Contract
家計改善支援事業業務委託仕様書(案)
1 家計改善支援事業の概要
(1)履行期間
令和4年4月1日(金)から令和5年3月31日(金)まで
(2)目的
本事業は,家計収支の均衡がとれていないなど,家計に課題を抱える相談者(以下「対象者」という。)からの相談に応じ,対象者自身が置かれている家計状況を理解できるように,家計の「見える化」を図り,対象者とともに家計の状況を理解し,家計改善の意欲を引き出すとともに,家計の視点から必要な情報提供や専門的な助言等を行い,対象者の家計管理の力を高め,対象者自身が家計を管理できるよう支援することで,その自立を図っていくことを目的として実施する。
(3)支援対象者
本事業に係る支援の対象者は,以下いずれかを満たす者に限る。ア 生活困窮者
本市が実施する生活困窮者自立相談支援事業において,本事業による支援が適当であると判断した者
イ 生活保護受給者
(ア) 就労等により近い将来自立が見込まれる者のうち,家計に関する課題を抱えており,自立を助長する観点から保健福祉センターが支援を必要と認めた者
(イ) 大学等への進学に伴い近い将来自立が見込まれる世帯に属する者のうち,自立を助長する観点から保健福祉センターが支援を必要と認めた者
(4)業務実施場所(本事業実施に当たり必要となる事務・面談等の必要スペースのこと)業務実施場所については,原則として京都市内とし,面談場所及び事務を行う執務室
については受託者が確保し,本市に承認を得ることとする。
面談の実施場所については,受託者の確保した場所のほか,対象者の利便性を考慮し,京都市内14箇所の保健福祉センター内や,保健福祉局生活福祉課内においても実施することができる。それぞれの実施スペースについては,本市が別途指示する。
なお,本事業においては,対象者との面談や各関係機関との協議を行うに当たり,個人情報を扱うことから,面談等実施場所については,対象者のプライバシーが必要十分に保護される場所を確保することとする。
2 委託業務内容
本業務の実施に当たっては,家計表やキャッシュフローxxを活用して,家計に関する課題を「見える化」し,家計に関するプランを作成することで,家計に関する課題を整理
して,家計管理の力を高め,自立を図っていくため,以下の取組を実施すること。
(1)支援内容
ア 家計管理に関する支援
対象者とともに,家計表やキャッシュフローxxを活用して,家計の「見える化」を図るとともに,家計収支の均衡を図るなどの出納管理の支援を行い,家計を対象者自らが管理できるよう支援を行う。
イ 滞納の解消や各種給付・貸付制度等の利用に向けた支援
アセスメントの段階で聞き取った対象者の状況や家計の状況,滞納状況等を勘案して,減免や徴収猶予,分割納付等の可能性を検討し,本市の担当部署や事業所等との調整等の支援を行う。各種給付・貸付制度を幅広く理解し,周知及び情報提供を行う。
ウ 債務整理に関する支援
多重債務等により債務超過に陥っており,債務整理が必要な対象者に対しては,本市多重債務者相談窓口や他の専門機関等と連携し,債務整理に向けた支援を行う。
(2)支援の流れ
家計改善支援事業の支援においては,家計改善支援員と生活困窮者自立支援制度に基づく自立相談支援機関及び各区・支所生活福祉課が連携し,以下の支援を行う。
ア 対象者の把握・アウトリーチ
自立相談支援機関や各保健福祉センターはもちろん,他の本市関係部署や住居確保給付金窓口,貸付窓口,対象者に対して支援を行っている者等との連携を図り,対象者の早期把握や必要に応じ出張相談を受け付ける等の取組を行う。
イ インテーク・アセスメント
家計表やキャッシュフローxxの作成を通じて,対象者の生活状況と家計収支の状況を具体的に把握したうえで,課題を「見える化」し,課題の解決に向けて支援の方向性を検討・決定する。併せて就労状況や家族の課題等の必要な状況を把握する。
ウ 家計再生プランの策定
アセスメントの結果を踏まえて,対象者の意向と真に解決すべき課題を整理し,生活を再生させるための家計再生プランを作成する。
エ 支援調整会議への参加
