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川越市 総務部 契約課
川越市 随意契約ガイドライン 目次
1 随意契約とは… 01
2 留意事項… 02
3 随意契約ができる場合 03
(1) 少額の契約… 03
(2) その性質⼜は⽬的が競争⼊札に適しない契約をするとき… 04
(3) 特定の施設等から物品を買⼊れ⼜は役務の提供を受ける契約をするとき…06
(4) 新規事業分野の開拓事業者から新商品の買⼊契約をするとき… 08
(5) 緊急の必要によるもの… 09
(6) 競争⼊札に付することが不利なもの… 10
(7) 時価に⽐して著しく有利な価格で契約ができるもの… 12
(8) 競争⼊札に付し⼊札者⼜は落札者がないとき… 13
(9) 落札者が契約を締結しないとき… 14
4 契約内容等の公表について 15
(制定:平成31年4⽉1⽇)
「随意契約」とは、競争の⽅法によらないで、普通地⽅公共団体が任意に特定の相⼿⽅を選択して締結する契約⽅法をいう。
随意契約は、⼀般競争⼊札⼜は指名競争⼊札に⽐しさらに⼿続が簡略であり、かつ、経費の⾯でも⼀段と負担が少なくてすみ、しかも相⼿⽅が特定した者であるため、競争⼊札によってはそのすべてを満たすことのできないような資⼒、信⽤、技術、経験等相⼿⽅の能⼒を熟知のうえ選定することができるから、その運⽤さえ適切なものであればよくその⻑所を発揮し、所期の⽬的を達成することができる。しかしながら、いったんその運⽤を誤ると相⼿⽅の固定化を招き、しかも契約⾃体が情実に流され、xxな取引の実を失し、いわゆる官商結託ないし癒着の弊を⽣じやすい。(第⼀法規株式会社「地⽅公共団体 契約実務ハンドブック」より抜粋)
地⽅公共団体の契約は、地⽅⾃治法第234条第1項において「⼀般競争⼊札、指名競争⼊札、随意契約⼜はせり売りの⽅法により締結するものとする」と規定され、また、同条第2項において、「指名競争⼊札、随意契約⼜はせり売りは、政令で定める場合に該当するときに限り、これによることができる」と規定されている。
つまり、地⽅公共団体の契約は、⼀般競争⼊札で執⾏することを原則とし、政令(地⽅⾃治法施⾏令)で定められた場合に該当するときのみ、指名競争⼊札や随意契約⼜はせり売りの⽅法を採ることができるのである。このことから、安易に随意契約とすることは厳に慎むよう注意しなければならない。
本ガイドラインは、随意契約によることができる場合を⽰した、地⽅⾃治法施⾏令第167条の2第1項第1号から第9号について解説し、適切な随意契約の執⾏に資することを⽬的として定めるものである。
随意契約には、単数の者より⾒積書を徴する「特命随意契約(1者随契)」と、複数の者より⾒積書を徴する「競争⾒積⽅式による随意契約」がある。
「特命随意契約」と「競争⾒積⽅式による随意契約」のいずれかが適⽤されるかについては、地⽅⾃治法、同法施⾏令やその業務内容を基に適正に判断をしなければならない。
随意契約の執⾏に当たっても、競争性により、有利な契約を締結できる可能性がある場合には、複数の者より⾒積書を徴するものとなる。
競争⼊札においては、原則として価格についての競争であるから、定められた範囲の中で最低価格の者と契約しなければならないこととなるが、随意契約においては、⾒積書の提出が契約の申込みにあたり、市が承諾することによって契約が成⽴することとなるため、必ずしも価格のみならず、他の要素を含めて契約の相⼿⽅を決定できるとされている。⾔い換えれば、中⾝、内容等を⽐較検討した結果、市として最も有利となる条件を提⽰した者と契約することができるのである。
しかし、最低価格者以外の者を採⽤することがある場合には、その理由を明確にしておくことが必要である。
【注意事項】
随意契約は、⼀般競争⼊札を原則とする契約⽅式の例外⽅式である。
しかしながら、⼀般競争⼊札によって契約を締結することが公共の⽬的に反したり、事業の能率的な運営を阻害すると認められるような場合や、⼀般競争⼊札によることが不利益な場合、客観的に困難であると認められる場合までも、⼀般競争⼊札で執⾏することは適当ではないので、指名競争⼊札や随意契約の⽅式を採⽤できるものとしている。
