Contract
建築設計業務委託共通仕様書その1
(x x)
第1条 発注者(以下「甲」という。)及び受注者(以下「乙」という。)は、xx市委託契約約款(以下「契約書」という。)に基づき、建築設計業務委託仕様書(別冊の図面、仕様書及びこれらの図書に係る質問回答をいう。以下「設計仕様書」という。)に従い、日本国の法令を遵守し、この契約(契約書及び設計仕様書を内容とする業務の委託契約をいう。以下同じ。)を履行しなければならない。
2 乙は、契約書記載の業務(以下「業務」という。)を契約書記載の履行期間(以下
「履行期間」という。)内に完了し、契約の目的物(以下「成果物」という。)を甲に引き渡すものとし、甲は、その業務委託料を支払うものとする。
3 甲は、その意図する成果物を完成させるため、業務に関する指示を乙又は第 13 条に定める乙の管理技術者に対して行うことができる。この場合において、乙又は乙の管理技術者は、当該指示に従い業務を行わなければならない。
4 乙は、契約書若しくは設計仕様書に特別の定めがある場合又は前項の指示若しくは甲乙協議がある場合を除き、業務を完了するために必要な一切の手段をその責任において定めるものとする
5 この契約の履行に関して甲乙間で用いる言語は、日本語とする。
6 契約書に定める金銭の支払に用いる通貨は、日本円とする。
7 この契約の履行に関して甲乙間で用いる計量単位は、設計仕様書に特別の定めがある場合を除き、計量法(平成4年法律第 51 号)に定めるものとする。
8 契約書及び設計仕様書における期間の定めについては、民法(明治 29 年法律第 89 号)及び商法(明治 32 年法律第 48 号)の定めるところによるものとする。
9 この契約は、日本国の法令に準拠するものとする。
10 この契約に係る訴訟の提起又は調停の申立てについては、日本国の裁判所をもって合意による専属的管轄裁判所とする。
(指示等及び協議の書面主義)
第2条 契約書に定める指示、請求、通知、報告、申出、承諾、質問、回答及び解除
(以下「指示等」という。)は、書面により行わなければならない。
2 前項の規定にかかわらず、緊急やむを得ない事情がある場合には、甲及び乙は、前項に規定する指示等を口頭で行うことができる。この場合において、甲及び乙は、既に行った指示等を書面に記載し、7日以内にこれを相手方に交付するものとする。
3 甲及び乙は、契約書の他の条項の規定に基づき協議を行うときは、当該協議の内容を書面に記録するものとする。
(業務工程表の提出)
第3条 乙は、この契約締結後7日以内に設計仕様書に基づいて業務工程表を作成し、甲に提出しなければならない。
2 甲は、必要があると認めるときは、前項の業務工程表を受理した日から 7 日以内に、乙に対してその修正を請求することができる。
3 契約書の他の条項の規定により履行期間又は設計仕様書が変更された場合において、甲は、必要があると認めるときは、乙に対して業務工程表の再提出を請求することができる。この場合において、第1項中「この契約締結後」とあるのは「当該請求があった日から」と読み替えて、前2項の規定を準用する。
4 業務工程表は、甲及び乙を拘束するものではない。
(権利義務の譲渡等)
第4条 乙は、この契約により生ずる権利又は義務を第三者に譲渡し、又は承継させてはならない。ただし、あらかじめ、甲の承諾を得た場合は、この限りでない。
2 乙は、成果物(未完成の成果物及び業務を行う上で得られた記録等を含む。)を第三者に譲渡し、貸与し、又は質権その他の担保の目的に供してはならない。ただし、あらかじめ、甲の承諾を得た場合は、この限りでない。
(秘密の保持)
第5条 乙は、この契約の履行に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。
2 乙は、甲の承諾なく、成果物(未完成の成果物及び業務を行う上で得られた記録等を含む。)を他人に閲覧させ、複写させ、又は譲渡してはならない。
(個人情報の適正な維持管理)
第5条の2 乙は、業務を行う上でxx市個人情報保護条例(昭和 60 年xx市条例第 26 号)に規定する個人情報(以下この条において「個人情報」という。)を取り扱う場合は、個人情報の保護を図るため、個人情報の漏えい、改ざん、滅失、き損その他の事故を防止するための必要な措置を講ずることにより、個人情報について適正な維持管理を行わなければならない。
(著作権の譲渡等)
