Contract
平成25年3月1日
業者各位
下請契約及び下請代金支払の適正化並びに施工管理の徹底等について
このことについて、最近の厳しい経営環境の中で、とりわけ元請下請取引の適正化が従来にも増して強く求められており、それが上位下請と下位下請の取引にも大きな影響を与えていることを踏まえ、関係法令や指針等を遵守するほか、下記事項に十分留意し、下請契約における請負代金の設定及び代金支払の適正化等元請下請取引の適正化、施工管理の徹底等に一層努められるよう、お願いいたします。
記
1.見積りについて
下請代金の設定については、施工責任範囲、施工条件等を反映した合理的なものとするため、書面による見積依頼及び建設業法施行令第6条で定める見積期間の設定、明確な経費内訳による見積書の提出、それらを踏まえた双方の協議等の適正な手順を徹底すること。
また、工事現場における工程管理や品質管理及び安全管理等の施工管理が適切に行われるよう必要な経費に十分留意するとともに、賃金等に加えて一般管理費等の必要な諸経費を適切に考慮すること。なお、材料費等については、市場価格を参考に適切な価格設定となるよう十分留意すること。
2.契約について
建設工事の契約の締結については、建設業法第19条に基づき、書面による当該建設工事の着工前の契約を徹底すること。建設工事標準下請契約約款又はこれに準拠した内容による契約書を用いて、具体的な工事内容、適正な請負代金及び支払方法、着工及び完工の時期、設計変更・工期の変更・請負代金の変更に関する定め等を明示すること。
特に、請負代金の出来高払を行うに当たり、下請代金の支払時に建設廃棄物等の処理費用等を相殺する場合には、当該事項の具体的内容を、請負契約の両当事者の対等な立場における合意に基づき、契約書面に明記すること。
また、請負代金を決定する際、下請負人と十分な協議をせず、又は下請負人の協議に応じることなく、元請負人が一方的に決めた請負代金の額を下請負人に提示し、その額で下請負人に契約を締結させる行為を行うことがないよう留意すること。
当初の契約どおり工事が進行せず、工事内容に変更が生じ、工期又は請負代金に変更が生じる場合には、双方の協議等の適正な手順により、これを変更すること。
3.検査及び引渡しについて
元請負人は、下請負人から建設工事が完成した旨の通知を受けたときは、当該通知を受けた日から20日以内で、できる限り短い期間内に検査を完了すること。
また、検査によって建設工事の完成を確認した後、下請負人からの申し出があったときは、特
約がされている場合を除いて、直ちに当該建設工事の目的物の引渡しを受けること。
4.下請代金の支払について
下請契約における代金の支払は、請求書提出締切日から支払日(手形の場合は手形振出日)までの期間をできる限り短くすること。また、元請負人が発注者から部分払(出来高払)や完成払を受けた時は、出来形に対して発注者から支払を受けた金額の割合に相応する下請代金を、当該支払を受けた日から一月以内で、できる限り短い期間内に支払わなければならないことにも留意すること。特に、特定建設業者においては、発注者から支払を受けたか否かにかかわらず、建設工事の完成を確認した後、下請負人が工事目的物の引渡しの申し出を行った日から起算して50日以内で、できる限り短い期間内に下請代金の支払を行うよう留意すること。
また、全ての元請負人は下請負人に対し、下請代金の支払をできる限り現金払により行うこと。現金払と手形払を併用する場合には、下請建設企業に対する支払条件を改善し、支払代金に占める現金の比率を高めることに留意すること。特に、労働者の雇用の安定を図る上で重要であることから、少なくとも労務費相当分を現金払とするよう支払条件を設定すること。
なお、前払金を受領した場合には、建設業法第24条の3第2項に基づき、下請負人に対して必要な費用を前払金として適正に支払うよう配慮すること。
下請代金の支払保留については、工事が完成し、元請負人の検査及び引渡しが終了した後に、正当な理由なく長期間にわたり保留金として下請代金の一部を支払わないことがないよう留意すること。
手形期間については、120日以内で、できる限り短い期間とすること。特定建設業者については、下請契約における代金の支払を一般の金融機関による割引を受けることが困難であると認められる手形を交付してはならないことにも留意すること。
5.下請負人への配慮等について
元請負人は下請契約の締結に際し、必要な諸経費を適切に考慮するとともに、下請負人の資金繰りや雇用確保に十分配慮すること。また、元請負人は、下請負人の倒産、資金繰りの悪化等により、下請契約における関係者に対し、建設工事の施工に係る請負代金、賃金の不払等、不測の損害を与えることのないよう十分配慮すること。
なお、発注者から直接建設工事を請け負った特定建設業者は、建設業法第24条の6並びに第
41条第2項及び第3項の適用があることも踏まえ、下請契約の関係者保護に特に配慮すること。
6.施工管理の徹底について
公衆災害や労働災害の防止及び建設生産物の安全性や品質を確保するため、適切な施工計画の作成、工事現場における施工体制の十分な確保、工事全体の工程管理や工事目的物・工事用資材等の品質管理及び工事現場における安全管理等の施工管理のより一層の徹底に努めること。
「公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律」において、公共工事の受注者は、施工体制台帳の写しを発注者に提出すること及び施工体系図を公衆が見やすい場所に掲げることとされているので、徹底すること。
7.関係者への配慮について
資材業者、建設機械又は仮設機材の賃貸業者、警備業者、運送事業者等に対しても、上記1から6までの事項に準じた配慮をすること。