Contract
【派遣先事業者名】(以下甲という。)と【派遣元事業者名】(以下乙という。)は、乙がその雇用する労働者を「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」(以下「労働者派遣法」という。)に基づき甲に派遣するに当たり、次の通り基本契約を締結する。
(目的)
第1条 本契約は、乙が労働者派遣法及び本契約に基づき、乙の雇用する労働者(以下「派遣労働者」という。)を甲に派遣し、甲が派遣労働者を指揮命令して業務に従事させることを目的とする。なお、本契約は、労働者派遣法第2条第4号に定める紹介予定派遣(労働者派遣のうち、派遣元事業主が労働者派遣の役務の提供開始前又は開始後に派遣労働者及び派遣先について職業紹介を行い、又は職業紹介を行うことを予定してするものをいう。)にも適用する。
(総則)
第2条 甲及び乙は、労働者派遣を行い又は派遣労働者を受け入れるに当たり、それぞれ労働者派遣法、その他関係諸法令、派遣先が講ずべき措置に関する指針(以下「派遣先指針」という。)及び派遣元事業主が講ずべき措置に関する指針(以下「派遣元指針」という。)、並びに暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律及び暴力団排除条例を遵守し、適正な業務を行うものとする。甲及び乙の各従業者についても同様とする。
2 本契約は特に定めのない限り、紹介予定派遣に係るものを含む本契約の有効期間中のすべての労働者派遣に係る次条第1項の個別契約に適用する。
(個別契約)
第3条 甲及び乙は、乙が甲に労働者派遣を行う都度、労働者派遣法及び同法施行規則等の定めに基づき、派遣労働者の従事する業務内容、就業場所、就業期間、その他労働者派遣に必要な細目について、労働者派遣法第26条1項に規定する労働者派遣契約(以下「個別契約」という。)を締結する。
2 乙は、前項の個別契約に基づく派遣就業の目的達成に適する労働者の選定を行い、甲に対し当該派遣労働者の氏名、性別、その他労働者派遣法及び同法施行規則等に定める事項を通知しなければならない。
3 紹介予定派遣を行う場合には、同制度に必要な事項を第1項の個別契約に加え定めるものとする。
(派遣可能期間の制限のある業務と抵触日通知等)
第4条 甲及び乙は、甲の事業所その他派遣事業の場所における組織単位ごとの業務について、3年を超える期間継続して同一の派遣労働者を受け入れ又は派遣してはならない。甲は、新たな個別契約を締結するに当たり、あらかじめ乙に対し、当該労働者派遣の開始日以降甲の事業所その他派遣就業の場所における組織単位ごとの業務について派遣可能期間制限に抵触することとなる最初の日(以下「抵触日」という。)を書面の交付等により通知するものとする。個別契約の締結後に、甲において派遣可能期間を延長する場合も同様とする。
2 甲は、前項の甲の事業所その他派遣事業の場所における組織単位ごとの業務について、3年を超える期間労働者派遣を受けようとする場合は、あらかじめその事業所の労働者の過半数で組織する労働組合又は労働者の過半数を代表する者に対し、当該期間をはじめ同法施行規則に定める事項を書面により通知し、その意見を聴くものとする。個別契約の締結後に、甲において派遣可能期間を延長する場合も同様とする。尚、上記に関しては満60歳以上又は無期雇用の派遣労働者等については例外とする。
3 甲及び乙は、第1項の通知がなかった場合には個別契約を締結してはならない。
(派遣労働者の特定を目的とする行為の制限)
第5条 甲は、労働者派遣契約を締結するに際し、紹介予定派遣の場合を除き、派遣労働者を特定することを目的とする行為(受け入れる派遣労働者を選別するために行う事前面接、履歴書の送付要請、若年者への限定、性別の限定、派遣労働者の指名等)をしないよう努めなければならない。また乙は、これらの行為に協力してはならない。尚、派遣労働者又は派遣労働者となろうとする者が、派遣就業を行う派遣先として適当であるかどうかを確認する等の目的で、自らの判断の下に派遣就業開始前の事業所訪問若しくは履歴書の送付又は派遣就業期間中の派遣終了後の直接雇用を目的とした履歴書の送付を行うことは、この限りでない。
