Contract
埼玉県土木設計業務共通仕様書
第1編 共通編
第1章 総則
第1101条 適用
1 埼玉県土木設計業務共通仕様書(以下「共通仕様書」という。)は、埼玉県の発注する土木工事に係る調査、計画、設計に類する業務(以下「設計業務等」という。)に係る土木設計業務等委託契約書(契約約款を含み以下「契約書」という。)及び設計図書の内容について、統一的な解釈及び運用を図るとともに、その他の必要な事項を定め、もって契約の適正な履行の確保を図るためのものである。
2 設計図書は、相互に補完し合うものとし、そのいずれかによって定められている事項は、契約の履行を拘束するものとする。
3 特記仕様書、図面又は共通仕様書の間に相違がある場合、又は図面からの読み取りと図面に書かれた数字が相違する場合、受注者は監督員に確認して指示を受けなければならない。
4 受注者は、共通仕様書の適用に当たっては、「埼玉県土木工事委託業務実務要覧」に従った監督・検査体制の下で、適正に契約を履行しなければならない。
5 測量業務及び地質・土質調査、試験、解析等に類する業務については、別に定める共通仕様書によるものとする。
第1102条 用語の定義
共通仕様書に使用する用語の定義は、次の各号に定めるところによる。
(1)「監督員」とは、契約図書に定められた範囲内において、受注者又は管理技術者に対する指示、承諾又は協議等の職務を行う者で、契約書第9条第1項に規定する者をいう。
(2)「検査員」とは、設計業務等の完了の検査にあたって、契約書第3
1条第2項の規定に基づき、検査を行う者をいう。
(3)「管理技術者」とは、契約の履行に関し、業務の管理及び統括等を行う者で、契約書第10条第1項の規定に基づき、受注者が定めた者をいう。
(4)「照査技術者」とは、成果物の内容について技術上の照査を行う者で、契約書第11条第1項の規定に基づき、受注者が定めた者をいう。
(5)「担当技術者」とは、管理技術者のもとで業務を担当する者で、受注者が定めた者をいう。
(6)「同等の能力と経験を有する技術者」とは、当該設計業務等に関する技術上の知識を有する者で、特記仕様書で規定する者又は発注者が承諾した者をいう。
(7)「契約図書」とは、契約書及び設計図書をいう。
(8)「設計図書」とは、仕様書、図面、数量総括表、現場説明書及び現場説明に対する質問回答書をいう。
(9)「仕様書」とは、共通仕様書及び特記仕様書(これらにおいて明記されている適用すべき諸基準を含む。)を総称していう。
(10)「共通仕様書」とは、各設計業務等に共通する技術上の指示事項等を定める図書をいう。
(11)「特記仕様書」とは、共通仕様書を補足し、当該設計業務等の実施に関する明細又は特別な事項を定める図書をいう。
(12)「数量総括表」とは、設計業務等に関する工種、設計数量及び規格を示した書類をいう。
(13)「現場説明書」とは、設計業務等の入札等に参加する者に対して発注者が当該設計業務等の契約条件を説明するための書類をいう。
(14)「質問回答書」とは、現場説明書に関する入札等参加者からの質問書に対して、発注者が回答する書面をいう。
(15)「図面」とは、入札等に際して発注者が交付した図面及び発注者から変更又は追加された図面及び図面のもとになる計算書等をいう。
(16)「指示」とは、監督員が受注者に対し、設計業務等の遂行上必要な事項について書面をもって示し、実施させることをいう。
(17)「請求」とは、発注者又は受注者が契約内容の履行あるいは変更に関して相手方に書面をもって行為あるいは同意を求めることをいう。
(18)「通知」とは、発注者若しくは監督員が受注者に対し、又は受注者が発注者若しくは監督員に対し、設計業務等に関する事項について書面をもって知らせることをいう。
(19)「報告」とは、受注者が監督員に対し、設計業務等の遂行に係わる事項について、書面をもって知らせることをいう。
(20)「申し出」とは、受注者が契約内容の履行あるいは変更に関し、発注者に対して、書面をもって同意を求めることをいう。
(21)「承諾」とは、受注者が監督員に対し、書面で申し出た設計業務等の遂行上必要な事項について、監督員が書面により業務上の行為に同意することをいう。
(22)「質問」とは、不明な点に関して書面をもって問うことをいう。
(23)「回答」とは、質問に対して書面をもって答えることをいう。
(24)「協議」とは、書面により契約図書の協議事項について、発注者と受注者が対等の立場で合議することをいう。
(25)「提出」とは、受注者が監督員に対し、設計業務等に係わる書面又はその他の資料を説明し、差し出すことをいう。
(26)「書面」とは、手書き、印刷等の伝達物をいい、発行年月日を記録し、署名又は捺印したものを有効とする。
緊急を要する場合は、ファクシミリまたはEメールにより伝達できるものとするが、後日有効な書面と差し換えるものとする。
