CI-NET による電子データ交換(EDI)に関する運用仕様書
CI-NET による電子データ交換(EDI)に関する運用仕様書
1. 目的
本運用仕様書は、「CI-NET による EDI に関するデータ交換協定書」第 4 条にもとづき、取引関係情報等の交換に係わる運用上の取扱いについて定め、CI-NET による EDIを利用した業務の運営を円滑かつ合理的に推進することを目的とする。
2. 用語の定義
1) EDI(ElectronicData Interchange)
電子データ交換。企業聞における取引関係情報を、標準的な方法によりネットワークを利用して交換すること。
2) AP(access point)
ネットワークへの通信を仲介する施設や機器のこと。
3) ASP サービス
インターネットなどを通じてソフトウェアを利用させるサービス。
ASP(Application Service Provider)は、そのようなサービスの提供者。
4) ISP(Internet Services Provider )
インターネット接続業者。
5) アドレス
CI-NET による EDI の利用に際し、取引当事者であるxおよび乙が相手方に提供する取引関係情報等を送信する際、利用する通信手段が電子メールの場合には電子メールアドレスをいい、ebMS の場合には FQDN(ホスト名
+ドメイン名)もしくは IP アドレスをいう。
以下、甲が乙に対して提供する取引関係情報等を送信するアドレスを
「乙のアドレス」といい、乙が甲に対して提供する取引情報等を送信 するアドレスを「甲のアドレス」という。なお、甲または乙は、それ ぞれ甲のアドレスまたは乙のアドレスとして、インターネット・サー ビス・プロバイダ等の第三者が提供するものを利用することができる。
3. 運用条件確認書
甲および乙の連絡先、使用するソフトウェア、通信環境、運用日時等の諸情報は「CI- NET による電子データ交換に関する運用条件確認書(以下「運用条件確認書」という。)」において定め、CI-NET によるEDI 利用のため、取引を行う相手方すべてに対して開示しなければならない。
システムの変更その他の事由により運用条件確認書を変更する必要が生じた場合には、必要に応じ、修正を行い、取引のある相手方すべてに対して開示しなければならない。
4. システムの内容
(1) システムの概念図およびシステム構成
CI-NET によるEDI を行うにあたり、甲はインターネットを介して取引関係情報等を乙との間で交換する。また乙はインターネットを介して取引関係情報等を甲との間で交換する。甲、乙はともに自らの責任で、通信環境を整え取引関係情報の交換を可能と
しなければならない。
<発注者(甲)> | <受注者(乙)> | |
A 社は直接E 社に送信する A 社は直接受信す A 社 | → | E 社は直接受信する ← E 社は直接 A 社に送信する E 社 |
インターネット
AP AP
CI-NET
連携 システム
CI-NET
連携 システム
B 社は直接 F 社に送信する B 社は直接受信する | → ← | F 社は ASP を利用して受信する F 社は ASP を利用してB 社に送信する |
B 社 | ASP サービス F 社 |
CI-NET
連携 システム
インターネット
インターネット
AP AP
AP AP
CI-NET
連携
システム
F社取引関係情報
C 社はASP を利用して G 社に送信する C 社はASP を利用して受信する | → ← | G 社は直接受信する G 社は直接 C 社に送信する |
C 社 ASP サービス | G 社 |
CI-NET
連携 システム
インターネット
インターネット
AP
AP
AP
AP
CI-NET
連携 システム
C社取引関係情報
D 社はASP を利用して H 社に送信する | → | H 社はASP を利用して受信する |
D 社はASP を利用して受信する | → | H 社はASP を利用してD 社に送信する |
D 社 ASP サービス | ASP サービス H 社 |
CI-NET
連携
システム
インターネット
インターネット
インターネット
AP
AP
AP
AP
AP
AP
CI-NET
連携 システム
H社取引関係情報
D社取引関係情報
AP:アクセスポイント
図 4.5-1 システム構成の例
(2) システムの適用範囲
本システムは、CI-NET による EDI を行う甲乙間の各業務について、甲乙合意のもと
CI-NET LiteS 実装規約に規定するメッセージに適用する。
(3) アドレス
甲および乙は、CI-NET によるEDI 専用のアドレスを用意する。
5. 運用手順
(1) 取引関係情報等の内容
CI-NET による EDI で交換する取引関係情報および受信確認メッセージの内容に関する取扱いや解釈は、CI-NET LiteS 実装規約に従う。
(2) セキュリティ方式
取引関係情報および受信確認メッセージを送信する際のセキュリティ処理は、