第6条 乙は、成果物(第 32 条第1項に規定する指定部分に係る成果物及び同条第2項に規定する引渡部分に係る成果物を含む。以下本条から第9条までにおいて同じ。)又は成果物を利用して完成した建築物(以下「本件建築物」という。)が著作xx(昭和 45 年法律第 48 号)第2条第1項第1号に規定する著作物(以下「著作物」という。)に該当する場合には、当該著作物に係る著作xx第2章及び第3章に規定する著作者の権利(著作xx第 27 条及び第 28 条の権利を含む。以下、第6条から第9条において「著作xx」という。)のうち乙に帰属するもの(著作xx第2章第2款に規定する著作者人格権を除く。)を当該成果物の引渡時に甲に無償で譲渡する。
(著作者人格権の制限)
第7条 乙は、甲に対し、次の各号に掲げる行為をすることを許諾する。この場合に
おいて、乙は、著作xx第 19 条第1項又は第 20 条第1項に規定する権利を行使してはならない。
(1) 成果物又は本件建築物の内容を公表すること。
(2) 本件建築物の完成、増築、改築、修繕、模様替、維持、管理、運営、広報等のために必要な範囲で、成果物を甲が自ら複製し、若しくは翻案、変形、改変その他の修正をすること、又は甲の委託した第三者をして複製させ、若しくは翻案、変形、改変その他の修正をさせること。
(3) 本件建築物を写真、模型、絵画その他の媒体により表現すること。
(4) 本件建築物を増築し、改築し、修繕若しくは、模様替により改変し、又は取り壊すこと。
2 乙は、次に各号に掲げる行為をしてはならない。ただし、あらかじめ、甲の承諾又は合意を得た場合は、この限りでない。
(1) 成果物又は本件建築物の内容を公表すること。
(2) 本件建築物に乙の実名又は変名を表示すること。
3 甲が著作権を行使する場合において、乙は、著作xx第 19 条第1項又は第 20 条第1項に規定する権利を行使してはならない。
(乙の利用)
第8条 甲は、乙に対し、成果物を複製し、又は、翻案することを許諾する。
(著作権の侵害の防止)
第9条 乙は、その作成する成果物が第三者の有する著作xxを侵害するものでないことを、甲に対して保証する。
2 乙は、その作成する成果物が、第三者の有する著作xxを侵害し、第三者に対して損害の賠償を行い、又は必要な措置を講じなければならないときは、乙がその賠償額を負担し、又は必要な措置を講ずるものとする。
(再委託等の禁止)
第10条 乙は、業務の全部を一括して又は主要な部分を第三者に委任してはならない。
2 乙は、業務の一部を第三者に委任し、又は請け負わせようとするときは、あらかじめ、甲の承諾を得なければならない。ただし、甲が設計仕様書において指定した軽微な部分を委任し、又は請け負わせようとするときは、この限りでない。
3 甲は、乙に対して、業務の一部を委任し、又は請け負わせた者の商号又は名称その他必要な事項の通知を請求することができる。
(特許xxの使用)
第11条 乙は、特許権、実用新案権、意匠権、商標権その他日本国の法令に基づき保護される第三者の権利(以下「特許xx」という。)の対象となっている履行方法を使用するときは、その使用に関する一切の責任を負わなければならない。ただし、
甲がその履行方法を指定した場合において、設計仕様書に特許xxの対象である旨の明示がなく、かつ、乙がその存在を知らなかったときは、甲は、乙がその使用に関して要した費用を負担しなければならない。
(監督員)
第12条 甲は、監督員を置いたときは、その氏名を乙に通知しなければならない。監督員を変更したときも、同様とする。
2 監督員は、契約書の他の条項に定めるもの及び契約書に基づく甲の権限とされる事項のうち甲が必要と認めて監督員に委任したもののほか、設計仕様書に定めるところにより、次に掲げる権限を有する。
(1) 甲の意図する成果物を完了させるための乙又は乙の管理技術者に対する業務に関する指示
(2) 契約書及び設計仕様書の記載内容に関する乙の確認の申出又は質問に対する承諾又は回答
(3) この契約の履行に関する乙又は乙の管理技術者との協議
(4) 業務の進捗の確認、設計仕様書の記載内容と履行内容との照合その他契約の履行状況の調査
3 甲は、2名以上の監督員を置き、前項の権限を分担させたときにあってはそれぞれの監督員の有する権限の内容を、監督員に契約書に基づく甲の権限の一部を委任したときにあっては当該委任した権限の内容を、乙に通知しなければならない。
4 第2項の規定に基づく監督員の指示又は承諾は、原則として、書面により行わなければならない.
