十六総合研究所は、十六銀行がナガイホールディングス株式会社(以下、「ナガイホールディングス」)に対してポジティブインパクトファイナンス(以下、「PIF」)を実 施するにあたって、同社の事業活動が環境・社会・経済に及ぼすインパクト(ポジティブインパクトおよびネガティブインパクト)を分析・評価した。この分析・評価は、国連 環境計画金融イニシアティブ(UNEP FI)が提唱した PIF 原則および PIF実施ガイド(モデル・フレームワーク)、ESG 金融ハイレベル・パネルにおいて...
2022年12月28日
各位
ナガイホールディングス株式会社との
ポジティブインパクトファイナンス契約の締結について
株式会社十六銀行(頭取 xx xx、以下「当行」といいます。)および株式会社十六総合研究所(社長 xx xx、以下「当社」といいます。)は、ナガイホールディングス株式会社(代表取締役社長 xx xx)とポジティブインパクトファイナンス(以下「PIF」といいます。)契約を締結いたしましたので、下記のとおりお知らせします。
PIFは、当行および当社にて、事業者さまの活動が外部(環境・社会・経済)に与えるインパクト(影響)を評価(特定・分析)し、ポジティブなインパクトの創出とネガティブなインパクトの低減に資するKPIを設定のうえ、定期的なモニタリングを通じてその達成に向けた取組みを支援していくことを目的とする資金調達手段です。
当行および当社は、PIFを通じて事業者さまと共通価値の創造をはかり、ともに持続的な成長を目指してまいります。
記
1.PIF契約概要
コ ー ス | ローンコース |
融資金額 | 100百万円 |
資金使途 | 設備資金 |
期 間 | 7年 |
2.企業概要
所 在 地 | 愛知県名古屋市西区xx3丁目37-22 ナカヤマビル5F |
事業内容 | 一般廃棄物及び産業廃棄物の収集運搬・処分事業 |
設 立 | 1975年7月 |
資 本 金 | 30百万円 |
3.インパクト評価(要旨) ※ 詳細は後掲の「評価書」をご参照ください。
特定インパクト | KPI | 関連SDGs |
環境に配慮した事業活動 | ・2023年度までに全拠点・ステーション(テナントビル入居拠点を除く)で使用する電力について、カーボンフリーエネルギーへ移行する。 ・2030年度までに電子マニフェスト移行率 50%(2021年度実績34%)を達成する。 ・2030年度までに電子請求書移行率50% (2021年度実績28%)を達成する。 ・2030年度までに電子契約書移行率50% (2021年度実績31%)を達成する。 ・トラックの平均燃費について、4.48km/ L(2021年度実績)を維持し毎年ホームページ並びにサステナビリティレポートにて報告する。 |
|
循環型社会の形成 | ・一宮リサイクルセンターのリサイクル率(※)について、毎年90%以上を維持する。 ・※リサイクル率=(1-焼却・埋立廃棄物) /搬入された廃棄物 ・2030年度までに再生可能エネルギー発電量1,000,000kwh/年(2021年度実績778,184kwh/年)を達成する。 |
|
質の高い従業員教育の提供 | ・毎年の従業員教育の内容をホームページ並びにサステナビリティレポートにて報告する。 | |
雇用の拡大と創出 | ・2030年度までに新卒採用者比率を40% (2022年時点で20%)にまで引き上げる。 |
従業員が安心して働ける職場環境づくり | ・2022年度中にISO45001(労働安全衛生マネジメント規格)認証を取得し、維持する。 ・2030年度までに労働災害無事故の連続日数365日を達成する。 | |
女性が活躍できる職場環境の推進 | ・「あいち女性輝きカンパニー」認証並びに女性社員比率15%以上を維持する。 |
以 上
【本件ご照会先:経営企画部 広報・IR室 TEL 058-266-2511】
ナガイホールディングス株式会社
ポジティブインパクトファイナンス評価書
2022 年 12 月 28 日
十六総合研究所は、十六銀行がナガイホールディングス株式会社(以下、「ナガイホールディングス」)に対してポジティブインパクトファイナンス(以下、「PIF」)を実施するにあたって、同社の事業活動が環境・社会・経済に及ぼすインパクト(ポジティブインパクトおよびネガティブインパクト)を分析・評価した。この分析・評価は、国連環境計画金融イニシアティブ(UNEP FI)が提唱した PIF 原則および PIF実施ガイド(モデル・フレームワーク)、ESG 金融ハイレベル・パネルにおいてポジティブインパクトファイナンスタスクフォースがまとめた「インパクトファイナンスの基本的考え方」に則ったうえで、十六総合研究所が十
六銀行と共同で開発した評価体系に基づいている。
目次
⑴ナガイホールディングスの概要ならびに経営理念..................................................................- 3 -
⑵ナガイホールディングスのサステナビリティ............................................................................- 19 -
2.インパクトの特定 .........................................................................................................- 22 -
⑴事業性評価 ................................................................................................................- 22 -
⑵バリューチェーン分析......................................................................................................- 23 -
⑶インパクトレーダーによるマッピング ....................................................................................- 24 -
⑷特定したインパクト ........................................................................................................- 28 -
⑸インパクトニーズの確認..................................................................................................- 38 -
⑹ポジティブインパクトに対する追加性、十六銀行との方向性の確認.....................................- 40 -
3.インパクトの評価 .........................................................................................................- 41 -
4.モニタリング..................................................................................................................- 45 -
⑴ナガイホールディングスにおけるインパクトの管理体制と開示方法 ........................................- 45 -
⑵当社によるモニタリング ...................................................................................................- 45 -