随意契約は、単に相⼿⽅の選定⽅法についての特例を定めたものにすぎず、不利な条件(割⾼な価格)による契約の締結までを許容したものではない。有利な価格によって契約を締結すべきだということは、競争⼊札であろうと随意契約であろうと全ての契約を通じて適⽤される不変の原則である。
2 留意事項
随意契約は、競争⼊札を原則とする契約⽅式の例外であることを⼗分認識し、随意契約を⾏おうとするときは、以下の点に留意することが必要である。
① 「業務等に精通している」「納⼊実績がある」「使い勝⼿がよい」などという理由だけでは、随意契約の理由とはならない。
② ⽤途に鑑み、品質・機能等において同⼀の他の物件が存在する場合には、競争⼊札に付すことが原則である。
③ 随意契約による契約⽅法が簡便であるとして、契約を故意に細分化し、適⽤を図るようなことはあってはならない。
➃ 随意契約条項に該当しないことが何⼈の⽬にも明らかな場合、また当該契約が随意契約によることができないことを承知の上で⾏った場合、その契約担当職員や契約締結の権限を有する職員は、責任を問われることになる。
なお、⾒積書を徴取する相⼿⽅の選定は、原則として、xx市競争⼊札参加資格者名簿に登載された者の中から⾏わなければならない。ただし、当該名簿に登載されている者の中から選定できない特別な理由がある場合は、この限りではない。
3 随意契約ができる場合
(1)少額の契約
(地方自治法施行令(以下「施行令」という。)第167条の2第1項第1号)
売買、貸借、請負その他の契約でその予定価格(貸借の契約にあっては、予定賃貸借料の年額又は総額)が地方自治法施行令別表第5上欄に掲げる契約の種類に応じ同表下欄に定める額の範囲内において普通地方公共団体の規則で定める額を超えないものをするとき。
この号は、⾦額の少額な契約についてまで競争⼊札で⾏うことは、事務量がいたずらに増⼤し、能率的な⾏政運営を阻害することから、契約の種類に応じた⼀定⾦額以内のものについては、随意契約によることができることとされている。
しかしながら、本号に該当させるため、⼀括に発注すべき案件を合理的な理由もなく分割して発注することはできない。そのような⾏為は実質的には違法⾏為であり、厳に慎まなければならない。
【規則第18条】
※xx市契約規則では次のように定めている
1 | 工事又は製造の請負 | 130万円以下 |
2 | 財産の買入れ | 80万円以下 |
3 | 物件の借入れ | 40万円以下 |
4 | 財産の売払い | 30万円以下 |
5 | 物件の貸付け | 30万円以下 |
6 | 前各号に掲げる以外のもの | 50万円以下 |
【特記事項】
① 印刷製本の請負契約は「製造」に該当する。
② 買取りの場合は「財産の買⼊れ」に該当する。
③ 「財産」には、不動産、動産の有体のみならず、特許xxの無体財産をも含む。
➃ 業務委託及び修繕は「前各号に掲げる以外のもの」に該当する。
⑤ 複数年の物件の借⼊れの場合、予定賃借料の総額により判断する。
⑥ 130万円以下の⼯事及び50万円以下の修繕については、xx市⼩規模修理・修繕等契約希望者登録制度の登録業者の活⽤も考慮すること。
(2)その性質又は目的が競争入札に適しない契約をするとき
(施行令第167条の2第1項第2号)
不動産の買入れ又は借入れ、普通地方公共団体が必要とする物品の製造、修理、加工又は納入に使用させるため必要な物品の売払いその他の契約でその性質又は目的が競争入札に適しないものをするとき。
この号においては、「その性質⼜は⽬的が競争⼊札に適しないもの」であるかどうかによって随意契約の適否が決定されることとなる。ここで、「その性質⼜は⽬的」とは、通常は「契約の内容」と解され、契約の内容が競争⼊札に適しない場合に適⽤される。
要点
○当該契約者以外の第三者に履行させることが業務の性質上不可能であるかどうか
○契約目的を達成するための履行条件を満たす者が、契約時点において特定されているか。
○「業務内容を熟知しており信頼度が高いこと」「当該業務に精通していること」等をもって当該契約者を限定していないか。
