(QCBS 方式対応版)
コンサルタント等契約における経理処理ガイドライン
(QCBS 方式対応版)
2020 年 4 月
独立行政法人国際協力機構調達・派遣業務部
目 次
はじめに
【別添資料】
別添資料1:コンサルタント等契約に係る報酬単価について 28
はじめに
JICA が「コンサルタント等契約」として分類している契約(以下「コンサルタント等契約」)の経費の取扱いについては、2011 年度に大幅な積算基準の改正を行いましたが、 2019 年度、コンサルタント業界の協力を得て改めて経費実態調査を行い、その結果に基づき、今般再度積算基準の改定を行いました。
本「経理処理ガイドライン」では、2019 年 4 月に導入を開始したQCBS(Quality- and Cost- based Selection)を適用している契約についての経理処理を解説していますので、従来型の企画競争(価格加味)方式が適用されている契約については、当該方式を対象としたガイドラインを参照してください。
本ガイドラインで解説している「積算基準」は、QCBS での選定の結果優先契約交渉権者となった者との価格交渉において、業務の価格、すなわち契約金額の積算方法として準拠することを求める基準です。このため、技術プロポーザルとともに提出される見積書においても同じ基準で積算されていることが契約交渉を円滑にすることとなりますので、見積書作成の段階から、本ガイドラインを参照し、適切に見積書を作成していただけると幸いです。
また、本ガイドラインには、業務の完了に際して支払金額を確定させるための精算方法についても解説しています。従来の精算方法と比較して合理化・簡素化していますので、契約に当たって、十分その内容を理解願います。
契約金額は、「報酬(Remuneration)」と「直接経費(Reimbursable Payments)」の2つに分類されます1。
「報酬(Remuneration)」は、契約締結時に業務従事者の格付毎に報酬単価を合意・設定し、業務従事者の業務従事実績に基づき支払います(報酬額の契約金額が上限となります)2。報酬は、特記仕様書に規定されている「業務」が実施されたことに対する対価(報酬)であり、発注者の検査職員による「検査」に合格することが支払の条件となります。この報酬には、業務従事者の「直接人件費」や業務従事者をバックアップする業務支援要員の人件費、事業部門の水道光熱費等の「間接原価」に加え、受注者の経営・管理部門の人件費をはじめとする「一般管理費」と法人を継続的に運営するために必要な「付加利益」等を含んだものとして、単価が設定されています。
「報酬」に加え、契約金額には「直接経費(Reimbursable Payments)」が含まれます。直接経費は「業務に関連して発生する第三者への支払いを補填する経費」として契約締結時に合意されるもので、上述の直接人件費、間接原価及び一般管理費・付加利益に含まれるものを除きます。
具体的には、航空賃や日当・宿泊料等の旅費、通訳・車輌借上げ費用、現地業者に再
1 コンサルタント契約の報酬に係る国際的な運用に準じています。詳しくは、例えば、円借款事業に係る調達ガイドライン「Guidelines for the Employment of Consultants under Japanese ODA Loans」の Section 4.07 Description of Consultants’ Costs and Fees を参照してください。
2 業務従事実績を確認して報酬額を確定する方法は、世界銀行や円借款事業のコンサルタント契約で多く利用される「Time-based Contract」の制度を準用したものです。
委託するボーリング調査費用などが直接経費の対象となり、支出実績又は契約締結時に設定された合意単価に基づき、支払が行われます(直接経費の契約金額が上限となります)。なお、直接経費として計上が可能な費目は、本ガイドライン「Ⅲ.直接経費」に解説されている費目のみとなりますので、ご留意ください。
直接経費の支払額確定に当たっては、①業務に関連した経費であったか、②第三者への支払が発生したか、③経済的な価格であったかといった点を発注者が確認(=精算)します3が、合意単価に基づくものについては、②及び③の確認が省略できます。
Ⅱ.報酬
1.報酬単価
報酬額は、業務従事者毎の報酬単価(月額)に業務量(業務人月)を乗じて算定・合算します。
報酬単価(月額)は格付ごとに設定され、格付は当該業務従事者が担当する業務の内容・難易度に応じて、契約交渉において協議、設定します。各格付の内容・難易度の目安は、「コンサルタント等契約におけるプロポーザル作成ガイドライン(2018 年 11 月)」4の「別添資料5:コンサルタント等契約における業務内容と業務従事者の格付目安」を参照してください。
格付毎の報酬単価(月額)の上限額は表1のとおりです。報酬単価の算出根拠については、「別添資料1:コンサルタント等契約報酬単価について」に解説します。
表1:報酬単価(月額上限額)
格付 | 2019 年度 | 2020 年度 |
特号 | 4,238,000 円 | 4,295,000 円 |
1号 | 3,911,000 円 | 3,988,000 円 |
2号 | 3,314,000 円 | 3,403,000 円 |
3号 | 2,926,000 円 | 2,997,000 円 |
4号 | 2,408,000 円 | 2,498,000 円 |
5号 | 1,971,000 円 | 2,012,000 円 |
6号 | 1,626,000 円 | 1,717,000 円 |
注)複数の契約履行期間に分割して契約書を締結する場合(この場合、当初契約履行期間を対象とした契約に引続く契約期間の契約を「継続契約」と呼びます。)、当該契約書の締結日が所属する年度の報酬単価(上限額)が適用されます。ただし、競争に際して報酬単価(上限額)を下回る単価で見積書を提出し、契約の報酬単価とした場合、表1の報酬単価(上限額)に対する当該契約報酬単価の割合を、継続契約にも適用します。
3 このように、直接経費については支出の確認(=精算)の対象となりますが、報酬については、契約締結に際して発注者・受注者間で合意する額であるため、報酬額の内訳(直接人件費等)について、事後的に「業務従事者に実際いくら給与・賞与が支給されたのか」、「受注企業としての販売管理費が実際いくらであったか」などについて発注者が確認することはありません。
4 「https://www.jica.go.jp/announce/manual/guideline/consultant/proposal_201211.html」参照。
個別の業務従事者の格付は、上述のとおり業務の内容・難易度に応じて設定されますが、併せて、当該業務を担当する業務従事者が格付された号に相当する経験・能力があるのかについても確認・認定が必要となります。
しかしながら、個人の経験・能力を客観的に確認・認定することは困難であるため、 JICA では、原則「経験年数」を根拠とし、表2に示す標準年数の経験をもって当該格付の能力を認定しています。なお、経験年数以外での格付の確認・認定の運用については、「別添資料2:業務従事者の格付確認・認定の運用について」に解説します。
表2:格付と標準経験年数
格付 | 標準経験年数 |
特号 | その都度決定 |
1号 | 23年以上 |
2号 | 18年以上23年未満 |
3号 | 13年以上18年未満 |
4号 | 8年以上13年未満 |
5号 | 5年以上8年未満 |
6号 | 2年以上5年未満 |
注1)上の標準経験年数は、大学卒業者を基準とした年数であり、短大卒、高卒等の業務従事者に必要な経験年数については、個別に判断します。
注2)経験年数の起算は大学卒業翌年度の 4 月 1 日とし、公示日時点での年数を経験年数とします。海外の大学等を卒業した場合においても、4 月 1 日から起算する運用とします。
注3)継続契約の場合には、継続契約の署名日において、経験年数をカウントします。
注4)経験年数については、特定分野の業務経験だけではなく、関連する業務経験を広く認めることとします。また、大学院以上の教育・研究機関等における教育・研究経験についても経験年数として認めます。
個別契約の個別業務分野の格付及び報酬単価は、上述の原則を踏まえ、契約交渉で確定します。なお、同一号の格付は同一単価とします。
2.業務量(業務人月)
業務量(業務人月)は、予定業務日数を人月(=M/M)に換算して算定します。この換算は、現地業務においては拘束日(本邦出発日から本邦帰国日)30 日=1人月 5とし、国内業務においては稼働日(業務を行った日)20 日=1人月とします。
具体的な計算方法は次のとおりです。
(1)現地業務
業務従事者ごとに配置日数(拘束日)を合計し、30 日で除して、業務人月を算出します。小数点以下第3位を四捨五入して、小数点以下第2位まで算定します。なお、業務対象国に居住している業務従事者についても、同じく拘束日で業務 人月を算定することを原則としますが、現地居住者については航空券等での配置日数の確認が困難ですので、現地居住者の現地業務量が相当の割合となる場合等
5 「拘束日」には、1人月(30 日)当たり 10 日以内の移動日又は休息日が含まれることを想定しています。
において、必要に応じ契約交渉時に協議し、精算書類の一部として日報等の提出を求めることがあります。
(2)国内業務
業務従事者ごとに配置日数(稼働日)を合計し、20 日で除して、業務人月を算出します。
3.基準額を超える直接人件費月額単価の設定
業務の性格及び市場の実勢に照らし、表1の報酬単価(月額上限額)では適切な業務価格の積算が困難と JICA が判断する場合には、特号の報酬単価を超える金額で契約をすることがあります。その場合、企画競争説明書において、該当する担当専門分野及びその報酬単価(月額上限額)を指定します。競争参加者は、企画競争説明書に指定する報酬単価を勘案し、見積書において適切な報酬単価を設定してください。競争参加者が提示する報酬単価については、必要に応じ、契約交渉段階で単価の妥当性を確認します。
