ 2(3)総務・経理業務」のとおり、会社法上要求される計算書類、事業報告、附属明細書のほか、監査報告、会計監査報告、キャッシュフロー計算書(以下「財務書類等」という。)について県に報告する。
・ 併せて事業者は、業務計画書、年度業務計画書、年度業務報告書の中で、財務面の諸計画を県に報告する。
・ 県は、報告された財務書類等に基づき、事業者の財務状況等を確認する。
(2)会議による確認
・ 要求水準書「第7 3(6)会議体の設置」に示す協議会等の開催を通じて、県は、財務書類等に反映された事業者の取引が提案書どおりに事業を遂行した結果及び業務計画に示したものであるか、また、その結果が事業者の財務状況を将来的に悪化させないものであるか等の確認を行う。
・ このときに、事業者が提出した財務書類等のみでは提案書による提案内容及び業務計画との関係が確認できない場合、県は、必要に応じて、該当する取引に関する契約書類等の提出を要求する場合がある。
・ なお、事業者が自ら任意事業を実施する場合には、事業者は、特定事業と任意事業の経理を区分し管理するものとする。
(3)その他の確認
・ 特定事業契約書第 124 条に従い、事業者が金融機関から融資を受けて、県が当該金融機関と直接協定を締結した場合、県は直接協定の規定に従って、当該金融機関と協力して事業者の財務状況等をモニタリングする。
VI. 契約終了時のモニタリング
※本項における記載は、特定事業契約の対象範囲内の業務のモニタリングに限る
1.モニタリング方法
・ 県と事業者は、事業期間終了 5 年前に、事業期間終了後の保有資産の取扱について、協議を開始する。
・ 事業者は、事業終了時の 1 年前に、施設・設備の劣化等の状況及び施設・設備の保全のために必要となる資料の整備状況の報告を行う。
・ 県は、上記の報告内容について確認を行う。
・ 県及び事業者は、上記による確認内容に基づき、必要に応じて協議する。
・ 事業者は、要求水準を満たすよう、事業終了時までに、協議の結果を反映した修繕計画書に基づき修繕を行うほか、必要となる資料を整備し、県に確認等を受ける。
2.確認方法
(1)書類による確認
・ 事業者は、現況図面、施設の保全にかかる資料等を含めた取扱説明書等の書類を、事業終了時に県に提出して確認を受ける。
表7 事業終了時の提出書類
提出書類 | 提出時期 |
保有資産のデータベース | 事業期間終了時 |
引継業務報告書 | 事業期間終了時 |
その他県が必要とする書類等 | 事業期間終了 5 年前以降、随時 |
VII. 要求水準未達の場合の措置
※本項における記載は、特定事業契約の対象範囲内の業務のモニタリングに限る
1.是正措置
(1)是正レベルの認定
・ 本事業は、事業期間が長期に渡ることから要求水準の未充足を抑止するための仕組みの構築が必要である。
・ このため、県は、モニタリングを実施した結果、本事業が要求水準書等に規定されている水準及び仕様を満たしていないと判断される事象が発生した場合には、次に示す基準等に従い、その是正レベルの認定を行い、事業者に通知する。
レベル 1:施設の運営・維持管理に軽微な支障がある場合等レベル 2:施設の運営・維持管理に重大な支障がある場合等
レベル 3:人命に関わる場合、周辺環境に重大な悪影響を及ぼす場合、重大な法令違反、虚偽の報告を行った場合等
・ 要求水準書等に規定する水準及び仕様等を満たしていないと判断される事象例の一部を以下に示す。
表8 是正レベル別の事象例
レベル | 事象例(一部) |
レベル 1 | ・業務報告の不備 ・重大な支障はないが、必要な設備の保守管理業務等の未実施 ・整備不良や故障等による施設や設備の短期間の停止 ・提出書類を期限までに提出しない場合 ・各種計画書等の改善を必要に応じて行なわない場合 ・重要な連絡や報告の内容の不備 ・提出された計画書や事業計画に従って業務が実施されていないと県が判 断した場合 |
レベル 2 | ・各種計画書等に記載された作業の未実施 ・整備不良や故障等による施設や設備の長期間の停止 ・合理的な理由のない不具合等の放置 ・頻発するトラブル等に対して必要な対策等を講じない場合 ・長期にわたり連絡若しくは報告がない場合 ・レベル 1 に該当する場合で是正指導の手続きを経て、なお是正が認めら れないと県が判断した場合 |
レベル 3 | ・安全措置の不備等による人身事故の発生 ・環境保全に関する規制基準の遵守違反 ・重大な法令違反、虚偽の報告を行った場合 ・レベル 2 に該当する場合で再度是正勧告の手続きを経て、なお是正が認められないと県が判断した場合 |