(金銭の取扱い、自動車の使用その他特別な業務)
第6条 甲が、派遣労働者に現金、有価証券、その他これに類する証券及び貴重品の取扱いをさせ、又は自動車を使用する業務その他特別な業務(以下「特別な業務」という。)は命じないものとする。本条の定めにかかわらず、特別な業務を明示これに伴い発生した損害及び事故等について、乙は甲及び第三者に対し第25条の規定にかかわらず損害賠償の責任を負わないものとする。
(派遣先責任者)
第7条 甲は、労働者派遣法および同法施行規則の定めに基づき、自己の雇用する労働者(法人の場合は役員も含む。)の中から、事業所その他派遣就業の場所ごとに所定人数の派遣先責任者(物の製造業務派遣の場合は製造業務専門派遣先責任者を含む。以下同じ。)を選任するものとする。
2 派遣先責任者は、派遣労働者を指揮命令する者に対して個別契約に定める事項を遵守させるほか、適正な派遣就業の確保のための措置を講じなければならない。
(派遣元責任者)
第8条 乙は、労働者派遣法及び同法施行規則の定めに基づき、自己の雇用する労働者(法人の場合には役員を含む。)の中から、事業所ごとに所定人数の派遣元責任者(物の製造業務派遣の場合は製造業務専門派遣元責任者を含む。以下同じ。)を選任するものとする。
2 派遣元責任者は、派遣労働者の適正な就業確保のための措置を講じなければならない。
(指揮命令者)
第9条 甲は、派遣労働者を自ら指揮命令して自己の事業のために使用し、個別契約に定める就業条件を守って業務に従事させることとし、自己の雇用する労働者(法人の場合は役員を含む。)の中から就業場所ごとに指揮命令者を選任しなければならない。
2 指揮命令者は、業務の処理について、個別契約に定める事項を守って派遣労働者を指揮命令し、契約外の業務に従事させることのないよう留意し、派遣労働者が安全、正確かつ適切に業務を処理できるよう、業務処理の方法その他の必要な事項を派遣労働者に周知し指導する。
3 指揮命令者は、前項に定めた事項以外にも甲の職場維持、規律の保持、営業秘密及び個人情報の漏洩防止のために必要な事項を派遣労働者に指示することができる。
(苦情処理)
第10条 甲及び乙は、派遣労働者からの苦情の申出を受ける担当者を選任し、派遣労働者から申出を受けた苦情の処理方法、甲乙間の連絡体制等を定め、個別契約書に記載する。
2 甲及び乙は、派遣労働者から苦情の申出があった場合には互いに協力して迅速な解決に努めなければならない。
3 前項により苦情を処理した場合には、甲及び乙はその結果について必ず派遣労働者に知らせなければならない。
(適正な就業の確保等)
第11条 乙は、甲が派遣労働者に対し、個別契約に定める労働を行わせることにより、労働基準法等の法令違反が生じないよう労働基準法等に定める時間外、休日労働に関する協定、その他の所定の法令上の手続等を取るとともに、適正な就業規則等を定め、派遣労働者に対し適正な労務管理を行い、甲の指揮命令に従って職場の秩序、規律、営業秘密等を守り、適正に業務に従事するよう派遣労働者を教育、指導しなければならない。
2 甲は派遣労働者に対し、労働基準法等の諸法令並びに本契約及び個別契約に定める就業条件を守って派遣労働者を労働させるとともに、当該派遣就業が適正かつ円滑に行われるようにするため、セクシャルハラスメント・パワーハラスメント等の防止等に配慮するとともに、診療所、給食施設、更衣室については派遣労働者に利用の機会を与えるように配慮し、その他の診療施設等の施設については利用に関する便宜の供与に努める。
3 甲は、乙が行う派遣労働者の知識、技術、技能等の教育訓練及び安全衛生教育並びに派遣労働者の自主的な能力開発について可能な限り協力するほか、派遣労働者と同種の業務に従事する甲の労働者に対する教育訓練等については、派遣労働者もその対象とするよう配慮し、その他必要に応じた教育訓練に係る便宜を図るよう努めなければならない。