4.紛争影響国・地域における報酬単価の加算
表3に定める「紛争影響国・地域」において実施する業務に対しては、「極めて劣悪な治安情勢により、日常の生活行動範囲が著しく限定される等生活環境が厳しく、生活物資の調達や心身の健康維持が極めて困難である地」での業務に対するインセンティブとして報酬単価を加算し、表4に規定する報酬単価(月額上限額)を適用します。
この報酬単価の加算は、「紛争影響国・地域」を業務対象としていますが、当該地での業務が少ない場合(隣国や近隣地域での遠隔業務が想定されている場合)等があるため、個別の公示ごとに適用の要否を判断し、企画競争説明書に明記します。
なお、複数の契約履行期間に分割して契約書を締結する場合であって、継続契約の契約書締結日において業務対象国・地域が「紛争影響国・地域」から外されている場合は、当該継続契約について、報酬単価の加算のない表2の上限額を適用します。逆に、継続契約の締結日において、「紛争影響国・地域」に新たに指定されていた場合には、表3の上限額適用の要否を個別に判断します。
表3:報酬単価の加算を認める「紛争影響国・地域」
アジア | アフガニスタン パキスタン(イスラマバード市及びアボタバード市を除く。) フィリピン・ミンダナオ地域(MILF紛争影響地域) |
アフリカ | 南スーダン コートジボワール(大アビジャン圏を除く。)コンゴ民主共和国(キンシャサ市を除く。) リベリア ギニア(コナクリ市を除く。)エリトリア チャドマリ ブルキナファソ |
中東・欧州 | イラク |
中南米 | ハイチ |
表4:紛争影響国・地域における報酬単価(月額上限額)
格付 | 2019 年度 | 2020 年度 |
特号 | 4,541,000 円 | 4,653,000 円 |
1号 | 4,191,000 円 | 4,320,000 円 |
2号 | 3,551,000 円 | 3,687,000 円 |
3号 | 3,135,000 円 | 3,247,000 円 |
4号 | 2,580,000 円 | 2,707,000 円 |
5号 | 2,112,000 円 | 2,180,000 円 |
6号 | 1,742,000 円 | 1,860,000 円 |
6.業務完了時の業務従事実績の確認
支払額の確定の際に行う業務従事実績の確認は、「業務従事者の従事計画・実績表
(監督職員確認印付)」に基づきます。
現地業務については拘束日実績でのカウントになりますので、渡航期間中に他業務に従事した場合等の例外を除き、出発日と帰国日を確認して、実績を確定します。なお、業務従事実績は、契約締結時の業務従事計画総人月を上限とします6。
「直接経費」は、業務価格を適切に積算するに当たって、「報酬」とは分離して計上 し実支出に基づき支払いをすることが適当であると考えられる費目のみを対象としています。すなわち、「Ⅰ.業務価格の構成」において、直接経費を「業務に関連して発生する第三者への支払いを補填する経費」と説明していますが、「業務に関連して発生する第三者への支払い」をすべて「直接経費」として計上を認めているわけではありません。例えば、JICA 本部で打合せを行うための移動費や旅券・査証取得費、海外渡航に必要なワクチン接種費などは、「直接経費」の対象とはしていません。
直接経費として、契約金額の内訳に計上を認める費目は表5のとおりです。
なお、これら費目のみを直接経費として計上を認めるとの前提で、上述の「報酬単価」を算定していますので、ご理解ください。
6 すなわち、上位格付(例:2号)の業務従事者の業務を下位格付(例:4号)の業務従事者に振替えて業務を行った場合でも、業務従事計画総人月の上限は変更されませんので、契約金額に比較して、支払確定金額が減少することになります。
表5:直接経費の費目構成
費目 | 細 目 | 内 容 |
旅費(航空賃) | ✓ 航空賃(本邦又は第三国から業務対象国への航空賃。) | |
( そ 旅の 費他 ) | 日当・宿泊料等 | ✓ 日当・宿泊料 |
戦争特約保険料 | ✓ 危険地域で業務を実施する場合の業務従事者の災害補償経費 (戦争特約経費分) | |
特別手当 | ✓ アフガニスタン国内で業務を実施する場合の業務従事者に対す る特別手当 | |
一般業務費 | 特殊傭人費 | ✓ 業務に関連して必要となる現地技術者等(通訳を含む。)の賃 金等 |
車両関連費 | ✓ 車両の使用料(ドライバーの傭人費及び燃料代等を含む。) ✓ JICA 又は先方政府による貸与車両のドライバーの傭人費用、燃 料代等及び維持管理に必要な経費 | |
セミナー等実施関連費 | ✓ セミナー等(研修及び第三国研修等を含む。以下同じ。)開催の会場費等 ✓ セミナー等に必要な資料・教材等のコピー・製本費、視聴覚教材・資料の作成費 ✓ セミナー等の実施に必要な消耗品等の購入費(単価5万円未満のものに限る。) ✓ セミナー等の講師・通訳等に係る諸謝金(原稿執筆、講演・講義謝金等) ✓ セミナー等参加者等の旅費(日当・宿泊料)及び交通費 | |
事務所関連費 | ✓ 事務所の地代・家賃及び事務所運営に必要な機器・設備等の賃貸借料等 ✓ 事務所を運営するために必要な消耗品等の購入費(単価 5 万円未満のものに限る。) ✓ 事務所の電気量、ガス代、水道料 ✓ 事務員及び秘書の賃金 | |
旅費・交通費 | ✓ 業務対象国及び業務対象国を拠点とし第三国での業務の際に発 生する業務従事者等の交通費 | |
施設・設備等関 連費 | ✓ 業務実施に必要な施設(事務所を除く。)・設備等の賃貸借料 及び保守管理 | |
資料等翻訳費 | ✓ 仏文・西文・現地語等の資料にかかる英文等への翻訳費 | |
雑費 | ✓ 図書・資料、資機材及び消耗品等(セミナー等実施関連費及び事務所関連費に区分されるものを除く。)の購入費(単価 5 万円未満のものに限る。) ✓ 通信及び郵便・運搬に係る経費 ✓ 他の費目に整理することが不適当なもの | |
通訳傭上費 | ✓ 本邦で通訳を傭上し、業務対象国へ帯同する場合の通訳傭上費 | |
報告書作成費 | ✓ 報告書等の印刷・製本費 ✓ 電子化及び報告書翻訳等の経費 | |
機材費 | 機材購入費 | ✓ 供与機材及び事業用物品(携行機材、調査用資機材等)の購入費 |
機材損料・借料 | ✓ 受注者が所有し業務に使用する機材の損料又はレンタル料 | |
機材送料 | ✓ 上記機材の本邦から又は本邦への送料(保険料を含む。) |
再委託費 | 現地再委託費 | ✓ 業務対象国において、現地の業者等に対し、契約により実施さ せる業務(構造物の施工を含む。)の委託経費 |
国内再委託費 | ✓ 本邦業者等に契約により実施させる業務の委託経費 | |
国内業務費 | 技術研修費 | ✓ 技術研修の実施に必要な経費(諸謝金、実施諸費、同行者等旅 費)及びカリキュラムの一部を外注する場合の委託費 |
招へい費 | ✓ 本邦招へいの実施に必要な経費(諸謝金、実施諸費、同行者等 旅費)及びカリキュラムの一部を外注する場合の委託費 | |
国内諸雑費 | ✓ 本邦における民間向け報告会等の開催に係る経費 ✓ 他の費目に整理することが不適当なもの |
1.旅費(航空賃)
旅費(航空賃)は、業務従事者(本邦から帯同する通訳を含む。以下同じ。)が業務遂行のため、業務従事者の居住地又は滞在地(出発地)から業務対象国
(業務対象国内で乗り継ぎがある場合には、最終到着地まで)への移動、業務対象国間の移動、及び業務遂行後に業務対象国から業務従事者の居住地又は滞在地(帰着地)に戻るための航空賃です。
航空賃は、航空券代の他に、週末・特定曜日料金加算、航空保険料、燃油特別付加運賃、空港税、国際観光旅客税、旅客サービス施設使用料、旅客保安料、発券手数料を含むことができます。
<補足説明>
(1)旅費(航空賃)の計上対象
✓ 業務従事者の出発地と帰着地は原則同一とします(本邦居住者は日本を発着地
(下図①)、海外居住者(本邦以外の国で住民登録をしている者)は居住地を発着地(下図②)、海外滞在者は滞在地を発着地(下図③)とします)。ただし、業務従事者が滞在地を出発地とし、居住地を帰着地(下図④⑤)とする場合に限り、その往復路を航空賃の計上対象とすることを認めます。
✓ 業務従事者が業務対象国で引き続き別業務に従事する場合は、復路の計上は認
めません。これとは逆に、業務対象国での別業務に引き続き、当該契約業務に従事する場合は、往路の計上は認めません。
✓ 海外居住者、海外滞在者については、見積書や契約金額内訳書等に居住国又は滞在国を明記してください。
✓ 業務対象国内における航空賃は一般業務費の旅費・交通費で計上します。ただし、
業務従事者が発着する航空券に、業務対象国内の航空賃が含まれている場合は、旅費(航空賃)として扱います。
(2)航空券クラス
✓ 航空券クラスについては、表6のとおり、業務従事者の格付と渡航地域に基づき、ビジネスクラスの利用が認められるものはビジネスクラス正規割引運賃を、エコノミークラスの利用が認められるものはエコノミークラス正規割引運賃を上限として契約金額を確定します。
表6:格付/渡航地域別航空券クラス
格付 | 航空券クラス | |||
A地域 | B地域 | C地域 | D地域 | |
特号、1号 | C | C | C | C |
2号、3号 | Y | C | C | C |
4号 | Y | Y | C | C |
5号、6号 | Y | Y | Y | C |
A地域 | 東アジア 東南アジア(東ティモールを含む。) 大洋州(パラオ、ミクロネシア) |
B地域 | 南アジア 大洋州(パラオ、ミクロネシアを除く。)中央アジア・コーカサス 中東(マグレブ諸国を除く。)欧州・北中米・カリブ諸国 アフリカ(スーダン、エチオピア、ジブチ、ケニア、セーシェル) |
C地域 | マグレブ諸国(リビア、チュニジア、アルジェリア、モロッコ)アフリカ(B地域に分類される国を除く。) 注)マグレブ諸国及びアフリカについて、欧州経由とする場合は、B地域に分類する。 南米(ブラジル、アルゼンチン、ウルグアイ、パラグアイを除く。) |