【共通事項】
① 国⼜は地⽅公共団体との直接契約の場合
公法⼈、公益法⼈等利益の追求を⽬的としていない団体との契約を含む
② 企画提案⽅式等、業務の内容が⼊札に適さない場合
【工事又は修繕等】
① 特殊な技術、機器⼜は設備等を必要とする⼯事⼜は修繕で、特定の者と契約を締結しなければ契約の⽬的を達することができない場合
ア 特許⼯法等の新開発⼯法等を⽤いる必要がある⼯事
イ ⽂化財その他極めて特殊な建築物等であるため、施⼯者が特定される補修、増築等の⼯事⼜は修繕
ウ 実験、研究等の⽬的に供する極めて特殊な設備等であるために、施⼯可能な者が特定される設備、機器等の新設、増設等の⼯事⼜は修繕
エ ガス事業法等の法令等の規定に基づき施⼯者が特定される⼯事⼜は修繕
② 施⼯上の経験、知識を特に必要とする場合、⼜は現場の状況等に精通した者に施⼯させる必要がある場合
ア 本施⼯に先⽴ち⾏われる試験的な施⼯の結果、試験的な施⼯を⾏った者に施⼯させなければならない本⼯事⼜は修繕
イ 既設の設備と密接不可分の関係にあり、同⼀施⼯者以外の者に施⼯させた場合、既設の設備等の性能の保証⼜はその使⽤に著しい⽀障が⽣ずるおそれがある設備、機器等の増設、改修等の⼯事⼜は修繕
ウ ⽂化財の調査、発掘、移転等で、特殊な技術、⼿法等を⽤いる必要がある⼯事⼜は修繕
【物品納入・業務委託等】
① 額⾯価格が定められているものなど、競争性がないと認められる場合
(郵便葉書及び切⼿、収⼊印紙、新聞、官報等)
② 地⽅公共団体の⾏為を秘密にする必要がある場合
・試験問題の印刷物の発注等
③ 契約の⽬的物が特定の者でなければ納⼊できない場合
・不動産の買⼊れ等
➃ 特殊な性質を有する品物の買⼊れ、買⼊れ先が特定されている特殊な技術(特許等)を必要とする場合
・市有の材⽊を売払い、その材⽊で特殊な机を製造させるような場合
⑤ 市が試験をするため物品の製造等をさせる場合
・特殊な規格、品質等が要求される場合等
⑥ 特定の者でなければ役務を提供することができない場合
・特殊な技術を⽤いて設計・施⼯した施設・設備の保守・点検業務の場合等
⑦ 電算システムについて、当該システムの特許権、著作権その他の排他的権利を有するシステム開発者にしかできない改造、改良、保守、点検等を実施する場合
Ⓑ 既存の電算システムと密接不可分の関係にあり、同⼀システム開発者以外の者にプログラムの増設、追加等を履⾏させると、既存の電算システムの運⽤に著しく⽀障が⽣じる恐れのある場合
⑨ 法令等により契約の相⼿⽅が特定されている場合
⑩ 市内⼜は県内の医療機関で健康診断等を受診できるようにするため、医師会等の医療機関と締結する健康診断業務等を実施する場合
⑪ 施設の維持管理において、他の施設(市以外の者が所有管理する施設を含む。)と⼀体的に維持管理しなければ業務上⽀障が⽣ずるため、他の施設の維持管理をしているものに委託する場合
⑫ 契約の⽬的を達成するためには、能⼒その他の複数の条件を満たすことが必要であって、
⼀つ⼀つの条件については、それを満たすものが複数存在するが、全ての条件を満たすものが1者に特定される場合
【特記事項】
特命随意契約(1者随契)の場合に多く適⽤されているが、後述の6号との判断を誤ることのないよう確認すること。
※注意
本号を適用する手続として、仕様内容を民間事業者のノウハウにより、より一層の向上を要求するコンペ方式やプロポーザル方式があげられるが、これらの方式の採用にあたっては、参加業者の範囲の特定及び内容審査等について、xx性、透明性の確保に留意することが必要であることから、審査委員会の設置や公募型によることが望ましい。
(3)特定の施設等から物品を買入れ又は役務の提供を受ける契約をするとき (施行令第167条の2第1項第3号)
障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(平成17年法律第12
