• その影響から代替材のLVLや製材の価格が急騰している
契約書の文言だけでは原価高騰リスクを
ヘッジできない
ロシアによるウクライナ侵攻
• ロシアへの経済制裁の影響を受け、ロシア材の供給が停止
• その影響から代替材のLVLや製材の価格が急騰している
• 代替材へのプラン変更や材料の価格高騰相当分(性能評価・建築確認のやり直し費用含む)の施主への転嫁等の検討をしていかなければならない
戦争は「不可抗力」に
該当すると評価できるか?
• 国産材や欧州材、米材などの流通もある中で、ロシア材の入手困難という事情を不可抗力にあてる解釈は、将来、裁判などで覆されるリスクがある
• 受注者の責めに帰することができない事由により、工事内容または工期の変更の必要が生じたときに該当するとして、工
事内容の変更を求めることを提案してい
る
請負代金の増額
価格高騰により請負代金増額
施主に言い出せない
赤字
増額の話を事前にしていないし、
しづらいな…
代金変更の合意書を交わしていない
資金繰り悪化
代金の変更なんて
聞いていない!支払えない! 支払わない!
(条項例) 請負代金の変更
• 乙は、対象事象により、請負代金が適当でないと認められるときは、甲に対して、請負代金の変更を求めることができる。
増額に関するxxの条項がない場合
• 請負契約において、工事代金の確定額を示して契約を締結している以上、仕入れ価格・人件費の増額等による事後的な、工事代金の増額は認められないものと考えられている
「事情変更の法理」の可能性
事情変更の法理
• 重大な事情の変化が生じ、契約時の合意内容を維持することが、取引慣行上のxxxに反し、契約当事者にとってあまりにも酷である場合
→例外的に契約内容の変更を認めるもの
これが「事情変更の法理」という考え方
事情変更の法理の判例
• もっとも、「事情変更の法理」の適用が認められるためのハード
ルは非常に高い。
⮚売買予約契約につき、国の政策(価格統制令の影響で契約目的物の時価が6倍に高騰した事例(最判昭和56年6月16日)
⮚中途解約禁止のゴルフ会員契約につき、ゴルフ場の法面が崩壊
して営業自体が困難になった事例(最判平成9年7月1日)
⮚住宅の売買契約につき、空襲によって売主の引越し先の家屋が 焼失した事例(最判昭和29年1月28日)
• 上記は契約解除における判例だが、いずれにおいても事情変更の
法理の適用が否定されている。
事情変更の法理
• 「事情変更の法理」の適用が認められるためのハードルは非常に高い。
• そのため、増額変更を認めるxxの条項がどこにもない場合、本邦全体としての木材の価格高騰・不足という事情であっても、増額変更は困難であると考えられる。
⇒だから合意書を交わすことが重要
公共工事標準請負契約約款のスライド条項
(賃金又は物価の変動に基づく請負代金額の変更)
第25条
1 甲又は乙は、工期内で請負契約締結の日から12月を経過した後に日本国内における賃金水準又は物価水準の変動により請負代金額が不適当となった認めたときは、相手方に対して請負代金額の変更を請求することができる。
2 甲又は乙は、前項の規定による請求があったときは、変動前残工事代金額(請負代金額から当該請求時の出来形部分に相応する請負代金額を控除した額をいう。以下同じ。)と変動後残工事代金額(変動後の賃金又は物価を基礎として算出した変動前残工事代金額に相応する額をいう。以下同じ。)との差額のうち変動前残工事代金額の1000分の15を超える額につき、請負代金額の変更に応じなければならない。
引用元:xxxxx://xxx.xxxx.xx.xx/xxxxxx/000000000.xxx
(以下、割愛)
スライド条項を引き合いに
公共工事のスライド条項を提示
流石に1.5%の変動では請求しないことを説明
自社の基
準
を説明
●%
基準を超えた場合は増額をお願いしたい
• スライド条項の根拠としての、公共工事は1000分の15
(1.5%)の変動で請求可能。
• これを採用してもよいが、自社では、流石に1.5%の変動では請求しない。●%を基準としている。
• ●%を超えた場合には、増額をお願いしたい旨説明。