D地域 | 南米(ブラジル、アルゼンチン、ウルグアイ、パラグアイ) |
注1)C:ビジネスクラス、Y:エコノミークラス
注2)地域の分類は、原則として、所要フライト時間(複数のフライトがある場合は、当該所要フライト時間を加算するが、中継地での宿泊がある場合には、加算しない。)が、8 時間未満(A地域)、8 時間以上 16 時間未満(B地域)、16 時間以上 24 時間未満(C地域)、24 時間以上(D地域)で分類していますが、実際のアイテナリーで所要フライト時間がこれらと大幅に異なる場合は、個別に対応します。
注3)カリブ諸国及び欧州経由アフリカについては、中継地での宿泊があることを前提に地域分けしています。
注4)安全対策上等の必要性に基づき、公示又は企画競争説明書において、エコノミークラス普通運賃又はビジネスクラス正規運賃での計上を指示する場合があります。
(3)渡航経路・航空会社の設定
✓ 航空券の渡航経路・航空会社の設定に当たっては、効率的かつ経済的な経路、航 空会社であること(契約交渉において、安全性・効率性を勘案した上でより経済的な航空会社への変更をお願いする場合があります。)に留意してください。
(4)旅費(航空賃)の内訳
✓ 空港施設使用料は国際線のみ計上可能であり、国内線は計上できません。
✓ 査証代金、予防接種経費、海外旅行保険料は計上できません。
(5)精算に際しての留意事項
✓ 旅費(航空賃)の精算は、原則、「合意単価」の対象とし、契約時に合意された単価に基づき、実際の渡航回数を乗じて算定します。「実際の渡航回数」を確認するため、フライトへの搭乗証明書(搭乗者名、搭乗便、搭乗日、登降地等)又は搭乗券半券等の提出を求めることがあります。
✓ 業務対象国において継続的に別の業務に従事する場合等、片道の渡航がなくな
った場合は、渡航回数を 0.5 として算定します。これらの場合、証憑書類の提出は不要とします。
✓ 合意された渡航経路と実際の経路が異なった場合(例:出発地が、日本ではなく、
先だって業務に従事した渡航地(例:フィリピン)からとなった。)には、合意単価を上限として、証拠書類(旅行代理店等からの領収書とeチケット)に基づく実費での精算とします。なお、領収書は金額内訳が記載されているものとし、 eチケットは航空賃の記載のあるものとしてください。
✓ 日本国内の出発地が異なるのみ(例:成田空港出発の予定が関西空港出発とな
る。)の場合には、合意単価の適用を維持します。
2.旅費(その他)
(1)日当・宿泊料
宿泊料は現地業務期間中(経由地を含む。)の宿泊費を賄うための旅費であり、具体的には、宿泊料金、夕食代、朝食代及び宿泊に伴う諸雑費に充てられる ための経費です。日当は、現地業務期間中(経由地を含む。)の昼食代、小額交通費といった宿泊以外の諸雑費に充てられるための経費です。
【日当・宿泊料の上限額】
日当・宿泊料の基準額(上限額)は表7のとおりとします。
日当・宿泊料は次の算出式で計算します。宿泊数は「業務従事日数」から1日(帰国日は宿泊しない。)を減じた上で、更に「機中泊の泊数」(機中で夜を過ごすため、宿泊料が不要。)を減じて計算されますが、コンサルタント等契約では、一律、渡航の全旅程で
1泊のみ機中泊があると想定し、以下の計算式としています。ただし、中国、韓国、モンゴル、フィリピン、ブルネイ、ミクロネシア、マーシャル諸島の7ヶ国への渡航については、夜行便が就航していないため、「機中泊なし」として、泊数を計算します7。
(日 当)=(単価)×(業務従事日数)
(宿泊費)=(単価)×(宿泊数)
=(単価)×(業務従事日数-2日)(上記7ヶ国は「-1日」)
7 本邦以外の第三国から用務地へ渡航する場合についても、同じ考え方で泊数を算定します。
格付 | 日当(1日につき) | 宿泊料(1泊につき) |
特号、1号 | 5,100 円 | 15,500 円 |
2号、3号 | 4,500 円 | 13,500 円 |
4号、5号 | 3,800 円 | 11,600 円 |
6号 | 3,200 円 | 9,700 円 |
表7:日当・宿泊料基準額(上限)
<派遣期間が長期になる場合の日当・宿泊料の逓減について>
日当・宿泊料は、本邦出発日から起算(複数国にまたがる業務の場合は国毎に起算。ただし、自社都合で業務国を離れた場合はこれに当たらない。)して、滞在日数 30 日を超
える場合には、その超える日数について基準額の 100 分の 10 に相当する額、滞在日数 60
日を超える場合には、その超える日数について基準額の 100 分の 20 に相当する額を控除して上限額とします(すなわち、31 日目からは上記基準額の 90%、61 日目から上記基準額の 80%が上限額となります)。
なお、同一国で複数の案件に従事する場合、案件ごとではなく、一渡航の総滞在日数を
対象に上述の控除を行います。
<補足説明>
✓ 日当・宿泊料を計上できる期間は、出発時は搭乗国際便離陸時刻を含む日を開始日とし、帰着時は搭乗国際便到着時刻を含む日を終了日とします。したがって、出発日前日及び帰国日当日の宿泊料、出発日前日及び帰国日翌日の日当は計上できません。
✓ 業務従事者が業務終了後に帰国せずに、JICA の業務とは別の業務に従事する場合、拘束終了日(同国に留まる場合は業務従事終了日、他国に移動する場合は業務地からの移動開始日)における宿泊料は計上できません。
✓ 海外に居住する業務従事者で、業務対象地域が「居住地又は通勤可能範囲」であ
る場合、日当・宿泊料を計上できません。ただし、一時的に居住地ではない地域で業務を行う場合(例:地方出張等)には、日当・宿泊料を計上できます。
✓ 海外居住の業務従事者が本邦で業務を行う場合、日当・宿泊料を計上できます。
この場合の基準額は表7に示す額とします。
✓ 安全対策上の必要性等に基づき、上述の宿泊料を超えて上限とすることを認める場合又はJICA が宿舎を直接給付することとする場合があります。企画競争説明書にて提示しますので、ご留意ください。
✓ 日当・宿泊料の精算は、契約時に合意された単価により、渡航日数の実績に基づき算定します。証拠書類の提出は不要です。
(2)戦争特約保険料
戦争特約保険料は、危険地域で業務を実施する場合における業務従事者の災害補償経費のうち戦争特約経費分です。この特約部分を直接経費の対象としています。保険基本料金は、直接経費の対象ではありません。
<補足説明>
✓ 戦争特約保険料の対象国は、JICA ウェブサイト「コンサルタント等契約におけ
る災害補償保険(戦争特約)について」8に提示しています。
✓ 以下を補償金額の上限とする戦争特約経費を対象とします。当該経費の市場価格をJICA が年度毎に調べています(上記ウェブサイトに掲示)ので、当該市場価格をもとに契約交渉します。
・傷害死亡・後遺障害: 108,000,000 円
・治療・救援費用: 50,000,000 円
・疾病死亡: 30,000,000 円
✓ 原則、対象国・地域に滞在する日数分を加入日数とします。ただし、対象国・地域の出入りを繰り返す場合、又は継続して加入した方が安価な場合等は、当該対象国・地域に滞在しない日数も加入日数として含めることができます。
✓ 経費の性格に鑑み、戦争特約保険料は別見積りとします。
✓ 戦争特約保険料の金額については、見積書(別見積り)の内訳を契約交渉にて確認した上で、現地業務1人月当たりの合意単価を計算し、現地業務総人月を乗じた金額を契約金額内訳書に明示します。精算に当たっては、現地業務の実績人月に基づき支払額を算定します。ただし、戦争特約付保の確認を行うため、領収書等の証拠書類の提出を求めることがあります。
(3)特別手当
特別手当は、アフガニスタンでの業務に従事する業務従事者に対して、精神的・身体的負担の著しい環境下での業務に対する措置として、現地業務従事期間(現地到着日から現地出発日まで)に応じて、「アフガニスタン復興支援特別手当」として日額 3,000 円を上限として支給するものです。
<補足説明>
✓ 本経費は別見積りとし、契約交渉において、特別手当が確実に業務従事者に支給されることを確認します。
✓ 特別手当の精算は、契約時に合意された単価により、実績に基づき算定します。
3.一般業務費
一般業務費は、業務実施に必要な活動費用であり、①特殊傭人費、②車両関連費、③セミナー等実施関連費、④事務所関連費、⑤旅費・交通費、⑥施設・設備等関連費、⑦資料等翻訳費、⑧雑費から構成されます。
業務対象国での支出を原則としますが、日本国内での支出も、必要に応じ認められます。
(1)特殊傭人費
特殊傭人費は、業務に関連して必要となる現地技術者等(通訳を含む。)の賃金等です。
<補足説明>
✓ 業務従事者が現地不在期間中における特殊傭人の雇用は、電話・メール等の通信手段による労務管理体制が確保できることを条件として認めます。
✓ 業務実施国の法律で雇用主に負担義務がある場合には、労務費の中に社会保障費等を含めることができます。
✓ 特殊傭人費は、受注者による直接雇用のみではなく、我が国の「労働者派遣契約」
8 「http://www.jica.go.jp/announce/manual/guideline/consultant/disaster.html」参照。
に類する制度が存在する場合、当該制度に基づく契約によることも認めます。
✓ 特殊傭人費は労務費を対象としているため、特殊傭人にかかる日当・宿泊料や出張交通費等については「(5)旅費・交通費」で計上します。
✓ 日々の労務管理の実績の確認と記録を適切に行ってください。精算報告書に就 労表を添付する必要はありませんが、適切に労務管理等が行われたと客観的に 判断される書類(少なくとも雇用者の確認印またはサインを確保してください。)を作成し、契約約款第 14 条第 3 項に定められた期間保管してください。
✓ 特殊傭人への給与の支払いは、可能な限り、銀行振込又は小切手により行ってください。
