Contract
業 務 仕 様 書
1 件名
令和5年度 障がい者雇用創出事業(受入環境整備・一般就労支援研修分)委託業務
2 委託期間
契約締結の日から令和6年3月 31 日まで
3 目的
少子高齢化と人口減少により、今後一層の労働力不足が見込まれる中、県内企業が必要な人材を確保していくためには、障がいがあっても活躍できる職場づくり(ダイバーシティ)を通じて、誰にとっても働きやすい、魅力ある職場づくりを進め、求職者から「就職先として選ばれる企業」を目指す必要がある。
このため、障がい特性に応じた受入環境の整備等の企業向け支援を行うとともに、障がいのある求職者のスキルアップを支援することにより、良質な雇用を創出し、県内民間企業における障がい者雇用の促進を図る。
4 委託内容
受託者は、企業の価値向上や競争力強化につながる障がい者雇用の意義を理解 した上で、障害者就業・生活支援センター等の関係機関や関連事業と緊密に連携 を図りながら、企業ニーズに応じた実践的研修等により、障がい者雇用の創出と、希望や適性に応じた障がい者の一般就労について、総合的支援を行うこと。
<戦略的雇用創造分野(ターゲット業種)>
次の(1)①及び②に係る企業向け支援事業の実施に当たっては、以下に示す日本標準産業分類(大分類)の業種を主なターゲットとすること。
「E 製造業」、「G 情報通信業」、「H 運輸業、郵便業」、「I 卸売業、小売業」
「M 宿泊業、飲食サービス業」、「N 生活関連サービス業、娯楽業」のうち小分類「791 旅行業」、「P 医療、福祉」、「R サービス業」
(1) 企業向け支援〔障がい特性に応じた受入環境の整備〕
①「障がい者雇用セミナー」の開催及び個別相談の実施
企業向け支援の入口として、企業の経営層や人事担当者等を対象に、障がい特性に応じた受入環境整備のためのセミナーを開催するとともに、希望に応じて個別相談を実施すること。
【研修内容】
〇障がい特性に応じた合理的配慮のほか、在宅勤務や短時間勤務など柔軟な働き方の促進により障がい者の受入環境を整備する経営上のメリット(障がいがあっても働きやすい職場環境の整備は、誰にとっても働きやすい職場づくりにつながること等)、設備整備(スロープや多目的トイレ等)等について、好事例
や実務のポイントを学ぶ内容を盛り込むこと。
〇障がい者雇用の企業側の課題として、障がい者を雇用するイメージやノウハウの不足を挙げる企業が多いことから、県が設置する企業開拓員や関係機関と連携して、自社での業務の切り出し方や、採用・雇用管理の要点を学ぶ内容を盛り込むこと。
【実施方法等】
〇広く参加企業を募るため、WEB によりセミナー動画の配信を行うなど、開催方法を工夫すること。
〇参加企業数 40 社以上を目標とすること。
〇セミナー参加企業の募集や受講後のフォローアップに際しては、県が設置する企業開拓員や障害者就業・生活支援センター等の関係機関との連携を図ること。
〇セミナー参加企業にはアンケート調査を実施し、セミナーの満足度や理解度のほか、採用ニーズや現場の課題・悩みについて把握・分析を行うとともに希望に応じて個別相談を実施し、
・当事業による専門家派遣(伴走支援)
・別途実施する障がい者雇用創出事業(求人情報発信力強化分)による県公式求人・移住総合情報サイト「あのこの愛媛(xxxxx://xxx-xxxx.xxxxx.xx)」への障がい者向け求人 WEB コンテンツ掲載
・関係機関(障害者就業・生活支援センター等)による採用支援等につなげること。
〇セミナー参加企業と、当事業による求職者向け一般就労支援研修修了者のマッチングを図るなど、事業の相乗効果を高めるよう工夫すること。
〇特に、はじめて障がい者雇用に取り組む「障がい者雇用ゼロ企業」など、法定雇用率未達成企業に対する丁寧な支援に努め、障がい者の受入企業の掘り起こしを図ること。
②受入企業に対する専門家派遣(伴走支援)の実施
【支援内容】
〇セミナー参加企業など、障がい者雇用(受入)に積極的な企業が、自社での実践に意欲的に取り組む場合に、社会保険労務士等の専門家を派遣し、業務の切り出しや就業規則の整備など、労働条件や就労環境の整備・求人に係る助言やコンサルティングを行うとともに、障がい者雇用に関する国等の助成制度(施設整備/通勤措置/介助/トライアル雇用/キャリアアップ助成金等)の申請等を支援し、障がいがあっても働きやすい県内企業を育成すること。