5 契約書に定める書面の提出は、設計仕様書に定めるものを除き、監督員を経由して行うものとする。この場合においては、監督員に到達した日をもって甲に到達したものとみなす。
(管理技術者)
第13条 乙は、業務の技術上の管理を行う管理技術者を定め、その氏名その他必要な事項を甲に通知しなければならない。管理技術者を変更したときも、同様とする。
2 管理技術者は、この契約の履行に関し、業務の管理及び統轄を行うほか、業務委託料の変更、履行期間の変更、業務委託料の請求及び受領、第 14 条第1項の請求の受理、同条第2項の決定及び通知、同条第3項の請求、同条第4項の通知の受理並びにこの契約の解除に係る権限を除き、この契約に基づく乙の一切の権限を行使することができる。
3 乙は、前項の規定にかかわらず、自己の有する権限のうちこれを委任せず自ら行使しようとするものがあるときは、あらかじめ、当該権限の内容を甲に通知しなければならない。
(管理技術者等に対する措置請求)
第14条 甲は、管理技術者又は乙の使用人若しくは第 10 条第2項の規定により乙か
ら業務を委任され、若しくは請け負った者がその業務の実施につき著しく不適当と認められるときは、乙に対して、その理由を明示した書面により、必要な措置をとるべきことを請求することができる。
2 乙は、前項の規定による請求があったときは、当該請求に係る事項について決定し、その結果を請求を受けた日から 10 日以内に甲に通知しなければならない。
3 乙は、監督員がその職務の執行につき著しく不適当と認められるときは、甲に対して、その理由を明示した書面により、必要な措置をとるべきことを請求することができる。
4 甲は、前項の規定による請求があったときは、当該請求に係る事項について決定し、その結果を請求を受けた日から 10 日以内に乙に通知しなければならない。
(履行報告又は調査)
第15条 乙は、設計仕様書に定めるところにより、契約の履行について甲に報告しなければならない。
2 甲は、必要があるときは、いつでも乙の業務の処理状況について報告を求め、又は調査することができる。
(貸与品等)
第16条 甲が乙に貸与し、又は支給する図面その他業務に必要な物品等(以下「貸与品等」という。)の品名、数量等、引渡場所及び引渡時期は、設計仕様書に定めるところによる。
2 乙は、貸与品等の引渡しを受けたときは、引渡しの日から7日以内に、甲に受領書又は借用書を提出しなければならない
3 乙は、貸与品等を善良な管理者の注意をもって管理しなければならない。
4 乙は、設計仕様書に定めるところにより、業務の完了、設計仕様書の変更等によって不要となった貸与品等を甲に返還しなければならない。
5 乙は、故意又は過失により貸与品等が滅失若しくはき損し、又はその返還が不可能となったときは、甲の指定した期間内に代品を納め、若しくは原状に復して返還し、又は返還に代えて損害を賠償しなければならない。
(設計仕様書と業務内容が一致しない場合の修補義務)
第17条 乙は、業務の内容が設計仕様書又は甲の指示若しくは甲乙協議の内容に適合しない場合において、監督員がその修補を請求したときは、当該請求に従わなければならない。この場合において、当該不適合が甲の指示によるときその他甲の責に帰すべき事由によるときは、甲は、必要があると認められるときは、履行期間若しくは業務委託料を変更し、又は乙に損害を及ぼしたときは必要な費用を負担しなければならない。
(条件変更等)
第18条 乙は、業務を行うに当たり、次の各号の一に該当する事実を発見したとき
は、その旨を直ちに甲に通知し、その確認を請求しなければならない。
(1) 図面、仕様書、設計委託要領及びこれらの図書に係る質問回答書が一致しないこと。(これらの優先順位が定められている場合を除く。)
(2) 設計仕様書に誤謬又は脱漏があること。
(3) 設計仕様書の表示が明確でないこと。
(4) 履行上の制約等設計仕様書に示された自然的又は人為的な履行条件が実際と相違すること。
(5) 設計仕様書に明示されていない履行条件について、予期することのできない特別な状態が生じたこと。
2 甲は、前項の規定による確認を請求されたとき又は自ら前項各号に掲げる事実を発見したときは、乙の立会いの上、直ちに調査を行わなければならない。ただし、乙が立会いに応じない場合には、乙の立会いを得ずに行うことができる。