✓ 特殊傭人費の対象とする傭人について、同一の傭人に対する年間支払総額が 100万円を超えることが見込まれる場合は、傭人費単価の見積の前提条件(学歴、資格、職務経験年数等)を見積根拠資料の中に記載してください。当該傭人を雇用する際、受注者が履歴書等により上記の前提条件が満たされていることを確認するとともに、雇用契約書に業務内容を記載するようにしてください。
✓ 受注者が業務の一部を切り出して外部委託する場合には、特殊傭人費ではなく、
現地再委託経費として計上します。
✓ 通訳については、業務指示書で業務従事者の「語学能力」として指定した言語と日本語との間の通訳に係る経費は計上を認めません。
✓ 特殊傭人費は、原則として「実支出の補填」として精算します。証拠書類としては、①業務内容が記載された雇用契約書(又は契約書を代替する文書)及び②銀行が発行する振込金受領書又は振出済み小切手の写し(銀行振込等を行っていない場合、被雇用者からの領収書)とします。
✓ 特殊傭人費で現地人材を雇用した場合は、精算の方法を問わず、雇用した傭人の
実在を証明する書類として、①本人が確認できる公的書類(写真付ID、運転免許所等)の写し、②同一の傭人に対する支払総額が年間 100 万円を超えた場合は、当該傭人の学歴、資格、職務経験等がわかる履歴書等の写し、③連絡先(住所、携帯番号等)の情報を確保し、契約約款第 14 条第 3 項に定められた期間、保管してください(精算報告書への添付は不要です)。
(2)車両関連費
車両関連費は、現地業務で利用する車両の使用料、JICA 又は相手国政府が貸与する車両の運転手の労務費、燃料代等及び維持管理費に必要な経費です。
<補足説明>
✓ 数量は業務従事者 3 名に 1 台を原則として計上します。ただし、これに拠りがたい場合には、妥当な数量を計上します。
✓ 車両の使用料は、運転手の労務費、現地国内出張における運転手の日当・宿泊料及び燃料代を含むものとします。
✓ 運転手を傭上する場合、日々の労務管理や運行管理の実績の確認と記録を適切に行ってください。精算報告書に就労表や運行表を添付する必要はありませんが、適切に労務管理等が行われたと客観的に判断される書類(少なくとも運転手の確認印またはサインを確保してください。)を作成し、契約約款第 14 条第 3項に定められた期間保管してください。
✓ JICA 又は相手国政府が車両を貸与する場合、車両関連費には、運転手の労務費、
現地国内出張における運転手の日当・宿泊料、燃料代、保険料及び車両維持管理費を含むものとします。
✓ 有料道路通行料、駐車場代及びタクシーの借上げは、車両関連費として計上できます。ただし、「少額交通費」に位置づけられる支出については、日当の対象であるため、直接経費への計上は認められません。少額交通費の範囲は、1,000 円未満の支出を目途とします。
✓ 車両関連費は、原則、「合意単価」の対象とします。ただし、長距離の車両移動
が多い等、確定的な積算が困難であるときは、「実支出の補填」として精算します。その場合の証拠書類は、運行記録付の領収書とします。
(3)セミナー等実施関連費
セミナー等実施関連費は、現地でのセミナーや研修、第三国での研修等の開催に際して必要となる会場等の借上げ費、資料・教材等のコピー・製本費、視聴覚教材・資料の作成費、消耗品等購入費、講師・通訳等に係る諸謝金(原稿執筆、講演・講義謝金等)、セミナー等参加者の旅費(日当・宿泊料)及び交通費等を集めた経費細目です。
セミナー等実施関連費は、原則として、企画競争説明書に規定した定額を見積金額として計上することを求めます。
<補足説明>
✓ セミナー等(研修や第三国での研修等を含む。以下同じ。)の軽食・飲料費用も精算対象とすることができます。昼食代はセミナー等を全日開催した場合に計上可能ですが、夕食代やアルコール類の計上は認めません。
✓ 第三国(日本及び業務実施国以外の国)から研修員等を業務実施国に招へいする
場合、又は、カウンターパート(技術協力事業を共同で実施する主たる人員として、JICA と相手国政府との間で合意した相手国関係機関の人員をいう。以下同じ。)等を第三国へ派遣する場合には、旅行保険を付保してください。旅費・交通費や査証代に加えて、旅行保険料を計上してください。
✓ セミナー等参加者への日当・宿泊料及び交通費等を設定した単価で渡切とする
場合、監督職員の承諾(打合簿の作成)が必要となります9(単価は、カウンターパート機関の規定やJICA 在外事務所の規定等も参考にしてください)。
✓ セミナー等実施関連費は、「実支出の補填」として精算します。証拠書類は、内
訳付の領収書とします。セミナー等参加者の旅費や日当(旅費・交通費)などを旅行会社等へではなく、参加者への直接支払った場合は、参加者から領収書を取付けて証拠書類としてください。また、セミナー等の参加者名簿については、契約約款第 14 条第 3 項に定められた期間、保管してください(精算報告書への添付は不要です)。
(4)事務所関連費
事務所関連費は、現地で事務所を開設する場合に必要な事務所借上げ費、設備・備品等のレンタル料等、消耗品等の購入費等に加え、電気量、ガス代、水道料や事務員等の賃金ための経費です。
<補足説明>
✓ 事務所で使用する机・椅子、キャビネット・本棚、パーティション等の家具類は、 業務上必要と判断される場合、購入費又はレンタル料の計上を認めます。ただし、単価が 5 万円以上の物品購入は、消耗品の扱いができませんので、機材費として
9 詳細は、「業務実施契約における契約管理ガイドライン」
(https://www.jica.go.jp/announce/manual/guideline/consultant/guide_g.html)参照。
計上してください。
✓ 事務員や秘書を雇用した場合は、雇用した傭人の実在を証明する書類として、①本人が確認できる公的書類(写真付ID、運転免許所等)の写し、②連絡先(住所、携帯番号等)の情報を確保し、契約約款第 14 条第 3 項に定められた期間、保管してください(精算報告書への添付は不要です)。
✓ 技術協力プロジェクト事業において、相手国政府が提供する事務所にかかる水
道光熱費は原則相手国政府の負担としますが、財政事情等が困難な国・地域(IDA融資適格国10や国連開発計画委員会が認定する後発開発途上国11をいう。以下、
「一般業務費の特例を認める国・地域」という。)に限り、水道光熱費の計上を認めます。
✓ 事務所関連費は、「実支出の補填」として精算します。証拠書類は、内訳付の領
収書とします。
(5)旅費・交通費
旅費・交通費は、業務対象国国内及び業務対象国から業務で第三国へ移動する際に発生する業務従事者の交通費です。
<補足説明>
✓ 業務従事者の少額交通費(1,000 円未満の支出を目途とします。)は日当で賄われていますので、旅費・交通費で対象となる業務従事者の交通費の対象は、現地での国内航空機移動等に限られます。
✓ 旅費・交通費は、「実支出の補填」として精算します。証拠書類は、内訳付の領
収書とします。
(6)施設・設備等関連費
施設・設備等関連費は、業務実施に必要な施設(事務所を除く。)・設備等の賃貸借料及び保守管理費です。
<補足説明>
✓ 一般業務費の特例を認める国・地域に限り、プロジェクト施設への電気・水道等の引き込み及び道路整備等に係る経費及び供与機材の据付経費を施設・設備等関連費として計上することができます。
✓ 施設・設備等関連費は、「実支出の補填」として精算します。証拠書類は、内訳付の領収書とします。
(7)資料等翻訳費
資料等翻訳費は、仏文・西文・現地語等の資料にかかる英文等への翻訳費です。
資料等翻訳費は、原則として、企画競争説明書に規定した定額を見積金額として計上することを求めます。
<補足説明>
✓ 翻訳については、企画競争説明書で業務従事者の「語学能力」として指定した言語と日本語との間の翻訳費用は精算対象となりません。
10 「http://ida.worldbank.org/about/borrowing-countries」参照。
11 「http://www.un.org/en/development/desa/policy/cdp/ldc/ldc_list.pdf」参照。
✓ 資料等翻訳費は、「実支出の補填」として精算します。証拠書類は、内訳付の領収書とします。
(8)雑費
雑費は、業務実施に必要な活動費用のうち、他費目に整理することが適当でない経費です。
具体的には、消耗品(図書・資料や資機材等を含む。)の購入費や通信費、運搬費等を含みます。
<補足説明>
✓ 消耗品の定義は、①単価 5 万円以上かつ使用可能期間が 1 年未満のもの、又は
②単価 5 万円未満かつ使用可能期間が 11 年未満のものとします。
✓ 業務従事者及び現地傭人が日常業務及び日常生活で使用するコピー用紙や文房具、日用品(トイレットペーパー、石鹸・洗剤、ミネラルウォーター、合鍵、一般医薬品等)、名刺などは対象となりません。
✓ 図書は、カウンターパート等への指導・共用するものであれば認めますが、業務
従事者が業務の参考にする図書は認めません。
✓ 消耗品であっても、コンサルタント等契約で購入する資機材の所有権は JICA が有しており、JICA から受注者に業務実施期間中無償で貸与することになります。業務完了時の消耗品の取扱い(相手国関係機関への譲与又は JICA への返納)については、業務完了前に、監督職員と協議・確認してください。
✓ 通信費は、業務に必要な通信費用で、固定電話、携帯電話、インターネットのい
ずれも対象とします。通信機器の購入やレンタルが必要な場合は、計上が可能です。
✓ 衛星携帯電話については、紛争影響国・地域における活動等、必要と判断される
場合に限り、通信機器のレンタル料、契約料、通話料を認めます。
✓ 運搬費は現地における運搬のみを対象とします。業務対象国-本邦間の物品等の輸送・梱包に要する費用は、機材費(機材送料)に計上します。
✓ 一般業務費の特例を認める国・地域での技術協力においては、業務従事者の活動に関連して生じたカウンターパートの超過勤務に係る手当を雑費として計上することを認めます。
