(原文:New international model agreement for authors published )
著者のための国際モデルの契約書、発表
(原文:New international model agreement for authors published )
公開日:2006 年 10 月 25 日
デジタル時代の権利と利益のバランス
【ユトレヒト・ロンドン 2006/10/25 】 SURF とJISC は、学術論文の出版に関する契約書のモデルを今日公開した。これを利用すれば、著者は、出版者と適切な契約を取り交わすことができるとしている。
発表された「出版契約書 (Licence to Publish) 」は、新たに出現した学術コミュニケーション環境での権利と利益の均衡を築くことを目指した、数年間に及ぶ専門家間の国際的な協議の集大成である。
デジタルな媒体を利用したコミュニケーションの台頭は、ここ数年間で、研究成果物の出版に大きな変革をもたらした。SURF とJISC ――ともにオランダ、英国それぞれの高等教育におけるICT (Information and Communications Technology ) の革新的な使用を推進している機関――は、著作権に関連した合意点を探り、すべての関係者の利益が最大限になるように、数年間慎重な準 備をしてきた。この分野の全般にわたり彼らが掲げた原則は、公的資金による研究の成果は、制約のない形で、できるだけ早く、その成果を求める者すべてに対して提供されるべきである、というも
のである。
「出版契約書 (Licence to Publish )」の主な特徴は、次のとおり
• 出版物の著作権は著者のもとに残る。
• 著者は出版者に著作物を出版する権利を与える。
• 出版者が、当該著作物を出版する意志を示した段階で、契約書が効力を持ち始める。
• 著作物が出版されたら、著者はそれを、出版者が出版したのと同様の形態で、デジタル学術コレクション
(リポジトリ)などにより公開する権利を持つ。
• 出版者の求めによっては、一般への公開は、最大6ヶ月間遅らせることができる。
この新しい契約書は、購読者だけが論文を利用できるような従来通りの方式によって論文が出版された場合に、特に有効である。契約書は、英語とオランダ語の両方で用意されており、複数の著者による出版物にも適用することができる。
「Licence to Publish 」の使用は、チャリティ機関であり、英国最大の非政府系の生物医学助成団体であるWellcome Trust に支援されている。
詳細は、こちらへ:論文出版に関するライセンス(以下へ)
論文出版に関するライセンス(原文:Licence)
出版者の数ほど出版契約書の数がある。ほとんどすべての出版者が、独自の契約書を作成しており、論文出版に関するさまざまな条項を定めている。時には、著者に論文記事へのアクセスを認める条項を契約書の中から見つけ出すことさえ困難なほどである。
もし著者が論文への最適で自由なアクセスに必要な権利を確実に保持したいのであれば、
「Licence to Publish 」(英語:PDF またはMS Word )/「Licentie tot publiceren 」(オランダ語:
「Licence to Publish 」に署名し、出版者に送付することで、著者は出版者に対し、著作権のうち、論文の経済的あるいは商業的な点に関する条項についてのみ許諾を与えることができる。
それと同時に、著者はさまざまな学術的な使用のための権利を留保することができる。このライセンス契約書では、論文の、プレプリント、ポストプリントあるいは出版済みなどの区別はせず、ただ出 版された版の論文を、出版後すぐに、あるいは最大6ヶ月の留保の後に、機関あるいは集中式のリポジトリで公開できることを明記している。
また、契約書は複数の著者がいる場合に適用することもできる。契約書の中の特定の条項がこのことを規定している。