4 乙は、派遣業務を円滑に遂行する上で有用な物品(例えば安全衛生保護具など)の貸与や、教育訓練の実施をはじめとする派遣労働者の福利厚生等の措置について、必要に応じ、甲に雇用され、派遣労働者と同様の業務に従事している労働者との均衡を考慮して、円滑な就業確保のため必要な就業上の措置を講ずるよう努めなければならない。また、甲は乙の求めに応じ、その指揮命令下に労働させる派遣労働者が従事する業務と同種の業務に従事している労働者等の教育訓練、福利厚生等の実情を把握するために必要な情報を乙に提供する等の協力に努めるとともに、乙が派遣労働者の職務の成果等に応じた適切な賃金を決定できるよう、派遣労働者の職務の評価等に協力するよう努める。
5 甲は、派遣料金の額の決定に当たっては、その指揮命令下に労働させる派遣労働者の就業の実態、労働市場の状況等を勘案し、当該派遣労働者の賃金水準が、当該派遣労働者の従事する業務と同種の業務に従事している労働者の賃金水準と均衡が図られたものとするよう努めることとし、更新の場合の派遣料金の額の決定に当たっては、当該派遣労働者が従事する業務の内容及び当該業務に伴う責任の程度並びに当該派遣労働者に要求する技術水準の変化を勘案するよう努める。
6 乙は、派遣労働者の賃金の決定に当たっては、派遣労働者と同種の業務に従事する甲の労働者の賃金水準との均衡を考慮しつつ、派遣労働者と同種の業務に従事する一般の労働者の賃金水準や派遣労働者の職務の内容等を勘案し、派遣労働者の職務の成果等に応じた適切な賃金を決定するよう配慮するものとする。
7 甲は、前項の賃金が適切に決定されるようにするため、乙の求めに応じ、その指揮命令下に労働させる派遣労働者が従事する業務と同種の業務に従事する甲の労働者の賃金水準に関する情報又は当該業務に従事する労働者の募集時の求人条件等を提供するよう配慮するものとする。
8 甲の派遣労働者に対する派遣業務遂行上の指揮命令は、労働者派遣契約に定める甲の就業に関する指揮命令者が行うものとし、当該指揮命令者の不在の場合の代行命令者についても、派遣労働者にあらかじめ明示しておくよう努めるものとする。
(安全衛生等)
第12条 甲及び乙は、労働基準法、労働安全衛生法等に定める規定を遵守し、派遣労働者の労働基準、安全衛生の確保及び確保することにつき双方の確認ができるように努めるものとする。
2 甲は、乙から派遣労働者に係る雇入れ時の安全衛生教育の委託の申し入れがあった場合には、可能な限りこれに応じるように努める等、派遣労働者の安全衛生教育に必要な協力や配慮を行うものとする。
3 甲は、労働安全衛生法に基づき、派遣労働者の危険又は健康障害を防止するための措置を講ずるとともに、派遣労働者の安全衛生管理につき適切な管理を行うものとする。乙は、甲の行う安全衛生管理に協力し、派遣労働者に対する教育・指導等を怠らないように努める。
4 万一、乙の派遣労働者について派遣中に労働災害等が発生した場合については、甲は乙に直ちに連絡して対応するとともに、甲乙それぞれが所轄の労働基準監督署長に労働者死傷病報告書を提出するものとする。なお、甲は所轄の労働基準監督署長に提出した報告書の写しを乙に送付しなければならない。
(就業制限)
第13条 乙は、派遣労働者が新型インフルエンザ等感染症の患者又は無症状病原体保有者であることが判明した場合等で、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律若しくはその他安全衛生関連法令等(以下、本条において「法令等」という。)、又はこれら法令等に基づく国若しくは地方公共団体の勧告等(以下、本条において「勧告等」という。)により就業が禁止されたときは、直ちに甲にその旨を通知するものとする。
2 甲は、法令等又は勧告等により派遣労働者の就業が禁止されたときは、当該法令等又は勧告等に従い、当該派遣労働者の派遣就業を禁止するものとする。
3 甲は、新型インフルエンザ等感染症の蔓延を防止するため必要があると認めるときは、当該感染症に罹患していると疑うに足りる正当な理由のある派遣労働者に対し、当該感染症に罹患しているかどうかに関する医師の健康診断を受けるべき旨を勧告することができる。この勧告に従わないときには、甲は当該派遣労働者の出勤を停止することができる。
4 甲は、感染症の感染拡大を予防するため派遣労働者に就業の禁止を求めようとする場合には、その理由を明示して乙の同意を求めるものとし、その際の派遣料金等については甲乙協議の上決定するものとする。
(派遣労働者の交替等)