3 甲は、乙の意見を聴いて、調査の結果(これに対してとるべき措置を指示する必要があるときは、当該指示を含む。)をとりまとめ、調査の終了後 14 日以内に、その結果を乙に通知しなければならない。ただし、その期間内に通知できないやむを得ない理由があるときは、あらかじめ、乙の意見を聴いた上、当該期間を延長することができる。
4 前項の調査の結果により第1項各号に掲げる事実が確認された場合において、必要があると認められるときは、甲は、設計仕様書の訂正又は変更を行わなければならない。
5 前項の規定により設計仕様書の訂正又は変更が行われた場合において、甲は、必要があると認められるときは、履行期間若しくは業務委託料を変更し、又は乙に損害を及ぼしたときは必要な費用を負担しなければならない。
(設計仕様書等の変更)
第19条 甲は、前条第4項の規定によるほか、必要があると認めるときは、設計仕様書又は業務に関する指示(以下本条及び第 21 条において「設計仕様書等」という。)の変更内容を乙に通知して、設計仕様書等を変更することができる。この場合において、甲は、必要があると認められるときは履行期間若しくは業務委託料を変更し、又は乙に損害を及ぼしたときは必要な費用を負担しなければならない。
(業務の中止)
第20条 甲は、必要があると認めるときは、業務の中止内容を乙に通知して、業務の全部又は一部を一時中止させることができる。
2 甲は、前項の規定により業務を一時中止した場合において、必要があると認められるときは、履行期間若しくは業務委託料を変更し、又は乙が業務の続行に備え業務の一時中止に伴う増加費用を必要としたとき若しくは乙に損害を及ぼしたときは必要な費用を負担しなければならない。
(業務に係る乙の提案)
第21条 乙は、設計仕様書等について、技術的又は経済的に優れた代替方法その他改良事項を発見し、又は発案したときは、甲に対して、当該発見又は発案に基づき設計仕様書等の変更を提案することができる。
2 甲は、前項に規定する乙の提案を受けた場合において、必要があると認めるときは、設計仕様書等の変更を乙に通知するものとする。
3 甲は、前項の規定により設計仕様書等が変更された場合において、必要があると認められるときは、履行期間又は業務委託料を変更しなければならない。
(乙の請求による履行期間の延長)
第22条 乙は、その責に帰すことができない事由により履行期間内に業務を完了することができないときは、遅滞なくその理由を明示した書面をもって甲に履行期間の延長を求めることができる。その場合における延長日数は、甲乙協議して、書面をもって定めなければならない。
(甲の請求による履行期間の短縮等)
第23条 甲は、特別の理由により履行期間を短縮する必要があるときは、履行期間の短縮変更を乙に請求することができる。
2 甲は、契約書の他の条項の規定により履行期間を延長すべき場合において、特別の理由があるときは、乙に通常必要とされる履行期間に満たない履行期間への変更を請求することができる。
3 甲は、前2項の場合において、必要があると認められるときは、業務委託料を変更し、又は乙に損害を及ぼしたときは必要な費用を負担しなければならない。
(履行期間の変更方法)
第24条 履行期間の変更については、甲乙協議して定める。ただし、協議開始の日から 14 日以内に協義が整わない場合には、甲が定め、乙に通知する。
2 前項の協議開始の日については、甲が乙の意見を聴いて定め、乙に通知するものとする。ただし、甲が履行期間の変更事由が生じた日(第 22 条の場合にあっては、甲が履行期間の変更の請求を受けた日、前条の場合にあっては、乙が履行期間の変更の請求を受けた日)から7日以内に協議開始の日を通知しない場合には、乙は、協議開始の日を定め、甲に通知することができる。
(業務委託料の変更方法等)
第25条 業務委託料の変更については、申乙協議して定める。ただし、協議開始の日から 14 日以内に協議が整わない場合には、甲が定め、乙に通知する。
2 前項の協議開始の日については、甲が乙の意見を聴いて定め、乙に通知するものとする。ただし、甲が業務委託料の変更事由が生じた日から7日以内に協議開始の日を通知しない場合には、乙は、協議開始の日を定め、甲に通知することができる。