(27)「検査」とは、契約図書に基づき、検査員が設計業務等の完了を確認することをいう。
(28)「打合せ」とは、設計業務等を適正かつ円滑に実施するために管理技術者等と監督員が面談により、業務の方針及び条件等の疑義を正すことをいう。
(29)「修補」とは、発注者が検査時に受注者の負担に帰すべき理由による不良箇所を発見した場合に受注者が行うべき訂正、補足その他の措置をいう。
(30)「協力者」とは、受注者が設計業務等の遂行にあたって、再委託する者をいう。
(31)「使用人等」とは、協力者又はその代理人若しくはその使用人その他これに準ずるものをいう。
第1103条 業務の着手
受注者は、特記仕様書に定めがある場合を除き、契約締結後15日以内に設計業務等に着手しなければならない。この場合において、着手とは管理技術者が設計業務等の実施のため監督員との打合せ又は現地踏査を開始することをいう。
第1104条 設計図書の支給及び点検
1 受注者からの要求があった場合で、監督員が必要と認めたときは、受注者に図面の原図若しくは電子データを貸与する。
ただし、共通仕様書、各種基準、参考図書等市販されているものについて
は、受注者の負担において備えるものとする。
2 受注者は、設計図書の内容を十分点検し、疑義のある場合は、監督員に書面により報告し、その指示を受けなければならない。
3 監督員は、必要と認めるときは、受注者に対し、図面又は詳細図面等を追加支給するものとする。
第1105条 監督員
1 発注者は、設計業務等における監督員を定め、契約書第9条第1項の規定に基づき、受注者に通知するものとする。
2 監督員は、契約図書に定められた事項の範囲内において、指示、承諾、協議等の職務を行うものとする。
3 契約書の規定に基づく監督員の権限は、契約書第9条第2項に規定した事項である。
4 監督員がその権限を行使するときは、書面により行うものとする。
ただし、緊急を要する場合、監督員が受注者に対し口頭による指示等を行った場合には、受注者はその指示等に従うものとする。監督員はその指示等を行った後7日以内に書面で受注者にその内容を通知するものとする。
第1106条 管理技術者
1 受注者は、設計業務等における管理技術者を定め、契約書第10条第1項の規定に基づき、発注者に通知するものとする。
2 管理技術者は、契約図書等に基づき、業務の技術上の管理を行うものとする。
3 管理技術者は、設計業務等の履行にあたり、技術士(総合技術監理部門(業務に該当する選択科目)又は業務に該当する部門)又はこれと同等の能力と経験を有する技術者、あるいはシビルコンサルティングマネージャー(以下
「RCCM」という。)の資格保有者であり、日本語に堪能(日本語通訳が確保できれば可)でなければならない。
4 管理技術者に委任できる権限は契約書第約9条第2項に規定した事項とする。
ただし、受注者が管理技術者に委任できる権限を制限する場合は発注者に書面をもって報告しない限り、管理技術者は受注者の一切の権限(契約書第
10条第2項の規定により行使できないとされた権限を除く)を有するものとされ発注者及び監督員は管理技術者に対して指示等を行えば足りるものとする。
5 管理技術者は、監督員が指示する関連のある設計業務等の受注者と十分に
協議の上、相互に協力し、業務を実施しなければならない。
6 管理技術者は第1107条第4項に規定する照査結果の確認を行わなければならない。
7 受注者又は管理技術者は、屋外における設計業務等に際しては使用人等に適宜、安全対策、環境対策、衛生管理、受注者の行うべき地元関係者に対する応対等の指導及び教育を行うとともに、設計業務等が適正に遂行されるように管理及び監督しなければならない。
第1107条 照査技術者及び照査の実施
1 発注者が設計図書において定める場合は、受注者は、設計業務等における照査技術者を定め発注者に通知するものとする。
2 照査技術者は、技術士(総合技術監理部門(業務に該当する選択科目)又は業務に該当する部門)又はこれと同等の能力と経験を有する技術者あるいはRCCMの資格保有者でなければならない。
3 受注者は、詳細設計業務を遂行するに当たり、埼玉県の「詳細設計照査要領」に基づき照査を行うものとする。
4 照査技術者は、照査計画を作成し業務計画書に記載し、照査に関する事項を定めなければならない。
5 照査技術者は、設計図書に定める又は監督員の指示する業務の節目ごとにその成果の確認を行うとともに、照査技術者自身による照査を行わなければならない。
6 照査技術者は、業務完了に伴って照査結果を照査報告書として取りまとめ、照査技術者の署名捺印の上管理技術者に差し出すものとする。
第1108条 担当技術者
1 受注者は、業務の実施にあたって担当技術者を定める場合は、契約書第1