✓ これに加え、紛争及び武力衝突が継続している国・地域並びに紛争終結後あるい
は和平・停戦合意締結後に新政府主導で実施される国家再建への支援を実施している国においては、カウンターパートの給与が実施機関から十分に支給されていない場合、給与補填することを認めることがあります。その場合の経費は、雑費として計上します。
✓ 雑費は、「実支出の補填」として精算します。証拠書類は、内訳付の領収書とし
ます。
【一般業務費に係る合意単価方式】
1.合意単価方式の適用対象
一般業務費のうち、車両関連費については、原則として合意単価を適用することとします。この他、継続契約12において先行する契約履行期間での支出実績により一定程度正確に支出額が確定できる費目(事務所関連費等)等
12 契約履行期間を複数に分割して契約書を締結する場合における継続する契約履行期間の契約をいいます。
についても、合意単価の対象とすることを協議します。
一方、車両関連費でも、一定の確度を持った単価や数量を確定できない場合、「実支出の補填」として精算することが合理的です。
2.合意単価設定方法
車両関連費は一般的に、総現地業務人月に比例して支出が増加すると推定されますので、見積書で積算された車両関連費を総現地業務人月で除して合意単価を設定する方法が検討できます。
事務所関連費については、総現地業務人月ではなく、現地業務期間(月)やプロジェクト事務所開設期間を単位として単価を設定することが合理的な場合もあると考えられます。
いずれにせよ、契約交渉において協議し、合理的な合意単価と数量を設定します。
【安全対策関連経費の取扱い】
業務実施対象地域の治安状況を踏まえ、業務従事者の安全を確保するための一般業務費等が必要と考えられる場合には、必要な経費の計上を提案してください。なお、経費の性格に鑑み、安全対策経費は別見積としてください。見積って頂いた経費については、契約交渉に際して、その要否を協議・確認します。
安全対策経費として想定される具体的な事例を以下のとおり掲示しますので参考にしてください。括弧内は対象となる費目です。
1.業務従事者の災害補償経費のうち戦争特約経費分(戦争特約保険料)
2.(武装)警備員、安全対策アドバイザー等の傭上等(特殊傭人費)
3.防弾車・警護車借上げ、防弾車運転手傭上、燃料費、車両メンテナンス費等(車両関連費)
4.安全対策設備(監視カメラ、防弾ガラスや鉄格子の設置等)(施設・設備等関連費)
5.衛星電話機材やテレビ会議システム機材、同使用料金等(雑費)
6.緊急移送保険、現金輸送保険、両替商の手数料、海外送金手数料(現地での現金引き出し金額に制限がある等の場合)等(雑費)
7.安全対策装備品(催涙スプレー、防弾チョッキ等)(雑費又は機材費)
8.その他必要な経費
なお、契約締結後においても、現地の治安状況に照らして安全確保のために当初想定していない経費が発生するものについては、受注者からの申し入れに応じ、その必要性と金額を打合簿にて確認した上、速やかに契約変更手続きを行うこととします。
【契約履行期間外の経費計上の特例】
契約履行期間外の支出については、原則として精算の対象とはなりません。ただし、業務実施契約を複数の契約期間に分割して締結する場合、以下の一般業務費について、先行する契約の履行期間と継続する契約の履行期間との間の支出を継続する契約における精算の対象とすることを認めます。
1. 特殊傭人費
2.車両関連費
3.事務所関連費
4.施設・設備等関連費
また、同様の経費について、先行する契約の履行期間内に、請求書、領収書がやむを得ず取付けられない場合(翌月末の支払い等となっているもの)には、継続する契約において精算の対象とすることを認めます。
これらの特例を適用する際には、監督職員の承諾を得て(打合簿を作成して)ください13。
4.通訳傭上費
通訳傭上費は、本邦から通訳を帯同する場合の通訳の傭上費です。
<補足説明>
✓ 通訳傭上費は、企画競争説明書に指示している場合にのみ計上できます。
✓ 通訳傭上費の日額単価上限額(税抜き)は表8のとおりです。
✓ 本邦から同行させる通訳の旅費については、旅費(航空賃)及び旅費(その他)に計上します。旅費を積算するに当たっての格付は4号相当とします。
✓ 通訳傭上費は、特に事情がない限り、契約時に、現地業務日数(拘束日)を対象とした日額単価として合意します。
表8:通訳傭上費日額単価上限額(税抜き)
言語 | 日額単価 |
フランス語スペイン語 ポルトガル語 | 46,500 円 |
ロシア語 | 52,000 円 |
その他言語 | 65,000 円 |
5.報告書作成費
報告書作成費は、特記仕様書で定める報告書の印刷・製本・電子化及び翻訳に係る費用です。
<補足説明>
✓ 製本を不要とする報告書の印刷(コピー)代は計上できません。ただし、量が多く、外部に印刷を発注する場合には、計上を認めます。
✓ パース(見取り図、透視図)作成費用は、報告書作成費で計上します。
✓ 翻訳については、企画競争説明書で業務従事者の「語学能力」として指定した言語と日本語との間の翻訳費用は認めません。
✓ ネイティブチェックに係る費用は、報告書作成費での計上を認めません。
✓ 特許権、著作権その他の知的財産権等の第三者の権利の対象となっている調査
13 詳細は、「業務実施契約における契約管理ガイドライン」参照。
方法等を使用して報告書を作成する場合、発生する費用は報告書作成費に計上します。
✓ 報告書作成費は、翻訳に係る経費を除き、契約時に単価を合意します。印刷・製
本については、冊数が少なく1冊当たりの単価の設定が困難であれば、指定された全冊数に対する一式の価格で合意します。なお、分量等の変動の可能性が大きい等、単価でも総額でも確定が困難な場合は、「実支出の補填」として精算します。
6.機材費
(1)機材購入費
機材購入費は、供与機材や事業用物品など、業務に必要な機材・物品の購入費です。
機材購入費は、原則として、企画競争説明書に規定した定額を見積金額として計上することを求めます。
<補足説明>
① 対象となる機材・物品
✓ 特記仕様書に記載されている供与機材や事業用物品等(ただし、雑費に規定する「消耗品」を除きます。)の購入に係る費用が対象です。特記仕様書に記載のない機材・物品の調達が必要になった場合は、原則、契約変更が必要です。
✓ 業務従事者や特殊傭人が日常的に使用するパソコンやデジタルカメラについ
ては、購入費も損料の計上も認めません。これらについては、受注者自ら用意してください。
✓ 以下の機材・物品については、業務実施上必要と判断される場合に、その購入
費の計上を認めます。
∙ 現地で大規模な解析作業を行うなど、一般的な業務とは異なる用途で使用されるパソコン
∙ プロジェクト事務所で使用する複写機、プリンター、スキャナー、プロジェクター等の事務機器
∙ プロジェクト事務所で使用する家具類、設置する空調設備等
✓ プロジェクト事務所に設置する機材であっても、業務に直接必要のない冷蔵庫、洗濯機、乾燥機、電子レンジ等の生活家電は対象としません。
② 機材・物品購入の手続き
✓ 機材・物品を購入する場合、「コンサルタント等契約における物品・機材の調達・管理ガイドライン」14に基づき手続きを行います。
✓ コンサルタント等契約で購入する機材・物品の所有権は JICA が有しており、 JICA から受注者に業務実施期間中無償で貸与することとなります。業務完了後の取扱い(相手国関係機関への譲与又はJICA への返納)については、業務完了前に、監督職員と協議・確認してください。
③ 機材購入費の精算
✓ 機材購入費は、「実支出の補填」として精算します。証拠書類は、調達物品リスト(コンサルタント等従事月報に添付いただく「貸与物品リスト」を準用してください。)及び領収書に加え、以下に示す書類とします。
14 「http://www.jica.go.jp/announce/manual/guideline/consultant/equipment.html」参照。
ア) 契約金額が 160 万円を超える物品・機材調達の場合
調達経緯説明書(打合簿写。契約書を作成した場合は契約書写を含む。)イ) 事業用物品を譲与した場合及び供与機材を供与した場合
先方実施機関等の長又はそれに準ずる者が署名した受領書(写)(原本は在外事務所に送付してください。業務対象国に事務所等がない場合、取扱いを監督職員に相談してください。)
ウ) 事業用物品を譲与しなかった場合
事業用物品を在外事務所等に返却した際の受取書(写)エ) 事業用物品を引き続き継続契約で貸与を受ける場合
事業用物品にかかる「貸与物品リスト」
(2)機材損料・借料
機材損料・借料は、業務に必要な機材・物品のうち、受注者が所有し業務に使用する機材・物品の損料又はレンタル料です。
<補足説明>
① 対象となる機材・物品
✓ 業務に必要となる事業用物品が対象となります。
② 損料の算定・精算
✓ 損料の合意単価は、機材・物品の取得価格、日損料率、供用日数等に基づき算定します。見積書において、競争参加者が積算根拠を示したうえで損料単価を提示してください。契約交渉において、積算根拠の妥当性を協議・確認します。
✓ 契約履行期間中に損料を計上する必要が生じた場合、監督職員と損料単価を協議、確定し、打合簿に記録することとします。
✓ 損料は、合意単価方式が適用されますので、当該単価と実績数量をもって精算します。レンタル料は「実支出の補填」として精算します。その場合の証拠書類は、内訳付の領収書とします。
(3)機材送料
機材送料は、業務に必要な機材・物品の梱包・輸送費で、本邦から現地に輸送する費用と、現地から本邦に輸送する費用の両方を含みます。
<補足説明>
① 機材送料の対象と内訳
✓ 機材送料の対象となる機材・物品は、契約に基づき受注者が購入する機材・物品、損料扱いとする受注者所有の機材・物品及び受注者がレンタルする機材・物品に限らず、業務に必要な関連書籍・書類、報告書なども含まれます。
✓ 機材送料は、輸送費に加え、国内輸送費、梱包費用、運送保険料、通関費用も
含みます。
✓ 業務従事者が業務に必要な資機材を同時携行する場合のエクセス費用は機材送料で計上します。