3 契約書の規定により、乙が増加費用を必要とした場合又は損害を受けた場合に甲が負担する必要な費用の額については、甲乙協議して定める。
(一般的損害)
第26条 成果物の引渡し前に、成果物に生じた損害その他業務を行うにつき生じた損害(次条第1項又は第2項に規定する損害を除く。)については、乙がその費用を負担する。ただし、その損害(設計仕様書に定めるところにより付された保険によりてん補された部分を除く。)のうち甲の責に帰すべき事由により生じたものについては、xが負担する。
(第三者に及ぼした損害)
第27条 業務を行うにつき第三者に及ぼした損害について、当該第三者に対して損害の賠償を行わなければならないときは、乙がその賠償額を負担する。
2 前項の規定にかかわらず、同項の規定する賠償額(設計仕様書に定めるところにより付された保険によりてん補された部分を除く。)のうち、甲の指示、貸与品等の性状その他甲の責に帰すべき事由により生じたものについては、甲がその賠償額を負担する。ただし、乙が、甲の指示又は貸与品等が不適当であること等甲の責に帰すべき事由があることを知りながらこれを通知しなかったときは、この限りでない。
3 前2項の場合その他業務を行うにつき第三者との間に紛争を生じた場合においては、甲乙協力してその処理解決に当たるものとする。
(業務委託料の変更に代える設計仕様書の変更)
第28条 甲は、第 11 条、第 17 条から第 21 条まで、第 23 条、又は第 26 条の規定により業務委託料を増額すべき場合又は費用を負担すべき場合において、特別の理由があるときは、業務委託料の増額又は負担額の全部又は一部に代えて設計仕様書を変更することができる。この場合において、設計仕様書の変更内容は、甲乙協議して定める。ただし、協議開始の日から 14 日以内に協議が整わない場合には、甲が定め、乙に通知する。
2 前項の協議開始の日については、甲が乙の意見を聴いて定め、乙に通知しなければならない。ただし、甲が前項の業務委託料を増額すべき事由又は費用を負担すべき事由が生じた日から7日以内に協議開始の日を通知しない場合には、乙は、協議開始の日を定め、甲に通知することができる。
(検査及び引渡し)
第29条 乙は、業務を完了したときは、その旨を甲に通知しなければならない。
2 甲又は甲が検査を行う者として定めた職員(以下「検査員」という。)は、前項の規定による通知を受けたときは、通知を受けた日から 10 日以内に乙の立会いの上、設計仕様書に定めるところにより、業務の完了を確認するための検査を完了し、当該検査の結果を乙に通知しなければならない。ただし、乙が立会いに応じない場合には、乙の立会いを得ずに行うことができる。
3 甲は、前項の検査によって業務の完了を確認した後、乙が成果物の引渡しを申し出たときは、直ちに当該成果物の引渡しを受けなければならない。
4 甲は、乙が前項の申出を行わないときは、当該成果物の引渡しを業務委託料の支払の完了と同時に行うことを請求することができる。この場合においては、乙は、当該請求に直ちに応じなければならない。
5 乙は、業務が第2項の検査に合格しないときは、直ちに修補して甲の検査を受けなければならない。この場合においては、修補の完了を業務の完了とみなして前4項の規定を準用する。
6 乙から甲への業務完了に伴う引渡しは、検査に合格したときに完了するものとする。
(業務委託料の支払)
第30条 乙は、前条第2項の検査に合格したときは、業務委託料の支払いを請求することができる。
2 甲は、前項の規定による請求があったときは、請求を受けた日から 30 日以内に業務委託料を支払うものとする。
3 甲がその責に帰すべき事由により前条第2項の期間内に検査を完了しないときは、その期限を経過した日から検査を完了した日までの期間の日数は、前項の期間
(以下「約定期間」という。)の日数から差し引くものとする。この場合において、その遅延日数が約定期間の日数を超えるときは、約定期間は、遅延日数が約定期間の日数を超えた日において満了したものとみなす。
(引渡し前における成果物の使用)
第31条 甲は、第 29 条第3項若しくは第4項又は第 32 条第1項若しくは第2項の規定による引渡し前においても、成果物の全部又は一部を乙の承諾を得て使用することができる。
2 前項の場合においては、甲は、その使用部分を善良な管理者の注意を持って使用しなければならない。