0条第1項の規定を準用し、その氏名その他必要な事項を監督員に提出するものとする。
なお、担当技術者が複数にわたる場合は3名までとする。
2 担当技術者は、設計図書等に基づき、適正に業務を実施しなければならない。
3 担当技術者は、管理技術者又は照査技術者を兼ねることはできない。
第1109条 提出書類
1 受注者は、発注者が指定した様式により、契約締結後に関係書類を監督員を経て、発注者に遅滞なく提出しなければならない。
ただし、業務委託料(以下「委託料」という。)に係る請求書、請求代金代理受領承諾書、遅延利息請求書、監督員に関する措置請求に係る書類及びその他現場説明の際指定した書類を除く。
2 受注者が発注者に提出する書類で様式が定められていないものは、受注者において様式を定め、提出するものとする。
ただし、発注者がその様式を指示した場合は、これに従わなければならない。
3 受注者は、契約時又は変更時において、業務委託料が100万円以上の業務委託について、測量調査設計業務実績情報サービス(TECRIS)に基づき、受注・変更・完了・訂正時に業務実績情報として「登録のための確認のお願い」を作成し、監督員の確認を受けた上、受注時は契約後10日以内に、登録内容の変更時は変更後10日以内に、完了時は業務完了後(委託業務完了検査合格後)10日以内(いずれも土曜日・日曜日・祝日・12月2
9日~1月3日を除く)に、訂正時は速やかに(財)日本建設情報総合センターに登録申請しなければならない。
また、(財)日本建設情報総合センター発行の「登録内容確認書」が受注者に届いた際には、その写しを直ちに監督員に提出しなければならない。
なお、変更時と完了時の間が10日間に満たない場合は、変更時の提出を省略できるものとする。
なお、受注者が公益法人の場合はこの限りではない。
第1110条 打合せ等
1 設計業務等を適正かつ円滑に実施するため、管理技術者と監督員は常に密接な連絡をとり、業務の方針及び条件等の疑義を正すものとし、その内容についてはその都度受注者が業務打合せ記録簿に記録し、相互に確認しなければならない。
なお、連絡は積極的にEメール等を活用し、Eメールで確認した内容については、必要に応じて業務打合せ記録簿を作成するものとする。
2 設計業務等着手時及び設計図書で定める業務の区切りにおいて、管理技術者と監督員は打合せを行うものとし、その結果について受注者が書面(業務打合せ記録簿)に記録し相互に確認しなければならない。
3 管理技術者は、仕様書に定めのない事項について疑義が生じた場合は、速やかに監督員と協議するものとする。
第1111条 業務計画書
1 受注者は、契約締結後15日以内に業務計画書を作成し、監督員に提出し
なければならない。
2 業務計画書には、契約図書に基づき下記事項を記載するものとする。
(1)業務概要
(2)実施方針
(3)業務工程
(4)業務組織計画
(5)打合せ計画
(6)成果品の品質を確保するための計画
(7)成果品の内容、部数
(8)使用する主な図書及び基準
(9)連絡体制(緊急時含む)
(10)使用する主な機器
(11)その他
なお、受注者は設計図書において照査技術者による照査が定められている場合は、照査計画について記載するものとする。
3 受注者は、業務計画書の重要な内容を変更する場合は、理由を明確にした上、その都度、監督員に変更業務計画書を提出しなければならない。
4 監督員が指示した事項については、受注者はさらに詳細な業務計画に係る資料を提出しなければならない。
第1112条 資料の貸与及び返却
1 監督員は、設計図書に定める図書及びその他関係資料を、受注者に貸与するものとする。
2 受注者は、貸与された図面及び関係資料等の必要がなくなった場合は直ちに監督員に返却するものとする。
3 受注者は、貸与された図書及びその他関係資料を丁寧に扱い、損傷してはならない。万一、損傷した場合には、受注者の責任と費用負担において修復するものとする。
4 受注者は、設計図書に定める守秘義務が求められる資料については複写してはならない。
第1113条 関係官公庁への手続き等
1 受注者は、設計業務等の実施に当たっては、発注者が行う関係官公庁等への手続きの際に協力しなければならない。
また、受注者は、設計業務等を実施するため、関係官公庁等に対する諸手続きが必要な場合は、速やかに行うものとする。
2 受注者が、関係官公庁等に対して交渉を要するとき又は交渉を受けたときは、遅滞なくその旨を監督員に報告し協議するものとする。
第1114条 地元関係者との交渉等
1 契約書第12条に定める地元関係者への説明、交渉等は、発注者又は監督員が行うものとするが、監督員の指示がある場合は、受注者はこれに協力するものとする。これらの交渉に当たり、受注者は地元関係者に誠意をもって接しなければならない。
