(2) その後、米証券取引委員会(SEC)も調査に乗り出し、パトナムを含む多数の大手投信会社に対し、投信取引についての召喚状を送付している旨の記事が掲載されて おります。
ご契約者の皆様へ
平成15年11月21日日本生命保険相互会社
パトナム社に関する新聞報道等について
いつも格別のご高配を賜り厚くお礼申しあげます。
パトナム社における投信の不適正な取引に関しまして新聞等で報道されておりますが、ニッセイアセットマネジメント社より弊社(投資家)宛臨時レポートが発行されておりますので取り急ぎ掲載させていただきます。
弊社変額年金保険の特別勘定で投資している投資信託に「ニッセイ/パトナム」投信がございますが、ニッセイアセットマネジメント社はパトナム社へ運用指示に関する権限を委託しております。
今後状況に進展があり次第、あらためてご報告させていただきます。今後とも引続きご愛顧賜りますよう宜しくお願い申しあげます。
以上
平成15 年11 月7日
投資家の皆様へ
ニッセイアセットマネジメント株式会社
パトナム社における投信の買付・解約に関わる不適正な取引と今後の対応について
平素より格別のご愛顧を賜り厚く御礼申し上げます。
さて、標記につきましては、皆様に多大なご心配をおかけしており、深くお詫び申し上げます。これまでの経緯と今後の対応につきましてあらためてご報告させて頂きますので、何卒ご理解、 ご支援の程、お願い申し上げます。
尚、ニッセイ/パトナム・インカムオープンはじめ、「ニッセイ/パトナム」商品は、ニッセ イアセットマネジメントが日本国内にて設定し、パトナム社に運用を委託、日本国内でのみ販売している投信商品であります。
今回米国にて問題となっております不適正な買付・解約の対象の投信商品とはなっておらず、 何らその影響を受けておりませんので、ご安心いただきたく存じます。
1. これまでの主な報道
9月3日以降、米国では投資信託に関わる不正・不適正な取引について、以下のような報道が行なわれています。
(1) 9 月 3 日、ニューヨーク州のスピッツアー司法長官が、複数の投信を利用した違法取引行為(時間外取引)に関して、大手ヘッジ・ファンド会社との間で再発防止・和解金の支払いで合意したと発表しました。
(2) その後、米証券取引委員会(SEC)も調査に乗り出し、パトナムを含む多数の大手投信会社に対し、投信取引についての召喚状を送付している旨の記事が掲載されております。
(3) 10 月 21 日、マサチューセッツ州当局がマーケット・タイミング取引に関連する不正行為についてパトナムを告訴する意向と報じる記事が掲載されました。
(4) 10 月 24 日、複数の現地新聞が、社内調査によるとパトナムの 6 名の運用担当者が投信の短期売買取引に関わっていたとの内容を報道しました。
(5) 10 月 28 日、米証券取引委員会(SEC)とマサチューセッツ州当局が、パトナムとパト
ナムの従業員 2 名に対する訴訟をおこしました。
(6) この間も、米国マスコミは、マーケットタイミング取引に関して、パトナム以外の複数の投信会社について、金融監督当局が調査を行っている、あるいは訴訟を提起される可能性があるとの報道を行っております。
2.投信の買付・解約に関わる「時間外取引」と「マーケット・タイミング取引」
問題となっているのは投信の買付・解約に関わる「時間外取引」と「マーケット・タイミング取引」です。このうち「時間外取引」は法令で禁止されている行為です。一方「マーケット・タ イミング取引」は法令で禁止されている行為には含まれておりませんが、長期保有の投資家の利 益を損なう恐れがあり、多くの投信会社は、目論見書で注意を促したり、一部のファンドでは解約時に解約手数料(「留保金制度」)を導入して、このような取引を抑制する努力をしております。
(1) 時間外取引
米国では、ミューチュアル・ファンド(米国の追加型投資信託)の基準価額はニューヨーク証券取引所の午後 4 時(米国東部時間)の終値によって毎日計算されます。午後 4 時以前にお
申込みのお客様は、その当日の基準価額で買付・解約することができ、午後 4 時以降にお申込
みのお客様は翌日の基準価額で買付・解約することになります。
午後 4 時以降にお申込みのお客様が、当日の基準価額で買付・解約することが「時間外取引」であり、違法な取引です。この取引が禁止されているのは、時間外取引が行われれば、他のお客様が買付・解約できない基準価額で、取引終了後におきたニュースから利益を得ることが可能になってしまい、不xxが生ずるからです。