第14条 派遣労働者が就業するに当たり、遵守すべき甲の業務処理方法、就業規律等に従わない場合、又は業務処理の能率が著しく低く労働者派遣の目的を達しない場合には、甲は乙にその理由を示し、派遣労働者への指導、改善、派遣労働者の交替等適切な措置を要請することができる。
2 乙は、前項の要請があった場合には、当該派遣労働者への指導、改善、派遣労働者の交替等適切な措置を講ずるものとする。
3 派遣労働者の傷病その他やむを得ない理由がある場合には、乙は甲に通知して派遣労働者を交替させることができる。
(業務上災害等)
第15条 派遣事業に伴う派遣労働者の業務上災害については、乙が労働基準法に定める使用者の災害補償責任及び労働者災害補償保険法に定める事業主の責任を負う。通勤災害については、派遣労働者は乙の加入する労働者災害補償保険法により給付を受ける。
(派遣料金)
第16条 派遣契約に基づく役務の対価として、甲は乙に対して派遣料金を支払う。
2 前項の派遣料金は、甲乙で別途協議して定めるものとする。
3 派遣契約の期間中であっても、経済変動、諸経費の変動、派遣業務の変更等により派遣料金を改定する必要が生じたときは、甲乙協議の上料金を改定する場合がある。
4 甲の責に帰すべき事由により派遣労働者の業務遂行が不可能となった場合は、甲は乙に対し、個別契約に基づき派遣労働が行われた場合に相当する派遣料金を支払うものとする。
5 派遣料金及びそれに付随する料金は、下記支払条件にて甲から乙に支払うものとする。
毎月 日 締め毎月 日 振込支払
尚、振込にかかる手数料は【甲・乙】の負担とする。
6 甲は乙に対する本条第1項の派遣料金の支払いを遅延した場合は、前項による期限の利益を失うとともに、遅延日数に対し年14.6%の遅延損害金を支払うものとする。
(年次有給休暇)
第17条 乙は、派遣労働者から年次有給休暇の申請があった場合には、原則として甲へ事前に通知するものとする。
2 甲は、派遣労働者の年次有給休暇の取得に協力するものとする。ただし、通知された日の休暇取得が業務の正常な運営に支障をきたすときは、甲は乙にその具体的な事情を明示して、乙が当該派遣労働者に対し取得予定日を変更するよう依頼すること又は必要な代替者の派遣を要求することができる。
(公民権行使等の時間)
第18条 甲は、派遣労働者が就業時間中に選挙権その他公民としてその権利を行使し、又は公の職務を執行するために必要な時間を請求した場合においては、その権利の行使又は職務の遂行に協力しなければならない。ただし、権利の行使又は職務の遂行に妨げがない限り、甲は請求された時刻を変更することができる。
2 前項の場合、甲が代替者の派遣を請求するときは、甲乙協議の上対応するものとする。
(派遣労働者等の個人情報の保護と適正な取扱い)
第19条 乙が甲に提供することができる派遣労働者の個人情報は、労働者派遣法第35条及び同法施行規則の規定により派遣先に通知すべき事項のほか、当該派遣労働者の業務遂行能力に関する情報に限るものとする。ただし、利用目的を示して当該派遣労働者の同意を得た場合及び紹介予定派遣において法令上許されている範囲又は他の法律に定めのある場合は、この限りでない。
(営業秘密及び個人情報の守秘義務)
第20条 乙は、派遣業務の遂行により知り得た甲及び取引先その他関係先の業務に関する営業秘密について、不当に漏洩し、開示し、又は不正に利用する等してはならず、派遣労働者にもその遵守を徹底するよう指導する。
2 乙は、派遣業務の遂行により知り得た甲の役員、従業員等及び取引先その他関係者の個人情報について、不当に漏洩し、開示し、又は不正に利用する等してはならず、派遣労働者にもその遵守を徹底するよう指導する。
3 甲は派遣労働者に対し、前項までに定める甲等の営業秘密事項や個人情報の機密管理の教育を行い、また乙は、乙宛てに派遣労働者から前項までに定める守秘義務の履行に関する誓約書を提出させ、甲の機密保持の確保を図るものとする。
(公益通報者の保護)
第21条 甲及び乙は、派遣労働者が公益通報者保護法に基づき公益通報対象事実等を通報したことを理由として、甲において個別契約の解除、派遣労働者の交替を求めることその他不利益な取扱いをしてはならず、乙においては派遣労働者に対して解雇その他の不利益な取扱いをしてはならない。
