TOPICS
TOPICS
■ アレイ社との提携契約締結
2017年5月に、米国アレイ社と、同社が開発中のMEK※1阻害剤「ビニメチニブ」およびBRAF※2阻害剤「エンコラフェニブ」について、当社が日本・韓国で開発・商業化するライセンス契約を締結しました。ビニメチニブとエンコラフェニブは、BRAF遺伝子変異陽性メラノーマとBRAF遺伝子変異陽性大腸がんを対象とした両剤の併用療法での2つのグローバル第Ⅲ相臨床試験が実施されており、BRAF遺伝
子変異陽性メラノーマの治療薬として2017年9月に米国において承認申請が受理されました。また、BRAF遺伝子変異陽性大腸がんについては、現在実施中のグローバル第Ⅲ相臨床試験に日本も参加し、今後国内での開発を進めていきます。
※1 MEK ・・・細胞の増殖にかかわるタンパク質で、BRAFからのシグナルを受けて活性化し、細胞の増殖を促進します。
※2 BRAF・・・細胞の増殖にかかわるタンパク質で、活性化することでMEKにシグナルを伝え、細胞の増殖を促進します。
アレイ社
■ 生化学工業株式会社との提携契約締結
2017年8月に、生化学工業株式会社と、同社が開発中の変形性関節症治療剤「SI-613※3」の国内における共同開発及び販売提携に関する契約を締結しました。なお、当契約は2017年5月に締結した基本合意書に基づくものです。
SI-613は日本において、変形性関節症を対象とした第Ⅲ相臨床試験を実施中であり、2017年9月には腱・靱帯付着部症を対象とした後期第Ⅱ相臨床試験も開始しました。変形性関節症については、膝関節を対象とした検証的試験のほか、今後、他関節部位(股、足首、肘、肩)を対象とする臨床試験及び安全性評価を主目的とする長期投与試験を実施する予定です。これらの試験を速やかに進め、早期の承認取得を目指します。
※3 SI-613・・・ヒアルロン酸と非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)を化学結合した薬剤です。ヒアルロン酸による関節機能改善効果に加え、NSAIDの鎮痛・抗炎症作用を併せ持つことで変形性関節症に見られる強い痛みや炎症を速やかに改善することが期待されます。また、薬の有効成分が徐々に放出されるように設計された薬剤で、継続した治療効果が期待できます。
11
■ エーザイ株式会社との提携契約締結
2017年9月にエーザイ株式会社と、当社創製の抗PD-1抗体「オプジーボ」とエーザイ株式会社創製のマルチキナーゼ阻害剤「レンバチニブメシル酸塩※4」について、肝細胞がんを対象とした両剤の併用療法に関する開発提携契約を締結しました。レンバチニブメシル酸塩は、日本において、肝細胞がんに係る適応について承認申請中です。オプジーボは、肝細胞がんを対象にすでに米国で承認取得、日本において第Ⅲ相臨床試験を実施中です。両剤の併用療法が肝細胞がん患者さんの新しい治療選択肢につながるものと期待しています。
※4 レンバチニブメシル酸塩・・・腫瘍血管新生あるいは腫瘍悪性化に関与する受容体型チロシンキナーゼに対する選択的阻害活性を有する経口投与可能な薬剤です。甲状腺がんにおいては米国、日本、欧州など50カ国以上で、腎細胞がんについては、エベロリムスとの併用療法で米国、欧州など35カ国以上で承認されています。
■ カリオファーム社とのライセンス契約締結
2017年10月に、米国カリオファーム社と、同社が開発中の新規作用機序の経口XPO1※5阻害剤「セリネキサー」および第二世代の経口XPO1阻害剤「KPT-8602」について、すべてのがん腫を対象に、日本、韓国、台湾、香港、ASEAN諸国において独占的に開発および商業化するライセンス契約を締結しました。
セリネキサーは、ファーストインクラスの経口投与が可能な選択的核外輸送タンパク質阻害剤です。現在、多発性骨髄腫を対象とした第Ⅲ相臨床試験が実施されているほか、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫や脂肪肉腫などを対象とした複数の臨床試験が
実施されています。
KPT-8602は第二世代のXPO1阻害剤で、非臨床試験において中枢移行率が非常に低く、毒性を抑えて抗腫瘍効果を維持できることが確認されています。
※5 XPO1・・・腫瘍抑制タンパク質を細胞の核内から核外に輸送する作用を持つ核外輸送タンパク質。腫瘍抑制タンパク質を細胞の核外に輸送することで腫瘍抑制タンパク質の機能を阻害し、がん細胞の増殖を促進します。
カリオファーム社
12