② 機材送料の精算
✓ 機材送料は、「実支出の補填」として精算します。その場合の証拠書類は、領収書の他、輸送会社が発行する以下に示す書類とします。
ア)海送 Bill of Lading, Invoice, Packing List
イ) エア・カーゴ Air Waybill, Invoice, Packing List
ウ)アナカン Air Waybill, Invoice, Packing List
エ)国際宅急便(DHL、OCS、EMS 等) 内訳書、送り状
オ)エクセス 超過貨物券(Excess Baggage Ticket)
✓ エクセスについては、業務従事者の渡航と同一の日付であること、超過荷物券に日付、利用者名、重量単価、重量、金額、運搬期間、支払方法、チケットナンバーが記載されていることを条件とします。
✓ 証書添付台紙には、送付物及び送付先を記載してください。
7.再委託費
(1)現地再委託費
現地再委託費は、業務対象国において、現地業者等に対し、業務の一部(工事も含む。)を契約により実施させるための業務委託経費です。
現地再委託を認める業務については、原則として特記仕様書に記載します。
<補足説明>
✓ 現地再委託の実施に際しては、「コンサルタント等契約における現地再委託契約ガイドライン」15に基づき手続きを行います。
✓ 現地再委託の対象として工事契約も含まれます。ただし、大規模な工事については、原則として、JICA 事務所が契約当事者となり、受注者は設計・入札・施工監理を支援することとし、現地再委託の対象としません。工事を現地再委託の対象とするか否かについては、個別案件ごとに確定し、企画競争説明書に明示します。
✓ 現地再委託経費は、「実支出の補填」として精算します。証拠書類は以下のとお
りです。
ア)調達経緯説明書(打合簿写。契約書を含む。)イ)再委託先からの請求書及び領収書
(2)国内再委託費
国内再委託費は、本邦で業務の一部(試料分析、本邦アンケート調査等)を第三者に契約により実施させる業務委託経費です。
<補足説明>
✓ 国内再委託についても、契約履行期間中に国内再委託先を選定する場合等については、「コンサルタント等契約における現地再委託契約ガイドライン」の手続きを準用することとします。ただし、国内再委託について、相当程度高度な分析・解析等を必要とする場合など、特定の業者との随意契約が必要となる場合には、契約交渉において、その委託内容・金額等を協議します。
✓ 国内再委託経費は、「実支出の補填」として精算します。証拠書類は以下のとお
りです。
ア)調達経緯説明書(打合簿写。契約書を含む。)イ)再委託先からの請求書及び領収書
15 「http://www.jica.go.jp/announce/manual/guideline/consultant/entrust.html」参照。
8.国内業務費
国内業務費は、カウンターパート等を対象とした技術研修や招へい事業を実施するための費用です。
(1)技術研修費
技術研修費は、カウンターパート等を来日させ、技術研修を実施するための費用です。
技術研修費は、原則として、企画競争説明書に規定した定額を見積金額として計上することを求めます。
<補足説明>
✓ 技術研修業務は、特記仕様書及び「コンサルタント等契約における研修・招へい実施ガイドライン」16に基づき実施します。
✓ 技術研修業務では、原則として研修員の受入に係る経費(航空券、日本国内移動旅費、宿泊費、滞在費等)や研修監理員に係る経費を JICA が直接負担します。このため、「技術研修費」として計上される経費内訳は以下のとおりです。
ア)諸謝金:講師謝金、検討会等参加謝金、原稿謝金、見学謝金等
イ)実施諸費:翻訳料、会場借上費、参考資料等作成費・購入費、機材借料損料、消耗品等購入費等
ウ)同行者等旅費:日当・宿泊料、交通費
エ)再委託費(技術研修/招へいのカリキュラムの一部を外部委託する場合)
✓ 技術研修費は、「実支出の補填」として精算します。証拠書類は以下のとおりです。
ア) (研修)業務完了報告書(打合簿写)
技術研修詳細計画表(実績版)と技術研修費明細書を添付。イ)各種領収書等
(a)諸謝金について、源泉徴収する場合には源泉徴収額を差し引いた額の領収書で構いません。証書貼付台紙に源泉徴収している旨とその額を記載してください。
(b)損料として支払を行う場合は、領収書は不要です。監督職員との間で、事前に損料単価を確認してください。
(c)交通費のうち、鉄道運賃等定価がある運賃については、ネット上の料金表(乗換案内等)を証拠書類にできます。この場合、領収書は不要です。国内航空賃については、予約時期等により料金が大幅に異なるため、領収書とeチケットを証拠書類とします。
(d)日当・宿泊料については、合意された単価に実績を乗じて支払額を確定しますので、領収書の提出は不要です。
(2)招へい費
招へい費は、我が国の技術や経験等への理解を深め、日本側関係者との関係構築を図るため、開発途上国等の関係者を本邦に招へいするための費用です。招へい費は、原則として、企画競争説明書に規定した定額を見積金額として
計上することを求めます。
16 「http://www.jica.go.jp/announce/manual/guideline/consultant/trainee.html」参照。
<補足説明>
✓ 本邦招へい業務は、特記仕様書及び「コンサルタント等契約における研修・招へい実施ガイドライン」に基づき実施します。
✓ 本邦招へい業務では、原則として被招へい者の受入に係る経費(航空券、国内移動旅費、宿泊費、滞在費等)や同行案内人等に係る経費を JICA が直接負担します。このため、「招へい費」として想定している経費内訳は「技術研修費」と同じです。
✓ 招へい費は、「実支出の補填」として精算します。証拠書類は「技術研修費」と同じです。
(3)国内諸雑費
国内諸雑費は、国内業務費において、他の費目に整理することが適当でない経費です。
<補足説明>
✓ 技術研修や本邦招へいとは関係のない国内の業務(例:民間団体向け報告会の開催等)に関連した経費を計上します。「3.一般業務費」の「(3)セミナー等実施関連費」に示す軽食・飲料費用と同等の経費についての計上を認めます。
✓ 技術研修の「受入業務」や「監理業務」を例外的に契約に含める場合は、国内諸
雑費に計上してください。
✓ 国内諸雑費は、「実支出の補填」として精算します。証拠書類は、内訳付の領収書としますが、国内諸雑費の多様性に鑑み、必要に応じ、必要な証拠書類を指示することがあります。
【障害のある業務従事者に係る経費の取扱い】
障害のある業務従事者が現地業務を実施するための経費が必要であると競争参加者が判断する場合には、直接経費に限り、見積書(別見積とする。)に積算し、提出してください。契約交渉にて協議・確認します。以下は想定される経費の事例です。
1.該当業務従事者の航空券クラスのアップグレード費(旅費(航空賃))
2.介助者の航空賃(旅費(航空賃))
3.介助者の日当・宿泊料(旅費(その他))
4.特殊車両の借上げ(一般業務費‐車両関連費)
なお、契約締結後、当初想定していない直接経費が発生するものについては、受注者からの申入れに応じ、その必要性と金額を打合簿にて確認したうえで、契約変更手続き等で対応します。
1.見積額の積算
見積書は、プロポーザルで提案した業務を行う上で必要な金額を積算するものです。したがって、プロポーザルで提案した作業量・内容等をすべて反映した見積額としてください。
また、業務従事者の格付や✲酬単価については、競争参加者が自己の算定に基づいて設定してください。ただし、上述のとおり、契約交渉にあたっては、本ガイドラインに示す積算基準を超えない範囲で価格交渉を行うことになりますので、見積額の積算に当たっても、本ガイドラインの積算基準に十分ご留意ください。
なお、積算額は消費税額を除き、各費目において千円単位で見積もってください。
2.見積額の定額計上及び別見積り
経費の性格から価格競争の対象とすることが望ましくない経費及び競争参加者の提案内容によって金額が大きく変動する可能性がある経費については、予め JICA が当該経費の額を定め見積りを求めたり(定額計上)、本体見積価格から当該経費の見積りを分離し(別見積り)、価格評価の対象外とすることがあります。
「Ⅲ.直接経費」に記載のとおり、安全対策関連経費などが「別見積り」の対象となりますが、このほかにも「別見積り」とすることがあります。定額計上及び別見積りについては、企画競争説明書に明記しますので、確認してください。
3.価格交渉(見積額の確認)
契約交渉において、見積書に基づき、契約金額の交渉を行います。
QCBS の導入により価格競争が適用されたことになり、見積書で提示された価格は競争的な価格であると推察できることになります。これを踏まえ、契約交渉における
「契約金額の交渉」の発注者としての基本姿勢を以下のとおり考えています。
(1)✲酬の額について
① 業務従事者の配置計画及び総人月が業務の内容を反映したものとなっているかを確認する。JICA 側の配置想定及び総人月と相当程度の差異がある場合、「業務の内容・範囲」そのものについて、双方の認識に差異があると考えられるため、 JICA と契約交渉権者双方の考え方を整理・確認する。特に、総人月が JICA 側の想定を超えている場合、業務の内容・範囲(情✲収集の範囲や分析レベル等を含む。)を踏まえ、その妥当性を確認する。
② なお、原則として JICA は、業務の内容・範囲の削減を伴わずに契約交渉権者から提示されている総人月の削減を求めることは行わない。
③ 上記①を踏まえたうえで、各専門(業務)分野を担当する業務従事者の格付について、格付の目安17と乖離がないか確認する。なお、実質的な乖離でない限り、原則として、契約交渉権者の提案を受け入れる。
④各格付に対する✲酬単価が、JICA が設定する月額上限額の範囲内であることを確認する。