1.企業概要と理念、サステナビリティ
【組織図】(画像は提供資料をもとに十六総研にて作成)
【企業概要】
■ナガイホールディングス株式会社
社名 | ナガイホールディングス株式会社 |
代表者 | 代表取締役社長 xx xx |
所在地 | xxxxxxxx 0 xx 00-00 xxxxxx 0X |
資本金 | 3,000 万円 |
創業 | 1926 年 12 月 |
設立 | 1975 年 7 月 |
従業員数 | 121 名(2022 年 3 月末時点) |
売上高 | 29.5 億円(2022 年 3 月) |
事業内容 | 環境コンサルティング事業廃棄物xx管理事業再生資源卸売事業 環境機器販売事業 軽貨物運送事業「エヌドライブ」運営 リサイクルステーション「エコスタイル」運営事務代行事業 |
■xx産業株式会社
社名 | xx産業株式会社 |
代表者 | 代表取締役社長 xx xx |
所在地 | xxxxxxxxxx 00 xx |
資本金 | 1,000 万円 |
設立 | 1969 年 7 月 |
事業内容 | 一般廃棄物処理事業産業廃棄物処理事業再生資源回収事業 機密書類処理事業 |
収集施設 | 本社・清須リサイクルセンターみよしリサイクルセンター 港リサイクルセンター 東郷リサイクルセンターxxxデポ トラックステーション |
■株式会社常栄産業
社名 | 株式会社常栄産業 |
代表者 | 代表取締役社長 xx xx |
所在地 | xxxxxxxxxxxxxxxxx 000 x 0 |
資本金 | 100 万円 |
設立 | 2007 年 4 月 |
事業内容 | プラスチック製品加工事業 プラスチック原料卸売事業 |
■有限会社シンセイ
社名 | 有限会社シンセイ |
代表者 | 代表取締役社長 xx xx |
所在地 | xxxxxxxxxxxx 00 xxの 1 |
資本金 | 300 万円 |
設立 | 2003 年 7 月 |
事業内容 | 一般廃棄物処理事業産業廃棄物処理事業再生資源回収事業 非鉄金属リサイクル事業 総合解体事業 |
収集施設 | 一宮リサイクルセンター |
■株式会社リプロ
社名 | 株式会社リプロ |
代表者 | 代表取締役社長 xx xx |
所在地 | xxxxxxxxxxxx 00 xxの 2 |
資本金 | 1,500 万円 |
設立 | 2006 年 12 月 |
事業内容 | バイオディーゼル発電事業 |
収集施設 | xxプラント |
【会社沿革】
■ナガイホールディングス株式会社
1926 年 | xxとして「xx商店」を個人創業 |
1945 年 | 鉄工所の運営開始(乳母車・藁工品を販売) |
1947 年 | 製紙原料の取扱いを開始 |
1972 年 | 外町倉庫(現:清須リサイクルセンター)開設 |
1975 年 | xx商店を「株式会社xx」として法人組織に改組 |
1986 年 | 中部古紙センター設立 |
2000 年 | 古物商許可取得 |
2007 年 | 不用品回収ウェブサイト「エコスタイル」を開設 ISO14001 認定取得 |
2008 年 | 廃棄物再生事業者登録 |
2011 年 | リサイクルステーションxx(現:エコスタイルxxステーション)開設 |
2012 年 | エコスタイルxx賀ステーション開設 |
2016 年 | 株式会社xxを「エヌフロント株式会社」に社名変更 |
2018 年 | 株式会社常栄産業をグループ会社化 |
2019 年 | 有限会社シンセイをグループ会社化 |
2020 年 | 社名を「ナガイホールディングス株式会社」へ変更し持株会社体制へ移行 |
2021 年 | 株式会社リプロをグループ会社化 |
■xx産業株式会社
1969 年 | xx商店の廃棄物処理部門として設立 |
1972 年 | 名古屋市一般廃棄物処理業許可取得 |
1974 年 | 一般廃棄物処理業本格稼働 |
1980 年 | 愛知県及び名古屋市産業廃棄物収集運搬業許可取得 |
1993 年 | xx市一般廃棄物処理業許可取得 |
2002 年 | xx営業所(現:みよしリサイクルセンター)開設 |
2003 年 | 名古屋市一般廃棄物処理業者6 社で、ビン・缶・ペットボトル・発泡スチロールなどの資源ごみを共同で再資源化する施設「リサイクリング名古屋協同組合」 を発足 |
2004 年 | 東海市一般廃棄物処理業許可取得 長先工場開設 |
2005 年 | 港リサイクルセンター開設 |
2006 年 | 計量証明事業登録 |
2007 年 | 産業廃棄物処分業許可取得 プライバシーマーク認定取得(現在では認定返上) |
2008 年 | xx市一般廃棄物処理業許可取得 xxx町(現:あま市)一般廃棄物処理業許可取得xx町(現:みよし市)一般廃棄物処理業許可取得一般貨物自動車運送事業許可取得 岐阜県産業廃棄物収集運搬業許可取得古物商許可取得 廃棄物再生事業者登録 三重県産業廃棄物収集運搬業許可取得 |
2009 年 | 名古屋市エコ事業所認定 xx町一般廃棄物処理業許可取得xx町一般廃棄物処理業許可取得 xx市(積卸しに限る)一般廃棄物処理業許可取得 |
2011 年 | 長先工場積替え・保管許可取得 |
2012 年 | 名古屋市一般廃棄物夜間収集開始 |
2013 年 | 岐阜県特別管理産業廃棄物収集運搬業許可取得三重県特別管理産業廃棄物収集運搬業許可取得xx町一般廃棄物処理業許可取得 愛知県特別管理産業廃棄物収集運搬業許可取得 名古屋市特別管理産業廃棄物収集運搬業及び積替え・保管許可取得 |
2014 年 | みよしリサイクルセンター移転・開設 |
2021 年 | 株式会社コスモス・エコ研究所をグループ会社化 |
2022 年 | 株式会社コスモス・エコ研究所を吸収合併し、xx産業株式会社東郷リサイ クルセンターを開設 |
■株式会社常栄産業
2001 年 | 有限会社華日産業設立 |
2004 年 | リサイクル事業開始 |
2005 年 | 半田工場開設 |
2007 年 | 華日産業株式会社に法人改組 |
2009 年 | 株式会社常栄産業に社名変更 |
2018 年 | xx産業グループの一員となる |
2019 年 | 愛知県xx町に移転 |
■有限会社シンセイ
1990 年 | 愛知県産業廃棄物収集運搬業許可取得 名古屋市産業廃棄物収集運搬業許可取得 |
1992 年 | xx市一般廃棄物収集運搬業許可取得 xx市産業廃棄物収集運搬業許可取得 |
1994 年 | 小牧・岩倉一般廃棄物収集運搬業許可取得 |
1995 年 | xx市一般廃棄物収集運搬業許可取得xx市一般廃棄物収集運搬業許可取得 扶桑町一般廃棄物収集運搬業許可取得 |
2001 年 | 産業廃棄物処分業許可取得 中間処理施設xxx工場設立 |
2002 年 | 三重県産業廃棄物収集運搬業許可取得 岐阜県廃棄物収集運搬業許可取得 |
2003 年 | 中間処理施設xx工場に移設 xx市一般廃棄物収集運搬業許可取得 xxx町一般廃棄物収集運搬業許可取得 |
2007 年 | 非鉄金属リサイクルセンター完成 |
2019 年 | xx産業グループの一員となる |
■株式会社リプロ
2006 年 | 株式会社オリジン設立 |
2010 年 | 株式会社リプロへ社名変更 |
2012 年 | 廃食油からのバイオマスディーゼル燃料製造業を開始 |
2016 年 | xxプラントにてバイオマスディーゼル発電開始 |
2021 年 | ナガイホールディングス 100%子会社となる |
【経営理念】
Mission:
わたしたちナガイホールディングスは「環境」を通じ価値あるサービスを提供することで人々の快適な暮らしと持続可能な社会の創造に貢献します。
Vision:
人に役立ち、地域に信頼され、社会に求められる企業となる。 Value:
[雇用] ― 働きがいとやりがいを引き出す労働環境を整え、新たな雇用の創出と維持を図ります [育成] ― 社員一人ひとりの自己成長に繋げ、自立と共助の精神を備えた人財を育成します [環境] ― コンプライアンスを徹底し、環境保全に配慮した事業活動を行います
[安全] ― 労働災害の防止に最善を努め、企業の安全文化を醸成します
[地域] ― ステークホルダーとのつながりを重視し、地域社会との共生に努めます
【環境方針】
ナガイホールディングスは、廃棄物処理事業・再生資源化事業を通じ、地球環境保全に努めることが重大な責務であると考え、次のとおり環境方針を定め、これに基づいた企業活動を行います。
1.廃棄物処理事業、再生資源化事業において、環境マネジメントシステムを構築・運用し、環境パフォーマンスを向上させるために環境マネジメントシステムの継続的改善並びに環境汚染の予防及び環境保護に努めます。
2.環境側面に関わる環境関連法令や条例、規制ならびに当グループが同意するその他の要求事項を順守します。
3.委託された廃棄物の再資源化を推進し安全且つ適正に処理を行います。
4.事業活動に伴う環境負荷を低減させるために目的・目標を定め、定期的に見直します。
5.関係官庁、団体及び地域住民との連携・コミュニケーションを図り、環境関連事業者として社会に貢献します。
6.当社のために働くすべての人に周知徹底すると共に、一般に公表します。
【個人情報保護方針】
ナガイホールディングスは、事業活動を通じ、お客様により良いサービスの提供や地域への社会貢献に努めると共に、お客様の個人情報を適切に扱い、管理することが重大な責務であると考え、次のとおり個人情報保護方針を定め、全従業員に周知徹底することにより、お客様の個人情報を保護・管理致します。
1.個人情報を収集する際、その利用目的を特定し、その目的の範囲内で収集・利用・提供致します。
2.お客様の個人情報を法律に定めた命令による場合を除き、お客様の同意なく第三者に開示・提供することは致しません。
3.お客様の個人情報を適切に保管・管理し、お客様ご本人からの開示・訂正・削除の依頼があった場合は、合理的な範囲内の中で速やかに対応致します。
4.個人情報を取り扱う業務を関連会社・協力会社に委託する場合、個人情報を収集するときの承諾に基づく利用、提供、安全管理が図られるよう、適切に監督致します。
5.個人情報の漏洩、滅失又はき損などのリスクに対して安全管理とリスク対策を実施し、是正を行います。
6.保有する個人情報に関して適用される法令、国が定める指針その他の規範を遵守すると共に、適切な運用が実施されるよう管理と必要な是正を行い、個人情報保護の取り組みを継続的に見直し、改
善していきます。
【労働安全衛生方針】
ナガイホールディングスは、労働安全衛生が企業活動における全社員共通の最重要課題のひとつと考え、次のとおり労働安全衛生方針を定め「安全・健康・快適」に働くことのできる職場づくりを積極的に推進します。
1.労働安全衛生上の災害、負傷および疾病の予防、並びに労働安全衛生マネジメントシステムと労働安全衛生パフォーマンスにおける、継続的な改善に取り組みます。
2.労働安全衛生上の危険源に関して、適用すべき法的要求事項および当社が同意するその他の要求事項を明らかにし、これらを順守いたします。
3.墜落・転倒・落下・裂傷・火傷・交通事故等の事故防止及び安全快適職場づくりの推進に重点的に取組みます。
4.労働安全衛生目標を設定し、その達成に向けた活動および必要に応じた見直しを行います。
5.労働安全衛生に対する理解と意識の向上のため、教育・訓練および啓発活動を行います。また、従業員との協議を実施し理解ある労働安全衛生環境を構築します。
6.当社のために働くすべての人に周知徹底すると共に、一般に公表します。
【健康経営宣言】
ナガイホールディングスは、環境を通じ価値あるサービスを提供することで人々の快適な暮らしと社会の創造に貢献することを経営理念に掲げております。その理念を実現するには、社員が心身共に健康でいきいきと働ける職場環境を整えることが重要です。社員とその家族の健康づくりを推進することで、社員一人ひとりの個性や能力が引き出され、企業の持続的成長につながります。事業活動を通じて社会に貢献していくためにも、グループが一体となって、社員の健康保持・増進に取り組んでいきます。
1.健康診断の実施や健康施策に積極的に取り組み、社員の健康増進を支援します
2.社員が安全で健康に、いきいきと働ける快適な職場づくりを推進します
3.社員が自主的に心身の健康維持・増進に取り組める環境を整備します
ナガイホールディングスは、同社及び子会社 4 社(xx産業株式会社、株式会社常栄産業、有限会社シンセイ、株式会社リプロ)の合計5社で構成される一般廃棄物及び産業廃棄物の収集運搬・処分事業者である。
「わたしたちナガイホールディングスは『環境』を通じ価値あるサービスを提供することで人々の快適な暮らしと持続可能な社会の創造に貢献します。」という経営理念や「環境方針」「個人情報保護方針」「労働安全衛生方針」「健康経営宣言」を掲げ、持続可能な社会の創造に貢献することを事業活動の命題としている。
同社グループは、廃棄物の収集・運搬から適正処理、再資源化、環境コンサルティング、環境関連機器の販売に至るまで、廃棄物に係る様々な業務をワンストップで対応している。
具体的には、「ⅰ廃棄物処理事業」「ⅱ資源リサイクル事業」「ⅲライフサポート事業」「ⅳヒューマンリソース事業」の4事業を同社グループは手掛けている。
「ⅰ廃棄物処理事業」
同社グループは、「廃棄物xx管理システム」「一般廃棄物処理」「産業廃棄物処理」「バイオディーゼル発電」などの廃棄物処理サービスを提供している。
【廃棄物xx管理システム】
全国各地の店舗・事業所から排出される廃棄物・資源物の排出量管理やコンプライアンス上のチェックが可能なクラウドサービス「エコスタイルウェブ」を提供している。エコスタイルウェブは以下の 4 つの特徴を有している。
①コンプライアンス管理機能
WEB システムが自動でコンプライアンスチェックを行うので、違反リスクを大幅に低減することができる。
②排出実績管理機能
行政から提出を求められる一般廃棄物減量計画書や食品リサイクル報告書作成支援ツールを備えており、短時間で作成可能である。また、廃棄物の品目別や店舗別など多様な切り口で排出量の月次推移を集計できる。
➂マニフェスト管理機能
マニフェスト進捗のリアルタイム確認と、紙・電子問わずマニフェストのxx管理が可能となる。
➃コスト管理機能
多数の店舗を運営する排出事業者の店舗廃棄物xx管理が可能となる。
〇エコスタイルウェブ(画像は同社 HP より引用)
①コンプライアンス管理機能 ②排出実績管理機能
➂マニフェスト管理機能 ➃コスト管理機能
【一般廃棄物処理】
同社グループは名古屋市を中心に、約 5,000 か所以上の事業所・店舗の事業系一般廃棄物を収
集している。同社グループの一般廃棄物処理業務には以下の 3 つの特徴がある。
①24 時間 365 日体制
オフィスの移転や各店舗の繁忙期など、オフィスごみや生ごみなどが多く出る時期に合わせて、通常の定期回収とは別にスポット回収での対応が可能である。
②SDGs・社会貢献
一般廃棄物をごみとして処理するだけでなく、リサイクルできるものは資源として収集している。
➂食品リサイクルにも対応
生ごみや残飯などの食品廃棄物を、提携先の食品リサイクル施設により「肥料」として再生し、農作物等の栽培に利用することで、食品リサイクルループを形成している。
【産業廃棄物処理】
同社では産業廃棄物について、収集から中間処分までをワンストップで対応している。同社の産業廃棄物処理業務には以下の 3 つの特徴がある。
①多数の車両をラインナップ
愛知・岐阜・三重の産業廃棄物収集運搬業許可を取得し、多種多様な産業廃棄物に対応できる車両を取り揃えている。 オフィスの引越しや店舗の撤去などで排出される事務什器・粗大ごみなども、少量から大量のものまで対応可能である。