〇在宅勤務や短時間正社員、勤務地限定正社員制度など、障がいがあっても働きやすい、多様な働き方を促進するための支援を行うこと。
【派遣回数等】
〇支援対象企業数:10 社程度
〇派遣回数:1社あたり5回まで
(2) 求職者向け支援の実施〔一般就労のためのスキルアップ〕
「働きたい障がい者のための一般就労支援研修」及び受講生サポートの実施
①基礎研修(基礎編)
【研修内容】
〇障がいのある求職者が安定的に一般就労できるよう、テレワーク等に必要なI Tスキルのほか、応募時のノウハウ(自らの障がいや要配慮事項、自己PRの伝え方等)、職場でのコミュニケーション力や問題解決能力(仕事で分からないことや困っていることを伝え解決するための力)、ビジネスマナー(報連相等)など、一般就労において企業が求めるスキルを学ぶ基礎研修を実施すること。
【実施方法】
〇セミナー動画を長期間 WEB で配信するなど、時間や場所を限定せず、できる限り多くの受講希望者が受講できるよう企画すること。
〇修了確認テスト等の実施により、スキルの習得状況を確認できるよう工夫すること。
【受講者】
〇受講者数 100 名程度を目標とすること。
〇できる限り受講者は限定せず、広く受講希望者を募ること。
〇障害者手帳を持たない者であっても受講できるようにすること。
〇保護者や本人が、障がい者向け支援を望まないケースもあるため、募集に当たっては広報や表現に留意すること(②の実践研修も同様とする。)。
【研修時間】
〇1講座あたり 30 分程度
(集中力を維持し、高い研修効果が得られるよう各講座の研修時間は適切な長さに設定すること。)
【成果(就職)につなげるための取組み】
〇セミナー修了後は、就職支援機関(障害者就業・生活支援センター等)の支援につなげるよう誘導すること。受講者が支援を希望しない場合であっても、下記( 3 )③の追跡調査により就職・定着状況等の把握が必要であることに留意すること。
②オーダーメイド型実践研修(実践編)
【研修内容】
〇障がいのある求職者が良質な雇用により安定的に一般就労できるよう、テレワーク等に必要なITスキルのほか、応募時のノウハウ(自らの障がいや要配慮事項、自己PRの伝え方等)、職場でのコミュニケーション力や問題解決能力
(仕事で分からないことや困っていることを伝え解決するための力)、ビジネスマナー(報連相等)など、一般就労において企業が求めるスキルを確実に習得するためのオーダーメイド型の実践的研修を実施すること。
〇研修カリキュラムについては、受講者に事前ヒアリングを行い、
・本人の希望やスキル・適性
・受入候補企業のニーズ(企業向けセミナー参加企業等から掘り起こすこと)
・教育・就労支援機関からの意見等
を踏まえ、講師(指導者)がオーダーメイドでカリキュラムを作成すること。
【受講者数】 20 名程度
〇企業の人材確保の観点から、企業ニーズに応じた人材の育成・確保を目指すこととし、大学等の教育機関と連携しながら、通勤や就労環境、対人スキル等に困難を抱える障がい者が、意欲や能力に応じて活躍できるよう企画すること。
〇当事業の実施により良質な雇用による就労が見込まれる者を募集し、選定すること。
〇受講希望者が上限を超える場合には、障害者手帳を持つ者や、医師の意見書を有する者など、障がいがあることを客観的に確認できる者を優先的に受講対象とすること。
【実施方法】
〇講師(指導者)の個別指導による演習を行うこと。
〇受講方法は、できる限り本人の希望に応じて行うこと(オンラインも可)。
【実施期間】
〇本人の希望やスキル、適性に応じて研修期間や日程を調整すること(2ヶ月程度を想定)。
【成果(就職)につなげるための取組み】
〇受講者が確実に研修を修了できるよう進捗状況を管理し、個別相談への対応や修了確認テスト、受講者交流会、修了後の就職支援等のきめ細かな受講生サポート(伴走支援)を実施すること。
〇研修の実施に当たっては、上記( 1 )の企業向け支援(障がい者雇用セミナー・個別相談・専門家派遣)の対象とした企業の採用ニーズ等を踏まえて企画することとし、企業向け支援事業とリンクしたスキルアップ支援により成果(就職)につながるよう工夫すること。
〇研修修了後は、講師(指導者)の評価意見書を付して、障害者就業・生活支援センター等へ引き継ぐなど、関係機関と連携した就職支援を行うこと。
(3) 成果の把握・分析及びプロジェクト管理
①目標 KPI