3号)第5条第11項に規定する障害者支援施設(以下この号において「障害者支援施設」という。)、同条第25項に規定する地域活動支援センター(以下この号において「地域活動支援センター」という。)、同条第1項に規定する障害福祉サービス事業(同条第7項に規定する生活介護、同条第13項に規定する就労移行支援又は同条第14項に規定する就労継続支援を行う事業に限る。以下この号において「障害福祉サービス事業」という。)を行う施設若しくは小規模作業所(障害者基本法(昭和45年法律第84号)第2条第1号に規定する障害者の地域社会における作業活動の場として同法第18条第3項の規定により必要な費用の助成を受けている施設をいう。以下この号において同じ。)若しくはこれらに準ずる者として総務省令で定めるところにより普通地方公共団体の長の認定を受けた者若しくは生活困窮者自立支援法(平成25年法律第105号)第10条第3項に規定する認定生活困窮者就労訓練事業(以下この号において「認定生活困窮者就労訓練事業」という。)を行う施設でその施設に使用される者が主として同法第2条第1項に規定する生活困窮者(以下この号において「生活困窮者」という。)であるもの(当該施設において製作された物品を買い入れることが生活困窮者の自立の促進に資することにつき総務省令で定めるところにより普通地方公共団体の長の認定を受けたものに限る。)(以下この号において「障害者支援施設等」という。)において製作された物品を当該障害者支援施設等から普通地方公共団体の規則で定める手続により買い入れる契約、障害者支援施設、地域活動支援センター、障害福祉サービス事業を行う施設、小規模作業所、高齢者等の雇用の安定等に関する法律(昭和46年法律第68号)第41条第1項に規定するシルバー人材センター連合若しくは同条第2項に規定するシルバー人材センター若しくはこれらに準ずる者として総務省令で定めるところにより普通地方公共団体の長の認定を受けた者から普通地方公共団体の規則で定める手続により役務の提供を受ける契約、母子及び父子並びに寡婦福祉法(昭和39年法律第129号)第6条第6項に規定する母子・父子福祉団体若しくはこれに準ずる者として総務省令で定めるところにより普通地方公共団体の長の認定を受けた者(以下この号において「母子・父子福祉団体等」という。)が行う事業でその事業に使用される者が主として同項に規定する配偶者のない者で現に児童を扶養しているもの及び同条第4項に規定する寡婦であるものに係る役務の提供を当該母子・父子福祉団体等から普通地方公共団体の規則で定める手続により受ける契約又は認定生活困窮者就労訓練事業を行う施設(当該施設から役務の提供を受けることが生活困窮者の自立の促進に資することにつき総務省令で定めるところにより普通地方公共団体の長の認定を受けたものに限る。)が行う事業でその事業に使用される者が主として生活困窮者であるものに係る役務の提供を当該施設から普通地方公共団体の規則で定める手続により受ける契約をするとき。
障害者福祉等の増進といった⼀定の政策⽬的のために必要な随意契約を締結することができるとされている。
この号による随意契約の対象となるのは、上記に掲げる福祉施設関連施設等において製作された物品を当該福祉施設関連施設等から買い⼊れる契約⼜は役務の提供を受ける契約をする場合であり、⼯事契約は該当しない。
【特記事項】
本号を適⽤し、随意契約を締結するためには、xx市契約規則第18条の2第1項〜第3項に基づく公表が必要である。(15 ページ参照)
(4)新規事業分野の開拓事業者からの新商品の買入等の契約をするとき
(施行令第167条の2第1項第4号)
新商品の生産により新たな事業分野の開拓を図る者として総務省令で定めるところにより普通地方公共団体の長の認定を受けた者が新商品として生産する物品を当該認定を受けた者から普通地方公共団体の規則で定める手続により買い入れ若しくは借り入れる契約又は新役務の提供により新たな事業分野の開拓を図る者として総務省令で定めるところにより普通地方公共団体の長の認定を受けた者から普通地方公共団体の規則で定める手続により新役務の提供を受ける契約をするとき。
施⾏令の規定に基づき、地⽅公共団体の規則で定める⼿続により買い⼊れ若しくは借り⼊れる契約⼜は新役務の提供を受ける契約をするときには、随意契約により⾏うことができることとされている。
