Contract
前提条件
本業務は、参加事業者からの提案を基に業務を委託する公募型プロポーザルによって行うものである。このため、本仕様書では、細かな仕様について確定的な記述をせず、最低限必要な要件を記載している。最終的な仕様書は、選定された事業者との協議によって確定する。
業務提案に当たっては、記載された要件を満たすのみならず、魅力のある提案が作成されることを期待する。
企画や紙面の変更提案は、採用された場合でも、実施時期については協議の上決定することとし、それまでは現状の構成を踏襲した形での業務委託となる。
1 業務の目的
市が発行する広報紙の制作にあたり、デザイン専門知識があり DTP 機器を熟知した専門業者の技術を活用することで、より効率的に、「見やすく」「分かりやすい」紙面づくりを行うほか、市民の皆さんが必要とする情報を、限られた紙面により多く、より効果的に配置することで、親しみを持ってもらえる紙面づくりを目指す。
2 契約期間
契約締結の日から令和6年9月30日までとする。
(令和3年10月1日号から令和6年9月1日号の間に発行する広報紙制作に必要な期間とし、期間の詳細は協議の上決定する。)
3 履行場所
xxx
0 業務の対象
業務の対象となる発行物は次のとおりとする広報紙・・・月 1 回発行
広報紙別冊・・・4~5 月に「施政方針/予算の概要」を発行
(参考)業務の対象とならない例
広報紙に折り込むもの、同梱するもの(別冊でないチラシ、パンフレット等)広報戦略課以外が発行するもの(議会だより、社協だより等)
4-1 対象となる発行物の概要
4-1-1 広報紙
項目 | 内容 |
紙、サイズ | 再生マット紙 44.5 ㎏相当、A4判 |
部数 | 58,000 部 |
発行の時期 | 1 日号(毎月 1 日発行) |
ページ数 | 24 ページ(カラー6 ページ、2 色 18 ページ) ※編集の都合で 2 色ページを±2 ページ、±4 ページの増減が発生する場合がある。 |
広告 | 裏表紙 1 ページ(カラーページ)、裏表紙の裏面下側1/2ページ(2 色ページ)は広告とする。 ※広告に関しては、後段の広告の項目を参照。 |
4-1-2 広報紙別冊
項目 | 内容 |
紙、サイズ | 再生マット紙 44.5 ㎏相当、A4判 |
部数 | 58,000 部 |
発行時期 | 4~5 月 |
ページ | 16 ページ(カラー16 ページ) ※編集の都合で±2 ページ、±4 ページの増減が発生する場合がある。 |
5 業務概要
業務は以下のとおりとする
⚫ デザイン支援
⚫ 機器オペレーション
6 デザイン支援
6-1 概要
デザイナーの視点による、広報制作業務に対する技術的支援、アドバイス
6-2 デザイン支援要件定義
ここで言うデザインとは、単なる紙面を作成する造形(意匠)だけではなく、広報紙がコミュニケーション手段であることを理解し、情報を分かりやすく伝えたり、一定の行動や思考を促すなど、住民とのよりよい関係づくりを実現するための媒体として、最大限の効果が出るように仕組みを考え制作することを指す。受託者は、紙面構成に関して、デザイン上のアイディアや技術を加味して紙面を作成する。デザイナーの視点から、市の提供する記事を再構成したり、読者とのより良いコミュニケーションのために紙面づくりに対するアドバイスを行う。
7 機器オペレーション
7-1 概要
機器オペレーションとは、紙面の制作にかかる機器や業務に係る機材の調達、通信回線の整備を整えたうえで、DTP 機器(インデザイン、フォトショップ、イラストレーター他)を使い、市の指示により記事、素材を用いて紙面を制作することを指す。
想定される機材・・・コンピュータ、アプリケーションソフト、フォトストック素材、スキャナなど
想定される通信回線・・・光回線やモバイル回線など、大容量ファイルの送受信に耐える高速回線。器間の LAN 配線など