②幅広い廃棄物に対応
建物の建設や解体に伴う建設廃棄物や、粗大ごみにも対応可能である。
➂廃棄物の種類に応じた適切な処理が可能
「一般廃棄物」「産業廃棄物」の収集運搬業許可証を取得しており、段ボールやプラスチックなどのリサイクルにも強みを有しているため、廃棄物の種類に応じた適切な処理が可能である。
【バイオディーゼル発電】
廃食用油を用いてディーゼル発電機用燃料を製造するクリーンフューエル事業を行っている。廃食用油を回収したのち、沈殿・加熱・フィルターにより不純物を除去し、水混合や燃焼工程などの過程を経て、発電機用ディーゼル燃料を同社では精製している。
「ⅱ資源リサイクル事業」
同社は「古紙リサイクル」「機密書類処理」「プラスチックリサイクル」「資源リサイクル」などの資源リサイクルサービスの提供を通じて、循環型社会の形成に貢献している。
【古紙リサイクル】
同社では名古屋を中心に愛知県下で古紙回収を行っている。回収から製紙メーカーへの原料供給まで一貫した体制で取り組むだけでなく、リサイクル率向上やコストダウンについての提案も可能である。
【機密書類処理】
同社は企業や官公庁などから排出される機密書類や個人情報などを、万全の処理システムで確実に抹消し、再び古紙としてリサイクルしている。運搬時には完全密閉型の専用車で運搬し、万が一の事故の際も書類の飛散を防止するなど、処理工程において、万全な機密情報漏えい防止対策を実施している。
〇機密書類専用車(画像は同社 HP より引用)
【プラスチックリサイクル】
企業や工場、地域等から排出されたプラスチックを回収・分別し、再生原料としてリサイクル加工を施している。加工後の原料は資源再生業者へ供給される。
同社のプラスチックリサイクル業務には以下の 3 つの特徴がある。
①回収から加工まで一貫体制によるコスト削減
廃プラスチックの回収から再生原料への加工まで、一貫体制を構築しており高品質な原料を低コストで生成可能である。
②高品質
安全、環境への配慮など、様々な課題をクリアした高品質な原料を提供している。
➂加工後、国内外で販売
国を超えた資源循環型社会の実現のため、プラスチック原料は国内販売だけに留まらず、国外への輸出も行っている。
【資源リサイクル】
オフィスや店舗から排出されるビン、缶、ペットボトル、発泡スチロールなどの資源ごみを、最新の設備で再利用可能な資源へ加工している。
「ⅲライフサポート事業」
「リサイクルステーション」「解体工事」「不用品回収・遺品整理」などの業務を通じて、企業活動や一般個人の生活から生じる廃棄物について適正処理を実施している。
【リサイクルステーション】
同社はリサイクルステーション「ECO STYLE」を愛知県中心に運営している。「ECO STYLE」では、家庭で不要になった雑誌や新聞紙、ダンボール等のリサイクル資源を受け入れている。
〇ECO STYLE(画像は同社 HP より引用)
【解体工事】
事務所・工場・倉庫・店舗・物置・住居等の解体工事を行っている。解体するだけでなく、現場から生じる廃棄物の適正処理や粗大ごみの収集なども対応可能である。
【不用品回収・遺品整理】
パソコンやコピー機などのオフィスの不用品から個人の遺品まで、ごみの種類を問わず幅広く回収している。また、回収業務を行うだけでなく、リサイクルネットワークを活かし適正な処理を実施している。
「ⅳヒューマンリソース事業」
「軽貨物運送」「人材紹介」業務を通じて、ドライバー人材のあらゆる働き方をサポートしている。
【軽貨物運送】
軽自動車のフットワークを活かし、チャーター便、スポット便、定期便、企業内便、引越便などの用途に応じた運搬を提供する「エヌドライブ」を運営している。エヌドライブは、全国ネットワークの「KBT グループ」に加盟しており、日本全国への輸送対応可能な点が特徴である。
【人材紹介】
トラック・軽貨物・バス・タクシーなどドライバーの転職活動をサポートする「エヌドライブエージェント」を運営している。ドライバーの転職に特化したエージェントがサポートする点や、登録・面談がオンライン対応可能な点が特徴である。
同社は、自社の事業活動と SDGs との関連性を検証し、事業活動を通じた社会の持続可能な発展に貢献するために、これまでに様々な取組みを行ってきた。具体的な取組内容については、以下の通りである。
【これまでに取り組んできた主な SDGs(同社中期経営計画より引用)】
3.すべての人に健康と福祉を | ・AED の設置 ・無事故キャンペーンの実施 ・ドライバーズミーティングの実施 ・車両へのバックカメラ及びドライブレコーダーの搭載 ・全拠点アルコールチェッカーの導入及び点呼実施 ・全車両消火器の搭載 ・車両運転時の紙たばこ禁止 |
4.質の高い教育をみんなに | ・年間教育プログラムの実施 ・外部研修(人材教育研修・新卒者研修・営業研修等)の実施 ・学生を対象とした環境学習の実施 ・SDGs 研修の実施 |
5.ジェンダー平等を実現しよう | ・女性ドライバー採用サイト「あつまれトラガール」の設置 ・もしもし検定の取得支援 |
7.エネルギーをみんなにそしてクリーンに | ・ソーラーパネルの設置 ・再生可能エネルギーの全社導入 |
8.働きがいも経済成長も | ・新卒採用の実施 ・社員総会の実施 ・アワード(年間表彰)の開催 ・ナガイカンファレンスの実施 ・運行管理システムの導入 ・評価制度の構築 ・決算賞与制度の導入 ・軽貨物運送事業 |
11.住み続けられるまちづくりを | ・一般廃棄物処理事業 ・産業廃棄物処理事業 ・廃棄物xx管理事業 ・名古屋事業系ごみ受付センター(ホームページ)の設置 ・環境関連イベントへの参画 ・地域清掃活動への参加 |
12.つくる責任つかう責任 | ・再資源化(古紙・ビン・缶・ペットボトル・発泡スチロール)事業 ・廃プラスチック類再資源化事業 ・食品リサイクル普及促進 ・電子マニフェストの普及施策 ・電子契約書の普及施策 ・電子請求書の普及施策 ・エコキャップ運動への協力 |
13.気候変動に具体的な対策を | ・BCP 教育及び避難訓練の実施 ・サイボウズ安否確認アプリの設置 ・被災地への支援 |
15.陸の豊かさも守ろう | ・リサイクルステーション事業 ・地域資源回収事業 ・古紙リサイクル出前授業の実施 ・植樹イベントの実施 |
17.パートナーシップで目標を達成しよう | ・ステークホルダーとの関係を構築する事業の開催 |
また、毎年「サステナビリティレポート」を独自に作成し、自社のホームページに公開することで、ステークホルダーとのコミュニケーションを図っている。
〇ナガイホールディングス株式会社 2021 年度サステナビリティレポート(画像は同社 HP より引用)
2.インパクトの特定
先述の通り、同社の事業活動は「廃棄物の収集・運搬・中間処理・再資源化」「バイオディーゼル発電」「軽貨物運送」「人材紹介」など多岐に渡る。本評価書では、同社の本業である「廃棄物の収集・運搬・中間処理・再資源化」に特に焦点を当てて、インパクトの特定及び評価を行う。
同社の強みは、事業系廃棄物ほぼ全般について、ワンストップ対応可能な点である。「一般廃棄物収集運搬業許可」「産業廃棄物収集運搬業許可」「産業廃棄物処分業許可」「特別管理産業廃棄物収集運搬業許可」などの許認可の取得や、運搬用の車両や中間処理施設などの自社保有設備の充実によって、多種多様な廃棄物のワンストップ対応を可能としている。
また、名古屋エリアを中心に収集ネットワークが張り巡らされており、xx収集にも対応可能である点も同社の強みとして挙げられる。
同社はそのバリューチェーンの中で、一般廃棄物、食品廃棄物、産業廃棄物等の「収集」「運搬」「中間処理」「再資源化」などの役割を担っている。廃棄物を単にごみとして収集、処分するのではなく、適正な分別と再資源化を施すことによって、循環型社会の形成に貢献している。
〇ナガイホールディングスのバリューチェーン図①(画像は同社 HP より引用)
〇ナガイホールディングスのバリューチェーン図②(画像は提供資料をもとに十六総研にて作成)