(知的所有権の帰属)
第22条 乙は、乙の派遣労働者が甲における派遣業務従事中に創作した著作物(プログラムの著作物を含む)が著作権法第15条に規定する職務著作に該当するときは、甲が当該著作物の著作者となることを承認する。
2 乙は、乙の派遣労働者が甲における派遣業務従事中に創作した発明、考案、意匠が特許法第35条並びに準用する実用新案法第11条及び意匠法第15条に規定する職務発明、職務考案、職務意匠に該当するときは、当該発明、考案、意匠について特許を受ける権利、実用新案登録を受ける権利、意匠登録を受ける権利を甲が【原始的に取得・承継】することを承認する。
3 乙の派遣労働者の創作した知的財産について甲がその権利を取得した場合の当該権利の取扱いは、その権利の帰属、移転に伴う当該派遣労働者への補償金その他相当の利益の取扱いも含めて、甲の定める職務発明規程等に従うものとする。
(雇用の禁止)
第23条 甲は、個別契約期間中は乙の派遣労働者を雇用してはならない。
2 紹介予定派遣でない労働者派遣の個別契約期間中に、甲が当該派遣労働者を雇い入れようとする場合には、甲、乙及び派遣労働者の三者の合意の下、当該個別契約を解除し、新たに紹介予定派遣契約を締結することができるものとする。
(個別派遣契約期間満了の予告)
第24条 甲は、乙との個別契約の締結に際し、当該契約を更新する場合があり得るとした場合、当該個別契約の更新を行わないときには、個別契約の期間が満了する日の30日前までに、乙にその旨を通知するよう努めるものとする。
(損害賠償)
第25条 甲及び乙は、本契約又は個別契約に違反し、又はその責に帰すべき事由により相手方に損害を与えたときは、その損害(間接的損害、逸失利益は除く。)を賠償するものとする。
2 乙は、派遣労働者が派遣業務遂行に当たり、甲の指揮命令に反し、故意又は重大な過失により甲に損害を与えた場合、乙は甲にその損害(間接的損害、逸失利益は除く。)を賠償するものとする。ただし、その損害が甲の指揮命令者その他甲が使用する者の派遣労働者に対する指揮命令等により生じた場合、その他甲の責に帰すべき事由による場合は、この限りでない。
3 本条第1項及び第2項による甲及び乙の損害賠償額は、当該派遣契約に関わる個別派遣契約期間の派遣料金の範囲とする。
(労働契約の申込みみなし)
第26条 甲が、労働者派遣法第40条の6第1項各号に掲げるいずれかの違法行為を行った場合(その行った行為が違法行為に該当することを知らず、かつ、知らなかったことに重大な過失がなかったときを除く。)には、その時点において、当該労働者派遣に係る派遣労働者に対し、その時点における当該派遣労働者に係る労働条件と同一の労働条件を内容とする労働契約の申込みをしたものとみなす。
2 前項により当該派遣労働者との間で労働契約が成立した場合においては、甲、乙及び派遣労働者の三者の合意の下、乙及び派遣労働者は退職手続きをとらなければならない。
(日雇労働者の労働者派遣の禁止)
第27条 乙は、その業務を迅速かつ的確に遂行するために専門的な知識、技術又は経験を必要とする業務のうち、労働者派遣により日雇労働者(日々又は30日以内の期間を定めて雇用する労働者雇用する労働者をいう。)を従事させても当該日雇労働者の適正な雇用管理に支障を及ぼすおそれがないと認められる業務として労働者派遣法施行令第4条第1項で定める業務について労働者派遣をする場合又は雇用の機会の確保が特に困難であると認められる労働者の雇用の継続等を図るために必要であると認められる場合その他の場合で労働者派遣法施行令第4条第2項に定める場合を除き、その雇用する日雇労働者について労働者派遣を行ってはならない。
(離職後1年以内の労働者派遣受け入れの禁止)
第28条 甲は、個別契約締結後、労働者派遣法第35条に基づく当該派遣労働者の氏名、性別などの通知を受けた場合において、当該派遣労働者が甲(事業者単位)を離職した者であるときは、当該離職の日から起算して1年を経過する日までの間は、当該派遣労働者(60歳以上の定年退職者を除く。)を受け入れてはならない。また、当該抵触することとなるときは、乙に対してその旨を書面の交付等により通知しなければならない。