(2) マーケット・タイミング取引
マーケット・タイミング取引とは、短期的な売買益を目的として、頻繁にミューチュアル・ファンド(米国の追加型投資信託)の買付・解約を行うことを言います。このような頻繁な買付・解約は、ファンドにおける証券取引を頻繁にさせ、その結果ファンドのコスト上昇を招き、長期保有の投資家に悪影響を与える可能性があります。
また、マーケット・タイミング取引は、米国と海外の取引終了に時間差があることからインターナショナルファンドで行われる傾向があります。例えば、米国株式市場の大幅上昇があった場合、「米国株式市場の上昇により、米国以外の株式も上昇することがあると考えている投資家」が、資金を米国のファンド取引終了以前に国際株式ファンドに投資したとします。この戦略は常に成功するとは限りませんが、考えていたとおりの動きがあれば、短期間に利益を挙げることがxxxx。
マーケット・タイミング取引は、違法な取引とはされておりませんが、大量・頻繁な買付・解約が行われれば、上記のように、長期保有の投資家の利益を損なう恐れがあり、多くの投信会社はこのような取引を抑制する努力をしております。
各市場の取引終了時間の時間差を利用した取引の抑制は、わが国でも行われておりま
す。例えば、ニッセイ/パトナム・インカムオープンは買付・解約に関して、以下のようなブラインド方式(当日午後3時までのお申込みが翌日の基準価額で約定)を採用しています。
(ご参考)ニッセイ/パトナム・インカムオープンの目論見書 P21
「発行価格は取得申込日の翌営業日の基準価額です。」
3.パトナム社における投信の不適正な取引
10月28日に、米証券取引委員会(SEC)とマサチューセッツ当局はそれぞれ、パトナム社の元運用担当者2名を、自ら運用する投信を、自己の資金で、短期間での買付・解約を過度に繰り返すいわゆる「マーケットタイミング取引」を行っていた等として提訴しました。また、パトナム社に対しても十分な管理を怠っていた等としております。
米証券取引委員会(SEC)の提訴概要
① パトナム社の元運用担当者2 名については、自己の口座において自らが運用する投信を過度に短期売買した行為が、運用担当者として知りえた保有銘柄、価格などの未公開情報を利用し、また、その取引によって他の投資家に不利益を与えたもので、投資家に対する受託者責任に反している、としています。
② また、パトナム社については、この運用担当者2名を含む従業員の監督や、このような不適切な行為が行われないよう十分な管理をしていなかった、としています。
マサチューセッツ州当局の提訴概要
上記に加えて、確定拠出年金の加入者の一部で頻繁な短期取引が行われていたことについて、パトナム社はその抑制のために十分な対応を採らずこれを許してしまった、としています。
4.パトナム社の対応
今回の事態を受け、11月3日、パトナム社の親会社で米国の有力な金融サービス会社である マーシュ・アンド・マクレナン社は、パトナム社の最高経営責任者であるラサー社長が退任し、 同社の運用部門の共同責任者であるホールドマン専務が後任として就任して、従来どおりの運用 を継続するとともに、会社に改めて厳格な規律を確立すべく再出発を期すると発表いたしました。
また会長、副会長のポストを新設し、会長にはマーシュ・アンド・マクレナン社の前会長兼最高経営責任者のxxx氏が、副会長にはパトナム社の営業部門の責任者であり弊社取締役でもあるスピーゲル専務が就任して、今後のパトナム社の経営を監督していく旨の人事を発表いたしております。
さらに、マーシュ・アンド・マクレナン社は、グリーンバーグ会長兼最高経営責任者直轄で、S ECで投信・投資顧問監督部門の責任者であったバーバッシュ弁護士に、パトナム社内部管理態勢のチェックと改善策の策定を行わせることについても公表いたしました。
なお、これらの対応は、公表後直ちに実施に移されております。
5.弊社の対応
本件に関しまして、パトナム社および親会社であるマーシュ・アンド・マクレナン社は、上記のように、経営陣の刷新を含む迅速な対応を図っております。弊社では、後任のホールドマン社長を中心とする新経営陣は、今後運用会社として最も重要な顧客重視、コンプライアンス重視の姿勢を徹底し、二度とこのような不祥事が発生しないよう万全の対応を図り、確実にその成果を挙げてくれるものと判断しております。
弊社といたしましても、引き続きパトナム社との緊密な連携のもと、同社の運用・運営両面に対する管理を強化してまいりますので、何卒、ご理解、ご支援の程をお願い申し上げます。
以上