Contract
合 意 書
という。)した | 。【コメント:この合意書は、都内某区において、コンサルティングサービス | |
業を行っている架空のA社において、同社のコンサルタントであった者が退職した場合に、 | ||
営業秘密の漏洩、取引先を奪うこと・他のコンサルタントを引き抜くことといった競業行為 | ||
を防止するという目的で締結することを想定しています。】 |
株式会社A社(以下、「甲」という。)及び●●(住所○○、以下、「乙」という。)は、xが甲を平成●年●月●日付で退職するに当たって、本日、以下のとおり合意(以下、「本合意」
第 1 条(退職後の機密保持義務)
に支障が生じうることを明確にします(本文で挙げた①②のポイントに対応します。)。】
ったこれらの秘密が漏洩されたり、これを利用して競業行為がなされると、会社の事業
1. 乙は、甲に係る以下各号の情報(以下、「本件機密情報」という。)が、いずれも甲において社外秘の機密情報として管理されていること、甲の事業の遂行上不可欠でありその外部漏洩が甲に重大な損害を及ぼし得ること、及び、乙が甲に在職中本件機密情報にアクセスしうる地位にあったことを確認する。【コメント:元従業員がアクセス可能であ
(1) 甲が提供する●●サービスに係る顧客リスト(以下、「本件顧客リスト」という。)に記載されている一切の情報
(2) 甲が提供する●●サービス(以下、「本件サービス」という。)に係るマニュアル
2. 乙は、甲を退職した後も、甲の事前の書面による承諾なくして、本件機密情報を第三者に対して開示してはならない。
第 2 条(退職後の競業避止義務)【ここでは、禁止される競業行為を明確に特定します(本
文のポイント⑤に対応します。)。】
ント④に対応します。】
1. 乙は、甲の退職日から 2 年間、甲の事前の書面による承諾なくして、以下各号の行為を行ってはならない。【コメント:2 年間というのは、競業禁止の期間であり、本文のポイ
メント:会社の顧客に対して、元社員個人が、あるいは、別の会社を設立したり、
(1) 本件顧客リストに記載されている甲の顧客に対して、本件サービス又はこれに類似・競合するサービスの勧誘ないし提供をすること(甲が自ら行う場合のほか、これらサービスを提供する会社の従業員・取締役として従事する場合を含む。)【コ
これに雇用されたりして競業行為を行うことを禁止するものです。】
(2) 甲の本店所在地から半径 10km 以内において、本件サービス又はこれに類似・競合するサービスを提供すること(甲が自ら行う場合のほか、これらサービスを提供する会社の従業員・取締役として従事する場合を含む。)【コメント:会社の顧
客に限らず、一定の領域において(本文のポイント③に対応します。)競業行為を
行うことを禁止しています。】
(3) 本件サービスに従事する者に対する引き抜き行為【コメント:会社の他のコンサ
ルタントを引き抜くことを防止するものです。】
第 3 条(本合意違反と退職金の取扱い)
との兼ね合いで、会社側にて金額を裁量で決められる建付けとしています。】
1. 乙が本合意に違反した場合、甲は、乙に支給されるべき退職金について、甲の退職金規定に基づき算定される金額の 2 分の 1 を上限として減額することができる。【コメント:退職金の一部減額のペナルティを定めるものです。2 分の 1 を上限として、実際の損害
2. 甲から乙に対して退職金が支給された後に、乙が本合意に違反したことが判明した場合、甲は、支給額の 2 分の 1 を上限として、乙に対してその返還を請求することができる。
【コメント:こちらは、1 項と異なり、支払った後に違反が判明した場合に、その返還
請求ができることを念のために規定したものです。】
本文で述べたとおり、競業行為違反の場合には、損害賠償請求ができる可能性がありま
3. 甲及び乙は、前各項に定める退職金の減額及び返還請求は、減額分及び返還請求に係る金額分について、損害賠償の額の予定を定めたものでないことを確認する。【コメント:
す。もっとも、この退職金の減額が、減額分について、「損害賠償の予定」と解釈された
場合には、別途損害賠償請求をすることができなくなります(民法 420 条 1 項)。これ
を避けるため、注意的に、「損害賠償の予定」を定めたものでないことを確認するもの
です。】
第 4 条(合意管轄)
本合意に関して発生する紛争については、東京地方裁判所を第xxの専属的合意管轄裁判所とする。
本合意成立の証として、原本2通を作成し、甲及び乙がそれぞれ1通を保有する。平成●年●月●日
甲 xxx●●●●株式会社A社 代表取締役●●
乙 xxx●●●●
●●