(2)注意
・ 県は、要求水準書等に規定する水準及び仕様を満たしていないと判断される事象が発生するおそれがある場合、書面により事業者に対して当該業務の是正を行うように「注意」を行うものとする。
・ 事業者は、県から「注意」を受けた場合、速やかに是正対策を行うものとする。
(3)是正指導
・ 県は、レベル 1 に相当する事象が発生した場合(「注意」の手続きを経てもなお是正が認められずレベル 1 に相当する事象の発生に至った場合を含む)、事業者に対して書面により業務の是正指導を行うものとする。
・ 事業者は、県から是正指導を受けた場合、速やかに是正対策と是正期限について県と協議を行い、是正対策と是正期限等を県に提示し、県の承諾を得たうえで、速やかに是正措置を行うものとする。
(4)是正指導の対処の確認
・ 県は、事業者からの是正指導に対する対処の完了の通知又は是正期限の到来を受け、随時モニタリングを行い、是正が行われたかどうかを確認する。
(5)是正勧告
・ 県は、レベル 2 に相当する事象が発生した場合(「是正指導」の手続きを経てもなお是正が認められずレベル 2 に相当する事象の発生に至った場合を含む)、事業者に対して書面により業務の是正勧告を行う。この場合、県は、事業者に対し、業務を停止させることができるものとし、停止により事業者に対して発生した損害、追加費用等については一切負担しないものとする。
・ 事業者は、県から是正勧告を受けた場合、速やかに必要な措置を施すとともに県と協議を行い、是正対策と是正期限等を記載した是正計画書を県に提出し、県の承諾を得たうえで、速やかに是正措置を行うものとする。
(6)是正勧告の対処の確認
・ 県は、事業者からの是正勧告に対する対処の完了の通知又は是正期限の到来を受け、随時モニタリングを行い、是正が行われたかどうかを確認する。
2.特定事業契約等の解除等
(1)業務実施企業の変更
・ 県は、レベル 3 に相当する事象が発生した場合(「是正勧告」の手続きを経てもなお是正が認められずレベル 3 に相当する事象の発生に至った場合を含む)、当該事象が発生した業務に係る業務実施企業の変更を請求することができ、事業者はこ
れに従うものとする。
(2)特定事業契約等の解除
・ 業務実施企業の変更後も、要求水準書等に規定する水準及び仕様を満たしていない状況となった場合には、県は、特定事業契約において当該状況が発生した業務または事業に係る部分(開業準備業務、運営業務、維持管理業務を、それぞれ最小の単位とする。)を解除することができる。
・ 事業者の事由により、要求水準書で示す事業目的が達成できなかった場合は、その内容によっては契約解除の対象となることがある。
3.違約金の算定
(1)対象業務
・ 全業務において、業務の品質低下を抑止するための仕組みとして導入する。
・ ただし、違約金を徴収すること自体が目的ではなく、是正措置(レベル 1 に相当する事象の場合は是正指導及びペナルティポイントの付与、レベル 2 に相当する事象の場合は是正勧告及びペナルティポイントの付与)を繰り返すことを通じて、施設の運営・維持管理に関する要求水準を回復させることを目的とするものである。
(2)ペナルティポイントの計上
・ 県は、事業者に対して、統括マネジメント業務、開業準備業務、運営業務、維持管理業務において「是正措置」を行った場合、ペナルティポイントを計上、加算し、事業者に通知する。
・ なお、ペナルティポイントの累計値は翌年度に持ち越さないものとする。
表9 統括マネジメント業務、開業準備業務、運営業務、維持管理業務におけるペナルティポイント
レベル | 事象 | ペナルティポイント |
レベル1 | 運営・維持管理業務の推進等において、軽微な支障がある場合等 | 事象発生ごとに 0.1 ポ イント |
レベル2 | 運営・維持管理業務の推進等において、重大な支障がある 場合等 | 事象発生ごとに 0.5 ポ イント |
レベル3 | 人命に関わる場合、周辺環境に重大な悪影響を及ぼす場 合、重大な法令違反、虚偽の報告を 行った場合等 | 事象発生ごとに 10 ポ イント |
(3)ペナルティポイントの違約金への反映
・ 県は、ペナルティポイントの一事業年度の合計を計算し、下表に従って県費用負担額(運営・維持管理業務)に対する違約金の割合を定めるものとし、事業者が