2 乙は、離職の日から1年を経過する日までの間の者(60歳以上の定年退職者を除く。)と労働契約を締結したときは、離職前の甲(事業者単位)にその者を派遣してはならない。
3 甲及び乙が必要な手続きをする際に、派遣労働者の責めに帰すべき事由によって当該抵触することとなるときは、甲乙協議の上対応するものとする。
(紹介予定派遣の取扱い)
第29条 甲は、紹介予定派遣に係る派遣労働者の特定を行うに当たり、派遣先指針に基づき、直接採用する場合と同様に、雇用対策法に基づき「労働者の募集及び採用について年齢にかかわりなく均等な機会を与えることについて事業主が適切に対処するための指針」、男女雇用機会均等法に基づく「募集及び採用並びに配置、昇進及び教育訓練について事業主が適切に対処するための指針」及び障害者雇用促進法に基づく「障害者に対する差別の禁止に関する規定に定める事項に関し、事業主が適切に対処するための指針」の内容と同様の内容の措置を講ずるものとする。
2 甲は紹介予定派遣を受け入れるに当たり、6か月を超えて同一の派遣労働者を受け入れないものとし、また乙は紹介予定派遣を行うに当たり、6か月を超えて同一の派遣労働者の労働者派遣を行わないものとする。
3 紹介予定派遣は、派遣就業開始前又は開始後に甲及び派遣労働者の求人・求職の意思等をそれぞれ確認して職業紹介を行うもので、当事者の意思等の如何によっては職業紹介(派遣開始前の場合は当該派遣)が行われないことがあることを、甲及び派遣労働者が了解して行われるものであることを甲及び乙は相互に確認する。
4 派遣期間中に乙による職業紹介が行われ、甲の選考により甲及び派遣労働者間で労働契約が成立した場合には、甲、乙、及び派遣労働者三者間の合意により労働者派遣期間を短縮することができる。ただし、甲及び派遣労働者間の雇用関係が採用内定の場合は、派遣労働者を派遣期間終了まで派遣就業させなければならない。
5 甲及び乙は、紹介予定派遣契約の締結に当たり、当該職業紹介により従事すべき業務の内容及び労働条件その他の当該紹介予定派遣に関する事項を定めなければならない。
6 甲は、派遣労働者の能力発揮及び職業選択が容易になるよう、乙に当該職業紹介により従事すべき業務の内容及び労働条件の他に、当該職務を遂行するために必要とされる派遣労働者の適正、能力、技術、技能、知識等の程度、経験の有無、その他派遣労働者が紹介予定派遣を希望するに当たり必要とされる事項、その他職業紹介上必要な事項等をできる限り事前に明示するものとする。
7 本件紹介予定派遣契約に基づき、乙が派遣労働者を甲に紹介し、労働契約が成立した場合は、甲は乙に対し、あらかじめ厚生労働大臣に届け出た手数料表の範囲内で紹介手数料を支払う。なお、紹介手数料その他の取扱いについては、別途覚書によって定めるものとする。
8 甲及び乙は、紹介予定派遣の受け入れに当たり、甲が特定した派遣労働者が紹介予定派遣に係る契約期間途中で自己都合による退職等、専ら派遣労働者の責に帰すべき事由により派遣就業ができなくなった場合には、当該紹介予定派遣に係る個別契約を、相手方に対し何ら責めを負うことなく直ちに解除することができるものとする。
9 甲は、紹介予定派遣を受け入れた場合において、職業紹介を受けることを希望しなかった場合又は派遣労働者を雇用しなかった場合には、乙の求めに応じ、それぞれの理由を乙に対して書面、ファクシミリ又は電子メールのいずれかにより明示するものとする。
10 前項までの各項のほか、紹介予定派遣に関し必要な事項は甲乙間で定めるものとする。
(反社会的勢力との関係遮断)
第30条 甲及び乙は、それぞれ相手方に対し、次の各号の事項を表明し確約する。
① 自らが暴力団、暴力団構成員、暴力団関係企業、総会屋、社会運動標榜ゴロ、特殊知能暴力集団、その他これに準ずる者の反社会的勢力(以下総称して「反社会勢力」という。)に該当せず、将来も反社会勢力とならないこと。
② 自らの役員(代表者、取締役又は実質的に運営を支配する者)が反社会勢力とならないこと。
③ 自らの業務委託先等として反社会勢力を利用しないこと。
④ 本契約の有効期間内に、自ら又は第三者を利用して次の行為をしないこと。
イ 暴力的な要求行為
ロ 法的な責任を超えた不当な要求行為
ハ 取引に関して脅迫的な言動をし、または暴力を用いる行為