〇目標 KPI は、本事業の実施により就職又は処遇改善が図られた障がい者のうち、別紙に定めるアウトカム及び良質な雇用の基準を満たした者の数とし、13 名を下限として設定すること。
〇目標 KPI で提示した数値を達成した場合でも、事業効果の最大化を目指して事業を継続すること。
②アンケート調査の実施
〇各個別事業の参加企業・支援対象企業及び受講者等に対して、満足度や雇用計画・就業希望等に関するアンケート調査を実施すること。なお、調査項目や実
施方法等については、県と協議の上、決定すること。
〇上記調査の集計結果等は、取りまとめの上、速やかに報告書を提出すること。
③追跡調査
〇委託事業終了後も、支援を行った企業及び求職者等に対する追跡調査を実施し、当該事業による就職・処遇改善状況及び定着状況等を把握する必要があることから、募集時の要件設定に留意すること。なお、調査項目や実施方法等は、県と協議の上、決定すること。
〇上記調査の集計結果等は、取りまとめの上、速やかに報告書を提出すること。
〇追跡調査の実施に当たっては、別紙に定めるアウトカム及び良質な雇用の基準を満たした雇用であることを確認するため、必要に応じて労働条件通知書等の書面の提出を求める場合がある。
④業務の改善提案
〇良質な雇用による障がい者の一般就労を促進する観点で、次年度以降の本業務の実施に向けて、今年度の実施結果を踏まえた改善提案を行うこと。
⑤プロジェクト管理
〇受託者は、本事業がリスクを回避しつつ円滑に実施され、目的を達成できるようプロジェクト管理を行い、業務の進捗及び作業スケジュールの調整のほか、関係者との連絡調整、問合せ対応、事業実績(支援対象企業数及び良質な雇用創出数等)の把握等の業務について、県と緊密な連携を図りながら、県の指示に従い、適切に行うこと。
〇翌年度以降も円滑に事業を継続できるよう引継書を作成すること。
(4) 共通の注意事項
〇上記( 1 )から( 3 )に係る各事業の企画提案に当たっては、費用対効果等を踏まえ、目標 KPI の達成に向けて最も効果的と考える実施方法、カリキュラム、講師・指導者等、実施回数、企業及び求職者等の募集方法、実施スケジュール等を設定すること。
〇企業及び求職者等の募集、参加決定、連絡調整等は受託者において実施すること。
〇各事業の実施に当たっては、ウェブサイト、チラシ、広告、SNS等から適切な媒体を選定し、効果的な広報を実施すること。
〇セミナー及び研修等の実施に当たっては、原則として各回録画を行い、成果物として提出すること。なお、これにより難い場合には、概要を書面により報告すること。
〇新型コロナウイルス感染症の感染防止対策に万全を期すこと。
〇このほか、目標 KPI の達成に向け効果的な企画があれば追加提案すること。
(5) 留意事項
①業務実施、進捗状況の報告等
〇受託者は、本業務の実施に当たり、愛媛県会計規則、愛媛県個人情報保護条例
その他関係法令・条例等を遵守すること。また、県の信用を損なう行為や不名誉となる行為は厳に慎むこと。
〇受託者は、進捗状況について、定期的に協議等の場を設けて県に対する報告を行い、県の指示に従って受託業務を円滑に遂行しなければならない。なお、協議内容については、速やかに議事録を作成して県と共有するとともに、業務従事者以外に知られることないよう十分な対策を取ること。
②実施体制
〇本業務の円滑な実施と品質の確保を実現するために必要な人員体制を確実に確保すること。
〇本業務における連絡窓口は一本化すること。
〇受託者は、本業務の実施に当たり、十分な経験があり、以下の役割や能力を有する者を総括責任者として配置しなければならない。
ア 経費配分や要員配置など、本業務の遂行に必要となる受託者のリソースを調整することができること。
イ コミュニケーション能力を有し、本業務の目標や解決すべき課題について、関係者との調整を行い、県と円滑に合意形成できること。
ウ リスクコントロール能力を有し、同種・類似の業務における実務経験から想定できるリスクと、顕在化した問題への対処ができること。
〇本業務の従事者は、業務を的確かつ円滑に遂行できる知識、能力及び経験を有すること。
〇県は、本業務の従事者について、業務の実施に著しく不適当と認められるときは、受託者に対して理由を明示して変更を求めることができる。
③著作権の取扱い