2 受注者は、屋外で行う設計業務等の実施に当たっては、地元関係者からの質問、疑義に関する説明等を求められた場合は、監督員の承諾を得てから行うものとし、地元関係者との間に紛争が生じないように努めなければならない。
3 受注者は、設計図書の定め、あるいは監督員の指示により受注者が行うべき地元関係者への説明、交渉等を行う場合には、交渉等の内容を書面で随時、監督員に報告し、指示があればそれに従うものとする。
4 受注者は、設計業務等の実施中に発注者が地元協議等を行い、その結果を設計条件として業務を実施する場合には、設計図書に定めるところにより、地元協議等に立会いするとともに、説明資料及び記録の作成を行うものとする。
5 受注者は、前項の地元協議により、既に作成した成果の内容を変更する必要を生じた場合には、指示に基づいて、変更するものとする。
なお、変更に要する期間及び経費は、発注者と協議の上定めるものとする。
第1115条 土地への立入り等
1 受注者は、屋外で行う設計業務等を実施するため国有地、公有地又は私有地に立入る場合は、契約書第13条の定めに従って、監督員及び関係者と十分な協調を保ち設計業務等が円滑に進捗するように努めなければならない。
なお、やむを得ない理由により現地への立入りが不可能となった場合には、直ちに監督員に報告し指示を受けなければならない。
2 受注者は、設計業務等実施のため植物伐採、垣、柵等の除去又は土地若しくは工作物を一時使用する時は、あらかじめ監督員に報告するものとし、報告を受けた監督員は当該土地所有者及び占有者の許可を得るものとする。
なお、第三者の土地への立入りについて、当該土地占有者の許可は、発注者が得るものとするが、監督員の指示がある場合は、受注者はこれに協力しなければならない。
3 受注者は、前項の場合において生じた損失のため必要となる経費の負担に
ついては、設計図書に示す他は監督員と協議により定めるものとする。
4 受注者は、第三者の土地への立入りに当たっては、あらかじめ身分証明書交付願を発注者に提出し身分証明書の交付を受け、現地立入りに際しては、これを常に携帯しなければならない。
なお、受注者は、立入り作業完了後10日以内に身分証明書を発注者に返却しなければならない。
第1116条 成果物の提出
1 受注者は、設計業務等が完了したときは、設計図書に示す成果品(設計図書で照査技術者による照査が定められた場合は照査報告書を含む。)を委託業務完了通知書とともに提出し、検査を受けるものとする。
2 受注者は、設計図書に定めがある場合、又は監督員の指示する場合で、同意した場合は履行期間途中においても、成果品の部分引渡しを行うものとする。
3 受注者が成果品において使用する計量単位は、国際単位系(SI)とする。
4 受注者は、「埼玉県電子納品運用ガイドライン」に基づいて作成した電子データにより成果品を提出するものとする。
5 受注者は、電子納品に際して、「電子納品チェックシステム」等によるチェックを行い、エラーがないことを確認した後、xxxx対策を実施した上で電子媒体を提出しなければならない。
6 成果品はすべて発注者の所有とし、発注者の承諾を受けないで他に公表、貸与又は使用してはならない。
第1117条 関連法令及び条例の遵守
受注者は、設計業務等の実施に当たっては、関連する関係諸法規及び条例等を遵守しなければならない。
第1118条 検査
1 受注者は、契約書第31条第1項の規定に基づき、委託業務完了通知書を発注者に提出する際には、契約図書により義務付けられた資料の整備がすべて完了し、監督員に提出していなければならない。
2 発注者は、設計業務等の検査に先立って受注者に対して書面をもって検査日を通知するものとする。この場合において受注者は、検査に必要な書類及び資料等を整備するとともに、屋外で行う検査においては、必要な人員及び機材を準備し、提供しなければならない。この場合検査に要する費用は受注者の負担とする。
3 検査員は、監督員及び管理技術者の立会いの上、次の各号に掲げる検査を行うものとする。
(1)設計業務等成果品の検査
(2)設計業務等管理状況の検査
設計業務等管理状況について、書類、記録及び写真等により検査を行う。
なお、電子納品の検査時の対応については「埼玉県電子納品運用ガイドライン」に基づくものとする。
第1119条 修補
1 受注者は、修補は速やかに行わなければならない。
2 検査員は、修補の必要があると認めた場合には、受注者に対して期限を定めて修補を指示することができるものとする。
3 検査員が修補の指示をした場合において、修補の完了の確認は検査員の指示に従うものとする。
4 検査員が指示した期間内に修補が完了しなかった場合には、発注者は、契約書第31条第2項の規定を準用し、検査の結果を受注者に通知するものとする。
第1120条 条件変更等