3 甲は、第1の規定により成果物の全部又は一部を使用したことによって乙に損害を及ぼしたときには、必要な費用を負担しなければならない。この場合における賠償額又は負担額は、甲乙協議して定める。
(部分引渡し)
第32条 成果物について、xが設計仕様書において業務の完了に先立って引渡しを受けるべきことを指定した部分(以下「指定部分」という。)がある場合において、当該指定部分の業務が完了したときについては、第 29 条中「業務」とあるのは「指定部分に係る業務」と、「成果物」とあるのは「指定部分に係る成果物」と、同条第
4項及び第 30 条中「業務委託料」とあるのは「部分引渡しに係る業務委託料」と読替えて、これらの規定を準用する。
2 前項に規定する場合のほか、成果物の一部分が完了し、かつ、可分なものであるときは、甲は、当該部分について、乙の承諾を得て引渡しを受けることができる。この場合において、第 29 条中「業務」とあるのは「引渡部分に係る業務」と、「成
果物」とあるのは「引渡部分に係る成果物」と、同条第4項及び第 30 条中「業務委託料」とあるのは「部分引渡しに係る業務委託料」と読み替えて、これらの規定を準用する。
3 前2項の規定により準用される第 30 条第1項の規定により乙が請求することができる部分引渡しに係る業務委託料は、次の各号に掲げるところによる。この場合において、第1号中「指定部分に相応する業務委託料」及び第2号中「引渡部分に相応する業務委託料」は、甲乙協議して定める。ただし、甲が、前2項において準用する第 29 条第2項の検査の結果の通知をした日から 14 日以内に協議が整わない場合には、甲が定め、乙に通知する。
(1) 第1項に規定する部分引渡しに係る業務委託料指定部分に相応する業務委託料
(2) 第2項に規定する部分引渡しに係る業務委託料引渡部分に相応する業務委託料
(前払金の請求及び支払の時期)
第32条の2 乙は、公共工事の前払金保証事業に関する法律(昭和 27 年法律第 184号)第2条第4項に規定する保証事業会社と履行期間を保証期間として同条第5項に規定する前払金保証に関する契約を締結した上、その保証証書を甲に寄託して委託代金の 10 分の3以内で甲が定める額の前金払を請求することができる。
2 前払金の支払いの時期は、前項の請求があった日から 15 日以内とする。
(前払金の使用等)
第32条の3 乙は、前払金を当該業務の材料費、労務費、外注費、機械購入費(当該業務において償却される割合に相当する額に限る。)、動力費、支払運賃及び保証料に相当する額として必要な経費以外の支払に充当してはならない。
(内払)
第32条の4 甲は、業務の完了前に業務既済部分に相当する金額の 10 分の9以内において、委託契約金の一部の支払いをすることができる。
(第三者による代理受領)
第33条 乙は、甲の承諾を得て業務委託料の全部又は一部の請求につき、第三者を代理人とすることができる。
2 甲は、前項の規定により乙が第三者を代理人とした場合において、乙の提出する請求書に当該第三者が乙の代理人である旨の委任状の添付があるときは、当該第三者に対して第 30 条(第 32 条において準用する場合を含む。)の規定に基づく支払をしなければならない。
(部分引渡しに係る業務委託料の不払に対する乙の業務中止)
第34条 乙は、甲が第 32 条において準用される第 30 条の規定に基づく支払を遅延
し、相当の期間を定めてその支払を請求したにもかかわらず支払をしないときは、業務の全部又は一部を一時中止することができる。この場合においては、乙は、その理由を明示した書面により、直ちにその旨を甲に通知しなければならない。
2 甲は、前項の規定により乙が業務を一時中止した場合において、必要があると認められるときは履行期間若しくは業務委託料を変更し、又は乙が増加費用を必要とし、若しくは乙に損害を及ぼしたときは必要な費用を負担しなければならない。
(かしに対する乙の責任)
第35条 甲は、成果物にかしがあるときは、乙に対して相当の期間を定めてそのかxx修補を請求し、又は修補に代え、若しくは修補とともに損害の賠償を請求することができる。
2 前項において乙が負うべき責任は、第 29 条第2項(第 32 条第1項又は第2項において準用する場合を含む。)の規定による検査に合格したことをもって免れるものではない。