〇受託者は、成果物等の全ての著作権(著作xx第 27 条及び第 28 条に規定する権利を含む。)について、検査完了をもって県に全て移転するものとする。
〇受託者は、成果物等について、第三者の知的財産権を侵害していないことを保 証すること。なお、第三者が有する知的財産権の侵害の申立を受けたときは、 受託者の責任(解決に要する一切の費用負担を含む。)において解決すること。
〇受託者は、成果物等に係る著作者人格権を行使するときにおいても、県及び県の指定する者に対して、これを行使しないものとする。
〇成果物等の中に、すでに受託者が著作権を保有している著作物が含まれている場合は、当該著作物の著作権は、なお受託者に帰属するものとする。
④機密保持について
〇受託者は、次に掲げる情報を本業務の遂行の目的以外に使用又は第三者に提示若しくは漏洩してはならないものとし、このために必要な措置を講ずること。なお、契約内容の履行目的以外の使用又は第三者に上記情報を開示する必要が生じた場合は、事前に県と協議の上、承認を得ること。契約終了後も同様とする。
ア 契約期間中に県が提示した一切の情報(公知の情報等を除く。)イ 履行過程で知り得た一切の情報
ウ 納入成果物等に関する一切の情報
〇受託者は、本業務の遂行の過程において県から入手した資料等については、管理台帳等により適切に管理し、複製しないこと。また、業務遂行上必要が無くなり次第、速やかに返却すること。ただし、県が別に指示したときは、その指示に従うものとする。
〇本業務の実施のための個人情報の取扱いについては、別記「個人情報取扱特記事項」を遵守しなければならない。
⑤業務の再委託について
〇契約に当たり、原則として再委託は認めない。ただし、契約業務の一部を委託する場合について、事前に再委託範囲及び再委託先等を県に提示し、県から承諾を得た場合はこの限りではない。
〇再委託範囲は受託者が責任を果たせる範囲とし、再委託先に問題が生じた場合は、受託者の責任において解決すること。
〇再委託範囲に個人情報の取扱いが含まれるときは、再委託先にも別記「個人情報取扱特記事項」を遵守させるとともに、再委託先との間で個人情報に関する適切な体制を確保すること。
(6) 対象経費
本業務に係る委託金額に次の①から⑩に掲げる経費は含めてはならない。また、⑪~⑬の事項についても留意すること。
①施設等の設置や改修、固定 資産の取得に係る経費
②実施期間内に費消できない経費
③取得価格又は効用の増加価格が 50 万円を超える財産の取得に係る経費
④国家公務員の諸謝金・旅費
⑤求職者や労働者等に提供する物品(リーフレット、パンフレット、冊子、封筒類を除く。)の購入等に係る経費
⑥飲食に係る経費
⑦求職者又は労働者から費用を徴収する事業に係る経費
⑧日本国外における事務所や窓口の設置・運営に係る経費
⑨支援の対象となる事業主、求職者又は労働者等に対する補助、助成等(直接又は間接若しくは名称の如何を問わずこれに類するものを含む。)に係る経費
⑩事業の趣旨・目的等を総合的に勘案し県が適当でないと認める経費
⑪謝金については、1時間当たり原則3万円以内とし、3万円を超える場合は、業務内容の専門性、依頼内容等を踏まえ、当該者以外では依頼内容を満たすことができない理由を明らかにして県と事前に協議すること。
⑫10万円を超える高額な経費については、その価格等が適切であることについて十分な精査を行い、当該価格等による理由を明らかにして県と事前に協議すること。
⑬パソコン、OA機器、電話機等(ソフトウェアを含む。)は、原則、リース契約によることとし、リース契約によらない場合は、単年度のリース価格より購入額が安価となる場合に限ること。
(7) その他
〇契約や支払いに関する書類など本業務の関係資料については、業務完了の年度の翌年度から起算して5年間保管すること。
〇県は、受託者に仕様書に定める事項に逸脱する行為が認められた場合には、調査の実施を命じ、又は契約を解除し、若しくは損害賠償を請求することができるものとする。
5 疑義が生じた場合の取扱い
受託者は、業務の実施中に、本仕様書に定めのない事案が生じた場合又は本仕様書に定める内容について疑義が生じた場合は、速やかに県と協議し、県の決定に従うこと。
また、後日、その合意内容に疑義が生じないよう、受託者は議事録を作成し、速やかに県の承認を得ること。
なお、定めのない事項にあっても、社会通念上当然必要と考えられる事項については、本業務に含まれるものとする。