1 契約書第18条第1項第五号に規定する「予期することのできない特別な状態」とは、契約書第29条第1項に規定する天災その他の不可抗力による場合のほか、発注者と受注者が協議し当該規定に適合すると判断した場合とする。
2 監督員が、受注者に対して契約書第18条、第19条及び第21条の規定に基づく設計図書の変更又は訂正の指示を行う場合は、指示書によるものとする。
第1121条 契約変更
1 発注者は、次の各号に掲げる場合において、設計業務等委託契約の変更を行うものとする。
(1)業務委託料に変更を生じる場合
(2)履行期間の変更を行う場合
(3)監督員と受注者が協議し、設計業務等施行上必要があると認められる場合
(4)契約書第30条の規定に基づき委託料の変更に代える設計図書の変
更を行った場合
2 発注者は、前項の場合において、変更する契約図書を次の各号に基づき作成するものとする。
(1)第1120条の規定に基づき監督員が受注者に指示した事項
(2)設計業務等の一時中止に伴う増加費用及び履行期間の変更等決定済の事項
(3)その他発注者又は監督員と受注者との協議で決定された事項
第1122条 履行期間の変更
1 発注者は、受注者に対して設計業務等の変更の指示を行う場合において履 行期間変更協議の対象であるか否かを併せて事前に通知しなければならない。
2 発注者は、履行期間変更協議の対象であると確認された事項及び設計業務等の一時中止を指示した事項であっても残履行期間及び残業務量等から履行期間の変更が必要でないと判断した場合は、履行期間の変更を行わない旨の協議に代えることができるものとする。
3 受注者は、契約書第22条の規定に基づき、履行期間の延長が必要と判断した場合には、履行期間の延長理由、必要とする延長日数の算定根拠、変更工程表その他必要な資料を発注者に提出しなければならない。
4 契約書第23条に基づき発注者の請求により履行期間を短縮した場合には、受注者は、速やかに業務工程表を修正し提出しなければならない。
第1123条 一時中止
1 契約書第20条第1項の規定により、次の各号に該当する場合において、発注者は、受注者に書面をもって通知し、必要と認める期間、設計業務等の全部又は一部を一時中止させるものとする。
なお、暴風、豪雨、洪水、高潮、地震、地すべり、落盤、火災、騒乱、暴動その他自然的又は人為的な事象(以下「天災等」という。)による設計業務等の中断については、第1131条により、受注者は、適切に対応しなければならない。
(1)第三者の土地への立入り許可が得られない場合
(2)関連する他の業務等の進捗が遅れたため、設計業務等の続行を不適当と認めた場合
(3)環境問題等の発生により設計業務等の続行が不適当又は不可能となった場合
(4)天災等により設計業務等の対象箇所の状態が変動した場合
(5)第三者及びその財産、受注者、使用人等並びに監督員の安全確保の
ため必要があると認めた場合
(6)前各号に掲げるものの他、発注者が必要と認めた場合
2 発注者は、受注者が契約図書に違反し、又は監督員の指示に従わない場合等、監督員が必要と認めた場合には、設計業務等の全部又は一部の一時中止をさせることができるものとする。
3 前2項の場合において、受注者は屋外で行う設計業務等の現場の保全については、監督員の指示に従わなければならない。
第1124条 発注者の賠償責任
発注者は、以下の各号に該当する場合、損害の賠償を行わなければならない。
(1)契約書第27条に規定する一般的損害、契約書第28条に規定する第三者に及ぼした損害について、発注者の責に帰すべき損害とされた場合
(2)発注者が契約に違反し、その違反により契約の履行が不可能となった場合
第1125条 受注者の賠償責任
受注者は、以下の各号に該当する場合、損害の賠償を行わなければならない。
(1)契約書第27条に規定する一般的損害、契約書第27条に規定する第三者に及ぼした損害について、受注者の責に帰すべき損害とされた場合
(2)契約書第40条に規定するかし責任に係る損害
(3)受注者の責により損害が生じた場合
第1126条 部分使用
1 発注者は、次の各号に掲げる場合において、契約書第33条の規定に基づき、受注者に対して部分使用を請求することができるものとする。
(1)別途設計業務等の使用に供する必要がある場合
(2)その他特に必要と認められた場合
2 受注者は、部分使用に同意した場合は、部分使用同意書を発注者に提出するものとする。
第1127条 再委託
1 契約書第7条第1項に規定する「主たる部分」とは、次の各号に掲げるも
のをいい、受注者は、これを再委託することはできない。
(1)設計業務等における総合的企画、業務遂行管理、手法の決定及び技術的判断
(2)解析業務における手法の決定及び技術的判断