使用する DTP アプリケーション・・・アドビ社インデザイン、フォトショップ、イラストレーターを必須とする。
その他ワード、エクセル、パワーポイント、PDF、JPG、カメラ RAW ファイルを取り込めること。
紙面のフォーマット作成(段組みや配置など、紙面の基本パターン作成)記事や写真素材の割付(レイアウト)
記事の流し込み、見出しや本文に対する装飾(スタイル適用)レタッチ(写真の補正、修正)
アートワーク(イラスト、地図など紙面を構成する素材の作成)誤字訂正、用言用語の統一など基本的な修正
記事、素材(写真やイラスト)の受け渡し、校正用原稿の受け渡し フォトストック、イラスト素材から、状況に適した素材の調達と加工印刷業者との印刷用原稿の受け渡し
上記業務に必要な打合せ業務、進行管理業務
7-2 機器オペレーション要件定義
7-2-1 紙面のフォーマット作成
連載記事は、年に 1 回程度、一部の内容を入れ替える。
情報を短くまとめて紹介するページ(現行の「情報ひろば」に相当)や連載記事に関して、段組み、イラスト、題字、アイコンなどで構成されるフォーマット(雛形)を作成する。企画の変更があれば、そのたびにフォーマットを作成する
7-2-2 記事や素材の紙面割付
市が用意する記事や素材を用いて、毎号の記事のテーマに合わせ、分かりやすく効果的な紙面を作成する
7-2-3 記事の流し込み、見出しや本文に対する装飾
記事をフォーマットに流し込み、禁則処理その他のスタイルを適用し、紙面を作成する。
記事は、デジタルデータにて提供する。ただし、やむを得ずコピーなど文字が取り出せないデータで渡す場合がある。
7-2-4 レタッチ
提供する写真のトリミングや修正を行う
アドビ社フォトショップの技術に習熟していること
(色調整、トリミングだけでなく、補正やレタッチができること)
7-2-5 アートワーク
イラストレーターやフォトショップを用いて、イラストや地図など、紙面を構成する素材を作成する。
イラストや装飾を作成できること
既存の住宅地図や、ウエブ上の地図を参考に、オリジナルの地図を作成できること
7-2-6 誤字訂正、用言用語の統一など基本的な修正
受託者は、共同通信社発行「記者ハンドブック」を備えること。
校正は市が行うが、受託者は記事の流し込みの際、誤字の修正や、共同通信社発行「記者ハンドブック」を基準として、市で決めた統一的な表現に合わせた基本的な字句修正を行う。
(統一的な表現の例)
動植物名はカタカナで表記する
「等」は「など」に置き換える
「ご利用ください」は「利用してください」に改める(謙譲表現は使わない)
7-2-7 記事、素材(写真やイラスト)の受け渡し、校正用原稿の受け渡し
受け渡しのファイルに関する具体的な仕様は、協議にて決定する
記事や素材は、メールや USB メモリ等で受託者に送付する。受託者は出来た原稿をページ単位で、PDF ファイルでメールにて市に送付する。メールによる送受信はパスワードをつける。完成データは、CD-ROM にて納品する。印刷事業者とのデータ受け渡しに関しては、事業者との協議により決定する。
7-2-8 フォトストック、イラスト素材から、状況に適した素材の調達
記事に関する写真やイラスト等の素材は、基本的には市から提供するが、その他は指定するイメージを元に受託者が制作するか、フォトストック等から調達する。
フォトストック提供会社と契約し、必要とされるイメージに近いイラストや写真を調達し、加工を行ってイメージに合う素材を作成できること
7-2-9 印刷業者への原稿データ送付
色校正段階の原稿データ及び完成した印刷用原稿データは、制作期間短縮のため、受託者が印刷事業者へインターネットファイル送受信により直接渡す。その過程で発生する連絡調整は市が行う。
広報印刷までの業務進行に遅れが生じないように、印刷業務の受託者とは円滑な連絡体制を築くこと。