⑤業務従事予定者が、各専門(業務)分野の格付の標準経験年数(表2)を満たしているか確認する。標準経験年数を満たしていない場合、格付確認・認定の運用(「別添資料2:業務従事者の格付確認・認定の運用について」参照。)の範囲内であるかを確認する。
➅契約交渉を経てもなお、✲酬額が JICA 側の予定価格を相当程度上回る場合、JICAは契約交渉を打ち切ることができる。
(2)直接経費の額について
①直接経費についても、積上げが業務の内容を反映したものとなっているか(業務に関連して発生すると想定される経費であるか)を確認する。
17 「コンサルタント等契約におけるプロポーザル作成ガイドライン(2018 年 4 月)」の「別添資料
5:コンサルタント等契約における業務内容と業務従事者の格付目安」を参照。
②各費目において、「Ⅲ.直接経費」で設定する上限額や範囲を超えていないか確認する。
③合意単価方式の対象とする費目について、JICA の過去の契約実績等と比較し、相当程度単価が高いと判断される費目については、見積書又はそれに代わる積算根拠18の提示を求める。必ずしも確実な積算根拠が提示できない場合は、合意単価方式ではなく、実支出精算方式を適用する。
④実支出精算方式の対象とする費目についても、同じく単価が高いと判断される場合、及び当該費目の総額が数百万円規模になる場合には、見積書等の提示を求め、確実性の高い単価を採用するべく、協議する。
1.「✲酬」における業務従事人月の確認
「✲酬」の額は、各業務従事者の格付による✲酬月額単価に、当該業務従事者の業務業績を乗じて算定し、合算します。ただし、総業務従事人月は契約で合意された人月を上限とし、✲酬の総額は✲酬の契約金額を上限とします。
業務従事実績は、業務従事者の従事計画・実績表(監督職員確認印付)をもって確認しますが、必要に応じ、現地業務日数の確認のため、パスポートの出入国記録やフライトへの搭乗証明書、搭乗券半券等を求めることがあります。
2.「直接経費」の精算(合意単価方式)
契約書において合意単価方式を適用した費目(例:旅費(航空賃)、日当・宿泊料)については、精算に当たって、当該合意単価に実績数量を乗じて支払額を確定します。
「業務に関連して発生した」ことを条件に、実績数量が増加すれば、支払確定額も増加しますが、直接経費の契約金額が上限となります。
合意単価方式の場合、領収書等の証拠書類の提出を求めることはありません。また、契約約款第 14 条第 3 項に規定する「証拠書類の提出の省略」に当たりませんので、領収書の保管等も不要です。
なお、合意単価方式の適用で合意していた費目についても、相当程度の事情の変更
(例:業務履行途中の治安悪化に伴い、借上げ車両をセダンから4WDに変更した。)がある場合には、監督職員の承諾に基づき、「実支出の補填」として精算することを認めることがあります。
3.「直接経費」の精算(実支出精算方式)
コンサルタント等契約については、途上国における業務の不確定性を踏まえ、当該業務に係る直接経費を契約締結時に前もって確定させることは困難であるとの考え方から、その一部の費目を「実支出の補填」として精算することとしています。
この実支出精算方式の対象となる直接経費の精算に際しては、以下の4つの要件が満たされているかとの視点から精算✲告書の検査を行いますので、留意してください。
(1)証拠書類(領収書等)に基づく支出の確認
証拠書類に基づき、受注者が実費を負担したことが確認できる経費を精算します。このため、証拠書類が提示されない経費は、原則精算の対象とはなりません。
18 現地企業とのメール等の写しやインターネット上の情✲、過去の実績等でも構いません。
証拠書類とは、「その取引の正当性を立証するに足りる書類」を示し、原則として、次項「(1)証拠書類(領収書等)」の要件を満たす領収書又はそれに代わるものです。
(2)業務上の必要性
契約に基づき実施した業務に関連して必要となり支出された経費のみを精算します。具体的には以下の3点を確認します。
① 各支出が「Ⅲ.直接経費」に規定されている直接経費の範囲内の支出であるか。
② 契約書附属書Ⅲ「契約金額内訳書」に規定された支出であるか。加えて、一般業務費については、「一般業務費支出実績総括表」により、監督職員が「業務に関連した支出である」ことを確認しているか。
③ 原則として、契約履行期間内に支出された経費であるか。請求書の受領が月末になる現地での水道光熱費など、業務に関連して必要となった支出であることが明らかである経費は精算の対象とします。
(3)経済性・効率性
経済的・効率的な経費の支出となっているか確認します。
契約時の見積もりを大幅に超えた支出となっている場合にその理由を確認します。また、現地再委託契約及び 160 万円を超える物品調達については、調達経緯が監督職員に✲告されているかを打合簿の写しによって確認します。
(4)精算上限額
各費目の契約時の金額(契約変更や費目間流用を監督職員が承認した場合はそれらを反映後の金額)を各費目の精算金額の上限19とします。なお、細目間の流用は、受注者の裁量としています。
4.実支出精算方式における具体的留意事項
(1)証拠書類(領収書等)
① 領収書の要件
領収書には、①日付、②宛名(支払者)、③領収書発行者(支払先)、④受領印又は受領者サイン、⑤支出内容(購入物品名、単価、数量、支払金額等)が明記されていなければなりません。いずれか一つの記載がない場合でも、有効な証拠書類とはなりません。
また、領収書の記載が読み取れない場合(感熱紙の領収書は劣化しますので、オリジナルと供にコピーを提出してください。)や領収書が修正されている(修正テープ、修正液、消えるボールペン等の使用)と判断される場合は、有効な証拠書類としません。
ア)宛名
領収書の宛名(支払者)は、受注者の企業・団体名(共同企業体の構成員を含む。)、プロジェクト名、JICA Study Team、JICA Project Team 又は業務従事者名にて取付けてください。これら以外の宛名となっている場合は、その理由を証書貼付台紙に記入してください。なお、現地での免税や付加価値税還付等の手続きの関係上、JICA 事務所を宛名とする必要がある場合は、これを認めます。
19 この上限を設けていることにより、受注者に対し、一定の経済性に配慮した支出を行うインセンティブを与えることとなり、「経済性・効率性」を確保する一つの有効な手段となります。
イ)受領印又は受領者サイン
受領印又は受領者サインが記載されていない場合は、その理由を証書貼付台紙に記入してください。
ウ)支出内容
支出内容が十分記載されていない場合は、請求書等内訳が記載された文書を添付(簡単な場合は証書貼付台紙への補記)してください。
② オリジナルの提出
証拠書類として提出する領収書は、原則として原本です(現地での免税手続きのためオリジナルを残せない場合等を除きます)。領収書以外の証拠書類については、原本/写しの指定がない場合、原本でも写しでもどちらでも構いません。なお、提出された証拠書類は JICA の規定に基づき 10 年間保管しますが、受注者が税務調査等によりこれら証拠書類のオリジナルを閲覧する必要が生じた際には、その旨ご連絡いただければ対応します。
③ クレジットカード払い
法人名義又は業務従事者名義のクレジットカードによる支払いも可能です。その際も、領収書をもって精算することとなります。領収書の取付けが困難な場合は、カード明細書(写)及び購入の事実が分かる書類(納品書等)をもって精算可能とします。適応される為替レートは、原則として現地で支払いを行った月の JICA 指定レートとなります。なお、クレジットカード利用手数料は精算対象外です。
④ 銀行送金の場合
国内送金・海外送金を問わず、銀行送金を行った場合においても、原則として領収書を証拠書類とします。やむを得ず領収書が取付けられない場合は、銀行が発行する振込金受領書、外国送金依頼書等送金の事実が確認できる書類とともに、送金先銀行口座が確認できる書類(銀行口座が記載された契約書、請求書等)を証拠書類として精算✲告書に添付してください。
また、現地での支払通貨と振込の通貨が異なる場合(現地通貨で契約を締結し、 US ドル建てで海外送金を行う場合等)、海外送金の証拠書類に為替レートが確認できる書類を添付してください。海外送金の場合は、原則、送金時の為替レートを適用して精算します。
なお、銀行振込手数料は、直接経費として計上できません。
【送金等手数料の例外】
日本国内又は現地国内での銀行振込手数料、並びに異なる国の間での海外送金にかかる手数料については、「直接経費」の対象ではありません。
しかしながら、送金等にかかる手数料については、以下のいずれかに該当する場合は、一般業務費の中の「雑費」として、「直接経費」に計上し、精算の対象とすることができます。
1) 海外送金の1件当たりの送金額が 100 万円以上である場合
2) 海外送金の1件当たりの送金額が 100 万円未満であるが、現地での支払い又は銀行振込が困難である場合(持ち込み通貨に制限がある、現地銀行での1日の引き出し金額に制限がある等、理由を付してください)。
ただし、海外送金は高額の支払いをまとめて行うこと、少額の支払は現地で行うことを原則としますので、理由なく同じ送金先に繰り返し海外送金した場合や少額の海外送金にかかる手数料は「直接経費」の対象とはしません。
(2)外貨交換レート
精算✲告書作成に当たり、外貨で支出された経費を邦貨に換算する場合は、JICAが定める月毎の(固定)外貨交換レート20(以下、「JICA 指定レート」)を適用してください。具体的には、領収書の日付が属する月の JICA 指定レートを適用してください。なお、外貨交換手数料は精算の対象外です。
JICA 指定レートが設定されていない国については、以下のレートの適用を検討します。いずれの方法によるかは別途協議します。
① OANDA レート(http://www.oanda.com/)
② 当該国の中央銀行のレート
③ 当該国の商業銀行のレート
④ 当該国の公式両替所において両替したレート