3 第1項の規定によるかxx修補又は損害賠償の請求は、第 29 条第3項又は第4項の規定による成果物の引渡しを受けた場合は、その引渡しの日から本件建築物の工事完成後2年以内に、また、第 32 条第1項又は第2項の規定による部分引渡しを受けた場合は、その引渡しの日から当該部分を利用した工事の完成後2年以内に、それぞれ行わなければならない。ただし、これらの場合であっても、成果物の引渡し時から 10 年間を超えては、修補又は損害賠償の請求を行えない。
4 前項の規定にかかわらず、成果物のかしが乙の故意又は重大な過失により生じた場合には、同項に規定する請求を行うことができる期間は、引渡しを受けた日から 10 年とする。
5 甲は、成果物の引渡しの際にかしがあることを知ったときは、第1項の規定にかかわらず、その旨を直ちに乙に通知しなければ、当該かxx修補又は損害賠償の請求をすることはできない。ただし、乙がそのかしがあることを知っていたときは、この限りでない。
6 第1項の規定は、成果物のかしが設計仕様書の記載内容、甲の指示又は貸与品等の性状により生じたものであるときは適用しない。ただし、乙がその記載内容、指示又は貸与品等が不適当であることを知りながらこれを通知しなかったときは、この限りでない。
(履行遅滞の場合における損害金等)
第36条 乙の責に帰すべき事由により履行期間内に業務を完了することができない場合においては、甲は、損害金の支払を乙に請求することができる。
2 前項の損害金は、遅延日数に応じ、契約締結の日における政府契約の支払遅延防止等に関する法律(昭和 24 年法律第 256 号)第8条第1項に規定する財務大臣が決定する率(以下「支払遅延防止法の遅延利息の率」という。)で計算した額とする。
3 損害金は、委託代金、契約保証金その他乙に支払うべき債務と相殺することができる。
4 甲の責に帰すべき事由により、第 30 条の規定による委託代金の支払が遅れた場合において、乙は、未受領金額につき、遅延日数に応じ、契約締結の日における支払遅延防止法の遅延利息の率で計算した額の遅延利息の支払を甲に請求することができる。
(甲の解除権)
第37条 甲は、乙が次の各号の一に該当するときは、契約を解除することができる。
(1) 乙の帰すべき事由により、履行期間内に業務が完了しないと明らかに認められるとき。
(2) 管理技術者を配置しなかったとき。
(3) 正当な理由がないにもかかわらず業務に着手すべき時期を過ぎても業務に着手しないとき。
(4) 前3号に掲げる場合のほか、この契約に違反し、その違反により契約の目的を達成することができないと認められるとき。
(5) 乙の振り出した手形又は小切手が不渡りになったとき。
(6) 破産手続開始、再生手続開始、整理開始又は更正手続開始の申立て等があったとき。
2 甲は、乙が、第 39 条第1項の規定によらないで契約の解除を申し出たときは、契約を解除することができる。
3 第1項又は前項の規定により契約が解除された場合においては、契約保証金は甲に帰属する。契約保証金の納付がない場合、乙は、業務委託料の 10 分の1に相当する額を違約金として甲の指定する期限までに支払わなければならない。
4 前項の損害賠償金は、委託代金その他乙に支払うべき債務と相殺することができる。
(甲のその他の解除権)
第38条 甲は、業務が完了するまでの間は、前条第1項及び第2項の規定によるほか、甲の都合により必要があると認めたときは、契約を解除することができる。
2 甲は、前項の規定により契約を解除したことにより乙に損害を及ぼしたときは、その損害を賠償しなければならない。
(乙の解除権)
第39条 乙は、次の各号の一に該当するときは、契約を解除することができる。
(1) 第 19 条の規定により設計仕様書を変更したため業務委託料が3分の2以上減少したとき。
(2) 第 20 条の規定による業務の中止期間が履行期間の 10 分の5(履行期間の
10 分の5が6月を超えるときは、6月)を超えたとき。ただし、中止が業務の一部のみの場合は、その一部を除いた他の部分の業務が完了した後3月を経過しても、なおその中止が解除されないとき。
(3) 甲が契約に違反し、その違反によって契約の履行が不可能となったとき。