編集に用いる機材と、印刷に使用する機材の特徴などによる色味の違いを統一するまでの初期の段階では、テストも含め何度も調整作業が発生する場合がある。また、年 1 回程度印刷業務の受託者が変わることがあり、その場合は作業が再度発生する。
8 制作スケジュール
8-1 標準的な処理時間
項目 | 内容と時間 |
記事の流し込み | 決められたフォーマットへの記事の流し込み・・・当日~1日 |
レイアウトも含めた記事の制作 | 2分の1ページ・・・2日、1~4ページ・・・3日~5日 |
表紙 | 3~5日(イメージの分かるラフデザイン・・・3日) |
広告割付 | 1日 |
紙面割付を行う際に要する標準的な処理日数は次のとおりとする。表 標準的な処理時間
上記日数は市役所の開庁日を基準とする。
全体の進行スケジュールを守るための標準的な日数であり、進行スケジュールに影響しなければ裁量で変更してもよい。
記事は、集まったものから順不同で、その都度送る。特に原課からの記事提出締切り時には、多数の記事や素材を複数のメールで送ることとなる。
8-2 制作スケジュールの例示
制作スケジュールは、下記のとおりとする。現状を基にした例示であり、より合理的なスケジュールがあれば、双方合意の上変更することも可能である。
表 記事提供から発行までのスケジュール
項目 | 日程 | 内容 | 受け渡し方向 | 方法 |
記事、素材の 提供 | ~校正初日の 9 日前 | 記事と素材を、原課から届き 次第xxメールで送付する。 | 市→受託者 | メール |
台割の提供 | 校正初日の 9 日前 | ページ割り付けをメールで送付する。 | 市→受託者 | xxx |
原稿の返送 | 校正初日の 9 日前~前日 (ページ単位ででき次第) | インデザインで紙面に割り付けたものを、ページ単位で PDF ファイルにて返送する。 | 受託者→市 | メール |
粗校正 | 校正初日の9日前~前日 (ページ単位ででき次第) | 返送された原稿を市が赤ペンで校正し、スキャンしたものを PDF ファイルで送付。ページ単位で送付する。 送付された校正を元に、受託者が原稿を更新し返送 (何度も実施する) | 市→受託者受託者→市 | メール |
原稿の完成 | 校正初日の前日 | この時点で、校正作業用の原稿が完成する。 | ||
校正 | 校正初日 | Web 会議により、全ページを通した校正を行う。受注者は校正終了したデータを市へ送付し、市は原課へ校正を依頼す る。 | 市→受託者受託者→市 | Web 会議、メール |
校正 | 校正 2 日目 | Web 会議により、全ページを通した校正を行う。受注者は校正終了したデータを市へ送付し、市は原課へ校正を依頼す る。 | 市→受託者受託者→市 | Web 会議、メール |
校正 | 校正 3 日目 | Web 会議により、全ページを通した校正を行う。受注者は校正終了したデータを市へ送付するとともに、色校正のために、別途契約している印刷業 者へ原稿データを送付する | 市→受託者受託者→市 | Web 会議、メール |
色校正 (校了) | 校正 4 日目 | 市は、印刷業者から提出された色校正出力をチェックし、必要に応じて Web 会議により色校正を行う。 受託者は校了データ(印刷用データ)を市および印刷業者 に送付する。 | 市→受託者受託者→市 | Web 会議、メール |
発行日 | 毎月 1 日 |
上記日数は市役所の開庁日を基準とする。また、校正期間中の Web 会議の時間は、原則 9 時 30 分~17 時とし、常時接続により市の呼びかけに常に応じられる体制を整えること。(Web 会議の時間は校正の進捗状況により延長または短縮することがある。)
9 広告
広告に関しては、別途業務を委託する広告業務の受託者とのやり取りとなる。受託者は、市が指示する事項に関して、広告会社と連絡調整を行い、制作業務を進行すること。