適宜自立相談支援機関が実施する支援調整会議に参加し,家計の視点から助言を行う。
オ 支援の実施
家計再生プランに基づき,対象者の状況に応じた支援を行う。カ モニタリング
定期的な面談により,家計の改善状況や家計管理に対する認識や意欲の向上などを確認し,自立相談支援機関や各保健福祉センターとの情報共有を図る。
キ 家計再生プランの評価
家計再生プラン策定時に定めた期間が終了した場合,又はそれ以前に対象者の状況に大きな変化があった場合には,設定した目標の達成度や支援の実施状況,その成果,新たな生活課題はないかなどの確認を行ったうえで,支援を終結させるか,新たな家計再生プランを作成して支援を継続するかを判断する。
(3)関係機関との連携
ア 自立相談支援機関や各保健福祉センター
支援に当たり,自立相談支援機関や各保健福祉センターと対象者の抱える課題や収支状況,各種制度の利用状況,家計再生プラン等,対象者の支援に必要な情報を共有し,適切に連携を図りながら支援を行うこと。
イ 本市関係機関
自立相談支援機関や各保健福祉センター,本市就労支援施策等窓口において対象者の把握,本市債権管理部署への支援協力依頼や折衝,多重債務窓口へのつなぎ等本業務の遂行に当たり,本市関係機関との連携が重要となるため,密に連携しながら支援を実施する。
ウ 専門機関へのつなぎ
多重債務等,専門的な支援が必要な場合は適宜弁護士等専門機関へ適切につないでいく。
エ 貸付機関等との連携
生活福祉資金貸付を行う社会福祉協議会をはじめとした公的貸付機関等との連携に努める。
オ その他,対象者への支援を行っている事業者等上記以外の関係機関とも積極的な連携に努めること。
(4)業務の実施時間
原則午前9時から午後5時まで(正午から午後1時まで休憩。土日祝日及び12月2
9日から1月3日を除く。)
(5)家計改善支援員等の配置ア 事業責任者1名
業務の統括及び支援の管理を行う。家計改善支援員とは兼任できない。他の業務との兼務は可とする。
イ 家計改善支援員1名以上
対象者から家計に関する相談を受け付け,対象者の状況を評価分析し,家計再生プランを策定し,伴走的な支援を実施する。家計改善支援員は1名以上かつ週に延べ3日以上の勤務となることを最低条件とする。
なお,家計改善支援員は原則として,厚生労働省が実施する家計改善支援員養成研修を受講すること(すでに修了している場合を除く)。また,次のいずれかに該当するなど,生活困窮者等への家計に関する相談支援を専門的かつ適切に行うことができる
者であること。
(ア) 消費生活専門相談員,消費生活アドバイザー又は消費生活コンサルタントの資格を有する者
(イ) 社会福祉士の資格を有する者
(ウ) 社会保険労務士の資格を有する者
(エ) ファイナンシャルプランナーの資格を有する者
(オ) その他(ア)から(エ)に掲げる者と同等の能力又は実務経験を有する者
(6)広報活動
受託者は,利用者拡大のため,パンフレット,ポスター,ホームページ,セミナーの開催等による広報活動を行うこと。
なお,広報活動の手段や内容については,本市と協議のうえ,決定すること。
(7)支援実績の報告
受託者は,支援実績について,月次実施状況報告書を翌月10日までに本市に提出すること。また,各年度終了時には,年次実績報告書を翌年度4月中に提出すること。苦情等があった場合には,適宜状況を本市に報告し,調整を図ること。その他,本市が必要とする事項について随時報告を行うこと。
なお,報告書の様式・提出方法については,別途本市と受託者が協議し定めることとする。
3 セキュリティ・個人情報保護対策について
(1)情報取扱者の限定について
ア 本事業を遂行する事務室への入退室の管理を徹底すること。
イ 本事業従事者は,自己のパスワードを管理する責任を有し,自己のパスワードを他人に教え,又は共用しないこと。また,定期的にパスワードを変更すること。
(2)市の許可を得ずに,情報資産を事務室以外に持ち出さないこと。また,本事業従事者が不正に情報資産を持ち出せないよう対策を講じること。
(3)本事業で扱うすべての情報に関して,紛失・改ざん・破壊・漏えい等が行われないよう管理を徹底すること。