地⽅⾃治法施⾏規則第12条の3により認定を受けた事業者は、他に類がないものを⽣産、加
⼯⼜は役務の提供において、その⽣産物等には新規性があり、他の者による同類の⽣産物若しくは役務よりも優れた機能性があって、地⽅公共団体はその機能性からもたらされる利益をさらに享受することができることから,これらを調達することは、経済性及び競争性の原則の⽀障にならないものであると考えられる。
この号による随意契約の対象となるのは、新商品の買い⼊れ若しくは借り⼊れる契約⼜は新役務の提供を受ける契約であり、⼯事契約は該当しない。
【特記事項】
本号を適⽤し、随意契約を締結するためには、xx市契約規則第18条の2第1項〜第3項に基づく公表が必要となる。(15 ページ参照)
(5)緊急の必要によるもの (施行令第167条の2第1項第5号)
緊急の必要により競争入札に付することができないとき。
この号において、「緊急の必要」とは、⾮常時、災害時等において⼀般競争⼊札⼜は指名競争
⼊札の⽅法による⼿続きを取っていたのでは、その時期を失し、あるいは全く契約の⽬的を達することができなくなる場合である。
要点
○本号は、災害時等、緊急の必要があって、競争入札による手続きを取ることが目的・時期を失し、市にとって不利益を被る場合。
○緊急対応を行わなければ、市民生活等への重大な支障をおよぼす恐れがあるとき。
○市民生活等への重大な影響を考慮して判断するものであり、事故や故障をもって、直ちに本号を適用できるものではない。
【工事又は修繕等】
① 堤防の崩壊、道路の陥没、地すべり等の災害の発⽣に伴う応急措置を⾏う場合
② 電気、機械等の施設設備の故障等に伴う応急措置を⾏う場合
③ 堤防の崩壊、道路の陥没、崖崩れ、落⽯等の危険箇所が判明するなどし、災害発⽣を未然に防⽌するための応急措置を⾏う場合
【物品納入・業務委託等】
① インフルエンザ等の感染症の発⽣による薬品等の購⼊を必要とする場合
② 衆議院の解散による衆議院議員選挙等、法令等の規定により業務を⾏う期間が定められるもので、その準備期間が短いため緊急を要する場合
【共通事項】
① その他、市⺠⽣活や施設設備等に重⼤な⽀障もしくは損害が発⽣する恐れがあると認められる場合
【特記事項】
① 可能な場合には、複数事業者から⾒積を徴取するなど、経済的な合理性に留意すること。
② 業者は、原則として本市の競争⼊札参加資格者名簿に登載された業者(登録業者)から選定するものとする。(登録業者に適した業者がいない場合はこの限りでない。)
③ 業者選定は客観性をもって適正に⾏われているか、また、選定業者に偏りはないか留意すること。
➃ 客観的性質からの緊急性が必要であり、事務処理が間に合わない等の事務の遅延により競争
⼊札に付する期間が確保できないと⾔うような理由では、本号を適⽤することはできない。
⑤ ⼯事請負費と需⽤費修繕料の運⽤基準において 500 万円以上の修繕は⼯事請負費で執⾏することとなっているが、緊急を要する修繕は当該運⽤から除かれることに留意すること。
※「緊急発注に関する運⽤⽅針について」も併せて参照すること。
(6)競争入札に付することが不利なもの (施行令第167条の2第1項第6号)
競争入札に付することが不利と認められるとき。
この号において、「不利」の解釈は、価格⾯の有利、不利であるが、下記のようにその業務の品質、期間、安全性等も考慮して決定することが要求される。
要点
○契約履行中の者に履行させた場合、履行期間の短縮、経費の節減が確保できる等有利と認められるとき
○現に契約履行中の契約に直接関連する契約で一定の条件を満たしたとき
○早急に契約をしなければ、契約をする機会を失い、又は著しく不利な価格をもって契約をしなければならないこととなる恐れがあるとき
○契約の履行にあたり、ノウハウ・データ等の取得、業務への習熟、対象となる市民等の協力を得るための信頼関係の醸成その他の当該契約においてのみ要求される知識、能力等を有することが必要な契約を締結しようとする場合
【工事又は修繕等】 ※ 部は修繕と読み替えることができる。