CI-NET LiteS 実装規約にしたがう。
(3) 通信プロトコル
通信プロトコル等は、CI-NET LiteS 実装規約にしたがう。
(4) 取引関係情報等の受信確認メッセージ
受信確認メッセージは受信した取引当事者が、受信した事実、すなわちシステムの障害や機器の障害などがなく、送信内容が受信された事実を連絡するものであって、到着した事実を確認する機能を持つ。ただし、この受信確認メッセージ自体は意思表示ではなく、また取引関係情報の提供でもないので注意しなければならない。
6. 安全対策
(1) 安全確保のための手順
甲および乙は、自身の「秘密鍵」を安全に保持する。そのための社内規則、権限行使にかかる規則等を定め、万全な安全管理を確保しなければならない。
(2) 伝達するデータの容量
1 回の送信で伝達するデータのサイズは、5MB までとする。
(3) バックアップのためのデータ保存
甲および乙は、データの未達、相手方における読み出し不能等に備えるため、自身が送信した取引関係情報、相手方から受信した取引関係情報を必要な期間保存する。
(4) 障害発生時の対応
甲および乙は、CI-NET によるEDI に障害が生じた場合、あるいは障害が発生することが判明した時は、「運用条件確認書」に定める相手方の責任者に直ちにその旨通知し、速やかに対応を図る。
(5) コンピュータ・ウィルスへの対応
甲および乙は、相手方へのコンピュータ・ウィルスの感染を未然に防ぐため、自身の装置、ネットワーク環境へのコンピュータ・ウィルス感染の防止対策を実施し、さらに診断と対応に努め、問題を発見した場合は直ちにこれに対処する。
7. 費用負担
CI-NET による EDI の利用に要する費用の負担は、導入する当事者が自らの費用部分を負担する。
(1) 初期導入費用; 初期導入費用としては以下の項目があげられる。
コンピュータ、基本ソフトウェア(OS)、CI-NET 対応アプリケーションソフトウェアもしくは ASP サービス利用時の初期登録費、インターネット通信回線開設費、企業識別コード登録料、認証局により発行された電子証明書(公開鍵付き)初期登録費
(2) 運用費用; 運用費用は、以下の項目があげられる。
インターネット通信回線利用料、コンピュータ運用経費(用紙、電気代など)、メールサービス等利用料、CI-NET 対応ソフト・ASP サービス等利用料、企業識別コード、電子証明書更新料、等
8. 責任範囲
甲および乙のネットワークに係る責任範囲は、下図に示す通りとする。
<発注者(甲)> | <受注者(乙)> | |
A 社は直接 E 社に送信する | → | E 社は直接受信する |
A 社は直接受信する A 社 | ← | E 社は直接 A 社に送信する E 社 |
インターネット
AP AP
CI-NET
連携 システム
CI-NET
連携 システム
A 社の責任範囲 E 社の責任範囲
B 社は直接 F 社に送信する B 社は直接受信する | → ← | F 社は ASP を利用して受信する F 社は ASP を利用してB 社に送信する |
B 社 | ASP サービス F 社 |
CI-NET
連携
システム
インターネット
インターネット
AP
AP
AP
AP
CI-NET
連携 システム
F社取引関係情報
B 社の責任範囲
F 社の責任範囲
C 社はASP を利用して G 社に送信する → G 社は直接受信する
C 社はASP を利用して受信する ← G 社は直接 C 社に送信する
CI-NET
連携 システム
インターネット
インターネット
AP
AP
AP
AP
CI-NET
連携 システム
C社取引関係情報
C 社 ASP サービス G 社
C 社の責任範囲 G 社の責任範囲
D 社はASP を利用して H 社に送信する | → | H 社はASP を利用して受信する |
D 社はASP を利用して受信する | → | H 社はASP を利用してD 社に送信する |
D 社 ASP サービス | ASP サービス H 社 |
CI-NET
連携
システム
インターネット
インターネット
インターネット
AP
AP
D社
取引関係情報
H社
AP
AP
取引関
係情報
AP
AP
CI-NET
連携
システム
D 社の責任範囲
9. 運用体制、連絡方法
図 4.5-3 責任範囲の例
H 社の責任範囲
運用体制および連絡方法は、運用条件確認書において定める。
10. 変更の方法
甲および乙は、本運用仕様書の記載内容に変更が生じた場合、その旨の内容変更を遅滞なく相手方に申し入れる。
甲乙いずれかが本運用仕様書の内容変更を相手方に申し入れた場合は、相手方は誠意をもって協議に応じるものとし、「CI-NET による EDI に関するデータ交換協定書」の有効期間中であっても甲乙協議して本運用仕様書を変更することができるものとする。
「CI-NET による EDI に関するデータ交換協定書」改訂時には、あわせて本運用仕様書も検討し、必要に応じて改訂する。
仕様書の内容を確認しました。