xxの事業(一般企業・一般個人)
同社グループの事業
xxの事業
生ごみ
可燃ごみ
一般廃棄物
廃棄物の品目
収集施設 | 処理内容 |
運搬 |
最終処理方法 | |
焼却 | 各市町村の焼却場 |
堆肥化 | 市町村と提携している民間企業 |
産業廃棄物 | 木くず |
金属くず | |
廃プラスチック |
港リサイクルセンター xxリサイクルセンター一宮リサイクルセンター | 選別・破砕 |
選別・圧縮 | |
圧縮・破砕 |
燃料プラスチック | 産業廃棄物処理業者 |
金属原料 | |
RPF・プラスチック原料 |
⇒ ⇒
古紙リサイクル | 段ボール |
新聞紙 | |
雑誌 | |
オフィス古紙 | |
機密文書 |
清須リサイクルセンター みよしリサイクルセンター | 選別・圧縮 |
運搬 |
製紙原料 | 製紙メーカー |
溶解処理 |
資源リサイクル | 空き缶 |
空き瓶 | |
発泡スチロール | |
ペットボトル |
リサイクリング名古屋協同組合 | 選別・圧縮 |
選別 | |
溶融 | |
選別・圧縮 |
金属原料 | 専門商社への販売 |
ガラス原料 | |
プラスチック原料 | |
プラスチック原料 |
廃プラスチック
プラスチックリサイクル
加工
常栄産業・本社
再生原料
先述のバリューチェーン分析の結果をもとに、インパクトマッピングを実施する。先述の通り、同社グループはそのバリューチェーンの中で、廃棄物の「収集」「運搬」「中間処理」「再資源化」などの役割を担っている。
同社グループの事業を国際産業標準分類(ISIC)上の業種カテゴリに適用させた上、UNEP FI が提供するインパクトレーダーを用いて「ポジティブインパクト」(以下 PI)と「ネガティブインパクト」(以下 NI)を想定する。同社グループの事業について、「非有害廃棄物収集業(ISIC:3811)」「非有害廃棄物処理・処分業(同 3821)」「材料再生業(同 3830)」を適用し、発生するインパクトの検証を行った。
◎:主要カテゴリ 〇:関連カテゴリ
国際産業標準分類 インパクトカテゴリ | 【3811】 非有害廃棄物収集業 | 【3821】 非有害廃棄物処理・処分業 | 【3830】材料再生業 | |||
PI | NI | PI | NI | PI | NI | |
水 | 〇 | 〇 | ||||
食料 | ||||||
住居 | ||||||
健康・衛生 | ◎ | ◎ | 〇 | ◎ | ||
教育 | ||||||
雇用 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
エネルギー | 〇 | |||||
移動手段 | ||||||
情報 | ||||||
文化・伝統 | 〇 | |||||
人格と人の安全保障 | ||||||
xx・xx | ||||||
強固な制度・平和・安定 | ||||||
水(質) | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | |
大気 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | ||
土壌 | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | |
生物多様性と生態系サービス | ◎ | ◎ | 〇 | ◎ | ||
資源効❹・安全性 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | ◎ | 〇 |
気候 | 〇 | 〇 | 〇 | |||
廃棄物 | ◎ | 〇 | ◎ | 〇 | ◎ | 〇 |
包括的で健全な経済 | 〇 | 〇 | ||||
経済収束 |
インパクトマッピングでは「水」「健康・衛生」「雇用」「エネルギー」「文化・伝統」「水(質)」「大気」
「土壌」「生物多様性と生態系サービス」「資源効率・安全性」「廃棄物」「包括的で健全な経済」のカテゴリにて PI が、「健康・衛生」「雇用」「水(質)」「大気」「土壌」「生物多様性と生態系サービス」「資源効率・安全性」「気候」「廃棄物」のカテゴリにて NI が発現すると考えられる。このうち、「文化・伝統」については、同社との関係性が希薄と判断し、評価書内での検証は省略する。その他のカテゴリにおけるインパクトについて、以下で検討を加えていく。
「健康・衛生」のカテゴリにおいては、廃棄物の適正処理・リサイクルによって環境が保全され、人々に健康的な生活を提供するといった PI と、廃棄物の処理方法が適切でない場合は、人々の健康に悪影
響を与えるという NI が発現する。
SDGs では、以下のターゲットに該当すると考えられる
・「11.6:大気の質及び一般並びにその他の廃棄物の管理に特別な注意を払うことによるものを含め、都市の一人当たりの環境上の悪影響を軽減する」
「雇用」のカテゴリにおいては、労働によって従業員の生活が支えられるという PI と、労働環境によっては従業員の健康状態が脅かされるという NI が発現する。
SDGs では、以下のターゲットに該当すると考えられる。
・「8.5:雇用と働きがいのある仕事、同一労働同一賃金を達成する」
・「8.8:労働者の権利を保護し、安全・安心に働けるようにする」
「エネルギー」のカテゴリにおいては、同社が収集した廃棄物が発電に利用されることにより、エネルギーサービスへのアクセスが確保されるという PI が発現する。
SDGs では、以下のターゲットに該当すると考えられる。
・「7.2:再生可能エネルギーの割合を増やす」
「水」「水(質)」「大気」「土壌」「生物多様性と生態系サービス」「気候」のカテゴリにおいては、以下の PI が発現すると考えられる。
①水質汚染、大気汚染、土壌汚染等環境汚染の防止
②生物多様性の保全
また、以下の NI が発現すると考えられる。
①廃棄物が不適切な方法で処理された場合の、水質汚染、土壌汚染、大気汚染等の環境汚染
②廃棄物が不適切な方法で処理された場合の、生態系サービスの破壊
③機械の稼働に伴う温室効果ガスの排出
SDGs では、以下のターゲットに該当すると考えられる。
・「3.9:環境汚染による死亡と疫病の件数を減らす」
・「6.3:汚染の減少、投棄廃絶と有害な化学物質や物質の放出の最小化などにより、水質を改善する」
・「13.1:気候関連災害や自然災害に対する強靱性(レジリエンス)及び適応力を強化する」
・「14.1:陸上活動による汚染など、あらゆる種類の海洋汚染を防止し、大幅に削減する」
・「15.1:陸域・内陸淡水生態系及びそのサービスの保全・回復・持続可能な利用を確保する」
「資源効率・安全性」のカテゴリにおいては、リサイクル事業を通じて資源効率に貢献することができるという PI と、事業の方向性によっては資源効率が損なわれるという NI が発現する。
SDGs では、以下のターゲットに該当すると考えられる。
・「12.2:天然資源の持続可能な管理及び効率的な利用を達成する」
「廃棄物」のカテゴリにおいては、資源再生により廃棄物の削減に寄与するという PI と、自社設備が老朽化した際に廃棄物が発生するという NI が発現する。
SDGs では、以下のターゲットに該当すると考えられる。
・「12.4:製品ライフサイクルを通じ、環境上適正な化学物資やすべての廃棄物の管理を実現し、化学物質や廃棄物の大気、水、土壌への放出を大幅に削減する」
・「12.5:廃棄物の発生を減らす」
「包括的で健全な経済」のカテゴリにおいては、同社の事業により循環型社会が形成され、経済活動が活発化するという PI が発現する。
SDGs では、以下のターゲットに該当すると考えられる。
・「9.4:資源利用効率の向上とクリーン技術及び環境に配慮した技術・産業プロセスの導入拡大により持続可能性を向上させる」