① 現に契約履⾏中の施⼯者に履⾏させることにより、⼯期の短縮、経費の削減が確保できる等有利と認められる場合
ア 当初予期し得なかった事情の変化等により必要になった追加⼯事イ 本体⼯事と密接に関連する付帯的な⼯事
② 前⼯事に引き続き施⼯される⼯事(以下「後⼯事」という。)で、前⼯事の施⼯者に施⼯させることにより、⼯期の短縮、経費の節減、安全・円滑かつ適切な施⼯が確保できる等有利と認められる場合
ア 前⼯事と後⼯事とが、⼀体の構造物(⼀体の構造物として完成して初めて機能を発揮するものに限る。)の構築等を⽬的とし、かつ、前⼯事と後⼯事の施⼯者が異なる場合は、かし担保責任の範囲が不明確になる等密接不可分の関係にあるため、⼀貫した施⼯が技術的に必要とされる当該後⼯事
イ 前⼯事と後⼯事が密接な関係にあり、かつ、前⼯事で施⼯した仮設備が引き続き使⽤される後⼯事(ただし、本体⼯事の施⼯に直接関連する仮設備であって、⼯期の短縮、経費の節減が確保できるものに限る。)
③ 他の発注者の発注に係る現に施⼯中の⼯事と交錯する箇所での⼯事で、当該施⼯中の者に施
⼯させることにより、⼯期の短縮、経費の節減に加え、⼯事の安全・円滑・かつ適切な施⼯を確保する上で有利と認められる場合
【物品納入・業務委託等】
① 現に契約履⾏中の者に履⾏させることにより、履⾏期間の短縮、経費の削減が確保できる等有利と認められる場合
ア 当初予期しなかった事情の変化等により必要となった業務であることイ 本体業務と密接に関連する付帯的な業務であること
② 早急に契約をしなければ契約する機会を失い、⼜は著しく不利な価格をもって契約しなければならないこととなる場合
③ 契約⾦額以外の条件が市にとって不利となる場合(品質・性能等の要素が業者によって異なる場合等)(運送、保管等の際の地理的条件等により市に不利となる場合等)
➃ 複数単価契約等により、競争⼊札に付することが不可能な場合
⑤ リース期間満了後に業務上の必要があるため、相当と認められる期間に限って再リースを⾏う場合
⑥ 機器、設備、情報処理システム等の維持管理(運転、保守、監視、運⽤⽀援等を含む。)で、既設の機器、設備、情報処理システム等と密接不可分の関係にあり、同⼀の者以外では責任区分が不明確になり、また、故障発⽣時の原因究明・故障修理などの対処が困難になるなど、業務の履⾏を達成できない場合
ア 既設の機器、設備、情報処理システム等と密接不可分の関係にあり、また、どの部分が密接不可分であるかが明確であること
イ 密接に関連していることによって、故障原因の特定等が困難となることや責任区分があいまいになること⼜はその他の契約の⽬的達成が極めて困難になることが明確であること
⑦ 複合施設の共有部分の清掃業務(第三者発注)等の受注者に専⽤部分の業務を委託する場合
※注意
施行令第167条の2第1項第6号は、見積相手方が1者となる場合があり同項第2号と接近していると見受けられるが、同項第2号はその者しか履行できない場合であるのに対し、同項第6号は履行者が極めて限定されるが、「予定価格以下」という要件等を除けば、履行者の唯一性が絶対であるとはいえない場合である。
(7)時価に比して著しく有利な価格で契約ができるもの
(施行令第167条の2第1項第7号)
時価に比して著しく有利な価格で契約を締結することができる見込みのあるとき。
この号において、「著しく有利な価格」の考え⽅について、⼀般的に品質、性能等が他の物件と⽐較して問題がなく、かつ、予定価格(時価を基準としたもの)から勘案しても、競争⼊札に付した場合よりも誰が⾒てもxxxに有利な価格で契約できる場合である。
要点
○「時価に比して著しく有利な価格」の判断基準は明確にできるものではなく、「競争入札に付した場合より安価」になる事の判断も不確定であることから、7号を適用する場合は市場調査を行う等、慎重に決定すること。
また、工事に関しては「公共工事の品質確保」という観点でも慎重に判断をすること。
【工事又は修繕等】
① 特定の施⼯者が、施⼯に必要な資材等を当該現場付近に多量に所有するため、当該者と随意契約することにより、競争に付した場合よりも著しく有利な価格で契約することが認められる場合