これら代替レートについては、前月最終営業日付の円売り現地通貨買いのレート(Interbank rate)の小数点第4位以下を切捨てたものを当該月の適用レートとします。なお、確認するレートは、1現地通貨=***日本円の形で確認してください。また、1現地通貨あたりの日本円が1円に満たない場合には、1以上になるように 10×倍した後に、小数点第4位以下を切り捨てたものを適用してください。
OANDA レートについては当該HP の写し、その他のレートについてはそれぞれのレートが記載された文書の写しを証拠書類としてください。
(3)契約書等
1件(1契約)200 万円以上の支出では、原則として契約書(写)を証拠書類としてください。傭上や借上が 30 日以上に亘る場合は、原則として 200 万円未満でも契約書(写)を証拠書類としてください。個人との契約の場合、個人のサインのみではなく、ブロック体等の判読可能な文字で個人名を記載してください。
翻訳費などを単価ベースで発注し、結果的に 200 万円を超えた場合等については、発注書等で代替可能です。その場合は証書貼付台紙に理由を付してください。
20 「業務実施契約、業務委託契約における外貨換算レート表」
(https://www.jica.go.jp/announce/manual/form/consul_g/rate.html)」参照。
コンサルタント等契約に係る✲酬単価について
コンサルタント等契約に係る✲酬単価は、2019 年度に実施した「コンサルタント等契約に係る経費実態調査」により、実際に受注され実施された業務における経費の実態を明らかにし、この経費実態に基づき設定しています。具体的な設定方法は以下のとおりです。
1.✲酬の内訳
経費実態調査は、企業会計に即した情✲の収集・分析を行いました。
この方針に基づき、「✲酬」には、「直接人件費」、「その他原価(≒間接原価)」、
「一般管理費」及び「付加利益」を含んでいます。 それぞれの費目の具体的な内容は以下の通りです。
直接人件費 | ⚫ 当該業務に従事する技術者の人件費。各種社会保険事業主負担を含む。 |
その他原価 | ⚫ 当該業務の担当部署事務員の人件費・福利厚生費、業務担当部署の事務所経費、水道光熱費等の経費(=間接原価)。 ⚫ 直接経費として契約書に規定される費目(すなわち、本文表 5に記載される費目)を除いた直接経費。具体的には、業務従事者等が日常業務等で一般的に必要なパソコン等事務機器損料、査証代、予防接種代、海外旅行保険料、銀行手数料、打合せ等に係る日本国内の旅費等を含む。 |
一般管理費 | ⚫ 契約業務を実施する企業の全般的な管理業務(総務や人事、経理等の一般管理部門の業務)に要する経費。役員✲酬・賞与金、一般管理部門事務員の給料・手当・退職金、減価償却費、地代・家賃、事務用品費、通信交通費、保険料、交際費、租税公課等を含む。 |
付加利益 | ⚫ 契約業務を受注する法人を継続的に運営するのに要する費用。法人税等の税金、株主配当金、内部保留金、営業外費用等を含む。 |
2.直接人件費
経費実態調査において、直接人件費単価についても実態を調査しました。開発コンサルタント業界においては労働形態が多様であり、全容を把握することに困難が伴いましたが、全体として、国土交通省が毎年度定める「設計業務委託等技術者単価」とほぼ同等であることが確認できました。併せて、コンサルタント等契約の受注金額によるウェイトを加味した場合、上記単価を確定するために国土交通省が毎年実施している「設計コンサルタント業務技術者給与実態調査」の対象となっている受注者の割合が48%を占めている(重複している)ことも確認できました。
このため、直接人件費単価については、国土交通省が定める「設計業務委託等技術者単価」のうち、計画、調査、設計等業務に適用される「設計業務」の単価を準
別添資料1
用しています。具体的には、国土交通省が定める当該単価(日額)に20を乗じて
「月額単価(上限額)」を設定しています。
3.その他原価
「その他原価」は、経費実態調査に基づき、次の算式により算定しています。その他原価の経費率は、上述のとおり、間接原価及び契約上「直接経費」として
計上されていない直接経費を含むものとして設定されています。
その他原価=(直接人件費)×(α/1-α) α=50%
α=50%という値は、国土交通省の設計業務等積算基準で定められているα=
35%と比較して高い値となっていますが、これは、コンサルタント等契約の業務 が海外、特に途上国における業務であること、1件の業務に複数の分野が内包され ること等から、様々な付帯作業が発生する性格が反映されていると判断しています。
4.一般管理費等
「一般管理費等」は、一般管理費と付加利益を合わせたものであり、経費実態調査に基づき、次の算式により算定しています。なお、付加利益については、経費実態に基づくものではなく、一般に公表されている企業の財務データ(全産業 1,629
社及び非製造業 630 社)を基に理論値として算定しています。
一般管理費等=(直接人件費+その他原価)×(β/1-β) β=35%
なお、紛争影響国・地域における業務については、✲酬単価の加算として、βに
5%加算し、40%としています。
5.✲酬単価
✲酬単価は、直接人件費、その他原価及び一般管理費等を合計した金額を月額単価(上限額)として設定しています。
なお、上述の計算式をそのまま適用すると、✲酬単価(月額上限額)に千円未満の端数が生じるため、各格付において百円の位を六捨七入しています。
以上
業務従事者の格付確認・認定の運用について
業務従事者の格付の確認・認定は、原則として経験年数に基づき判断されますが、一定の柔軟性を確保するため、以下の運用を行っています。
1.経験年数の運用加算
格付の柔軟性を確保するため、標準経験年数を満たしていなくとも、標準経験年数の下限よりも2年以内であれば、類似業務経験又は業務関連資格を勘案し、上位の格付を認定するものとします。
(1)上位の格付を認定する場合の条件
① 類似業務と認められる経験が3件以上あること。又は、
② 企画競争説明書に示された業務関連資格(弁護士、医師、当該分野の技術士等)を取得していること。
(2)上位の格付を認定する場合の手続き(プロポーザル評価対象業務従事者)
① 競争参加者は、標準経験年数に満たない(但し満たない期間は2年を限度とする。)経験年数を持つ評価対象業務従事者について、より上位の格付を提案する場合は、プロポーザルに「標準経験年数を満たさない格付の提案につ いて」(様式は、「コンサルタント等契約におけるプロポーザル作成ガイドライン」を参照。)を添付して提出する。
② プロポーザルと同時に提出する見積書においては、提案する格付に基づき見積を行う。
③ 提案に基づき、JICA が上位の格付を認定するか否か判断、競争参加者に通知する(優先契約交渉権者となった場合のみ)。
④ 契約交渉において合意された格付を契約書に記載する。
(3)上位の格付を認定する場合の手続き(プロポーザル評価対象外業務従事者)
① 競争参加者は、標準経験年数に満たない(但し満たない期間は2年を限度とする。)経験年数を持つ評価対象外業務従事者について、より上位の格付を提案する場合は、契約交渉時又は契約締結後、当該業務従事者を確定する際に、「標準経験年数を満たさない格付の提案について」に履歴書及び類似業務経験を記述した書類(プロポーザルの様式を準用)を添付して、JICA に申し入れる。
② プロポーザルと同時に提出する見積書においては、提案する格付に基づき見積を行っておく。
③ 提案に基づき、監督職員は、担当契約課長とも協議の上、上位の格付を認定するか否か判断する。
④ 上記認定結果については、契約交渉時の判断は契約書、契約締結以降の判断は打合簿(担当契約課長を含む。)に記載・記録する。
2.「給与水準」を直接確認することによる格付の認定
「経験年数」では標準経験年数を満たさないものの、当該格付に見合う能力を有する業務従事者であると競争参加者が判断する場合には、当該業務従事者の「給与水準」を提供することにより上位の格付が提案できるものとします。すなわち、「経
別添資料2
験年数」は少ないものの、既に所属企業・団体等でその能力が評価され、当該格付の✲酬単価の算定根拠として想定されている直接人件費月額を超える直接人件費を企業・団体等が負担している場合は、当該格付にて求められる能力があると認定するものです。
(1) 「給与水準」に係る格付の認定は、手続きの厳格性を確保するため、契約締結までに提案があったもののみを対象とします。
具体的な認定手続きは以下の通り。
① 競争参加者は、経験年数が標準経験年数に満たない評価対象業務従事者について、「給与水準」を根拠により上位の格付を提案する場合は、プロポーザルに「標準経験年数を満たさない格付の提案について」を添付して提出する。
② プロポーザルと同時に提出する見積書においては、提案する格付に基づき見積を行う。
③ 競争参加者は優先契約交渉権者になった場合、契約交渉前に当該業務従事者に係る給与水準を証明する書類を提出する。
④ 評価対象外業務従事者について同様の提案を行う場合は、プロポーザルと同時に提出される見積書において提案する格付に基づき積算を行ったうえで、契約交渉時に「標準経験年数を満たさない格付の提案について」及び給与水準を証明する書類を以て提案を行う。
⑤ なお、給与には、当該業務従事者への支給額(基本給及び各種手当)と事業主が負担する法定福利費(健康保険料、年金保険料、雇用保険料等)を含むことができる。
➅ 契約交渉において、合意された格付を契約書に記載する。
3.継続契約締結に際しての格付の変更
複数の契約履行期間に分割して契約書を締結する場合、合意された「業務の格付」に対し、当初の契約期間では業務経験が標準経験年数に不足した業務従事者(即ちより下位の格付で契約が締結される)が、継続する契約履行期間では、標準経験年数を満たすこととなる場合があります。
このような場合については、標準経験年数を満たすこととなった契約期間においては、より上位の格付を適用することができます。
ただし、この運用については、最初の契約期間の契約書締結の際に打合簿に記載して両者で確認した場合のみ、これを有効とすることとします。