2 契約書第7条第3項ただし書きに規定する「軽微な部分」は、コピー、印刷、製本及び資料の収集・単純な集計とする。
3 受注者は、第1項及び第2項に規定する業務以外の再委託にあたっては、発注者の承諾を得なければならない。
4 受注者は、設計業務等を再委託に付する場合、書面により協力者との契約関係を明確にしておくとともに、協力者に対し設計業務等の実施について適切な指導、管理の下に設計業務等を実施しなければならない。
なお、協力者は、埼玉県の建設工事等の入札参加資格者である場合は、入札参加停止期間中であってはならない。
第1128条 成果品の使用等
1 受注者は、契約書第6条第4項の定めに従い、発注者の承諾を得て単独で又は他の者と共同で、成果品を発表することができる。
2 受注者は、著作権、特許権その他第三者の権利の対象となっている設計方法等の使用に関し、設計図書に明示がなく、その費用負担を契約書第8条に基づき発注者に求める場合には、第三者と補償条件の交渉を行う前に発注者の承諾を受けなければならない。
第1129条 守秘義務
1 受注者は、契約書第1条第5項の規定により、業務の実施過程で知り得た秘密を第三者に漏らしてはならない。
2 受注者は、成果品の発表に際しての守秘義務については、第1128条第
1項の承諾を受けた場合はこの限りではない。
第1130条 安全等の確保
1 受注者は、屋外で行う設計業務等の実施に際しては、設計業務等関係者だけでなく、付近住民、通行者、通行車両等の第三者の安全確保に努めなければならない。
2 受注者は、特記仕様書に定めがある場合には所轄警察署、道路管理者、鉄道事業者、河川管理者、労働基準監督署等の関係者及び関係機関と緊密な連絡を取り、設計業務等実施中の安全を確保しなければならない。
3 受注者は、屋外で行う設計業務等の実施に当たり、事故等が発生しないよ
う使用人等に安全教育の徹底を図り、指導、監督に努めなければならない。
4 受注者は、屋外で行う設計業務等の実施に当たっては安全の確保に努めるとともに、労働安全衛生法等関係法令に基づく措置を講じておくものとする。
5 受注者は、屋外で行う設計業務等の実施に当たり、災害予防のため、次の各号に掲げる事項を厳守しなければならない。
(1)屋外で行う設計業務等に伴い伐採したxxxを焼却する場合には、関係法令を遵守するとともに、関係官公署の指導に従い必要な措置を講じなければならない。
(2)受注者は、喫煙等の場所を指定し、指定場所以外での火気の使用は禁止しなければならない。
(3)受注者は、ガソリン、塗料等の可燃物を使用する必要がある場合には、周辺に火気の使用を禁止する旨の標示を行い、周辺の整理に努めなければならない。
6 受注者は、爆発物等の危険物を使用する必要がある場合には、関係法令を遵守するとともに、関係官公署の指導に従い、必要な措置を講じなければならない。
7 受注者は、屋外で行う設計業務等の実施に当たっては豪雨、豪雪、xx、地震、落雷等の自然災害に対して、常に被害を最小限にくい止めるための防災体制を確立しておかなければならない。災害発生時においては第三者及び使用人等の安全確保に努めなければならない。
8 受注者は、屋外で行う設計業務等実施中に事故等が発生した場合は、直ちに監督員に報告するとともに、監督員が指示する様式により事故報告書を速やかに監督員に提出し、監督員から指示がある場合にはその指示に従わなければならない。
第1131条 臨機の措置
1 受注者は、災害防止等のため必要があると認めるときは、臨機の措置をとらなければならない。
また、受注者は、措置をとった場合には、その内容をすみやかに監督員に報告しなければならない。
2 監督員は、天災等に伴い成果物の品質および履行期間の遵守に重大な影響があると認められるときは、受注者に対して臨機の措置をとることを請求することができるものとする。
第1132条 屋外で作業を行う時期及び時間の変更
1 受注者は、設計図書に屋外で作業を行う期日及び時間が定められている場
合でその時間を変更する必要がある場合は、あらかじめ監督員と協議するものとする。
2 受注者は、設計図書に屋外で作業を行う期日及び時間が定められていない場合で、官公庁の休日又は夜間に作業を行う場合は、事前に理由を付した書面によって監督員に提出しなければならない。
第2章 設計業務等一般
第1201条 使用する技術基準等
受注者は、業務の実施に当たって、最新の技術基準及び参考図書並びに特記仕様書に基づいて行うものとする。
なお、使用に当たっては、事前に監督員の承諾を得なければならない。
第1202条 現地踏査
受注者は、設計業務等の実施に当たり、現地踏査を行い設計等に必要な現地の状況を把握するものとする。
第1203条 設計業務等の種類
1 設計業務等とは、調査業務、計画業務、設計業務をいう。