2 乙は、前項の規定により契約を解除した場合において、損害があるときは、その損害の賠償を甲に請求することができる。
(解除の効果)
第40条 契約が解除された場合には、第1条第2項に規定する甲及び乙の義務は消滅する。ただし、第 32 条に規定する部分引渡しに係る部分については、この限りでない。
2 甲は、前項の規定にかかわらず、契約が解除された場合において、乙が既に業務を完了した部分(第 32 条の規定により部分引渡しを受けている場合には、当該引渡部分を除くものとし、以下「既履行部分」という。)の引渡しを受ける必要があると認めたときは、既履行部分を検査の上、当該検査に合格した部分の引渡しを受けることができる。この場合において、甲は、当該引渡しを受けた既履行部分に相応する業務委託料(以下「既履行部分委託料」という。)を乙に支払わなければならない。
3 前項に規定する既履行部分委託料は、甲乙協議して定める。ただし、協議開始の日から 14 日以内に協議が整わない場合には、甲が定め、乙に通知する。
(解除に伴う措置)
第41条 乙は、契約が解除された場合において、第 32 条の2の規定による前払金があったときは、第 37 条の規定による解除にあっては、当該前払金の額に当該前払金の支払の日から返還の日までの日数に応じ、契約締結の日における支払遅延防止法の遅延利息の率で計算した額の利息を付した額を、第 38 条又は第 39 条の規定による解除にあっては、当該前払金の額を甲に返還しなければならない。
2 乙は、契約が解除された場合において、貸与品等があるときは、当該貸与品等を甲に返還しなければならない。この場合において、当該貸与品等が乙の故意又は過失により滅失又はき損したときは、代品を納め、若しくは原状に復して返還し、又は返還に代えてその損害を賠償しなければならない。
3 前項に規定による、乙のとるべき措置の期限、方法等については、甲が定めるものとする。
(不正行為に対する賠償金)
第42条 乙が、この契約の当事者となる目的でなした行為に関して、次の各号のいずれかに該当するときは、乙は、委託契約金の 10 分の2に相当する額を損害賠償金として甲に支払わなければならない。契約を履行した後も同様とする。
(1) 私的独占の禁止及びxx取引の確保に関する法律(昭和 22 年法律第 54 号。
以下「独占禁止法」という。)の規定に違反し、独占禁止法第 49 条第1項に規
定する排除措置命令若しくは独占禁止法第 50 条第1項に規定する納付命令(以
下「原処分」という。)又は独占禁止法第 66 条第1項から第3項までの規定による審決(原処分の全部を取り消す審決を除く。以下「審決」という。)を受け原処分又は審決が確定したとき。ただし、その原処分又は審決の対象となる行為が、独占禁止法第2条第9項に基づく不xxな取引方法(昭和 57 年xx取引
委員会告示第 15 号)第6項に規定する不当廉売である場合は除く。
(2) 乙(乙が法人の場合にあっては、その役員又は使用人)が、刑法(明治 40
年法律第 45 号)第 96 条の6の罪を犯し、その刑が確定したとき。
2 前項の規定は、甲に生じた実際の損害額が委託契約金の 10 分の2に相当する額を超えると甲が認定したときは、その超過額について乙に対する賠償金の請求を妨げるものではない。
3 第1項の損害賠償金は、委託代金その他乙に支払うべき債務と相殺することができる。
(保険)
第43条 乙は、設計仕様書に基づき保険を付したとき又は任意に保険を付しているときは、当該保険に係る証券又はこれに代わるものを直ちに甲に提示しなければならない。
(賠償金等の徴収)
第44条 乙がこの契約に基づく賠償金、損害金又は違約金を甲の指定する期間内に支払わないときは、甲は、その支払わない額に甲の指定する期間を経過した日から業務委託料支払いの日まで支払遅延防止法の遅延利息の率で計算した利息を付した額と、甲の支払うべき業務委託料とを相殺し、なお不足があるときは追徴する。
2 前項の追徴をする場合には、甲は、乙から遅延日数につき支払遅延防止法の遅延利息の率で計算した額の延滞金を徴収する。
(その他)
第45条 契約書に関する文章及び設計仕様書に関し疑義が生じたときは、甲の解釈に従うものとする。ただし、この契約書に定めのない条項については、xx市契約規則(昭和 39 年川崎市規則第 28 号)によるほか必要に応じて甲乙協議して定める。