9-1 広告に関する業務内容
広告会社代理店から完成原稿(デジタルデータ)の受け取り広告原稿の紙面への割付
業務進行に必要な連絡調整業務
広告に関しては、完成原稿(色校正済)を受け取り、本紙に組み込む事が業務内容となる。
10 体制
10-1 デザイン支援及び機器オペレーション体制
受託者は、市が指定する校正期間中は、Web 会議、メールにより業務を提供すること。その他の期間は、メールなどの方法で制作を進行すること。
10-2 バックアップ体制
広報紙は、遅配や欠刊があると住民への影響が非常に大きく、信頼を損なう事になるため、避けなければならない。このため、受注者は、人員、機材、通信回線等の障害の影響で進行が遅れることのないよう、冗長化やバックアップについて、体制を確立していること。
(例)機器オペレーションのスタッフが 1 名のみで、病気や怪我のときに業務を継続できないも
のは認められない。編集機器が 1 台のみで、不調時に業務を継続できないものは認められない。
11 成果物
成果物は次のとおりとする。印刷用PDFデータ
インターネット掲載用PDFデータ表紙のJPGデータ
点字広報用制作用のテキストデータインデザイン形式のデータ
成果物のファイルの仕様など詳細は、協議にて決定する。
点字広報用制作用のテキストデータとは、点字版の作成に必要なデータで、表、段組みを排除した、文字だけのデータである。
成果物で使用されたアートワークは、市が使用する他の媒体でも使用できるものとする。ただし、フォトストックや素材集から調達したものは、提供元の使用条件に従う。
12 特記事項
12-1 変更契約の想定
広報紙、広報紙別冊の仕様が変更となった場合は、契約金額を含め、内容を変更する。
12-2 再委託の取扱い
受託者は業務の全部を再委託することはできない。業務の一部について再委託を行おうとするときは事前に市の承諾を得ること。
委託業務の主たる業務を委託することはできない。主たる業務とは、業務全体の進行管理、業務遂行上の意思決定や判断に関することとする。
業務を再委託に付する場合、書面により再委託の相手方との契約関係を明確にしておくとともに、再委託の相手方に対して適切な指導、管理の下に業務を実施しなければならない。
13 その他
13-1 実施場所
区分 | 業務項目 | 市 | 受託者 |
企画・取材 | 企画編集会議、必要に応じて所管との協議 | ○ | |
取材先の選定 | ○ | ||
取材先への依頼 | ○ | ||
取材日時等の調整・取材 | ○ | ||
取材写真データの保管 | ○ | ||
編集・校正 | 所管からの掲載記事の取りまとめ | ○ | |
台割(ページ割り付け)の作成 | ○ | ||
粗編集、記事の流し込み、写真イラストのレイアウト | ○ | ||
粗編集、スタイルの適用(用字用語の適正化などを含む) | ○ | ||
粗編集、校正(記事の修正、推敲) | ○ | ||
市役所各課への校正依頼 | ○ | ||
市役所各課校正結果の取りまとめ | ○ | ||
校正 | ○ | ||
色校正 | ○ | ||
校正中の機器オペレーション | ○ |
対面による作業が必要な場合に備え、制作業務は市内で行うこと。表 業務内訳のまとめ
広告データの割付 | ○ | ||
機材 | 編集に係る機材の調達・保守 | ○ | |
原稿の送付・受け取り(校正出力)にかかる機器の調達・保守 | ○ | ||
納品物 | ホームページ掲載用データの作成 | ○ | |
市ホームページへのアップロード | ○ | ||
点字・音訳広報作成用のテキストデータ作成 | ○ | ||
印刷用データの作成、印刷事業者へのデータ送付 | ○ | ||
納品データの作成(インデザインファイル他) | ○ |