また、インパクトレーダー上では指摘されていないものの、同社が車両による廃棄物の運搬・収集を行う事業者であるため、「健康・衛生」のカテゴリにおいて、交通事故等の NI の発現が想定される。
SDGs では、以下のターゲットに該当すると考えられる。
・「3.6:道路交通事故死傷者を半減させる」
先述の内容を踏まえて同社のインパクトを下記のように特定した。
◼ 環境に配慮した事業活動
◼ 循環型社会の形成
◼ 質の高い従業員教育の提供
◼ 雇用の拡大と創出
◼ 従業員が安心して働ける職場環境づくり
◼ 女性が活躍できる職場環境の推進
◼ 環境に配慮した事業活動
同社は環境に配慮した事業活動により、環境的側面において負の影響を低減している。具体的な取組みとしては、再生可能エネルギーへの移行、ペーパーレス化の推進、エコドライブの徹底等が挙げられる。
再生可能エネルギーへの移行では、近年「再エネ 100 宣言:Re Action」1に参画。テナントビル入居拠点を除く、全拠点・ステーションで使用する電力について、カーボンフリーエネルギーに 100%移行する計画を策定している。
ペーパーレス化の推進では、マニフェスト・請求書・契約書についての電子契約システムを導入。電子化を推進し、紙の使用量削減に努めている。
エコドライブの徹底では、デジタルタコグラフの活用やドライバーズミーティングの実施等によって、トラックの燃費効率の改善に努めている。
上記のほかにも、「ISO14001 認証」2の取得、電力デマンドコントロールシステムの設置、ハイブリッド車やバッテリーフォークリフトなどの低公害車の積極導入、リサイクルセンターへのソーラーパネルの設置等によって、環境負荷低減に努めている。
同社の環境負荷低減の取組みは、外部からも非常に高く評価されており、2021 年には名古屋市より「なごや SDGs グリーンパートナーズ」3の認定エコ事業所として登録を受けている。
今後についても上記の取組みを継続させるほか、自社のホームページやサステナビリティレポートにて環境負荷低減の取組みを報告していく方針としている。
1 企業、自治体、教育・医療機関等の団体が使用電力を 100%再生可能エネルギー(再エネ)に転換する意思と行動を示し、再エネ 100%利用を促進する枠組み。
2環境マネジメントシステムに関する国際規格。社会経済的ニーズとバランスをとりながら、環境を保護し、
変化する環境状態に対応するための組織の枠組みを示している。
3 事業活動において SDGs の実現に向け取り組む事業所を、名古屋市が登録・認定し、自主的な取組みを支援するもの。
このインパクトは UNEP FI のインパクトレーダーでは、「大気」「土壌」「資源効率・安全性」「気候」
「廃棄物」のカテゴリに該当し、環境的側面において NI を緩和すると考えられる。 SDGs では、以下のターゲットに該当すると考えられる。
・「7.3:エネルギー効率の改善率を増やす」
・「12.5:廃棄物の発生を減らす」
・「13.1:気候関連災害や自然災害に対する強靭性と適応能力を強化する」
・「15.1:陸域・内陸淡水生態系及びそのサービスの保全・回復・持続可能な利用を確保する」
〇ナガイホールディングス株式会社 2021 年度サステナビリティレポート(画像は同社 HP より引用)
◼ 循環型社会の形成
同社は、「リサイクル率の向上」や「廃食用油を活用した再生可能エネルギー発電」などによって、循環型社会の形成に貢献していく。
同社の一宮リサイクルセンターでは、AI・ロボットを取り入れた高度な中間処理選別システムの導入を予定している。同システムによって、焼却や埋立にまわしていた廃棄物を最大限減少させることができ、更なるリサイクル率の向上が見込まれている。
また、同社グループの株式会社リプロでは飲食店などから回収した廃食用油を活用し、ディーゼル発電機用燃料を製造するクリーンフューエル事業を手掛けている。同事業は下記の3点の特徴を有する。
「①:廃食用油から燃料を製造する過程においてエネルギーをほとんど投入しないため、ほぼ100%のエネ
ルギー再生率を達成している」
「②:燃料に水を混合することにより、酸性雨の原因となる窒素酸化物を低減する」
「➂:燃料に水を混合することにより黒煙を大幅に低減する」
同事業による再生可能エネルギーの発電量は年々増加しており、同社は今後も同事業に注力していく方針としている。
このインパクトは UNEP FI のインパクトレーダーでは、「健康・衛生」「エネルギー」「大気」「土壌」「資源効率・安全性」「気候」「廃棄物」「包括的で健全な経済」のカテゴリに該当し、社会的・環境的・経済的側面において PI を拡大すると考えられる。
SDGs では、以下のターゲットに該当すると考えられる。
・「3.9:環境汚染による死亡と疾病の件数を減らす」
・「6.3:汚染の減少、投棄廃絶と有害な化学物質や物質の放出の最小化などにより、水質を改善する」
・「7.2:再生可能エネルギーの割合を増やす」
・「9.4:資源利用効率の向上とクリーン技術及び環境に配慮した技術・産業プロセスの導入拡大により持続可能性を向上させる」
・「11.6:大気や廃棄物を管理し、都市の環境への悪影響を減らす」
・「12.4:化学物質や廃棄物の適正管理により大気、水、土壌への放出を減らす」
・「12.5:廃棄物の発生を減らす」
・「13.1:気候関連災害や自然災害に対する強靭性と適応能力を強化する」
・「14.1:海洋汚染を防止・削減する」
・「15.1:陸域・内陸淡水生態系及びそのサービスの保全・回復・持続可能な利用を確保する」
〇廃食用油を活用したエネルギーループ(画像は同社より提供)
◼ 質の高い従業員教育の提供
同社は、自社内で完結する質の高い教育プログラムを従業員に提供する。
同社では、自社社員で教育が完結するプログラムの構築と教育者の育成を図っている。テレビ会議システムや、録画視聴、クラウドシステムなど様々なツールを最大限活用し、効率的な教育プログラムの運営に努めている。
2021 年度には、「BCP(事業継続計画)講習」「PMS(個人情報保護マネジメント)講習」
「EMS(環境マネジメントシステム講習会)」「新入中途社員研修」「新卒&若手フォローアップ研修」などの教育プログラムを実施した。単に講習や研修を行うのみならず、上司によるフォローや確認テストなども欠かさずに行っている。
従業員教育プログラムについては、サステナビリティレポートにて毎年実施報告を行っており、今後についても毎年の報告を継続していく方針としている。
このインパクトは UNEP FI のインパクトレーダーでは、「雇用」のカテゴリに該当し、社会的側面において PI を拡大すると考えられる。
SDGs では、以下のターゲットに該当すると考えられる。
・「4.4:働く技能を備えた若者と成人の割合を増やす」
〇ナガイホールディングス株式会社 2021 年度サステナビリティレポート(画像は同社 HP より引用)
◼ 雇用の拡大と創出
同社は、毎年新卒採用を実施し、若い世代へ雇用機会を提供している。同社従業員の平均年齢は、 30 代前半となっており、20 代・30 代の若手世代が数多く活躍している。
また、毎年インターンシップを開催し、同社の企業概要や環境業界の動向等の情報を学生に向けて発信している。近年では、インターンシップのカリキュラム内に SDGs 講習も取り入れ、学生に向けて幅広い情報を発信している。
今後についても、新卒採用を毎年継続していき、若い世代の雇用の拡大と創出に貢献していく方針としている。
このインパクトは UNEP FI のインパクトレーダーでは、「雇用」のカテゴリに該当し、社会的側面において PI を拡大すると考えられる。
SDGs では、以下のターゲットに該当すると考えられる。
・「8.6:就労・就学・職業訓練を行っていない若者の割合を減らす」
◼ 従業員が安心して働ける職場環境づくり
同社は従業員が安心して働ける職場づくりを目指して、以下の取組みを行っている。
〇緊急時対応訓練
日々の作業時の突発的なトラブルにも迅速に対応できるよう、汚水漏れやオイル漏れ発生時の訓練など、様々な訓練を定期的に行っている。