ニ 風説を流布し、偽計を用い又は威力を用いて相手方の信用を既存し、または相手方の業務を妨害する行為
⑤ 甲及び乙の一方について、本契約の有効期間中に前号までのいずれかに反することが判明した場合は、その相手方は何らの催告を要せずして、本契約を解除することができる。
(契約解除)
第31条 甲又は乙は、相手方が正当な理由なく労働者派遣法その他の関係諸法令又は本契約若しくは個別契約の定めに違反した場合には是正を催告し、相当な期間内に是正がないときは、契約の全部又は一部を解除することができる。
2 甲又は乙は、次の各号の一に該当した場合には、何らの催告も要せず、将来に向かって本契約又は個別契約を解除することができる。
① 財産上の信用にかかわる仮差押え、差押え、強制執行又は競売などの申立てがあったとき。
② 民事再生、会社更生、破産、特別清算手続等の申立てがあったとき。
③ 正当な理由なく公租公課を滞納して督促を受け、又はそのために差押えを受けたとき。
④ 財産上の信用にかかわる担保権の実行があったとき。
⑤ 支払いの停止があったとき。
⑥ 手形交換所の取引停止処分があったとき。
⑦ 法人を解散したとき。ただし、あらかじめ相手方の書面による承諾を得た場合はこの限りではない。
⑧ 乙が労働者派遣法その他の関係諸法令に違反して、労働者派遣事業の許可を取り消され、又はその有効期間の更新ができなかったとき。
⑨ 暴力団、暴力団員、暴力団関係者その他の反社会的勢力(以下「暴力団等」という。)であること、暴力団等が経営に実態的に関与していること、又は暴力団等と密接な交際等をしていると認められるとき。
⑩ 親会社又は重要な子会社が①~⑨のいずれかに該当したとき。
⑪ その他前号までの各号に準ずる行為があったとき。
3 前2項に定めるもののほか、甲又は乙が本契約又は個別契約を解除する場合は、相手方の合意を得ることを要する。
4 本条に基づく解除については、損害賠償の請求を妨げないものとする。
(派遣契約の中途解除の場合の措置)
第32条 甲は、専ら甲に起因する事由により、派遣契約期間が満了する前に派遣契約の解除を行おうとする場合は、乙の合意を得ることはもとより、あらかじめ相当の猶予期間をもって乙に解除の申し入れを行うものとする。
2 甲及び乙は、派遣契約期間が満了する前に派遣労働者の責めに帰すべき事由以外の事由によって派遣契約の解除が行われた場合には、当該甲の関連会社での就業をあっせんする等により、派遣労働者の新たな就業機会の確保を図るものとする。
3 甲は、甲の責めに帰すべき事由により派遣契約期間が満了する前に派遣契約の解除を行おうとする場合は、派遣労働者の就業機会の確保を図ることとし、これができないときには少なくとも派遣契約の解除に伴い乙が派遣労働者を休業させること、やむを得ず解雇する等を余儀なくされることにより生じた損害の賠償を行わなければならないものとする。
4 派遣契約の解除が、甲の重大な信義則違反に基づく場合には、甲は前項にかかわらず当該派遣契約が解除された日の翌日以降の残余期間の派遣料金に相当する額について、賠償を行わなければならないものとする。
5 甲は、派遣契約の解除を行う場合にあっては、乙から請求があったときは派遣契約の解除を行う理由を乙に明示するものとする。
(合意管轄)
第33条 甲及び乙は、本契約及び派遣契約に関する紛争について、乙の本店所在地を管轄する裁判所を専属的な管轄裁判所とする事に合意する。
(契約の有効期間)
第34条 本契約の有効期間は、契約締結日から1年間とする。ただし、本契約の期間満了の1か月前までに甲乙いずれからも契約終了の意思表示のない限り、本契約は更に1年間延長され、以降も同様とする。
2 本契約が有効期間満了又は解除により終了した場合といえども、既に契約した個別契約については、別段の意思表示のない限り当該個別契約期間満了まで有効とし、それに関しては本契約の定めるところによる。
3 第19条および第20条の規定は、本契約終了後も有効に存続するものとする。
(協議事項)
第35条 本契約に定めのない事項及び本契約の条項の解釈につき疑義を生じた事項については、労働者派遣法その他の法令を尊重し、甲乙協議の上円満に解決する。
年 月 日
(甲) 印
(乙) 印