② 特定の施⼯者が開発し、⼜は導⼊した資機材、作業設備、新⼯法等を利⽤することにより、競争⼊札に付した場合よりも著しく有利な価格で契約することができると認められる場合
【物品納入・業務委託等】
① ある物品を購⼊するにあたり、特定の業者がその物品を相当多量に保有し、しかも他の業者が保存している当該同⼀物品の価格に⽐べて著しく有利な価格をもって契約することができる
⾒込みがある場合
② 特定の施⼯者が開発したシステム等を利⽤することにより、競争に付した場合よりも著しく有利な価格で契約することができると認められる場合
(8)競争入札に付し入札者又は落札者がないとき
(施行令第167条の2第1項第8号)
競争入札に付し入札者がないとき、又は再度の入札に付し落札者がないとき。
この号において、「競争⼊札に付し⼊札者がないとき」とは、⼀般競争⼊札の公告をし、⼜は指名競争⼊札に係る指名通知を⾏ったにもかかわらず、⼊札者がないときである。
競争⼊札に付し⼊札者がないとき、⼜は再度の⼊札に付し落札者がないときには、⽇時を改めて再度⼀般競争⼊札や指名競争⼊札に付すことができるが、改めて競争⼊札に付す時間がない場合もあることから、随意契約によることができるとされている。
【共通事項】
① ⼊札公告、指名通知を⾏ったが、⼊札参加者がいない場合
② 開札後、再度⼊札を実施したが、落札者がない場合
【特記事項】
① 本号を適⽤する場合でも、⾒積書の徴取が必要である。
② 予定価格その他の条件(契約保証⾦及び履⾏期限を除く)の変更はできない。
※注意
施行令第167条の2第1項第8号に規定する「再度の入札」は、「再度入札」と「再度公告入札」に分けられる。
「再度入札」は、開札の結果、各人の入札のうち、予定価格の制限の範囲内の価格の入札がないとき(最低制限価格を設けた場合にあっては、予定価格の制限の範囲内の価格で最低制限価格以上の価格入札がないとき)、直ちにその場で(電子入札の場合においては発注者により定められた期日に)行う入札をいう。
「再度公告入札」は、入札価格のうちに予定価格の制限の範囲内に達したものがない場合のほか、入札者のない場合又は落札者が契約を結ばない場合において、再び公告をした後に改めて入札を行うことをいう。
(9)競争入札において落札者が契約を締結しないとき
(施行令第167条の2第1項第9号)
落札者が契約を締結しないとき。
⼀般競争⼊札⼜は指名競争⼊札に付した場合において、落札者の決定後、当該落札者が契約を締結しないときには、随意契約をすることができる。
落札者が契約を締結しないときには、⽇時を改めて再度⼀般競争⼊札や指名競争⼊札に付すことができるが、改めて競争⼊札に付す時間がない場合もあることから、随意契約によることができるとされている。
【特記事項】
① 本号を適⽤する場合でも、⾒積書の徴取が必要である。
② 予定価格その他の条件(履⾏期限を除く)の変更はできない。
③ 落札⾦額の範囲内で契約すること。
4 契約内容等の公表について
地⽅⾃治法施⾏令第167条の2第1項第3号及び第4号により随意契約とする場合については、あらかじめ当該契約に係る発注⾒通し、契約締結前及び契約締結結果を公表しなければならない。(xx市契約規則第18条の2第1項〜第3項)
公表の種類 | 公表内容 | 公表時期 | 公表場所 |
発注⾒通しの公表 | 1 契約の⽬的 2 履⾏期限⼜は期間及び履⾏場所 3 契約を締結する時期 4 その他必要な事項 | あらかじめ | 担当課窓⼝に閲覧簿を常設 (補助的にxx市HP) |
契約締結前の公表 | 1 契約の⽬的 2 履⾏期限⼜は期間及び履⾏場所 3 契約の相⼿⽅の決定⽅法及び選定基準 4 ⾒積書の提出期限及び提出⽅法 5 その他必要な事項 | ⾒積書提出期限の7⽇前まで | |
契約締結結果の公表 | 1 契約の相⼿⽅の名前及び住所 (名称及び所在地) 2 契約の⽬的 3 履⾏期限⼜は期間及び履⾏場所 4 契約を締結した年⽉⽇ 5 契約⾦額 6 契約の相⼿⽅を選定した理由 7 その他必要な事項 | 契約締結後速やかに |