2 この共通仕様書で規定する設計業務等は、新たに設ける各種施設物を対象とするが、供用後における改築又は修繕が必要となる各種施設物についても、これを準用するものとする。
第1204条 調査業務の内容
調査業務とは、第1202条の現地踏査、文献等の資料収集、現地における観測・測定等のうちで、特記仕様書に示された項目を調査し、その結果の取りまとめを行うことをいう。
なお、同一の業務として、この調査結果を基にして解析及び検討を行うことについても、これを調査業務とする。
第1205条 計画業務の内容
1 計画業務とは、第1112条に定める貸与資料及び第1201条に定める適用基準等及び設計図書等を用いて解析、検討を行い、各種計画の立案を行うことをいう。
2 なお、同一の業務として解析、検討を行うための資料収集等を行うことについても、これを計画業務とする。
第1206条 設計業務の内容
1 設計業務とは、第1112条に定める貸与資料及び第1201条に定める適用基準等及び設計図書等を用いて、原則として基本計画、概略設計、予備設計あるいは詳細設計を行うことをいう。
2 基本計画とは、設計の同一の業務として設計対象となる各種施設物の基礎
的諸元を設定するものをいう。
3 概略設計とは、地形図、地質資料、現地踏査結果、文献及び設計条件等に基づき目的構造物の比較案または最適案を提案するものをいう。
4 予備設計とは、空中写真図又は実測図、地質資料、現地踏査結果、文献、概略設計等の成果品及び設計条件に基づき、目的構造物の比較案について技術的、社会的、経済的な側面からの評価、検討を加え、最適案を選定した上で、平面図、縦横断面図、構造物等の一般図、計画概要書、概略数量計算書、概算工事費等を作成するものをいう。
なお、同一の業務として目的構造物の比較案を提案することについてもこれを、予備設計とする。
5 詳細設計とは、実測平面図(空中写真図を含む)、縦横断面図、予備設計等の成果品、地質資料、現地踏査結果及び設計条件等に基づき工事発注に必要な平面図、縦横断面図、構造物等の詳細設計図、設計計算書、工種別数量計算書、施工計画書等を作成するものをいう。
第1207条 調査業務の条件
1 受注者は、業務の着手に当たり、第1112条に定める貸与資料、第12
01条に定める適用基準等及び設計図書を基に調査条件を確認する。受注者は、これらの図書等に示されていない調査条件を設定する必要がある場合は、事前に監督員の指示または承諾を受けなければならない。
2 受注者は、現地踏査あるいは資料収集を実施する場合に、第1112条に定める貸与資料等及び設計図書に示す調査事項と照合して、現地踏査による調査対象項目あるいは資料収集対象項目を整理し、監督員の承諾を得るものとする。
3 受注者は、本条第2項に基づき作業した結果と、第1112条の貸与資料と相違する事項が生じた場合に、調査対象項目あるいは資料収集対象項目を監督員と協議するものとする。
4 受注者は、設計図書及び第1201条に定める諸基準等に示された以外の解析方法等を用いる場合に、使用する理論、公式等について、その理由を付して監督員の承諾を得るものとする。
第1208条 計画業務の条件
1 受注者は、業務の着手に当たり、第1112条に定める貸与資料、第12
01条に定める適用基準等及び設計図書を基に計画条件を確認する。受注者は、これらの図書等に示されていない計画条件を設定する必要がある場合は、事前に監督員の指示または承諾を受けなければならない。
2 受注者は、現地踏査あるいは資料収集を実施する場合に、第1112条に定める貸与資料等及び設計図書に示す計画事項と照合して、現地踏査による調査対象項目あるいは資料収集対象項目を整理し、監督員の承諾を得るものとする。
3 受注者は、本条第2項に基づき作業を行った結果と、第1112条の貸与資料と相違する事項が生じた場合に、調査対象項目あるいは資料収集対象項目を監督員と協議するものとする。
4 受注者は、設計図書及び第1201条に定める諸基準等に示された以外の解析方法等を用いる場合に、使用する理論、公式等について、その理由を付して監督員の承諾を得るものとする。
第1209条 設計業務の条件
1 受注者は、業務の着手に当たり、第1112条に定める貸与資料、第12
01条に定める適用基準等及び設計図書を基に設計条件を設定し、監督員の承諾を得るものとする。
また、受注者は、これらの図書等に示されていない設計条件を設定する必要がある場合は、事前に監督員の指示または承諾を受けなければならない。
2 受注者は、現地踏査あるいは資料収集を実施する場合に、第1112条に定める貸与資料等および設計図書に示す設計事項と照合して、現地踏査による調査対象項目あるいは資料収集対象項目を整理し、監督員の承諾を得るものとする。
3 受注者は、本条第2項において、第1112条の貸与資料と相違する事項が生じた場合に、調査対象項目あるいは資料収集対象項目を監督員と協議するものとする。