(4)データの保護及び管理について
ア 本市の個人情報保護条例及び京都市高度情報化推進のための情報システムの適正な利用等に関する規程を遵守すること。
イ 本事業で使用する情報機器には,外部の不正なアクセス・攻撃等に対しての対策を講じること。
ウ 本市の許可を得ずに,他のネットワークとの接続及び外部からのアクセスを可能とする仕組みを構築しないこと。
エ ネットワークの管理及び運用を適切に行うとともに,ネットワーク上のデータの漏
えい,盗聴または改ざんを防止するためのセキュリティ対策を講じること。
4 留意事項
(1) 家計改善支援員は,xxxxxxxや生活困窮者自立相談支援員とアセスメントの結果や相談者の状況変化等の必要な情報を常に共有し,適切に連携を図りながら支援を行うこと。
(2) 本業務の実施に当たり,関係機関と個人情報を共有する場合は,本人から事前に同意を得ておくなど,個人情報の取扱いについて,適切な手続きを踏まえること。
(3) 生活困窮者の支援に当たっては,「家計改善支援事業の手引き」(平成 31 年 3 月 29 日付社援地発 0329 号厚生労働省社会・援護局地域福祉課長通知の別添 4)を参照すること。
(4) 生活保護受給者の支援に当たっては,「被保護者家計改善支援事業の実施について」
(平成 30 年 3 月 30 日付社援保発 0330 第 12 号厚生労働省社会・援護局保護課長通知)を参照すること。
5 事業実施における前提条件
(1) 受託者は,事業の実施に当たり,利用者から利用料を徴収しないこと。
(2) 机やいす,キャビネット,カウンター及びパソコン等業務に必要な設備は受託者の責任で準備すること。
(3) 家計改善支援員への研修及び研修に係る費用等については,受託者負担のうえ受託者が行うこと。
6 契約の解除等
運営に係ることについて,業務開始後,本仕様書内で求めている水準を維持できないと判断した場合は,本市は受託者に対し,是正を求める。
また,是正を求めたにもかかわらず,正当な理由なく,受託者がこれに従わない場合は,契約解除及び違約金を求める。
7 本事業全般における要件
(1) 本市の条例・規則を遵守し,本市にとって適切な成果及び納品物が得られるよう,本市の立場に立ち事業を遂行すること。また,本事業における課題,業務の見直し等必要な事項について,積極的な提案を行うこと。
(2) 事業実施に当たっての体制図を業務に着手する時点で提出し,変更があった場合は,随時最新版に更新を行うこと。また,体制図が大幅に変更となった場合は,速やかに本市に報告をするとともに,事業の引継ぎ等について,その進め方,手法について本市と打ち合わせを行うこと。
(3) 事業遂行に係る必要な設備,機器類,システムの構築等については,全て受託者が用意するものとする。また,受託者が用意する機器類は,受託者の責任で保守・管理及び故障対応すること。
(4) 本事業における視察・見学・取材については,必ず本市と協議のうえ対応すること。
(5) 本事業における成果品及び納品物について,市が対外的な発表を行うこと,複製・翻訳・翻案・譲渡及び貸与することに関して,受託者は一切の異議を申し立てないこと。
(6) 契約期間終了後,本事業が円滑に行えるように,次期受託者及び本市へ各種マニュアル・各種データ・業務のノウハウを含め,事業遂行に必要な事項を引き継ぐこと。
(7) その他事業履行に必要な事項については,本市と受託者で協議のうえ定める。
8 委託料の支払い
(1)本市は,半期ごとに,受託者の請求に基づき,履行の完了した業務の対価として,契約金額を2分の1に分割した金額を委託料として支払うものとする。ただし,分割した金額に1円未満の端数が生じるときは,その端数に相当する金額はすべて最初の支払いに係る分割金額に合算するものとする。
(2)本市は,委託契約の締結後,受託者からの適法な支払請求書を受理した時は,30日以内に当該請求額を支払うものとする。
9 再委託の禁止等
受託者は,契約の履行に当たって,業務の実施を第三者に委託してはならない。ただし,事前に本市による承諾を得た場合は,この限りではない。