〇AED の設置
各事業者にAED を設置。応急手当の資格を取得した社員も配置し、いざというときに備えている。
〇運行管理システム
各収集車両にデジタルタコグラフを搭載。ドライバーの運転操作を細かに記録したレポートを作成し、安全運転の意識づけに利用している。
〇無事故キャンペーン
従業員皆がお互いに声を掛け合い、無事故啓発を行っている。
〇ドライバーズミーティング
全ドライバーを対象に月 1 回ドライバーズミーティングを実施。ヒヤリハットの体験や運行経路上の危険箇所などの共有を行い、事故や危険運転を未然に防ぐように努めている。
〇アルコールチェック
高性能なアルコールチェッカーを導入し、全ドライバーが運転前のアルコールチェックを行っている。
〇横乗り講習
ドライバーの安全技能を高めるために定期的にベテランドライバーによる横乗り講習を実施。ドライバー自身では気づきにくい危険要因などをチェックすることで、安全運転に努めている。
〇広角の近距離ミリ波レーダー
広角の近距離ミリ波レーダーをキャブ全面 2 か所に搭載した車両を導入。右左折時に横断歩行者や自転車を、見通しの悪い T 字路・幹線道路沿いの駐車場発進時に側方から走行してくる自動車やバイクを検知できるようにし、衝突の危険性が高まると車内ビラーに内蔵された警告灯と警報音でドライバー に注意喚起が実施される。
〇衝突予知安全装置
ブレーキを踏む前にセンサが衝突不可避を判断しアシストを作動させることで大きな制動力を発生させ、衝突速度を低減させる衝突予知安全装置を、各車両に搭載している。
〇ドライブレコーダー
運転中は常にドライブレコーダーの録画を実施している。運転風景の映像をドライバー間で共有し、安全運転に役立てている。
〇パッカー車へのバックカメラ搭載
すべてのパッカー車にバックカメラを搭載。バック時に死角が多くなるパッカー車の、接触事故低減を図っている。
〇全車両消火器搭載
万が一収集先や走行中に火災が発生した際に、迅速に初期消火が対応できるように各収集車両に消火器を搭載している。
今後については、上記の取組みの継続に加え、「ISO45001」4認証を取得し、従業員がより安全に働ける職場環境を整備していく方針としている。
このインパクトは UNEP FI のインパクトレーダーでは、「健康・衛生」「雇用」のカテゴリに該当し、社会
4 労働安全衛生マネジメントシステムに関する規格。あらゆる職場において、安全な労働環境を整えるための枠組みを示している。
的側面において NI を緩和すると考えられる。
SDGs では、以下のターゲットに該当すると考えられる。
・「3.6:道路交通事故死傷者を半減させる」
・「8.8:労働者の権利を保護し、安全・安心に働けるようにする」
〇ナガイホールディングス株式会社 2021 年度サステナビリティレポート(画像は同社 HP より引用)
◼ 女性が活躍できる職場環境の推進
同社は、性別や年齢に限定されないすべての従業員が活躍できる職場環境づくりを心掛けている。トラックの小型化やオートマチック車の導入等を実施し、女性ドライバーの活躍の場を整備している。
2022 年 3 月には、愛知県より「あいち女性輝きカンパニー」5に認証されるなど、同社の女性活躍推進の取組みは、外部からも高い評価を受けている。
このインパクトは UNEP FI のインパクトレーダーでは、「雇用」のカテゴリに該当し、社会的側面において PI を拡大すると考えられる。
SDGs では、以下のターゲットに該当すると考えられる。
・「5.5:政治、経済、公共分野での意思決定において、女性の参画と平等なリーダーシップの機会を確保する」
5 愛知県内に本社または事業所を置く企業・団体等を対象に、女性の活躍促進に向け、トップの意識表明や採用拡大、職域拡大、育成、管理職登用のほか、ワーク・ライフ・バランスの推進や働きながら育児・介護ができる環境づくりなどの取組みを行っている企業等を愛知県が認証する制度。
➀日本におけるインパクトニーズ
同社の売上高の大半が日本国内におけるものである。国内における SDG インデックス&ダッシュボードを参照し、同社のインパクトとの関係性を確認した。
本 PIF において特定したインパクトに対応する SDGs のゴールは、
・「3:あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する」
・「4:すべての人に包摂的かつxxな質の高い教育を確保し、生涯学習の機会を促進する」
・「5:ジェンダー平等を達成し、すべての女性及び女児の能力強化を行う」
・「6:すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する」
・「7:すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する」
・「8:包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用(ディーセント・ワーク)を促進する」
・「9:強靱(レジリエント)なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの推進を図る」
・「11:包摂的で安全かつ強靱(レジリエント)で持続可能な都市及び人間居住を実現する」
・「12:持続可能な生産消費形態を確保する」
・「13:気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる」
・「14:持続可能な開発のために海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する」
・「15:陸域生態系の保護、回復、持続可能な利用の推進、持続可能な森林の経営、砂漠化への対処、ならびに土地の劣化の阻止・回復及び生物多様性の損失を阻止する」
の 11 点である。
国内における SDG ダッシュボード上では、「14」「15」については「重要な課題が残っている」、「5」「6」
「7」「11」「12」「13」については「課題が残っている」とされており、日本国内のインパクトニーズと同社の循環型社会形成や女性活躍推進の取組みが一定の関係性があることを確認した。
【出所:SDSN】
②愛知県におけるインパクトニーズ
同社は愛知県の尾張地区から名古屋地区を中心に事業を手掛けていることから、愛知県におけるインパクトニーズについても確認した。
愛知県では、持続可能な社会づくりの推進を目指して、2017 年に「あいち地域循環圏形成プラン」
6を策定し、バイオマス資源の有効活用や、廃棄物の減量化・資源化といった循環ビジネスを支援するこ
とで循環型社会の形成を推進してきた。
2022 年には、資源循環の更なる加速化を図るため、新たにサーキュラーエコノミー7への転換と 3R
(リユース、リデュース、リサイクル)の高度化による循環ビジネスの進展を目標とした「あいちサーキュラーエコノミー推進プラン」を新設した。
循環型社会の形成に貢献していく同社の取組みは、サーキュラーエコノミーを目指す愛知県と方向性が一致する。
以上から、愛知県のインパクトニーズと同社のインパクトが一定の関係性があることを確認した。
6 愛知県の持つ自動車産業を中心とした厚い産業集積や、全国有数の農業基盤、豊かな森林資源などの地域ポテンシャルを十分に生かし、これまで培ってきた資源循環の取組を加速・発展させ、県内各地域で「循環の環」が重層的に形成された「地域循環圏」の実現を目指すため、2017 年度から 5 年間の取組みの方向性や計画を示したプラン。
7 従来の 3Rの取組みに加え、資源投入量・消費量を抑えつつ、ストックを有効活用しながら、サービス化等を通じて付加価値を生み出す経済活動であり、資源・製品の価値の最大化、資源消費の最小化、廃棄物の発生抑止等を目指すもの。
⑹ポジティブインパクトに対する追加性、十六銀行との方向性の確認