4 受注者は、設計図書および第1201条に定める適用基準等に示された以外の解析方法等を用いる場合に、使用する理論、公式等について、その理由を付して監督員の承諾を得るものとする。
5 受注者は、設計に当たって特許工法等特殊な工法を使用する場合には、監督員の承諾を得るものとする。
6 設計に採用する材料、製品は原則としてJIS、JASの規格品及びこれと同等品以上とするものとする。
7 設計において、道路設計基準に集録されている構造物を採用するものについては、発注者は、採用構造物名の呼び名を設計図書に明示し、受注者はこれを遵守するものとする。
なお、これらに定められた数量計算は単位当たり数量をもととして行うものとする。
8 受注者は、設計計算書に、計算に使用した理論、公式の引用、文献等並びにその計算過程を明記するものとする。
9 受注者は、設計に当たって建設副産物の発生、抑制、再利用の促進等の視点を取り入れた設計を行うものとする。
10 受注者は、電子計算機によって設計計算を行う場合は、プログラムと使用機種について事前に監督員と協議するものとする。
11 受注者は、「彩の国公共事業コスト構造改善プラン」に基づき、コスト縮減のほか、ライフサイクルコスト、工期、環境負荷等の縮減について、発注者に提案を行うものとする。
12 受注者は、概略設計又は予備設計を行った結果、後段階の設計において一層のコスト縮減の検討の余地が残されている場合は、最適案として選定された1ケースについてコスト縮減の観点より、形状、構造、使用材料、施工方法等だけでなく、ライフサイクルコスト、工期、環境負荷等の縮減について、後設計時に検討すべきコスト縮減提案を行うものとする。
この提案は概略設計又は予備設計を実施した受注者がその設計を通じて得た着目点・留意事項等(コスト縮減の観点から後設計時に一層の検討を行うべき事項)について、後設計を実施する技術者に情報を適切に引き継ぐためのものであり、本提案のために新たな計算等の作業を行う必要はない。
13 受注者は、設計を行うにあたって、新技術情報提供システム(NETI S)や埼玉県の新製品・新技術紹介制度等を利用し、新技術や新工法の積極的な活用を検討するものとする。
また、設計にあたっては、埼玉県産の建設資材の積極的な利用を検討するものとする。
第1210条 調査業務及び計画業務の成果
1 調査業務及び計画業務の成果は、特記仕様書に定めのない限り第2編以降の各調査業務及び計画業務の内容を定めた各章の該当条文に定めたものとする。
2 受注者は、業務報告書の作成に当たって、その検討・解析結果等を特記仕様書に定められた調査・計画項目に対応させて、その検討・解析等の過程とともに取りまとめるものとする。
3 受注者は、現地踏査を実施した場合には、現地の状況を示す写真とともにその結果を取りまとめることとする。
4 受注者は、検討、解析に使用した理論、公式の引用、文献等並びにその計算過程を明記するものとする。
5 受注者は、成果品の作成に当たって、成果品一覧表又は特記仕様書による
ものとする。
第1211条 設計業務の成果
成果の内容については、次の各号について取りまとめるものとする。
(1)設計業務成果概要書
設計業務成果概要書は、設計業務の条件、特に考慮した事項、コントロールポイント、検討内容、施工性、経済性、耐久性、美観、環境、建設副産物対策等の要件を的確に解説し取りまとめるものとする。
(2)設計計画書等
計算項目は、この共通仕様書及び特記仕様書によるものとする。
(3)設計図面
設計図面は、設計図作成要領、又は特記仕様書に示す方法により作成するものとする。
(4)数量計算書
数量計算書は、国土交通省「土木工事数量算出要領(案)」により行うものとし、算出した結果は、国土交通省「土木工事数量算出要領数量集計表(案)」に基づき工種別、区間別に取りまとめるものとする。
ただし、概略設計及び予備設計については、特記仕様書に定めのある場合を除き、一般図等に基づいて概略数量を算出するものとする。
(5)概算工事費
概算工事費は、監督員と協議した単価と、前号ただし書きに従って算出した概略数量を基に算定するものとする。
(6)施工計画書
① 施工計画書は、工事施工に当たって必要な次の事項の基本的内容を記載するものとする。
1) 計画工程表
2) 使用機械
3) 施工方法
4) 施工管理
5) 仮設備計画
6) 特記事項その他
② 特殊な構造あるいは特殊な工法を採用したときは、施工上留意すべき点を特記事項として記載するものとする。
(7)現地踏査結果
受注者は、現地踏査を実施した場合には、現地の状況を示す写真と
ともにその結果をとりまとめることとする。
(8)建設副産物対策
建設副産物対策の検討に当たり、別添のリサイクル計画書を作成するものとする。