本 PIF で特定した PI は、「循環型社会の形成」「質の高い従業員教育の提供」「雇用の創出と拡大」
「女性が活躍できる職場環境の推進」の4点である。
「循環型社会の形成」では、リサイクル率の更なる向上や、再生可能エネルギーの自社での発電によって、循環型社会の形成に貢献していく。
「質の高い従業員教育の提供」では、自社で完結する教育プログラムによって、従業員に成長の機会を提供していく。
「雇用の創出と拡大」では、新卒採用を強化し、若い人材の雇用機会の拡大に努めていく。
「女性が活躍できる職場環境の推進」では、女性が働きやすい労働環境を整備し、女性活躍の推進に努めていく。
上記 4 つの PI については、SDGs 達成のための追加性が期待できる取組みである。
十六フィナンシャルグループでは、「十六フィナンシャルグループ SDGs 宣言」の中で「地域社会の活性化」「地域社会の持続的発展」「多様な人材の活躍推進」「環境保全と気候変動対策」「ガバナンスの高度化」の 5 つを SDGs 達成に向けた重点課題(マテリアリティ)としている。
「循環型社会の形成」については「地域社会の持続的発展」「環境保全と気候変動対策」と、「質の高い従業員教育の提供」「雇用の創出と拡大」「女性が活躍できる職場環境の推進」については「多様な人材の活躍推進」「ガバナンスの高度化」とそれぞれ方向性が一致する。
以上から、本 PIF の取組みは追加性のある PI 創出支援を行うものであり、その本源的目的との合致を確認したうえで SDGs 達成に向けた資金需要と資金供給とのギャップを埋めることを目指すものである。
3.インパクトの評価
ここでは、特定したインパクトの発現状況を今後も測定可能なものにするため、先に特定したインパクトに対し、それぞれに KPI を設定する。
◼ 環境に配慮した事業活動
項目 | 内容 |
インパクトの種類 | 環境的側面においてネガティブインパクトを緩和 |
インパクト・カテゴリ | 「大気」「土壌」「資源効率・安全性」「気候」「廃棄物」 |
関連するSDGs |
|
内容・対応方針 | ・自社で使用するエネルギーについて、再生可能エネルギーへの移行を推進する。 ・電子化ツールを活用することでペーパーレス化を推進する。 ・エコドライブの徹底により、トラックの燃費を改善させる。 |
KPI | ・2023 年度までに全拠点・ステーション(テナントビル入居拠点を除く)で使用する電力について、カーボンフリーエネルギーへ移行する。 ・2030 年度までに電子マニフェスト移行率 50%(2021 年度実績 34%)を達成する。 ・2030 年度までに電子請求書移行率 50%(2021 年度実績 28%)を達成する。 ・2030 年度までに電子契約書移行率 50%(2021 年度実績 31%)を達成する。 ・トラックの平均燃費について、4.48km/L(2021 年度実績)を維持し毎年ホームページ並びにサステナビリティレポートにて報告す る。 |
◼ 循環型社会の形成
項目 | 内容 |
インパクトの種類 | 社会的側面においてポジティブインパクトを拡大環境的側面においてポジティブインパクトを拡大 経済的側面においてポジティブインパクトを拡大 |
インパクト・カテゴリ | 「健康・衛生」「エネルギー」「大気」「土壌」「資源効率・安全性」「気 候」「廃棄物」「包括的で健全な経済」 |
関連するSDGs |
|
内容・対応方針 | ・AI・ロボットを取り入れた高度な中間処理選別システムを導入することで、焼却や埋立にまわしていた廃棄物を最大限減少させ、リサイクル率の向上を目指す。 ・廃食用油を活用した再生可能エネルギー発電量を増加させる。 |
KPI | ・一宮リサイクルセンターのリサイクル率(※)について、毎年 90%以上を維持する。 ※リサイクル率=(1-焼却・埋立廃棄物)/搬入された廃棄物 ・2030 年度までに再生可能エネルギー発電量 1,000,000kwh/年(2021 年度実績 778,184kwh/年)を達成する。 |
◼ 質の高い従業員教育の提供
項目 | 内容 |
インパクトの種類 | 社会的側面においてポジティブインパクトを拡大 |
インパクト・カテゴリ | 「雇用」 |
関連するSDGs | |
内容・対応方針 | ・自社内で完結する教育プログラムを従業員へ提供する。 |
KPI | ・毎年の従業員教育の内容をホームページ並びにサステナビリティレ ポートにて報告する。 |
◼ 雇用の拡大と創出
項目 | 内容 |
インパクトの種類 | 社会的側面においてポジティブインパクトを拡大 |
インパクト・カテゴリ | 「雇用」 |
関連するSDGs | |
内容・対応方針 | ・新卒採用を強化し、若い社員の雇用拡大に努める。 |
KPI | ・2030 年度までに新卒採用者比率を 40%(2022 年時点で 20%)にまで引き上げる。 |
◼ 従業員が安心して働ける職場環境づくり
項目 | 内容 |
インパクトの種類 | 社会的側面においてネガティブインパクトを緩和 |
インパクト・カテゴリ | 「健康・衛生」「雇用」 |
関連するSDGs |
|
内容・対応方針 | ・すべての従業員が安全・安心に働ける職場環境を整備する。 |
KPI | ・2022 年度中にISO45001(労働安全衛生マネジメント規格)認証を取得し、維持する。 ・2030 年度までに労働災害無事故の連続日数 365 日を達成す る。 |
◼ 女性が活躍できる職場環境の推進
項目 | 内容 |
インパクトの種類 | 社会的側面においてポジティブインパクトを拡大 |
インパクト・カテゴリ | 「雇用」 |
関連するSDGs | |
内容・対応方針 | ・女性が活躍し働きやすい職場環境を整備し、女性の雇用を増加させる。 |
KPI | ・「あいち女性輝きカンパニー」認証並びに女性社員比率 15%以上 を維持する。 |
4.モニタリング
⑴ナガイホールディングスにおけるインパクトの管理体制と開示方法
同社では、本 PIF 組成にあたり、xx社長を統括責任者とする横断的なプロジェクトチームを組成。コーポレート部が中心となり、中期経営計画や同社 SDGs 方針等の内容の棚卸を行い、本 PIF のインパクトの特定および目標と KPI の策定を行った。
本 PIF 実行後においては、各部門での主体的な管理・推進体制を強化していくほか、社外への周知浸透を図るため各KPI やその達成状況について同社ホームページやサステナビリティレポートで公表を行う予定である。
【モニタリング体制】
統括責任者 | 代表取締役社長 xxxx |
プロジェクトリーダー | 取締役 常務執行役員 xxx |
プロジェクトチーム | コーポレート部 総務グループ 課長 xxx |
本 PIF で設定した KPI および進捗状況については、同社と十六銀行、十六総合研究所の担当者が定期的な場を設けて情報共有する。少なくとも年に1回実施するほか、日々の情報交換や営業活動を通じて実施する。
【留意事項】
1. 本評価書の内容は、十六総合研究所が現時点で入手可能な公開情報、ナガイホールディングスから提供された情報や同社へのインタビューなどで収集した情報に基づいて、現時点での状況を評価したものであり、将来における実現可能性、ポジティブな成果等を保証するものではありません。
2. 十六総合研究所が本評価に際して用いた情報は、十六総合研究所がその裁量により信頼できると判断したものではあるものの、これらの情報の正確性等について独自に検証しているわけではありません。十六総合研究所は、これらの情報の正確性、適時性、網羅性、完全性、および特定目的への適合性その他一切の事項について、明示・黙示を問わず、何ら表明または保証をするものではありません。
3. 本評価書に関する一切の権利は十六総合研究所に帰属します。評価書の全部または一部を自己使用の目的を超えての使用(複製、改変、送信、頒布、譲渡、貸与、翻訳及び翻案等を含みます)、または使用する目的で保管することは禁止されています。